JP2008064544A - 振動式測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】計測精度の向上を図ることができる振動式測定装置を提供する。
【解決手段】センサチューブの配置部分の環境温度を検出する温度センサ30と、温度センサ30が得た温度データに基づいて振幅制御回路48が出力する目標振幅信号を変更する目標振幅変更回路60と、を備えた。温度センサ30が検出した温度データが、所定値より大きい場合には、目標振幅信号に基づいて振幅が大きくされた電流が励振コイル16aに供給されるように振幅制御回路48が、励振回路44を制御する。この制御により、マグネットの温度低下に伴う磁力線の発生数の低下にかかわらず、センサチューブ14,15が発生する実振幅を所定の大きさにでき、これにより、環境温度の上昇に伴い従来技術で起こり得たゼロ点の変化を回避でき、計測精度の向上を図ることができる。
【選択図】図3
【解決手段】センサチューブの配置部分の環境温度を検出する温度センサ30と、温度センサ30が得た温度データに基づいて振幅制御回路48が出力する目標振幅信号を変更する目標振幅変更回路60と、を備えた。温度センサ30が検出した温度データが、所定値より大きい場合には、目標振幅信号に基づいて振幅が大きくされた電流が励振コイル16aに供給されるように振幅制御回路48が、励振回路44を制御する。この制御により、マグネットの温度低下に伴う磁力線の発生数の低下にかかわらず、センサチューブ14,15が発生する実振幅を所定の大きさにでき、これにより、環境温度の上昇に伴い従来技術で起こり得たゼロ点の変化を回避でき、計測精度の向上を図ることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は振動式測定装置に係り、特にセンサチューブを振動させてセンサチューブに作用するコリオリ力に応じた変位を検出するように構成された振動式測定装置に関する。
流体が供給されたセンサチューブ(管路)を振動させて流体の物理量を測定する振動式測定装置として、例えばコリオリ式質量流量計又は振動式密度計などがある。
コリオリ式質量流量計では、被測定流体が通過するセンサチューブを加振器により管径方向に振動させ、流量に比例したコリオリ力によるセンサチューブの変位をピックアップにより検出するよう構成されている。
また、振動式密度計も、上記コリオリ式質量流量計と同様な構成になっており、センサチューブが被測定流体の密度に応じた周波数で振動することを利用して、被測定流体の密度を検出するようにしている。
コリオリ式質量流量計では、被測定流体が通過するセンサチューブを加振器により管径方向に振動させ、流量に比例したコリオリ力によるセンサチューブの変位をピックアップにより検出するよう構成されている。
また、振動式密度計も、上記コリオリ式質量流量計と同様な構成になっており、センサチューブが被測定流体の密度に応じた周波数で振動することを利用して、被測定流体の密度を検出するようにしている。
コリオリ式質量流量計では、例えば、一対のセンサチューブに流体を流し、加振器(励振コイル)の駆動力により一対のセンサチューブを互いに近接、離間する方向に振動させる構成が採用されている(特許文献1参照)。
また、コリオリ式質量流量計では、例えば、加振器及びピックアップについて、夫々、マグネットとコイルとから構成し、加振器の励振コイルに駆動パルス又は正負のある交番電圧(交流信号)が入力されると、センサチューブに取付けられた駆動用マグネットに対して吸引力又は反発力が作用してセンサチューブが振動し、振動するセンサチューブに取り付けられた検出用マグネットの変位をピックアップのセンサコイル(検出部)から出力される検出信号により検出するようになっている。
また、コリオリ式質量流量計では、例えば、加振器及びピックアップについて、夫々、マグネットとコイルとから構成し、加振器の励振コイルに駆動パルス又は正負のある交番電圧(交流信号)が入力されると、センサチューブに取付けられた駆動用マグネットに対して吸引力又は反発力が作用してセンサチューブが振動し、振動するセンサチューブに取り付けられた検出用マグネットの変位をピックアップのセンサコイル(検出部)から出力される検出信号により検出するようになっている。
