JP2008063454A - 活性エネルギー線硬化性組成物、該組成物からなる硬化フィルム、及び該フィルムが使用された光ディスク - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物、該組成物からなる硬化フィルム、及び該フィルムが使用された光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】 透明で、光学的に歪みが小さく、成形加工性や耐熱変形性に優れたに優れた活性エネルギー線硬化性組成物、該組成物からなる硬化フィルム、及び該硬化フィルム層を構成部材の一部として含む光ディスクを提供する。
【解決手段】 メルトフローレイトが30以上であるポリカーボネートを40〜95質量部と活性エネルギー線硬化性化合物を60〜5質量部とを含有してなる活性エネルギー線硬化性組成物とし、該組成物による硬化フィルム層を保護膜、又は光透過層として支持基板上に積層して光ディスクとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明で光学特性に優れたフィルムや、光学機能調整された窓、ディスプレイ、光ディスクなどの構成部材等の光学用途として好適な活性エネルギー線硬化性組成物、該組成物からなる硬化フィルム、及び該フィルムを構成部材として用いた光ディスクに関する。
特に、前記組成物は2次加工性に優れ、厚さが5μmと極薄のフィルムから2000μm程度の厚いフィルムまでを高い厚さ精度で形成することができ、しかもこのフィルムは、光学的な歪みが小さく耐熱変形性に優れているため、次世代型ディスクの高密度記録媒体、例えばブルーレイディスク、UDO等の光ディスクの少なくとも1つの層を形成するのに好適である。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などの光学機能調整用フィルムのベースやスペーサー、光ディスクの記録層直上のスペーサーとして、光学的に歪みの小さいプラスチックフィルムが使用されている。
ところが、この種のプラスチックスフイルムは主として流延法やコーティング法などにより製造されることから材料が限定されるうえ、耐熱変形性、耐熱分解性、フィルム化加工性、コスト等の点からも、その用途や使用条件に制約を受けている。
例えば、特許文献1には、ウレタン(メタ)アクリレート化合物などのオリゴマー成分と、特定の(メタ)アクリル酸エステル化合物とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物が開示され、この組成物を50ないし100μmの厚さに加工する方法としてコーティング法、特にスピンコーター法の優位性が示されている。
しかし、特許文献1に開示の組成を有する活性エネルギー線硬化性組成物をスピンコーター法により膜形成した場合、これを50ないし100μmの厚肉に加工しようとすると厚さ精度が十分でなく、さらに、使用される活性エネルギー線硬化性組成物の加工工程中における飛散等のロスが大きくて実用的とは言い難い。
一方、光学的な歪みが小さく、耐熱変形性の高いフィルム材として、ポリカーボネート、変性ポリイミド、ポリエーテルスルフォン等の各種エンジニアリングプラスチックが知られている。しかし、これらのフィルム材は、高価で成形温度が高く、やはり用途が限定されるうえ、流延法によるポリカーボネートフィルムは製造に手間がかかり高価で使いにくい問題がある。
また、熱硬化法や紫外線(UV)硬化法によるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂フィルムは、素材自体が脆く、製造に手間がかかるため、これらの樹脂は光学用途に用いられるフィルムの素材としては適当でない。
特許文献2には、ポリメチルメタクリレートとポリ乳酸との樹脂組成物が記載されている。
しかし、特許文献2に記載の樹脂組成物は、配合比によって透明性や耐熱性を向上させるものであるが、バランスよく耐熱変形性の向上と光学的歪みの低減とを実現していない。
特許文献3には、脂環式(メタ)アクリレート(a)1〜99重量%と脂環式ポリオレフィン樹脂(b)99〜1重量%からなる透明樹脂と、ガラスフィラー(c)とからなる透明組成物が記載されている。
しかしながら、上記組成物は、主に、厚みが50〜1000μm程度のPC基板(液晶表示素子用基板など)用を目的としており、高い厚さ精度が要求されるブルーレイディスク等の光ディスクにおいて5〜100μmという極薄のフィルムとして用いたときに、優れた耐熱変形性と、光学的歪みの低減化とを兼備させるためには、具体的にどのような配合比にすべきかについて一切教示していない。
特開2003−231725公報 特開2005−171204公報 特開2004−238532公報
本発明の目的は、透明で、光学的に歪みが小さく、成形加工性や耐熱変形性に優れた活性エネルギー線硬化性組成物、該組成物からなる硬化フィルム、及び該硬化フィルム層を構成部材の一部として含む光ディスクを提供することにある。
本発明者等は、光、電子線等の活性エネルギー線を吸収して硬化し得る可能性ある種々の材料について、それらを組み合わせて反応せたときに得られる反応生成物の物性を調べた結果、メルトフローレイト(以下、「MFR」とも言う)が30以上であるポリカーボネートと、活性エネルギー線硬化性化合物とを特定の配合比で配合したものが、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は下記(1)〜(8)の構成を採るものである。
