JP4681401B2 - 血液成分採取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、血液成分採取装置に関するものである。
成分採血は、ドナー(供血者)から採取した血液(全血)を遠心分離や膜分離により血液成分に分離し、必要な血液成分を採取して残りの血液成分をドナーに返血する手技である。遠心分離方式、特に遠心ボウル方式での成分採血の場合、ドナーへの侵襲を減少させるために、採血針を1本にして採血工程と返血工程とを交互に繰り返す方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
通常の成分採血においては、アルコール消毒等を行うが、それでも、皮膚上や皮下に存在する細菌が、血液成分とともに血液成分採取バッグの中に混入することがある。
細菌の種類にもよるが、混入した細菌は、血液成分が収納された血液成分採取バッグを冷蔵する間にも増殖し、そのことに気づかずにこの血液成分が輸血に供されると、輸血された患者に、感染症、敗血症が発症することがある。
現在使用されている赤血球保存液(S.A.G.M.液、OPTISOL 液、M.A.P.液等)では、従来の血液保存液(ACD-A 液、CPD 液等の抗凝固剤)と異なりpHが比較的中性に近くなっている等のために、冷蔵時における細菌の増殖傾向が強い。
これらの細菌は皮膚表面のみならず、皮下に棲む場合も多いことから、採血の直前に、念入りに採血針の穿刺部位を消毒するだけでは採取された血液への細菌の侵入を避けることは困難である。
ここで経験的に、細菌は、採取された血液の初流(採血初流)に(多くは皮膚のかけらとともに)侵入することが判っている。
しかしながら、この採血初流を除去することができる血液成分採取装置は、未だ存在しない。
特表平8−509403号公報
そこで、採血初流を除去するために、血液成分採取装置の血液成分採取回路に、その採血針と血液分離器の流入口とを接続する血液処理ラインに設けられた分岐部から分岐し、採血初流を除去する初流除去ラインを設けることが考えられる。
この場合、血液成分採取回路には、血液処理ラインに設けられた第2の分岐部から分岐し、抗凝固剤を注入する抗凝固剤注入ラインが設けられており、前記初流除去ラインは、血液処理ラインの採血針と第2の分岐部との間に設けられた第1の分岐部から分岐する。
そして、オペレーターは、採血初流を除去する際は、第1の分岐部と第2の分岐部との間の血液処理ラインの流路をクレンメで閉塞する等、所定の手順にしたがって手動で種々の操作を行う。
しかしながら、オペレーターは、時には、クレンメを開閉する手順を誤ったり、また、クレンメを閉め忘れたり、また、クレンメを閉めたつもりが閉まっていなかった等、誤操作を行ってしまうおそれがあり、特に、第1の分岐部と第2の分岐部との間の血液処理ラインの流路が閉塞されていなければならないときに、その流路が開放されていると、第2の分岐部から血液分離器側の血液処理ラインに採血初流が流入してしまうことがあり、これにより、採取された血液成分(血液)に、細菌が混入してしまう。
本発明の目的は、採取された血液成分(血液)の細菌汚染を防止し、安全性を向上することができる血液成分採取装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
(1) 供血者から血液を採取する中空針を備えた採血手段と、
前記採血手段により採取された血液を分離する血液分離器と、
前記血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグと、
前記中空針と前記血液分離器の流入口とを接続する血液処理ラインと、
前記血液処理ライン内の血液に抗凝固剤を注入する抗凝固剤注入ラインと、
前記血液処理ラインに設けられた第1の分岐部から分岐し、前記供血者から採取された血液の初流を採取する初流採取ラインとを備えた血液成分採取回路と、
前記血液処理ラインに設置され、前記血液処理ライン内の液体を送液する第1の送液手段とを有し、
供血者から採取した血液を分離して、前記所定の血液成分を採取する血液成分採取装置であって、
前記第1の分岐部と前記血液分離器との間の前記血液処理ラインの流路を開閉する流路開閉手段と、
前記流路開閉手段から前記血液分離器側の前記血液処理ライン内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記流路開閉手段により前記血液処理ラインの流路が閉塞されているか否かを判別する判別手段とを有することを特徴とする血液成分採取装置。
(2) 前記圧力検出手段は、前記流路開閉手段により血液処理ラインの流路が閉塞されていなければならない場合に、前記血液処理ライン内の圧力を検出し、
前記判別手段は、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記血液処理ラインの流路が閉塞しているか否かを判別する流路閉塞確認操作を実行するように構成されている上記(1)に記載の血液成分採取装置。
(3) 前記判別手段は、前記初流採取ラインを通して供血者から採取した血液の初流を採取する初流採取工程の前に、前記流路閉塞確認操作を実行するように構成されている上記(2)に記載の血液成分採取装置。
(4) 前記初流採取工程の前に実行する前記流路閉塞確認操作では、前記第1の送液手段を前記血液処理ライン内が陽圧になるように作動させて、前記判別手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が陽圧ではない場合に、前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別するように構成されている上記(3)に記載の血液成分採取装置。
(5) 前記判別手段は、前記初流採取ラインを通して供血者から採取した血液の初流を採取する初流採取工程の最中または該初流採取工程の後に、前記流路閉塞確認操作を実行するように構成されている上記(2)に記載の血液成分採取装置。
(6) 前記初流採取工程の最中または前記初流採取工程の後に実行する前記流路閉塞確認操作では、前記判別手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が常圧ではない場合に、前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別するように構成されている上記(5)に記載の血液成分採取装置。
(7) 前記初流採取工程の最中または前記初流採取工程の後に実行する前記流路閉塞確認操作において、前記判別手段により前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別された場合には、前記血液処理ラインおよび前記抗凝固剤注入ラインを洗浄する洗浄操作を実行し得るように構成されている上記(5)または(6)に記載の血液成分採取装置。
(8) 前記抗凝固剤注入ラインは、前記血液処理ラインに設けられた第2の分岐部から分岐し、
前記第1の分岐部は、前記血液処理ラインの前記中空針と前記第2の分岐部との間に設けられ、
前記流路開閉手段は、前記第1の分岐部と前記第2の分岐部との間の前記血液処理ラインの流路を開閉するものであり、
前記判別手段は、前記抗凝固剤注入ラインから前記第2の分岐部を経て前記血液処理ラインの前記血液分離器側に向けて抗凝固剤を供給するプライミング工程の前または該プライミング工程の最中に、前記流路閉塞確認操作を実行するように構成されている上記(2)に記載の血液成分採取装置。
(9) 前記抗凝固剤注入ラインに設置され、前記抗凝固剤注入ライン内の液体を送液する第2の送液手段を有し、
前記プライミング工程の前または前記プライミング工程の最中に実行する前記流路閉塞確認操作では、前記第1の送液手段を前記血液処理ライン内が陽圧になるように作動させて、前記判別手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が陽圧ではない場合に、前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別するように構成されている上記(8)に記載の血液成分採取装置。
(10) 前記抗凝固剤注入ラインは、前記血液処理ラインに設けられた第2の分岐部から分岐し、
前記第1の分岐部は、前記血液処理ラインの前記中空針と前記第2の分岐部との間に設けられ、
前記流路開閉手段は、前記第1の分岐部と前記第2の分岐部との間の前記血液処理ラインの流路を開閉するものである上記(7)に記載の血液成分採取装置。
(11) 前記抗凝固剤注入ラインに設置され、前記抗凝固剤注入ライン内の液体を送液する第2の送液手段を有し、
