JP4515735B2 - 表示素子およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、表示素子、特に、電界発光型表示素子およびその製造方法に関する。
電界発光型表示素子、とりわけ、エレクトロルミネッセンス素子(以下、「EL素子」と適宜呼ぶ)は、基本的に、透明基材上に、陽極、発光層、陰極の順で積層され、EL素子の発光が陽極側(基板側)から生じるものとして構成される。
しかしながら、画面表示装置の多様化等の要請から、陰極側から発光を生じさせるEL素子が要求され開発されている。例えば、特開2001−43980号公報では、陽極がその有機層側に接する部分に周期表の第5属または第6属に属する金属(特に、クロム、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ)を含むことにより、ダークスポット(非発光点)の発生を抑制し、不均一な発光の発生を防止した陰極側発光型の有機EL素子が提案されている。また、特開2002−216976号公報では、下部電極が金属層(クロム)と、その金属の酸化物であって有機層よりも導電性が高いものをスパッタリング法によりこの金属層の上に緩衝薄膜層として形成することで、下部電極の表面の粗さを均一化し、漏れ電流およびダークスポットの発生を抑制する有機EL素子が提案されている。
しかしながら、未だ、インジウム−スズ酸化物(ITO)電極に比べて電率密度と、発光効率とを改善させた表示素子の開発が切望されているのが現状である。
発明の概要
本発明者は、今般、前記第一電極を金属層とその金属層表面をプラズマ処理した耐腐食性電荷注入促進層とにより構成することで、電率密度と、発光効率とを向上させるとともに、第一電極の腐食を防止する、発光素子が得られるとの知見を得た。よって、本発明は、かかる発光素子の提供をその目的とするものである。
従って、本発明による発光素子は、
第一電極と、発光層と、第二電極と、透明基材とにより構成されてなるものであって、
前記第一電極が、金属層と、耐腐食性電荷注入促進層とにより構成されてなり、
前記耐腐食性電荷注入促進層が、前記金属層の表面層を、酸素原子を含んでなる気体を用いたプラズマ処理により形成されてなるものである。
本発明の別の態様によれば、表示素子の製造方法が提案され、その製造方法は、
基材上に金属層を形成し、
前記金属層にパターニングを行い、
前記金属層の表面を、酸素原子を含んでなる気体を用いたプラズマ処理をし、耐腐食性電荷注入促進層とし、
前記耐腐食性電荷注入促進層上に発光層を形成し、
前記発光層の上に第二電極を形成することを含んでなるものである。
本発明による表示素子によれば、第一電極が金属層とその表面がプラズマ処理された耐腐食性電荷注入促進層とから形成されることから、第一電極の酸化および腐食を防止し耐久性を向上させるとともに、表示素子の電率密度と、発光効率と優位に改善することができる。
また、本発明による表示素子の製造方法によれば、金属層の上にその金属表面をプラズマ処理して耐腐食性電荷注入促進層を形成することから、この処理後に基板を洗浄処理することなく、発光層を形成することが可能となり、製造工程を簡略化でき、製造コストを低廉化することが可能となるとともに、微粒子混入による短絡、非発光点の発生を抑制することが可能になる。
発明の具体的な説明
本発明による表示素子
本発明の表示素子およびその製造方法について図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施態様である表示素子の概略断面図を示したものである。図1に示す表示素子は、基材1と、第1電極2と、発光層3bを含む発光部3と、第二電極4とにより構成されている。本発明の別の態様によれば、第2電極と発光層3bとの間に電子注入層3cを設けた表示素子も提案できる。また、本発明のさらに別の態様によれば、第二電極4が保護層4bと透明電極層4aとで構成されていてもよい。
本発明にあっては、基材1上に第一電極2を構成する金属層2aが形成される。次に、この金属層2aの表面(第二電極4側)を酸素原子を含んでなる気体によりプラズマ処理をなし、耐腐食性電荷注入促進層2bを形成する。次に、発光層3bと必要に応じてその他の層を含む発光部3が形成され、最後に、この発光部3の上に第二電極4が形成されて、本発明の表示素子が製造される。
基材
本発明における基材は、第一電極の下面として使用されるものであり、それ自体が透明性を有する必要性はない。基材の具体例としては、石英、ガラス、シリコンウェハ、TFT(薄膜トランジスタ)が形成されたガラス、またはポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の高分子基材が挙げられる。特に、石英、ガラス、シリコンウェハ、またはポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の高分子基材が好ましくは挙げられる。これらの基材は、200℃以上の耐熱性を有していることから、製造段階で高温度処理が可能となる。
