JP2004143780A - 掘削工具用ビットとそれを使用した掘削工具および掘削用オーガ工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転ケーシングチューブおよびオーガ工具による掘削において、掘削能力を低下させることなく騒音の発生を低減させるための掘削工具用ビットとそれを使用した掘削工具および掘削用オーガ工具を提供すること。
【解決手段】単一の台金1と複数の先端チップ2とからなる交換可能な掘削工具用のビット10であって、前記台金1は、掘削工具100の先端に位置するビット取り付け部分4に装着される装着部11と先端チップ2を取付けるチップ取付部12からなり、このチップ取付部12には、複数のチップ2の挿入孔3が形成されており、前記先端チップ2は、丸棒形状を有する硬質材料からなり、前記台金1のチップ取付部12に形成された挿入孔3に挿入され埋設接合されており、そのチップ取付部12表面からの突出長さは、挿入孔3に挿入された長さの1/2以下とする。
【選択図】 図1
【解決手段】単一の台金1と複数の先端チップ2とからなる交換可能な掘削工具用のビット10であって、前記台金1は、掘削工具100の先端に位置するビット取り付け部分4に装着される装着部11と先端チップ2を取付けるチップ取付部12からなり、このチップ取付部12には、複数のチップ2の挿入孔3が形成されており、前記先端チップ2は、丸棒形状を有する硬質材料からなり、前記台金1のチップ取付部12に形成された挿入孔3に挿入され埋設接合されており、そのチップ取付部12表面からの突出長さは、挿入孔3に挿入された長さの1/2以下とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削工具用のビット、とくに、鉄筋入りコンクリートのような障害地盤の掘削用の回転ケーシングチューブおよびオーガ工具に適した掘削工具用のビットに関する。
【0002】
【従来の技術】
回転ケーシングチューブは、回転圧入しながらケーシング内の土砂を切削し排出するもので、強力な回転力により岩盤、転石の切削、鉄筋コンクリートの破砕が可能で、台金の先端に、球形、円錐形、角錐形等の超硬合金製の刃先を取り付けた切削工具(カッタービット)をケーシングの先端に、その切削箇所が回転ケーシングチューブの外径より大きくなるように、且つ、超硬チップをチューブの先端周面から上方と外方に突出させて取り付けられたものが使用されている。
【0003】
特許文献1には、この回転ケーシングチューブによる掘削時の鉄筋の変形による堀残しや、切削工具としての回転ケーシングチューブの衝撃による破損の問題を解消するために、ケーシングの環状端面に埋め込まれたチップの配列表面が波形の凹凸面を形成したものが開示されている。これによって、切削時のチップの上下振動による衝撃が分散されて、それぞれの刃先による掘削が良好に行われるようになるとしている。
【0004】
しかしながら、係る回転ケーシングチューブによる鉄筋コンクリートの破砕における昨今の最大の問題は、掘削に際して生じる騒音の問題である。しかしながら、従来の回転ケーシングチューブによる掘削に際しての騒音は殆ど解消されていないのが現状である。
【0005】
また、オーガ工具については、鉄筋等の難削材の切断の際、過大なトルクによるチップの破損、脱落が生じており。比較的柔らかい地盤の掘削にしか適用できなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−033572号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明が解決しようとする課題は、回転ケーシングチューブおよびオーガ工具による掘削において、掘削能力を低下させることなく騒音の発生を低減させるための掘削工具用ビットとそれを使用した掘削工具および掘削用オーガ工具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記回転ケーシングチューブによる掘削施工において発生する騒音は、基本的には、回転ケーシングチューブの端部周面に設けられたチップに加わる衝撃がケーシング基材に伝達されて、これが共鳴することによって発生するという考え方に基づいて完成したもので、それぞれの台金にボタン状のチップを複数分散して現出させ、しかも、チップを共鳴基材であるケーシングチューブに対して間接的に配置することによって、騒音の発生は際だって低減するという知見に基づく。