前記洗浄操作においては、前記第1の送液手段を作動させ、前記第2の分岐部からの前記血液分離器側の前記血液処理ライン内の所定量の液体を、前記第1の分岐部を介して、前記初流採取ラインに移送するとともに、前記第2の送液手段を作動させ、前記第2の分岐部からの前記抗凝固剤注入ライン内の所定量の液体を、前記第1の分岐部を介して、前記初流採取ラインに移送するように構成されている上記(10)に記載の血液成分採取装置。
(12) 前記中空針と前記第1の分岐部との間の前記血液処理ラインの流路を開閉する流路開閉手段を有し、前記洗浄操作は、該流路開閉手段により前記中空針と前記第1の分岐部との間の前記血液処理ラインの流路を閉塞した状態で行われる上記(10)または(11)に記載の血液成分採取装置。
(13) オペレーターの指示の入力を受け付ける入力手段を有し、
前記洗浄操作は、該洗浄操作を実行させる旨の指示が前記入力手段に入力された場合に実行されるように構成されている上記(7)、(10)ないし(12)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
(14) 前記判別手段の判別結果またはそれに対応する情報を報知する報知手段を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
(15) 当該血液成分採取装置は、採取された血液を分離し、前記所定の血液成分を採取する血液成分採取工程と、残りの血液成分を前記供血者に返還する血液成分返還工程とを有する血液成分採取操作を少なくとも1サイクル行うものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
本発明によれば、初流採取ラインを有しているので、採血の際、容易に、ドナー(供血者)から採取された血液から、細菌感染の確率の高い初流(採血初流)を採取(除去)することができ、これにより、採取された血液やその採取された血液から分離された各血液成分への細菌の混入が抑制され、安全性が向上する。
また、容易かつ確実に、第1の分岐部と血液分離器との間の血液処理ラインの流路を開閉する流路開閉手段の開閉状態、すなわち、第1の分岐部と血液分離器との間の血液処理ラインの流路の開閉状態を検知することができる。そして、流路閉塞確認操作が行われるように構成されている場合は、容易かつ確実に、流路開閉手段により第1の分岐部と血液分離器との間の血液処理ラインの流路が閉塞(閉鎖)されていなければならない場合に、その血液処理ラインの流路(流路開閉手段)の開閉状態を検知することができる。これにより、例えば、下記(1)〜(3)の効果が得られる。
(1)プライミングの際、オペレーターが、第1の分岐部と血液分離器との間の間の血液処理ラインの流路を開閉する流路開閉手段の開閉操作を手動で行う場合に、その流路開閉手段の閉め忘れ等の誤操作を防止することができ、これにより、第1の分岐部およびその近傍や、第1の分岐部より中空針側の血液処理ラインおよび初流採取ラインに抗凝固剤が流入してしまうのを防止することができる。これにより、採血初流への抗凝固剤の混入を防止することができ、これによって、採取された採血初流を検査用の血液として用いることができる。
(2)採血初流を採取する際、オペレーターが、第1の分岐部と血液分離器との間の血液処理ラインの流路を開閉する流路開閉手段の開閉操作を手動で行う場合に、その流路開閉手段の閉め忘れ等の誤操作を防止することができ、これにより、採血初流が流入してほしくない部位(ライン)へのその採血初流の流入を防止することができる。
(3)採血初流を採取する際、オペレーターが、第1の分岐部と血液分離器との間の血液処理ラインの流路を開閉する流路開閉手段の開閉操作を手動で行う場合に、閉まっていなければならない前記流路開閉手段を誤って開いてしまった場合に、それを検知することができ、これにより、迅速に適切な対応を採ることができる。特に、洗浄操作を行うことができるように構成されている場合には、その洗浄操作を行うことにより、容易かつ確実に、血液処理ラインおよび抗凝固剤注入ラインを洗浄することができ、例えば、採血初流が流入してほしくない部位(ライン)へ流入してしまった採血初流を初流採取ラインに移送することができる。
また、本発明では、流路開閉手段から血液分離器側の血液処理ライン内の圧力を検出し、その検出結果に基づいて、流路開閉手段により第1の分岐部と血液分離器との間の血液処理ラインの流路が閉塞されているか否かを判別するので、簡易な構成で、確実に、その血液処理ラインの流路(流路開閉手段)の開閉状態を検知することができる。
以下、本発明の血液成分採取装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の血液成分採取装置を、主に血漿を採取する血漿採取装置に適用した場合の実施形態を示す平面図(一部にブロック図を含む)、図2は、図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断断面図である。
図1に示す血液成分採取装置(血漿採取装置)1は、ドナー(供血者)の血管に穿刺される中空針(採血針)(ドナーから血液を採取する採血手段)291と、採取された血液を貯血空間146内にて遠心分離する遠心分離器(遠心ボウル)(血液分離器)20と、遠心分離器20により分離された血漿(血液成分)を採取する血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25とを備える血液成分採取回路(血液処理回路)2を有し、ドナーから採取した血液を遠心分離し、所定量の血漿を採取した後、残りの血漿とともに白血球、血小板および赤血球(残りの血液成分)をドナーに返還する装置である。
血液成分採取装置1は、中空針291と、採血ラインおよび返血ラインの双方として兼用される採血・返血ライン(血液処理ライン)21と、遠心分離器20と、遠心分離器20の流出口144に接続された採取バッグ側ライン22と、採血・返血ライン21の途中に接続された抗凝固剤注入ライン23および初流採取ライン27と、採取バッグ側ライン22の途中に接続され、この採取バッグ側ライン22を介して遠心分離器20の流出口144に連通するエアーバッグ側ライン24と、採取バッグ側ライン22と接続された血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25と、血漿採取バッグ25とチューブ(流路)32aにより接続されたサブバッグ32と、エアーバッグ側ライン24と接続されたエアーバッグ26と、初流採取ライン27と接続された初流採取バッグ81とを備える血液成分採取回路2を有している。
また、血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、採血・返血ライン21内の血液または血液成分(液体)を送液する血液ポンプ(第1の送液手段)11と、抗凝固剤注入ライン23内の抗凝固剤(液体)を送液する抗凝固剤ポンプ(第2の送液手段)12と、血液成分採取回路2の流路の開閉を行うための第1の流路開閉手段51および第2の流路開閉手段52と、遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、第1の流路開閉手段51および第2の流路開閉手段52等を制御するための制御手段55と、濁度センサ14と、光学式センサ15と、重量センサ16と、第1の気泡センサ17と、第2の気泡センサ34と、第3の気泡センサ35と、第4の気泡センサ36と、第5の気泡センサ37と、タッチパネル19とを備えている。
以下、各部の構成について説明する。
中空針291は、採血・返血ライン21の一端に接続されており、中空針291の基端側には、翼292が設けられている。図1中では、中空針291には、キャップが被せられている。
採血・返血ライン21は、中空針291が一端に接続された中空針側ライン21aと、遠心分離器20の流入口143とを接続された遠心分離器側ライン21bと、これらの間に配置されたポンプチューブ21gとを有している。
中空針側ライン21aは、気泡およびマイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21dを備える。
チャンバー21dには、チューブ(流路)21hを介して通気性かつ菌不透過性のフィルター21iが接続されている。このラインは、中空針側ライン21aの内圧(血液ポンプ11より中空針291側の採血・返血ライン21の内圧)、すなわちドナー圧を検出する圧力センサ18に接続される。この圧力センサ18により、後述するクレンメ93から遠心分離器20側(血液ポンプ11側)の採血・返血ライン21内の圧力を検出する圧力検出手段が構成される。
