JP2008066220A - 有機el素子 - Google Patents

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幸則 河村
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、背面電極材料と端子電極材料を変更することなく、背面電極と端子電極間の接触抵抗を低下させ、高電流効率で低電圧な有機EL素子を提供することである。
【解決手段】 透明基板1と、該基板の上に設けられた透明電極3と、該透明電極の上に設けられた有機発光層4と、該有機発光層の上に設けられた背面電極5と、該基板の上に設けられた端子電極6であって、プラズマ処理により設けられた酸化保護層7を有し、該酸化保護層を介して該背面電極と電気的に接触している、端子電極とを有する有機EL素子が提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL素子、およびその製造方法に関する。
表示装置に適用される発光素子の一例として、有機化合物の薄膜積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と称する)が知られている。有機EL素子については、1987年、イーストマンコダック社のC.W.Tangらによって、高効率の発光を実現する2層積層構造の有機EL素子が発表されて以来(非特許文献1を参照)、現在に至るまでに様々な有機EL素子が開発され、その一部は実用化され始めている。
図2に、従来の有機EL素子の模式的な断面図を示す。図2に示すように、透明基板101と、基板の上に設けられた透明電極103と、基板の上に設けられた絶縁層102と、透明電極の上に設けられた有機発光層104と、有機発光層の上に設けられた背面電極105と、背面電極と電気的に接触するように、基板の上に設けられた端子電極106とを有する。より具体的には、複数の透明電極が、互いに平行に基板上に設けられている。複数の絶縁層が、隣り合う透明電極間にそれぞれ設けられている。さらに、複数の背面電極が、互いに平行に、かつ透明電極と直交するように有機発光層上に設けられている。また、透明基板上の端部付近に、背面電極に通電するために、端子電極が設けられている。
このように、一般に有機EL素子は、一方に光を取り出すための透明電極、他方に金属電極があり、その間に有機層を有する構造となっている。この電極間で発生させた光を取り出すための方法として、少なくとも一方をITOやIZO等の透明電極とし、もう一方にAl等の低抵抗な金属を背面電極として用い、これらの電極に端子電極を配線することによって、外部の駆動回路と接続する方法が一般的である。この端子電極としては透明電極や背面電極に比べて低抵抗であり、希望の形状にパターン形成できる材料であればよく、MoやAlを用いることができる他に、Al−Ti,Al−Cr,AlMo,Al−W,Al−Ta,AlCu,Al−Ndなどの2元合金や3元合金を用いることも可能である。そこで取り扱い易さや高電流伝導体材質であることからAl系金属を背面電極とし、Mo系金属を端子電極として使用される例が多い。しかしながら、背面電極材料であるAlと端子電極材料であるMoを積層させた場合に、その接触抵抗値がAlあるいはMoそれぞれ固有の抵抗値と比べて大きな抵抗値を示す場合がある。これは端子電極表面のMo原子が透明酸化物陽極スパッタ製膜時あるいはその後の有機発光層製膜前処理時における製膜環境中あるいは前処理環境中の酸素原子と反応してMo酸化物となり、このMo酸化物と積層される背面電極材料のAlとの間における酸化還元反応によって背面電極と端子電極の接触面に高抵抗であるAlOxが生成することが主要因である。しかしながら、将来的に有機EL素子の電流効率を更に高めて低電圧化を図る為にも、この端子電極と背面電極間の接触抵抗の増加は重要な問題となっている。
そこで、背面電極と端子電極間の接触抵抗を低下させる方策が多方面から考えられており、背面電極または端子電極材料としてAuやAgといった酸化されにくい貴金属を用いる方法(特許文献1)や端子電極金属を窒化物として酸化から守る方法(特許文献2)がある。
特開2004-158429号公報 特開2004-158199号公報 C.W.Tang,S.A.VanSlyke,Appl.Phys.Lett.,51,913(1987)
しかしながら、前述したAuやAgといった高価な貴金属材料を用いる方法は将来的に量産化の観点からは現実的ではない。また、端子電極金属材料を窒化物に形成させる方法は、その制御および製造工程が煩雑になるという問題点があった。
従って、本発明の課題は、背面電極材料と端子電極材料を変更することなく、背面電極と端子電極間の接触抵抗を低下させ、高電流効率で低電圧な有機EL素子を提供することである。
