JP2007020961A - 血液処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】返血の際、ドナーや患者の血管に穿刺されている中空針が血管から抜けて内出血や内出血痕が生じるのを防止(または抑制)することができる血液処理装置を提供する。
【解決手段】血液成分採取装置(血液処理装置)1は、採血・返血ライン21と、採血・返血ライン21の一端側に着脱自在に接続された中空針291を含む中空針組立体29とを有する血液成分採取回路2と、採血・返血ライン21内の血液を送液する血液ポンプ11と、血液ポンプ11より中空針291側の採血・返血ライン21内の圧力であるドナー圧を検出するドナー圧センサ18と、制御手段55とを備える。制御手段55は、血液ポンプ11の作動により血液ポンプ11側から中空針側へ向かって血液成分を送液して返血を行なう際、ドナー圧センサ18の検出結果に基づいてドナー圧の上昇速度を求め、その値がしきい値Aを超えると、血液ポンプ11を停止させるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液処理装置に関するものである。
採血を行う場合、血液の有効利用およびドナー(供血者)や患者の負担軽減などの理由から、採血血液を遠心分離などにより各血液成分に分離し、輸血者に必要な成分だけを採取し、その他の成分はドナーや患者に返還する成分採血が行われている。
このような成分採血においては、例えば、血漿を採取する場合(血漿製剤を得る場合)、血液成分採取装置を用いて、ドナーや患者から採取した血液を血液成分採取回路に導入し、該血液成分採取回路に設置された遠心ボウルと呼ばれる遠心分離器により、血漿および血球に分離し、そのうちの血漿(所定の血液成分)を血液成分採取バッグに回収して血漿製剤とし、取り残した血漿とともに血球をドナーや患者に返還(返血)することが行われる。すなわち、血漿を採取する場合、血漿を採取する血液成分採取工程と、ドナーや患者へ残りの血液成分(主として血球)を返還する血液成分返還工程(返血工程)とを有する血液成分採取操作が少なくとも1サイクル(通常は、複数サイクル)行われる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の血液成分採取装置では、返血工程において、常に内出血のリスクを伴うという欠点がある。
この内出血は、返血の際、ドナーや患者の血管に穿刺されている中空針(採血針)が皮下に位置した状態で、血管から抜ける(外れる)ことによって生じる場合と、血管に中空針が穿刺された状態で、血管と中空針の隙間から血液がじわじわと漏れることによって生じる場合との2種類が存在する。
前者(中空針の抜けによる場合)の内出血は、返血開始直後に発生する場合が多く、血液ポンプにより送液された血液成分は、皮下に注入され、これにより、ドナーや患者は、疼痛を訴える。
また、後者(血管と中空針の隙間から漏れる場合)の内出血は、返血の途中に発生する場合が多く、痛みを伴わないため、次サイクルの血液成分採取工程において、穿刺部の腫脹のために、血液の流量が低下することで気付くことが多い。
特開2001−17540号公報
本発明の目的は、返血の際、ドナーや患者の血管に穿刺されている中空針が血管から抜けて内出血や内出血痕が生じるのを防止(または抑制)することができる血液処理装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。
(1) ドナーまたは患者から血液を採取して該血液を処理し、処理後の血液または血液成分を前記ドナーまたは患者に返還する血液処理装置であって、
ドナーまたは患者の血管に穿刺される中空針と、前記中空針に連通し、採血および返血を行う血液処理ラインと、前記血液処理ラインに連通する血液処理器とを有する血液処理回路と、
前記血液処理ライン内の血液または血液成分を送液する送液手段と、
前記送液手段より前記中空針側の前記血液処理ライン内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力の上昇速度を求める上昇速度検出手段と、
前記送液手段の作動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記送液手段の作動により前記送液手段側から前記中空針側へ向かって血液または血液成分を送液して返血を行う際に、前記上昇速度検出手段により求められた前記圧力の上昇速度がしきい値Aを超えると、前記送液手段の作動を停止するように構成されていることを特徴とする血液処理装置。
(2) 前記しきい値Aは、20〜80mmHg/秒の範囲内の値に設定される上記(1)に記載の血液処理装置。
(3) 前記制御手段は、前記送液手段が停止してから所定時間内に、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記返血の開始前の値に戻った場合には、前記送液手段を作動させて前記返血を再開するように構成されている上記(1)または(2)に記載の血液処理装置。
(4) 前記送液手段が停止してから所定時間内に、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記返血の開始前の値に戻らない場合に、所定の警告情報を報知する第1の報知手段を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液処理装置。
(5) 前記返血の開始時に前記圧力検出手段により検出された前記圧力をV0、前記返血の開始時から所定時間t1後に前記圧力検出手段により検出された前記圧力をV1としたとき、前記所定時間t1は、0.1〜5秒の範囲内の値に設定され、
前記上昇速度検出手段は、前記返血の開始直後の前記圧力の上昇速度を下記(1)式から求めるように構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の血液処理装置。
(V0−V1)/t1 ・・・(1)式
(6) 前記返血の途中において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力をV、該圧力の検出時から所定時間t2後に前記圧力検出手段により検出された前記圧力をV2としたとき、前記所定時間t2は、前記所定時間t1よりも短い時間に設定され、
前記上昇速度検出手段は、前記返血の途中における前記圧力の上昇速度を下記(2)式から求めるように構成されている上記(5)に記載の血液処理装置。
(V−V2)/t2 ・・・(2)式
(7) 前記制御手段は、前記返血の途中において、前記上昇速度検出手段により前記(2)式から求められた前記圧力の上昇速度が、連続して複数回、前記しきい値Aを超えると、前記送液手段を停止させるように構成されている上記(6)に記載の血液処理装置。
(8) 前記制御手段は、前記返血を開始する際は、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α1で所定時間t3の間隔で段階的に増大するように前記送液手段を作動させるように構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の血液処理装置。
(9) 前記所定の加速度α1は、1〜30mL/分/秒の範囲内の値に設定され、前記所定時間t3は、0.1〜5秒の範囲内の値に設定される上記(8)に記載の血液処理装置。
(10) 前記返血を開始する際の前記血液または血液成分の単位時間当りの流量の初期値は、1〜60mL/分の範囲内の値に設定される上記(7)または(8)に記載の血液処理装置。
(11) 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が目標値B未満の場合には、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α2で所定時間t4の間隔で段階的に増大するように前記送液手段を作動させるように構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の血液処理装置。
(12) 前記所定の加速度α2は、1〜30mL/分/秒の範囲内の値に設定され、前記所定時間t4は、0.1〜5秒の範囲内の値に設定される上記(11)に記載の血液処理装置。