第一電極(陽極電極)
a)金属層
金属層を構成する金属は、導電性を有するものであれば特に限定はされず、例えばクロム、ニッケル、タングステン、マンガン、インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、金、銀、タンタル、白金、パラジウム、モリブデン、バナジウム、チタン、タンタル、ニオブ、これらの二種以上の組合せ、これらを主成分とする合金、またはこれらの組合せを挙げることができる。好ましくは、クロム、ニッケル、タングステン、マンガン、インジウム、スズ、および亜鉛から群から選択されるものが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、金属層は、一種以上の合金と、一種以上の金属ま
たは合金との積層体により構成されてなるものが好ましい。合金は、特に耐熱性、耐食性に優れたものが好ましく、このような例としては、Cr系(Cr−Al−Mn−Si、Cr−Mn−C−Si等)、Ni−Cr系(Cr−Ni−C−Mn、Cr−Ni−Mn−Si、Cr−Ni−Mo−Mn、Cr−Ni−Ti−Mn、Cr−Ni−Ta−Mn、Cr−Ni−Cu−C等)が挙げられる。また、ニッケル、チタン、タンタル、ジルコニウムを含む合金としては、Ti系(Ti−Al−Sn、Ti−Mn、Ti−Al−V等)、Zr−Ni系(Zr−Sn−Fe、Zr−Sn−Fe−Cr、Ni−Cr−Fe−Ti、Ni−Cr−Mo−Fe、Ni−Cu−Fe、Ni−Cr−Fe、Ni−Mn−Al−Si等)が挙げられる。さらに、アモルファス金属合金も好ましくは利用することができ、その具体例としては、金属-半金属(金属:Fe、Co、Ni、Nb等、半金属はP、B、Si等)型、金属−金属(Fe−Zr、La−Cu、U−Co、Ca−Al等)型の非晶質が挙げられる。
金属層の積層構成の具体例としては、下部電極上に、Cr系、Ni−Cr系合金の積層した電極/合金、また下部電極金属上にアモルファス金属を積層した電極/アモルファス金属、合金/アモルファス金属、アモルファス金属/合金、またこれらの交互積層構造などの組み合わせが挙げられる。
このような金属層を形成することにより、金属粒界による突起を減少させ、表面平均粗さが低下するので、短絡と漏れ電流の発生とを抑制した表示素子が実現できる。金属層の固有抵抗値は、1×10−2Ω・cm以下が好ましい。
基材に金属層を成膜する方法としては、スパッタリング法、真空加熱蒸着法、EB蒸着、イオンプレーティング等を挙げることができる。
基材に形成する金属層の膜厚は、特に制限されないが、例えば、単純マトリクス駆動パネルの場合にあっては、40nm〜500nmの範囲内、100nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。この膜厚の範囲にすることにより、抵抗値を好ましい値に置くことができ、かつ、金属層を平滑にすることが可能となる。また、透明電極層等の段差切れまたは断線を有効に防止することが可能となる。
b)耐腐食性電荷注入促進層
耐腐食性電荷注入促進は、電荷注入層としての機能を有し、かつ、第一電極の金属層の腐食を抑制する機能をも有することから、金属層を構成する金属の種類に関わらず、発光層への電荷注入を促進させ、第一電極の耐久性を向上させ、またダークスポットの発生を抑制し、発光効率の高い表示素子を実現することができる。
耐腐食性電荷注入促進層の形成は、基材表面に形成された金属層の表面を酸素原子を含んでなる気体を用いたプラズマ処理(酸化処理)により行う。本発明において、「酸素原子を含んでなる気体」とは、酸素分子からなる気体(例えば、
、Oが挙げられる)、酸素原子を構成元素として含む気体(例えば、HO、CO、CO等が挙げられる。本発明によるプラズマ処理は、例えば、アルゴン
(Ar)と酸素(O)との混合ガスを、Ar:O=1:1〜100:1の分圧でプラズマガスとし、成膜雰囲気内のガス圧力を0.5〜0.01Pa程度とし、RF出力を50W〜1000Wに設定して行うことができる。
酸素原子を含んでなる気体を用いたプラズマ処理によれば、金属層表面を真空中で酸化処理し耐腐食性電荷注入促進層膜を形成することができ、かつ、Arが金属層表面に衝突することで、その表面の不純物を除去し、その微粒子が表面に付着するのを有効に防止するのではないかと思われる。このため、本発明によれば、従来のように第一電極を形成した後に洗浄することなく、第一電極の上に発光部を形成することができる。