本発明の一の側面によると、
透明基板と、
該基板の上に設けられた透明電極と、
該透明電極の上に設けられた有機発光層と、
該有機発光層の上に設けられた背面電極と、
該基板の上に設けられた端子電極であって、酸化保護層を有し、該酸化保護層を介して該背面電極と電気的に接触している、端子電極と
を有する有機EL素子が提供される。
本発明の他の側面によると、
透明基板と、
該基板の上に設けられた透明電極と、
該透明電極の上に設けられた有機発光層と、
該有機発光層の上に設けられた背面電極と、
該基板の上に設けられた端子電極であって、フッ素を含む酸化保護層を有し、該酸化保護層を介して該背面電極と電気的に接触している、端子電極と
を有する有機EL素子が提供される。
上述の課題を解決するために、本発明者らは、背面電極と端子電極間の接触抵抗を低下させる手法について鋭意検討し、端子電極と背面電極との間に酸化保護層を設けることによって、端子電極の表面が酸化されにくくなり、その結果、背面電極の酸化が防止でき、背面電極と端子電極間の接触抵抗が低くなり良好な結果が得られることを見出し、本願発明を完成するに至った。
以下に詳細に説明するように、本発明によると、背面電極材料と端子電極材料を変更することなく、背面電極と端子電極間の接触抵抗を低下させ、高電流効率で低電圧な有機EL素子を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施の形態によって、限定されるものではない。
図1に、本発明の実施の形態にかかる有機EL素子の模式的な断面図を示す。
図1に示すように、本発明にかかる有機EL素子は、
透明基板1と、
該基板の上に設けられた透明電極(下部透明電極)3と、
該基板の上に設けられた絶縁層(SM1層)2と、
該透明電極の上に設けられた有機発光層4と、
該有機発光層の上に設けられた背面電極(陰極)5と、
該基板の上に設けられた端子電極6であって、酸化保護層7を有し、該酸化保護層を介して該背面電極と電気的に接触している、端子電極と
を有する。
このように、本発明にかかる有機EL素子は、透明基板1を有する。透明基板に用いることができる材料の例として、ノンアルカリガラス、ソーダライムガラス、透明プラスチック、透明セラミックス等が挙げられる。
本発明にかかる有機EL素子は、基板の上に設けられた透明電極3をさらに有する。下部透明電極はEL光の取り出し側の電極にあたるため透明導電材料を用いて形成する必要がある。具体的には、透明電極は、可視光の領域である380〜780nmの波長において80%以上の透過率を有することが望ましい。さらに具体的には、透明電極に用いることができる材料の例として、透明導電性酸化物である錫ドープ酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)または亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO:Indium Zinc Oxide)が挙げられる。一般に、基板上には、複数の透明電極が、実質的に互いに平行に設けられる。例えば、透明電極の厚さは、200nm、透明電極の幅は、100μm、透明電極間の幅は、10μmとすることができる。透明電極は、当業者に明らかなように、DCスパッタ法等の任意の方法で設けることができる。
本発明にかかる有機EL素子は、基板の上に設けられた絶縁層2をさらに有することが好ましい。絶縁層に用いることができる材料の例として、有機レジスト(アクリル系、ノボラック系、ポリイミド系)、SiNx、SiON、SiOx等が挙げられる。一般に、基板上には、複数の絶縁層が、隣り合う透明電極間に設けられる。例えば、絶縁層の厚さは、1μmとすることができる。絶縁層は、当業者に明らかなように、スピンコートとフォトリソグラフィーや、スパッタ、CVDによる製膜とドライエッチング等の任意の方法で設けることができる。
本発明にかかる有機EL素子は、透明電極の上に設けられた有機発光層4をさらに有する。下部透明電極上に設けられる有機発光層は、陽極および陰極に電圧が印加されることによって生じる正孔および電子が再結合することで発光することができる。本発明にかかる有機EL素子は、陽極/発光層/陰極の構成を基本として、これに正孔注入輸送層や電子注入輸送層を設けたもの、たとえば以下の構成のもの等が知られている。
・陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極
・陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
