JP2008067779A - 血液成分採取装置、ディスポーザブルユニット及び装置本体 - Google Patents

血液成分採取装置、ディスポーザブルユニット及び装置本体 Download PDF

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Abstract

【課題】エラーにより成分採血が途中で中断された場合においても、ディスポーザブルユニットと採取された血液と有効利用する。
【解決手段】血液成分採取装置10は、血液が流通する流路を含む採血キット14と、該採血キット14が装着され、成分採血の工程の制御をする装置本体12とを有する。採血キット14には、読み書き可能な記憶部174を含むRFID172が設けられ、装置本体12には、RFID172に対する読み書きを行う送受信部98が設けられている。装置本体12は、複数種類のエラー検出手段を備え、エラーが検出されたときに成分採血を中断するとともに、送受信部98はドナー情報200、設定情報202及びエラー情報204をRFID172に対して書き込む。RFID172に書き込まれた情報は、交換した装置本体12において読み込まれ、エラー発生時の状況から再開できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドナーから採取した血液を分離した後、所定の血液成分を採取する血液成分採取装置、及び該血液成分採取装置を構成するディスポーザブルユニットと装置本体とに関する。
採血には、血液をそのまま採取する全血採血と、所定の成分のみを取り出す成分採血がある。成分採血では、ドナーから採取した血液を遠心分離することにより所定の成分を抽出し、他の成分についてはドナーに返還する。これにより、必要な成分(血漿や血小板)については全血採血よりも多く採取することができ、しかも他の成分については返還をすることからドナーの負担を軽減することができる。また、このような成分採血を自動的に行うための血液成分採取装置が実用化されている。
血液成分採取装置は、ドナー毎に交換して用いられる滅菌されたディスポーザブルユニットと、該ディスポーザブルユニットが装着され全工程の主体的な制御をする装置本体とを有する。ディスポーザブルユニットは穿刺針と、該穿刺針に接続されて血液が流通する流路と、遠心分離を行う遠心ボウルと、分離された血液成分を採取するバッグ等を有する。
装置本体とディスポーザブルユニットとは正しい組合わせで用いなければならない。このような観点から、ディスポーザブルユニットユニットにバーコードを設けることによって種類の識別を行うとともに、装置本体には該ディスポーザブルユニットに応じたプロトコルが記録されたメモリーカードを挿入して読み込み実行する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−164194号公報
成分採血の工程には採血工程、遠心分離工程、及び返血工程等があり、全工程を終了するまでには時間がかかる。ところで、これらの工程の間に何らかの理由によって処理を続行できなくなった場合には、それまでの処理に要した時間が無駄になってしまい、ドナーに対して迷惑を与えかねない。
また、前記の通りディスポーザブルユニットには流路の他に遠心ボウルやバッグが設けられており、採血及び遠心分離を行っている最中には相当量の血液が蓄えられており、処理の続行ができなくなった場合には、蓄えられた血液及びディスポーザブルユニット自体が有効利用されないことになりかねない。
さらに、全ての処理が正常に終了した場合であっても、ディスポーザブルユニットを装置本体から取り外した後には、該ディスポーザブルユニットには何らの識別手段もなく、例えば、いつどのようなドナーから採取されたものであるのか管理が困難であり、手書き識別等に頼らざるを得ない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、採血から返血までの一連の工程で、処理が中断された場合であっても、それまでに得られた血液を有効に利用することのできる血液成分採取装置、ディスポーザブルユニット及び装置本体を提供することを目的とする。
また、本発明は、ディスポーザブルユニットが使用された履歴を明らかにし、装着された機器で適切な処理を行うことのできる血液成分採取装置、ディスポーザブルユニット及び装置本体を提供することを目的とする。
本発明に係る血液成分採取装置は、ドナーから採取した血液を分離した後、所定の血液成分を採取する血液成分採取装置において、血液が流通する流路を含むディスポーザブルユニットと、前記ディスポーザブルユニットが装着され、前記複数の工程の制御をする装置本体とを有し、前記ディスポーザブルユニットには、読み書き可能な情報記憶媒体が設けられ、前記装置本体には、前記情報記憶媒体に対する読み書き手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係るディスポーザブルユニットは、ドナーから採取した血液を分離した後、所定の血液成分を採取する血液成分採取装置の装置本体に装着されるディスポーザブルユニットであって、血液が流通する流路と、前記装置本体に設けられた読み書き手段によって所定の情報を読み書き可能な情報記憶媒体とを有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る装置本体は、ドナーから採取した血液を分離した後、所定の血液成分を採取する血液成分採取装置の装置本体であって、血液が流通する流路と、読み書き可能な情報記憶媒体とを備えたディスポーザブルユニットが装着され、前記情報記憶媒体に対する読み書き手段を有することを特徴とする。
このように、ディスポーザブルユニットに情報記憶媒体を設けるとともに、装置本体に読み書き手段を設けることにより、成分採血における所定の情報を装置本体から情報記憶媒体に書き込んでおくことができる。したがって、採血から返血までの一連の工程で、処理が中断された場合であっても、装置本体を交換し、又はエラー要因を取り除いた後に、該装置本体は情報記憶媒体から必要な情報を読み込んで、成分採血を再開することができ、それまでに得られた血液を有効に利用することができる。
この場合、前記装置本体は、複数種類のエラーを検出するエラー検出手段を備え、前記エラー検出手段によってエラーが検出されたときに採血を中断するとともに、前記読み書き手段はエラーに関する情報を前記情報記憶媒体に対して書き込むようにしてもよい。これにより、成分採血を再開するときには、情報記憶媒体に記録されたエラーに関する情報に基づいて、適切な対応をとることができる。