耐腐食性電荷注入促進層の膜厚は適宜定めてよい。具体的には、プラズマ処理を調整し耐腐食性電荷注入促進層の厚さを調整することができる。プラズマ処理の調整は、処理時間、Ar:Oの分圧、RF出力を調整することにより好適に行うことができる。耐腐食性電荷注入促進層の膜厚を調整することにより、第一電極の電荷輸送能(仕事関数)および耐腐食性を向上させることができる。
本発明にあっては、耐腐食性電荷注入促進層を形成する金属層の金属(合金)が酸化されているものであってよく、むしろ好ましい。金属層の金属の酸化は自然酸化、プラズマ処理、またはオゾンUV処理等により行われてよい。
耐腐食性電荷注入促進層の厚さは、0.1nm以上、500nm以下であり、好ましくは上限が、1nm以上であり、下限が300nm以下である。
c)特性
第二電極側から入射した光に対して、前記第一電極の光反射率が、可視領域内(380〜780nmの範囲内)において70%以下、好ましくは、60%以下であることが好ましい。光反射率がこの値の範囲にあることにより、外部光が第一電極に入射した場合の第一電極における反射光を有効に抑制することができ、かつ、円偏向フィルムを用いることなく表示装置の鏡面化を防ぐことができるので、製造コストを抑制した高コントラスト表示の表示素子が実現できる。
本発明にあっては、耐腐食性電荷注入促進層の固有抵抗値が、発光層の固有抵抗値より低いものであることが好ましい。金属層の固有抵抗値が低いことにより、低電圧で大きな電流密度、輝度を得ることが可能となるからである。この結果、電荷注入を促進(電流密度の増大)させることにより、高い発光効率の表示素子を得ることができる。ここで、固有抵抗値(比抵抗値)「ρ(Ω・cm)」とは、電気伝導率「σ」の逆数ρ=1/σをいう。断面積がSが一様な等質導線の長さLの部分の抵抗Rは、R=(L/S)ρとなる。電気伝導率とは、導体中の電流密度iと電場Eの関係がi=σEとして表される定数σをいう。
有機層
本発明における有機層は、発光層を必須成分として含んでなるものであり、これ以外に後記する任意の層との複数層として形成されていてもよい。
1)発光層
発光層を構成する材料は、無機系発光材料、有機系発光材料が挙げられ、例えば、色素系発光材料、金属錯体系発光材料、または高分子系発光材料等が挙げられる。
色素系材料の具体例としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系材料の具体例としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、イリジウム金属錯体、プラチナ金属錯体等、また、中心金属が、Al、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属であり、配位子がオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等である、金属錯体等が挙げられる。
本発明にあっては、下記化学式(I):
Figure 0004515735
で表される、アルミニウムキノリノール金属錯体(Alq3)が利用できる。
高分子系材料の具体例としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体、金属錯体系発光材料を高分子化したもの等を挙げることができる。
本発明にあっては、下記化学式(II):
Figure 0004515735
(上記式中、
nは5,000以上100万以下であり、好ましくは下限が1万以上であり、上限が80万以下である)
で表される、ポリ(ジオクチルジビニレンフルオレン−co−アントラセン)が利用できる。
発光層の形成は、パターン状に行われ、フルカラーの表示素子とする場合、複数色の発光層が各々パターニングされる。
発光層の厚さは、1nm以上300nm以下であり、好ましくは上限が100nm以下であり、下限が5nm以上である。
2)任意の層
本発明における有機層は、発光層以外に、正孔注入層、正孔輸送層、正孔輸送注入層、電子輸送層、電子注入層等を積層した複数層として形成することが可能である。
a)正孔注入層
本発明の好ましい態様によれば、正孔注入層を、特に第一電極側に形成することが好ましい。正孔注入層を構成する材料は、陽極から有機発光層への正孔の注入を安定化させることが可能な材料であれば特に限定されない。その具体的としては、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性高分子、またはフェニレンジアミン部位を含む有機材料等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物から成る電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。