採取バッグ側ライン22は、一端が遠心分離器20の流出口144に接続され、他端が血漿採取バッグ25に接続されている。この採取バッグ側ライン22の途中には、3つ(3股)に分岐した(接続口は合計4つ)分岐コネクタ61が設けられており、採取バッグ側ライン22は、この分岐コネクタ61を介して接続されている。
分岐コネクタ61には、チューブ(流路)62を介して通気性かつ菌不透過性のフィルター63が接続されている。このラインは、例えば、遠心分離器20の内圧の検出等に用いることができる。
抗凝固剤注入ライン23は、その一端が採血・返血ライン21に設けられた分岐コネクタ21cに接続されている。すなわち、抗凝固剤注入ライン(流路)23は、分岐コネクタ(第2の分岐部)21cから分岐、すなわち、分岐コネクタ21cを介して採血・返血ライン(流路)21から分岐している。また、分岐コネクタ21cは、中空針291の近傍に位置している(設けられている)。この抗凝固剤注入ライン23は、分岐コネクタ21c側より、ポンプチューブ23a、除菌フィルター(輸液フィルター)64、気泡除去用チャンバー23c、抗凝固剤容器接続用針23dを備えている。図1中では、抗凝固剤容器接続用針23dにキャップが被せられている。
この抗凝固剤注入ライン23の抗凝固剤容器接続用針23dは、抗凝固剤(抗凝固剤液)が収納(収容)された図示しない容器(バッグ)に接続され、これにより、容器内の抗凝固剤は、後述するように、抗凝固剤容器接続用針23dから分岐コネクタ21cに向かって抗凝固剤注入ライン23を流れ、中空針側ライン21aに供給(注入)される。これにより、例えば、抗凝固剤注入ライン23を介して、中空針291により採取された血液に抗凝固剤を添加(混合)することができる。
なお、抗凝固剤としては、特に限定されないが、例えば、ACD−A液等を用いることができる。
初流採取ライン27は、その一端が採血・返血ライン21に設けられた分岐コネクタ21eに接続されている。すなわち、初流採取ライン(流路)27は、分岐コネクタ(第1の分岐部)21eから分岐、すなわち、分岐コネクタ21eを介して採血・返血ライン(流路)21から分岐している。また、分岐コネクタ21eは、中空針291と、分岐コネクタ21cとの間に位置している(設けられている)。
初流採取バッグ81は、ドナーから中空針291により採取した血液の初流(採血初流)を採取する(貯留)するための容器である。前記初流採取ライン27の他端は、この初流採取バッグ81に接続されている。
初流採取バッグ81の容量は、特に限定されないが、10〜100mL程度であるのが好ましく、25〜50mL程度であるのがより好ましい。
初流採取バッグ81の容量が前記範囲未満であると、ドナーから中空針291により採取された血液の初流(採血初流)を十分に除去(採取)することができないことがあり、前記範囲を超えると、ドナーから採取される血液量が多くなりドナーの負担が増えてしまう。
また、初流採取バッグ81の、初流採取ライン27の接続部と反対側には、チューブ82の一端が接続され、そのチューブ82の他端には、針管83接続されている。
針管83の周囲には、針管83を被包する被包部材84が設置されている。この被包部材84としては、例えば、各種ゴム材料(弾性材料)による膜で構成され、針管83の針先により容易に刺通可能なものが好適に使用される。
また、針管83の基端側には、キャップ86を有するホルダー85が着脱自在に装着され、これにより、針管83がホルダー85内に収納される。
また、初流採取ライン27の途中、中空針側ライン21aの中空針291と分岐コネクタ21eとの間、中空針側ライン21aの分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間には、それぞれ、ライン(流路)の途中を開閉し得るクレンメ(流路開閉手段)91、92および93が設けられる。クレンメ91は、初流採取ライン27の流路(チューブ内の流路)を開閉するために設けられている。また、クレンメ(第2のクレンメ)92は、中空針291と分岐コネクタ21eとの間において中空針針ライン21aの流路(チューブ内の流路)を開閉するために設けられている。また、クレンメ(第1のクレンメ)93は、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間において中空針側ライン21aの流路(チューブ内の流路)を開閉するために設けられている。
ここで、クレンメ91は、成分採血の際、一度閉じると、再度開くことはないので、そのクレンメ91としては、一度閉じると、開かない(開き難い)構造のクレンメ(流路閉塞手段)、例えば、シャッタークレンメを用いるのが好ましい。このため、本実施形態では、クレンメ91として、シャッタークレンメが用いられている。
なお、クレンメ91、92および93に代えて、それぞれ、例えば、鉗子等を用いてもよく、また、後述する第1の流路開閉手段51や第2の流路開閉手段52のように、ラインもしくはチューブの挿入部を備え、その挿入部に駆動源で作動するクランプを有するもの等を用いてもよい。
クレンメ91および92を開き、クレンメ93を閉じた状態において、ドナーから中空針291により採取された血液の初流は、ドナーの静脈圧や落差(自重)により、その中空針291から、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21e、初流採取ライン27を流れ、初流採取バッグ81内に導入(採取)される。すなわち、ドナーから中空針291により採取された血液の初流(採血初流)は、分岐コネクタ21eおよび初流採取ライン27を介して、中空針側ライン21aから除去され、初流採取バッグ81内に採取される。このようにして、容易に、細菌感染の確率の高い、採取された血液の初流を除去(採取)することができ、これにより、採取された血液から分離された血漿(血液成分)への細菌の混入が抑制され、安全性が向上する。
また、初流採取バッグ81内に収納されている血液を、例えば、図示しないゴム栓を有する減圧採血管内に回収(サンプリング)することができる。
この場合、クレンメ91を閉じてからホルダー85のキャップ86を外し、減圧採血管をそのゴム栓側からホルダー85に挿入して、ホルダー85の最奥部まで押し込み、針管83をゴム栓に穿刺し、貫通させる。これにより、初流採取バッグ81内に収納されている血液は、チューブ82を流れ、減圧採血管内に吸引され、回収される。この減圧採血管への血液のサンプリング終了後、減圧採血管をホルダー85から引き抜く。複数本の減圧採血管へ血液のサンプリングを行う場合には、前述した操作を繰り返す。
減圧採血管内に回収された血液は、例えば、血清の生化学検査、感染症ウィルス(例えば、エイズ、肝炎等)の抗体検査等に用いることができる。
エアーバッグ側ライン24は、分岐コネクタ61に接続されている。すなわち、エアーバッグ26は、このエアーバッグ側ライン24を介して採取バッグ側ライン22から分岐して設けられている。
血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12は、それぞれ、ポンプチューブ21g、23aを複数のローラーにより押圧閉塞しつつ回転するローターを有するローラーポンプ(チューブポンプ)で構成されている。
採血・返血ライン21、採取バッグ側ライン22、抗凝固剤注入ライン23、エアーバッグ側ライン24および初流採取ライン27の形成に使用されるチューブ、各ポンプチューブ21g、23a、サブバッグ32に接続されているチューブ32a、チャンバー21dに接続されているチューブ21h、分岐コネクタ61に接続されているチューブ62、初流採取バッグ81に接続されているチューブ82の構成材料としては、ポリ塩化ビニルが好ましい。
各チューブがポリ塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからである。
なお、各ポンプチューブ21g、23aとしては、ローラーポンプにより押圧されても損傷を受けない程度の強度を備えるものが使用されている。
また、上述した分岐コネクタ21c、21e、61の構成材料についても、前記チューブの構成材料と同様のものを用いることができる。
血漿採取バッグ25は、血漿を採取するための容器であり、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより、血漿採取バッグ25の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
サブバッグ32は、チューブ32aを介して血漿採取バッグ25に接続され、それらの内部同士が連通している。このサブバッグ32は、例えば、血漿保存バッグ等に用いることができる。
