JP2008062620A - ドリルビット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ドリルビットAの外径端に外端1aが位置する主切刃部1Aと、外端1aより外端1bが内径方に位置する副切刃部1Bを周方向に放射状に複数配置し、各切刃部のすくい面2と逃げ面3の接合稜線4を切刃4A,4Bとし、2つの切刃の内径端が中心部O1で接合して先端部分に尖頭部10Aを有するcビット先端部10を備えたドリルビットAであり、複数の副切刃部1Bの切刃4Bの内径端が接合して前記尖頭部10Aが形成され、副切刃部1Bの切刃4Bが尖頭部10Aの先端から所定の傾斜角度K1,K2で基端側且つ外径方へ、主切刃部1Aの切刃4Aが尖頭部10Aの先端から基端よりの且つ外径よりの位置から前記所定の傾斜角度K1,K2よりも小さな傾斜角度K3で基端側且つ外径方へ延設される。
【選択図】 図1
Description
この種のドリルビットとして、周方向に複数の切刃部を設け、これら各切刃部に形成されるすくい面と逃げ面の接合稜線を切刃とし、これらの各切刃の内径端がビット先端の中心部で接合するよう構成されているものがある(特許文献1参照)。
複数の前記副切刃部の切刃の内径端が中心部で接合(略接合する状態も含む:この明細書及び特許請求の範囲において同じ)することによって前記尖頭部が形成されるとともに、
前記副切刃部の切刃が前記尖頭部の先端から所定の傾斜角度で基端側且つ外径方へ延設されるとともに、前記主切刃部の切刃が前記尖頭部の先端より基端且つ外径よりの位置から前記所定の傾斜角度よりも小さな傾斜角度で基端側且つ外径方へ延設され、且つ、前記副切刃部の切刃の回転軌跡と前記主切刃部の切刃の回転軌跡が交わるように構成されることによって、該副切刃部が、前記交わった位置から内径側に位置する穴の中央部を穿設し、該主切刃部が、前記交わった位置から外径側の前記中央部の外周方の領域を穿設するようにしたことを特徴とする。
このように、本発明にかかるドリルビットによれば、高い穿設性能を発揮し且つ刃先の外径端が欠損することがない、しかも正確にセンターの位置決めがおこなわれた状態で穿設が実行される結果、真円度の高い高品位の穿孔が可能な、トータル的に高い性能を備えたドリルビットとなり、しかも消極的な技術的理由に起因する「構成の複雑化」を回避したドリルビットとなる。
しかし、必要に応じて、前記3つの接合稜線4(切刃4B)の内径側に位置する一端が、所謂「チゼルエッジ」の形態により、ドリルビットAの底面における中心部で間接的に接合するような構成とすることもできる。
このため、前記副切刃部1Bの切刃4Bのうちの、前記交点Jより内径方の切刃部分4b(図9(a)に補助線と矢印でその領域を表示)は、穿設しようとする穴の中央部S1(図9(b)参照)を穿設し、前記主切刃部Aの切刃4Aのうちの、該交点Jより外径方の切刃部分4a(図9(a)に補助線と矢印でその領域を表示)は、穿設しようとする穴の該中央部S1より外周方の領域S2(図9(b)参照)を穿設することになる。つまり、前記主切刃部1Aと前記副切刃部1Bは、切削領域を分担した効率の良い切削を実施することが可能となる。しかも、回転中心Oに前記副切刃部1Bの尖頭部10Aの尖った先端が位置するため、確実に位置決めした状態での切削が可能となる。
また、前記第1の逃げ面3Aは、切刃4Aに近い刃先側逃げ面3aと、該刃先側逃げ面3aの基端側に形成される基端側逃げ面3bとを有する。このドリルビットAの場合、図5、図6に図示するように、前記刃先側逃げ面3aの傾斜角が、前記基端側逃げ面3bの傾斜角より小さくなるよう構成されている。
また、この実施形態では、前記第2の逃げ面3Bの傾斜角(図5参照)が、前記刃先側逃げ面3aおよび前記基端側逃げ面3bの各傾斜角より、大きく構成されている。しかし、前記構成に限定されるものでなく、前記第2の逃げ面3Bの傾斜角は、少なくとも、前記刃先側逃げ面3aの傾斜角より大きく構成されていることが望ましい。従って、前記第2の逃げ面3Bの傾斜角は、前記基端側逃げ面3bの各傾斜角と等しい角度であってもよいし、あるいは小さい角度とすることもできる。
また、このような構成は、図10あるいは図11に図示するように、すくい面2にも採用してもよい。つまり、主切刃部1Aの該すくい面2の内径側に第1のすくい面2Bとその外径側に第2のすくい面2Aを形成してもよい。さらに、副切刃部1Bにも同様に形成してもよい。つまり、副切刃部1Bの逃げ面3の内径側に第1の逃げ面3Bとその外径側に第2の逃げ面3Aを形成し、また、すくい面2の内径側に第1のすくい面2Bとその外径側に第2のすくい面2Aを形成してもよい。そして、このように構成することによって、逃げ面3およびすくい面2の各外径端での欠損を可及的に少なくすることができる。従って、このような構成を具備することによって、高い切削能力を得るべく第1のすくい面2Aや第1の逃げ面3Aの傾斜角を大きく設定することが可能となる。