前記エラーに関する情報は、エラーの種類を示す情報を含み、前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記エラーの種類を示す情報を読み取り、該エラーの種類に基づいて処理を開始してもよい。
また、前記エラーに関する情報は、採血を中断したときの工程に関する情報を含み、前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記工程に関する情報を読み取り、該工程から処理を開始する途中開始手段を有していてもよい。これにより、成分採血を中断時点と同じ工程から再開できる。
前記装置本体は、ドナー情報入力手段を備え、前記読み書き手段は、前記ドナー情報入力手段から得られたドナーに関する情報を前記情報記憶媒体に対して書き込むようにしてもよい。これにより、ドナーと使用されたディスポーザブルユニットとの対応が明確になる。
前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記ドナーに関する情報を読み取って出力装置に表示し、所定の確認入力が得られた後に処理を開始すると、誤った対応が防止できる。
前記装置本体は、ドナー情報入力手段と、前記ドナー情報入力手段から得られたドナーに関する情報に基づいて前記装置本体の動作の設定情報を求める動作設定手段とを有し、前記読み書き手段は、前記動作設定手段から得られた設定情報を前記情報記憶媒体に対して書き込むようにしてもよい。
前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記設定情報を読み取り、該設定情報に基づいて動作の設定をすると、装置本体の各種設定を迅速且つ正確に行うことができる。
前記ディスポーザブルユニットは、前記装置本体に対して装着されるカセットを有し、前記情報記憶媒体は前記カセットに設けられていてもよい。これにより、情報記憶媒体が装置本体に隣接(又は接触)することになり、情報の読み書きがより確実に行われる。前記所定の情報は、前記装置本体のエラーに関する情報、ドナーに関する情報及び前記装置本体の動作の設定情報の1以上の情報であってもよい。
本発明に係る血液成分採取装置、ディスポーザブルユニット及び装置本体では、ディスポーザブルユニットには情報記憶媒体が設けられるとともに、装置本体には読み書き手段が設けられる。これにより成分採血における所定の情報を装置本体から情報記憶媒体に書き込んでおくことができる。したがって、採血から返血までの一連の工程で、処理が中断された場合であっても、装置本体を交換し、又はエラー要因を取り除いた後に、該装置本体は情報記憶媒体から必要な情報を読み込んで、成分採血を再開することができ、それまでに得られた血液を有効に利用することができる。
以下、本発明に係る血液成分採取装置、ディスポーザブルユニット及び装置本体についての実施の形態として、血液成分採取装置10、採血キット(ディスポーザブルユニット)14及び装置本体12を挙げ、添付の図1〜図10を参照しながら説明する。
図1に示すように、血液成分採取装置10は、装置本体12と、該装置本体12に装着される採血キット14とを有する。採血キット14は、成分採血において血液が流通する流路や採取した血液成分を貯溜するバッグ等を有するディスポーザブルユニットであって、予め所定の滅菌処理がなされている。
装置本体12は、箱形の機構本体部15と、該機構本体部15の背面左右から上方に延在する第1支柱16a及び第2支柱16bと、第1支柱16aの上端左側に設けられた重量計18と、第2支柱の上端部に設けられたモニタ20と、第1支柱16aの右側に設けられた複室バッグ126の有無を検出するバッグ検出センサ21と第2支柱16bの右側に設けられた除菌フィルター114の有無を検出するセンサ23a及び気泡除去用チャンバー112の有無及び抗凝固剤の滴下を検出するセンサ23bとを有する。モニタ20は血液成分採取装置10の入出力装置であり、大型のカラータッチパネル(ドナー情報入力手段、出力装置)20aと、スピーカ20bとを有し、画像及び音声を用いた簡易な操作が可能である。スピーカ20bはステレオ式である。
機構本体部15は左側の制御機構部22と、右側の遠心分離機構部(分離手段)24とからなる。制御機構部22は、血液成分採取装置10の全体を統括的に制御する制御部26と、血液ポンプ28と、抗凝固剤ポンプ30と、濁度センサ32と、6つの気泡センサ34a、34b、34c、34d、34e、34fと、7つのクランプ36a、36b、36c、36d、36e、36f、36gと、ドナー圧力センサ38と、システム圧力センサ40とを有する。濁度センサ32及び各気泡センサ34a〜34fとしては、それぞれ、例えば、超音波センサ、光学式センサ、赤外線センサ等を用いることがきる。濁度センサ32と気泡センサ34dは一体的に構成されている。
遠心分離機構部24は採血キット14の遠心ボウル(遠心分離器)120が装着され、該遠心ボウル120内に導入された血液を遠心分離する機構部である。
遠心ボウル120の設定回転速度としては、例えば4200〜5800rpm程度に設定される。これにより、貯血空間内の血液は内層より血漿層(PPP層)、バフィーコート層(BC層)及び赤血球層(CRC層)に分離される。遠心ボウルの近傍には、血漿層とバフィーコート層との界面(以下、単に界面と呼ぶ。)の位置に応じて変化する透過率から該界面の位置を検出する光学式センサ62(図3参照)が設けられている。
制御部26は、機構本体部15の内部に設けられている。制御機構部22における制御部26以外の機器は、採血キット14のチューブが装着可能なように上面、前面及び支柱に設けられている。
血液ポンプ28及び抗凝固剤ポンプ30は、チューブ側面にローラを押圧させながら連続的に転動させることにより内部の血液を押し出すローラポンプ式であり、血液に対して非接触の状態で駆動可能である。また、血液ポンプ28及び抗凝固剤ポンプ30は、制御部26の作用下に速度及び流体吐出方向が可変である。血液ポンプ28は、採血時には所定の正方向に回転することにより血液を引き込む吸引ポンプとして作用し、返血時には逆方向に回転することにより血液成分をチューブ104に送り出す吐出ポンプとして作用する。
