JP3777890B2 - 掘削工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の掘削工事に用いられるダウンザホールビット等の掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の掘削工具としては、工具本体の後端部にシャンク部が設けられるとともに、先端部の外径がこのシャンク部より大きくされ、この先端部に超硬合金等の硬質材料よりなる切刃チップが植設されることによって切刃が設けられた、いわゆるダウンザホールビットが一般的に知られている。そして、このダウンザホールビットでは、上記シャンク部の後端面、すなわち工具本体の後端面をハンマ等で直接打撃することにより、またこれに加えて上記シャンク部を介して工具本体をその軸線回りに回転させたりすることにより、上記先端部に設けられた切刃によって土砂や岩石等を破砕して掘削を行ってゆく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなダウンザホールビット等の掘削工具による掘削では、掘削の進行に伴い、工具本体の切刃が設けられた上記先端部に摩耗が生じることが避けられず、この摩耗は特に工具本体を回転させながら掘削を行う場合において掘削量が多くなる先端部の外周側で著しくなる。そして、この摩耗がある程度進行すると、切刃を形成する上記切刃チップの脱落などが生じるため、それ以上の掘削は不可能となる。ところが、こうして掘削不能とされた掘削工具においても、上記先端部の内周側やシャンク部には摩耗等の損傷が生じていなかったり軽微であったりすることがあり、それにも拘らず従来の掘削工具では、その工具本体がシャンク部から先端部にかけて一体形成されているため、工具本体全体を廃棄せざるを得なかった。また、このように工具本体が一体形成されているため、従来の掘削工具では、掘削する削孔等の掘削径が異なる場合には複数種の掘削工具を用意しなければならず、非効率的かつ非経済的であるという問題もあった。
【0004】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、工具本体の先端部外周側に摩耗が生じても工具本体ごと廃棄する必要がなく、また一つの工具本体でも異なる掘削径の削孔の掘削などが可能な、きわめて経済的な掘削工具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、工具本体の先端部に軸状に突出する取付部を形成し、この取付部に、少なくともその円環状をなす端面に切刃が設けられたリングビットを着脱可能に嵌挿して取り付け、該リングビットを、上記取付部に反転させて取付可能としたことを特徴とする。従って、このように構成された掘削工具においては、上記リングビットによって工具本体の先端外周部が構成されることになるため、この部分に摩耗が生じた場合には、上記リングビットを交換することにより、シャンク部や取付部などの他の工具本体部分を廃棄したりすることなく、掘削作業を続行することができるとともに、このリングビットを外径の異なるものに交換することによって一つの工具本体で異なる掘削径の削孔を掘削することができる。
【0006】
また、上記リングビット、その円環状をなす両端面に切刃設けられ、上記取付部に反転させて取付可能とされていることにより、一つのリングビットを、その表裏両端面に設けられた切刃によって2回使い回すことが可能となり、経済的である。
【0007】
一方、上記取付部の先端面を、上記リングビットの先端側を向く端面よりも突出するようにした場合には、この突出した取付部の先端で掘削することにより脆くなった岩石等をその周りのリングビットによって掘削することができるので、特に硬岩層の掘削などに用いて好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態を示すものである。これらの図に示す実施形態において工具本体1は、先端側に向けて外径が段階的に拡径する軸線Oを中心とした多段円柱状をなしており、その先端側の最も拡径した部分が取付部2とされるとともに、これよりも後端側の縮径した部分がシャンク部3とされていて、このシャンク部3に図示されないハンマ等が装着されて上記軸線O方向先端側に向けて打撃力が与えられるとともに、該軸線O回りに符号Tで示す工具回転方向に回転させられる。なお、このシャンク部3の外周には、当該工具本体1を回転させるためのスプライン溝4…が周方向に等間隔に形成されるとともに、シャンク部3から取付部2にかけては、フットバルブ5を介して圧縮空気等の供給孔6が上記軸線Oに沿って穿設されていて、この供給孔6は取付部2内において3方向に分岐して取付部2の先端面に開口させられている。
