JP2018119345A - 掘削工具 - Google Patents

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田中 邦彦
Kunihiko Tanaka
邦彦 田中
中村 和由
Kazuyoshi Nakamura
和由 中村
博士 太田
Hiroshi Ota
博士 太田
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Abstract

【課題】パイロットビットの掘削チップを小さくせずとも十分な量の流体を供給して破砕物を効率的に除去して、削孔性能や削孔効率の向上とパイロットビットの寿命の延長を図る。
【解決手段】軸線O回りに回転させられるパイロットビット1と、その先端部1Aに取り付けられる円環状のリングビット2を備え、パイロットビット1およびリングビット2の先端面1B、2Aには掘削チップ3が取り付けられ、リングビット2は、パイロットビット1に対して軸線O回りに一体に回転可能、かつ軸線O方向先端側に抜脱自在とされ、パイロットビット1の先端部1A外周には、先端面1Bに開口して後端側に延びる凹溝12が形成されるとともに、パイロットビット1の内部には、流体を供給する供給孔13Aが形成されていて、この供給孔13Aは凹溝12の後端部に開口している。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば地盤強化のためのロックボルト打設作業に用いられる掘削工具に関するものである。
このようなロックボルト打設作業に用いられる掘削工具として、特許文献1には、パイロットビットとリングビットとを備えた掘削工具の後端側にパイプ状のロックボルトを配設して、これらパイロットビットとリングビットの先端面に取り付けられた掘削チップにより掘削孔を形成しつつ、この掘削孔にロックボルトを挿入してゆき、所定の深さまで掘削孔が形成されてロックボルトが打設されたなら、パイロットビットからリングビットを抜き外してロックボルトとともに掘削孔に残し、パイロットビットをロックボルトから引き抜くことによって回収するようにしたものが提案されている。
オーストラリア特許出願公開第2013251196号明細書
ところで、このような掘削工具において削孔性能や削孔速度の向上を図るには、パイロットビットとリングビットの先端面に取り付けられる掘削チップによる岩盤の削孔効率を高めることは勿論のこと、削孔により生じた破砕物を如何に効率的に除去するかが重要となる。掘削チップによって効率よく岩盤を破砕することができても、破砕物が除去されずに滞留したままでは二次的に破砕されるだけで、掘削工具を前進させることができなくなって削孔性能や削孔速度の低下を招くことになる。また、滞留した破砕物によってパイロットビットやリングビットの摩耗が促進されてしまい、特に回収して再利用するパイロットビットの寿命が短縮することにもなる。
ここで、上記特許文献1には、流体を供給する導孔をパイロットビットの先端面に開口するように形成することが記載されているが、このようにパイロットビットの先端面に開口する導孔から流体を十分に供給して効率的に破砕物を除去するには、導孔の断面積やその開口部の面積を大きく確保しなければならない。しかしながら、こうして導孔やその開口部を大きくすると、パイロットビットの先端面に取り付けられる掘削チップと干渉してしまうために掘削チップを小さくせざるを得ず、削孔効率が損なわれることによって削孔性能や削孔速度の低下を招くとともに、掘削チップの摩耗によってパイロットビット寿命が短縮する結果となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、パイロットビットの掘削チップを小さくせずとも十分な量の流体を供給して破砕物を効率的に除去することができ、削孔性能や削孔効率の向上とパイロットビットの寿命の延長を図ることが可能な掘削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転させられるパイロットビットと、このパイロットビットの先端部に取り付けられる円環状のリングビットとを備え、これらパイロットビットおよびリングビットの先端面には掘削チップが取り付けられており、上記リングビットは、上記パイロットビットに対して上記軸線回りに一体に回転可能、かつ該軸線方向先端側に抜脱自在とされ、上記パイロットビットの先端部外周には、該パイロットビットの先端面に開口して後端側に延びる凹溝が形成されるとともに、上記パイロットビットの内部には、流体を供給する供給孔が形成されていて、この供給孔は上記凹溝の後端部に開口していることを特徴とする。