このコリオリ式質量流量計では、上述したようにコリオリ力によるセンサチューブの変位(検出用マグネットの変位)を検出することにより被測定流体の質量流量を検出するようにしているが、前記コリオリ力は、センサチューブの振動方向に働き、かつセンサチューブの流入側と流出側とで逆方向である。
そのため、センサチューブには、コリオリ力による捩れが生じ、この捩れ角がセンサチューブ内を流れる流体の質量流量に比例する。従って一対のセンサチューブの流入側と流出側の夫々の捩れる位置に振動及びコリオリ力による変位を検出する一対のピックアップ〔コイル(センサコイル)とマグネット(検出用マグネット)とを組合わせた振動センサ〕を設け、上記センサチューブの捩れによって生じる両センサの検出信号の時間差(位相差)を計測して、質量流量を計測している。
そのため、センサチューブには、コリオリ力による捩れが生じ、この捩れ角がセンサチューブ内を流れる流体の質量流量に比例する。従って一対のセンサチューブの流入側と流出側の夫々の捩れる位置に振動及びコリオリ力による変位を検出する一対のピックアップ〔コイル(センサコイル)とマグネット(検出用マグネット)とを組合わせた振動センサ〕を設け、上記センサチューブの捩れによって生じる両センサの検出信号の時間差(位相差)を計測して、質量流量を計測している。
ところで、コリオリ式質量流量計では、上述したようにマグネットを用いているが、そのマグネットは、高温になると、外部に流出する磁力線の本数が減り、これに伴い、図6に示すように、磁束密度が温度上昇に伴い小さくなる、すなわち、周囲の磁束密度が小さくなる現象を呈する。この場合、センサチューブの変位量は、同等であるにもかかわらず、温度上昇に伴うマグネットの発生磁力線の減少により、ピックアップ(センサコイル)の検出信号の振幅電圧が変化する(この場合、小さくなる)。
ここでコリオリ式質量流量計としては、センサチューブの破損を防ぐために振幅制御回路があり、センサチューブの振幅(変位)が一定となるようにするため、センサコイルから得られた回路振幅の信号を一定値となるように振幅が制御される。そのためマグネットが高温となったことにより磁力線の本数が減ると、ピックアップコイルの信号が小さくなった分を、センサチューブの振幅を増大させるので、回路振幅が一定値となるような点で安定となる。すなわち、温度上昇によって、センサチューブの振幅変位は増大する。従って、マグネットとコイルの位置関係が変わって、センサコイルから得られる信号電圧は正弦波から逸脱し、そのためにコリオリ力による位相差(時間差)検出に多大な影響を与えることになる。
実際にコリオリ力による時間差検出を行うと、2つのセンサコイルの信号の正弦波の変化や実振幅の変化などで、コリオリ力がゼロすなわち流量がゼロの状態でも、時間差が発生しているように見えることがある。これはゼロ点の変化と呼ばれ、流量検出精度への影響が大きい
特開平6−331406号公報
実際にコリオリ力による時間差検出を行うと、2つのセンサコイルの信号の正弦波の変化や実振幅の変化などで、コリオリ力がゼロすなわち流量がゼロの状態でも、時間差が発生しているように見えることがある。これはゼロ点の変化と呼ばれ、流量検出精度への影響が大きい
ところで、上述した検出信号調整の従来技術では、時間差の検出に用いる信号は、温度変化にかかわらず振幅の最大値が同等に設定されている。しかしながら、環境温度ひいてはマグネットの温度上昇に伴い、同等流量であっても、マグネットの発生磁力線の減少により、ピックアップの検出信号の振幅は変化する(この場合、小さくなる)ことになり、ゼロ点の変化として観測され、計測精度の低下を招くことになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、計測精度の向上を図ることができる振動式測定装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、被測定流体が流れるセンサチューブと、該センサチューブを振動させるように設けられた励振コイル及びマグネットからなる加振器と、前記励振コイルに電流を供給して前記励振コイルを駆動する駆動回路と、目標振幅信号を前記駆動回路に出力することにより前記目標振幅信号に基づいて前記センサチューブの振動振幅を制御する振幅制御回路と、前記センサチューブが振動している際に前記センサチューブの変位を検出する一対の変位検出手段と、該一対の変位検出手段が得る一対の検出