(13) 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が目標値Bを超える場合には、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α3で所定時間t5の間隔で段階的に減少するように前記送液手段を作動させるように構成されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の血液処理装置。
(14) 前記所定の加速度α3は、−90〜−1mL/分/秒の範囲内の値に設定され、前記所定時間t5は、0.1〜5秒の範囲内の値に設定される上記(13)に記載の血液処理装置。
(15) 前記制御手段は、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が目標値Bを超える場合において、所定時間内に、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記目標値Bまで減少しない場合には、前記加速度α3の絶対値を増大させるように構成されている上記(13)または(14)に記載の血液処理装置。
(16) 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が目標値Bを超える場合には、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α4で減少するように前記送液手段を作動させ、所定時間内に、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記目標値Bまで減少しない場合には、前記加速度α4の絶対値を増大させるように構成されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の血液処理装置。
(17) 前記制御手段は、前記返血において、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が0mL/分の状態が所定時間継続し、該所定時間後に前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記目標値Bを超える場合に、所定の警告情報を報知する第2の報知手段を有する上記(13)ないし(16)のいずれかに記載の血液処理装置。
(18) 前記目標値Bは、140〜240mmHgの範囲内の値に設定される上記(11)ないし(17)のいずれかに記載の血液処理装置。
(19) 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が許容される上限値以上となった場合には、前記上昇速度検出手段により求められた前記圧力の上昇速度にかかわらず、前記送液手段を停止させるように構成されている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の血液処理装置。
(20) 当該血液処理装置は、ドナーまたは患者から血液を採取して前記血液処理器により該血液を分離し、所定の血液成分を採取して、残りの血液成分を前記ドナーまたは患者に返還する血液成分採取装置であり、
前記血液処理回路は、前記血液処理器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグを有する上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の血液処理装置。
(21) 当該血液処理装置は、ドナーまたは患者から血液を採取して前記血液処理器により該血液を分離し、所定の血液成分を採取する血液成分採取工程と、残りの血液成分を前記ドナーまたは患者に返還する血液成分返還工程とを有する血液成分採取操作を少なくとも1サイクル行う血液成分採取装置である上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の血液処理装置。
本発明によれば、返血の際、送液手段より中空針側の血液処理ライン内の圧力の上昇速度に基づいて、ドナーや患者の血管に穿刺されている中空針が血管から抜けた(外れた)ことを検知する。すなわち、制御手段は、返血の際、前記圧力の上昇速度がしきい値Aを超えると、ドナーや患者の血管に穿刺されている中空針が血管から抜けたものと判断(推定)し、送液手段を停止させる。
これにより、返血の際、中空針が血管から抜けたことを、初期の段階で迅速かつ確実に検知することができ、これによって、返血の際、中空針が血管から抜けて内出血や内出血痕が生じるのを防止(または抑制)することができ、ドナーや患者の負担を軽減することができる。
以下、本発明の血液処理装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明の血液処理装置は、ドナー(供血者)または患者から血液を採取して該血液を処理し、処理後の血液または血液成分を前記ドナーまたは患者に返還する血液処理装置であるが、下記の実施形態では、代表的に、本発明の血液処理装置を、ドナーから血液を採取して該血液を分離し、所定の血液成分を採取して、残りの血液成分を前記ドナーに返還する血液成分採取装置に適用した場合について説明する。
図1は、本発明の血液処理装置を、主に血漿を採取する血漿採取装置(血液成分採取装置)に適用した場合の実施形態を示す平面図(一部にブロック図を含む)であり、図2は、図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断断面図であり、図3は、図1に示す血液成分採取装置の返血を開始する際の動作を説明するための図である。
図1に示す血液成分採取装置(血液処理装置)1は、ドナー(供血者)の血管に穿刺される中空針(採血針)291を含む中空針組立体(ドナーから血液を採取する採血手段)29と、採取された血液を貯血空間146内にて遠心分離する遠心分離器(遠心ボウル)(血液分離器)20と、遠心分離器20により分離された血漿(血液成分)を採取する血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25とを備える血液成分採取回路(血液処理回路)2を有し、ドナーから採取した血液を遠心分離し、所定量の血漿を採取した後、残りの血漿とともに白血球、血小板および赤血球(残りの血液成分)をドナーに返還する装置である。なお、前記遠心分離器20が、採取された血液を処理する血液処理器に相当する。
血液成分採取装置(血液処理装置)1は、中空針組立体29と、採血ラインおよび返血ラインの双方として兼用される採血・返血ライン(血液処理ライン)21と、遠心分離器20と、遠心分離器20の流出口144に接続された採取バッグ側ライン22と、採血・返血ライン21に接続された抗凝固剤注入ライン23と、採取バッグ側ライン22の途中に接続され、この採取バッグ側ライン22を介して遠心分離器20の流出口144に連通するエアーバッグ側ライン24と、採取バッグ側ライン22と接続された血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25と、血漿採取バッグ25とチューブ(流路)32aにより接続されたサブバッグ32と、エアーバッグ側ライン24と接続されたエアーバッグ26とを備える血液成分採取回路(血液処理回路)2を有している。
また、血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、採血・返血ライン21内の血液または血液成分を送液する血液ポンプ(送液手段)11と、抗凝固剤注入ライン23内の抗凝固剤を送液する抗凝固剤ポンプ12と、血液成分採取回路2の流路の開閉を行うための第1の流路開閉手段51および第2の流路開閉手段52と、遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、第1の流路開閉手段51および第2の流路開閉手段52等を制御するための制御手段55と、濁度センサ14と、光学式センサ15と、重量センサ16と、第1の気泡センサ17と、第2の気泡センサ34と、第3の気泡センサ35と、第4の気泡センサ36と、第5の気泡センサ37と、タッチパネル19とを備えている。
以下、各部の構成について説明する。