【0009】
すなわち、本発明は、単一の台金と複数の先端チップとからなる交換可能な掘削工具用のビットであって、前記台金は、掘削工具の先端に位置するビット取り付け部分に装着される装着部と先端チップを取付けるチップ取付部からなり、このチップ取付部には、複数のチップの挿入孔が形成されており、前記先端チップは、硬質材料からなり、前記台金のチップ取付部に形成された挿入孔に挿入され埋設接合されており、そのチップ取付部表面からの突出長さは、挿入孔に挿入された長さの1/2以下であることを特徴とする。
【0010】
そして、このビットは、回転ケーシングチューブに、その先端周面に、単一の台金と複数の先端チップとからなるビットを、一定間隔で複数個、それぞれ交換可能に設けることによって適用できる。台金のチップ取付部を、回転ケーシングチューブの外面から外方に突出したチップ取り付け面と、回転ケーシングチューブの先端面から垂直方向に突出したチップ取り付け面と、回転ケーシングチューブの内面から内方に突出したチップ取り付け面の少なくとも3方向に形するものである。その際、回転ケーシングチューブの先端周面に一定間隔で取り付けられる複数のビットのそれぞれの円周方向の長さが、取り付けの間隔の1/2以下とするのがよい。
【0011】
これによって、本発明のビットは、回転ケーシングチューブに個々のチップに加わる衝撃が極めて小さくなり、振動および騒音が低減される。また、先端チップの突き出し長さを、挿入孔に挿入された長さの1/2以下にすることにより、高い切削抵抗が生じた場合も、チップが脱落したり、突き出し部で折損する事が無く、難削材の切断が可能となる。突き出し長さが、挿入された部分の長さの1/2より大きい場合、切削抵抗によるチップの脱落や、折損が生じる。また、先端チップ突き出し部が摩耗により突き出し量が減少すると、台金部分が摩耗し、新たなチップ突き出し部分が生じるため、掘削能率を長時間持続することを可能とした。これによって、切削抵抗に対する強度が得られ、チップの脱落、折損を防止する効果が得られる。
【0012】
さらに、それぞれのビットが回転ケーシングチューブの先端周面に取り付けられる際、ビットのそれぞれの円周方向の長さが、取り付け間隔の1/2以下の長さとする事により、ビットとビット間に少なくともビット1個分の間隙が生じ、各々のビットで削られた切り粉(土砂)が、その間隙に流入し、チューブの回転運動と台金の作用により排出される。その為、刃先の行う仕事の大部分は、被削材(地盤)を削ることに当てられるため、高能率掘削が可能となる。ビットのそれぞれの円周方向の長さが、取り付け間隔の1/2以上の場合、ビット間の間隙はビットの幅より小さくなり、流入した切り粉の排出能力が低下する。そのため、チップの仕事は、被削材を削ること以外に、排出できなかった切り粉の圧縮にも分配されるため掘削能率が低下する。
オーガ工具に本発明のビットを適用すると、個々の刃先にかかる切削抵抗が低下するため、チップ破損や脱落の問題を解消し、難削材の切断が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、本発明のビット10を削孔用回転ケーシングチューブに適用した実施例によって説明する。
【0014】
図1は、本発明のビット10の構成部分を回転ケーシングチューブ20に交換可能に取り付ける状態によって示す。このビット10は、台金1とこの台金1に埋め込まれて蝋付けされるチップ2から構成されている。そして、台金1は、回転ケーシングチューブ20の先端面に装着される装着部11と、超硬合金製で丸棒状のチップ2を取り付けるチップ取り付け部12とからなる。3はチップ取り付け部12に形成されたチップ2の挿着のための挿入孔を示す。4は、回転ケーシング20にビット10を取り付けるためのビット取り付け部材であって、回転ケーシングチューブ20の端面に一定間隔で形成された凹部に装着され蝋付けされている。このビット10の取り付け部材4は、底部41と、それに連続した両側板42と、両側板42の間の支持板43とから形成されており、基本的に、回転ケーシングチューブ20の端面に一定間隔で形成された凹部に装着され、蝋付けによって固定される。