信号の時間差を測定する時間差測定回路と、を備え、前記一対の検出信号の時間差に基づいて被測定流体の流量を求める振動式測定装置において、前記センサチューブの配置部分の環境温度を検出する環境温度検出手段と、該環境温度検出手段が得た温度データに基づいて前記振幅制御回路が出力する前記目標振幅信号を変更する目標振幅信号変更回路と、を設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の振動式測定装置において、前記環境温度検出手段は、前記センサチューブ又はその近傍に配置されて前記センサチューブの環境温度を検出する温度センサであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の振動式測定装置において、前記環境温度検出手段は、励振コイルヘの電流供給時に生じる励振電圧の振幅を検出する励振電圧検出回路と、予め求められている温度−励振電圧振幅特性を用いて前記励振電圧検出回路が得た検出データに基づいて温度データを得る温度算出回路と、からなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の振動式測定装置において、前記環境温度検出手段は、前記センサチューブ又はその近傍に配置されて前記センサチューブの環境温度を検出する温度センサであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の振動式測定装置において、前記環境温度検出手段は、励振コイルヘの電流供給時に生じる励振電圧の振幅を検出する励振電圧検出回路と、予め求められている温度−励振電圧振幅特性を用いて前記励振電圧検出回路が得た検出データに基づいて温度データを得る温度算出回路と、からなることを特徴とする。
請求項1〜3に記載の発明によれば、環境温度検出手段が得た温度データに基づいて、目標振幅信号変更回路が、振幅制御回路が出力する目標振幅信号を変更するので、目標振幅信号に基づいて振幅が大きくされた電流を励振コイルに供給することが可能となり、これによりマグネットの温度低下に伴う磁力線の発生数の低下にかかわらず、センサチューブが発生する実振幅を所定の大きさにでき、ひいては、環境温度の上昇に伴い従来技術で起こり得たゼロ点の変化を回避でき、計測精度の向上を図ることができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る振動式測定装置を模式的に示す正面図であり、図2は、図1の矢印A方向に沿う側面図である。尚、振動式測定装置は、被測流体の密度を求めること、及び密度を利用して質量流量を求めることができるため、振動式密度計及びコリオリ式質量流量計として用いられる。振動式密度計とコリオリ式質量流量計とは、同様な構成であるので、本実施形態ではコリオリ式質量流量計(以下、適宜、質量流量計とも言う。)として用いた場合について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る振動式測定装置を模式的に示す正面図であり、図2は、図1の矢印A方向に沿う側面図である。尚、振動式測定装置は、被測流体の密度を求めること、及び密度を利用して質量流量を求めることができるため、振動式密度計及びコリオリ式質量流量計として用いられる。振動式密度計とコリオリ式質量流量計とは、同様な構成であるので、本実施形態ではコリオリ式質量流量計(以下、適宜、質量流量計とも言う。)として用いた場合について説明する。
図1及び図2に示されるように、質量流量計10は、マニホルド12と、マニホルド12の上面に接続され、平行に形成された逆U字状のセンサチューブ14、15と、センサチューブ14の円弧状の中間部分14c及びセンサチューブ15の円弧状の中間部分15cの間に取り付けられた加振器16と、センサチューブ14,15の流入側の相対変位(相対速度)を検出する流入側振動ピックアップ18と、センサチューブ14,15の流出側の相対変位(相対速度)を検出する流出側振動ピックアップ20と、を有する。マニホルド12は、直方体形状の金属ブロックからなり、一方の端部(図1左側)に流入口12aが設けられ、他方の端部(図1右側)に流出口12bが設けられている。なお、マニホルド12は、上記形状(直方体形状)に限られない。