【0009】
この取付部2の先端面は、その内周側が軸線Oを中心とする円形の平坦面とされるとともに外周側が漸次先端側に突出するすり鉢状に形成されており、この先端面の突出する外周側の部分には放射状に複数条(本実施形態では6条)の断面U字状の凹溝7…が形成されている。ここで、このうち周方向に1つおきの3条の凹溝7A…は、先端面の内周側の上記円形の平坦面の外周から軸線Oに対する径方向外周側に延びていて、その溝底面が軸線Oに直交する方向に延びた後に該先端面の外周縁において後端側に曲折して傾斜するように形成されており、3方向に分岐した上記供給孔6はそれぞれこの凹溝7A…の溝底面の軸線Oに直交する方向に延びる部分に開口させられている。また、残りの3条の凹溝7B…は、この先端面の外周側部分に形成されており、その溝底面が外周側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜させられている。そして、この取付部2の先端面には、超硬合金等の硬質材料よりなる多数の切刃チップ8…が、上記凹溝7…を避けるようにして植設されている。
【0010】
一方、取付部2の外周面には、軸線Oに直交する断面が周方向に互いに等しい幅でかつ等間隔に配置された該軸線Oを中心とする円弧状をなす複数条の嵌挿溝9…が、それぞれ取付部2の上記先端面から僅かに後退した位置から軸線Oに平行に後端側に向けて延びて取付部2の後端面に開口するように形成されている。さらに、各嵌挿溝9の工具回転方向T側を向く壁面からは、軸線Oを含む断面が取付部2の外周面に開口する「コ」字状をなす3条の取付溝10…が、互いに平行に軸線O方向に並んで、それぞれ周方向に沿って工具回転方向Tの後方側に延びるように、しかもこの工具回転方向Tの後方側の嵌挿溝9には達しないように形成されている。
【0011】
ここで、これらの取付溝10…は、上記嵌挿溝9と等しい深さとされていて、このうち軸線O方向先端側の取付溝10Aは、その後端側を向く壁面が嵌挿溝9の後端側を向く壁面と面一となるように形成され、また軸線O方向中央部の取付溝10Bは他の取付溝10A,10Cよりも僅かに幅広とされ、さらにこれら取付溝10A,10Cは、取付溝10Bの軸線O方向の中心を通って該軸線Oに直交する仮想平面Pに対して対称となるように形成されている。従って、取付溝10A,10Cは互いに等しい幅とされ、かつ軸線O方向において取付溝10Bとの間に等しい間隔をもって形成される。さらに、各嵌挿溝9…の外周側を向く底面には、上記仮想平面P上にあって上記各凹溝7A…の外周端から軸線Oに平行に後端側に後退した位置に、それぞれ凹孔11が周方向に等間隔に形成されている。
【0012】
そして、このように形成された取付部2には、円環状をなすリングビット12が着脱可能に取り付けられている。このリングビット12は、本実施形態では外形が略円筒状をなすものであって、取付部2への取付状態において上記仮想平面Pに対して対称となるように形成されている。さらに、このリングビット12の内周部は取付部2の外周に嵌挿可能な大きさとされていて、この内周部には、それぞれ周方向に延びる各3条の取付凸部13…が、互いに平行に軸線O方向に3列並ぶように形成されており、すなわち合計9条の取付凸部13…が形成されている。
【0013】
これらの取付凸部13…は、それぞれ軸線Oに直交する断面が上記嵌挿溝9…に嵌挿可能な円弧状とされるとともに、軸線Oを含む断面においてはリングビット12の内周部に「コ」字状に突出するように形成されている。さらに、これらの取付凸部13…のうち、軸線O方向両端側の取付凸部13A,13Cは、この軸線Oを含む断面が上記取付溝10A,10Cに嵌挿可能な幅および高さとされるとともに、軸線O方向中央の取付凸部13Bは上記取付溝10Bに嵌挿可能な幅および高さとされ、かつ軸線O方向に隣接する取付凸部13A,13Bおよび取付凸部13B,13C間の間隔も、各取付凸部13A〜13Cを取付溝10A〜10Cに嵌挿可能な大きさに設定されている。従って、本実施形態では、これら取付凸部13…を上記嵌挿溝9…に合わせてリングビット2を軸線O方向後端側から取付部2に外嵌し、先端側の取付凸部13A…が嵌挿溝9の後端側を向く壁面に当接したところで、リングビット12を工具回転方向Tの後方側に回転させることにより、取付凸部13A,13B,13Cが取付溝10A,10B,10Cに嵌挿され、さらに各取付凸部13…の工具回転方向T後方側の端面が取付溝10…の工具回転方向T側を向く壁面に当接してリングビット12が位置決めされる。