エアーバッグ26は、一時的に空気(エアー)を収納(貯留)するための容器であり、エアーバッグ側ライン24を介して、分岐コネクタ61に接続されている。すなわち、エアーバッグ26は、エアーバッグ側ライン24、分岐コネクタ61および採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより、エアーバッグ26の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
これらの血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着等)または接着して袋状にしたものが使用される。
血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26に使用される材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に使用される。
血液成分採取回路2に設けられている遠心分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、遠心力により血液を血漿と血球(血小板、白血球および赤血球)とに分離する。遠心分離器20としては、図2に示すものが使用される。
第1の流路開閉手段51は、エアーバッグ側ライン24の流路の途中を開閉するために設けられている。
第2の流路開閉手段52は、分岐コネクタ61より血漿採取バッグ25側において採取バッグ側ライン22の流路の途中を開閉するために設けられている。
第1の流路開閉手段51および第2の流路開閉手段52は、ラインもしくはチューブの挿入部を備え、挿入部には、例えば、ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有する。具体的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適である。
遠心分離器駆動装置10は、図2に示すように、遠心分離器20を収納するハウジング201と、脚部202と、駆動源であるモータ203と、遠心分離器20を保持する円盤状の固定台205とで構成されている。ハウジング201は、脚部202の上部に載置、固定されている。
また、ハウジング201の下面には、ボルト206によりスペーサー207を介してモータ203が固定されている。モータ203の回転軸204の先端部には、固定台205が回転軸204と同軸でかつ一体的に回転するように嵌入されており、固定台205の上部には、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されている。
また、遠心分離器20の上部145は、図示しない固定部材により、ハウジング201に固定されている。遠心分離器駆動装置10では、モータ203を駆動すると、固定台205およびそれに固定されたローター142が、あらかじめ設定された所定の遠心条件(例えば、回転数3000〜6000rpm)で回転する。この遠心条件により、ローター142内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定することができる。
なお、ローター142において、貯血空間146の容積は、例えば、100〜350mL程度とされる。
ハウジング201には、その側部(図2中、左側)に光学式センサ15が設置されている。
この光学式センサ15は、貯血空間146に向って投光するとともにその反射光を受光するように構成されている。
光学式センサ15は、投光部151から光(例えばレーザー光)を照射(投光)し、ローター142の反射面147で反射された反射光を受光部152で受光する。そして、受光部152においてその受光光量に応じた電気信号に変換される。
ここで、光学式センサ15は、片面に反射面を有し、光路を変更する反射板153を有しており、投光部151から照射された光は、反射板153を介して反射面147に照射され、反射面147で反射した光は、反射板153を介して受光部152で受光されるように構成されている。
このとき、投光光および反射光は、それぞれ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成分の界面(本実施形態では、血漿層131と血球層132との界面B)の位置に応じて、投光光および反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、受光部152での受光光量が変動(変化)し、この変動を受光部152からの出力電圧の変化として検出することができる。
すなわち、光学式センサ15は、受光部152での受光光量の変化に基づき、血液成分の界面の位置を検出することができる。
ここで、貯血空間146内の血漿層131と血球層132とは、それぞれ、血液成分により色が異なっており、血球層132は、赤血球の色に伴い赤色を呈している。このため、光学式センサ15の精度向上の観点からは、投光光の波長に好適な範囲が存在し、この波長範囲としては、特に限定されないが、例えば、600〜900nm程度であるのが好ましく、750〜800nm程度であるのがより好ましい。
重量センサ16は、血漿採取バッグ25内に採取された血漿の採取量を検出する検出手段を構成する。
濁度センサ14は、採取バッグ側ライン22中を流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時には低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
この濁度センサ14により、例えば、採取バッグ側ライン22中を流れる血漿中への血球の混入等を検出することができる。
第1の気泡センサ17は、採血・返血ライン21内に空気が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第1の気泡センサ17により、採血・返血ライン21内の血液の有無が検出される。
第4の気泡センサ36および第5の気泡センサ37は、それぞれ、気泡が通過したことを検知するためのものである。これらにより、ドナーに空気が注入されることを防止する。
第2の気泡センサ34は、抗凝固剤注入ライン23内が空になったことを検出するため、抗凝固剤注入ライン23の所定の位置における空気(抗凝固剤の有無)の検出に用いられる。
第3の気泡センサ35は、遠心分離器20の貯血空間146の流出口144と分岐コネクタ61との間の採取バッグ側ライン22内に空気や血液(血漿)が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第3の気泡センサ35により、採取バッグ側ライン22内の血液の有無が検出される。
より詳細には、前記第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36および第5の気泡センサ37は、それぞれ、チューブの外側から超音波を送受信し、液体と気泡(気体)とで超音波の伝導率が異なるのを利用して、チューブ内の気体および液体(気/液の別、気/液面等)を検出することができる検出手段である。なお、これら各気泡センサ(気体および液体検出手段)としては、上記超音波センサ(超音波式センサ)に限らず、例えば、光学式センサ、赤外線センサ等を用いてもよい。
また、前記濁度センサ14としては、例えば、超音波センサ、光学式センサ、赤外線センサ等が使用できる。
制御手段55は、例えば、マイクロコンピューター等で構成されており、遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、第1の流路開閉手段51、第2の流路開閉手段52、濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37、圧力センサ18およびタッチパネル19等と、それぞれ、電気的に接続されている。なお、この制御手段55は、演算部とメモリー(いずれも図示せず)を内蔵している。
この制御手段55により、圧力センサ18の検出値(検出結果)に基づいて、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の採血・返血ライン21の流路が閉塞(閉鎖)されているか否かを判別する判別手段の主機能が達成(構成)される。
タッチパネル19は、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えており、オペレーターの指示の入力を受け付ける入力手段(操作手段)としての機能と、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)としての機能とを有するものである。なお、入力手段(例えば、操作ボタン、操作スイッチ、操作ダイヤル等)と、液晶表示パネル、EL表示パネル等の表示手段(報知手段)とを、別個に設けるようにしてもよい。
濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37および圧力センサ18からの検出信号は、それぞれ、制御手段55へ随時入力される。また、タッチパネル19からは、タッチパネル19に入力されたオペレーターの指示内容に応じた信号が制御手段55へ随時入力される。制御手段55は、これらからの各信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、血液成分採取装置1の作動、すなわち、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の回転、停止、あるいは、回転方向(正転/逆転)を制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段51、52、53の開閉および遠心分離器駆動装置10の作動を制御する。
このような制御手段55は、ドナーから採取された血液を遠心分離器20(貯血空間146)内に流入させ、遠心分離器20により分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取(移送)する血漿採取工程(血液成分採取工程)と、遠心分離器20内に残った主として血球(残りの血液成分)をドナーへ返還(返血)する返血工程(血球返還工程)(血液成分返還工程)とを有する血漿採取操作(血液成分採取操作)を行うように、血液成分採取装置1の作動を制御する。この血漿採取操作は、少なくとも1回(1サイクル)、通常は、複数回(複数サイクル)行われる。
以下、血液成分採取装置1の使用方法および作用について説明する。なお、血漿採取操作の前に行うプライミング工程(プライミング操作)および初流採取工程(初流採取操作)等の各工程については、後に詳述する。
オペレーター(操作者)は、後述するプライミング工程および初流採取工程等が終了した後、クレンメ92および93が開いた状態、クレンメ91が閉じた状態で、タッチパネル19に表示された採取開始ボタン(採取開始スイッチ)を押す。これにより、制御手段55によりプログラムが実行され、血漿採取操作が開始される。血漿採取操作では、血液成分採取装置1は、まず、血漿採取工程を行う。
血漿採取工程では、血液ポンプ11を図1中時計回り(正方向)に回転(正転)させて、採血を開始する。同時に、第1の流路開閉手段51を開放し、第2の流路開閉手段52を閉塞して、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、遠心分離器20の貯血空間146内等の血液成分採取回路2内の空気(滅菌空気)を、エアーバッグ26内に移送し、収納する。
また、前記採血と同時に、抗凝固剤ポンプ12を図1中反時計回り(正方向)に回転(正転)させて、抗凝固剤注入ライン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に添加させる。
これにより、血液(抗凝固剤添加血液)は、採血・返血ライン21を介して移送され、遠心分離器20の流入口143より管体141を経てローター142の貯血空間146内に導入される。
このとき、遠心分離器20の貯血空間146内の空気は、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、エアーバッグ26内に移送され、収納される。
また、前記採血と同時にまたはこれと前後して、遠心分離器駆動装置10を作動し、ローター142を所定の回転数で回転する。このローター142の回転により、貯血空間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PPP層)131と血球層132の2層に分離される。
さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供給を継続し、貯血空間146の容量を超える抗凝固剤添加血液が貯血空間146内に導入されると、貯血空間146内は完全に血液により満たされ、遠心分離器20の流出口144から血漿がオーバーフローし、その血漿は、採取バッグ側ライン22を流れる。
次いで、第3の気泡センサ35により、遠心分離器20の貯血空間146から流出する血漿が検出されると、貯血空間146内の空気のエアーバッグ26内への収納が完了する。
次いで、第1の流路開閉手段51を閉塞し、第2の流路開閉手段52を開放し、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20の貯血空間146内の血漿を、血漿採取バッグ25内に移送し、採取する。
なお、血漿採取バッグ25は、その重量が重量センサ16により計測されており、計測された重量信号は制御手段55に入力される。
血漿採取を終了する場合は、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の作動を停止するとともに、遠心分離器駆動装置10の作動を停止して、遠心分離器20のローター142の回転を停止する。
以上で、血漿採取工程を終了し、血球返還工程(返血)に移行する。この血球返還工程では、血液成分採取回路2(主に、ローター142の貯血空間146)内に残った血液成分をドナーへ返還する。具体的には、まず、第1の流路開閉手段51を開放し、第2の流路開閉手段52を閉塞し、血液ポンプ11を図1中反時計回り(逆方向)に回転(逆転)させる。
これにより、ローター142の貯血空間146内の残りの血液成分は、遠心分離器側ライン21b、中空針側ライン21aおよび中空針291を介して、ドナーへ返還される。
次いで、第1の気泡センサ17によって空気が検出されると、この返血を終了し、次のサイクルの血漿採取操作の血漿採取工程に移行する。
本サイクルが最終サイクルの場合には、第5の気泡センサ37によって空気が検出されると、返血を終了する。これにより、血液成分採取回路2内の残りの血液成分が、ほぼ全てドナーへ返還され、血漿採取操作を終了する。
さて、この血液成分採取装置1は、必要時に(常時でもよい)、圧力センサ18の検出値(検出結果)に基づいて、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21a(採血・返血ライン21)の流路が閉塞(閉鎖)されているか否かを判別するように構成されていることに特徴を有する。
本実施形態では、血液成分採取装置1は、制御手段55の制御により、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていなければならない場合に、圧力センサ18によりクレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、圧力センサ18の検出結果に基づいて、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されているか否かを判別する流路閉塞確認操作を実行するように構成されている。
この流路閉塞確認操作は、抗凝固剤注入ライン23から分岐コネクタ21cを経て中空針側ライン21aの遠心分離器20側に向けて抗凝固剤を供給するプライミング工程(プライミング操作)の前、プライミング工程の最中、初流採取ライン27を通してドナーから採取した血液の初流(採血初流)を採取する初流採取工程(初流採取操作)の前、初流採取工程の最中、初流採取工程の後のうちの、少なくとも1つにおいて行われる。
また、タッチパネル19には、前記分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されているか否かの判別結果またはそれに対応する情報等が表示される。
なお、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が開放されていなければならない場合に、圧力センサ18によりクレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、圧力センサ18の検出結果に基づいて、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されているか否かを判別するようになっていてもよい。
以下、図3〜図5に基づいて、前述した血漿採取操作の前の工程、すなわち、プライミング準備工程、プライミング工程、初流採取準備工程、初流採取工程および血漿採取準備工程について説明する。なお、プライミング準備工程、プライミング工程、初流採取準備工程、初流採取工程および血漿採取準備工程は、この順序で行われる。