(1)MFRが30以上であるポリカーボネートを40〜95質量部と、活性エネルギー線硬化性化合物を60〜5質量部とを、含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
(2)さらに、可塑剤を含有し、活性エネルギー線硬化性化合物及び可塑剤の総和を60〜5質量部とすることを特徴とする前記(1)に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(3)さらに、光開始剤を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物からなることを特徴とする硬化フィルム。
(5)レターデーションRが−50nm≦R≦50nmであることを特徴とする前記(4)に記載の硬化フィルム。
(6)初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間置いた後の反り角との差が0.3°未満で、かつJISK7105に準じた同黄色度の差(すなわち、黄変度)が5未満であることを特徴とする前記(5)に記載の硬化フィルム。
(7)前記(4)〜(6)のいずれかに記載の硬化フィルムを少なくとも一層積層して形成されたことを特徴とする光ディスク。
(8)少なくとも基板と記録層と保護膜とがこの順に積層されてなる光ディスクにおいて、前記保護膜が、前記(4)〜(7)のいずれかに記載の硬化フィルムであることを特徴とする前記(7)に記載の光ディスク。
本発明の組成物は、未硬化状態のフィルム成形時において、トルクの変動や熱硬化ブツ(局所的熱硬化によって発生した周囲と違う性情のもの、硬化材料が主)の発生がなく、長時間の押出操業が可能であり、活性エネルギー線硬化性の低下が無い、等の優れた成形加工性を有するものであり、厚さが5μmと極薄のフィルムから2000μm程度の厚いフィルムまでを高い厚さ精度で形成することができる。
したがって、本発明の組成物は、厚さが50〜100μm程度の薄く、かつ高い厚さ精度が要求される次世代型ディスクの高密度記録媒体(例えばブルーレイディスク、UDO等)の少なくとも1つの層としてのフィルムを形成するのに好適である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物からなる硬化フィルムは、透明で、レターデーションの絶対値が低いことから光学的歪みが小さいのみならず、高温高湿度下における反りや黄変が起こりにくく、着色やブリードアウトによるベタツキが生じないため、耐熱変形性にも優れている。
したがって、この硬化フィルムを積層して得られる光ディスクは、上記の優れた光学的・物理的特性に加えてディスクの収差(ビームのボケ)がより改善される効果をも有し、次世代型ディスクの高密度記録媒体(例えばブルーレイディスク、UDO等の光ディスク)として極めて効果的に使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、MFRが30以上であるポリカーボネートと活性エネルギー線硬化性化合物とをそれぞれ所定の割合で含有してなる樹脂組成物である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の構成成分の1つであるポリカーボネートとしては、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとをホスゲン法により反応させたり、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとをエステル交換法で反応させたりして得られた重合体を用いればよく、具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
本発明では、このようにして得られるポリカーボネートのMFR値が30以上であることが重要である。(なお、本明細書では、MFRはISO1133に準拠して測定された流速(g/10min)で、温度300℃、荷重1.2kgの条件下のものをさす。)
MFR値がこれより小さいと、溶融混練温度を高くする必要があったり、ポリカーボネートの分子量が大きくなる。溶融混練温度が高くなる条件の場合において、後述する活性エネルギー線硬化性化合物や光開始剤が、成形中に熱硬化反応、分解反応、揮発などを起こし、成形効率や成形後の硬化性が損なわれる虞があり、しかも分子量が大きくなる条件の場合においては、成形方向に流動配向が起こり(すなわち、流動方向にポリカーボネートの分子鎖が揃ってしまい)光学的な歪みが大きくなる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の構成成分の1つである活性エネルギー線硬化性化合物としては、特に制約はないものの、上記ポリカーボネートとの混練時及び活性エネルギー線硬化後に相溶性があり、硬化前には軟化温度や弾性率を低下させる可塑化作用があるものが好ましく、概して分子量3000以下のモノマーとして一般に使われているものを使用すればよい。
例えば、分子内に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタニル基、チオール基、マレイミド基の何れか1種類以上を有する化合物を少なくとも含むものなどが好適に用いられる。