センサチューブ14、15の各流入側端部14a、15aが流入口12aに連通され、センサチューブ14、15の各流出側端部14b、15bが流出口12bに連通されている。従って、流入口12aに流入された流体は、センサチューブ14、15を通過して流出口12bより外部に流出される。
センサチューブ14、15の各流入側端部14a、15aが流入口12aに連通され、センサチューブ14、15の各流出側端部14b、15bが流出口12bに連通されている。従って、流入口12aに流入された流体は、センサチューブ14、15を通過して流出口12bより外部に流出される。
加振器16は、図2に示すように、センサチューブ14の先端に取り付けられた励振コイル16aと、センサチューブ15の先端に取り付けられたマグネット16bと、からなる。また、流入側振動ピックアップ18は、センサチューブ14における中間部分14cより流入側端部14a側部分に取り付けられたセンサコイル18aと、センサチューブ15におけるにおける中間部分15cより流入側端部15a側部分に取り付けられたマグネット18bと、からなる。また、流出側振動ピックアップ20は、センサチューブ14における中間部分14cより流出側端部14b側部分に取り付けられたセンサコイル20aと、センサチューブ15における中間部分15cより流出側端部15b側部分に取り付けられたマグネット20bと、からなる。
また、質量流量計10には、図3に示すように、センサチューブ14、15の流入側またはマニホルド12の流入口12a付近の温度(センサチューブの配置部分の環境温度)を測定する温度センサ(環境温度検出手段)30が設けられている。
また、質量流量計10には、図3に示すように、センサチューブ14、15の流入側またはマニホルド12の流入口12a付近の温度(センサチューブの配置部分の環境温度)を測定する温度センサ(環境温度検出手段)30が設けられている。
流入側振動ピックアップ18、流出側振動ピックアップ20は、図1に示すように正面からみてセンサチューブ14、15の中間部分14c,15cを横切る縦線に対して加振器16を中心にして対称に配置されている。そして、加振器16は、図3に示す流量計測制御回路40により駆動制御され、流入側振動ピックアップ18、流出側振動ピックアップ20により検出された検出信号は、流量計測制御回路40に入力される。加振器16は、励振コイル16aに正負のある交番電圧(交流信号)が印加されて生じる磁界に対してマグネット16bが吸引または反発することで、センサチューブ14の中間部分14cを横方向(図2Y方向)に振動させる。当然センサチューブ15の中間部分15cへはその反力として同じ力が働き、反対方向に振動する。
流入側振動ピックアップ18は、上記センサコイル18aと、マグネット18bと、から構成されており、かつ、センサコイル18a、マグネット18bが流入側のセンサチューブ14とセンサチューブ15とともに近接・離間するため、センサコイル18aからはセンサコイル18aとマグネット18bの変位量(変位速度)に応じた検出信号を出力される。また、流出側ピックアップ20は、上記コイル20aと、マグネット20bから構成されており、かつ、コイル20a、マグネット20bが流出側のセンサチューブ14とセンサチューブ15とともに近接・離間するため、センサコイル20aからはセンサコイル20aとマグネット20bの変位量(変位速度)に応じた検出信号が出力される。
図3は質量流量計10の流量計測制御回路40を示すブロック図である。図3に示されるように、流量計測制御回路40は、センサコイル18a,20aに接続された本質安全防爆バリア回路42と、バリア回路42を介して励振コイル16aに接続された駆動回路を構成する励振回路(ゲイン可変アンプ)44と、を有する。流量計測制御回路40は、さらに、バリア回路42を介してセンサコイル18a,20aに接続された振幅検出・時間差検出回路(時間差測定回路)46と、励振回路44に接続され、励振コイル16aへの供給電流の振幅を制御するための振幅制御回路48と、を有する。
センサコイル18a,20aから得られた速度信号を、振幅検出・時間差検出回路46に含まれる積分回路(図示省略)に入力すると、センサチューブ14,15の実位置に比例した信号となる。マグネット18b,20bの強さによってセンサコイル18a,20aから得られた信号の大きさは変化するので、前記積分回路の出力もマグネット18b,20bの強さによって大きさが変化する信号である。そのため、振幅検出・時間差検出回路46の振幅出力は、回路振幅と記載した。ここで、回路振幅として出力されるものは、振幅検出・時間差検出回路46に含まれる積分回路の出力電圧のピーク値(プラスマイナス)もしくは実効値を求めれば、センサチューブ14,15の振幅に相当(比例)する信号が得られる。