該正孔注入輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、また、電子注入輸送層は陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。そして、該正孔注入輸送層を発光層と陽極との間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、発光層に陰極または電子注入層より注入された電子は、正孔注入輸送層が電子を輸送しないので、正孔注入輸送層と発光層との界面に蓄積され発光効率が上がることが知られている。
有機発光層その他の各層に用いることができる材料は、特に限定されるものではなく、公知のものでよい。正孔注入層は、フタロシアニン類(銅フタロシアニンなど)またはインダンスレン系化合物などを用いることができる。正孔輸送層は、TPD,N,N'−ビス(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルビフェルアミン(α−NPD)、4,4',4''−トリス(N−3−トリル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N,N'−テトラビフェニル−4,4'−ビフェニレンジアミン(TBPB)などのトリアリールアミン系材料を含む公知の材料を用いることができる。有機発光層は、例えば、青色から青緑色の発光を得るためには、有機発光層中に、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などの材料が好ましく使用される。あるいはまた、ホスト化合物(ジスチリルアリーレン化合物、TPD、アルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq3など))にドーパント(ペリレン、キナクリドン類、ルブレンなど)を添加することによって、種々の波長域の光を発する有機発光層を形成してもよい。電子輸送層は、2−(4−ゼフェニル)−5−(p−tブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルキノキサリン類、アルミニウムのキノリノール錯体(例えばAlq3)などを用いることができる。
例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子注入輸送層の厚さは、それぞれ100nm、20nm、30nmおよび20nmとすることができる。有機発光層その他の各層は、たとえば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により薄膜化することにより形成することができる。また、上記材料を樹脂などの結着材とともに溶剤に溶かして溶液としたのち、スピンコート法などにより薄膜化して形成することができる。
本発明にかかる有機EL素子は、有機発光層の上に設けられた背面電極5をさらに有する。一般に、複数の背面電極が、実質的に互いに平行に、かつ透明電極と実質的に直交するように有機発光層上に設けられている。背面電極に用いる材料は、仕事関数4.8eV未満の金属および合金が好ましい。具体的には、背面電極に用いることができる材料の例として、Al,Ag,MgおよびMn、ならびにこれらの金属を含有する合金AlLi,MgAgなどが挙げられる。また、LiF/Alなどの積層電極を用いることもできる。特に、背面電極に用いる材料として、LiF/Alが好ましい。材料が安定で蒸着形成が容易であり、注入効率が高く、光の反射率も高いためである。例えば、背面電極の厚さは200nm、背面電極の幅は0.30mm、背面電極間の幅は0.03mmとすることができる。背面電極は、当業者に明らかなように、真空蒸着等の任意の方法で設けることができる。
本発明にかかる有機EL素子は、基板の上に設けられた端子電極6をさらに有する。一般に、端子電極は、背面電極に通電するために、透明基板上の端部付近に設けられる。本実施の形態にあっては、端子電極は、プラズマ処理により設けられた酸化保護層7を有し、端子電極は、酸化保護層を介して背面電極と電気的に接触している。
端子電極に用いることができる材料の例として、Al,Cu,Cr,Mo等の低抵抗で高導電性の金属材料が挙げられる。特に、端子電極がMoまたはMo合金を含むことが好ましい。これらは安価であり、スパッタ等で容易に形成でき、さらに、ウェトエッチングで容易にテーパ形成ができるためである。なお、Mo合金は、Moを主成分として(すなわち、原子数基準で最も多い成分として)含む合金をいうものとする。具体的には、Mo合金は、Cr,Cu,Ti等を含むことができる。例えば、端子電極の厚さは300nm、端子電極の幅は300μmとすることができる。端子電極は、スパッタリング法で製膜することができ、エッチング処理によって希望の形状にパターニングすることも可能である。