【0014】
さらに、リングビット12の両端面および外周面には、こうしてリングビット12が位置決めされた状態において、取付部12の先端面の上記凹溝7…に連通するように該凹溝7と同数(本実施形態では6条)の凹溝14…が形成されている。すなわち、リングビット12の外周面には、軸線Oに平行に延びる断面略等脚台形状の幅広溝部14A…が周方向に等間隔に形成されるとともに、リングビット12の両端面には、各幅広溝部14A…の端部から内周側に延びて上記位置決め状態において凹溝7と一致する断面U字状の放射溝部14B…が形成されており、これら幅広溝部14Aと放射溝部14Bとによって上記凹溝14が形成されている。なお、リングビット12の両端面に形成される放射溝部14Bの溝底面は、上記凹溝7Aの外周縁部分の溝底面および上記凹溝7Bの溝底面がなす傾斜に合わせて、外周側に向かうに従い該リングビット12の軸線O方向中央部側(仮想平面P側)に向かうように傾斜させられている。
【0015】
さらにまた、これらの凹溝14…のうち、上記凹溝7A…に連通する3条の凹溝14…の上記幅広溝部14Aには、上記仮想平面P上において当該リングビット12を軸線Oに対する径方向に貫通するように取付孔15がそれぞれ形成されており、従ってこれらの取付孔15…は、上記位置決め状態において取付部2の凹孔11に連通することとなる。そして、このように取付孔15と凹孔11とを一致させた上で、これらに外周側からピン16を打ち込み、さらにスペーサ17を介しスナップリング18によって抜け止めすることにより、取付部2に対するリングビット12の工具回転方向T側への回転が拘束され、この取付部2にリングビット12が固定されて取り付けられる。
【0016】
しかして、本実施形態では、この取付状態において取付部2の先端面は、その外周側のすり鉢状に突出した部分がリングビット12の先端側を向く端面よりも突出するように配置されている。そして、このリングビット12の両端面と外周面のうち両端面側の縁部とには、やはり超硬合金等の硬質材料よりなる切刃チップ19…が上記凹溝14を避けるように植設されており、このリングビット12に植設された切刃チップ19…のうち上記取付状態において先端側を向く端面およびこの端面側の外周面に植設された切刃チップ19…と、取付部2の先端面に植設された切刃チップ8…とにより、この取付状態における本実施形態の掘削工具の切刃が形成される。なお、これらリングビット12に植設される切刃チップ19…の配置については、当該リングビット12の形状と同様に上記仮想平面Pについて対称となるような配置とされていてもよいが、少なくともこの仮想平面Pについて当該リングビット12を反転させた際に対称となるような配置とされていればよい。
【0017】
しかるに、このように構成された掘削工具においては、上記ハンマ等からシャンク部3を介して工具本体1に与えられる軸線O方向先端側への打撃力は、取付部2の取付溝10…から取付凸部13…を介してリングビット12に伝えられるとともに、工具回転方向Tへの回転力は、やはり取付溝10…の工具回転方向T側を向く壁面から取付凸部13…の工具回転方向T後方側を向く端面を介してリングビット12に伝えられ、従ってこれによりリングビット12は工具本体1と一体に回転させられるとともに打撃力を受け、その先端に設けられた上記切刃によって岩層等を掘削してゆく。そして、この掘削の進行に伴い、特に回転中心となる軸線Oから離れているために掘削量が多くなるリングビット12の先端面において摩耗等が生じた場合には、上記構成の掘削工具においてはリングビット12が工具本体1の取付部2に着脱可能とされているので、これを交換したり、あるいは特に本実施形態ではリングビット12を反転させて取り付け直したりすることにより、工具本体1はそのままにして掘削を続行することができる。
