JP2008066025A - 非水電解質二次電池用負極材料およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放電容量が高く、サイクル特性に優れた合金系の非水電解質二次電池用負極材料を製造する。
【解決手段】(a)Co及びSnを含み、Snの含有量が70〜80質量%である第1の原料を溶解、急冷凝固して、CoSn及びCoSn2を主体とする金属間化合物の混合物からなる合金材料Aを用意し、(b)Co,Ti及びSnを、Co:Ti:Snの原子比=(1〜1.5):1:1の割合で含有する第2の原料を溶解、急冷凝固して、金属間化合物CoxTiySn(x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)からなる合金材料Bを用意し、(c)前記合金材料Aと前記合金材料BとをA:Bの質量比=70:30〜95:5となる割合で混合し、好ましくはメカニカルグラインディング処理して微粉化する。この負極材料は、CoSn:CoSn2:CoxTiySn(x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)を10〜40:40〜70:5〜30の質量比で含有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、Li等のアルカリ金属を可逆的に吸蔵・放出することができる非水電解質二次電池の負極に用いる合金系材料に関する。本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、放電容量が高く、かつサイクル特性に優れている。
炭素質材料を負極材料とし、Li(イオン)の吸蔵・放出により電気を取り出す非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)は、軽量・高容量な二次電池として携帯電話やノート型パソコン等の携帯電子機器の電源として広く普及している。しかし、携帯電話の多機能化への対応、あるいは電気自動車への適用のために、より一層の高容量化が求められている。
負極材料の大幅な高容量化を果たすには、理論容量が炭素質材料より著しく高い新しい合金系の負極材料を開発する必要である。合金系負極材料は、吸蔵可能なLiの量が炭素より非常に多いため高容量を示すが、Liを吸蔵した際に大きく膨張し、Liを放出した後に初期容積まで収縮する。充電と放電の繰り返しのたびに膨張と収縮を繰り返すため、高容量であるほど(Li吸蔵量が多いほど)体積変化が大きくなり、サイクル特性が低下するという問題点があった
下記特許文献1には、放電容量が大きく異なる2種以上の金属間化合物の混合物を活性相とする合金系負極材料が記載されている。混合物を構成する金属間化合物の体積変化率が異なることで、膨張時の応力を緩和し、粒子破壊を抑えて、サイクル特性の向上を図った技術である。しかし、この技術は、Sn金属のような金属相が析出することを想定していない。
下記特許文献2には、Co−Sn−M(M=In,Ag,Tiの1種以上)系の負極材料が、高い放電容量と良好なサイクル特性を示すことが記載されている。
下記特許文献3および4には、それぞれSn−Co−C系およびSn−Co−(Ni又はCr)−C系の負極材料が高容量を保ちつつ改善されたサイクル特性を示すことが記載されている。
下記特許文献5には、Sn単相の存在がサイクル特性に悪影響を及ぼすとして、希土類金属−Sn系で実質的にSnの単相を含まない合金組織からなるリチウムイオン二次電池用負極活物質について述べられている。しかし、希土類金属−Sn系よりも容量、クーロン効率およびサイクル特性のバランスが取れているとされる、Co−Sn系においてSn相の生成を制御した例はない。
特開2004−103478号公報 特開2006−24517号公報 特開2006−134784号公報 特開2006−134673号公報 特開2003−197188号公報
本発明は、放電容量が高く、サイクル特性に優れた合金系の非水電解質二次電池用負極材料とその製造方法を提供することを目的とする。より具体的な目的は、Liを可逆的に吸蔵・放出することができる金属間化合物を主体として構成される合金系負極材料において、合金組織(すなわち、金属間化合物の組成比)を制御することによって、高い放電容量とサイクル特性を両立させることである。