この分子内に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタニル基、チオール基、マレイミド基の何れか1種類以上を有する化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリ(又はモノ)エチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリ(又はモノ)プロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフィド、ジ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェート、トリ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]フェニル−ホスフェート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フォスフォエチル、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等の(メタ)アクリレート化合物、スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン等のビニル化合物、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリル、ジアリルフタレート、ジメタリルフタレート等のアリル化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルポキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペートなどのグリシジル(エポキシ)基を有する化合物、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼンなどのオキセタニル基を有する化合物、1,4−ブタンジチオール、1,10−デカンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、4,5−ビス(メルカプトメチル)−o−キシレン、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、s−トリアジン−2,4,6−トリチオール等チオール化合物、4,4’−メチレンビス(N−フェニルマレイミド)、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、トリエチレングリコールビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、m−トリレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−ジフェニルメタンジマレイミド、N,N’−ジフェニルエーテルジマレイミド、N,N’−ジフェニルスルホンジマレイミド、1,4−ビス(マレイミドエチル)−1,4−ジアゾニアビシクロ−[2,2,2]オクタンジクロリド、4,4’−イソプロピリデンジフェニル=ジシアナート・N,N’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミドのようなマレイミド;N−(9−アクリジニル)マレイミドのようなマレイミド基とマレイミド基以外の重合性官能基とを有するマレイミドなどが挙げられる。
中でも、ポリカーボネートとの混練時及び活性エネルギー線硬化後の相溶性から、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−スルフィド、ジ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェート、トリ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]フォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]フェニル−ホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、ジアリルフタレート、ジメタリルフタレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルポキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペート、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4,4’−メチレンビス(N−フェニルマレイミド)、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、トリエチレングリコールビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、m−トリレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−ジフェニルメタンジマレイミド、N,N’−ジフェニルエーテルジマレイミド、N,N’−ジフェニルスルホンジマレイミド、1,4−ビス(マレイミドエチル)−1,4−ジアゾニアビシクロ−[2,2,2]オクタンジクロリド、4,4’−イソプロピリデンジフェニル=ジシアナート・N,N’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミド、N−(9−アクリジニル)マレイミドが好ましく、さらに好ましくは、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]フェニル−ホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、N−ビニルピロリドン、ジアリルフタレート、ジメタリルフタレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルポキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペート、4,4’−メチレンビス(N−フェニルマレイミド)、1,6−ビスマレイミドヘキサン、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−ジフェニルメタンジマレイミドが挙げられる。