中空針組立体29は、ドナーの血管に穿刺される中空針291と、翼292と、中空針291内に連通するチューブ293とを有している。図1中では、中空針291には、キャップが被せられている。この中空針組立体29は、コネクタ38を介して、採血・返血ライン21の一端に着脱自在に接続されている。コネクタ38は、例えばロック付きルアーコネクタで構成される。
採血・返血ライン21は、中空針組立体29がコネクタ38を介して一端に接続された中空針側ライン21aと、遠心分離器20の流入口143とを接続された遠心分離器側ライン21bと、これらの間に配置されたポンプチューブ21gとを有している。
中空針側ライン21aは、気泡およびマイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21dを備える。
チャンバー21dには、チューブ(流路)21hを介して通気性かつ菌不透過性のフィルター21iが接続されている。このラインは、中空針側ライン21aの内圧(血液ポンプ11より中空針291側の採血・返血ライン21の内圧)、すなわちドナー圧を検出するドナー圧センサ(圧力検出手段)18に接続される。
採取バッグ側ライン22は、一端が遠心分離器20の流出口144に接続され、他端が血漿採取バッグ25に接続されている。この採取バッグ側ライン22の途中には、3つ(3股)に分岐した(接続口は合計4つ)分岐コネクタ61が設けられており、採取バッグ側ライン22は、この分岐コネクタ61を介して接続されている。
分岐コネクタ61には、チューブ(流路)62を介して通気性かつ菌不透過性のフィルター63が接続されている。このラインは、例えば、遠心分離器20の内圧の検出等に用いることができる。
抗凝固剤注入ライン23は、一端が採血・返血ライン21に設けられた接続用分岐コネクタ21cに接続されている。抗凝固剤注入ライン23は、接続用分岐コネクタ21c側より、ポンプチューブ23a、除菌フィルター(輸液フィルター)64、気泡除去用チャンバー23c、抗凝固剤容器接続用針23dを備えている。図1中では、抗凝固剤容器接続用針23dにキャップが被せられている。
エアーバッグ側ライン24は、分岐コネクタ61に接続されている。すなわち、エアーバッグ26は、このエアーバッグ側ライン24を介して採取バッグ側ライン22から分岐して設けられている。
血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12は、それぞれ、ポンプチューブ21g、23aを複数のローラーにより押圧閉塞しつつ回転するローターを有するローラーポンプ(チューブポンプ)で構成されている。
採血・返血ライン21、採取バッグ側ライン22、抗凝固剤注入ライン23およびエアーバッグ側ライン24の形成に使用されるチューブ、各ポンプチューブ21g、23a、バッグに接続されているチューブ32a、チャンバー21dに接続されているチューブ21h、分岐コネクタ61に接続されているチューブ62の構成材料としては、ポリ塩化ビニルが好ましい。
各チューブがポリ塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからである。
なお、各ポンプチューブ21g、23aとしては、ローラーポンプにより押圧されても損傷を受けない程度の強度を備えるものが使用されている。
また、上述した接続用分岐コネクタ21c、分岐コネクタ61の構成材料についても、前記チューブの構成材料と同様のものを用いることができる。
血漿採取バッグ25は、血漿を採取するための容器であり、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより、血漿採取バッグ25の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
サブバッグ32は、チューブ32aを介して血漿採取バッグ25に接続され、それらの内部同士が連通している。このサブバッグ32は、例えば、血漿保存バッグ等に用いることができる。
エアーバッグ26は、一時的に空気(エアー)を収納(貯留)するための容器であり、エアーバッグ側ライン24を介して、分岐コネクタ61に接続されている。すなわち、エアーバッグ26は、エアーバッグ側ライン24、分岐コネクタ61および採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより、エアーバッグ26の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
これらの血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着等)または接着して袋状にしたものが使用される。
血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26に使用される材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に使用される。
血液成分採取回路2に設けられている遠心分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、遠心力により血液を血漿と血球(血小板、白血球および赤血球)とに分離する。遠心分離器20としては、図2に示すものが使用される。
第1の流路開閉手段51は、エアーバッグ側ライン24の流路の途中を開閉するために設けられている。
第2の流路開閉手段52は、分岐コネクタ61より血漿採取バッグ25側において採取バッグ側ライン22の流路の途中を開閉するために設けられている。
第1の流路開閉手段51および第2の流路開閉手段52は、ラインもしくはチューブの挿入部を備え、挿入部には、例えば、ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有する。具体的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適である。
遠心分離器駆動装置10は、図2に示すように、遠心分離器20を収納するハウジング201と、脚部202と、駆動源であるモータ203と、遠心分離器20を保持する円盤状の固定台205とで構成されている。ハウジング201は、脚部202の上部に載置、固定されている。
また、ハウジング201の下面には、ボルト206によりスペーサー207を介してモータ203が固定されている。モータ203の回転軸204の先端部には、固定台205が回転軸204と同軸でかつ一体的に回転するように嵌入されており、固定台205の上部には、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されている。
また、遠心分離器20の上部145は、図示しない固定部材により、ハウジング201に固定されている。遠心分離器駆動装置10では、モータ203を駆動すると、固定台205およびそれに固定されたローター142が、あらかじめ設定された所定の遠心条件(例えば、回転数3000〜6000rpm)で回転する。この遠心条件により、ローター142内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定することができる。
なお、ローター142において、貯血空間146の容積は、例えば、100〜350mL程度とされる。
ハウジング201には、その側部(図2中、左側)に光学式センサ15が設置されている。
この光学式センサ15は、貯血空間146に向って投光するとともにその反射光を受光するように構成されている。
光学式センサ15は、投光部151から光(例えばレーザー光)を照射(投光)し、ローター142の反射面147で反射された反射光を受光部152で受光する。そして、受光部152においてその受光光量に応じた電気信号に変換される。
ここで、光学式センサ15は、片面に反射面を有し、光路を変更する反射板153を有しており、投光部151から照射された光は、反射板153を介して反射面147に照射され、反射面147で反射した光は、反射板153を介して受光部152で受光されるように構成されている。
このとき、投光光および反射光は、それぞれ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成分の界面(本実施形態では、血漿層131と血球層132との界面B)の位置に応じて、投光光および反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、受光部152での受光光量が変動(変化)し、この変動を受光部152からの出力電圧の変化として検出することができる。
