JP5435522B2 - 有機発光素子および有機発光素子の製造方法 - Google Patents

有機発光素子および有機発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表示装置や照明装置に用いられる有機発光素子および有機発光素子の製造方法に関する。
近年、有機発光素子は、自発光や低消費電力といった優れた特徴を持つことからドットマトリクスディスプレイや照明装置等への応用が期待されている。有機発光素子は一般的に、発光材料を含む有機化合物を薄膜状に形成した発光層を陽極と陰極とで挟んだ構造をしており、これらの電極間に電圧を印加して発光層内で正孔と電子を再結合させることによって発光材料を励起し、発光させる。
この有機発光素子を用いたドットマトリクスディスプレイや照明装置においては、透明な基板上に、電極や配線、電極端子等、導電性材料からなる導電パターンが形成され、この導電パターン上に発光層や対向電極が積層されている。例えば、特許文献1や特許文献2には、ガラス基板上に形成された酸化インジウムスズ(ITO)からなる複数のストライプ状の陽極に発光層と陰極を積層したディスプレイが開示されている。
ここで陽極と発光層の間に導電性高分子等の導電性材料からなる導電層を形成することで、有機発光素子の発光効率や信頼性を向上させる技術が知られている。導電性高分子の電気伝導性は高いため、導電層を陽極上と陽極間上の全面に形成すると、陽極間上の発光層も発光して画像が不鮮明となる滲みが起こったり、陽極間や配線間が導通して意図しない画素が発光するクロストークが起こったり、あるいは陽極と陰極端子がショートして全く発光しないといった問題がある。
この問題に対して、特許文献1には、陽極間の隔壁上に形成された、導電層である正孔輸送層を、剥離やレーザアブレーション等の方法によって除去することで、画素間のリーク電流を抑制し、クロストークの発生を防止することが開示されている。また、特許文献2には、フォトレジストパターンを用いて、陽極間に形成された導電性高分子からなる導電層に対して選択的に電気伝導度を低下させる処理を行うことで、隣り合う陽極同士の電気的な接続を回避し、クロストークを抑制することが開示されている。
特開2008−243559号公報 特開平11−195491号公報
しかしながら、例えば、高精細ディスプレイにおいては陽極同士の間隔が狭いため、陽極間の導電層を高い位置精度で選択的に除去することや、改質処理することは困難である。このため、クロストークや滲みの問題のないディスプレイを製造することは容易ではない。
また、陽極や配線のパターンが異なる複数の基板上の導電層を処理する場合には、各パターンに対応したフォトマスクがそれぞれ必要となる等、製造工程が煩雑になる問題がある。特に一つの基板上に複数のディスプレイや照明のユニットを形成した後、その基板をユニット毎に切断する工程を含む製造方法においては大きな問題である。
本発明の目的は、陽極同士の間隔が狭い場合であっても、クロストークや滲みの問題が生じない有機発光素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、陽極上と陽極間を含む全面に、複数の領域に隔離された導電層を形成することにより、有機発光素子の性能を損なうことなくクロストークや滲み、ショートのないディスプレイや照明装置等を容易に製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、基板と、前記基板上に間隙を隔てて形成され、互いに電気的に隔離された複数の第1導電層と、前記第1導電層上および前記基板の前記間隙を設けた部分の上に形成され、互いに隔離された複数の領域からなる第2導電層と、発光層を含み且つ少なくとも前記第1導電層上に形成された前記第2導電層の複数の前記領域の上に積層された有機化合物層と、少なくとも前記有機化合層上に形成された第3導電層と、を含み、前記第1導電層と前記第3導電層が平面視上重なる発光領域の当該第1導電層の各々の上に、前記第2導電層の少なくとも2個の前記領域が形成され、前記第2導電層の前記領域の其々は、前記第1導電層のいずれか1個のみと接触するか、または、いずれの当該第1導電層からも電気的に隔離されることを特徴とする有機発光素子が提供される。
ここで、前記第2導電層の複数の前記領域は、同一または異なる形状の当該領域、もしくは、同一または異なる面積の当該領域が規則的に配列したものであることが好ましい。
前記第2導電層の前記領域は、前記第1導電層を隔てる前記間隙に対応する部分において、当該間隙の最小幅より小さい幅を有することが好ましい。
前記第2導電層の前記領域は、当該領域の最大幅が、前記第1導電層を電気的に隔離する前記間隙の最小幅よりも小さいことが好ましい。
前記第2導電層は、同一形状の複数の前記領域が当該第2導電層の面内において規則的に配列したものであることが好ましい。
前記第2導電層の前記領域は、前記第1導電層と前記第3導電層とが平面視で重なる部分に対応する当該第1導電層のそれぞれの上において、少なくとも10個形成されていることが好ましい。
前記第1導電層の少なくとも1つが陽極であり、当該陽極上の前記第2導電層が正孔注入層であることが好ましい。
前記第1導電層の少なくとも1つが前記第3導電層と接し、または、当該第1導電層上の前記第2導電層が当該第3導電層と接することが好ましい。
前記第1導電層と前記第2導電層の間の少なくとも一部に、複数の貫通部を設けた誘電体層が形成され、当該誘電体層の当該貫通部内で当該第2導電層が当該第1導電層と接していることが好ましい。
前記誘電体層の前記貫通部が、前記第1導電層の任意の面内において、最大幅が10μm以下の円形形状または多角形形状を有することが好ましい。
前記誘電体層の前記貫通部が、前記第1導電層の任意の面内において、1mm四方中に10個〜10個形成されていることが好ましい。
また、本発明によれば、有機発光素子の製造方法であって、基板上に、間隙を隔てて互いに電気的に隔離された複数の第1導電層を形成する工程と、前記第1導電層上および前記基板の前記間隙に対応する部分に形成され、且つ当該第1導電層とは異なる非パターン化導電層を形成する工程と、前記非パターン化導電層をパターニングし、前記第1導電層上および前記基板の前記間隙を設けた部分の上に、互いに隔離された複数の領域からなる第2導電層を形成する工程と、前記第1導電層の少なくとも1つの上方に前記第2導電層に接し且つ発光層を含む有機化合物層を形成する工程と、前記有機化合物層上に第3導電層を形成する工程と、を含み、前記第2導電層は、前記第1導電層と前記第3導電層が平面視上重なる発光領域の当該第1導電層の各々の上に少なくとも2個の前記領域が形成され、且つ、各々の当該領域は、当該第1導電層のいずれか1個のみと接触するか、または、いずれの当該第1導電層から電気的に隔離されることを特徴とする有機発光素子の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、有機発光素子を製造する方法であって、基板上に、間隙を隔てて互いに電気的に隔離された複数の第1導電層を形成する工程と、複数の前記第1導電層上および前記基板の前記間隙に対応する部分に形成され且つ互いに隔離された複数の領域からなるパターニングされた第2導電層を形成する工程と、複数の前記第1導電層の少なくとも1つの上方に、前記第2導電層に接して、発光層を含む有機化合物層を形成する工程と、前記有機化合物層上に第3導電層を形成する工程と、を含む、ことを特徴とする有機発光素子の製造方法が提供される
ここで、前記第2導電層は、前記第1導電層の各々の上に少なくとも2個の前記領域が形成され、且つ、各々の当該領域は、当該第1導電層のいずれか1個のみと接触するか、または、いずれの当該第1導電層から電気的に隔離されることが好ましい。
前記基板上に、複数の前記第1導電層、前記第2導電層、前記有機化合物層および前記第3導電層を含む有機発光素子と、当該有機発光素子に電圧を印加するための端子を有する発光装置を少なくとも2つ形成し、当該第3導電層を形成した後、当該基板を当該発光装置毎に切断する工程を含むことが好ましい。
前記第2導電層を、前記基板の互いに隣接する前記発光装置の間の部分に形成することが好ましい。
本発明により、高精細ディスプレイのように、陽極同士の間隔が狭い場合であっても、高精度な位置制御を行うことなく、陽極間の絶縁を確保できる導電層を形成し、クロストークや滲みの問題のない有機発光素子を提供できる。
また、陽極や配線のパターンが異なる複数の基板についても、フォトマスクや製造工程を変更することなく導電層を形成することができる。
さらに、大面積の基板上にクロストークや滲みの問題のない導電層を容易に形成できるため、1つの基板上に複数のディスプレイユニットや照明ユニットを形成した後にユニット毎に切断して製造することも容易となり、生産性を大きく向上させることができる。
第1の実施形態が適用される有機発光素子の一例を示す概略図である。 第2導電層を形成する互いに隔離された複数の領域の形状の一例を説明する図である。 第1の間隙と第2導電層の複数の領域の大きさの関係を説明する図である。 第2の実施形態が適用される有機発光素子の一例を示す概略図である。 第3の実施形態が適用される有機発光素子の一例を示す概略図である。 有機発光素子の製造方法の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するための一例であり、実際の大きさを表すものではない。
<有機発光素子>