つぎに、センサコイル18a,20aから得られた速度信号は、ゲイン可変アンプ44に入力される。ゲイン可変アンプ44の出力は、励振コイル16aに接続され、そのままセンサチューブ14,15を加振する信号となる。センサコイル18a,20aから得られる信号は、速度に比例しているため、励振コイル16aへ速度に比例した電圧が供給されるので、ゲインをある値に固定すれば、センサチューブ14,15は共振状態で安定して振動することになる。ここで、ゲインを変えれば、センサチューブ14,15の振幅は変化することになる。そのゲインを変えることで、目標とする振幅に制御するための回路が、振幅制御回路48である。
振幅検出・時間差検出回路46からセンサチューブ14,15の振幅に比例する電圧(回路振幅)と、目標振幅変更回路60からセンサチューブ14,15の目標とする振幅が、振幅制御回路48に供給される。ゲイン可変アンプ44には、回路振幅と目標振幅の大きさに応じてゲインが供給される。回路振幅が大きい場合にはゲインを下げ、回路振幅が小さい場合にはゲインを上げるように、振幅制御回路48は動作する。振幅制御回路48は、目標振幅から回路振幅を減算する回路と、その信号を積分する回路から容易に実現できる。
従って、センサチューブ14,15の速度に比例するセンサコイル18a,20aの信号と、ゲイン可変アンプ44から構成されるフィードバックで、センサチューブ14,15の振幅制御の回路構成をとることで、目標振幅と回路振幅とが一致したポイントでセンサチューブ14,15の振幅は安定することになる。ここで、センサチューブ14,15の速度信号は、マグネット18b,20bの強さによって変化するので、回路振幅の安定点もマグネット18b,20bの強さによって変化している。
従って、センサチューブ14,15の速度に比例するセンサコイル18a,20aの信号と、ゲイン可変アンプ44から構成されるフィードバックで、センサチューブ14,15の振幅制御の回路構成をとることで、目標振幅と回路振幅とが一致したポイントでセンサチューブ14,15の振幅は安定することになる。ここで、センサチューブ14,15の速度信号は、マグネット18b,20bの強さによって変化するので、回路振幅の安定点もマグネット18b,20bの強さによって変化している。
振幅制御回路48は、目標振幅信号を励振回路44に出力することにより目標振幅信号に基づいて励振コイル16aに対する供給電流の振幅、ひいてはセンサチューブ14,15の振動振幅を制御する。振幅検出・時間差検出回路46は、入力を受けた信号に基づいて振幅データを振幅制御回路48に出力し、かつ流量検出に用いられるセンサコイル18a,20aの検出信号の時間差を算出し、これを時間差出力信号として後述するゲイン可変アンプ50に出力する。
なお、ゲイン可変アンプ44のゲインは、センサチューブ14,15のQ値とセンサコイル18a,20aの感度によって決まる。Q値とは、振動の状態を表す値で、振動系に蓄えられるエネルギーを、振動系から散逸するエネルギーで割ったものに相当し、共振周波数近傍での強制振動における最大振幅が静的強制力による変位のQ倍となることから振幅増大係数と呼ばれる場合もある。振動系に蓄えられるエネルギーはセンサチューブ14,15のばね定数と振幅と振動周波数によって決まり、振幅が一定の条件では振動系に蓄えられるエネルギーはほぼ一定となる。振動系から散逸するエネルギーは、ゲイン可変アンプ44から供給されるエネルギーに相当するので、Q値、ばね定数の変化(ヤング率)、位置振幅(絶対振幅)、振動周波数変化(ばね定数や質量変化:流体の密度変化によって引き起こされる)などが変化すれば、ゲインは変化せざるを得ない。
流量計測制御回路40は、さらに、温度センサ30に接続され、温度センサ30により検出された温度データが入力される本質安全防爆バリア回路32と、バリア回路32を介して温度センサ30に接続されて温度センサ30からの温度データに対応した温度信号を出力する温度測定回路34と、温度測定回路34に接続されて温度測定回路34からの温度信号によりヤング率と連動するばね定数(ヤング率)を補正するヤング率計算回路36と、を有する。