濁度センサ32は、挟み込まれたチューブ内を通過する液体の濁度を検出するセンサである。気泡センサ34a〜34fは、挟み込まれたチューブ内を通過する液体の有無又は気泡を検出するセンサである。クランプ36a〜36gは、挟み込まれたチューブを両側から押圧して閉じ、又は開放して連通させ、回路の切り替えを行う開閉バルブとしての作用を奏する。これらのクランプ36a〜36gは、カセットハウジング42がはめ込み可能なように制御機構部22の上面における一区画に集中配置されている。カセットハウジング42は採血キット14のチューブの多くの部分を一体的に集約、配置するための樹脂製部材であり、該カセットハウジング42を制御機構部22の上面のカセット装着部22aにはめ込むことにより所定のチューブが対応するクランプ36a〜36gによって開閉可能に配置される。
ドナー圧力センサ38は、採血キット14における採血経路系統(採血回路)14a(図3参照)の一部が差し込まれ、採血ラインの圧力を示すドナー圧力Pdを計測するセンサであり、採血時には採血圧力センサとして作用し、返血時には返血圧力センサとして作用する。
システム圧力センサ40は、処理経路系統14b(図3参照)の一部が差し込まれ、回路内の圧力を示すシステム圧力(回路内圧力)Psを計測するセンサである。なお、装置本体12にセットされた状態の採血キット14におけるチューブの配置は本発明の要旨ではないので、図1においてはチューブの一部を省略して図示している。
図2に示すように、制御部26は、出力用として血液ポンプドライバ76と、抗凝固剤ポンプドライバ78と、モータドライバ80と、クランプドライバ82とを有し、血液ポンプ28、抗凝固剤ポンプ30、モータ64及びクランプ36a〜36gを制御する。血液ポンプドライバ76は、血液ポンプ28の速度及び吐出方向を制御する。抗凝固剤ポンプドライバ78は、抗凝固剤ポンプ30の速度を制御する。モータドライバ80はモータ64の回転速度を制御する。クランプドライバ82は、クランプ36a〜36gを個別に開閉制御する。
また、制御部26は、各センサの入力制御を行う入力インターフェース84と、モニタ20の入出力を行うモニタインターフェース86とを有する。さらに、制御部26は、各機能部と協動して採血処理動作を制御するモード制御部88と、各センサの入力信号等に基づいて複数種類のエラーの監視を行う異常監視部(エラー検出手段)90と、所定のプログラムやデータの記憶を行う記憶部92と、タイマ94と、外部機器とのデータ通信を行う通信部96とを有する。なお、記憶部92に記憶されるデータの詳細については後述する(図6参照)。
制御部26内の機能の一部は、記憶部92に記録されたプログラムを図示しないCPUによって読み込み実行することにより実現される。
制御部26は送受信部98に接続されており、該送受信部98を介して採血キット14に設けられたRFID(情報記憶媒体、図4参照)172に対してデータの読み書きを行うことができる。送受信部98は、RFID172の近傍となるようにカセット装着部22a(図4参照)の側面に埋め込まれている。RFID172と送受信部98との間には電波を遮蔽又は減衰する部材がないことが望ましい。
図3に示すように、採血キット14は、ドナーから血液を採取及び返還するための採血経路系統14aと、採取した血液を遠心分離又は循環等させる処理経路系統14bとを有する。
採血経路系統14aは、ドナーに穿刺する中空の採血針100と、一端が採血針100に接続されて他端が分岐継手102を介して処理経路系統14bに接続されたチューブ104と、該チューブ104の途中に設けられたチャンバー106と、抗凝固剤が入った抗凝固剤容器107(図1参照)に接続される抗凝固剤容器接続用針108と、一端が該抗凝固剤容器接続用針108に接続されたチューブ110と、該チューブ110の途中に設けられた気泡除去用チャンバー112及び除菌フィルター(異物除去用フィルター)114とを有する。チューブ104とチューブ110は、採血針100の近傍に設けられた分岐継手116により接続されている。
チューブ104(及び後述するチューブ140)は採血、返血に共用であり、採血ライン及び返血ラインとして作用する。
チャンバー106は、チューブ104を通過する血液中の気泡及びマイクロアグリゲートを除去する。チャンバー106の一端にはチューブ104から分岐した短いチューブ118が設けられている。該チューブ118の端部は通気性かつ菌不透過性のフィルター(図示せず)に接続されるとともに、ドナー圧力センサ38に挿入されており、ドナー圧力Pdを計測可能である。
抗凝固剤容器接続用針108に接続された抗凝固剤容器107には、ACD−A液のような抗凝固剤が蓄えられている。チューブ110の一部は抗凝固剤ポンプ30に装着されており、該抗凝固剤ポンプ30の作用下に抗凝固剤容器接続用針108から供給された抗凝固剤はチューブ110及び分岐継手116を介してチューブ104内の血液中に抗凝固剤が混入される。チューブ110の途中には気泡センサ34aが装着される。
チャンバー106と分岐継手102との間には、気泡センサ34b及びクランプ36aが装着される。クランプ36aは分岐継手102の近傍に装着されており、クランプ36aを開くことにより採血経路系統14aと処理経路系統14bは連通する。チューブ104には直列して2つの気泡センサ34e及び34fが装着されており、気泡や空気を確実に検知することができる。
処理経路系統14bは遠心ボウル120と、血漿採取バッグ122と、血小板採取バッグ124と、中間バッグ126aと、エアーバッグ126bと、バッグ128と、白血球除去フィルター130とを有する。
血漿採取バッグ122及び血小板採取バッグ124は、遠心分離等の処理により得られた血漿及び血小板を蓄えるバッグである。血漿採取バッグ122は重量計18(図1参照)のフック18aに懸架され、収納された血漿の重量を計測することができる。血小板採取バッグ124は、機構本体部15の前面に懸架される(図1参照)。
中間バッグ126aは、採取した血小板(濃厚血小板)を一時的に貯留するための容器である。エアーバッグ126bは、回路内の無菌空気を一時的に収納するための容器である。エアーバッグ126bと中間バッグ126aとは、回路的には分離した独立の容器であるが、物理的には一体的であって複室バッグ126を構成している。複室バッグ126はバッグ検出センサ21(図1参照)のフック21aに懸架される。
採血を行う際には、遠心ボウル120の貯血空間内等の空気はエアーバッグ126b内に移送され、収納される。返血工程の際には、エアーバッグ126b内に収納されている空気は、貯血空間内に戻され、所定の血液成分が、ドナーへ返還される。
バッグ128は血小板採取バッグ124に接続されたバッグであり、成分採血の終了後、血小板採取バッグ124内の空気を排出する際に用いられる。