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態が適用される有機発光素子10の一例を示す概略図である。図1(a)は、平面概略図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面の概略図である。
以下、図1(a)及び図1(b)に基づいて有機発光素子10を説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、有機発光素子10は、平板状の基板110と、基板110上に間隙を隔てて互いに電気的に隔離されるように形成された複数の第1導電層120と、第1導電層120上および基板110の第1導電層120を隔てる間隙に対応する部分の上に互いに隔離されるように形成された複数の領域132からなる第2導電層130と、発光層141を含み且つ少なくとも1つの第1導電層120の上方に積層して形成された有機化合物層140と、少なくとも有機化合物層140の表面を覆うように形成された第3導電層150と、を有している。
ここでは、複数の第1導電層120を電気的に隔離するため間隙を第1の間隙121と表示している。また、第2導電層130の複数の領域132は、第2の間隙131によって互いに隔離されている。尚、本実施の形態では、第2の間隙131は、第1の間隙121より狭い幅を有することが好ましい。
第1導電層120は、基板110上に第1の間隙121を設けて略平行に配置された長方形状の複数の陽極部122と、陽極部122の長手方向の長さと比較して短い長さを有し、陽極部122と略平行に且つ基板110の端部に配置された陰極端子部123を有している。ここで第1導電層120の複数の陽極部122及び陰極端子部123は、互いに電気的に絶縁されている。また図1(a)に示すように、第1導電層120の各陽極部122の一端は、基板110の端部まで形成されており、この端に形成された部分が陽極端子部124となる。
第2導電層130の複数の領域132は、第1導電層120の陽極部122と比較して短手方向の幅が狭い長方形状を有し、第1の間隙121より狭い幅を有する第2の間隙131を設けて、陽極部122と略平行に配置されている。本実施の形態では、図1(b)に示すように、少なくとも2個の領域132が1個の陽極部122(=第1導電層120)上に形成される。
尚、複数の領域132の各々は、その全てが第1導電層120上に形成されていても良く、また、一個の領域132の一部が第1の間隙121上に延びて形成されていても良い。さらにこの他、複数の領域132は、基板110の第1の間隙121に対応する部分の上にのみ形成されていても良い。
このように第2導電層130の各領域132を形成することにより、第2導電層130の各領域132のうち、第1導電層120と接している領域132だけが、その第1導電層120に電圧を印加した場合にのみ通電することができる。
また、第1導電層120の1つの陽極部122または陰極端子部123に電圧を印加しても、第2導電層130が複数の領域132に隔離され、且つ、複数の領域132のそれぞれが陽極部122間または陽極部122−陰極端子部123間に跨っていないため、第2導電層130を経由して隣接する陽極部122または陰極端子部123に電圧が印加されることはない。
尚、図1(a)及び図1(b)では、第2導電層130が陰極端子部123や陽極端子部124上および第1の間隙121上に形成されているが、これらは必須ではなく、第2導電層130は少なくとも陽極部122上に形成されていれば良い。
有機化合物層140は、第1導電層120の複数の陽極部122、基板110の第1の間隙121に対応する部分、第2導電層130の複数の領域132及び第2の間隙131に対応する部分を覆うように積層して形成されている。本実施の形態では、有機化合物層140の平面形状は、長方形状を有する陽極部122の長手方向と略平行な一辺を有する矩形状に形成され、複数の陽極部122及び複数の領域132を横断的に覆うように形成されている。
図1(a)及び図1(b)において、第1導電層120と第2導電層130と第3導電層150の3層が平面視上重なる部分が発光領域である。発光色の塗り分けや駆動を制御する等の目的に応じ、各発光領域は、異なる材料で分割形成されてもよい。また有機化合物層140は、少なくとも発光領域に形成されていれば良い。
第3導電層150は、陰極部151として有機化合物層140の表面上に形成される。図1(a)に示すように、陰極部151は長方形状を有し、その長手方向が、第1導電層120の複数の陽極部122と第2導電層130の複数の領域132と略直交するように配置されている。さらに、本実施の形態では、図1(b)に示すように、第3導電層150は、第1導電層120の陰極端子部123において、直接または第2導電層130の領域132を介し第1導電層120と接している。
以下、有機発光素子10の各構成要素について説明する。
(基板110)
基板110は、陽極部122及び陰極端子部123を有する第1導電層120、第2導電層130、有機化合物層140及び第3導電層150を形成するための支持体となる。基板110には、有機発光素子10に要求される機械的強度を満たす材料が用いられる。
基板110の材料としては、有機発光素子10の基板110側から光を取り出す場合、可視光に対して光透過性であることが必要である。具体的には、サファイアガラス、ソーダガラス、石英ガラス等のガラス類;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、シリコン樹脂等の透明樹脂;窒化アルミ等の金属窒化物;アルミナ等の透明金属酸化物等が挙げられる。
尚、基板110として、上記の透明樹脂からなる樹脂フィルム等を使用する場合、水、酸素等のガスに対するガス透過性が低いことが好ましい。ガス透過性が高い樹脂フィルム等を使用する場合、光の透過性を損なわない範囲でガスの透過を抑制するバリア性薄膜を積層しても良い。
有機発光素子10の基板110側から光を取り出す必要がない場合、基板110の材料としては、可視光に対して光透過性材料に限定されず不透明材料も使用できる。具体的には、上記材料に加えて、シリコン(Si)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)の単体またはこれらの合金;ステンレス;SiO、Al等の酸化物;n−Si等の半導体等からなる材料が挙げられる。
基板110が金属の場合、基板110と第1導電層120及び第2導電層130が絶縁されていることが好ましい。基板110の厚さは、要求される機械的強度に応じ適宜選択される。本実施の形態では、好ましくは、0.01mm〜10mm、より好ましくは0.1mm〜2mmである。
(第1導電層120)
第1導電層120の陽極部122と陰極端子部123とは、基板110上に共に同じ材料を用いて真空蒸着またはスパッタリング法により成膜される。尚、成膜時にパターニングを行うことにより、複数の第1導電層120を形成しても良く、また、エッチング等により第1の間隙121を隔て電気的に互いに隔離された複数の第1導電層120として形成することもできる。
陽極部122間及び陽極部122と陰極端子部123間の第1の間隙121の幅は特に限定されないが、本実施の形態では、1μm〜5mmであり、好ましくは10μm〜2mmである。尚、ディスプレイ等の表示装置の場合、陽極部122の短手方向の幅は、本実施の形態では、1μm〜1000μmであり、好ましくは10μm〜500μm、さらに好ましくは50μm〜300μmである。
陰極端子部123は、第3導電層150である陰極部151と第2導電層130を介し、または陰極部151と直接接することによって、陰極端子部123に電圧を印加したとき陰極部151に電圧を印加することができる陰極取り出し電極の端子として形成されている。
一方、本実施の形態では、陽極部122は、基板110の端部で陽極取り出し電極の端子として形成されている陽極端子部124に繋がっている。これらの陰極取り出し電極の端子と陽極取り出し電極の端子を通じ、陽極部122と陰極部151との間で電圧を印加し、陽極部122より有機化合物層140に正孔を注入する。陰極端子部123と陽極部122に使用される材料としては、電気伝導性を有し、−5℃〜80℃の温度範囲で面抵抗が1000Ω/sq以下であることが好ましく、100Ω/sq以下であることがさらに好ましい。具体的には陽極部122として仕事関数が大きいものであり、仕事関数は、4.5eV以上であることが好ましい。
このような条件を満たす材料として、金属酸化物、金属、合金が使用できる。ここで、金属酸化物としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)が挙げられる。また金属としては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)等が挙げられる。そしてステンレス等の合金も使用できる。
第1導電層120の膜厚は2nm〜2μm、好ましくは20nm〜500nm、さらに好ましくは50nm〜250nmである。膜厚が過度に薄いと面抵抗が高くなる傾向があり、膜厚が過度に厚いと光透過率が低くなる傾向がある。尚、仕事関数は、例えば、紫外線光電子分光分析法により測定することができる。
基板110や第1導電層120の表面処理を行うことで、オーバーコートされる層の性能(例えば、陽極部122との密着性、表面平滑性、正孔注入障壁等)を改善することができる。表面処理を行うには、高周波プラズマ処理を始めとして、スパッタリング処理、コロナ処理、UV(紫外線)オゾン照射処理、紫外線照射処理、または酸素プラズマ処理等が挙げられる。
(第2導電層130)