正孔輸送層の厚さは、1nm以上300nm以下であり、好ましくは上限が、200nm以下であり、下限が100nm以上である。
b)正孔輸送層
本発明の部の態様によれば、正孔輸送層を、特に第一電極側に形成してもよい。正孔輸送層を構成する材料は、陽極から有機発光層への正孔の輸送を安定化させることが可能な材料であれば特に限定されない。その具体的としては、N−(1−ナフチル)−N−フェニルべジジン(α−NPD)、トリフェニルジアミン(TPD)などが挙げられる。正孔輸送層は、陰極から注入された電子が、この正孔輸送によってブロックされることが好ましい。
正孔注入輸送層の厚さは、1nm以上、300 nm以下であり、好ましくは上限が、100nm以下であり、下限が5nm以上である。
c)正孔注入輸送層
本発明の別の態様によれば、上記した正孔輸送層と正孔注入層とを兼ね備えた正孔注入輸送層を耐腐食性電荷注入促進層と発光層との間に形成してもよい。
正孔注入輸送層を構成する材料は、その機能を発揮するものであれば特に限定されない。その具体的としては、陽極から注入された正孔を安定に発光層へ輸送する材料であれば特に限定はされない。具体的には、N−(1−ナフチル)−N−フェニルべジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、さらに高分子量の材料としてはポリ3,4エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体等が挙げられる。 本発明においては、下記化学式(III):
Figure 0004515735
(上記式中、
左化合物のnは5,000以上100万以下であり、好ましくは下限が1万以上であり、上限が80万以下であり、
右化合物のnは1,000以上100万以下であり、好ましくは下限が3,000以上であり、上限が50万以下である)
で表される、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT:左化合物)とポリスチレンスルホン酸(PSS:右化合物)との混合物である、ポリエチレンジオキシチオフォン(PEDOT/PSS)が利用される。PEDOTとPSSとの混合比率は自由に定めることができる。
また、下記化学式(IV):
Figure 0004515735
で表される、ビス(N−ナフチル)−N−フェニルベンジジン(α−NPD)が利用される。
正孔注入輸送層の厚さは、その機能が十分に発揮される膜厚であれば特に限定されないが、一般に、10nm〜300nmの範囲内、特に、30nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
d)電子輸送層
電子輸送層は、第二電極からの電子を発光層内へ輸送しうるものであり、第二電極と有機層との間、または保護層と有機層との間に形成される。電子輸送層を構成する材料はその機能を発揮するものであれば特に限定されない。具体的には、アルミニウムキノリノール錯体(Alq3)、バソキュプロン(BCP)、バソフェナントロリン(Bphen)などの有機材料を挙げられ、好ましくはバソキュプロン(BCP)、バソフェナントロリン(Bphen)が挙げられる。
電子輸送層の厚さは、1nm以上100nm以下であり、好ましくは上限が50nm以下であり、下限が5nm以上である。
e)電子注入層
電子注入層は、第二電極からの電子を発光層へ注入するものであり、第二電極と有機層の間、保護層と有機層との間、電子輸入層と保護層との間に形成される。仕事関数が大きい保護層を設けた場合、電子注入層は、保護層から発光層へ電子を直接注入することを可能とする。
電子注入層を構成する材料はその機能を有するものであればいずれのもので有って良い。その具体例としては、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性高分子、電子供与性化合物と電子受容性化合物からなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、本発明の好ましい態様によれば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の、酸化物またはフッ化物(例えば、LiF、NaF、LiO、 MgF、CaF、SrF、BaF等)が挙げられる。これらの材料は、低電圧下での電子注入を容易にし、かつ、耐水性、耐熱性等の耐久性を表示素子に付与する。電子注入層の厚さは0.2〜10nmの範囲が好ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、4.0eV以下の仕事関数を有する金属材料単体、具体的には、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr等を材料として電子注入層を形成しもよい。このような電子注入層の厚さは、0.2nm〜50nm、特に、0.2nm〜20nmの範囲内とすることが好ましい。この数値範囲にすることにより、透明電極から光を取り出すことを可能とするからである。