【0018】
すなわち、このようにリングビット12に摩耗などの損傷が生じた場合には、上記スナップリング18…を外して凹孔11および取付孔15からピン16およびスペーサ17を抜いた上で、リングビット12を取付部2に対して工具回転方向Tに回転させて各取付凸部13…を取付溝10…から抜き出し、そのままリングビット12を軸線O方向後端側に引き出すことにより、取付凸部13…が嵌挿溝9を通ってリングビット12が取付部2から取り外されるので、この損傷したリングビット12だけを新たなものに交換したりすればよい。従って、上記構成の掘削工具によれば、このような損傷が生じても工具本体1はそのまま使用することが可能であり、従来のように工具全体を交換して廃棄しなければならないのに比べ、きわめて経済的な掘削を図ることができる。
【0019】
また、このようにリングビット12が工具本体1の取付部2に着脱可能とされているため、上記掘削工具によれば、このリングビット12をその形状や寸法が異なるものに交換することにより、1つの工具本体1で多種多様な掘削作業に対応することが可能となる。すなわち、例えば掘削すべき削孔の内径が異なる掘削を行うような場合には、各削孔の内径に合わせた外径を有する複数のリングビット12…を用意しておき、1つの工具本体1の取付部2にこれらを適宜交換して取り付けて掘削を行えばよい。従って、上記構成の掘削工具によれば、このような場合でも工具自体を複数種用意したりする必要がなく経済的であるとともに、効率的な掘削を促すことが可能となる。
【0020】
しかも、本実施形態では、このリングビット12の両端面と該両端面側の外周面にそれぞれ切刃チップ19…が植設されて切刃が設けられるとともに、工具本体1の取付部2に形成される取付溝10…は上記仮想平面Pについて対称に形成され、またこの取付部2に取り付けられるリングビット12も上記取付凸部13…を含めて仮想平面Pについて対称とされており、すなわちリングビット12が、図1に示す状態から仮想平面Pについて反転させた状態でも取付部2に取付可能とされている。なお、このとき上記取付凸部13Aは取付溝10Cに、また取付凸部13Cは取付溝10Aにそれぞれ嵌挿されることとなる。従って、本実施形態によれば、上記リングビット12の両端面側に設けられた切刃のどちらでも一方を選択的に工具本体1の先端側に向けて取付部2の先端面の切刃とともに使用することが可能であり、この一方の端面側に損傷が生じたりした場合には、リングビット12を反転させることによって他方の端面側の切刃を使用することが可能であり、結果的に1つのリングビット12でも2回の切刃の使い回しが可能となるので、該リングビット12についても、損傷が生じたからといって直ちに廃棄したりすることなく有効利用を図ることができ、一層経済的かつ効率的な掘削を促すことが可能となる。
【0021】
一方、本実施形態では、こうして取付部2に取り付けられたリングビット12の先端側を向く端面に対し、該取付部2の先端面の外周側部分が軸線O方向先端側に突出させられており、従って上記打撃力による工具本体1の前進に伴い、この取付部2の先端面に植設された切刃チップ8…によってまず削孔底部の内周側が掘削され、次いで外周側がリングビット12の切刃チップ19…によって掘削されてゆく。従って、本実施形態によれば、先に内周側が掘削されて崩れ易くなった削孔をリングビット12が所定の径に掘削してゆくような状態となるため、特に硬岩層の掘削等においてより一層効率的な掘削を図ることができるという利点も得られる。なお、この掘削の際に切刃チップ8…,19…によって生成される掘削屑は、上記供給孔6から工具本体1の先端側に噴出する圧縮空気等により上記凹溝7…,14…を通って後端側に押し出されて排出される。
【0022】
ところで、この第1の実施形態では、上述のようにリングビット12が工具本体1の軸線O方向後端側から上記取付部2に嵌挿されて取り付けられる構造とされているが、この工具本体1の後端側にはシャンク部3に上記ハンマ等が取り付けられており、従ってこのリングビット12を着脱する際には工具本体1を一旦ハンマ等から取り外さなければならない。また、このようにリングビット12を工具本体1の後端側から取付部2に取り付ける場合には、取付部2の外径やリングビット12の内径は当該掘削工具の掘削径やシャンク部3の外径などによって制限されるため、このリングビット12を取付部2に取り付けるための取付溝10の深さや取付凸部13の高さといった寸法も制限されざるを得ず、リングビット12の取付剛性を確保するにも限度がある。加えて、上述のようにリングビット12を円筒状とするなどして反転させて使用可能とした場合には、掘削された削孔の内周にリングビット12の外周面が摺接する部分の長さも長くなり、掘削抵抗の増大を招くという問題も生じる。