本実施の形態では、第2導電層130は、電荷注入層としての性質を有する。ここで、電荷注入層とは電極部から電荷を注入する機能を持った層であり、基板110上の第1導電層120が陽極である場合は正孔注入層となり、陰極である場合は電子注入層となる。本実施の形態では、第1導電層120が陽極部122を有し、第2導電層130は正孔注入層として形成されている。
正孔注入層としての第2導電層130は、公知の正孔注入材料を使用して形成される。具体的には、例えば、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性高分子;アリールアミン、フタロシアニン等の有機化合物;酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化チタン等の酸化物が挙げられる。これらの材料は、キャリアをドーピングし自由に動けるキャリアを注入することにより、導電性を向上させることができる。
正孔注入材料は、1種単独または2種以上を混合して用いてもよい。さらに、異なる正孔注入材料を積層して使用してもよい。ドーパントを使用した例として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合物(PEDOT/PSS)、ポリアニリン(PANI)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合物(PANI/PSS)等が挙げられる。
導電性の高い導電層を形成することで、有機発光素子の発光効率や信頼性が向上することが知られており、第2導電層130は、導電性が高いほど好ましい。一般的にシート抵抗が低いものは導電性が高い傾向にあるため、第2導電層130のシート抵抗は3GΩ/sq以下であることが好ましく、1GΩ/sq以下であることがさらに好ましい。
第2導電層130のシート抵抗が過度に大きいと、電荷注入性能が低下し、駆動電圧の上昇により発光効率の低下や輝度の低下が生じる傾向がある。
第2導電層130の厚さは、正孔注入層としての導電性等に依存し、特に限定されないが、本実施の形態では、好ましくは0.5nm〜1μm、より好ましくは1nm〜500nm、特に好ましくは2nm〜300nmである。第2導電層130の厚さが過度に薄いいとシート抵抗が増大し、過度に厚いと有機発光素子10の全体の厚さが厚くなるため好ましくない。
尚、第2導電層130が光取出し方向にある場合、光透過性の材料や膜厚を選択することが好ましい。また、第2導電層130の材料は、全面同じ材料でも良いし、異なっていても構わない。
第2導電層130の複数の領域132は、少なくとも発光面となる第1導電層120(=陽極部122)上に形成されていれば良く、基板110の全面に拡張されて形成されていても良い。さらに、例えば、陰極端子部123を除く基板110上全面に形成されていても良い。また、陽極端子部124上および陰極端子部123上には、第2導電層130が形成されていても、形成されていなくても良い。また、第2導電層130の複数の領域132は、その一つの領域132が第1導電層120(=陽極部122)上と基板110の第1の間隙121に対応する部分の上との両方に形成されていても良いし、基板110上だけ、あるいは第1導電層120(=陽極部122)上だけに形成されていても良い。
本実施の形態では、第2導電層130は、少なくとも2個の領域132が1個の第1導電層120(=陽極部122)上に形成されている。さらに、第1導電層120(=陽極部122)と第3導電層150(=陰極部151)とが平面視で重なる部分に対応する第1導電層120(=陽極部122)上において、できるだけ多くの領域132が形成されることが好ましく、例えば、少なくとも10個形成されていることが好ましい。
第2導電層130の1つの領域132が、第1導電層120と隣接する第1の間隙121を設けた部分とに跨って形成された場合、通電されると第2導電層130が形成された部分全体が発光領域となる。第1の間隙121を設けた部分に形成された第2導電層130の領域132は発光面積として設計していない部分であるので、この領域132は小さいことが好ましい。従って、第2導電層130を多くの領域132で形成すると、1つ1つの領域132の面積が小さくなるため、第2導電層130の1つの領域132が第1導電層120と隣接する第1の間隙121を設けた部分とに跨って形成されても、大きな滲みが生じなくなる。
図2は、第2導電層130を形成する互いに隔離された複数の領域132の形状の一例を説明する図である。
図2(a)では、第2導電層130が同じ大きさの正三角形の形状を有する領域132により形成される。図2(b)では、第2導電層130は、同じ大きさの四辺形の形状を有する領域132により形成される。図2(c)では、第2導電層130は、同じ大きさの正六角形の形状を有する領域132により形成される。図2(d)では、第2導電層130は、同じ大きさの長方形の形状を有する領域132により形成される。図2(e)では、第2導電層130は、同じ大きさの円の形状を有する領域132により形成される。図2(f)では、第2導電層130は、大きさが異なる2種類の円の形状を有する領域132により形成される。
本実施の形態において、第2導電層130の一つの領域132の形状は、例えば、多角形、凹多角形、円、楕円、角が丸められた形状等の種々の形状を採用することができる。また、第2導電層130は、全て同じ形状の複数の領域132を用いて形成してもよく、異なる形状の複数の領域132を組み合わせて形成してもよい。さらに、複数の領域132を周期的に配列してもよく、非周期的に配列してもよい。また、同じ大きさの複数の領域132を用いて形成してもよく、異なる大きさの複数の領域132を組み合わせて形成してもよい。
第1導電層120上に形成される第2導電層130は、第1導電層120上における第2導電層130の各領域132の総面積が大きいこと、すなわち第1導電層120上における第2の間隙131(図1参照)を設けた部分の総面積が小さいことが好ましい。
そのため、第1導電層120上に形成された第2導電層130の領域132と、基板110上の第1の間隙121を設けた部分に形成された第2導電層130の領域132や、隣接する他の第1導電層120上に形成された別の第2導電層130の領域132が絶縁されていれば、第1導電層120上における第2導電層130の各領域132の総面積が大きくなるように、複数の領域132を組み合わせることが好ましい。
上記の第2導電層130の各領域132の絶縁については、第2導電層130の領域132間は完全に隔離されていても良い。また、領域132間の一部が繋がって形成されていても、その部分の幅を狭く、或いは厚さを薄くすることにより、絶縁状態とほぼ同等の状態とすることができる。
図2に示すように、第2導電層130は、第2の間隙131により、互いに隔離された複数の領域132が形成されている。第2の間隙131の幅は特に限定されないが、本実施の形態では、10nm〜200μmであり、好ましくは100nm〜100μmである。尚、各領域132の面積は特に限定されないが、第1導電層120の面積より小さいことが好ましい。
本実施の形態において、第2導電層130の互いに隔離されて形成された複数の領域132が、発光領域が面発光するように見えるためには、領域132同士の間隔である第2の間隙131が狭いほど好ましい。一方、第1導電層120間の絶縁性を維持するためには第2の間隙131を広くとることが好ましい。
さらに、第2導電層130の領域132は、第1導電層120を隔てる第1の間隙121より小さいことが好ましい。発光領域の外縁部に生じる滲みやクロストーク、短絡を少なくするためには、領域132の面積を小さくすることが好ましい。一方、パターニングを安価な製法で容易に行うためには、領域132の面積を大きくすることが好ましい。
第2導電層130の1個の領域132の面積は特に限定されない。本実施の形態では、平面視上、第1導電層120の陽極部122上に第2導電層130の複数の領域132が占める割合は、50%〜99%であり、好ましくは60%〜95%である。複数の領域132が第1導電層120の陽極部122上に占める割合が過度に小さいと、発光面積が設計値より小さくなり輝度が低下する傾向がある。一方、複数の領域132が第1導電層120上に占める割合が過度に大きいと、第2の間隙131の幅が狭くなり、製造上の困難性や、複数の領域132間が電気的に接続しやすくなる等の傾向がある。
第2導電層130の複数の各領域132は、第1の間隙121を隔てて配置された2つの第1導電層120に跨らないように形成される。複数の領域132の各々の大きさは特に限定されない。本実施の形態では、各領域132は、第1導電層120を隔てる第1の間隙121に対応する部分において、第1の間隙121の最小幅より小さい幅を有することが好ましい。すなわち、1つの領域132の少なくとも一部が、第1導電層120間を隔てる第1の間隙121に対応する部分に形成される場合、第1の間隙121が最小となる方向における領域132の幅が、第1の間隙121の最小幅より小さいことが望ましい。
図3は、第1の間隙121と第2導電層130の複数の領域132の大きさの関係を説明する図である。ここで、図3(a)〜図3(d)では、第1の間隙121が最小となる方向における領域132の幅Bと領域132の最大幅Cを示している。すなわち、最大幅Cとは、領域132に接してこれを挟む平行な2直線間長さの最大値である。
図3(a)は、第1導電層120を隔てる第1の間隙121の長さが一定ではない場合を説明する図である。本実施の形態では、第1の間隙121の長さが最小値(最小幅A)となる方向において、領域132の幅Bが第1の間隙121の最小幅Aより小さくなるように形成されている。