上記特許文献2に記載されたCo−Sn−M系合金材料の中でもMがTiである材料は、容量とサイクル特性のバランスが比較的よく、非水電解質二次電池の高容量化に有望な材料であると考えられる。しかし、単純にCoとSnとTiを一緒に溶解させた原料を凝固させた場合、合金鋳造時の凝固速度を速めても、Sn相の析出が避けられない。Sn相は、高容量であるものの、サイクル特性が極めて悪いため、Sn相の析出が上記合金材料のサイクル特性に悪影響を及ぼしていることが判明した。
すなわち、Sn金属間化合物を主要なLi吸蔵相とする合金系の負極材料、換言すると、Sn合金系の負極材料では、一般にSn相の形成がサイクル特性の悪化原因の一つとなっている。Sn金属間化合物が高容量を確保するのに十分にLi吸蔵の役目を担っていれば、Sn相は存在しないか、あるいはサイクル特性に悪影響を及ぼさない範囲で存在することが好ましい。しかし、高容量のSn金属間化合物を主体とする合金を設計しようとすると、必然的に合金のSn含有量が高くなり、その結果としてSn相の形成量が増加してしまう。融点が約232℃と低いSnは、合金の鋳造過程で最終凝固部に偏析しやすいため、急冷凝固によってもその析出を阻止することは困難である。
また、Sn相は非常に軟らかいために合金を粉砕する際に粉末同士あるいはSn同士が粗大な塊状物を形成してしまう、あるいは粉砕機の装置内面に強固に付着してしまうという問題があるために、機械粉砕による粉末製造の妨げにもなっている。
したがって、高容量化を図るために、Co−Ti−Sn合金のSn量を増加させると同時に、Sn相の形成量を抑制させる必要がある。すなわち、金属間化合物相の量を増やせばよい。
このようなSn相の形成量を減らす方法として鋳造後に熱処理を行う方法がある。これも有効な解決手段のひとつとなるが、金属Sn相は低融点であるため、熱処理温度をあまり高くできず、必然的に非常に長い熱処理が必要となり、熱処理コストがかさむという問題点がある。
発明者らは、急冷凝固法により鋳造されるCo−Sn−Ti合金中のSn相形成量の抑制について検討した結果、以下の知見を得た。
Co,Ti,Snを、その原料組成を特に調製せず、溶解し、急冷凝固した場合、通常次の結果となる。
1.Co−Ti−Sn系合金中に存在する主な相は次の4相であった:
Co2TiSn、CoSn、CoSn2、Sn。
このうち、Co2TiSnは活性が低い低容量相であり、CoSnとCoSn2が高容量の活性相である。場合によりCo3Sn2も形成されたが、この相はLiをほとんど吸蔵しない低容量相である。
2.初晶は低容量相であるCo2TiSn相であり、Tiのほとんどがこの3元化合物の形成に消費された。
3.初晶が晶出した後に、残ったCo,Snと微量のTiが、活性相であるCoSn相、CoSn2相、およびSn相を形成した。
4.ロール急冷法、ガスアトマイズ法等の急冷凝固法を用いてSn相形成量を多少は軽減できるものの完全に抑制することはできなかった。
そこで更なる改善を目指して検討を行い下記の結果を得た。
1.原料組成をCo量が少なくなるように調整して溶解・急冷凝固すると、初晶として晶出するCo−Ti−Sn3元化合物は、Co2TiSnよりCo含有量の少ないCo1-1.5Ti0.95-1.05Snとすることができ、Sn相の生成を大幅に抑えることができた。
2.低容量相と活性相とを別々に作製し、それらを混合した材料の充放電特性は良好であり、Sn相が極めて少ないためにサイクル特性に優れていた。
すなわち、Co−Ti−Sn系で形成される初晶は、原料を単純に溶解すると、急冷凝固してもCo2TiSnになる。そこで、原料組成を調整した上で溶解および急冷凝固することで人工的にCo1-1.5Ti0.95-1.05Snを製造し、別に製造した活性相合金と物理的に混合することにより、Sn相形成を抑制したCo−Ti−Sn合金の製造が可能となる。
Co−Ti−Sn系合金では、初晶Co2TiSnには多くのCoが含まれており、この中のCoを取り出しSnと化合させれば単体Sn相が減り、CoSn化合物を増やすことができる。普通に溶解・凝固させるとCo2TiSnしか形成されないので、意図的に、Co1-1.5Ti0.95-1.05Sn合金を作製し、これを別に作製したCo−Sn合金と混合することにより、同一のCo−Ti−Sn組成でも、Sn相の少ない組織を得ることができる。さらに、別に作製するCo−Sn合金は実質的に全てが活性相であるCoSn相とCoSn2相から構成できるので、混合後の活性相の割合も著しく高まる。
上記の知見に基づき低容量相合金と活性相合金を別々に溶解・鋳造し、混合することにより、Sn相の含有量を減らすことが可能となることを見出した。
本発明により、下記工程(a)〜(c)を含む、非水電解質二次電池用負極材料の製造方法が提供される:
(a)Co及びSnを含み、Snの含有量が70〜80質量%である第1の原料を溶解、急冷凝固して、CoSn及びCoSn2を主体とする金属間化合物の混合物からなる合金材料Aを用意し、
(b)Co,Ti及びSnを、Co:Ti:Snの原子比=(1〜1.5):1:1の割合で含有する第2の原料を溶解、急冷凝固して、金属間化合物CoxTiySn(ここで、x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)からなる合金材料Bを用意し、
(c)前記合金材料Aと前記合金材料BとをA:Bの質量比=70:30〜95:5となる割合で混合する。
こうして製造された非水電解質二次電池用負極材料は、(1)CoSn,(2)CoSn2及び(3)CoxTiySn(ここで、x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)を主体とする金属間化合物の混合物であって、(1):(2):(3)の質量比が10〜40:40〜70:5〜30である混合物からなるという特徴を有する。
本発明によれば、高容量となるようにSn含有量を高めたCo−Sn−Ti合金材料であってもSn相の生成量が抑制された合金を製造することが可能となるため、高容量かつサイクル特性に優れたSn合金からなる非水電解質二次電池用負極材料を確実に提供でき、非水電解質二次電池の性能改善に貢献する。
本発明の非水電解質二次電池用負極材料は、2種類の合金材料A、Bを混合することにより製造される。
合金材料Aは、CoSn及びCoSn2を主体とする金属間化合物の混合物からなり、本発明の非水電解質二次電池用負極材料の活性相を構成する。負極材料がこれらの活性相のみからなると、充電・放電時の体積変化が大きく、仮にSn相を全く含有していなくても、サイクル特性が低下する。
合金材料Aは、Co及びSnを含み、Snの含有量が70〜80質量%である原料を溶解および急冷凝固することにより用意される。この組成の原料を溶解・凝固させて得た合金には、CoSnとCoSn2が75:25〜0:100の割合で生成している。原料中のSnの含有量は、好ましくは71〜75質量%である。Co−Sn二元系原料を溶解、急冷凝固する場合、最終凝固部に少量のSn相が生成するのは避けられないが、Tiが共存していないため、初相としてCo2TiSnが析出して多量のCoとSnが消費されることは避けられる。
原料中のSn含有量が70質量%より少ないと、Co3Sn2相の生成が顕著に起こるようになり、負極材料の容量が低下する。一方、原料が80質量%より多量にSnを含有していると、Sn相の生成が顕著となり、サイクル寿命が劣化する。
合金材料Aの原料は、CoとSnだけを含むことが好ましいが、負極に導電助剤として使用されるCを、合金材料Aの30質量%程度までなら含有させうる。また、Coは不純物として微量のNi,Feを含有するのが普通であるが、そのような不純物の含有も合金組織への影響が少ないため、許容される。
活性相となる合金材料Aの原料には、TiやInやAgを添加してもよいが、添加する場合には1質量%以下、望ましくは0.5質量%以下がよい。急冷凝固してもそれら元素はSn化合物へ容易に固溶せず、Co−Ti−Sn化合物等を形成してしまうためである。1質量%以下ならば、Co−Sn−Ti等が生成しても、Sn化合物の組織自体には大きな変化なく、0.5質量%以下なら、ほとんどが固溶するため、より望ましい。
合金材料Bは、金属間化合物CoxTiySn(x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)からなり、低容量相を構成する。この低容量相が負極材料中に共存することで、充電・放電時の体積変化に起因する応力が緩和され、負極材料のサイクル特性が著しく改善される。
低容量相であるCoxTiySnは、1≦x≦2の範囲ではX線回折的にほぼ同じ回折パターンが得られる化合物である。但し、xが変化すると格子定数が変化するため、回折ピーク位置は変化する。低容量相中のCo量の原子比xを2から減らして、1≦x≦1.5とすることにより、活性相と合わせた合計組成中のCo量が同一である場合に、活性相中のCo量を増やすことができ、従って、活性相中のSn量を減らすことができるため、活性相の凝固時に析出するSn相の量が抑えられる。Tiの原子比は1であるが、実際の製造ではやや変動することがあるため、0.95〜1.05の範囲内とする。