図3〜図5は、図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。なお、各フローチャートには、制御手段55の制御動作のみではなく、オペレーターが行う操作(動作)も含まれている。
[プライミング準備工程]
オペレーターは、抗凝固剤が収納された図示しない抗凝固剤バッグを抗凝固剤ライン23に接続し、抗凝固剤を気泡除去用チャンバー(点滴筒)23Cの1/3程度まで満たし、その抗凝固剤バッグを図示しないハンガーに吊り下げる。そして、クレンメ91のみを開いた状態とし、クレンメ92および93を閉じる。
[プライミング工程]
オペレーターは、タッチパネル19に表示されたプライミング開始ボタン(プライミング開始スイッチ)を押す。これにより、制御手段55によりプログラムが実行され、図3に示すプライミング工程が開始される。
図3に示すように、プライミング工程では、まず、流路閉塞確認操作を行う。流路閉塞確認操作では、まずは、抗凝固剤ポンプ12を、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されている場合に、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力が陽圧になるように作動させる。すなわち、抗凝固剤ポンプ12を正方向に所定回数(例えば、8回)回転(正転)させる(ステップS101)。これにより、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されている場合は、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力は陽圧になり、一方、閉塞されていない場合は常圧となる。
次いで、圧力センサ18により圧力を検出し、その検出値が陽圧であるか否かを判断する(ステップS102)。圧力センサ18により検出された圧力が陽圧の場合(ステップS102で「YES」)は、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていると判別し、ステップS106に移行する。
一方、圧力センサ18により検出された圧力が陽圧ではない場合(ステップS102で「NO」)、すなわち常圧の場合は、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていないと判別し、タッチパネル19に、エラー画面を表示する(ステップS103)。
このエラー画面には、例えば、再開ボタン(再開スイッチ)と、「クレンメ93が開いているので、そのクレンメ93を閉じて、再開ボタンを押す」という判別結果、警告、指示等が表示される。
オペレーターは、クレンメ93を閉じ(ステップS104)、タッチパネル19に表示された再開ボタンを押す。
次いで、再開ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS105)、再開ボタンが押された場合には、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
ステップS106では、プライミングをそれが完了するまで継続する。すなわち、抗凝固剤ポンプ12を正方向に回転させ、凝固剤注入ライン23と中空針側ライン21aの分岐コネクタ21cからチャンバー21dまでを、抗凝固剤でプライミングする。なお、気泡センサ34、36、37の全てが抗凝固剤を検出すると、プライミングが完了し、抗凝固剤ポンプ12を停止する。以上で、このプログラムを終了する。
このように流路閉塞確認操作を行うことにより、クレンメ93の閉め忘れを防止することができ、これにより、分岐コネクタ21eおよびその近傍や、分岐コネクタ21eより中空針291側の中空針側ライン21aおよび初流採取ライン27に抗凝固剤が流入してしまうのを防止することができる。これにより、採血初流への抗凝固剤の混入を防止することができ、これによって、採取された採血初流を検査用の血液として用いることができる。
なお、前記流路閉塞確認操作は、プライミング工程の前、すなわち、前記プライミング準備工程で行ってもよい。
[初流採取準備工程]
オペレーターは、タッチパネル19に表示された初流採取準備開始ボタン(初流採取準備開始スイッチ)を押す。これにより、制御手段55によりプログラムが実行され、図4に示す初流採取準備工程が開始される。
図4に示すように、初流採取準備工程では、まず、流路閉塞確認操作を行う。流路閉塞確認操作では、まずは、血液ポンプ11を、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されている場合に、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力が陽圧になるように作動させる。すなわち、血液ポンプ11を逆方向に所定回数(例えば、2回)回転(逆転)させる(ステップS201)。これにより、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されている場合は、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力は陽圧になり、一方、閉塞されていない場合は常圧となる。
次いで、圧力センサ18により圧力を検出し、その検出値が陽圧であるか否かを判断する(ステップS202)。圧力センサ18により検出された圧力が陽圧の場合(ステップS202で「YES」)は、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていると判別し、血液ポンプ11を正方向にステップS201と同一回数(例えば、2回)回転(正転)させる(ステップS206)、このプログラムを終了する。これにより、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力は、常圧に戻る。
一方、圧力センサ18により検出された圧力が陽圧ではない場合(ステップS202で「NO」)、すなわち常圧の場合は、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていないと判別し、タッチパネル19に、エラー画面を表示する(ステップS203)。
このエラー画面には、例えば、確認ボタン(確認スイッチ)と、「クレンメ93が開いているので、そのクレンメ93を閉じて、確認ボタンを押す」という判別結果、警告、指示等が表示される。
オペレーターは、クレンメ93を閉じ(ステップS204)、タッチパネル19に表示された確認ボタンを押す。
次いで、確認ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS205)、確認ボタンが押された場合には、このプログラムを終了する。
このように流路閉塞確認操作を行うことにより、クレンメ93の閉め忘れを防止することができ、これにより、次工程の初流採取工程において、分岐コネクタ21cおよびその近傍や、分岐コネクタ21cより遠心分離器20側の中空針側ライン21aおよび抗凝固剤注入ライン23に採血初流が流入してしまうのを防止することができる。
[初流採取工程]
オペレーターは、タッチパネル19に表示された初流採取開始ボタン(初流採取開始スイッチ)を押す。これにより、制御手段55によりプログラムが実行され、図5に示す初流採取工程が開始される。
また、オペレーターは、中空針291をドナーの血管に穿刺し(ステップS301)、クレンメ92を開く(ステップS302)。
これにより、ドナーから中空針291により採取された血液の初流(採血初流)は、ドナーの静脈圧や落差(自重)により、その中空針291、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21e、初流採取ライン27を流れ、初流採取バッグ81内に導入(採取)される。
次いで、オペレーターは、採血初流を初流採取バッグ81に所定量採取すると、クレンメ92を閉じる(ステップS303)。そして、タッチパネル19に表示された初流採取終了ボタン(初流採取終了スイッチ)を押す。
ここで、オペレーターは、途中でクレンメ93を開いてしまったり、また、クレンメ92を閉じる代わりにクレンメ93を開いてしまう等の誤操作を行うおそれがあるが、下記の流路閉塞確認操作により、そのクレンメ93が開いていることを検知することができる。