図3(b)〜図3(d)は、第1導電層120を隔てる第1の間隙121の長さが一定である場合を説明する図である。この場合、第1の間隙121の長さは最小幅Aと同じである。図3(b)は、第1の間隙121の最小幅Aと比較して、第1の間隙121が最小となる方向における第2導電層130の領域132の幅Bが短く、最大幅Cが長いものである。図3(c)は、第2導電層130の領域132の幅B(第1の間隙121が最小となる方向)と最大幅Cのいずれもが第1の間隙121の最小幅Aより短いものである。図3(d)は、図3(b)の第2導電層130の領域132と図3(c)の第2導電層130の領域132とが混在しているものである。
図3(a)〜図3(d)に示すように、第2導電層130の領域132の幅は特に限定されないが、それぞれの領域132は、第1の間隙121の最小幅Aと同じ方向において、最小幅Aと比べて小さい幅(領域132の幅B)を有することが好ましい。
それぞれの領域132が第1導電層120を隔てる第1の間隙121より小さい幅(領域132の幅B)を有することにより、1個の領域132を、基板110上の第1の間隙121に対応する部分のみに形成するか、または、第1導電層120(=陽極部122)のいずれか1個のみと接触するように形成することができる。このとき、領域132は、複数の第1導電層120(=陽極部122)間に跨るもの、または、第1導電層120(=陽極部122)と陰極端子部123の間に跨るものは、いずれも形成されない。
これにより、例えば、ある一つの第1導電層(=陽極部122)に電圧を印加した場合、第1導電層120(=陽極部122)上に形成された第2導電層の複数の領域132(一部しか第1導電層上に形成されていないものも含む)のみに電圧が印加される。一方、それ以外の第2導電層の領域132には電圧が印加されない。
このため、第1導電層120(=陽極部122)と第2導電層130の複数の領域132が基板110の全域に形成されていても、短絡、クロストークは生じない。また、電圧が印加される第2導電層130の複数の領域132が、第1導電層120を隔てる第1の間隙121の部分にはみ出す長さは、複数の領域132の最大幅C未満である。従って、第2導電層130の複数の領域132のサイズを小さくすることにより滲みを小さくすることができる。
さらに、本実施の形態では、第2導電層130の各領域132の最大幅Cが複数の第1導電層120(=陽極部122)を隔てる第1の間隙121より小さいことが好ましい。
第2導電層130の各領域132の最大幅Cが第1導電層120(=陽極部122)の第1の間隙121より小さいと、領域132が基板110の第1の間隙121に対応する部分の上に形成される場合、その領域132は、たとえその形状が回転方向にずれて形成されたとしても、隣合う第1導電層120(=陽極部122)の両方に跨ることはない。このように、第2導電層130の複数の領域132を形成する場合、基板110を設置する角度や方向を予め設定することなく互いに隔離された複数の領域からなる第2導電層130を形成することができる。
(有機化合物層140)
有機化合物層140は、発光層141を1層有する単層構造、または2層以上の複数の積層構造からなっていても良い。具体的には、発光層141を、第1導電層120あるいは第2導電層130と第3導電層150の間に形成する。さらに、有機化合物層140は、発光層141のほか電荷移動層、電荷ブロッキング層から選ばれる1つあるいは2つ以上が存在する層と積層されていても良い。さらに発光層141と第3導電層150の間、および、発光層141と第1導電層120あるいは第2導電層130の間には電荷注入層を含んでいても良い。
発光層141は、第1導電層120と第3導電層150に電圧を印加し、電流を供給することで光を発する発光材料を含む層であり、この発光層141において、陽極部122から注入された正孔と陰極部151から注入された電子とが再結合し、発光が生じる。
有機化合物層140の厚さは特に限定されないが、例えば0.005μm〜1μmが好ましく、さらに0.01μm〜0.5μmが好ましく、0.03μm〜0.2μmがより好ましい。
発光層141を構成する発光材料としては、発光性有機材料および発光性無機材料のいずれも用いることができる。また、発光性有機材料の場合、発光性低分子化合物及び発光性高分子化合物のいずれも使用することができる。発光性有機材料としては、リン光性有機化合物および金属錯体が好ましい。金属錯体の中にはリン光性を示すものもあり、このような金属錯体も好ましく用いられる。
本実施の形態では、発光性有機材料の金属錯体として、特に、シクロメタル化錯体を用いることが発光効率向上の観点から非常に望ましい。シクロメタル化錯体としては、例えば、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等の配位子を有するイリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)および白金(Pt)等の錯体が挙げられる。これらの中でも、イリジウム(Ir)錯体が特に好ましい。
シクロメタル化錯体は、シクロメタル化錯体を形成するのに必要な配位子以外に、他の配位子を有していてもよい。尚、シクロメタル化錯体には、三重項励起子から発光する化合物も含まれ、発光効率向上の観点から好ましい。
また、発光性高分子化合物としては、例えば、2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン共重合体(MEH−PPV)等のポリ−p−フェニレンビニレン(PPV)誘導体;ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役系の高分子化合物;低分子色素とテトラフェニルジアミンやトリフェニルアミンを主鎖や側鎖に導入したポリマー等が挙げられる。また、発光性高分子化合物と発光性低分子化合物とを併用することもできる。
発光層141は発光材料とともにホスト材料を含み、ホスト材料中に発光材料が分散されていることもある。このようなホスト材料は電荷輸送性を有していることが好ましく、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物であることが好ましい。
上記有機化合物層140は、電極(陽極部122)から正孔を受け取り、発光層141へ輸送するための正孔輸送層を含んでいてもよい。このような正孔輸送層を形成する正孔輸送材料としては、公知の材料を使用することができ、例えば、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン);α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル);m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)等の低分子トリフェニルアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール;上記トリフェニルアミン誘導体に重合性置換基を導入して重合した高分子化合物等が挙げられる。上記正孔輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる正孔輸送材料を積層して用いてもよい。正孔輸送層の厚さは、正孔輸送層の導電性等に依存し、特限定されないが、本実施の形態では、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
正孔輸送層の導電性が高い場合、上記第2導電層130のように、複数の領域132にパターニングすることが望ましい。
さらに、上記有機化合物層140は、陰極部151から電子を受け取り、発光層141へ輸送するための電子輸送層を含んでいてもよい。このような電子輸送層に用いることができる材料としては、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等が挙げられる。
具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
また、上記電子輸送層と発光層141の間に、正孔が発光層141を通過することを抑制し、発光層141内で正孔と電子とを効率よく再結合させる目的で、正孔ブロック層が設けられていてもよい。上記正孔ブロック層を形成するために、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の公知の材料が用いられる。
(第3導電層150)
第3導電層150の陰極部151に使用される材料としては、電気伝導性を有するものであれば特に限定されない。本実施の形態では、有機発光素子10の陰極部151側から光を取り出す場合(陰極部151側の面が光を取出す面、すなわち、発光面となる場合)は、発光する光に対して透明な材料を用いることが好ましい。一方、有機発光素子10の陰極部151側から光を取り出す必要のない場合、発光する光に対して光透過性な材料に限定されず不透明材料も使用することができる。第3導電層150を陰極部151として用いる場合、仕事関数が低く、かつ化学的に安定なものが好ましい。具体的には、Al;MgAg合金;AlLi等のAlとアルカリ金属の合金;AlCa等のAlとアルカリ土類金属の合金等の材料を例示することができる。
陰極部151の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、0.05μm〜0.5μmがより好ましい。