これらの化合物は、1種を単独で、又は相溶性、非熱反応性、活性エネルギー線硬化性等を損なわない組み合わせで2種以上を併用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物では、優れた成形加工性と耐熱変形性とを維持し、かつ光学的に歪みを小さくするために、ポリカーボネート:活性エネルギー線硬化性化合物=40〜95質量部:60〜5質量部であることが重要である。
本発明の樹脂組成物中、ポリカーボネートの配合比が40質量部未満では、活性エネルギー線硬化性化合物や後述の可塑剤との溶融混練後の性状が過度に軟質化してハンドリング性が悪くなったり、また活性エネルギー線硬化性化合物との相溶性が低下し該化合物のブリードアウトが起こったり、さらには活性エネルギー線硬化後の硬化収縮による反りが発生することがあり、特に厚さ5〜100μm程度の極薄フィルムへの2次加工性の低下が顕著となる。
一方、ポリカーボネートの配合比が95質量部を超えると、溶融混練した後フィルム成形する際に流動方向に分子鎖が揃い光学的な歪みが発生する。
このような本発明の組成物には、さらに可塑剤を併用してもよい。
この可塑剤としては、成形樹脂一般に利用されているものが利用でき、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、エポキシ化大豆油、リン酸エステル、ポリエステル等が挙げられる。
具体的には、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、トリス(2-エチルヘキシル)トリメリテート、ビス(2-エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アゼレート、ビス(2-エチルヘキシル)セバケート、エポキシ化大豆油、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6-キシレニルホスフェート、芳香族縮合リン酸エステルなどがある。
中でも、ポリカーボネートとの混練時及び活性エネルギー線硬化後の相溶性から、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、トリス(2-エチルヘキシル)トリメリテート、ビス(2-エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アゼレート、ビス(2-エチルヘキシル)セバケート、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6-キシレニルホスフェート、芳香族縮合リン酸エステルが好ましく、さらに好ましくは、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6-キシレニルホスフェート、芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
これらの化合物は、1種を単独で、又は相溶性、可塑性等を損なわない組み合わせで2種以上を併用することができる。
このような可塑剤の配合量については、ポリカーボネート40〜95質量部に対し活性エネルギー線硬化性化合物との総和で60〜5質量部とすることが好ましい。
本発明の樹脂組成物中、活性エネルギー線硬化性化合物と可塑剤との総和が60質量部を越えるともしくは5質量部に満たないと、前述の活性エネルギー線硬化性化合物の場合と同様の機構により(問題が生じ)好ましくない。
なお、活性エネルギー線硬化性化合物との添加の割合はポリカーボネートの分子量や可塑剤の可塑化効率と可塑剤の量による可塑化効果、溶融成形温度での活性エネルギー線硬化性化合物による熱反応抑制効果の度合いにより決められ、好ましくは、活性エネルギー線硬化性化合物が全組成物中5質量部以上となる量であればよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物においては、電子線で硬化させる場合はあまり必要ないが、エネルギーとして比較的弱い紫外線で硬化させる場合等に、フィルムの硬化反応性を上げるために、光開始剤を含有してもよい。
光開始剤としては、前述の活性エネルギー線硬化性化合物が、アクリロイル基、ビニル基、アリル基、チオール基の何れか1種類以上を有する化合物を含む際には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフインオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド、カンファーキノン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロリル−1−フェニル)チタニウム等のラジカル重合開始剤を挙げることができ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
これらの中では、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが溶融成形時の熱安定性、反応性、透明性、価格などの面で好適である。