本発明にかかる有機EL素子にあっては、端子電極は、背面電極との間、好ましくは背面電極と接する端子電極の表面(接合面)に、酸化保護層を有する。端子電極が酸化保護層を有することで、端子電極の表面は、透明酸化物陽極(透明電極)をスパッタにより製膜する際、あるいはその後の有機発光層を製膜するための前処理をする際等にも酸化されにくくなる。この結果、Al等から形成される背面電極の酸化が防止できる。上記したように背面電極の酸化は、背面電極と端子電極間の接触抵抗の原因となるため、これを防止することで、背面電極と端子電極間の接触抵抗が低くなり良好な結果が得られる。
酸化保護層は、端子電極の表面をプラズマ処理することにより設けることができる。特に、酸化保護層は、プラズマエッチング処理により設けることができる。プラズマ処理には、通常のプラズマエッチャーが適用できる。プラズマのモードとして、RIE(Reactive Ion Etching)とICP(Inductive coupp1ed plasma)のいずれも問題なく適用できる。プラズマ処理に用いるガスは、端子電極の材料と反応するフッ素を含むものが好ましい。例えば、ガスとして、CF4、SF6等を含むガスを挙げることができる。また、プラズマ処理の際のガス圧は、10〜30Paであることが好ましく、15〜20Paであることがさらに好ましい。また、エッチングレートに合わせ、RFパワー2500〜3000Wで200〜300秒の処理を行うことが好ましい。
プラズマ処理により酸化保護層を設けることで、MoがF系ガスでエッチングされ、この際、MoのF化合物は大部分が蒸気となって残らないが、わずかにF化合物が表面に残り、これが酸化防止層の働きをする。これにより、ドライエッチング後のレジストアッシング時に酸素プラズマに接触し、さらに有機EL製膜前に電極表面を150℃でUV/O3処理でクリーニングした場合においても、Mo表面が酸化することを防止できる。
酸化保護層が、フッ素を含むことが好ましい。F化合物が酸化防止層の働きをするためである。フッ素の含有量は、0.01at%以上であることが好ましく、0.1at%以上であることがさらに好ましい。また、フッ素の含有量は、5at%以下であることが好ましく、1at%以下であることがさらに好ましい。フッ素の含有量が上記範囲である場合に、特に好適な酸化防止効果が得られる。また、酸化保護層の厚さは、1〜5nmであることが好ましく、2〜3nmであることがさらに好ましい。なお、フッ素の含有量は、酸化保護層の表面における各原子の割合に基づいて定めたものとし、各原子の割合は、XPSによる波形解析により測定することができる。
プラズマ処理することにより、フッ素原子またはフッ素化合物がMo表面にわずかに付着する。このため、特に、酸化保護層は、MoまたはMo合金から形成された端子電極の表面を、フッ素を含むガスを用いたプラズマによって処理することで、界面に付着したフッ素原子またはフッ素化合物を含む層であることが好ましい。
なお、「上に設ける」は、透明基板に対して背面電極のある向きを意図する。また、有機発光層の上に背面電極を設けるとは、有機発光層の上に背面電極を直接設ける場合の他、有機発光層の上に、例えば電子注入輸送層を介して背面電極を設ける場合も含む。その他の部材に関しても同様である。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施例によって限定されるものではない。
[実施例]
実施例として、図1に準じた有機EL素子を作成した。具体的には、実施例にかかる有機EL素子は、基板1の上に、端子電極/Mo層6を製膜した。その後、基板1上に更に下部透明電極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/背面電極を順に設けた。
まず、端子電極6としてMoパターンを形成した。端子電極は外部駆動回路との接続部から表示領域の近傍まで配線される。DCスパッタ法により室温において、Mo膜を300nm形成した。スパッタターゲットにはMoを用い、スパッタガスとしてArを用いた。フォトリソグラフによりレジストをパターニングした後に燐酸と硝酸と酢酸の混合液をエッチング液として用いてパターニングすることにより配線幅300μmのパターンを形成した。
下部透明電極3として、In−Zn酸化物パターンを形成した。DCスパッタ法により室温において、In−Zn酸化物膜を200nm形成した。スパッタターゲットにはIn−Zn酸化物ターゲットを用い、スパッタガスとしてArおよび酸素を用いた。フォトリソグラフによりレジストをパターニングした後にシュウ酸をエッチング液として用いてパターニングすることにより配線幅100μmのパターンを形成した。
その後、RFスパッタ法によりSiO2膜を全面に300nm形成した。その後、常法に従い、下部透明電極3の間の絶縁層2を形成する領域にレジストパターンを形成した。