【0023】
そこで、このような問題を解決するためには、図4ないし図7に示す本発明の第2の実施形態の掘削工具のように、工具本体21先端側の取付部22の後端側に、外周側に一段拡径する段部23を形成し、リングビット24の後端側を向く端面25がこの段部23に当接した状態で該リングビット24を取付部22に取付可能として、リングビット24を工具本体21の先端側から取り付ける構造とするのが望ましく、さらにはこのリングビット24を反転して使用可能とはせずに、削孔の内周に摺接することとなるリングビット24の上記切刃が設けられる部分の軸線O方向の幅Wを、該リングビット24の外径Dに対して0.15〜0.28×Dの範囲内に設定するのが望ましい。なお、これらの図に示す第2の実施形態において、上記第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を簡略化あるいは省略する。
【0024】
すなわち、この第2の実施形態においては、その工具本体21先端側の取付部22の先端部外周に、内周側に一段凹む環状の凹部26が形成されるとともに、これよりも後端側の取付部22外周には、上記凹部26に開口して軸線Oに平行に後端側に延びる複数条(本実施形態では3条)の断面円弧状の嵌挿溝27…が周方向に等間隔に形成され、さらにこれらの嵌挿溝27…の工具回転方向T側を向く壁面からは、上記凹部26よりも後端側に離間した位置に、工具回転方向Tの後方側に延びる断面「コ」字状の取付溝28…がそれぞれ形成されている。ただし、本実施形態ではこの取付溝28の数は各嵌挿溝27について1つずつの合計3条であり、また該取付溝28の深さは上記嵌挿溝27および凹部26の深さと等しくされている。
【0025】
そして、さらにこの取付部22の後端側には、該取付部22よりも一段外周側に拡径する上記段部23が円環状に形成されており、この段部23の先端側を向く端面23Aは上記取付溝28…の先端側を向く壁面と面一となるようにされている。なお、上記凹部26の内周側に画成される取付部22の先端面には、本実施形態では3条の凹溝7…が周方向に等間隔に放射状に形成されているだけであり、取付部22内で3方向に分岐した上記供給孔6…は、これらの凹溝7…の溝底面にそれぞれ開口させられている。ただし、3条のうち1条の凹溝7に開口する供給孔6はこの凹溝7の内周側の溝底面に開口させられているのに対し、残りの2条の凹溝7,7に開口する供給孔6,6はそれぞれ該凹溝7,7の溝底面において外周側に開口させられている。
【0026】
一方、本実施形態における上記リングビット24は、その外周面29が後端側に向けて、緩やかな傾斜で縮径する第1テーパ部29Aと、これよりも大きな傾斜で縮径する第2テーパ部29Bと、軸線Oに平行に延びて上記端面25に至る円筒部29Cとから構成されていて、この円筒部29Cの外径、すなわちリングビット24の後端側を向く端面25の外径は、上記段部23の外径と等しくされている。また、本実施形態でも、この外周面29には6条の凹溝14…が周方向に等間隔に形成されているが、これらの凹溝14…はリングビット24の先端面から上記第2テーパ部29Bにかけて形成されているだけであって、第1の実施形態のようにリングビット24の全長に亙ってはおらず、しかもこれら6条の凹溝14…のうち1つおきの3条の凹溝14…のみが幅広溝部14Aとされて、その先端側にのみ内周側に延びる上記放射溝部14B…が形成され、該リングビット24を取付部22に取り付けた状態で上記凹溝7…に連通するようになされている。
【0027】
