JP4062216B2 - 掘削工具 - Google Patents
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請求項1に係る発明は、軸線を中心に回転する工具本体の先端部に、その先端面から突出するように複数のチップが植設されるとともに、前記先端部の周面に、該先端部を正面視してV字状の掘削屑排出溝が形成された掘削工具であって、前記先端部の先端面と前記掘削屑排出溝の内面とにより形成される稜線のうち前記掘削屑排出溝の回転方向後方に位置する稜線が切刃とされているとともに、前記切刃は、該切刃の前記軸線からの最外周端と該軸線とを結ぶ基準線に対して−15°〜30°の角度範囲に設定されていることを特徴とする。
この発明に係る掘削工具によれば、先端部の先端面と前記掘削屑排出溝の内面との稜線のうち前記掘削屑排出溝の回転方向後方に位置する稜線を切刃とすることにより、土砂及び岩石を掘削しつつ、この土砂や岩石等に存在している粘土等の軟質層や木の根等の木質系材料を容易に切断や破砕することができる。
また、切刃をこの切刃の軸線からの最外周端と軸線とを結ぶ基準線に対して−15°〜30°の角度範囲に設定することにより、良好な切れ味が確保されるので、粘土等の軟質層あるいは木の根等の木質系材料に対しても容易に切断や破砕を行うことができる。即ち、ここで切刃をこの切刃の軸線からの最外周端と軸線とを結ぶ基準線に対して−15°〜30°の角度範囲に設定したのは、この角度が−15°を下回ると、切削抵抗が増大してしまうからであり、また、逆にこの角度が30°を上回ると、切れ味が低下してしまうからである。したがって、上記の範囲に設定するものである。
この発明に係る掘削工具によれば、掘削屑排出溝のV字状の角度を60°〜100°の範囲に設定することにより、掘削した際に生じる土砂及び岩石等の掘削屑を排出するスペースが十分に確保されるので、掘削屑を後方側に排出することができる。したがって、作業効率を向上させることができる。即ち、ここで掘削屑排出溝のV字状の角度を60°〜100°の範囲に設定したのは、この角度が60°を下回ると、掘削屑を排出するスペースが十分に確保できなくなるからであり、また、逆にこの角度が100°を上回ると、工具本体の剛性が低下してしまうからである。したがって、上記の範囲に設定するものである。
この発明に係る掘削工具によれば、先端部の直径Dに対して、掘削屑排出溝の深さを0.2〜0.4×Dの範囲に設定することにより、良好な切れ味が確保されるとともに、掘削屑を排出するスペースが十分に確保される。したがって、土砂や岩盤等を掘削できるとともに、かつ粘土等の軟質層あるいは木の根等の木質系材料に対しても容易に切断や破砕を行うことができる。即ち、ここで先端部の直径Dに対して、掘削屑排出溝の深さを0.2〜0.4×Dの範囲に設定したのは、掘削屑排出溝の深さが0.2×Dを下回ると、掘削屑を排出するスペースが十分に確保できなくなるからであり、また、逆にこの深さが0.4×Dを上回ると、工具本体の剛性が低下してしまうからである。したがって、上記の範囲に設定するものである。
この発明に係る掘削工具によれば、切刃のすくい角を−10°〜10°の範囲に設定することにより、良好な切れ味が確保されるとともに、切削抵抗も抑えられるので、地中に粘土等の軟質層あるいは木の根等の木質系材料に対しても容易に切断や破砕を行うとともに、切刃の欠損を防いで工具寿命の延長を促すことができる。即ち、ここで切刃のすくい角を−10°〜10°の範囲に設定したのは、切刃のすくい角が−10°を下回ると、切れ味が低下するからであり、また逆に、切刃のすくい角が10°を上回ると、切削抵抗が増大してしまうからである。したがって、上記の範囲に設定するものである。
工具本体2の頭部4の先端面6は、截頭円錐形状とされており、先端側に向かうにつれて幅狭くなるテーパ面11と、テーパ形状の頂部を截頭された平面12とから構成されている。この先端面6には、超硬合金等の硬質材料により形成された複数のボタンチップ(チップ)13が植設されており、このボタンチップ13は、円柱状とされ、工具本体2の先端面6から突出する先端部が半球面状に形成されている。
図3に示すように、掘削屑排出溝7の稜線17は、切刃25とされている。ここで、切刃25の軸線Oからの最外周端P1と軸線Oとを結ぶ基準線26に対する切刃25の角度θ1は、−15°〜30°の範囲に設定されており、また、掘削屑排出溝7の稜線15と稜線17との間の角度θ2は、60°〜100°の範囲に設定されている。そして、稜線15と、この稜線15と平行であり切刃25の最外周端P1を通る線27との距離である掘削屑排出溝7の深さh1は、頭部4の直径Dに対して0.2〜0.4×Dの範囲に設定されている。
図4に示すように、切刃25及び切刃28のすくい角θ5は、−10°〜10°の範囲に設定されている。
この掘削の際、弾力性のある粘土及び木の根等が地中に存在していた場合にも、軸線O方向への回転力を与えられた掘削工具1の切刃25及び切刃28が、切断及び破砕することにより、掘削作業を中断することなく進めることができる。
また、図6に示す掘削工具1は、掘削屑排出溝7を上記構成の実施の形態と略同様の形状としたものであって、基準線26と切刃25との角度θ1を9.3°、稜線15と稜線17との間の角度θ2を90°としたものである。
また、図7に示す掘削工具1は、掘削屑排出溝7の稜線15と稜線17の間の角度θ2を鋭角とし、掘削屑排出溝7の軸線O方向の内面下部を上記構成の実施の形態と異ならせたものであり、稜線15と稜線17とを短尺にしたものであって、基準線26と切刃25との角度θ1を9.8°、稜線15と稜線17との間の角度θ2を60°としたものである。
さらに、図9に示す掘削工具1は、掘削屑排出溝7の軸線O方向の内面14下部を上記構成の実施の形態と異ならせたものであり、掘削屑排出溝7の稜線15と稜線17との間の角度θ2を鋭角とし、稜線15と稜線17とを短尺としたものであって、基準線26と切刃25との角度θ1を0°、稜線15と稜線17との間のθ2を60°としたものである。
2 工具本体
4 頭部(先端部)
5 周面
6 先端面
7 掘削屑排出溝
8 掘削屑排出溝
13 ボタンチップ(チップ)
14 内面
17 稜線
19 内面
21 稜線
25 切刃
28 切刃
T 回転方向
Claims (4)
- 軸線を中心に回転する工具本体の先端部に、その先端面から突出するように複数のチップが植設されるとともに、前記先端部の周面に、該先端部を正面視してV字状の掘削屑排出溝が形成された掘削工具であって、
前記先端部の先端面と前記掘削屑排出溝の内面とにより形成される稜線のうち前記掘削屑排出溝の回転方向後方に位置する稜線が切刃とされているとともに、
前記切刃は、該切刃の前記軸線からの最外周端と該軸線とを結ぶ基準線に対して−15°〜30°の角度範囲に設定されていることを特徴とする掘削工具。 - 請求項1に記載の掘削工具において、
前記掘削屑排出溝のV字状の角度が60°〜100°の範囲に設定されていることを特徴とする掘削工具。 - 請求項1または請求項2に記載の掘削工具において、
前記先端部の直径Dに対して、前記掘削屑排出溝の深さが0.2〜0.4×Dの範囲に設定されていることを特徴とする掘削工具。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の掘削工具において、
前記切刃のすくい角が−10°〜10°の範囲に設定されていることを特徴とする掘削工具。
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