次に、下部透明電極3の上のSiO2を除去するために、RIE法によりプラズマエッチングを行い、レジストを剥離した。エッチング条件は、以下の通りで、この際、Mo端子電極は表面から約20nmエッチングされた。これにより、下部透明電極3の間の基板上にSiO2の絶縁層2が形成され、同時に端子電極のMo表面に酸過保護層7が形成された。
エッチングガス:CF4/O2=9/1混合
ガス圧:20Pa
RFパワー:3000W
エッチング時間:300sec
プラズマ処理終了後、IZO表面をクリーニングするために乾燥処理(150℃)およびUV処理(室温および150℃)を行った。UV処理時にO3が発生し、表面の有機物残渣を酸化除去することができる。また、150℃で処理することで、反応が加速されると同時に、水分が付着することを防止できる。
UV処理後に抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層4および電子注入層を、真空を破らずに順次成膜して有機EL層を製膜した。成膜に際して真空槽内圧は1×10-5Paまで減圧した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)を100nm積層した。正孔輸送層は4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。発光層は4,4'−ビス(2,2'−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層はアルミキレート(Alq)を20nm積層した。
この後、下部透明電極のラインと垂直に幅0.30mm、空隙0.03mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを用いて、厚さ200nmのAlからなる背面電極(陰極)5を、真空を破らずに形成した。こうして得られた有機EL素子をグローブボックス内乾燥窒素雰囲気下において、封止硝子とUV硬化接着剤を用いて封止した。
[比較例]
プラズマ処理しないことを除いて実施例と同様に、比較例にかかる有機EL素子を作成した。
[評価]
実施例および比較例について、Mo表面のXPSによる波形解析から求めたMo表面のMo,C,O,Fの割合を以下の表1に示す。プラズマ処理を行った実施例のMo表面にはO原子の割合が少なく、酸化が防止できていることが分かる。
Figure 2008066220
さらに、実施例および比較例について同輝度で点灯させて電圧測定を行い比較した。結果を表2に示す。なお、端子電圧1,2,3は、それぞれ、端子の任意の3箇所を意味する。また、接触抵抗1,2,3は、それぞれ、上記測定ポイントの4端子測定から求めた接触抵抗を意味する。
Figure 2008066220
実施例は比較例に対して端子電圧および接触抵抗が約2割低下していた。このように、端子電極の背面電極との接合面にF化合物ガスによるプラズマ処理することにより、背面電極と端子電極間の接触抵抗の低下が認められた。
以上のように、端子電極の背面電極との接合面にF化合物ガスによるプラズマ処理することによって、Alの酸化を防止して、背面電極と端子電極間の接触抵抗を低下させることができた。
本発明の実施の形態にかかる有機EL素子の模式的な断面図を示す。 従来の有機EL素子の模式的な断面図を示す。
符号の説明
1:基板
2:絶縁層
3:下部透明電極
4:有機発光層
5:背面電極
6:端子電極
7:酸化保護層

Claims (4)

  1. 透明基板と、
    該基板の上に設けられた透明電極と、
    該透明電極の上に設けられた有機発光層と、
    該有機発光層の上に設けられた背面電極と、
    該基板の上に設けられた端子電極であって、プラズマ処理により設けられた酸化保護層を有し、該酸化保護層を介して該背面電極と電気的に接触している、端子電極と
    を有する有機EL素子。
  2. 透明基板と、
    該基板の上に設けられた透明電極と、
    該透明電極の上に設けられた有機発光層と、
    該有機発光層の上に設けられた背面電極と、
    該基板の上に設けられた端子電極であって、フッ素を含む酸化保護層を有し、該酸化保護層を介して該背面電極と電気的に接触している、端子電極と
    を有する有機EL素子。
  3. 前記酸化保護層が、プラズマ処理により設けられた酸化保護層である請求項2に記載の有機EL素子。
  4. 前記端子電極がMoまたはMo合金を含み、前記酸化保護層がMoまたはMo合金と5at%以下のフッ素とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL素子。
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