本発明の好ましい態様によれば、電子輸送層と電子注入層とを兼ね備えた電子輸送注入層の形態で形成されることが好ましい。この場合、電子輸送層の構成材料と、電子注入層の構成材料とを混合して用いて層を形成することができる。例えば、上記した電子輸送層の構成有機材料である、Alq3(アルミニウムキノリノール錯体)、BCP(バソキュプロン)、Bphen(バソフェナントロリン)と、電子注入層の構成材料である、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属との共蒸着した層が挙げられる。この共蒸着からなる電子輸送注入層は、モル比で有機材料:金属が1:1〜1:3、好ましくは1:1〜1:2程度である。この共蒸着からなる電子輸送注入層の厚さは、5nm〜200nm、好ましくは10nm〜80nmである。この共蒸着からなる電子輸送注入層は、電子移動度が大きく、透光性が金属単体に比べ高いため、上記厚さを実現することが可能となる。
有機層形成法
有機層を形成する(各)層を形成する方法は、各層を構成する材料を、例えば、蒸着法、印刷法、インクジェット法等によるパターン状に形成する方法、各層を構成する材料を塗工液として塗布する方法、例えば、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等の塗布方法が挙げられる。一般的に、低分子材料は蒸着法を、高分子材料はそれ以外の方法、特に塗布法を利用する。
第二電極(陰極)
第二電極は(透明)電極層と必要に応じて保護層とにより構成される。
a)(透明)電極層
(透明)電極層は導電性を有するものであれば特に限定はされないが、好ましくは透明性を有するものとして構成されるものが好ましい。この様な金属の例としては、導電性を有する無機材料が挙げられる。そのような具体例としては、
In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O、In−O、Sn−O、Zn−O、Cd−O、Cd−In−O、Cd−Sn−O、Mg−In−O、Ca−Ga−O系またはTiO、TiN、ZrN、HfN、LaB等が挙げられ、好ましくは、インジウムを含む無機酸化物(より好ましくはITOまたはIZO)、TiNが挙げられる。ITOやIZOは、導電性および光の透過率が高く、抵抗率が低いことから、光の取り出し効率を向上させると共に、EL素子の駆動電圧を低電圧化することを可能とする。TiNは導電性および光の透過率が高く、抵抗率が低いことから、光の取り出し効率を向上させると共に、スパッタリング成膜工程において酸素を導入する必要がなく、有機層および電子注入層の酸化を有効に抑制する。
透明電極層の光の透過率は、可視領域380nm〜780nmの範囲内で、50%以上、好ましくは80%以上であることが好ましい。これらの範囲内とすることにより、透明電極層側から良好に光を取り出すことが可能となる。
透明電極層の厚さは、10nm〜500nmの範囲内、その中でも、50nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。この範囲内とすることにより、第二電極としての機能と光透過率とを発揮でき、耐久性を付与する。
b)保護層
本発明の好ましい態様によれば、第二電極は、(透明)電極層と保護層とを設けてなるものが好ましい。この保護層は、有機層(とりわけ、発光層、電子輸送層または電子注入層)の保護を主とし、必要に応じて透明電極層から電子を輸送する電子輸送層としての機能を有するものである。
保護層は、透明電極層をスパッタリング等により形成する際、有機層、とりわけ発光層または電子注入層を、高エネルギーのイオン衝撃から保護する役割を担う。
保護層を構成する材料は、上記役割を担うものであれば特に限定はされないが、好ましくは透明性を有するものとして構成されるものが好ましい。このような材料の具体例としては、固有抵抗が1×10−2Ω・cm以下のものが好ましく、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、或いはマグネシウム(Mg)とAgとの合金、MgとAlとの合金、またはクロム、ニッケルを含む合金等が挙げられる。