血漿採取バッグ122、血小板採取バッグ124、中間バッグ126a、エアーバッグ126b及びバッグ128は、それぞれ樹脂製(例えば、軟質ポリ塩化ビニル)の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着剤により接着等して袋状にしたものが使用される。
なお、血小板採取バッグ124に使用されるシート材としては、血小板保存性を向上するためにガス透過性に優れるものを用いることがより好ましい。このようなシート材としては、例えば、ポリオレフィンやDnDP可塑化ポリ塩化ビニル等を用いることができる。
白血球除去フィルター130は、中間バッグ126aから血小板採取バッグ124に血液成分を移送する際に、血液成分中の白血球を分離除去するフィルターである。図1から明らかなように、白血球除去フィルター130は、中間バッグ126aより低く、血小板採取バッグ124より高い位置に配置される。
次に、処理経路系統14bの各構成機器を接続するチューブについて説明する。処理経路系統14bの端部である分岐継手102と遠心ボウル120の導入口との間はチューブ140で接続されている。該チューブ140の一部は血液ポンプ28に装着される。したがって、血液ポンプ28を正転させることにより血液を採血経路系統14aから遠心ボウル120内に導入し、又は処理経路系統14b内で所定の循環動作を行うことができる。また、血液ポンプ28を逆転させることにより、所定の血液成分を採血経路系統14aに導出し、ドナーに返還することができる。
遠心ボウル120の排出口にはチューブ142が接続されており、該チューブ142は分岐継手144を介して三つ股に分岐してチューブ146、チューブ148及びチューブ150に接続されている。チューブ142は、濁度センサ32及び気泡センサ34dに直列的に接続されている。
チューブ146はエアーバッグ126bに接続されており、その途中はクランプ36eに装着されている。チューブ148の端部は通気性かつ菌不透過性のフィルター(図示せず)に接続されるとともに、システム圧力センサ40に挿入されており、システム圧力Psを計測可能である。
チューブ150の端部は血漿採取バッグ122に接続されており、その途中には分岐継手152が設けられ、チューブ154を介して中間バッグ126aに接続されている。チューブ154はクランプ36dに装着されている。分岐継手152と血漿採取バッグ122との間のチューブ150はクランプ36cに装着されている。
中間バッグ126aと血小板採取バッグ124との間はチューブ156により接続されており、その途中には白血球除去フィルター130が設けられている。
中間バッグ126aと血小板採取バッグ124との間のチューブ156は、気泡センサ34c及びクランプ36gに装着されている。白血球除去フィルター130の端部には、チューブ156から短く分岐したフィルター160が設けられている。フィルター160はベントフィルター及びキャップからなる。
気泡センサ34cとクランプ36gとの間のチューブ156には分岐継手162が設けられ、チューブ164を介して、血漿採取バッグ122に接続されている。チューブ164の途中には分岐継手166が設けられている。該分岐継手166と分岐継手102との間はチューブ168により接続されている。分岐継手162と分岐継手166との間のチューブ164はクランプ36fに装着されている。チューブ168における分岐継手102の近傍部には、クランプ36bが装着されている。血小板採取バッグ124とバッグ128はチューブ158により接続されている。
採血キット14には、チューブが集中配置されたカセットハウジング42、及びチューブの一部と白血球除去フィルター130とを保持するフィルターカセット170(図1参照)が設けられている。カセットハウジング42は、カセット装着部22aを介して装置本体12に装着される(図1及び図4参照)。
図4に示すように、カセットハウジング42の端部にはRFID(RADIO FREQUENCY IDENTIFICATION)172が組み込まれており、送受信部98とともにRFIDシステムを構成している。RFIDシステムは、電波を利用して非接触で情報の読み出し及び書き込みを行なう情報記憶媒体を含む認識システムである。
RFID172は小型、軽量、廉価及び電源が不要という利点がある。また、非接触でデータ通信を行うことからコネクティング作業が不要であり、しかも汚れや等による通信不良がない。RFID172は例えばラベル型又はタグ型のものを用いるとよい。RFID172には、通信部96によって読み書きが行われる不揮発性の記憶部(情報記憶媒体)174(図2参照)が設けられている。
図5に示すように、記憶部92には、少なくともドナー情報200、設定情報202及びエラー情報204が記録される領域が確保されている。
ドナー情報200はドナーに関する情報であって、ドナーHT200a、ドナー血小板濃度200b、ドナー身長200c、ドナー体重200d、ドナー性別200e、採血番号200f及び採血日時200g等を有する。ドナーHT200a、ドナー血小板濃度200b、ドナー身長200c、ドナー体重200d及びドナー性別200eについては、予めの検査又はドナーの申告に基づいて決定され、カラータッチパネル20a(図1参照)を用いて入力される。ドナーHT200aはヘマクトクリット値である。採血番号200fは、ドナーやドナーから採血した血液を識別するために設定される管理上の番号である。採血日時200gはその採血が開始された日時を示すデータである。これらのドナー情報200は、成分採血を行う最初の段階で記憶部92に記録される。
設定情報202は成分採血をする際の装置本体12の設定に関する情報であって、プロトコル202a、遠心速度202b、採血速度202c、返血速度202d、ACD比率202e、サイクル設定202f、目標PC量202g及び目標PPP量202h等を有する。
プロトコル202aは、実行されたプロトコルを示すコードであり、PCプロトコルは「1」、PPPプロトコルは「2」、白血球除去PCプロトコルは「3」、初流血採取・白血球除去PCプロトコルは「4」等の値が割り当てられる。遠心速度202bは血液を遠心分離する際に遠心ボウル120を回転させる速度である。採血速度202cは採血時の血液ポンプ28の送液速度である。返血速度202dは返血時の血液ポンプ28の送液速度である。なお、遠心速度202b、採血速度202c及び返血速度202dは必ずしも1つずつのデータであるとは限らず、工程に応じて複数のデータから構成されるものであってもよい。