すなわち、光学式センサ15は、受光部152での受光光量の変化に基づき、血液成分の界面の位置を検出することができる。
ここで、貯血空間146内の血漿層131と血球層132とは、それぞれ、血液成分により色が異なっており、血球層132は、赤血球の色に伴い赤色を呈している。このため、光学式センサ15の精度向上の観点からは、投光光の波長に好適な範囲が存在し、この波長範囲としては、特に限定されないが、例えば、600〜900nm程度であるのが好ましく、750〜800nm程度であるのがより好ましい。
重量センサ16は、血漿採取バッグ25内に採取された血漿の採取量を検出する検出手段を構成する。
濁度センサ14は、採取バッグ側ライン22中を流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時には低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
この濁度センサ14により、例えば、採取バッグ側ライン22中を流れる血漿中への血球の混入等を検出することができる。
第1の気泡センサ17は、採血・返血ライン21内に空気が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第1の気泡センサ17により、採血・返血ライン21内の血液の有無が検出される。
第4の気泡センサ36および第5の気泡センサ37は、それぞれ、気泡が通過したことを検知するためのものである。これらにより、ドナーに空気が注入されることを防止する。
第2の気泡センサ34は、抗凝固剤注入ライン23内が空になったことを検出するため、抗凝固剤注入ライン23の所定の位置における空気(抗凝固剤の有無)の検出に用いられる。
第3の気泡センサ35は、遠心分離器20の貯血空間146の流出口144と分岐コネクタ61との間の採取バッグ側ライン22内に空気や血液(血漿)が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第3の気泡センサ35により、採取バッグ側ライン22内の血液の有無が検出される。
これらの濁度センサ14および各気泡センサ17、34、35、36、37としては、それぞれ、例えば、超音波センサ、光学式センサ、赤外線センサなどが使用できる。
制御手段55は、例えば、マイクロコンピューター等で構成されており、遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、第1の流路開閉手段51、第2の流路開閉手段52、濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37、ドナー圧センサ18およびタッチパネル19等と、それぞれ、電気的に接続されている。なお、この制御手段55は、演算部とメモリー(いずれも図示せず)を内蔵している。
この制御手段55により、ドナー圧センサ18の検出結果(検出信号)に基づいて、ドナー圧の上昇速度を求める上昇速度検出手段と、血液ポンプ11の作動(駆動)を制御する血液ポンプ11の制御手段の主機能が達成される。
タッチパネル19は、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えており、オペレーターの指示の入力を受け付ける入力手段(操作手段)としての機能と、各種の情報を表示(報知)する表示手段(第1の報知手段および第2の報知手段)としての機能とを有するものである。なお、入力手段(例えば、操作ボタン、操作スイッチ、操作ダイヤル等)と、液晶表示パネル、EL表示パネル等の表示手段(第1の報知手段および第2の報知手段)とを、別個に設けるようにしてもよい。
濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37およびドナー圧センサ18からの検出信号は、それぞれ、制御手段55へ随時入力される。また、タッチパネル19からは、タッチパネル19に入力されたオペレーターの指示内容に応じた信号が制御手段55へ随時入力される。制御手段55は、これらからの各信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、血液成分採取装置1の作動(駆動)、すなわち、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の回転、停止、回転方向(正転/逆転)、回転速度を制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段51、52の開閉および遠心分離器駆動装置10の作動を制御する。なお、後述する返血の際の血液成分の単位時間当りの流量(流速)は、返血の際の血液ポンプ11の回転速度等から求める(換算する)ことができる。
このような制御手段55は、ドナーから採取された血液を遠心分離器20(貯血空間146)内に流入させ、遠心分離器20により分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取(移送)する血漿採取工程(血液成分採取工程)と、遠心分離器20内に残った主として血球(残りの血液成分)をドナーへ返還(返血)する返血工程(血球返還工程)(血液成分返還工程)とを有する血漿採取操作(血液成分採取操作)を行うように、血液成分採取装置1の作動を制御する。この血漿採取操作は、少なくとも1回(1サイクル)、通常は、複数回(複数サイクル)行われる。
以下、血液成分採取装置1の使用方法および作用について説明する。
まず、オペレーター(操作者)は、抗凝固剤注入ライン23と中空針組立体29とを抗凝固剤でプライミングし、その後、中空針291をドナーの血管に穿刺する。これにより、血漿の採取準備を完了する。
次に、オペレーターがタッチパネル19に表示された採取開始スイッチを押す。これにより、制御手段55によりプログラムが実行され、血漿採取操作が開始される。血漿採取操作では、血液成分採取装置1は、まず、血漿採取工程を行う。
血漿採取工程では、血液ポンプ11を図1中時計回りに回転(正転)させて、採血を開始する。同時に、第1の流路開閉手段51を開放し、第2の流路開閉手段52を閉塞して、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、遠心分離器20の貯血空間146内等の血液成分採取回路2内の空気(滅菌空気)を、エアーバッグ26内に移送し、収納する。
また、前記採血と同時に、抗凝固剤ポンプ12を図1中反時計回りに回転させて、抗凝固剤注入ライン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に添加させる。
これにより、血液(抗凝固剤添加血液)は、採血・返血ライン21を介して移送され、遠心分離器20の流入口143より管体141を経てローター142の貯血空間146内に導入される。
このとき、遠心分離器20の貯血空間146内の空気は、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、エアーバッグ26内に移送され、収納される。
また、前記採血と同時にまたはこれと前後して、遠心分離器駆動装置10を作動し、ローター142を所定の回転数で回転する。このローター142の回転により、貯血空間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PPP層)131と血球層132の2層に分離される。
さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供給を継続し、貯血空間146の容量を超える抗凝固剤添加血液が貯血空間146内に導入されると、貯血空間146内は血液により満たされ、遠心分離器20の流出口144から血漿がオーバーフローする。
次いで、第3の気泡センサ35により、遠心分離器20の貯血空間146から流出する血漿が検出されると、貯血空間146内の空気のエアーバッグ26内への収納が完了する。
そして、遠心分離器20からオーバーフローした血漿は、採取バッグ側ライン22を流れる。