振幅制御回路48及び温度測定回路34には目標振幅変更回路(目標振幅信号変更回路)60が接続されている。目標振幅変更回路60は、目標振幅信号を設定する目標振幅設定部71と、目標振幅設定部71で設定された目標振幅信号を直接に、また、温度測定回路34からの温度信号に基づいて前記目標振幅信号を変更しこの変更により得られた信号(変更目標振幅信号。以下、単に目標振幅信号とも言う。)を、振幅制御回路48に入力する目標振幅調整部72と、を有する。
流量計測制御回路40は、さらに、ヤング率計算回路36及び振幅検出・時間差検出回路46に接続されたゲイン可変アンプ50と、ゲイン可変アンプ50に接続された流量出力回路(V/F)52及びフィルタ回路54と、を備えている。流量出力回路(V/F)52は、ゲイン可変アンプ50を介して振幅検出・時間差検出回路46から入力を受ける時間差出力信号に基づいて質量流量を求めて、この質量流量を示す流量出力信号をパルス信号で出力する。フィルタ回路54は、ゲイン可変アンプ50を介して振幅検出・時間差検出回路46から入力を受ける時間差出力信号に基づいて質量流量を求めて、この質量流量を示す流量出力信号をアナログ信号で出力する。
上述したように構成した質量流量計10では、目標振幅設定部71で設定された目標振幅信号を、温度センサ30が得た温度データに基づいて目標振幅調整部72が変更し、新たな目標振幅信号を得てこれを振幅制御回路48に入力し、振幅制御回路48が、目標振幅信号に基づいた振幅の電流が励振コイル16aに供給されるように励振回路(駆動回路)44を制御する。
ここで、マグネットが高温となったことにより磁力線の本数が減った場合には、その本数の減少分だけ目標振幅信号(図4破線)を減少させれば、ピックアップコイル(センサコイル18a,20a)の信号(図4実線)が小さくなった点で安定する。そのピックアップコイル(センサコイル18a,20a)の減少分は磁力線の本数の減少分であるので、実際には、センサチューブ14,15の振幅を増大させずに一定値(図4実振幅値)が実現できる。
また、温度が低い場合には、振幅設定値が大きくなるので、マグネット18b,20bの磁力線の本数がふえて、感度が高くなっているので、これも同じ実振幅値を実現できる。
このため、図4に示すように、センサチューブ14,15の実振幅値を所定の大きさ(図4に示す例では1mm)にでき、これにより、環境温度の上昇に伴い従来技術(検出信号調整の従来技術)で起こり得たマグネットとコイルの位置関係が変わったことによるセンサコイルから得られる信号電圧が正弦波から逸脱する現象や、またそのために発生したコリオリ力による位相差(時間差)検出誤差は発生しなくなる。そのため、ゼロ点の変化を回避でき、計測精度の向上を図ることができる。
また、温度が低い場合には、振幅設定値が大きくなるので、マグネット18b,20bの磁力線の本数がふえて、感度が高くなっているので、これも同じ実振幅値を実現できる。
このため、図4に示すように、センサチューブ14,15の実振幅値を所定の大きさ(図4に示す例では1mm)にでき、これにより、環境温度の上昇に伴い従来技術(検出信号調整の従来技術)で起こり得たマグネットとコイルの位置関係が変わったことによるセンサコイルから得られる信号電圧が正弦波から逸脱する現象や、またそのために発生したコリオリ力による位相差(時間差)検出誤差は発生しなくなる。そのため、ゼロ点の変化を回避でき、計測精度の向上を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る質量流量計10Aについて、図5に基づいて説明する。
この質量流量計10Aは、第1実施形態に係る質量流量計10(図3)に比して、図5に示すように、第1実施形態が有する温度センサ30、バリア回路32及び温度測定回路34を廃止したこと、励振コイル16aに供給される励振電圧を検出する励振電圧検出回路81と、励振電圧検出回路81が検出する励振電圧に基づいて温度を検出する温度検出回路82と、を設けたこと、目標振幅調整部72が温度測定回路34に代えて温度検出回路82から温度信号の入力を受けることが主に異なっており、他の部分は、第1実施形態に係る質量流量計10と同等に構成されている。なお、質量流量計10の流量計測制御回路40に対応する流量計測制御回路を40Aで示す。