ACD比率202eは血液に対する抗凝固剤の添加量の比率であり、血液ポンプ28の回転速度に対する抗凝固剤ポンプ30の回転速度の比率で表される。サイクル設定202fは一連の採血及び返血の工程を何サイクル行うかについてのデータである。目標PC量202g及び目標PPP量202hは採取する血小板及び血漿の目標値である。
これらの設定情報202は、ドナー情報200に基づいて動作設定手段により求められ、成分採血を行う最初の段階で記憶部92に記録される。
エラー情報204は、成分採血を行っている最中にトラブルが発生した場合で、成分採血を中断する場合(以下、中断時という。)における、そのトラブルに関する情報を示すものであり、使用状態204a、エラー番号204b、現在工程番号204c、現在サイクル204d、現在PC量204e、現在PPP量204f、現在血小板数204g及び現在体外循環量204h等を有する。
使用状態204aは、複数の種類の使用状態のうち、いずれの状態かを示すデータである。具体的には、エラー番号204aは、回路使用前(初期状態)、使用中、使用後等の状態を示す。
エラー番号204bは予め定義された複数の種類のエラーのうち、いずれのエラーが発生したのかを示すデータである。エラー番号204bの記録領域には、初期状態で「0」が記録されており、エラーが発生すると該エラーの種類に応じた「1」以上の値が記録される。
現在工程番号204c及び現在サイクル204dは、中断時に行われていた工程及びサイクルの番号である。現在PC量204e及び現在PPP量204fは中断時に得られていた血小板及び血漿の量であり、複室バッグ126及び血漿採取バッグ122の内容量を計測することにより求められる。複室バッグ126の血小板量は、血小板採取工程で、血小板濃度及びポンプ速度から計算して求められる。血漿採取バッグ122の血漿量は、血漿採取バッグ122の重量を重量計18で計測することにより求められる。現在血小板数204gはエラーによる処理中断時に得られていた血小板数であり濁度センサ32で計測した血小板濃度と血小板採取中のポンプ速度により求められた値である。
現在体外循環量204hは、そのサイクルにおいて中断時にドナーから採取されて採血キット14内に蓄えられている血液及び血液成分の量(脱血量)であり、血液ポンプ28の回転方向及び回転数の積算により求められる。これらのエラー情報204は、中断時に記憶部92に記録される。
図6に示すように、RFID172の記憶部174は記憶部92と同様の構成で、ドナー情報200、設定情報202及びエラー情報204が記録される領域が確保されている。ドナー情報200としてはドナーHT200a、ドナー血小板濃度200b、ドナー身長200c、ドナー体重200d、ドナー性別200e、採血番号200f及び採血日時200gが記録される領域が確保されている。設定情報202としてはプロトコル202a、遠心速度202b、採血速度202c、返血速度202d、ACD比率202e、サイクル設定202f、目標PC量202g及び目標PPP量202hが記録される領域が確保されている。エラー情報204としては使用状態204a、エラー番号204b、現在工程番号204c、現在サイクル204d、現在PC量204e、現在PPP量204f、現在血小板数204g及び現在体外循環量204hが記録される領域が確保されている。
次に、血液成分採取装置10により成分採血を行う手順について図7〜図10を参照しながら説明する。なお、下記に示す処理に先だって、採血キット14を装置本体12に装着し、チューブ110とチューブ104の採血針100からチャンバー106までを抗凝固剤でプライミングし、その後、ドナーの血管に採血針100を穿刺しておくものとする。この後、モニタ20のカラータッチパネル20aを操作することによって図7に示すメイン処理が、主に制御部26の作用下に自動的に行われる。なお、マルチタスク等の手法により、図7のメイン処理と同時並行的に図9に示すエラー検出処理が行われる。
図7に示すように、メイン処理では、先ずS1において初期処理を行う。この初期処理は図8に示す手順で行われる。
図8のステップS101においてエラー確認処理を行う。すなわち、送受信部98によりRFID172のエラー番号204cを読み込み、その値が初期状態を示す「0」であれば通常処理であるステップS102へ進み、エラーを示す「1」以上の値であれば再開処理であるステップS106へ進む。エラー番号204cが「1」以上である場合には、採血キット14が少なくとも1度使用されて、エラーによって中断したことを示しているので、該エラーに対応する処理を行うためである。
ステップS102において、ドナー情報200をカラータッチパネル20aから入力する。
ステップS103において、入力されたドナー情報200を装置本体12の記憶部92に記録するとともに、送受信部98を介してRFID172の記憶部174にも記録する。
ステップS104(動作設定手段)において、ドナー情報200等に基づいて設定情報202を算出する。
ステップS105において、算出された設定情報202を装置本体12の記憶部92に記録するとともに、送受信部98を介してRFID172の記憶部174にも記録する。また、算出された設定情報202に基づいて各機器の設定を行う。例えば、機器の動作を規定するプログラム動作上の所定のパラメータに設定情報202の値を代入し、又は所定のドライバ(例えばモータドライバ80)を設定情報202の値により初期設定する。
このステップS105後、図7のステップS2へ移る。ステップS106〜S110については説明の便宜上、後述する。
図7に戻り、ステップS2において第1の血漿採取工程を行う。この第1の血漿採取工程は、遠心ボウル120の貯血空間内に血液を導入して遠心分離することにより得られる血漿を血漿採取バッグ122内に採取する工程である。
ここで、血液(抗凝固剤添加血液)は、チューブ104を介して移送され、遠心ボウル120の導入口よりロータの貯血空間内に導入される。このとき、遠心ボウル120内の空気は、チューブ142及びチューブ146を介してエアーバッグ126b内に送り込まれる。
貯血空間内に所定量の血液が導入された状態で遠心ボウル120のロータの回転を開始する。ロータの回転数はステップS9まで一定に維持される。ロータの回転により、貯血空間内に導入された血液は、内側から血漿層、バフィーコート層、赤血球層の3層に遠心分離される。なお、第2サイクル以降は、血液ポンプ28と同時にモータ64を駆動する。