さらに、本実施形態のリングビット24の内周部には、その先端側に取付部22の上記凹部26に嵌合可能な凸部30が環状に形成されるとともに、この凸部30との間に軸線O方向に間隔を開けて上記端面25側には、軸線Oに直交する断面形状が上記嵌挿溝27に嵌挿可能とされ、かつ軸線Oを含む断面形状が上記取付溝28に嵌挿可能とされた3つの取付凸部31…が、そのまま上記端面25に至るように形成されている。従って、これらの取付凸部31…を上記嵌挿溝27…に合わせて先端側からリングビット24を取付部22に外嵌し、上記端面25が段部23に当接したところで、リングビット24を工具回転方向Tの後方側に回転させて取付凸部31…を取付溝28…に嵌挿することにより、リングビット24は取付部22に位置決めされるので、この状態で図示されないピンやスペーサ、スナップリング等によって工具回転方向T側への回転を拘束することにより、リングビット24は取付部22に固定されて取り付けられる。
【0028】
なお、この取付状態において、リングビット24内周部先端側の上記凸部30は取付部22の先端外周側の上記凹部26に嵌合し、取付部22とリングビット24との間に先端側に開口する開口部が画成されるのが防がれている。また、本実施形態では、この取付状態において取付部22の先端面が、その外周側から内周側に向かうに従い、リングビット24の先端面に対してすり鉢状に後退して軸線Oに直交する円形の平坦面に至るようになされている。そして、この取付部22の先端面には切刃チップ8…が、またリングビット24の先端面と外周面29のうち上記第1テーパ部29Aとには切刃チップ19…が、それぞれ凹溝7,14を避けるように植設されて切刃が設けられており、従って本実施形態では、この切刃が設けられる部分の幅Wは、リングビット24の先端面から外周面29の上記第1テーパ部29Aまでの幅となり、この幅Wが当該リングビット24の外径Dに対して0.15〜0.28×Dの範囲内とされている。
【0029】
しかるに、このように構成された第2の実施形態の掘削工具においても、リングビット24が工具本体21先端の取付部22に着脱可能とされているので、このリングビット24に摩耗等の損傷が生じた場合には、これを交換することにより、工具本体21は廃棄したりすることなく経済的な掘削作業が可能であるとともに、図4および図5に鎖線で示すようにこのリングビット24をその外径Dが異なるものに交換したりすることにより、内径の異なる削孔を掘削する場合など多種多様の掘削作業に使用が可能な汎用性の高い掘削工具を提供することができる。そして、本実施形態では、このリングビット24が上述のように工具本体21の先端側から取付部22に嵌挿されて取付可能とされているので、このリングビット24の交換の際にいちいち工具本体21をハンマ等から取り外す必要がなく、効率的な交換作業を行うことができる。
【0030】
また、本実施形態では、このようにリングビット24を工具本体21の先端側から着脱可能とするに際して、取付部22の後端側に外周側に拡径する段部23が形成されており、リングビット24はその後端側を向く端面25がこの段部に先端側から当接した状態で取り付けられているので、リングビット24の取付剛性の向上を図ることができ、上記ハンマ等から工具本体21に与えられた軸線O方向先端側への打撃力を、この段部23を介してリングビット24により効率的に伝えることが可能となる。すなわち、本実施形態においてこの段部23が形成されていない場合を想定すると、ハンマ等からの打撃力は互いに嵌合する上記凹凸部26,30を介してのみリングビット24に伝えられることとなり、これら凹凸部26,30の寸法は、取付部22やリングビット24の外径等によって制限を受けるため、リングビット24の取付剛性を十分に確保できなくなるおそれが生じる。
【0031】
さらに、本実施形態では、このように段部23が形成されることにより、この段部23に当接するリングビット24の後端側を向く端面25には切刃チップ19は植設されず、従って第1の実施形態のようにリングビット24が反転して使用可能とされることもない。従って、このリングビット24の形状は、反転使用を考慮することなく自由に設定できるので、本実施形態のように切刃チップ19…が植設される外周面29の上記第1テーパ部29Aまでの切刃が設けられる部分の幅Wを0.28×D以下として小さくし、これよりも後端側では第2のテーパ部29Bによって削孔の内壁に対する逃げを確保することにより、リングビット24が必要以上に削孔に摺接するのを防いで掘削抵抗の増大を抑えることができる。ただし、この切刃が設けられる部分の軸線O方向の幅Wが小さすぎると、掘削が取付部22およびリングビット24の先端面だけによって行われることとなって掘削効率が損なわれるおそれがあるので、この幅Wは本実施形態のように0.15〜0.28×Dの範囲内とされるのが望ましい。