合金材料Bは、Co,Ti及びSnを、Co:Ti:Snの原子比=(1〜1.5):(0.95〜1.05):1の割合で含有する原料を溶解、急冷凝固及び粉砕することにより用意される。CoxTiySnは融点が1100〜1200℃と高温であるのに対して、Snは230℃付近に融点があるため、徐冷するとSn相が最終凝固部に偏析してしまう。そのために、ロール急冷やアトマイズ等の急冷凝固法を用いれば、Sn相の量をより少なく抑えることができる。
低容量相には、Liをほとんど吸蔵しない他のSn化合物(例えばCo3Sn2)を混合しても構わない。
活性相の合金材料Aおよび低容量相の合金材料Bのいずれも、原料の溶解、急冷凝固、および場合により粉砕を経て用意される。
原料の溶解は、これらに制限されないが、高周波溶解、Arアーク溶解、エレクトロンビーム溶解などにより実施できる。急冷凝固は、周速1000m/minを越えるような超急冷の単ロール急冷法(メルトスピニング法)、周速が100m/min程度の単ロール急冷法(ストリップキャスティング法)、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法などが可能である。
ガスアトマイズ法や水アトマイズ法では、合金が粉末状で得られるので、その後に粉砕する必要はないが、ロール急冷法では一般に薄片状の合金が生成するので、ボールミルなどの適当な方法で粉砕して粉末化する。粉砕は、次の合金材料の混合後に行ってもよい。ただし、合金材料Aと合金材料Bとでは、粉砕性が異なるため、混合前に別々に粉砕した方が、粉砕後の粒度分布を狭く制御しやすい。
活性相の合金材料Aと低容量相の合金材料Bの混合比率は、質量比で70:30〜95:5の範囲であれば、高容量とサイクル特性のバランスをとれた合金を製造可能である。好ましい混合比はA:Bの質量比で75:25〜85:15である。
本発明の負極材料は、合金材料の粉末AとBを単に混合しただけでも負極として機能するが、平均粒径が5〜数十μm程度の機械粉砕粉のサイズでは、粉末が大きすぎて良好なサイクル特性を得ることが難しい。そこで、平均粒径が約2μm以下となるまで微粉砕することが望ましい。
このような微粉砕は、混合前に実施することもできるが、混合した合金粉末を微粉化すると同時に微結晶化あるいは部分的な非晶質状態化するために物理的なエネルギー与える処理を行うと効果的である。すなわち、MG(メカニカルグラインディング)処理と呼ばれる処理である。その際に、導電材剤(例えば、カーボン)を添加してMG処理してもよい。MG処理を各合金材料について個別に施し、その後に導電剤と混合しても同様の結果を得られるが、混合後に弱くてもよいのでMG処理を行う方が、MG処理によって活性相と低容量相とを物理的により強固に結合させることができ、より効果的である。
こうして製造された非水電解質二次電池用負極材料は、(1)CoSn,(2)CoSn2及び(3)CoxTiySn(x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)を主体とする金属間化合物の混合物であって、(1):(2):(3)の質量比が10〜40:40〜70:5〜30である混合物からなる。この負極材料のSn相の量は10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
本発明の非水電解質二次電池用負極材料から、当業者に周知の電極の製造方法に従って、非水電解質二次電池用負極を製造することができる。例えば、本発明の負極材料の粉末に、適当なバインダーと必要に応じて適当な導電助剤を添加してスラリーを作製し、このスラリーを圧延銅箔、銅電析銅箔などの電極基板 (集電体) にドクターブレード等を用いて塗布し、乾燥した後、ロール圧延等で圧密化させることによって負極を製造することができる。
(従来例1)
Co:Sn:Tiの質量比が24.8:71:4.2となるように配合した合金原料をアルミナ製溶解るつぼに装入し、Ar雰囲気にて1400℃まで高周波誘導加熱して完全に溶解させた後、周速90m/分で回転する銅製の水冷ロールを用いたSC法(ストリップキャスティング法)により凝固させて、薄片状の鋳片とした。これを粉砕し、63μmの篩で分級して粉末状合金材料を作製した。
(実施例1)
(1)Co:Sn:Tiの質量比が23.5:76:0.5となるように配合した第1の合金原料をアルミナ製溶解るつぼに装入し、Ar雰囲気にて1400℃まで高周波誘導加熱して完全に溶解させた後、周速90m/分で回転する銅製の水冷ロールを用いたSC法により凝固させて、薄片状の鋳片とした。これを粉砕し、63μmの篩で分級して粉末状合金材料Aを作製した。