また、陰極部151に隣接して電子注入層を設け、陰極部151から電子輸送層への電子の注入障壁を下げ、電子の注入効率を上げることもできる。電子注入層は、陰極部151より仕事関数の低いことが必要であり、金属材料が好適に用いられる。例えば、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Sr、Ba、Ca、Mg)、希土類金属(Pr、Sm、Eu、Yb)、あるいはこれら金属のフッ化物、塩化物、酸化物から選ばれる単体あるいは2つ以上の混合物を使用することができる。電子注入層の厚さは0.1nm〜50nmが好ましく、0.3nm〜20nmがより好ましく、0.5nm〜10nmがより一層好ましい。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態が適用される有機発光素子20の一例を示す概略図である。第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。図4(a)は、第1導電層120の1個の陽極部122上に第2導電層130の複数の領域132が形成された例の平面概略図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B断面の概略図である。
以下、図4(a)及び図4(b)に基づいて有機発光素子20を説明する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、有機発光素子20は、基板110と、基板110上に互いに電気的に隔離する第1の間隙121を設けて形成された陽極部122と陰極端子部123を有する第1導電層120と、陽極部122上に複数の貫通部161を設けて形成された誘電体層160と、第1導電層120(=陽極部122)上と基板110の第1の間隙121に対応する部分および誘電体層160上に形成され、第1の間隙121より狭い幅を有する第2の間隙131を設けて互いに電気的に隔離された複数の領域132からなる第2導電層130と、発光層141を含み且つ少なくとも1つの第1導電層120の上方に積層して形成された有機化合物層140と、少なくとも有機化合物層140上に形成された第3導電層150と、が順に形成されている。
尚、図4(a)に示すように、第1導電層120の陽極部122の一端は、基板110の端部まで形成されており、この端に形成された部分が陽極端子部124となる。
本実施の形態では、有機発光素子20の陰極端子部123では、第3導電層150(=陰極部151)が第2導電層130を介し、または直接、第1導電層120(=陰極端子部123)と接している。また、第2導電層130は、誘電体層160の貫通部161内に露出する陽極部122の表面と接することにより、導通がとれる。このため、発光領域を輝度ムラなく全域を均一発光させるために、発光領域の陽極部122上に形成された第2導電層130の複数の領域132は、各々少なくとも1つの貫通部161を通じて第1導電層120(=陽極部122)と接していることが好ましい。
尚、本実施の形態では、誘電体層160を貫通する貫通部161は誘電体層160下の第1導電層120(=陽極部122)の穿孔部(図示せず)または貫通部161と連結した貫通孔を有していてもよい。さらに第1導電層120を貫通した貫通部161、基板110を穿孔した穿孔部と連結した貫通孔を有していてもよい。ここで、穿孔部とは、該当する層に凹部を形成し、該当する層の厚みより凹部の深さが小さい孔のことを言う。この場合、第2導電層130は、貫通部161や貫通孔を通じて第1導電層120(=陽極部122)と接することとなる。
(貫通部161と第2導電層130の位置関係)
本実施の形態では、第2導電層130は少なくとも貫通部161内で陽極部122に接しており、電圧を印加された陽極部122に接している第2導電層130に通電することができる。このとき、貫通部161は第2導電層130の領域132内に完全に包含されていても、包含されていなくてもよい。
一つの第1導電層120(=陽極部122)上に誘電体層160の貫通部161が複数ある場合、第2導電層130の一つの領域132が、これら複数の貫通部161と接していても良い。
有機発光素子20は、第1導電層120(=陽極部122)と第3導電層150(=陰極)に電圧を印加することで、その間にある発光層141を発光させる。図4に示す構造の場合、第2導電層130の導電性が高くなると、第2導電層130が電極として機能するようになる。その結果、電圧を印加した第1導電層120(=陽極部122)上に形成された第2導電層130の領域132と第3導電層150(=陰極)の間の発光層141が発光する場合がある。
尚、本実施の形態の有機発光素子20のような構造では、第2導電層130は正孔注入層であってもよく、第2陽極であってもよい。そのため、前述したように正孔注入層として用いられる材料の他、前述した電極として用いられる材料、ニッケルのような金属、金属カーバイド等を用いることができる。
第1導電層120(=陽極部122)上に形成された誘電体層160の貫通部161の平面形状や断面形状は、任意の形状にすることができる。例えば、円形形状や多角形形状をしていても良い。また、貫通部161の最大幅は10μm以下が好ましい。ここで貫通部161の最大幅とは、誘電体層160の貫通部161の第1導電層120との界面における平面形状についてこれを包含する最小円の直径を言う。
本実施の形態では、この貫通部161は、誘電体層160形成部の1mm四方中に10個〜10個形成されていることが好ましい。貫通部161の個数が過度に少ないと、第1導電層120と第2導電層130が貫通部161内のみで接しているため、第1導電層120と第2導電層130の接触抵抗が増大する傾向がある。また、貫通部161の個数が過度に多いと、貫通部161の間隔が狭くなりすぎるため、貫通部161同士の重なりや、貫通部161の製造が難しくなる傾向がある。
誘電体層160は、第1導電層120の陽極部122と第3導電層150(陰極部151層)の間に設けられ、陽極部122と陰極部151とを所定の間隔にて分離し絶縁するためのものである。
このため、誘電体層160は高抵抗率材料であることが必要であり、電気抵抗率としては10Ωcm以上、好ましくは1012Ωcm以上有することが要求される。具体的な材料としては、例えば、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;酸化ケイ素(二酸化ケイ素)、酸化アルミニウム等の金属酸化物が挙げられる。さらに、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、パリレン等の高分子化合物も使用可能である。
誘電体層160の厚さは、有機発光素子20の全体の厚さを抑制するために1μmを越えないことが好ましい。また、陽極部122と陰極部151との間隔が狭い方が、発光のために必要な電圧が低くて済むので、この観点からも誘電体層160は薄い方がより好ましい。但し、誘電体層160が過度に薄いと有機発光素子20を駆動するための電圧に対し、絶縁耐力が不十分となるおそれがある。これを満たす誘電体層160の厚さとしては、好ましくは、10nm〜500nm、さらに好ましくは50nm〜200nmで作製するのがよい。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施形態が適用される有機発光素子30の一例を示す概略図である。第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。図5に示す有機発光素子30は、基板(図示せず)上に第1の間隙121を設けて互いに電気的に隔離するように形成された複数の第1導電層120と、第1導電層120上および第1の間隙121に対応する部分の上に、互いに隔離されるように形成された複数の領域132,133からなる第2導電層130と、を設けている。尚、第1導電層120は有機発光素子30の陽極部122を構成している。
図5に示すように、第2導電層130は、第1導電層120の周縁部に形成された領域132と、第1導電層120の中央部に形成された領域133とを有している。ここで、第1導電層120周縁部とは、第1導電層120の縁の部分であって、第1導電層120の外周から内側へ入る距離(長さ)が第1の間隙121の距離(長さ)以下である全ての部分をいう。
本実施の形態では、第1導電層120の周縁部に形成された領域132の幅は、第1導電層120を隔てる第1の間隙121より小さくなるように形成されている。また、第1導電層120の中央部に形成された領域133の幅は、第1の間隙121より大きくなるように形成されている。
このように、第1導電層120の周辺部及び第1の間隙121に対応する部分において、第2導電層130の複数の領域132の幅が第1の間隙121の幅より小さく形成されることにより、第2導電層130(領域132及び領域133)を形成する際に、高精度な位置制御の必要性がなくなる。さらに、第2導電層130の一つの領域132が、複数の第1導電層120の陽極部122間や陽極部122と陰極端子部123間に跨ることがなくなる。このため、短絡やクロストークを防止することができる。
<有機発光素子の製造方法>
図6は、本発明の実施形態が適用される有機発光素子の製造方法の一例を示す概略図である。ここでは、図1において説明した有機発光素子10の場合を例に挙げて説明する。尚、第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、有機発光素子10は、基板110上に、第1の間隙121を隔てて互いに電気的に隔離された複数の第1導電層120を形成する工程(第1導電層形成工程)と、第1導電層120上および基板110の第1の間隙121に対応する部分を覆い、且つ第1導電層120とは異なる非パターン化導電層を形成し、非パターン化導電層をパターニングし、互いに隔離された複数の領域132からなる第2導電層130を形成する工程(第2導電層形成工程)と、複数の第1導電層120の少なくとも1つの上方に、第2導電層130に接して、発光層141を含む有機化合物層140を形成する工程(有機化合物層形成工程)と、有機化合物層140上に第3導電層150を形成する工程(第3導電層形成工程)と、を経て製造される。