【0015】
そして、回転ケーシングチューブ20の先端面に装着されるビット10の台金1の装着部11は、回転ケーシングチューブ20の端面に一定間隔で形成された凹部に装着され蝋付けされたビット取り付け部材4の支持板43を挟み込むように二股に形成され、この装着部11をビット取り付け部材4の支持板43を嵌合状態でスライドさせることによってビット10を回転ケーシングチューブ20の先端面に装着する。
【0016】
前記台金1のチップ取り付け部12には、回転ケーシングチューブ20の外面から外方に出た外方刃先取り付け面121と、回転ケーシングの端面方向に垂直な先端の取り付け面122と、先端の取り付け面122に連続した内方に傾斜した取り付け面123が形成されている。そして、それぞれの取り付け面121,122,123には、複数の丸棒状のチップ2を挿入するための挿入孔3が設けられており、丸棒状のチップ2は、これらの挿入孔3に挿入後、蝋付けされて、それぞれの取り付け面上に突出したボタン状のチップを形成する。このチップ2のための挿入孔3は、各取り付け面に複数設けられ、その配置の形態は、全ての取り付け面を、回転正面方向、すなわち、周方向から見て、隙間無くチップ2が配置されているように複数配置される。それぞれの取り付け面121,122,123には、複数の丸棒状のチップ2を挿入するための挿入孔3が設けられており、丸棒状のチップ2は、これらの挿入孔3に挿入蝋付けされてビット10を形成する。
【0017】
図2は、台金に形成された挿入孔3へのチップ2の挿入蝋付け状態を示すもので、チップ2の全体長さLの中の表面への突出した部分の長さl1は、挿入孔3中へ挿入された部分l2の1/2以下としている。
図3は本発明のビット10を回転ケーシングチューブ20に交換可能に取り付けた状態を端面側から見た俯瞰図によって示すもので、それぞれの取り付け面121,122,123に、チップ2が蝋付けによって埋め込まれ、その表面にはボタン状に突出したチップが形成される。これによって、チップ2を図1に示した回転ケーシングチューブ20の外方の取り付け面121と、先端の取り付け面122と、先端の取り付け面122に連続した内方に傾斜した取り付け面123上に突出したボタン状にチップを形成した状態で固定された掘削工具100が得られる。
【0018】
図3に示すように、回転ケーシングチューブ20の環状の先端面には、一定間隔で複数のビット10が配置されており、各ビット10に設けられた複数のチップ群は回転ケーシングチューブ20の環状の先端面から、任意に突出した状態で配置される。例えば、切り粉の排出をより容易にするために、突き出し量が埋め込み長さの1/2を超えない範囲内で、突き出し高さ方向で傾斜をもたせることも可能である。
【0019】
そして、回転ケーシングチューブ20の先端周面に一定間隔で取り付けられる複数のビット10は、切り粉の排出を良くし、刃先の行う仕事の大部分を切削に寄与出来る点からそれぞれの円周方向の長さWが、それぞれの取り付けの間隔Aの1/2以下の長さであることが望ましい。ビット10の円周方向の長さWが、それぞれの取り付けの間隔Aの1/2以上であれば、切り粉の排出効果が十分に得られず、刃先の仕事は切削以外に切り粉の圧縮にも分散されるから問題がある。
【0020】
このように、複数のチップ群を有するそれぞれのビット10は、回転ケーシングチューブ20の環状の先端面に一定間隔で独立して取り付けられるので、回転ケーシングチューブ20の径、サイズの如何を問わず適用できる。しかも、チップ群が回転ケーシングチューブ20の環状の先端面から突出した状態で形成されているので、掘削片はその突出基部から排出されるので、チップ2による掘削機能を低下させることはない。さらには、各掘削工具100の複数のチップ2はボタン状に形成されているので、衝撃もすくない上に、回転ケーシングチューブ20への伝達は間接的であるので、これによって干渉されるので著しく低減される。
【0021】