(2)Co:Sn:Tiの質量比が26.1:52.7:21.2となるように配合した第2の合金原料を黒鉛製溶解るつぼに装入し、Ar雰囲気にて1400℃まで高周波誘導加熱して完全に溶解させた後、周速90m/分で回転する銅製の水冷ロールを用いたSC法により凝固させて、薄片状の鋳片とした。これを粉砕し、63μmの篩で分級して粉末状合金材料Bを作製した。この合金材料 Bの組成はCo:Ti:Snの原子比で約1:1:1であった。
(3)上記の合金材料Aと合金材料Bを、A:Bの質量比=80:20になるように秤量して、内径120mmのボールミル容器に入れ、90rpmにて2時間混合処理して、混合粉末からなる合金材料を得た。混合後の合金材料の組成比は、従来例1と同じ、Co:Sn:Ti質量比=24.8:71:4.2であった。
上記従来例1で得られた合金材料および実施例1で得られた混合後の合金材料の組織を、CuをターゲットとしてX線回折法により測定した。測定結果をそれぞれ図1および図2に示す。このX線回折図のピーク強度比から各相の存在比率を、またその回折ピーク角度からCoxTiySn相の(220)面間隔を推定した。
X線回折に用いた粉末は、乳鉢と乳棒を用いて人手にて粉砕した。従来例1では、乳鉢内面に薄く付着する物質が認められた。乳鉢に付着したのはSn相と思われ、従って、この粉砕時に微量のSn相が乳鉢へ付着するという形で一部失われた。しかし、粉末サンプルの作製は可能であったので、その粉末も用いてX線回折測定を行った。一方、実施例1で得られた粉末では、乳鉢への付着物は認められなかった。
図1からわかるように、従来例1の合金材料のX線回折図では、Sn相の一部が乳鉢に付着して失われたにもかかわらず、Sn相に帰属される回折ピークが強く認められ、そのピーク高さは活性相であるCoSnおよびCoSn2に帰属される回折ピークより高かった。
これに対し、図2に示した実施例1の合金材料のX線回折図では、Sn相の回折ピークが大きく減少した。また、低容量相のCoxTiySnに帰属される回折ピークはやや小さくなり、かつピーク位置がいくらかシフトして、(220)面間隔が小さくなったことを示した。一方、活性相であるCoSnおよびCoSn2に帰属される回折ピークは、従来例1に比べて、実施例1では非常に増大した。
各相の存在比(質量%)次の通りであった。
CoSn CoSn2 Sn CoxTiySn
従来例1 0 72.8 2.3 24.9
実施例1 27.0 53.3 0 19.7
また、CoxTiySn相の(220)面間隔は次の通りであった。
従来例1:回折ピーク角度=42.1度、面間隔=2.145Å、x値=2、y値=1
実施例1:回折ピーク角度=42.5度、面間隔=2.125Å、x値=1、y値=1
従って、このX線回折図から、本発明に係る負極材料は、サイクル特性の良好な活性相を著しく増大した割合で含有し、一方、サイクル特性を悪化させるSn相の割合が著しく少なくなっているため、高容量を示しつつ、同時にサイクル特性が著しく改善されると推測できる。
従来法により作製されたCo−Sn−Ti合金材料のX線回折図を示す。 図1に示した合金と同一組成の本発明に係る方法により製造されたCo−Sn−Ti合金材料のX線回折図を示す。

Claims (2)

  1. CoSn,CoSn2及びCoxTiySn(ここで、x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)を主体とする金属間化合物の混合物であって、CoSnの含有量が10〜40質量%、CoSn2の含有量が40〜70質量%、CoxTiySnの含有量が5〜30質量%である混合物からなる非水電解質二次電池用負極材料。
  2. Co及びSnを含み、Snの含有量が70〜80質量%である第1の原料の溶解と急冷凝固を経て、CoSn及びCoSn2を主体とする金属間化合物の混合物からなる合金材料Aを用意し、
    Co,Ti及びSnをCo:Ti:Snの原子比=(1〜1.5):(0.95〜1.05):1の割合で含む第2の原料の溶解と急冷凝固を経て、金属間化合物CoxTiySn(ここで、x=1〜1.5、y=0.95〜1.05)からなる合金材料Bを用意し、
    前記合金材料Aと前記合金材料BとをA:Bの質量比=70:30〜95:5となる割合で混合する、
    ことを含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極材料の製造方法。
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