また、他の実施形態として、有機発光素子10は、基板110上に、第1の間隙121を隔てて互いに電気的に隔離された複数の第1導電層120を形成する工程(第1導電層形成工程)と、第1導電層120上および基板110の第1の間隙121に対応する部分を覆い、且つ第1導電層120とは異なるパターン化導電層を形成し、互いに隔離された複数の領域132からなる第2導電層130を形成する工程(第2導電層形成工程)と、複数の第1導電層120の少なくとも1つの上方に、第2導電層130に接して、発光層141を含む有機化合物層140を形成する工程(有機化合物層形成工程)と、有機化合物層140上に第3導電層150を形成する工程(第3導電層形成工程)と、を経て製造される。
以下、各工程について説明する。
(第1導電層形成工程)
先ず、図6(a)に示すように、基板110上に、第1導電層120である陽極部122及び陰極端子部123を形成する。第1導電層120を基板110上に形成するには、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等を用いることができる。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて第1導電層を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板上に塗布することにより第1導電層120を形成することもできる。この場合は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法等の方法を用いて成膜した後、加熱処理して形成することも可能である。
(第2導電層形成工程)
次に、図6(b)に示すように、第2導電層130を第1導電層120上及び基板110の第1導電層120を隔てる第1の間隙121に対応する部分に形成する。第2導電層130の成膜法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。例えば、有機化合物を用いる成膜の場合、抵抗加熱蒸着法または塗布法が好ましい。高分子有機化合物を含む層の成膜には、特に塗布法が好ましく用いられる。塗布法としては、例えば、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法等が挙げられる。酸化物、金属を用いる成膜の場合、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等が挙げられ、特に真空蒸着またはスパッタリング法が好ましく用いられる。
第2導電層130を複数の領域132にパターニングする方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。例えば、上記の方法で第1導電層120上および基板110の第1の間隙121に対応する部分の全面を覆うように、公知の正孔注入材料を用いて非パターン化導電層を形成した後にパターニングする方法と、同様に正孔注入材料を用いて成膜を行う際にパターニングする方法が挙げられる。
非パターン化導電層を形成した後にパターニングする方法の場合、具体的には、例えば、非パターン化導電層の形成に使用した溶媒による除去、粘着剤による除去、レーザアブレーション、エッチング等によりパターニングを行うことができる。
また、成膜時にパターニングする場合、具体的には、例えば、第2導電層130を複数の領域132に区画するため、あらかじめ複数の領域132を隔離する第2の間隙131に対応する部分に保護膜を形成し、第2導電層130形成後、保護膜を除去する方法;真空蒸着またはスパッタリング法においてマスクを使用する方法等が挙げられる。また塗布法では、インクジェットや印刷法を用いることもできる。複数の領域132にパターニングすることを容易にするため、特に塗布法では基板110や第1導電層120上を表面処理しても良い。
複数の陽極部122を有する第1導電層120の間を絶縁するために、隣接する第1導電層120の間に誘電体層を形成しても良い。例えば、誘電体層は複数のストライプ状の第1導電層120の間に形成されていても良い。この場合、第2導電層130は、第1導電層120、基板110および前述した誘電体層上に、複数の領域132がパターニングされて形成される。この第2導電層130の複数の領域132は、その一つの領域132が第1導電層120上と基板110上および誘電体層上から選択される2つ以上の場所に形成されていても良く、基板110上だけ、第1導電層120上だけ、或いは誘電体層上だけに形成されていても良い。第2導電層130の複数の領域132のそれぞれは、第1導電層120を互いに電気的に隔離する第1の間隙121よりも狭い第2の間隙131を隔てて形成されるため、一つの第1導電層120に通電した場合、隣接する他の第1導電層120には電圧は印加されず、クロストークが生じない。
(有機化合物層形成工程)
次に、図6(c)に示すように、第1導電層120の少なくとも1つの上方に、第2導電層130に接し且つ発光層141を含む有機化合物層140を形成する。有機化合物層140を形成する場合も、前述した第2導電層形成工程等で挙げられた手法と同様の手法を使用することができる。本実施の形態では、有機化合物層140に含まれる各層の成膜には、抵抗加熱蒸着法または塗布法がより好ましく、ポリマー有機化合物を含む層の成膜を行うには、特に塗布法が好ましい。塗布法により成膜を行う場合は、成膜を行いたい層を構成する材料を、有機溶媒や水等の所定の溶媒に溶解または分散させた塗布溶液の塗布を行う。塗布を行う際にはスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング法、インクジェット法、スリットコーティング法、ディスペンサー法、印刷等の種々の方法を使用することができる。塗布を行った後は、加熱あるいは真空引きを行って塗布溶液を乾燥させることで所望の層が形成される。
(第3導電層形成工程)
さらに、図6(d)に示すように、有機化合物層140上に陰極部151としての第3導電層150を形成する。第3導電層を形成する方法としては、上述した第1導電層120の形成と同様な方法が用いられる。
本実施の形態では、これら一連の工程後、有機発光素子10を長期安定的に用い、外部から保護するための保護層や保護カバー(図示せず)を装着することが好ましい。保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、窒化ケイ素、酸化ケイ素等のシリコン化合物等を用いることができる。そして、これらの積層体も用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板、金属等を用いることができる。この保護カバーは、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂で基板110と貼り合わせて密閉する方法を採ることが好ましい。またこの際に、スペーサを用いることで所定の空間を維持することができ、有機発光素子10が傷つくのを防止できるため好ましい。そして、この空間に窒素、アルゴン、ヘリウムのような不活性なガスを封入すれば、上側の陰極部151の酸化を防止しやすくなる。特にヘリウムを用いた場合、熱伝導が高いため、電圧印加時に有機発光素子10より発生する熱を効果的に保護カバーに伝えることができるため、好ましい。さらに、酸化バリウム等の乾燥剤をこの空間内に設置することにより、上述した一連の製造工程で吸着した水分が有機発光素子10にダメージを与えるのを抑制しやすくなる。
(製造方法の他の実施形態)
有機発光素子の製造において、多面取りで生産する方法が一般的に用いられる。この方法は、一枚の大型基板上に複数の発光素子を作製した後に、基板を切断して個々の有機発光素子を得る方法である。
これは、上述した有機発光素子10の製造方法と同様にして、同一の基板110上に発光素子を構成する第1導電層120、第2の間隙131で分割された複数の領域132の第2導電層130、有機化合物層140および第3導電層150を含む発光装置を2つ以上配置して形成する。
次に、第3導電層150を形成した後に、基板110を発光装置毎に切断する。切断する方法としては、特に限定されず一般的な方法が挙げられる。例えば、ダイサーやカッター等を用い、切断する対象に直接刃を入れて切断する方法;スクライバーを用い、切断する対象の表面に切り込みを入れた後に切り込み部に押圧を加えて分割する方法またはレーザにより切断する方法等が挙げられる。また、切断方法としては、切断する材料がガラスの場合は、ダイアモンドカッターやレーザを用いる方法;プラスチックの場合は、切り刃や抜き刃を用いる方法等を種々選択することが好ましい。
このとき、有機発光素子10の製造工程において説明したように、有機発光素子を形成後、発光装置毎に切断する前に、保護層あるいは保護カバーを装着して密封しておくことが好ましい。
本実施の形態では、第2導電層130を第2の間隙131によって複数の領域132に分割しているため、各々の有機発光素子において短絡やクロストーク、滲みの発生を防止することができる。