また、先端チップ突き出し部が摩耗により突き出し量が減少すると、台金部分が摩耗し、新たなチップ突き出し部分が生じるため、掘削能率を長時間持続することを可能とした。なお、実施例では、チップの形状を丸棒状としたが、これに限定されるものではなく、六角柱、八角柱等の柱状又は棒状としてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によって、以下の効果を奏することができる。
【0023】
1.騒音が少なく、掘削能力が高い掘削工具が得られる。
【0024】
2.ビット自体は、独立してケーシングに取り付けられるので、如何なる径のケーシングにも適用できる。
【0025】
3.組立てと調整が簡単である。
【0026】
4.高能率掘削を長時間持続出来る。
【0027】
5.高負荷切削が可能となり、従来切断が難しかった難削材の切断を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビットの構成を示す。
【図2】本発明のビットを構成する台金へのチップの埋め込みの形態を示す。
【図3】ケーシングに本発明のビットを組み込んだ回転ケーシングチューブの外観を部分的に示す。
【符号の説明】
10 ビット
20 回転ケーシングチューブ
100 掘削工具
1 台金
11 装着部
12 チップ取り付け部
121 外方刃先取り付け面
122 先端の取り付け面
123 内方に傾斜した取り付け面
2 チップ
3 チップ挿入孔
4 ビット取り付け部材
41 底部
42 両側板
43 支持板
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削工具用のビット、とくに、鉄筋入りコンクリートのような障害地盤の掘削用の回転ケーシングチューブおよびオーガ工具に適した掘削工具用のビットに関する。
【0002】
【従来の技術】
回転ケーシングチューブは、回転圧入しながらケーシング内の土砂を切削し排出するもので、強力な回転力により岩盤、転石の切削、鉄筋コンクリートの破砕が可能で、台金の先端に、球形、円錐形、角錐形等の超硬合金製の刃先を取り付けた切削工具(カッタービット)をケーシングの先端に、その切削箇所が回転ケーシングチューブの外径より大きくなるように、且つ、超硬チップをチューブの先端周面から上方と外方に突出させて取り付けられたものが使用されている。
【0003】
特許文献1には、この回転ケーシングチューブによる掘削時の鉄筋の変形による堀残しや、切削工具としての回転ケーシングチューブの衝撃による破損の問題を解消するために、ケーシングの環状端面に埋め込まれたチップの配列表面が波形の凹凸面を形成したものが開示されている。これによって、切削時のチップの上下振動による衝撃が分散されて、それぞれの刃先による掘削が良好に行われるようになるとしている。
【0004】
しかしながら、係る回転ケーシングチューブによる鉄筋コンクリートの破砕における昨今の最大の問題は、掘削に際して生じる騒音の問題である。しかしながら、従来の回転ケーシングチューブによる掘削に際しての騒音は殆ど解消されていないのが現状である。
【0005】
また、オーガ工具については、鉄筋等の難削材の切断の際、過大なトルクによるチップの破損、脱落が生じており。比較的柔らかい地盤の掘削にしか適用できなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−033572号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明が解決しようとする課題は、回転ケーシングチューブおよびオーガ工具による掘削において、掘削能力を低下させることなく騒音の発生を低減させるための掘削工具用ビットとそれを使用した掘削工具および掘削用オーガ工具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記回転ケーシングチューブによる掘削施工において発生する騒音は、基本的には、回転ケーシングチューブの端部周面に設けられたチップに加わる衝撃がケーシング基材に伝達されて、これが共鳴することによって発生するという考え方に基づいて完成したもので、それぞれの台金にボタン状のチップを複数分散して現出させ、しかも、チップを共鳴基材であるケーシングチューブに対して間接的に配置することによって、騒音の発生は際だって低減するという知見に基づく。