保護層の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム法等が挙げられる。保護層の厚さは、5nm〜30nm、好ましくは8nm〜25nmの範囲内である。この範囲とすることにより、保護層に透光性を付与することが可能となる。
透光性を有する材料も利用することができ、その具体例としては、TiN、ZrN、HfN、LaB等が挙げられる。これらの材料を用いて保護層を形成する場合、酸素導入が必要がないのでアルカリ金属またはアルカリ土類金属から構成される電子注入層の酸化を防止することが可能となる。この場合、保護層の厚さは、10nm〜500nm、好ましくは50nm〜200nmの範囲内とすることが可能となる。この様な範囲にすることにより、発光効率と、駆動電圧との機能を十分に発揮させることができる。
本発明による表示素子の製造方法
本発明による当該表示素子の製造方法を下記に概説する。
基材上に金属層を形成し、形成された前記金属層のパターニングを行う。パターン化された前記金属層の表面を、酸素原子を含んでなる気体を用いたプラズマ処理により酸化し、前記金属層の表面に耐腐食性電荷注入促進層を形成する。次に、好ましくは、1×10−2Pa以下の真空度の下で、耐腐食性電荷注入促進層上に有機層を積層する。所定の真空度で有機層を形成することにより、水分子または酸素分子等の気体分子が有機層に包含されることを抑制し、耐久性を有する表示素子を得ることができる。
本発明の好ましい態様によれば、無機酸もしくは有機酸によってドーピングされた導電性高分子塗布溶剤、または前記導電性高分子を主成分とする水溶性塗布溶剤を、前記耐腐食性電荷注入促進層上に塗布することにより、前記有機層を積層することがより好ましい。このように塗布法により有機層を形成することにより、真空成膜法に比べ、成膜工程時間の短縮、および材料利用効率の向上を図ることができる。
アクセプタとしてのドーパントの具体例としては、BF、PF、AsF、SbF、SO等のルイス酸、HNO、HSO、HclO、HF、HCl、FSOH、CFSOH等のプロトン酸、Br、I、Cl等のハロゲン、FeCl、MoCl、MoCl、SnCl、MoF、SnI等の遷移金属ハライド、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリヒドロキシエーテルスルホン酸、ポリブタジエンスルホン酸等の有機酸、が挙げられる。
ドナーとなるドーパントの具体例としては、Li、Na、K、Ca等のアルカリ金属、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性高分子が挙げられる。
有機層形成後、保護層をスパッタリング等により形成し、次に、第二電極を形成することにより、表示素子が得られる。
用途
本発明による表示素子は、電界発光型表示素子、とりわけ、エレクトロルミネッセンス素子として利用される。
測定手段
本明細書中における「反射率」、「透過率」は、紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−2200A)を用いて、室温、大気中下で測定した値を示す。
以下の実施例により、本発明をさらに説明するが、本発明はこらら実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
実施例1
基材(縦横25mm×25mm、厚さ0.7mmの透明ガラス「NHテクノグラス社製、無アルカリガラスNA35」)を洗浄後、マグネトロンスパッタリング法にて厚さ200nmのクロムからなる金属層を基材に形成した(スパッタガスAr、圧力0.3Pa、DC出力200W)。
その後、フォトリソグラフィーにより(レジスト:東京応化工業社製OFPR‐800、エッチング液:関東化学株式会社製 Cr−01N)2mm幅ライン×2本のパターンを形成するパターニングを行った。
基材および金属層を超音波洗浄した後、金属層の表面(第二電極側)をプラズマ処理を行った。始めに、スパッタガスとしてArを用い、圧力1.0Pa、RF出力100Wとした。自然酸化されている金属層表面の酸化層を除去後、さらに、スパッタガスとしてAr、Oを用い、ガス分圧Ar:O=1:1、圧力1.0Pa、RF出力100Wで1分間、プラズマ処理を行い、金属層の表面を酸化させ耐腐食性電荷注入促進層を金属層上に形成した。
パターニングされた第一電極上に上記化学式(I)で表される、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT(PSS))をスピンコートにより層の厚さが80nmになるように成膜し真空加熱乾燥させたて、正孔注入輸送層を形成した。