次いで、第1の流路開閉手段51を閉塞し、第2の流路開閉手段52を開放し、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20の貯血空間146内の血漿を、血漿採取バッグ25内に移送し、採取する。
なお、血漿採取バッグ25は、その重量が重量センサ16により計測されており、計測された重量信号は制御手段55に入力される。
血漿採取を終了する場合は、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の作動を停止するとともに、遠心分離器駆動装置10の作動を停止して、遠心分離器20のローター142の回転を停止する。
以上で、血漿採取工程を終了し、返血工程に移行する。この返血工程では、ドナー圧センサ18によりドナー圧を検出しつつ、血液成分採取回路2(主に、ローター142の貯血空間146)内に残った血液成分をドナーへ返還する。具体的には、まず、第1の流路開閉手段51を開放し、第2の流路開閉手段52を閉塞し、血液ポンプ11を図1中反時計回りに回転(逆転)させる。
これにより、ローター142の貯血空間146内の残りの血液成分は、遠心分離器側ライン21b、中空針側ライン21aおよび中空針組立体29を介して、ドナーへ返還される。
次いで、第1の気泡センサ17によって空気が検出されると、この返血を終了し、次のサイクルの血漿採取操作の血漿採取工程に移行する。
本サイクルが最終サイクルの場合には、第5の気泡センサ37によって空気が検出されると、返血を終了する。これにより、血液成分採取回路2内の残りの血液成分が、ほぼ全てドナーへ返還され、血漿採取操作を終了する。
この血液成分採取装置1は、返血(返血工程)の際、すなわち、血液ポンプ11の作動により血液ポンプ11側から中空針291側へ向かって血液成分を送液して返血を行なう際に、制御手段55が、ドナー圧センサ18によりドナー圧を検出し、このドナー圧センサ18の検出結果に基づいて、ドナー圧の上昇速度を求め、求められたドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えると、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けた(外れた)ものと判断(推定)し、血液ポンプ11を停止させ、返血を中断するように構成されていることに特徴を有する。
なお、ドナー圧が所定のしきい値を超えると、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたものと推定する方式の場合には、(1)中空針291が血管から抜けたこと(針抜け)を初期の段階で検知することができず、内出血の量が多くなり、また、(2)針抜けの誤検知が頻繁に生じる等の問題があり、特に、しきい値を大きく設定すると、前記(2)の傾向が小さくなる代りに、前記(1)の傾向が大きくなり、逆に、しきい値を小さく設定すると、前記(1)の傾向が小さくなる代りに、前記(2)の傾向が大きくなる。
これに対して、この血液成分採取装置1では、ドナー圧の上昇速度に基づいて、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたか否かを判別するので、中空針291が血管から抜けたことを、初期の段階で迅速かつ確実に検知することができ、これにより、返血の際、中空針291が血管から抜けて内出血や内出血痕が生じるのを防止(または抑制)することができ、ドナーの負担を軽減することができる。
以下、この血液成分採取装置1の各特徴(制御手段55の制御)についてそれぞれ説明する。
また、以下の説明では、理解を容易にするために、返血の初期と、返血の途中とに分けて説明するが、この両方に属する場合もあり、両方に属する場合は、一方においてのみ説明し、他方においても同様である旨を記載してその説明を省略する。
また、「返血の初期」には、返血を再開する場合の「初期」も含まれる。すなわち、「返血の開始」には、「返血の再開」も含まれる。
<1> 返血の初期(返血の開始時から、ドナー圧が目標値Bに到達するまで)
返血を開始する際は、図3に示すように、血液成分の単位時間当りの流量(流速)が所定の加速度α1で所定時間t3の間隔で段階的(ステップ状)に増大するように、血液ポンプ11を作動させる。以下、血液成分の単位時間当りの流量を、「流速」とも言う。この流速を増大させる工程は、原則的に、ドナー圧が目標値Bに到達するまで行なわれる。なお、ドナー圧の目標値Bについては、下記<2>で説明する。
このように、流速を段階的に増大させることにより、流速が一定の時間帯にドナー圧を検出することができ、これによって、より正確にドナー圧を検出することができ、より正確にドナー圧の上昇速度を求めることができる。
また、返血時の流速を段階的に増大させる場合は、流速を連続的(傾斜状)に増大させる場合に比べ、ドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えて血液ポンプ11を停止させる際に生じる内出血の血液量(内出血量)を、より少なくすることができる。すなわち、流速を連続的に増大させる場合でも前記内出血量は、ほとんど影響のない程度(許容される範囲内)であるが、流速を段階的に増大させることにより、前記内出血量をさらに減少させることができる。
また、前記加速度α1は、1〜30mL/分/秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、2〜10mL/分/秒程度の範囲内の値(例えば、5mL/分/秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、円滑に流速を増大させることができ、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けてしまう(外れてしまう)のを抑制することができるとともに、返血に要する時間を短縮することができる。
また、前記所定時間t3は、0.1〜5秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、0.5〜2秒程度の範囲内の値(例えば、1秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、流速が一定の時間帯を十分に確保しつつ、円滑に流速を増大させることができる。
また、流速を段階的に増大する場合の返血を開始する際の血液成分の単位時間当りの流量(流速)の初期値は、1〜60mL/分程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、20〜40mL/分程度の範囲内の値(例えば、30mL/分)に設定されるのがより好ましい。
一方、流速を連続的に増大する場合には、初期値は、やや低め(例えば、25mL/分)が好ましい。
これにより、ドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えて血液ポンプ11を停止させる際の内出血量を少なくしつつ、返血に要する時間を短縮することができる。
また、流速の最大値(最高速度)は、ドナー圧の目標値Bに到達しなくても、ドナーがクエン酸反応を起こさない範囲で設定されるのが好ましい。具体的には、ドナーによっても異なるが、10〜120mL/分程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、60〜100mL/分程度の範囲内の値(例えば、90mL/分)に設定されるのがより好ましい。なお、この流速の最大値は、返血の初期のみならず、返血全体における値である。
これにより、血管に中空針291が穿刺された状態で血管と中空針291の隙間から血液が漏れることを防止しつつ、返血に要する時間を短縮することができる。
また、ドナー圧センサ18によりドナー圧を検出し、このドナー圧センサ18の検出結果に基づいて、ドナー圧の上昇速度を求める。そして、求められたドナー圧の上昇速度としきい値Aとを比較し、求められたドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えている場合には、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたものと判断し、血液ポンプ11を停止させ、返血を中断する。