すなわち、制御手段55は、初流採取終了ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS304)、初流採取終了ボタンが押された場合には、流路閉塞確認操作を行う。流路閉塞確認操作では、血液ポンプ11および抗凝固剤ポンプ12を作動させることなく、圧力センサ18により圧力を検出し、その検出値が常圧であるか否かを判断する(ステップS305)。
ここで、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されている場合は、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力は一定値(常圧)である。
一方、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていない場合は、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力は、クレンメ92が閉じているか否かにかかわらず、圧力の変動が認められる(常圧ではない)。すなわち、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力は、クレンメ92が開いている場合は、ドナーの静脈圧等の影響で経時的に変動し、また、クレンメ92が開いていても閉じていても、クレンメ91が開いている場合には、例えば、オペレーターが初流採取ライン27や初流採取バッグ81に触れると(移動、検査検体のサンプリング、押圧等)、その影響を受け、不規則に変動する。
初流血採取終了ボタンが押された時点で、圧力センサ18により検出された圧力が常圧の場合(ステップS305で「YES」)は、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていると判別し、このプログラムを終了する。
一方、圧力センサ18により検出された圧力が常圧ではない場合(ステップS305で「NO」)は、クレンメ93により分岐コネクタ21c分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていないと判別し、タッチパネル19に、エラー画面を表示する(ステップS306)。
このエラー画面には、例えば、洗浄ボタン(洗浄スイッチ)と、「クレンメ93が開いているので、クレンメ92を閉じて、洗浄ボタンを押す」という判別結果、警告、指示等が表示される。
また、洗浄操作を行うときに、圧力センサ18により陽圧が検出されている(クレンメ91が閉じている)場合は、クレンメ(シャッタークレンメ)91を無理やり開くようにオペレーターに通知する。
オペレーターは、クレンメ92が開いている場合は、そのクレンメ92を閉じ(ステップS307)、タッチパネル19に表示された洗浄ボタンを押す。
次いで、洗浄ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS308)、洗浄ボタンが押された場合には、中空針側ライン21a(採血・返血ライン21)および抗凝固剤注入ライン23を洗浄する洗浄操作を行う。洗浄操作では、クレンメ92が閉じ、クレンメ93が開いた状態で、血液ポンプ11および抗凝固剤ポンプ12を同時に作動させる。すなわち、血液ポンプ11を逆方向に所定回数(例えば、5回)回転(逆転)させ、これと同時に、抗凝固剤ポンプ12を正方向に所定回数(例えば、5回)回転(正転)させ(ステップS309)、このプログラムを終了する。
これにより、分岐コネクタ21cからの遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の所定量の抗凝固剤および血液(液体)は、分岐コネクタ21eを経て(介して)、初流採取ライン27に移送され、これと同時に、分岐コネクタ21cからの抗凝固剤注入ライン23内の所定量の抗凝固剤および血液(液体)は、分岐コネクタ21eを経て(介して)、初流採取ライン27に移送される。これによって、分岐コネクタ21cおよびその近傍や、分岐コネクタ21cより遠心分離器20側の中空針側ライン21aおよび抗凝固剤注入ライン23に流入してしまった採血初流は、初流採取ライン27に移送される。
なお、前記流路閉塞確認操作は、初流採取工程の最中に行ってもよく、また、初流採取工程の後に行ってもよい。
また、前記洗浄操作を行った場合は、初流採取バッグ81に採取された採血初流は、検査血としては不適合とされる。
[血漿採取準備工程]
オペレーターは、クレンメ93を開き、タッチパネル19に表示された血漿採取準備開始ボタン(血漿採取準備開始スイッチ)を押す。これにより、制御手段55によりプログラムが実行される。
制御手段55は、抗凝固剤ポンプ12を正方向に所定回数回転(正転)させる。
これにより、抗凝固剤は、分岐コネクタ21cから、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21e、初流採取ライン27を流れ(初流採取ライン27に供給され)、これによって、抗凝固剤注入ライン23と、中空針側ライン21aの分岐コネクタ21cから分岐コネクタ21eまでと、初流採取ライン27の分岐コネクタ21eからその途中までの流路内が、抗凝固剤で満たされる。
次いで、オペレーターは、クレンメ91を閉じる。
なお、本工程は、例えば、オペレーターが手動で抗凝固剤ポンプ12を回転させて行ってもよい。
本工程が終了すると、オペレーターは、クレンメ92を開き、前述したように、タッチパネル19に表示された採取開始ボタンを押す。これにより、前述した第1サイクルの血漿採取操作が開始される。
以上説明したように、この血液成分採取装置1によれば、初流採取ライン27を有しているので、採血の際、容易に、細菌感染の確率の高い、採取された血液の初流(採血初流)を除去することができ、これにより、採取された血漿への細菌の混入が抑制され、患者に血漿を輸血する際の安全性が向上する。また、前記除去した採血初流を初流採取バッグ81内に貯留することができる。
また、容易かつ確実に、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていなければならない場合に、その中空針側ライン21aの流路(クレンメ93)の開閉状態を検知することができる。これにより、クレンメ93の閉め忘れ等の誤操作を防止することができ、例えば、下記(1)〜(3)の効果が得られる。
(1)プライミング工程を行う際、クレンメ93の閉め忘れ等の誤操作を防止することができ、これにより、分岐コネクタ21eおよびその近傍や、分岐コネクタ21eより中空針291側の中空針側ライン21aおよび初流採取ライン27に抗凝固剤が流入してしまうのを防止することができる。これにより、採血初流への抗凝固剤の混入を防止することができ、これによって、採取された採血初流を検査用の血液として用いることができる。
(2)初流採取工程を行う際、クレンメ93の閉め忘れ等の誤操作を防止することができ、これにより、分岐コネクタ21cおよびその近傍や、分岐コネクタ21cより遠心分離器20側の中空針側ライン21aおよび抗凝固剤注入ライン23に採血初流が流入してしまうのを防止することができる。
(3)初流採取工程において閉まっていなければならないクレンメ93を誤って開いてしまった場合に、それを検知することができ、洗浄操作を行うことにより、容易かつ確実に、中空針側ライン21aおよび抗凝固剤注入ライン23を洗浄することができる。これにより、分岐コネクタ21cおよびその近傍や、分岐コネクタ21cより遠心分離器20側の中空針側ライン21aおよび抗凝固剤注入ライン23に流入してしまった採血初流を初流採取ライン27に移送することができる。
また、この血液成分採取装置1では、圧力センサ18によりクレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出結果に基づいて、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されているか否かを判別するので、簡易な構成で、確実に、その中空針側ライン21aの流路(クレンメ93)の開閉状態を検知することができる。
また、この血液成分採取装置1では、所定量の採血初流が除去(採取)された後に、抗凝固剤が、抗凝固剤注入ライン23、分岐コネクタ21cおよび分岐コネクタ21eを経て、初流採取ライン27に供給されるので、初流採取ライン27および分岐コネクタ21eに、抗凝固剤を含まない血液が停滞し、その血液が凝固してしまうのを抑制することができ、ドナーの負担を増大させることなく、安全かつ確実に、成分採血を行なうことができる。