酸素濃度が0.8ppmの低酸素条件下で、かつ湿度が1ppm以下(露点−117℃)の低湿度条件下であるグローブボックス中にて、発光層として上記化学式(II)で表される、ポリ(ジオクチルジビニレンフルオレン−co−アントラセン)を厚さが80nmになるように成膜し、真空加熱乾燥後、Caを真空加熱蒸着することにより電子注入層を形成した。成膜条件は、真空度8×10−5Pa、成膜速度0.2Å/秒であり、層の厚みは3nmであった。
真空度8×10−5Pa、成膜速度0.1Å/秒の条件下で、Auを真空蒸着法により形成し、20nm厚の保護層を形成した。
その後、透明電極層としてIZO電極を、スパッタリングにより形成した。対向ターゲット式マグネトロンスパッタ装置を用い、成膜条件としてスパッタガスはArとOとの混合ガス(体積比Ar:O=400:1)、RF出力100W、DC出力80W、成膜速度2Å/秒で5.5×10−2Paの条件下で行った。透明電極層の厚みは150nmであった。
このようにして、第一電極と交差する第二電極を形成することで発光エリア2mm×2mmの表示素子(有機EL素子)を作製した。この素子の8V印加時の電流密度は約210mA/cmで、輝度が約950cd/mであった。
実施例2
真空蒸着法にて、真空度1×10−4Pa、成膜速度0.5Å/秒の条件で、Alを真空蒸着法により形成し、20nm厚の保護層を形成した以外は、実施例1と同様の工程で有機EL素子を作製した。発光を第二電極側から観測した。この素子は8V印加時の電流密度が約210mA/cmで、輝度が約900cd/mであった。
実施例3
実施例1と同様にして、基材上に形成された金属層を超音波洗浄し、金属層のプラズマ処理を行った。始めに、スパッタガスとしてArを用い、圧力1.0Pa、RF出力100Wとした。自然酸化されている金属層表面の酸化層を除去後、さらに、スパッタガスとしてAr、Oを用い、ガス分圧Ar:O=1:1、圧力1.0Pa、RF出力100Wで金属層の表面を酸化させ耐腐食性電荷注入促進層を金属層上に形成した。酸素プラズマおよびプラズマ処理時間をそれぞれ20秒〜10分と変えて、第一電極の仕事関数を測定した。仕事関数の値は、理研計器株式会社製、表面分析装置AC−1を用いて大気中で測定した。その結果は表1に表した通りであった。
(表1)
スパッタガス組成 プラズマ処理時間 仕事関数(eV)
実施例 3−1 Ar/O 20秒 5.65
実施例 3−2 Ar/O 1分 5.84
実施例 3−3 Ar/O 2分 5.86
実施例 3−4 Ar/O 3分 5.86
実施例 3−5 Ar/O 5分 5.83
実施例 3−6 Ar/O 10分 5.78
実施例4〜9
酸素プラズマ処理の処理時間をそれぞれ20秒〜10分と変え、電子注入層を形成せず、20nm厚のAu保護層の上に、Alを150nm真空蒸着法により形成させた以外は、実施例1と同様にして実施例4〜9の有機EL素子を作製した。
実施例10
実施例1と同様にして、酸素プラズマ処理を行い、金属層の表面を酸化させ耐腐食性電荷注入促進層を金属層上に形成した。
次いで、パターニングされた第一電極上に、上記化学式(III)で表される、(N−ナフチル)−N−フェニルベンジジンを真空加熱蒸着法により、真空度5×10−5Pa、成膜速度2Å/秒の条件下で、厚み50nmの正孔注入輸送層を形成した。
その後、発光層として、上記した化学式(I)で表されるアルミニウムキノリノール金属錯体(Alq3)を真空加熱蒸着法により真空度5×10−5Pa、成膜速度2Å/秒の条件下で、厚み50nmの発光層を形成した。
この発光層の上に、フッ化リチウム(LiF)を真空加熱蒸着法により真空度5×10−5Pa、成膜速度0.1Å/秒の条件下で、厚み0.5nmの電子注入層を形成した。
次に、Alを真空蒸着法にて真空度1×10−4Pa、成膜速度0.5Å/秒の条件下で厚み20nmの保護層を形成した。その後、第二電極の透明電極層としてIZOをスパッタリングにより形成した。対向ターゲット式マグネトロンスパッタ装置を用い、成膜条件としてスパッタガスはArとOの混合ガス(体積比Ar:O=400:1)、RF出力100W、DC出力80W、成膜速度2Å/秒で5.5×10−2Paの条件下であり、層の厚みは150nmであった。
このようにして、第一電極と交差する第二電極を形成することで発光エリア2mm×2mmの有機EL素子を作製した。
この有機EL素子からの発光は第二電極側から観測を行い、この素子は6V印加時の電流密度は13mA/cmで、輝度が約350cd/mであった。
比較例1
酸素プラズマ処理時間を5分とし、第一電極をITOとした以外は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例2
酸素を導入せず3分間プラズマ処理を行った以外は、実施例4と同様にして有機EL素子を作製した。