【0032】
さらにまた、本実施形態では、上記取付部22の先端面がリングビット24の先端面に対して後退した位置に配置されており、従って該掘削工具によって掘削される削孔の底部は、上記第1の実施形態とは逆に、先にその外周側の部分が円環状に掘削されて内周側の中央部が突起状に残されることとなり、この残された削孔底部中央の突起に、取付部22の先端面が後退することにより画成される凹部が係合しながら掘削が行われる。このため、本実施形態では、これら突起と凹部との係合によって掘削時の工具本体1の軸線Oに対する径方向の振れが抑えられ、工具本体1が該軸線O方向に真っ直ぐ案内されるように前進させられて掘削が行われることとなるため、掘削される削孔に特に厳密な直進性が要求されるような場合において好適である。
【0033】
ただし、本実施形態ではこのように取付部22の先端面をリングビット24の先端面に対して後退させているが、例えば硬岩層の掘削を行う場合などには第1の実施形態のように取付部22の先端面をリングビット24の先端面よりも突出させるようにしてもよく、逆に第1の実施形態においても厳密な直進性が要求されるような場合は、その上記取付部2の先端面をリングビット12の先端面よりも後退させるようにしてもよい。また、そのような必要がない場合などにはこれら取付部2,22の先端面とリングビット12,24の先端面とを面一に配置するようにしてもよい。さらに、これら第1、第2の実施形態では、工具本体1,21の取付部2,22側に嵌挿溝9,27および取付溝10,28を形成するとともにリングビット12,24側に取付凸部13,31を形成して該リングビット12,24を着脱可能としているが、これとは逆に取付部の外周に取付凸部を形成するとともにリングビット内周にはこの取付凸部が嵌挿可能な嵌挿溝や取付溝したりして、リングビットをこの取付部に着脱可能とすることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、工具本体の先端部に形成された取付部に、切刃を備えたリングビットが着脱可能に取り付けられているので、特に掘削量が大きくなるこのリングビットに摩耗等の損傷が生じたりした場合でも、これを交換することにより工具本体は廃棄したりせずに掘削を行うことができて経済的であるとともに、例えば削孔の内径が異なる掘削を行うような場合でも、このリングビットを異なる外径のものに交換することによって速やかに対応することができて、効率的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態を先端側からみた正面図である。
【図3】 図1におけるXX断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態を示す側断面図である。
【図5】 図4に示す実施形態を先端側からみた正面図である。
【図6】 図4におけるYY断面図である。
【図7】 図4におけるZZ断面図である。
【符号の説明】
1,21 工具本体
2,22 取付部
3 シャンク部
7,14 凹溝
8,19 切刃チップ(切刃)
9,27 嵌挿溝
10,28 取付溝
12,24 リングビット
13,31 取付凸部
O 工具本体1,21の中心軸線
T 工具回転方向
D リングビット24の外径
W リングビット24に切刃が設けられる部分の幅

Claims (3)

  1. 工具本体の先端部に軸状に突出する取付部が形成され、この取付部に、少なくともその円環状をなす端面に切刃が設けられたリングビットが着脱可能に嵌挿されて取り付けられ、該リングビットは、上記取付部に反転させて取付可能とされていることを特徴とする掘削工具。
  2. 上記取付部の先端面が、上記リングビットの先端側を向く端面よりも突出していることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 上記リングビットが、上記工具本体の軸線方向後端側から上記取付部に嵌挿されて取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工具。
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