以上、本発明の血液成分採取装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、血漿製剤(または血漿分画製剤の原料血漿)を得るのに適用する場合に限らず、例えば、血液中から、血小板製剤、赤血球製剤、白血球製剤等を得る場合に適用してもよい。すなわち、本発明では、血液成分採取バッグに採取される血液成分は、血漿に限らず、例えば、血小板(血漿を含む血小板)、赤血球(血漿を含む赤血球)、白血球(血漿を含む白血球)等であってもよい。
また、本発明は、血液成分採取バッグを複数有し、複数の血液成分を採取し得るように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、採血ラインおよび返血ラインが一体となったいわゆる間歇式(一針式とも呼ばれる)の血液成分採取装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、この方式のものに限らず、例えば、採血ラインと返血ラインとが別個に設けられたいわゆる連続式(二針式または両腕式とも呼ばれる)の血液成分採取装置にも適用することができる。
また、本発明は、所定の血液成分を採取して、残りの血液成分をドナーに返還しない血液成分採取装置に適用することもできる。
また、本発明では、光学式センサは、図示のものに限定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
また、本発明では、血液分離器は、遠心型のものに限定されず、例えば、膜型等のものであってもよい。
本発明の血液成分採取装置の実施形態を示す平面図(一部にブロック図を含む)である。 図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断断面図である。 図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。 図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。 図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 血液成分採取装置
2 血液成分採取回路
10 遠心分離器駆動装置
11 血液ポンプ
12 抗凝固剤ポンプ
14 濁度センサ
15 光学式センサ
151 投光部
152 受光部
153 反射板
16 重量センサ
17 第1の気泡センサ
18 圧力センサ
19 タッチパネル
20 遠心分離器
21 採血・返血ライン
21a 中空針側ライン
21b 遠心分離器側ライン
21c 分岐コネクタ
21d チャンバー
21e 分岐コネクタ
21g ポンプチューブ
21h チューブ
21i フィルター
22 採取バッグ側ライン
23 抗凝固剤注入ライン
23a ポンプチューブ
23c 気泡除去用チャンバー
23d 抗凝固剤溶器接続用針
24 エアーバッグ側ライン
25 血漿採取バッグ
26 エアーバッグ
27 初流採取ライン
291 中空針
292 翼
32 サブバッグ
32a チューブ
34 第2の気泡センサ
35 第3の気泡センサ
36 第4の気泡センサ
37 第5の気泡センサ
51 第1の流路開閉手段
52 第2の流路開閉手段
55 制御手段
61 分岐コネクタ
62 チューブ
63 フィルター
64 除菌フィルター
81 初流採取バッグ
82 チューブ
83 針管
84 被包部材
85 ホルダー
86 キャップ
91〜93 クレンメ
131 血漿層
132 血球層
141 管体
142 ローター
143 流入口
144 流出口
145 上部
146 貯血空間
147 反射面
201 ハウジング
202 脚部
203 モータ
204 回転軸
205 固定台
206 ボルト
207 スペーサー
S101〜S106 ステップ
S201〜S206 ステップ
S301〜S309 ステップ

Claims (9)

  1. 供血者から血液を採取する中空針を備えた採血手段と、
    前記採血手段により採取された血液を分離する血液分離器と、
    前記血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグと、
    前記中空針と前記血液分離器の流入口とを接続する血液処理ラインと、
    前記血液処理ライン内の血液に抗凝固剤を注入する抗凝固剤注入ラインと、
    前記血液処理ラインに設けられた第1の分岐部から分岐し、前記供血者から採取された血液の初流を採取する初流採取ラインとを備えた血液成分採取回路と、
    前記血液処理ラインに設置され、前記血液処理ライン内の液体を送液する第1の送液手段とを有し、
    供血者から採取した血液を分離して、前記所定の血液成分を採取する血液成分採取装置であって、
    前記第1の分岐部と前記血液分離器との間の前記血液処理ラインの流路を開閉する流路開閉手段と、
    前記流路開閉手段から前記血液分離器側の前記血液処理ライン内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記流路開閉手段により前記血液処理ラインの流路が閉塞されているか否かを判別する判別手段とを有することを特徴とする血液成分採取装置。
  2. 前記圧力検出手段は、前記流路開閉手段により血液処理ラインの流路が閉塞されていなければならない場合に、前記血液処理ライン内の圧力を検出し、
    前記判別手段は、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記血液処理ラインの流路が閉塞しているか否かを判別する流路閉塞確認操作を実行するように構成されている請求項1に記載の血液成分採取装置。
  3. 前記判別手段は、前記初流採取ラインを通して供血者から採取した血液の初流を採取する初流採取工程の前に、前記流路閉塞確認操作を実行するように構成されている請求項2に記載の血液成分採取装置。
  4. 前記初流採取工程の前に実行する前記流路閉塞確認操作では、前記第1の送液手段を前記血液処理ライン内が陽圧になるように作動させて、前記判別手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が陽圧ではない場合に、前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別するように構成されている請求項3に記載の血液成分採取装置。
  5. 前記判別手段は、前記初流採取ラインを通して供血者から採取した血液の初流を採取する初流採取工程の最中または該初流採取工程の後に、前記流路閉塞確認操作を実行するように構成されている請求項2に記載の血液成分採取装置。
  6. 前記初流採取工程の最中または前記初流採取工程の後に実行する前記流路閉塞確認操作では、前記判別手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が常圧ではない場合に、前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別するように構成されている請求項5に記載の血液成分採取装置。
  7. 前記初流採取工程の最中または前記初流採取工程の後に実行する前記流路閉塞確認操作において、前記判別手段により前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別された場合には、前記血液処理ラインおよび前記抗凝固剤注入ラインを洗浄する洗浄操作を実行し得るように構成されている請求項5または6に記載の血液成分採取装置。
  8. 前記抗凝固剤注入ラインは、前記血液処理ラインに設けられた第2の分岐部から分岐し、
    前記第1の分岐部は、前記血液処理ラインの前記中空針と前記第2の分岐部との間に設けられ、
    前記流路開閉手段は、前記第1の分岐部と前記第2の分岐部との間の前記血液処理ラインの流路を開閉するものであり、
    前記判別手段は、前記抗凝固剤注入ラインから前記第2の分岐部を経て前記血液処理ラインの前記血液分離器側に向けて抗凝固剤を供給するプライミング工程の前または該プライミング工程の最中に、前記流路閉塞確認操作を実行するように構成されている請求項2に記載の血液成分採取装置。
  9. 前記抗凝固剤注入ラインに設置され、前記抗凝固剤注入ライン内の液体を送液する第2の送液手段を有し、
    前記プライミング工程の前または前記プライミング工程の最中に実行する前記流路閉塞確認操作では、前記第1の送液手段を前記血液処理ライン内が陽圧になるように作動させて、前記判別手段は、前記圧力検出手段により検出された圧力が陽圧ではない場合に、前記血液処理ラインの流路が閉塞されていないと判別するように構成されている請求項8に記載の血液成分採取装置。
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