比較例3
酸素を導入せず3分間プラズマ処理を行った以外は、実施例10と同様にして有機EL素子を作製した。
この有機EL素子は6V印加時の電流密度は11mA/cmで、輝度が約310cd/mであった。
評価試験
実施例1〜11と比較例1〜2による表示素子に、8Vまたは6Vの印可電圧を掛け時の電流密度を測定した。その結果は下記表2に記載した通りであった。
(表2)
スパッタガス組成 プラズマ処理時間 電流密度(mA/cm
(印可電圧)
8V 6V
実施例 1 Ar/O 1分 210
実施例 2 Ar/O 1分 210
実施例 4 Ar/O 20秒 4.1
実施例 5 Ar/O 1分 9.8
実施例 6 Ar/O 2分 3.8
実施例 7 Ar/O 3分 1.3
実施例 8 Ar/O 5分 1.1
実施例 9 Ar/O 10分 0.7
実施例 10 Ar/O 1分 13
比較例 1 Ar/O 5分 2.6
比較例 2 Ar 3分 0.9
比較例 3 Ar 3分 11
本発明のEL素子の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基材
2 第一電極
2a 金属層
2b 耐腐食性電荷注入促進層
3 発光部
3a 正孔注入輸送層
3b 発光層
3c 電子注入層
4 第二電極
4a 透明電極層
4b 保護層

Claims (12)

  1. 第一電極(陽極)と、発光層と、第二電極(陰極)とにより構成されてなる表示素子であって、
    前記第一電極(陽極)が、金属層と、耐腐食性電荷注入促進層とにより構成されてなり、
    前記耐腐食性電荷注入促進層が、前記金属層の表面層を、酸素原子を含んでなる気体を用いたプラズマ酸化処理により形成されてなるものであり、
    第二電極(陰極)が、前記発光層を保護する保護層と、電極層とにより構成されてなる、表示素子。
  2. 前記金属層を構成する金属が、クロム、ニッケル、タングステン、マンガン、インジウム、スズ、亜鉛、モリブデン、バナジウム、チタン、タンタル、ニオブ、およびこれらの混合物からなる群より選択されるものである、請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記金属層が、一種以上の合金と、一種以上の金属との積層体により構成されてなるものである、請求項1に記載の表示素子。
  4. 前記第二電極(陰極)側から入射した光に対して、前記第一電極(陽極)の光反射率が、可視領域内おいて70%以下である、請求項1に記載の表示素子。
  5. 前記耐腐食性電荷注入促進層の固有抵抗値が、発光層の固有抵抗値より低いものである、請求項1に記載の表示素子。
  6. 電界発光素子として使用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示素子。
  7. 第一電極(陽極)と、発光層と、第二電極(陰極)とにより構成されてなる表示素子の製造方法であって、
    基材上に金属層を形成し、
    前記金属層上にパターニングを行い、
    前記金属層の表面を、酸素原子を含んでなる気体を用いたプラズマ酸化処理をし、耐腐食性電荷注入促進層として、第一電極(陽極)を形成し、
    前記耐腐食性電荷注入促進層上に前記発光層を形成し、
    前記発光層の上に、前記発光層を保護する保護層と、電極層とを形成して、第二電極(陰極)を形成することを含んでなる、表示素子の製造方法。
  8. 前記耐腐食性電荷注入促進層を形成した後に、基板を洗浄することなく、耐腐食性電荷注入促進層上に前記発光層を形成するものである、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前期耐腐食性電荷注入促進層上に前記発光層を形成することが、1×10−2Pa以下の真空度の下で行われるものである、請求項7に記載の製造方法。
  10. 前記耐腐食性電荷注入促進層を形成した後に、無機酸若しくは有機酸によりドーピングされた導電性高分子からなる液体組成物または前記導電性高分子を含んでなる液体組成物を前記耐腐食性電荷注入促進層上に塗布することをさらに含んでなる、請求項7に記載の製造方法。
  11. 前記耐腐食性電荷注入促進層を形成する際に、前記プラズマ酸化処理を調整し前記耐腐食性電荷注入促進層の厚さを調整するものである、請求項7項に記載の製造方法。
  12. 請求項7に記載の製造方法により製造された、請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示素子。
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