ここで、ドナー圧の上昇速度が、1回でもしきい値Aを超えた場合に血液ポンプ11を停止させるように構成してもよく、また、合計で複数回、しきい値Aを超えた場合に血液ポンプ11を停止させるように構成してもよく、また、連続して複数回、しきい値Aを超えた場合に血液ポンプ11を停止させるように構成してもよい。この場合、検出後の送液量が0.5mL以内に停止させることが好ましい。
本実施形態では、まず、返血の開始直後のドナー圧の上昇速度を求め、求められたドナー圧の上昇速度が、しきい値Aを超えている場合には、血液ポンプ11を停止させ、超えていない場合には、所定値まで加速しながら返血を続行するように構成されている。なお、血液ポンプ11を停止させた場合のその後の動作は、下記<2>でまとめて説明する。
また、前記しきい値Aは、20〜80mmHg/秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、30〜60mmHg/秒程度の範囲内の値に設定されるのがより好ましい。
これにより、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたことを、より迅速かつ確実に検知することができる。
また、返血の開始時にドナー圧センサ18により検出されたドナー圧をV0、返血の開始時から所定時間t1後にドナー圧センサ18により検出されたドナー圧をV1としたとき、返血の開始直後のドナー圧の上昇速度は、下記(1)式から求める。
(V0−V1)/t1 ・・・(1)式
この場合、前記所定時間t1は、0.1〜5秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、0.5〜2秒程度の範囲内の値(例えば、1秒)に設定されるのがより好ましい。
所定時間t1が前記下限値よりも短いと、例えば、流速の初期値、加速度α1等の他の条件によっては、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたことの検知を誤る場合がある。
また、所定時間t1が前記上限値よりも長いと、例えば、流速の初期値、加速度α1等の他の条件によっては、ドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えて血液ポンプ11を停止させる際の内出血量が多くなる。
また、本実施形態では、前記返血の開始直後のドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えておらず、返血を続行する場合、続けて、ドナー圧の上昇速度を求め、求められたドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えている場合には、血液ポンプ11を停止させ、超えていない場合には、返血を続行する。以降、このような動作が、繰り返し実行される。
なお、本発明では、ドナー圧の上昇速度を求める方法は、前記の方法には限定されない。
また、本実施形態では、返血を開始する際の流速が、段階的に増大するように構成されているが、本発明では、これに限らず、返血を開始する際の流速が、例えば、連続的(傾斜状)に増大するように構成されていてもよい。返血を開始する際の流速を連続的に増大させる場合は、流速を段階的に増大させる場合に比べて、流速の初期値を小さく設定するのが好ましい。
<2> 返血の途中(返血の開始後にドナー圧が目標値Bに到達した時または最大流速に到達した時から、所定の気泡センサにより空気が検出されるまで)
ドナー圧センサ18によりドナー圧を検出し、このドナー圧センサ18の検出結果に基づいて、ドナー圧の上昇速度を求める。そして、求められたドナー圧の上昇速度としきい値Aとを比較し、求められたドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えている場合には、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたものと判断し、血液ポンプ11を停止させ、返血を中断する。しきい値Aは、前記<1>で説明した通りである。
ここで、ドナー圧の上昇速度が、1回でもしきい値Aを超えた場合に血液ポンプ11を停止させるように構成してもよく、また、合計で複数回、しきい値Aを超えた場合に血液ポンプ11を停止させるように構成してもよく、また、連続して複数回、しきい値Aを超えた場合に血液ポンプ11を停止させるように構成してもよい。
本実施形態では、返血の途中において、常に、ドナー圧の上昇速度を求め、そのドナー圧の上昇速度が、連続して複数回(例えば、3回)、しきい値Aを超えた場合に血液ポンプ11を停止させ、連続して複数回、しきい値Aを超えない場合は、返血を続行するように構成されている。これにより、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたことの誤検知をより確実に防止することができる。
また、返血の途中において、ドナー圧センサ18により検出されたドナー圧をV、このドナー圧の検出時から所定時間t2後にドナー圧センサ18により検出されたドナー圧をV2としたとき、返血の途中におけるドナー圧の上昇速度は、下記(2)式から求める。
(V−V2)/t2 ・・・(2)式
この場合、初速度に比べて高い速度で返血しているので、前記所定時間t2は、前記所定時間t1よりも短い時間に設定されるのが好ましい。具体的には、所定時間t2は、0.02〜2秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、0.2〜0.4秒程度の範囲内の値に設定されるのがより好ましい。
これにより、ドナー圧の上昇速度がしきい値Aを超えて血液ポンプ11を停止させる際の内出血量を少なくすることができる。
なお、本発明では、ドナー圧の上昇速度を求める方法は、前記の方法には限定されない。
また、前記血液ポンプ11を停止させて返血を中断した場合は、血液ポンプ11が停止してから所定時間内に、ドナー圧が返血の開始直前(開始前)の値に戻った場合には、血液ポンプ11を作動させて返血を再開する。前記所定時間は、0.1〜10秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、2〜8秒程度の範囲内の値(例えば、5秒)に設定されるのがより好ましい。
前記ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたことの検知が誤検知である場合は、血液ポンプ11が停止してから所定時間内にドナー圧が返血の開始直前の値に戻るので、前記の構成により、中空針291が血管から抜けたことを誤検知しても、自動的に、安全かつ確実に、返血を再開することができる。
一方、血液ポンプ11が停止してから前記所定時間内に、ドナー圧が返血の開始直前(開始前)の値に戻らない場合は、血液ポンプ11を停止させた状態で、タッチパネル19に、所定の警告情報を表示する。この警告情報としては、例えば、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたことを示す情報等が挙げられる。
これにより、オペレーターは、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたことを、容易かつ確実に把握することができる。
なお、前記血液ポンプ11を停止させて返血を中断した後の動作は、前記返血の初期においても同様である。
また、返血の途中においては、血液ポンプ11の作動を制御し、ドナー圧を可及的に目標値Bに一致させる。
この目標値Bは、140〜240mmHgの範囲内の値に設定されるのが好ましく、170〜230mmHgの範囲内の値に設定されるのがより好ましい。
これにより、血管に中空針291が穿刺された状態で血管と中空針291の隙間から血液が漏れることを防止しつつ、返血に要する時間を短縮することができる。
具体的には、ドナー圧と目標値Bとを比較し、ドナー圧が目標値B未満の場合には、血液成分の単位時間当りの流量(流速)が所定の加速度α2で所定時間t4の間隔で段階的(ステップ状)に増大するように、血液ポンプ11を作動させる。
このように、流速を段階的に増大させることにより、流速が一定の時間帯にドナー圧を検出することができ、これによって、より正確にドナー圧を検出することができ、より正確にドナー圧の上昇速度を求めることができる。