前述の活性エネルギー線硬化性化合物が、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタニル基の何れか1種類以上を有する化合物を含む際には、例えば、p−フェニルベンジルメチルスルホニウム塩、p−フェニルジメチルスルホニウム塩や、p−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩等のベンジルメチルスルホニウム塩や、トリフェニルスルホニウム塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム塩等のトリアリールスルホニウム塩や、ビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド骨格を持つジスルホニウム塩などカチオン重合開始剤が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
中でも、熱安定性の点からビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド骨格を持つジスルホニウム塩が特に好ましい。これらスルホニウム塩の対アニオンとしては、SbF6-、AsF6-、PF6-、BF6-等が挙げられるが、親核性が比較的強くアニオンの安定性が高いことからPF6-が好適に用いられる。
このような光開始剤の配合量については、組成物の硬化性等に応じて適宜調整されるが、反応性、透明性、価格の面を考慮すると、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5質量部である。
本発明の樹脂組成物を混合する方法は、特に限定されないが、例えば、工業的に最も簡便である溶融混練法によって、ポリカーボネート、活性エネルギー線硬化性化合物、可塑剤、光開始剤などを、一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダー等を用いる混練法によって溶融混練すればよい。このとき、スタティックミキサーやダイナミックミキサーを併用することも効果的である。
中でも、混練状態の向上のため、二軸の押出機を使用することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性化合物と光開始剤については、ポリカーボネートを溶融させる熱や剪断の場において、熱反応や揮発等の望ましくない状況が誘起されやすいので、短時間で効率的に混合分散されることが望ましい。
このため、ポリカーボネートを溶融混練中に、活性エネルギー線硬化性化合物と光開始剤とを注入して溶融混練すれば、安定的な混練が容易になる。具体的には、ロール混練機やブラベンダーの場合、ポリカーボネートを先に溶融混練して均一溶融状態になったところでの後添加により、二軸押出機の場合、サイドフィードによりチューブポンプ、ダイアフラムポンプ、モーノポンプ、ギアポンプ等での供給方式により、それぞれ対応すればよい。
あるいは、活性エネルギー線硬化性化合物と光開始剤は、その性状により溶剤等に溶解・分散させて供給を安定させ、後で溶剤等を脱揮する方法も可能である。
活性エネルギー線硬化性化合物と光開始剤は、予め混合しておいても別々でも良い。活性エネルギー線硬化性化合物と光開始剤は、熱反応や揮発しない範囲で予熱して低粘度化することで供給を容易にすることも可能である。
なお、可塑剤を添加する場合に限っては、ポリカーボネートと予めドライブレンドしたものや、押出機等を用いて予め両材料を溶融混練してペレット化したものを準備し、引き続いて活性エネルギー線硬化性化合物や光開始剤などを逐次添加・混練することが好ましい。なぜなら、可塑剤が予め混合されていれば、活性エネルギー線硬化性化合物や光開始剤などを比較的低温で溶融混練することが可能となり、熱反応、揮発等の望ましくない状況を抑えて安定的な混練を容易にすることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、ポリカーボネート、活性エネルギー線硬化性化合物、可塑剤、光開始剤以外の成分として、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等を光学歪みや透明性、成形加工性、耐熱性等の物性に効果的かつ支障とならない範囲で添加できる。これらの添加剤は、溶融混練時あるいは重合時に加えればよい。
熱安定剤や酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。
また、本発明の樹脂組成物の耐久性を向上させる目的で、加水分解防止剤を添加してもよい。加水分解防止剤としては、カルボジイミド、オキサゾリン、エポキシ化合物などが挙げられる。
添加量は特に限定されないが、樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましい。加水分解防止剤の添加方法は、樹脂を押出機に供する際に、予め樹脂と加水分解防止剤をドライブレンドする方法、押出機途中の供給口から加水分解防止剤を供給する方法などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物のフィルム化(すなわち、本発明の硬化フィルムの製造方法)は、特に制約はなく、以下の方法などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物溶融混練装置に引き続いて、α)口金、ロール間隙通過などで厚さを調整し、冷却ロール等で冷却固化して引き取る方法、β)予め用意した別の耐熱性の離型フィルムや金属ベルトなどにラミネートする方法、あるいは、γ)巻き取りロールなどにより引き取り、ワインダーで巻き取る方法など従来公知の方法にて未硬化状態のフィルムを得る。