ステップS3において、チューブ142に設けられた気泡センサ34dの信号を監視し、チューブ142を流れる流体が空気から血漿に変わったことを検出した後クランプ36eを閉じるとともにクランプ36cを開放する。貯血空間の容量を越える血液が貯血空間内に導入されると、遠心ボウル120の排出口から血漿が流出することから、このタイミングを気泡センサ34dにより検出してクランプ操作を行い、チューブ142及びチューブ150を介して血漿を血漿採取バッグ122内に導入、採取するように切り替える。血漿採取バッグ122に導入された血漿の重量は、重量計18により計測される。重量計18から得られる重量信号に基づき、血漿採取バッグ122内に所定量の血漿が採取されたことが確認された後ステップS4へ移る。
ステップS4において、定速血漿循環工程を行う。定速血漿循環工程は、血漿採取バッグ122内の血漿を貯血空間を含む循環回路で定速にて循環させる工程である。つまり、クランプ36aを閉じ、クランプ36bを開放するとともに抗凝固剤ポンプ30を停止する。これにより、採血を一時中断するとともに、血漿採取バッグ122内の血漿を循環させる経路が形成される。この循環回路は、血漿採取バッグ122からチューブ164、168及び140を介して貯血空間内に至り、遠心ボウル120の排出口から流出してきた血漿をチューブ142及び150を介して血漿採取バッグ122内に回収する経路である。この定速血漿循環工程を所定時間行った後、ステップS5へ移る。
ステップS5において、第2の血漿採取工程を行なう。第2の血漿採取工程では、第1の血漿採取工程と同様に血漿の採取及び遠心分離を行なう。これにより、貯血空間内の赤血球量が増加、すなわち、赤血球層の層厚が増大するのに伴い、界面も徐々に遠心ボウル120の回転軸に近づくので、光学式センサ62からの検出信号に基づいて界面が所定レベルに到達したことを確認した後、ステップS6へ移る。
ステップS6において加速血漿循環工程を行なう。加速血漿循環工程は、血漿採取バッグ122内の血漿を貯血空間内に加速させながら循環回路内で循環させる工程である。血漿の循環速度が所定速度に到達した後、ステップS7へ移る。
ステップS7において第3の血漿採取工程を行う。第3の血漿採取工程では、第1及び第2の血漿採取工程と同様に、血漿の採取を行なう。血漿採取バッグ122内に所定量の血漿が採取されたことが確認された後、ステップS8へ移る。
ステップS8において血小板採取工程を行なう。血小板採取工程は血漿採取バッグ122内の血漿を、貯血空間内で第1の加速度にて加速させながら循環させ、次いで、第1の加速度より大きい第2の加速度に変更し、該第2の加速度にて加速させながら循環させて、貯血空間内より血小板を流出させ、濃厚血小板を中間バッグ126a内に採取(貯留)する工程である。血小板採取工程において所定の操作を行った後、クランプ36eを開放し、この他のクランプ36a〜36d、36f及び36gを閉じた状態とし、血液ポンプ28を停止する。
ステップS9においてモータ64の回転数を制御してロータを減速及び停止させる。
ステップS10において返血工程を開始する。返血工程はロータの貯血空間内に残存する血液成分(主に、赤血球、白血球)をドナーに返血する工程である。つまり、クランプ36a及びクランプ36eを開放するとともに、血液ポンプ28を逆転する。これにより、ロータの貯血空間内に残存する血液成分は遠心ボウル120の導入口から排出され、チューブ104(採血針100)を介してドナーに返血(返還)される。
この後、所定の終了条件に基づいて返血工程を終了する。
ステップS11において、所定のサイクル数を終了したか否かを確認し、未終了であるときにはステップS2へ戻り採血、返血等の処理を続行する。
なお、最終サイクル時には、ステップS5で濾過工程を開始する。濾過工程は、中間バッグ126a内に一時的に採取(貯留)した濃厚血小板を、白血球除去フィルター130に供給して、濃厚血小板の濾過、すなわち、濃厚血小板中の白血球の分離除去を行なう工程である。白血球が除去された濃厚血小板は血小板採取バッグ124に貯溜される。
次に、図9に示すエラー検出処理について説明する。前記のとおり、エラー検出処理は図7のメイン処理と同時並行的に行われる。このエラー検出処理は、例えば前記の異常監視部90の作用下に行われる。
ステップS201においてエラーが発生したか否かを確認し、エラーが発生していないときには確認処理を継続する。エラーが発生した場合にはステップS202へ移る。
エラーの検出は複数種類のエラーについて行われてエラー番号204bが割り振られ、例えば、供給電圧低下の場合には「1」、遠心ボウル回転不良の場合には「2」、血液ポンプ回転不良の場合には「3」、抗凝固剤ポンプ回転不良の場合には「4」、各種センサ異常の場合には「6」が設定される。
エラー番号204bの記憶領域には、初期状態は「0」、採血が開始されると「1」が記憶され、採血が終了すると「2」が記録される。エラー番号204aが「0」の場合には装置を交換したと判断し、途中から作動し、「2」の場合には採血キット14の再使用を禁止する。
なお、軽微なエラーであって直ちに成分採血を中断する必要のない場合には、適当な警告を出力し、又は適当な復帰処理をしながら成分採血を続行してもよい。
ステップS202において、その時点で得られているエラー情報204を送受信部98を介してRFID172の記憶部174に記録する。なお、前記のドナー情報200及び設定情報202のRFID172への記録は、この時点でエラー情報204とともに一括して行ってもよい。
エラー番号204b以外のエラー情報204は、エラーが発生した時点ではなく、所定の間隔で(例えば各サイクル毎に)、又はリアルタイムで記憶部174に記録してもよい。
エラー情報204のエラー番号204bは、発生したエラーの数に基づき1又は複数個を記録する。また、電源が落ちた場合には、表示よりも記録を優先して行う。
なお、エラー情報204はオペレータが認識可能なように、カラータッチパネル20aに表示する。
ステップS203において、モータ64、血液ポンプ28及び抗凝固剤ポンプ30を停止させるなどの後処理を行い、成分採血を中断する。
このようにして、成分採血中においてエラーが発生した場合には、図9に示す処理によってRFID172にエラー情報204が書き込まれるとともに、ドナー情報200及び設定情報202は予め書き込まれていることから、成分採血を中断するまでにはこれらの全ての情報がRFID172に蓄えられることになる。特に、エラー情報204については、その時点の最新の情報が書き込まれる。