また、前記加速度α2は、1〜30mL/分/秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、2〜10mL/分/秒程度の範囲内の値(例えば、5mL/分/秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、円滑に流速を増大させることができ、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けてしまうのを抑制することができるとともに、ドナー圧が目標値Bに一致するまでに要する時間を短縮することができる。
また、前記所定時間t4は、0.1〜5秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、0.5〜2秒程度の範囲内の値(例えば、1秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、流速が一定の時間帯を十分に確保しつつ、円滑に流速を増大させることができる。
また、ドナー圧と目標値Bとを比較し、ドナー圧が目標値Bを超える場合には、血液成分の単位時間当りの流量(流速)が所定の加速度α3で所定時間t5の間隔で段階的に減少するように前記血液ポンプを作動させる。
このように、流速を段階的に減少させることにより、流速が一定の時間帯にドナー圧を検出することができ、これによって、より正確にドナー圧を検出することができ、より正確にドナー圧の上昇速度を求めることができる。
また、前記加速度α3は、−90〜−1mL/分/秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、−8〜−2mL/分/秒程度の範囲内の値(例えば、−5mL/分/秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、円滑に流速を減少させることができるとともに、ドナー圧が目標値Bに一致するまでに要する時間を短縮することができる。
また、前記所定時間t5は、0.1〜5秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、0.5〜2秒程度の範囲内の値(例えば、1秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、流速が一定の時間帯を十分に確保しつつ、円滑に流速を減少させることができる。
また、ドナー圧が目標値Bを超える場合において、減速を開始してから所定時間内に、ドナー圧が目標値Bまで減少しない場合には、前記加速度α3の絶対値を増大させる。この動作は、繰り返し実行される。また、前記所定時間は、0.1〜2秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、0.2〜0.4秒程度の範囲内の値(例えば、0.3秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、ドナー圧が目標値Bに一致するまでに要する時間をさらに短縮することができる。
また、前記加速度α3の絶対値を増大させる場合の絶対値の増加分(増加値)は、1〜15mL/分/秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、2〜8mL/分/秒程度の範囲内の値(例えば、5mL/分/秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、円滑に流速を減少させることができるとともに、ドナー圧が目標値Bに一致するまでに要する時間をより一層短縮することができる。
なお、本実施形態では、ドナー圧が目標値B未満の場合、流速を段階的に増大させるように構成されているが、本発明では、これに限らず、流速を、例えば、連続的(傾斜状)に増大させるように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、ドナー圧が目標値Bを超える場合、流速を段階的に減少させるように構成されているが、本発明では、これに限らず、流速を、例えば、連続的(傾斜状)に減少させるように構成されていてもよい。
また、流速を減少させてゆき、流速が0mL/分となった場合、すなわち、血液ポンプ11が停止した場合は、流速が0mL/分の状態が所定時間継続し、かつ、流速が0mL/分となってから前記所定時間後に、ドナー圧が目標値Bを超えている場合は、血液ポンプ11を停止させた状態で、タッチパネル19に、所定の警告情報を表示する。この警告情報としては、例えば、中空針291内の血液成分が凝固し、中空針291が詰まる可能性があることを示す情報等が挙げられる。また、前記所定時間は、0.1〜10秒程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、2〜8秒程度の範囲内の値(例えば、5秒)に設定されるのがより好ましい。
これにより、オペレーターは、血液成分の凝固により中空針291が詰まる可能性があることを、容易かつ確実に把握することができる。
また、ドナー圧とドナー圧の許容される上限値とを比較し、ドナー圧が前記上限値以上となった場合には、ドナー圧の上昇速度の大小(大きさ)にかかわらず、血液ポンプ11を停止させ、返血を中断する。前記上限値は、240〜280mmHg程度の範囲内の値に設定されるのが好ましく、250〜270mmHg程度の範囲内の値(例えば、260mmHg)に設定されるのがより好ましい。
ドナー圧が前記上限値以上となる場合は、例えば、血液成分の凝固により中空針291が詰まった場合や、採血・返血ライン21のいずれかの流路が閉じられた場合等のエラーが生じていることが多く、前記の構成により、安全性が向上する。
また、前記ドナー圧が前記上限値以上となった場合には、さらに、タッチパネル19に、所定の警告情報を表示する。この警告情報としては、例えば、血液成分の凝固により中空針291が詰まったか、または、採血・返血ライン21のいずれかの流路が閉じられた等のエラーが生じていることを示す情報等が挙げられる。
これにより、オペレーターは、前記エラーが生じていることを、容易かつ確実に把握することができる。
以上説明したように、この血液成分採取装置1によれば、ドナー圧の上昇速度に基づいて、ドナーの血管に穿刺されている中空針291が血管から抜けたか否かを判別するので、中空針291が血管から抜けたことを、初期の段階で迅速かつ確実に検知することができ、これにより、返血の際、中空針291が血管から抜けて内出血や内出血痕が生じるのを防止(または抑制)することができ、ドナーの負担を軽減することができる。
以上、本発明の血液処理装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
なお、本発明は、血漿製剤(または血漿分画製剤の原料血漿)を得るのに適用する場合に限らず、例えば、血液中から、血小板製剤、赤血球製剤、白血球製剤等を得る場合に適用してもよい。すなわち、本発明では、血液成分採取バッグに採取される血液成分は、血漿に限らず、例えば、血小板(血漿を含む血小板)、赤血球(血漿を含む赤血球)、白血球(血漿を含む白血球)等であってもよい。
また、本発明は、血液成分採取バッグを複数有し、複数の血液成分を採取し得るように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、採血ラインおよび返血ラインが一体となったいわゆる間歇式(一針式とも呼ばれる)の血液成分採取装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、この方式のものに限らず、例えば、採血ラインと返血ラインとが別個に設けられたいわゆる連続式(二針式または両腕式とも呼ばれる)の血液成分採取装置にも適用することができる。
また、本発明では、光学式センサは、図示のものに限定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
また、本発明では、血液分離器は、遠心型のものに限定されず、例えば、膜型等のものであってもよい。