なお、上記冷却ロールは、表面メッキ加工鋼にさらにフッ素樹脂やセラミック等でコーティングして離型化されている。
上記β)の方法における離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ4メチルペンテン−1フィルム、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルム等の離型性、寸法安定性、平滑性に優れたフィルムが利用でき、好ましくは光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムで、より好ましくはさらにシリコーンコーティングで離型処理された光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
離型性の程度については、本発明の組成物を硬化させた後の離型性の他、本発明の組成物をラミネートしたときのフィルム形態のぬれ安定性、密着性とのバランスで調整される。
離型フィルムの厚さとしては、主に組成物ラミネート時の安定性、硬化後の硬化収縮による反り抑制、硬化に関わる活性エネルギー線透過性、離型フィルム自体のコストなどのバランスで調整され、実用的には50〜250μmである。
また、上記β)の方法における離型ベルトは、ステンレスや表面メッキ加工鋼など平滑性、寸法安定性に優れたシート材をシームレスに継いで2本以上のロールに掛けてロールの駆動により連続定速加工に利用するものである。表面をさらにフッ素樹脂やセラミック等でコーティングして高離型化することもできる。
これらは、フィルム化にあたり、片面のみ接触した状態で組成物を賦形し、もう片面は大気接触状態で加工することもできるし、種々の組み合わせで両面工程用離型材を接触させて加工することもできる。ただし、活性エネルギー線として紫外線を応用した場合には、その低透過性の制約により片面は少なくとも大気もしくは(透明プラスチック)フィルムが必須であり、照射も大気もしくは(透明プラスチック)フィルム側に限定される。
このようにして得られるフィルムの厚さ(硬化後の厚さ)としては、5〜1000μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは5〜80μm程度であり、この厚さは、主に口金やロールの温度(もしくは組成物温度)や間隙距離、引き取り速度で制御される。
さらに別の工程で、あるいは同じ工程の後半で、この未硬化状態のフィルムに活性エネルギー線を照射することにより、本発明の硬化フィルムを得ることができる。
活性エネルギー線としては、特に制約なく、工業的に利用できるものが応用でき、紫外線、電子線、γ線、X線等が挙げられるが、透過厚さ、エネルギー、設備コスト、光開始剤や増感剤等、添加剤のコスト・品質への負荷等総合的に判断すると特に紫外線が利用しやすい。
紫外線源としては低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等の紫外線ランプをはじめ、各種発光特性のものが特に制限なく利用でき、フィルム厚さや硬化状況等に応じて調整ができる。また、エネルギーに関しても同様に調整でき、照度として0.1〜5J/cm2程度が好ましい(なお、電子線、γ線、X線では、1〜50kGy程度が好適である)。
また、照射効率を向上するために、照射雰囲気を窒素等の不活性ガスとしたり、成形した組成物を加温しながら照射することも可能である。
離型フィルムや離型ベルトを用いない場合は、単独のフィルムが得られるのでそのままロール状に巻き取ったり断裁して枚葉化するなどの形態で、光学機能調整用フィルム化等具体的な用途に供することになる。
一方、離型フィルムを用いた場合には、それとの積層フィルムとして得られるので、硬化後に離型フィルムを剥離して首記同様の対応ができるほか、剥離せずにそのまま積層された形態で具体的な用途に供し、離型フィルムを保護フィルムないし具体的な用途での工程用離型フィルムとした内容も本主旨の範囲内である。
本発明の硬化フィルムは、レターデーションの絶対値が50nm以下であることが好ましく、より好ましくは nm以下である。
レターデーションの絶対値が50nmを超えると、フィルムの成形時にポリカーボネートの分子鎖が流動方向に揃い、光学的な歪みが大きい状態となる。
また、本発明の硬化フィルムは、初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間置いた後の反り角との差が0.3°未満、かつJISK7105に準じた同黄色度の差(黄変度)が5未満であることが好ましい。
反り角差が0.3°以上、黄変度が5以上では、当該フィルムを光ディスクなどに積層する際の加工に耐えられず、また実際の使用時の耐環境性が不十分である。
本発明の光ディスクは、例えば、表面にピット、グルーブ等の凹凸パターンが形成されて信号記録面とされているディスク基板上に保護膜を兼ねた光透過層を設け、この光透過層側からレーザー光を照射して情報の記録、再生を行うようにした光ディスクであって、該光透過層として前記の本発明の活性エネルギー線硬化性組成物からなるフイルムが用いられる。
なお、本発明の硬化フィルムを光ディスクの保護膜における光透過層として積層する場合は、別途準備した接着剤や粘着剤あるいはそれらのフィルム材などを使用する。