また、基板110全域に第2導電層130を形成していても、第2の間隙131により複数の領域132を形成することにより、第2導電層130が陽極部122や陽極端子部124及び陰極端子部123上に形成されていても、端子間は絶縁されているため、短絡やクロストークが起こることはない。
従って、大面積の基板110上にクロストークや滲みの問題のない第2導電層130を容易に形成でき、1つの基板110上に複数のディスプレイユニットや照明ユニットを形成した後にユニット毎に切断して製造することも容易であるため、生産性を大きく向上させることができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[発光材料溶液の調製]
(燐光発光性高分子化合物の合成)
国際公開第2010/016512号(WO2010/016512A1)の段落[0077]に記載された方法に従い、燐光発光性高分子化合物(A)を合成した。
すなわち、下記の式E−2で表される化合物(重合性置換基を有するイリジウム錯体)、式E−54で表される化合物(正孔輸送性化合物)、および式E−66で表される化合物(電子輸送性化合物)をE−2:E−54:E−66=1:4:5(質量比)の割合で脱水トルエンに溶解し、さらに、重合開始剤として、V−601(和光純薬工業株式会社製)を溶解させた。
Figure 0005435522
次に、上記トルエン溶液を凍結脱気操作により処理し、その後に真空密閉し、70℃で100時間撹拌して重合反応を行なった。反応後、反応液をアセトン中に滴下して沈殿を生じさせ、さらに、この脱水トルエン−アセトンでの再沈殿精製を3回繰り返して下記に示す燐光発光性高分子化合物(A)を精製した。得られた燐光発光性高分子化合物(A)は、重量平均分子量52,000であり、各繰り返し単位のモル比はk:m:n=6:42:52である。
Figure 0005435522
次に、得られた燐光発光性高分子化合物(A)3重量部をトルエン97重量部に溶解し、発光材料溶液(以下、「溶液A」ともいう。)を調製した。
[有機発光素子の作製]
(実施例1)
以下の操作により、図1に示す有機発光素子10を作製した。
先ず、基板110として石英ガラスからなるガラス基板(25mm角、厚さ1mm)を用いた。このガラス基板上に、スパッタ装置(キヤノンアネルバ株式会社製E−401s)を使用して、第1導電層120として厚さ150nmの酸化インジウムスズ(ITO)の薄膜(ITO膜)を形成した。ガラス基板上に成膜したITO膜の上にレジストOFPR800およびPMER6030を塗布し、パターニングしてレジスト膜を形成した。
レジストは塗布後、所定の時間プリベークを行い、それぞれのレジストに適用可能な範囲で露光、現像時間でレジスト膜のパターニングを行った。このレジスト膜のパターニング後、所定時間のポストベイクを行い、次いでエッチングを行った。エッチング液は塩酸:塩化第二鉄:HO(1:1.2:1)の50℃の溶液を用いた。HOで希釈することによりエッチング時間の安定化を図ることができる。エッチング時間はテーパ面が最も平坦に綺麗になるように、またITO膜がなくなり、基板110が露出するまでのジャストエッチング時間に30secを加えた。
この結果、基板110上に第1導電層120がパターニングされ、3個の幅100μmのストライプ状の陽極部122及び3個の陰極端子部123を形成することができた。このとき、第1導電層120を互いに隔離する第1の間隙121の間隔は、いずれの陽極部122間及び陽極部122と陰極端子部123間ともに120μmである。
次に、上記基板110及び第1導電層120上に、スピンコート法(回転数:3000rpm)により、ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸塩(PSS)との混合物(質量比でPEDOT:PSS=1:6)の水懸濁液(含有量1.5質量%)を塗布し、窒素雰囲気下、140℃で1時間乾燥し、第2導電層130を形成した。
続いて、第2導電層130が第1の間隙121の間隔(120μm)より小さい、幅45μm、長さ80μmの長方形の領域が10μm間隔で形成されるように、第2導電層130のみをNd:YAGレーザを用いてアブレーションすることで第2導電層130の第2の間隙(幅10μm)131を図のように規則的に形成した。
尚、第2導電層130の第2の間隙131を形成する他の方法としては、例えば、水と1−プロパノールの2:1混合溶媒を含ませた発砲ウレタンで第2の間隙131を形成する部分をワイピングする方法が挙げられる。また、第2導電層130を、インクジェットを用いて塗布する場合、塗布時に上記の複数の領域132を形成することができるが、塗布前に陽極部122の表面に撥水処理を行い、塗布液が拡がらないようにすることが好ましい。
次に、上記の第1導電層120及び第2導電層130上に、高分子化合物(A)のキシレン溶液(溶液A)をスピンコート法(回転数:3000rpm)により塗布し、その後、窒素雰囲気下、210℃で1時間乾燥し、発光層141を有する有機化合物層140を形成した。
続いて、上記の有機化合物層140上に、陰極バッファ層としてフッ化ナトリウム(4nm)を成膜し、さらに第3導電層150(=陰極部151)としてアルミニウム(130nm)を順に蒸着法により成膜し、有機発光素子10を作製した。
(実施例2)
以下の操作により、図4に示す有機発光素子20を作製した。ここでは、基板110として、サイズ300mm角、厚さ1mmのガラス基板を用い、第1導電層120の陽極部122及び陰極端子部123を各々一つ形成し、酸化モリブデンを用いて第2導電層130を成膜し、さらに誘電体層160を形成したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って有機発光素子20を作製した。
実施例1と同様にして、基板110上に第1導電層120を形成した後、レジストをパターニングし、エッチングにより陽極部122と陰極端子部123の間の第1の間隙121を3mmになるように形成した。その後、スパッタ装置(キヤノンアネルバ株式会社製E−401s)を用いて、誘電体層160として厚さ100nmの二酸化ケイ素(SiO)層の薄膜を成膜した。
次に、誘電体層160上に、スピンコート法によりフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製AZ1500)を厚さ約1μmで成膜した。続いて、フォトレジスト層を、石英(板厚3mm)を基材とし、円を正方格子状に配置したパターンに対応するマスクAを作製し、ステッパー露光装置(株式会社ニコン製、型式NSR−1505i6)を用いて、1/5縮小率で露光を行った。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetra−methylammoniumhydroxide:(CHNOH)(TMAH))1.2%液により現像し、フォトレジスト層をパターニングした。
次に、反応性イオンエッチング装置(サムコ株式会社製RIE−200iP)を用いてドライエッチングすることで二酸化ケイ素層のパターニングを行った。ここでエッチング条件としては、反応ガスとしてトリフルオロメタン(CHF)を使用し、圧力0.3Pa、出力Bias/ICP=60/100(W)で、10分間反応させた。
そして、レジスト除去液によりレジスト残渣を除去し、次に、純水を吹きかけることにより洗浄を行ない、スピン乾燥装置を用いて乾燥させた。その結果、直径2μmの貫通部161を、正方格子配列、間隔2μm、密度6×10個/mmで形成した。
次に、貫通部161を形成した誘電体層160上に、第2導電層130として真空蒸着法により厚さ70nmの酸化モリブデンの薄膜を成膜した。続いて、スピンコート法によりフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製AZ1500)を厚さ約1μmで成膜した。次いで、石英(板厚3mm)を基材とし、線幅0.5mm、ピッチ1cmで並んだ直線パターンのマスクBを用い、ステッパー露光装置(株式会社ニコン製、型式NSR−1505i6)により1/5縮小率でフォトレジスト層の紫外線露光を行った。さらに、マスクBを90度回転させ、同様の条件でフォトレジスト層の紫外線露光を行った。次に、TMAH1.2%液によりフォトレジスト層を現像し、フォトレジスト層を正方形の形状にパターニングした。この後に、130℃で10分間加熱した(ポストベイク処理)。
続いて、反応性イオンエッチング装置(サムコ株式会社製RIE−200iP)を用いて、反応ガスとしてアルゴンを使用し、ドライエッチング処理を行った。そしてレジスト除去液によりレジスト残渣を除去することによって、XY軸方向共に2mmピッチで区画された複数の領域132を第2の間隙131が0.1mmになるように形成された第2導電層130としての酸化モリブデン層を得た。
次に、実施例1と同様に、第1導電層120、誘電体層160及び第2導電層130上に、高分子化合物(A)のキシレン溶液をスピンコート法(回転数:3000rpm)により塗布し、窒素雰囲気下、210℃で1時間乾燥し、発光層141を有する有機化合物層140を形成した。
続いて、上記の有機化合物層140上に、陰極バッファ層としてフッ化ナトリウム(4nm)を成膜し、さらに第3導電層150(=陰極部151)としてアルミニウム(130nm)を順に蒸着法により成膜し、有機発光素子20を作製した。
(比較例1)