また、本発明は、血液成分採取装置に限らず、ドナーまたは患者から血液を採取して該血液を処理し、処理後の血液または血液成分を前記ドナーまたは患者に返還する種々の血液処理装置に適用することができる。そして、本発明の血液処理装置においては、制御手段は、送液手段の作動により送液手段側から中空針側へ向かって血液または血液成分を送液して返血を行う際に、上昇速度検出手段により求められた圧力の上昇速度がしきい値Aを超えると、送液手段の作動を停止する。
本発明の血液処理装置を、主に血漿を採取する血漿採取装置(血液成分採取装置)に適用した場合の実施形態を示す平面図(一部にブロック図を含む)である。 図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断断面図である。 図1に示す血液成分採取装置の返血を開始する際の動作を説明するための図である。
符号の説明
1 血液成分採取装置
2 血液成分採取回路
10 遠心分離器駆動装置
11 血液ポンプ
12 抗凝固剤ポンプ
14 濁度センサ
15 光学式センサ
151 投光部
152 受光部
153 反射板
16 重量センサ
17 第1の気泡センサ
18 ドナー圧センサ
19 タッチパネル
20 遠心分離器
21 採血・返血ライン
21a 中空針側ライン
21b 遠心分離器側ライン
21c 接続用分岐コネクタ
21d チャンバー
21g ポンプチューブ
21h チューブ
21i フィルター
22 採取バッグ側ライン
23 抗凝固剤注入ライン
23a ポンプチューブ
23c 気泡除去用チャンバー
23d 抗凝固剤溶器接続用針
24 エアーバッグ側ライン
25 血漿採取バッグ
26 エアーバッグ
29 中空針組立体
291 中空針
292 翼
293 チューブ
32 サブバッグ
32a チューブ
34 第2の気泡センサ
35 第3の気泡センサ
36 第4の気泡センサ
37 第5の気泡センサ
38 コネクタ
51 第1の流路開閉手段
52 第2の流路開閉手段
55 制御手段
61 分岐コネクタ
62 チューブ
63 フィルター
64 除菌フィルター
131 血漿層
132 血球層
141 管体
142 ローター
143 流入口
144 流出口
145 上部
146 貯血空間
147 反射面
201 ハウジング
202 脚部
203 モータ
204 回転軸
205 固定台
206 ボルト
207 スペーサー

Claims (12)

  1. ドナーまたは患者から血液を採取して該血液を処理し、処理後の血液または血液成分を前記ドナーまたは患者に返還する血液処理装置であって、
    ドナーまたは患者の血管に穿刺される中空針と、前記中空針に連通し、採血および返血を行う血液処理ラインと、前記血液処理ラインに連通する血液処理器とを有する血液処理回路と、
    前記血液処理ライン内の血液または血液成分を送液する送液手段と、
    前記送液手段より前記中空針側の前記血液処理ライン内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力の上昇速度を求める上昇速度検出手段と、
    前記送液手段の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記送液手段の作動により前記送液手段側から前記中空針側へ向かって血液または血液成分を送液して返血を行う際に、前記上昇速度検出手段により求められた前記圧力の上昇速度がしきい値Aを超えると、前記送液手段の作動を停止するように構成されていることを特徴とする血液処理装置。
  2. 前記しきい値Aは、20〜80mmHg/秒の範囲内の値に設定される請求項1に記載の血液処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記送液手段が停止してから所定時間内に、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記返血の開始前の値に戻った場合には、前記送液手段を作動させて前記返血を再開するように構成されている請求項1または2に記載の血液処理装置。
  4. 前記送液手段が停止してから所定時間内に、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記返血の開始前の値に戻らない場合に、所定の警告情報を報知する第1の報知手段を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の血液処理装置。
  5. 前記返血の開始時に前記圧力検出手段により検出された前記圧力をV0、前記返血の開始時から所定時間t1後に前記圧力検出手段により検出された前記圧力をV1としたとき、前記所定時間t1は、0.1〜5秒の範囲内の値に設定され、
    前記上昇速度検出手段は、前記返血の開始直後の前記圧力の上昇速度を下記(1)式から求めるように構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の血液処理装置。
    (V0−V1)/t1 ・・・(1)式
  6. 前記制御手段は、前記返血を開始する際は、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α1で所定時間t3の間隔で段階的に増大するように前記送液手段を作動させるように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の血液処理装置。
  7. 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が目標値B未満の場合には、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α2で所定時間t4の間隔で段階的に増大するように前記送液手段を作動させるように構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の血液処理装置。
  8. 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が目標値Bを超える場合には、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α3で所定時間t5の間隔で段階的に減少するように前記送液手段を作動させるように構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の血液処理装置。
  9. 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が目標値Bを超える場合には、前記血液または血液成分の単位時間当りの流量が所定の加速度α4で減少するように前記送液手段を作動させ、所定時間内に、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が前記目標値Bまで減少しない場合には、前記加速度α4の絶対値を増大させるように構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の血液処理装置。
  10. 前記制御手段は、前記返血において、前記圧力検出手段により検出された前記圧力が許容される上限値以上となった場合には、前記上昇速度検出手段により求められた前記圧力の上昇速度にかかわらず、前記送液手段を停止させるように構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の血液処理装置。
  11. 当該血液処理装置は、ドナーから血液を採取して前記血液処理器により該血液を分離し、所定の血液成分を採取して、残りの血液成分を前記ドナーに返還する血液成分採取装置であり、
    前記血液処理回路は、前記血液処理器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグを有する請求項1ないし10のいずれかに記載の血液処理装置。
  12. 当該血液処理装置は、ドナーから血液を採取して前記血液処理器により該血液を分離し、所定の血液成分を採取する血液成分採取工程と、残りの血液成分を前記ドナーに返還する血液成分返還工程とを有する血液成分採取操作を少なくとも1サイクル行う血液成分採取装置である請求項1ないし11のいずれかに記載の血液処理装置。
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