接着剤や粘着剤を使用する場合は、当該フィルムもしくは光ディスク基板面に接着剤や粘着剤を塗工・乾燥・軟化(接着剤の場合)・硬化(粘着剤の場合)した後、各々光ディスク基板とフィルムとを積層し、硬化もしくは冷却固化(接着剤の場合)させる。
フィルム材を使用する場合は、このフィルム材を光ディスク基板面に積層・軟化(接着剤の場合)・硬化(粘着剤の場合)した後、光ディスク基板とフィルムとを積層して硬化もしくは冷却固化(接着剤の場合)させる。
接着剤や粘着剤あるいはそのフィルム材については、特に制約はないが、耐熱性、透明性、コストの他接着性の観点からアクリル系が好適である。
(実施例1)
[1]硬化性組成物の調製
二軸押出成形機(口径30mm、長さ120mm、押出ヘッド温度250℃、ダイ出口温度160℃)を用い、MFR72のポリカーボネート50質量部を供給した。
混練機途中からポンプを用いて、活性エネルギー線硬化性化合物ジフェニルー2−アクリロイルオキシエチルフォスフェート50質量部と光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2質量部とを混合溶解した液を注入し、実施例1の活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
[2]硬化性組成物のフィルム化
この実施例1の硬化性組成物をダイより押出し、50℃のキャストロール上にロールと同調してロール面に沿わせながら、巻物から巻き出された厚さ100μmの光学用の平滑性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム面にラミネートしながら引き取って70μm厚さの硬化性組成物の未硬化状態フィルムとした。
続いて、紫外線を高圧水銀ランプで0.80J/cm2の照度で照射し硬化させて巻き取り、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが離型フィルムとして積層された活性エネルギー線硬化フィルムを得た。
2軸押出機での成形加工性と、得られたフィルムの透明性、光学特性、耐熱性に関して以下に示す評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価項目及び評価方法〕
<成形加工性>
2軸押出機における未硬化状態の硬化性組成物のフィルム成形時において、ア)トルクの変動や熱硬化ブツの発生、イ)押出操業可能時間の程度、ウ)フィルムのハンドリング性(活性エネルギー線硬化性化合物または可塑剤のブリードによるブロッキングの発生)、エ)活性エネルギー線硬化性低下の有無、等の状況に応じて次の判定を行った。
○:トルクの変動や熱硬化ブツの発生もなく、2時間以上押出操業が可能で、かつ、ブロッキングによるハンドリング性低下や活性エネルギー線硬化性低下なし
△:トルクの変動や熱硬化ブツの発生が僅かに認められるものの2時間以上押出操業が可能で、あるいは、ブロッキングによるハンドリング性低下が僅かに認められるものの活性エネルギー線硬化性低下なし
×:トルクの変動や熱硬化ブツの発生があり、もしくは2時間以上押出操業が不可能で、または、ブロッキングによるハンドリング性低下が顕著
<透明性>
得られたフィルムから離型フィルムを剥離除去し、分光光度計を用いて、空気をリファレンスとして波長400nmのフィルムの光線透過率を測定し、次の判定を行った。
○:88%以上
△:85%以上
×:85%未満
<光学特性>
得られたフィルムから離型フィルムを剥離除去し、大塚電子株式会社製 “RETS-4200RV”を用いてフィルムのレターデーションRを測定し、次の判定を行った。
◎:−10nm≦R≦10nm
○:−50nm≦R<−10nm あるいは 10nm<R≦50nm
×:R<−50nm あるいは 50nm<R
<耐熱性>
得られたフィルムから離型フィルムを剥離除去し、80℃85%相対湿度下で500時間置いた後の反りと着色・ブリードアウトによるべたつき等の状況に応じて次の判定を行った。
○:初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間後の反り角との差(以下、「反り角差」)が0.3°未満、JISK7105に準じた同黄色度の差(以下「黄変度」)が5未満、ブリードアウトによるべたつき等外観変化なし
△:反り角差が0.3°未満だが、黄変度が5以上もしくはブリードアウトによるべたつき等外観変化あり
×:反り角差が0.3°以上で、黄変度が5以上もしくはブリードアウトによるべたつき等外観変化あり
(実施例2)
予め二軸押出成形機を用いてMFR30のポリカーボネート50質量部と可塑剤トリクレジルフォスフェート30質量部を270℃でブレンドしてペレット成形したものを供給し、混練機途中からポンプを用いて、活性エネルギー線硬化性化合物1,6−ヘキサメチレングリコールジアクリレート20質量部を注入した以外は実施例1と同様にして70μmの厚さの活性エネルギー線硬化性組成物の未硬化状態フィルムを得た。
続いて、電子線を窒素雰囲気下で加速電圧150kV、吸収線量20kGyで照射して硬化させて巻き取り、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが離型フィルムとして積層された活性エネルギー線硬化フィルムを得た。実施例1同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(実施例3)