実施例1で説明した有機発光素子10の作製において、基板110及び第1導電層120上に、第2導電層130の形成に使用したポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸塩(PSS)との混合物(質量比でPEDOT:PSS=1:6)の水懸濁液(含有量1.5質量%)をスピンコート法(回転数:3000rpm)により塗布し、窒素雰囲気下、140℃で1時間乾燥し、(PEDOT/PSS)からなる導電層を形成した。次いで、この第2導電層130のみをNd:YAGレーザを用いてアブレーションした。具体的には、第1電極が幅100μm、ピッチ220μmで形成されているため、第1電極の輪郭線から外側に20μm離れたところを線幅10μmでアブレーションした。その後、実施例1と同様に有機化合物層140、陰極バッファ層および陰極部151を順に成膜し、陰極端子部123と陽極部122のみを絶縁した構造の有機発光素子を作製した。
(比較例2)
実施例2で説明した有機発光素子20の作製において、基板110、第1導電層120及び誘電体層160上に、第2導電層130の形成に使用した真空蒸着法により厚さ70nmの酸化モリブデンの薄膜を成膜し、導電層としての酸化モリブデン層を形成した。酸化モリブデン層を形成する際、第1導電層120の陽極部122の形状に合わせたマスクを用いて陽極部122上のみに酸化モリブデン層を形成した。次いで、有機化合物層140、陰極バッファ層および陰極部151を順に成膜し、陰極端子部123と陽極部122のみを絶縁した構造の有機発光素子を作製した。
(発光特性の評価)
(1)欠陥数
実施例1、実施例2、比較例1および比較例2において、それぞれ評価用の有機発光素子を100個ずつ作製し、そのうち、1)短絡の発生、2)設計値と異なる発光面積、が観察された有機発光素子の個数を数えた(単位:個)。
ここで、設計値と異なる発光面積とは、(実測された発光面積/発光面積の設計値)が±5%以上の有機発光素子の個数をいう。個数が少ないほど、クロストークまたは滲みの問題が生じない有機発光素子が得られている。結果を表1に示す。
Figure 0005435522
表1に示す結果から、基板110上の第1の間隙121により互いに電気的に隔離された複数の陽極部122と、陽極部122上および基板110の第1の間隙121に対応する部分の上に形成され、第2の間隙131で互いに隔離して形成された複数の領域132を有する有機発光素子10,20(実施例1,2)の場合、1)短絡の発生及び2)設計値と異なる発光面積が観察された有機発光素子の個数(欠陥数)が、第2導電層130を互いに隔離された複数の領域を形成しない場合(比較例1,2)と比較して大幅に低減することが分かる。
比較例1では、第1導電層120の周囲を一定距離20μmでアブレーションすることが難しく、短絡の発生や発光面積が小さい素子や大きい素子が発生した。また比較例2ではマスクの位置がずれて発光面積が小さい素子や大きい素子が発生した。これらと比べ、実施例1や2では殆どこれらの欠陥のない素子を得ることができた。
10,20…有機発光素子、110…基板、120…第1導電層、121…第1の間隙、122…陽極部、123…陰極端子部、124…陽極端子部、130…第2導電層、131…第2の間隙、132,133…領域、140…有機化合物層、141…発光層、150…第3導電層、151…陰極部、160…誘電体層、161…貫通部

Claims (16)

  1. 基板と、
    前記基板上に間隙を隔てて形成され、互いに電気的に隔離された複数の第1導電層と、
    前記第1導電層上および前記基板の前記間隙を設けた部分の上に形成され、互いに隔離された複数の領域からなる第2導電層と、
    発光層を含み且つ少なくとも前記第1導電層上に形成された前記第2導電層の複数の前記領域の上に積層された有機化合物層と、
    少なくとも前記有機化合層上に形成された第3導電層と、を含み、
    前記第1導電層と前記第3導電層が平面視上重なる発光領域の当該第1導電層の各々の上に、前記第2導電層の少なくとも2個の前記領域が形成され、
    前記第2導電層の前記領域の其々は、前記第1導電層のいずれか1個のみと接触するか、または、いずれの当該第1導電層からも電気的に隔離される
    ことを特徴とする有機発光素子。
  2. 前記第2導電層の複数の前記領域は、同一または異なる形状の当該領域、もしくは、同一または異なる面積の当該領域が規則的に配列したものであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記第2導電層の前記領域は、前記第1導電層を隔てる前記間隙に対応する部分において、当該間隙の最小幅より小さい幅を有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
  4. 前記第2導電層の前記領域は、当該領域の最大幅が、前記第1導電層を電気的に隔離する前記間隙の最小幅よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  5. 前記第2導電層は、同一形状の複数の前記領域が当該第2導電層の面内において規則的に配列したものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  6. 前記第2導電層の前記領域は、前記第1導電層と前記第3導電層とが平面視で重なる部分に対応する当該第1導電層のそれぞれの上において、少なくとも10個形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  7. 前記第1導電層の少なくとも1つが陽極であり、当該陽極上の前記第2導電層が正孔注入層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  8. 前記第1導電層の少なくとも1つが前記第3導電層と接し、または、当該第1導電層上の前記第2導電層が当該第3導電層と接することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  9. 前記第1導電層と前記第2導電層の間の少なくとも一部に、複数の貫通部を設けた誘電体層が形成され、当該誘電体層の当該貫通部内で当該第2導電層が当該第1導電層と接していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  10. 前記誘電体層の前記貫通部が、前記第1導電層の任意の面内において、最大幅が10μm以下の円形形状または多角形形状を有することを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
  11. 前記誘電体層の前記貫通部が、前記第1導電層の任意の面内において、1mm四方中に10個〜10個形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の有機発光素子。
  12. 有機発光素子の製造方法であって、
    基板上に、間隙を隔てて互いに電気的に隔離された複数の第1導電層を形成する工程と、
    前記第1導電層上および前記基板の前記間隙に対応する部分に形成され、且つ当該第1導電層とは異なる非パターン化導電層を形成する工程と、
    前記非パターン化導電層をパターニングし、前記第1導電層上および前記基板の前記間隙を設けた部分の上に、互いに隔離された複数の領域からなる第2導電層を形成する工程と、
    前記第1導電層の少なくとも1つの上方に前記第2導電層に接し且つ発光層を含む有機化合物層を形成する工程と、
    前記有機化合物層上に第3導電層を形成する工程と、を含み、
    前記第2導電層は、前記第1導電層と前記第3導電層が平面視上重なる発光領域の当該第1導電層の各々の上に少なくとも2個の前記領域が形成され、且つ、各々の当該領域は、当該第1導電層のいずれか1個のみと接触するか、または、いずれの当該第1導電層から電気的に隔離される
    ことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  13. 有機発光素子を製造する方法であって、
    基板上に、間隙を隔てて互いに電気的に隔離された複数の第1導電層を形成する工程と、
    複数の前記第1導電層上および前記基板の前記間隙に対応する部分に形成され且つ互いに隔離された複数の領域からなるパターニングされた第2導電層を形成する工程と、
    複数の前記第1導電層の少なくとも1つの上方に、前記第2導電層に接して、発光層を含む有機化合物層を形成する工程と、
    前記有機化合物層上に第3導電層を形成する工程と、を含む、
    ことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  14. 前記第2導電層は、前記第1導電層の各々の上に少なくとも2個の前記領域が形成され、且つ、各々の当該領域は、当該第1導電層のいずれか1個のみと接触するか、または、いずれの当該第1導電層から電気的に隔離されることを特徴とする請求項13に記載の有機発光素子の製造方法。
  15. 前記基板上に、複数の前記第1導電層、前記第2導電層、前記有機化合物層および前記第3導電層を含む有機発光素子と、当該有機発光素子に電圧を印加するための端子を有する発光装置を少なくとも2つ形成し、当該第3導電層を形成した後、当該基板を当該発光装置毎に切断する工程を含むことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の有機発光素子の製造方法。
  16. 前記第2導電層を、前記基板の互いに隣接する前記発光装置の間の部分に形成することを特徴とする請求項15に記載の有機発光素子の製造方法。
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