この質量流量計10Aは、第1実施形態に係る質量流量計10(図3)に比して、図5に示すように、第1実施形態が有する温度センサ30、バリア回路32及び温度測定回路34を廃止したこと、励振コイル16aに供給される励振電圧を検出する励振電圧検出回路81と、励振電圧検出回路81が検出する励振電圧に基づいて温度を検出する温度検出回路82と、を設けたこと、目標振幅調整部72が温度測定回路34に代えて温度検出回路82から温度信号の入力を受けることが主に異なっており、他の部分は、第1実施形態に係る質量流量計10と同等に構成されている。なお、質量流量計10の流量計測制御回路40に対応する流量計測制御回路を40Aで示す。
温度検出回路82は、当該質量流量計10Aのモデル機を対象にして予め温度−励振電圧振幅特性を求めこのデータを予め格納しており、この格納データに、励振電圧検出回路81が検出する励振電圧を照らして対応する温度信号(センサチューブ14,15の配置部分の環境温度)を求めるようにしている。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、温度データが、所定値より大きい場合には、目標振幅信号に基づいて振幅が大きくされた電流が励振コイル16aに供給されるように励振回路44を制御し、センサチューブ14,15の実振幅値を所定の大きさにするので、計測精度の向上を図ることができる。
また、第2実施形態によれば、第1実施形態に比して、温度センサ30を廃止しており、上記計測精度の向上と共に、装置の簡易化を合せて果すことができる。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、温度データが、所定値より大きい場合には、目標振幅信号に基づいて振幅が大きくされた電流が励振コイル16aに供給されるように励振回路44を制御し、センサチューブ14,15の実振幅値を所定の大きさにするので、計測精度の向上を図ることができる。
また、第2実施形態によれば、第1実施形態に比して、温度センサ30を廃止しており、上記計測精度の向上と共に、装置の簡易化を合せて果すことができる。
10…コリオリ式流量計(振動式測定装置)、30…温度センサ(環境温度検出手段)、46…振幅検出・時間差検出回路(時間差測定回路)、48…振幅制御回路、60…目標振幅変更回路(目標振幅信号変更回路)、81…励振電圧検出回路、82…温度検出回路。
Claims (3)
- 被測定流体が流れるセンサチューブと、該センサチューブを振動させるように設けられた励振コイル及びマグネットからなる加振器と、前記励振コイルに電流を供給して前記励振コイルを駆動する駆動回路と、目標振幅信号を前記駆動回路に出力することにより前記目標振幅信号に基づいて前記センサチューブの振動振幅を制御する振幅制御回路と、前記センサチューブが振動している際に前記センサチューブの変位を検出する一対の変位検出手段と、該一対の変位検出手段が得る一対の検出信号の時間差を測定する時間差測定回路と、を備え、前記一対の検出信号の時間差に基づいて被測定流体の流量を求める振動式測定装置において、
前記センサチューブの配置部分の環境温度を検出する環境温度検出手段と、
該環境温度検出手段が得た温度データに基づいて前記振幅制御回路が出力する前記目標振幅信号を変更する目標振幅信号変更回路と、
を設けたことを特徴とする振動式測定装置。 - 前記環境温度検出手段は、前記センサチューブ又はその近傍に配置されて前記センサチューブの環境温度を検出する温度センサであることを特徴とする請求項1に記載の振動式測定装置。
- 前記環境温度検出手段は、励振コイルヘの電流供給時に生じる励振電圧の振幅を検出する励振電圧検出回路と、予め求められている温度−励振電圧振幅特性を用いて前記励振電圧検出回路が得た検出データに基づいて温度データを得る温度算出回路と、からなることを特徴とする請求項1に記載の振動式測定装置。
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- 2006-09-06 JP JP2006241440A patent/JP2008064544A/ja active Pending
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