MFR72のポリカーボネート90質量部を供給し、混練機途中からポンプを用いて、活性エネルギー線硬化性化合物1,6−ヘキサメチレングリコールジアクリレート10質量部と光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2質量部を混合溶解した液を注入した以外は実施例1と同様にして、実施例3の活性エネルギー線硬化フィルムを得た。実施例1同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(比較例1)
MFR72のポリカーボネート70質量部を供給し、混練機途中からポンプを用いて、可塑剤ジー2−エチルヘキシルフタレート30質量部を注入した以外は実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが離型フィルムとして積層された未硬化状態のフィルムを得た。特に活性エネルギー線を照射することもしなかった。実施例1同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(比較例2)
MFR16のポリカーボネート70質量部を供給し、混練機途中からポンプを用いて、活性エネルギー線硬化性化合物1,4ブチレングリコールジアクリレート10質量部と可塑剤2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェート20質量部と光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2質量部とを混合溶解した液を注入した以外は実施例1と同様にして、比較例2の活性エネルギー線硬化フィルムを得た。実施例1同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(比較例3)
MFR72のポリカーボネート30質量部を供給し、混練機途中からポンプを用いて、活性エネルギー線硬化性化合物ジフェニルー2−アクリロイルオキシエチルフォスフェート30質量部と可塑剤トリクレジルフォスフェート40質量部と光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2質量部とを混合溶解した液を注入した以外は実施例1と同様にして、比較例3の活性エネルギー線硬化フィルムを得た。実施例1同様の評価を行い、結果を表1に示す。
(比較例4)
MFR30のポリカーボネート97質量部を供給し、混練機途中からポンプを用いて、活性エネルギー線硬化性化合物ジフェニルー2−アクリロイルオキシエチルフォスフェート3質量部と光開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2質量部とを混合溶解した液を注入した以外は実施例1と同様にして、2軸押出機よりフィルム化を行った。
ところが、実施例1の設定条件(押出機ヘッド温度220℃、ダイ出口温度160℃)では、可塑化不足で未溶融のため押出されなかったため、設定温度を各々30℃ずつ上げて押出を行ったところ、押出機内で熱硬化を起こし、ダイからは粉状の硬化物が出てきてしまい活性エネルギー線硬化フィルムを得るに至らなかった。
Figure 2008063454
表1からわかるように、活性エネルギー線硬化性化合物を含有していない組成物(比較例1)では耐熱変性が劣るものであったり、ポリカーボネートのMFR値が30未満の組成物(比較例2)では透明度が低く光学的な歪みが大きいものとなった。また、組成物中のポリカーボネートが40〜95質量部の範囲外にある組成物(比較例3,4)では、未硬化時にブロッキングが発生するなど成形加工性が不十分であったり、硬化後の耐熱性が低いものとなった。
本発明の活性エネルギー硬化性組成物をフイルム化したものは、透明で光学的に歪みが小さくすむ上に、優れた耐熱変性を有するので、CDや次世代型ディスク(例えばブルーレイディスク、UDO等の光ディスク)の保護膜兼光透過層やDVD等の多層記録型光ディスクの接着剤兼光透過層として利用できる。

Claims (8)

  1. メルトフローレイトが30以上であるポリカーボネートを40〜95質量部と、活性エネルギー線硬化性化合物を60〜5質量部とを、含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. さらに、可塑剤を含有し、活性エネルギー線硬化性化合物及び可塑剤の総和を60〜5質量部とすることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. さらに、光開始剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物からなることを特徴とする硬化フィルム。
  5. レターデーションRが−50nm≦R≦50nmであることを特徴とする請求項4に記載の硬化フィルム。
  6. 初期反り角と80℃85%相対湿度下で500時間置いた後の反り角との差が0.3°未満で、かつJISK7105に準じた同黄色度の差が5未満であることを特徴とする請求項5に記載の硬化フィルム。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の硬化フィルムを少なくとも一層積層して形成されたことを特徴とする光ディスク。
  8. 少なくとも基板と記録層と保護膜とがこの順に積層されてなる光ディスクにおいて、前記保護膜が、請求項4〜7のいずれか1項に記載の硬化フィルムであることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク。

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