この後、オペレータはカラータッチパネル20aに表示されたエラー情報に基づいて所定の対応を行う。例えば、電源が落ちた場合には、電源投入を試み、リカバーできないときには交換用の装置を起動し、採血キットを移し替える。
また、供給電圧低下の場合(エラー番号204bが「1」の場合)には、例えば停電等の場合であり、すぐに電源が復旧した場合には成分採血を再開する。
さらに、機器の不良の場合(エラー番号204bが「2」〜「5」の場合)で、これらの機器がすぐに回復したときにはそのまま成分採血を再開する。不良の機器がすぐに回復しない場合には、図10に示すように使用中の採血キット14を現在使用中の装置本体12aから別の装置本体12bに移設した後に成分採血を再開する。この入れ換え作業は簡便であって迅速に行うことができる。
また、この移設作業は採血針100をドナーにつけたまま行うことから、基本的に採血キット14に対してドナーの入れ違えは発生しない。
次に、供給電圧低下及び機器不良等の場合において成分採血を再開する手順について説明する。
成分採血を再開する場合には、前記と同様の手順により初期処理(ステップS1)が行われ、この中のエラー確認処理であるS101(図8参照)において、送受信部98によりRFID172のエラー番号204bを読み込む。この場合、該エラー番号204bは、エラー発生により「0」以外の値となっていることからステップS106へ移る。
ステップS106において、RFID172の記憶部174に記録された情報、つまりドナー情報200、設定情報202及びエラー情報204を読み込む。
ステップS107においてドナー情報200に基づく反映処理を行う。すなわち、読み込んだドナー情報200を記憶部92の所定の領域に書き込む。
また、読み込んだドナー情報200はカラータッチパネル20aに表示され、オペレータ又はドナーは採血番号や成分採血記録等の手持ちの資料と照合する等して確認することにより、該ドナーと使用された採血キット14との対応をより明確にする。
これにより、ドナー情報200の再入力が不要となり、再開操作が簡便となる。
ステップS108において設定情報202に基づく反映処理を行う。すなわち、読み込んだ設定情報202を記憶部92の所定の領域に書き込むとともに、装置本体12の各機器を該情報に基づいて設定する。例えば、機器の動作を規定するプログラム動作上の所定のパラメータに設定情報202の値を代入し、又は所定のドライバ(例えばモータドライバ)を設定情報202の値により初期設定する。
このとき、設定情報202はRFID172に記録されていたデータをそのまま用いればよく、ドナー情報200に基づく再計算をする必要はないため、再開処理を迅速にすることができる。
ステップS109においてエラー情報204に基づく反映処理を行う。すなわち、読み込んだエラー情報204を記憶部92の所定の領域に書き込むとともに、該情報に基づいて所定の設定をする。
この設定とは、先ず、工程番号204c及び現在サイクル204dを対応するパラメータに代入し、エラー発生時に中断した時点との工程、サイクルを設定する。
また、現在PC量204e、現在PPP量204f、現在血小板数204g及び現在体外循環量204hについても対応するパラメータに代入し、それまでに採取したPC量、PPP量、PLT及び体外循環量が反映され、成分採血を再開した後には、これらの値を基準に対してさらに積算等をすることによりその時点における各採取量を正確に認識できる。
さらに、エラー番号204bを参照し、エラーの種類に基づく処理を行う。
また、機器の不良の場合(エラー番号204bが「2」〜「5」の場合)には、簡単な操作をして装置が回復するかを調べて、すぐに回復したときには、そのまま成分採血を再開し、すぐに回復しないときには、別の装置に採血キット14を移し替えて速やかに採血を開始させる。その後、対象機器は別途重点的に故障箇所を調べて修理する。
さらにまた、エラーによる中断の時刻をRFID172に記録しておき、読み取った該時刻と別のクロックから得られる現在時刻との差が所定時間以上であるときには再開を禁止してもよい。
ステップS110(途中開始手段)において、RFID172から読み取った工程番号204c及び現在サイクル204dに対応するプログラムのルーチンにジャンプする処理を行う。これにより、図7における対応するルーチンに移り、エラー発生時に中断した時点と同じ工程、同じサイクルから再開し、エラー発生前の状況がそのまま維持されて成分採血を継続することができる。
このとき、エラー停止時点が採血工程の場合には、装置交換の際に遠心動作を止めるため、分離状態は崩壊する。したがって、少なくとも一端遠心ボウル内の血液をドナーに返し、次のサイクルに移行する。このとき、予定サイクル数を自動的に「1」増加させる。
なお、最終的に成分採血が終了したとき、RFID172に記録されたドナー情報200、設定情報202及びエラー情報204は消去せずにそのまま残しておいてよい。このように情報をRFID172に残しておくことにより、採血キット14を装置本体12から取り外した後にも、どのようなドナーからどのような履歴で採血されたかを所定の読み取り装置を用いて認識することができる。また、使用済みであることも確認することができる。
上述したように、本実施の形態に係る血液成分採取装置10によれば、採血キット14にRFID172を設けるとともに、装置本体12に対応した送受信部98を設けることにより成分採血における各種の情報を装置本体12からRFID172に書き込んでおくことができる。したがって、採血から返血までの一連の工程で、エラーにより処理が中断された場合であっても、装置本体12を交換し、又はエラー要因を取り除いた後に、該装置本体12はRFID172から必要な情報を読み込み、エラー発生前の状況を維持・継続して成分採血を再開することができる。これにより、それまでに得られた血液、血液成分及び採血キット14自体を処分する必要がなく、これらを有効に利用することができる。特に、採血キット14を他の装置本体12bに移設した場合であっても、移設先において採血キット14の使用履歴が認識可能であって、該履歴に基づいて適切な処理を行うことができる。
また、ドナーに採血針を刺し直して採血キット14に採取した血液を返血する必要がないので、ドナーが受ける違和感を抑制又は防止することができる。さらに、ドナーが採血針100の刺し直しを拒否することを回避することができる。