【0009】
すなわち、本発明は、単一の台金と複数の先端チップとからなる交換可能な掘削工具用のビットであって、前記台金は、掘削工具の先端に位置するビット取り付け部分に装着される装着部と先端チップを取付けるチップ取付部からなり、このチップ取付部には、複数のチップの挿入孔が形成されており、前記先端チップは、硬質材料からなり、前記台金のチップ取付部に形成された挿入孔に挿入され埋設接合されており、そのチップ取付部表面からの突出長さは、挿入孔に挿入された長さの1/2以下であることを特徴とする。
【0010】
そして、このビットは、回転ケーシングチューブに、その先端周面に、単一の台金と複数の先端チップとからなるビットを、一定間隔で複数個、それぞれ交換可能に設けることによって適用できる。台金のチップ取付部を、回転ケーシングチューブの外面から外方に突出したチップ取り付け面と、回転ケーシングチューブの先端面から垂直方向に突出したチップ取り付け面と、回転ケーシングチューブの内面から内方に突出したチップ取り付け面の少なくとも3方向に形するものである。その際、回転ケーシングチューブの先端周面に一定間隔で取り付けられる複数のビットのそれぞれの円周方向の長さが、取り付けの間隔の1/2以下とするのがよい。
【0011】
これによって、本発明のビットは、回転ケーシングチューブに個々のチップに加わる衝撃が極めて小さくなり、振動および騒音が低減される。また、先端チップの突き出し長さを、挿入孔に挿入された長さの1/2以下にすることにより、高い切削抵抗が生じた場合も、チップが脱落したり、突き出し部で折損する事が無く、難削材の切断が可能となる。突き出し長さが、挿入された部分の長さの1/2より大きい場合、切削抵抗によるチップの脱落や、折損が生じる。また、先端チップ突き出し部が摩耗により突き出し量が減少すると、台金部分が摩耗し、新たなチップ突き出し部分が生じるため、掘削能率を長時間持続することを可能とした。これによって、切削抵抗に対する強度が得られ、チップの脱落、折損を防止する効果が得られる。
【0012】
さらに、それぞれのビットが回転ケーシングチューブの先端周面に取り付けられる際、ビットのそれぞれの円周方向の長さが、取り付け間隔の1/2以下の長さとする事により、ビットとビット間に少なくともビット1個分の間隙が生じ、各々のビットで削られた切り粉(土砂)が、その間隙に流入し、チューブの回転運動と台金の作用により排出される。その為、刃先の行う仕事の大部分は、被削材(地盤)を削ることに当てられるため、高能率掘削が可能となる。ビットのそれぞれの円周方向の長さが、取り付け間隔の1/2以上の場合、ビット間の間隙はビットの幅より小さくなり、流入した切り粉の排出能力が低下する。そのため、チップの仕事は、被削材を削ること以外に、排出できなかった切り粉の圧縮にも分配されるため掘削能率が低下する。
オーガ工具に本発明のビットを適用すると、個々の刃先にかかる切削抵抗が低下するため、チップ破損や脱落の問題を解消し、難削材の切断が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、本発明のビット10を削孔用回転ケーシングチューブに適用した実施例によって説明する。
【0014】
図1は、本発明のビット10の構成部分を回転ケーシングチューブ20に交換可能に取り付ける状態によって示す。このビット10は、台金1とこの台金1に埋め込まれて蝋付けされるチップ2から構成されている。そして、台金1は、回転ケーシングチューブ20の先端面に装着される装着部11と、超硬合金製で丸棒状のチップ2を取り付けるチップ取り付け部12とからなる。3はチップ取り付け部12に形成されたチップ2の挿着のための挿入孔を示す。4は、回転ケーシング20にビット10を取り付けるためのビット取り付け部材であって、回転ケーシングチューブ20の端面に一定間隔で形成された凹部に装着され蝋付けされている。このビット10の取り付け部材4は、底部41と、それに連続した両側板42と、両側板42の間の支持板43とから形成されており、基本的に、回転ケーシングチューブ20の端面に一定間隔で形成された凹部に装着され、蝋付けによって固定される。
【0015】