即ち、穿設しようとする中心位置に、このドリルビットAの前記尖頭部10Aの先端を位置せしめて、該ドリルビットAを取着した振動ドリル装置(例えば、電動型の振動ドリル装置等)のスイッチをONにすると、ドリルビットAが、軸方向への衝撃的往復動を伴って前記尖頭部10Aの先端を中心にして回転し、その結果、まず、前記副切刃部1Bによって穴の中心部S1(図9(b)参照)が穿設され、次に、このドリルビットAの前記交点Jの位置まで穿設が進行すると、図9(b)に図示するように、同じく軸方向への衝撃的な往復動を伴った回転により、穴の中心部S1は前記副切刃部1Bによって、その外周域S2は、前記主切刃部1Aによって、それぞれ分担して切削が進行することになる。従って、このドリルビットAによれば、これら主切刃部1Aと副切刃部1Bとが有機的に作用して極めて効率的な切削がおこなわれる。
しかも、前記振動ドリル装置と被切削物との間にドリルビットAが位置して、前記尖頭部10Aに衝撃的に軸方向の押圧力と回転方向の外力が作用するが、この尖頭部10Aは、軸方向への傾斜角が小さく構成されているため、欠損は殆ど生じることがない。
また、前述のように、ドリルビットAの前記刃先側逃げ面3aの傾斜角が、前記基端側逃げ面3bの傾斜角より小さくなるように、つまり該刃先側逃げ面3aの傾斜角が該基端側逃げ面3bの傾斜角より小さく(鈍角に)なるよう構成されているため、穿設作業において衝撃力が作用しても、本来欠損が生じ易い主切刃部1Aの切刃4Aの外端部が欠損し難くい。
また、前記第2の逃げ面3Bの傾斜角および前記第1の逃げ面3Aの基端側逃げ面3bの傾斜角が大きくなっているため、前述のように前記切刃4Aの外端部が欠損し難くなっているにもかかわらず、本ドリルビットAは高い穿設性能を発揮する。
さらに、前記第2の逃げ面3Bの傾斜角を大きくすることができるため、該逃げ面3Bの回転方向R(図1,図2参照)において後方のすくい面2との間に形成される前記接合谷筋5が一本の単純な線で構成することが可能となり、また従来のドリルビットのような消極的な理由から必要となる接合面が不要となり、このため、ビット先端部10を従来のものに比べてシンプルな構成とすることができる。
加えて、本実施形態にかかるドリルビットAのビット先端部10は、前述のように比較的多くの面が複雑に組み合わされた構成からなるが、金型と焼結合金の粉末を用いて、該ビット先端部10を一体のブロック体の形態にしているため、高い生産効率で製造することが可能となる。
1A…主切刃部
1a…主切刃部の外端
1B…副切刃部
1b…副切刃部の外端
2…すくい面
3…逃げ面
4…接合稜線
4A…主切刃部の切刃
4B…副切刃部の切刃
10…ドリルビットのビット先端部
10A…尖頭部
O1…中心部
Claims (6)
- ドリルビットの外径端に外端が位置する主切刃部と、該主切刃部の外端より外端が内径方に位置する副切刃部とをそれぞれ周方向に放射状に複数配置し、これら各切刃部に形成されるすくい面と逃げ面の接合稜線を切刃とし、これらの各切刃のうちの少なくとも2つの切刃の内径端がドリルビット先端の底面視における中心部で接合して先端部分に尖頭部を有するビット先端部を具備したドリルビットにおいて、
複数の前記副切刃部の切刃の内径端が中心部で接合(略接合する状態も含む:この明細書及び特許請求の範囲において同じ)することによって前記尖頭部が形成されるとともに、
前記副切刃部の切刃が前記尖頭部の先端から所定の傾斜角度で基端側且つ外径方へ延設されるとともに、前記主切刃部の切刃が前記尖頭部の先端より基端且つ外径よりの位置から前記所定の傾斜角度よりも小さな傾斜角度で基端側且つ外径方へ延設され、且つ、前記副切刃部の切刃の回転軌跡と前記主切刃部の切刃の回転軌跡が交わるように構成されることによって、該副切刃部が、前記交わった位置から内径側に位置する穴の中央部を穿設し、該主切刃部が、前記交わった位置から外径側の前記中央部の外周方の領域を穿設するようにしたことを特徴とするドリルビット。 - 前記主切刃部が周方向において少なくとも2箇所に配置されるとともに、前記副切刃部が周方向において前記2箇所の各主切刃部の各間に少なくとも1箇所づつ配置されていることを特徴とする請求項1記載のドリルビット。
- 前記主切刃部の内径端が、前記副切刃部の側面に接合していることを特徴とする請求項1又は2記載のドリルビット。
- 前記副切刃部の切刃の前記傾斜角度が、ドリルビットの内径部で小さく、外径部で大きく構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載のドリルビット。
- 前記少なくとも2箇所に配置されている主切刃部が、底面視において前記尖頭部を通過し直径方向に延びる仮想線に沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の項に記載のドリルビット。
- 前記ドリルビットが一体成形された超鋼合金製のもので構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1の項に記載のドリルビット。
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