なお、RFID172が設けられる箇所はカセットハウジング42に限らず、例えば、血漿採取バッグ122、血小板採取バッグ124、複室バッグ126又は白血球除去フィルター130等に設けられていてもよい。この場合、対応する送受信部98はRFID172の近傍に設けておけばよい。
RFID172には、製造工程において予め製造年月日、使用期限及びシリアル番号等を記録しておいてもよい。また、該情報に基づいて使用期限が過ぎていると判断される場合には成分採血を禁止するとよい。
採血キット14に設けられる情報記憶媒体は必ずしも非接触式に限らず、例えばコネクタを備えるメモリカードをカセットハウジング42内蔵したものでもよく、該カセットハウジング42を装置本体12に装着したときにコネクタ同士が接続されるように設定しておけばよい。
本発明に係る血液成分採取装置、ディスポーザブルユニット及び装置本体は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る血液成分採取装置を示す斜視図である。 制御部のブロック構成図である。 本実施の形態に係る採血キットの回路図である。 本実施の形態に係る装置本体の一部拡大概略断面図である。 本実施の形態に係る装置本体の記憶部の内容を示す図である。 RFIDの記憶部の内容を示す図である。 血液成分採取装置で行われる成分採血の手順を示すフローチャートである。 初期処理の手順を示すフローチャートである。 エラー検出処理の手順を示すフローチャートである。 採血キットを移設する様子を示す模式図である。
符号の説明
10…血液成分採取装置 12、12a、12b…装置本体
14…採血キット 20…モニタ
22…制御機構部 24…遠心分離機構部
26…制御部 28…血液ポンプ
30…抗凝固剤ポンプ 34a〜34f…気泡センサ
36a〜36g…クランプ 38…ドナー圧力センサ
40…システム圧力センサ 90…異常監視部
92、174…記憶部 98…送受信部
100…採血針 122…血漿採取バッグ
124…血小板採取バッグ 172…RFID(情報記憶媒体)
200…ドナー情報 202…設定情報
204…エラー情報

Claims (12)

  1. ドナーから採取した血液を分離した後、所定の血液成分を採取する血液成分採取装置において、
    血液が流通する流路を含むディスポーザブルユニットと、
    前記ディスポーザブルユニットが装着され、前記複数の工程の制御をする装置本体と、
    を有し、
    前記ディスポーザブルユニットには、読み書き可能な情報記憶媒体が設けられ、
    前記装置本体には、前記情報記憶媒体に対する読み書き手段が設けられていることを特徴とする血液成分採取装置。
  2. 請求項1記載の血液成分採取装置において、
    前記装置本体は、複数種類のエラーを検出するエラー検出手段を備え、
    前記エラー検出手段によってエラーが検出されたときに成分採血を中断するとともに、前記読み書き手段はエラーに関する情報を前記情報記憶媒体に対して書き込むことを特徴とする血液成分採取装置。
  3. 請求項2記載の血液成分採取装置において、
    前記エラーに関する情報は、エラーの種類を示す情報を含み、
    前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記エラーの種類を示す情報を読み取り、該エラーの種類に基づいて処理を開始することを特徴とする血液成分採取装置。
  4. 請求項2記載の血液成分採取装置において、
    前記エラーに関する情報は、採血を中断したときの工程に関する情報を含み、
    前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記工程に関する情報を読み取り、該工程から処理を開始する途中開始手段を有することを特徴とする血液成分採取装置。
  5. 請求項1記載の血液成分採取装置において、
    前記装置本体は、ドナー情報入力手段を備え、
    前記読み書き手段は、前記ドナー情報入力手段から得られたドナーに関する情報を前記情報記憶媒体に対して書き込むことを特徴とする血液成分採取装置。
  6. 請求項5記載の血液成分採取装置において、
    前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記ドナーに関する情報を読み取って出力装置に表示し、所定の確認入力が得られた後に処理を開始することを特徴とする血液成分採取装置。
  7. 請求項1記載の血液成分採取装置において、
    前記装置本体は、ドナー情報入力手段と、
    前記ドナー情報入力手段から得られたドナーに関する情報に基づいて前記装置本体の動作の設定情報を求める動作設定手段と、
    を有し、
    前記読み書き手段は、前記動作設定手段から得られた設定情報を前記情報記憶媒体に対して書き込むことを特徴とする血液成分採取装置。
  8. 請求項7記載の血液成分採取装置において、
    前記装置本体は、装着された前記ディスポーザブルユニットの前記情報記憶媒体から前記設定情報を読み取り、該設定情報に基づいて動作の設定をすることを特徴とする血液成分採取装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の血液成分採取装置において、
    前記ディスポーザブルユニットは、前記装置本体に対して装着されるカセットを有し、
    前記情報記憶媒体は前記カセットに設けられていることを特徴とする血液成分採取装置。
  10. ドナーから採取した血液を分離した後、所定の血液成分を採取する血液成分採取装置の装置本体に装着されるディスポーザブルユニットであって、
    血液が流通する流路と、
    前記装置本体に設けられた読み書き手段によって所定の情報を読み書き可能な情報記憶媒体と、
    を有することを特徴とするディスポーザブルユニット。
  11. 請求項10に記載のディスポーザブルユニットにおいて、
    前記所定の情報は、前記装置本体のエラーに関する情報、ドナーに関する情報及び前記装置本体の動作の設定情報の1以上の情報であることを特徴とするディスポーザブルユニット。
  12. ドナーから採取した血液を分離した後、所定の血液成分を採取する血液成分採取装置の装置本体であって、
    血液が流通する流路と、読み書き可能な情報記憶媒体とを備えたディスポーザブルユニットが装着され、
    前記情報記憶媒体に対する読み書き手段を有することを特徴とする装置本体。
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