そして、回転ケーシングチューブ20の先端面に装着されるビット10の台金1の装着部11は、回転ケーシングチューブ20の端面に一定間隔で形成された凹部に装着され蝋付けされたビット取り付け部材4の支持板43を挟み込むように二股に形成され、この装着部11をビット取り付け部材4の支持板43を嵌合状態でスライドさせることによってビット10を回転ケーシングチューブ20の先端面に装着する。
【0016】
前記台金1のチップ取り付け部12には、回転ケーシングチューブ20の外面から外方に出た外方刃先取り付け面121と、回転ケーシングの端面方向に垂直な先端の取り付け面122と、先端の取り付け面122に連続した内方に傾斜した取り付け面123が形成されている。そして、それぞれの取り付け面121,122,123には、複数の丸棒状のチップ2を挿入するための挿入孔3が設けられており、丸棒状のチップ2は、これらの挿入孔3に挿入後、蝋付けされて、それぞれの取り付け面上に突出したボタン状のチップを形成する。このチップ2のための挿入孔3は、各取り付け面に複数設けられ、その配置の形態は、全ての取り付け面を、回転正面方向、すなわち、周方向から見て、隙間無くチップ2が配置されているように複数配置される。それぞれの取り付け面121,122,123には、複数の丸棒状のチップ2を挿入するための挿入孔3が設けられており、丸棒状のチップ2は、これらの挿入孔3に挿入蝋付けされてビット10を形成する。
【0017】
図2は、台金に形成された挿入孔3へのチップ2の挿入蝋付け状態を示すもので、チップ2の全体長さLの中の表面への突出した部分の長さl1は、挿入孔3中へ挿入された部分l2の1/2以下としている。
図3は本発明のビット10を回転ケーシングチューブ20に交換可能に取り付けた状態を端面側から見た俯瞰図によって示すもので、それぞれの取り付け面121,122,123に、チップ2が蝋付けによって埋め込まれ、その表面にはボタン状に突出したチップが形成される。これによって、チップ2を図1に示した回転ケーシングチューブ20の外方の取り付け面121と、先端の取り付け面122と、先端の取り付け面122に連続した内方に傾斜した取り付け面123上に突出したボタン状にチップを形成した状態で固定された掘削工具100が得られる。
【0018】
図3に示すように、回転ケーシングチューブ20の環状の先端面には、一定間隔で複数のビット10が配置されており、各ビット10に設けられた複数のチップ群は回転ケーシングチューブ20の環状の先端面から、任意に突出した状態で配置される。例えば、切り粉の排出をより容易にするために、突き出し量が埋め込み長さの1/2を超えない範囲内で、突き出し高さ方向で傾斜をもたせることも可能である。
【0019】
そして、回転ケーシングチューブ20の先端周面に一定間隔で取り付けられる複数のビット10は、切り粉の排出を良くし、刃先の行う仕事の大部分を切削に寄与出来る点からそれぞれの円周方向の長さWが、それぞれの取り付けの間隔Aの1/2以下の長さであることが望ましい。ビット10の円周方向の長さWが、それぞれの取り付けの間隔Aの1/2以上であれば、切り粉の排出効果が十分に得られず、刃先の仕事は切削以外に切り粉の圧縮にも分散されるから問題がある。
【0020】
このように、複数のチップ群を有するそれぞれのビット10は、回転ケーシングチューブ20の環状の先端面に一定間隔で独立して取り付けられるので、回転ケーシングチューブ20の径、サイズの如何を問わず適用できる。しかも、チップ群が回転ケーシングチューブ20の環状の先端面から突出した状態で形成されているので、掘削片はその突出基部から排出されるので、チップ2による掘削機能を低下させることはない。さらには、各掘削工具100の複数のチップ2はボタン状に形成されているので、衝撃もすくない上に、回転ケーシングチューブ20への伝達は間接的であるので、これによって干渉されるので著しく低減される。
【0021】
また、先端チップ突き出し部が摩耗により突き出し量が減少すると、台金部分が摩耗し、新たなチップ突き出し部分が生じるため、掘削能率を長時間持続することを可能とした。なお、実施例では、チップの形状を丸棒状としたが、これに限定されるものではなく、六角柱、八角柱等の柱状又は棒状としてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によって、以下の効果を奏することができる。
【0023】
1.騒音が少なく、掘削能力が高い掘削工具が得られる。
【0024】
2.ビット自体は、独立してケーシングに取り付けられるので、如何なる径のケーシングにも適用できる。
【0025】
3.組立てと調整が簡単である。
【0026】
4.高能率掘削を長時間持続出来る。
【0027】
5.高負荷切削が可能となり、従来切断が難しかった難削材の切断を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のビットの構成を示す。
【図2】本発明のビットを構成する台金へのチップの埋め込みの形態を示す。
【図3】ケーシングに本発明のビットを組み込んだ回転ケーシングチューブの外観を部分的に示す。
【符号の説明】
10 ビット
20 回転ケーシングチューブ
100 掘削工具
1 台金
11 装着部
12 チップ取り付け部
121 外方刃先取り付け面
122 先端の取り付け面
123 内方に傾斜した取り付け面
2 チップ
3 チップ挿入孔
4 ビット取り付け部材
41 底部
42 両側板
43 支持板
Claims (5)
- 単一の台金と複数の先端チップとからなる交換可能な掘削工具用のビットであって、
前記台金は、掘削工具の先端に位置するビット取り付け部分に装着される装着部と先端チップを取付けるチップ取付部からなり、このチップ取付部には、複数のチップの挿入孔が形成されており、
前記先端チップは、硬質材料からなり、前記台金のチップ取付部に形成された挿入孔に挿入され埋設接合されており、そのチップ取付部表面からの突出長さは、挿入孔に挿入された長さの1/2以下である掘削工具用ビット。 - 回転ケーシングチューブの先端周面に、単一の台金と複数の先端チップとからなるビットを、一定間隔で複数個、それぞれ交換可能に設けた掘削工具であって、
前記台金は、掘削工具の先端に位置するビット取り付け部分に装着される装着部と先端チップを取付けるチップ取付部からなり、このチップ取付部には、複数のチップの挿入孔が形成されており、
前記先端チップは、硬質材料からなり、前記台金のチップ取付部に形成された挿入孔に挿入され埋設接合されており、そのチップ取付部表面からの突出長さは、挿入孔に挿入された長さの1/2以下であり、
さらに、
前記台金のチップ取付部は、回転ケーシングチューブの外面から外方に突出したチップ取り付け面と、回転ケーシングチューブの先端面から垂直方向に突出したチップ取り付け面と、回転ケーシングチューブの内面から内方に突出したチップ取り付け面の少なくとも3方向に形成されている掘削工具。 - 回転ケーシングチューブの先端周面に一定間隔で取り付けられる複数のビットのそれぞれの円周方向の長さが、取り付けの間隔の1/2以下である請求項2に記載の掘削工具。
- 掘削工具がカッタービットによって駆動される削孔用回転ケーシングチューブである請求項2または3に記載の掘削工具。
- 請求項1に記載の掘削工具用ビットを有する掘削用オーガ工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308953A JP2004143780A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 掘削工具用ビットとそれを使用した掘削工具および掘削用オーガ工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308953A JP2004143780A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 掘削工具用ビットとそれを使用した掘削工具および掘削用オーガ工具 |
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2002
- 2002-10-23 JP JP2002308953A patent/JP2004143780A/ja not_active Withdrawn
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