このように構成された掘削工具では、流体を供給する供給孔は、パイロットビットの先端部外周に形成された凹溝の後端部に開口しており、従って供給孔の断面積を大きくしても、パイロットビットの先端面に取り付けられる掘削チップとの干渉を抑えることができる。また、掘削チップはパイロットビットの先端面において凹溝が開口していない部分に取り付けられるので、凹溝の断面積や先端面への開口面積を大きくしても、掘削チップとの間に十分な肉厚をパイロットビットに確保することができ、これらにより掘削チップを小さくすることなく十分な量の流体を供給することが可能となる。
さらに、上記リングビットの内周部に、このリングビットの内周側に突出して上記凹溝と嵌合する凸部を形成してリングビットをパイロットビットと一体に回転可能とした場合には、この凸部を、上記凹溝の溝底面との間に間隔をあけるとともに、該凸部の先端面は先端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜させて形成することにより、供給孔から供給された流体を、凹溝の溝底面と凸部との間から凸部の先端面を通して拡散させることができ、パイロットビットとリングビットの先端面全体に満遍なく行き渡らせて一層効率的な破砕物の除去を図ることができる。
また、こうして除去された破砕物は、上記リングビットの外周部に複数の排出溝を周方向に間隔をあけて形成することにより、これらの排出溝を通してリングビットの後端側に排出させられる。このとき、周方向に隣接する上記排出溝の間には、上記リングビットの先端面から後端側に延びる突条部が形成されることになるが、この突条部を、リングビットが先端部に取り付けられた状態で上記パイロットビットの上記凹溝の外周側に位置するように形成するとともに、上記リングビットの上記掘削チップを、この突条部における上記リングビットの先端面に取り付けることにより、凹溝から供給された流体の一部をリングビットの掘削チップに当てて、この掘削チップにより破砕された破砕物を伴いつつ掘削工具の回転によって隣接する排出溝に速やかに排出することができ、さらに効率的に破砕物を除去することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、掘削チップを小さくせずとも流体を十分にパイロットビットとリングビットの先端面に供給して破砕物を効率的に除去することができ、削孔効率を損なうことなく削孔性能や削孔速度の向上を図ることができるとともに、パイロットビットの使用可能回数を増やすことができて、長寿命の掘削工具を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 図3におけるZZ断面図である。 図1に示す実施形態のパイロットビットの斜視図である。 図5に示すパイロットビットの側面図である。 図5に示すパイロットビットの正面図である。 図7におけるZZ断面図である。 図1に示す実施形態のリングビットの斜視図である。 図9に示すリングビットの側面図である。 図9に示すリングビットの正面図である。 図11におけるZZ断面図である。
図1ないし図12は本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態の掘削工具は、図5ないし図8に示す軸線Oを中心とした概略円柱状のパイロットビット1と、このパイロットビット1の先端部1Aに同軸に取り付けられる、図9ないし図12に示すやはり軸線Oを中心とした円環状のリングビット2とを備えている。これらのパイロットビット1およびリングビット2は、その本体が鋼材等の金属材料により形成されるとともに、パイロットビット1の先端面1Bとリングビット2の先端面2Aには、本体よりも硬質な超硬合金等よりなる掘削チップ3がそれぞれ取り付けられている。
また、パイロットビット1の内部には、その後端面から先端側に向けて軸線Oを中心とした雌ネジ孔1Cが形成されており、この雌ネジ孔1Cには、図示されない掘削機械に連結された管状の掘削ロッドの先端の雄ネジ部がねじ込まれる。さらに、この掘削ロッドの外周には、上記パイロットビット1よりも後端側において、外周面に雄ネジ部が形成されたパイプ状のロックボルトが配設される。
このような掘削工具は、上述のようにパイロットビット1の先端部1Aにリングビット2が取り付けられた状態で、上記掘削ロッドを介して軸線O回りに回転させられつつ軸線O方向先端側(図1、図5、図9における右下側、図2、図4、図6、図8、図10、図12における右側)に打撃力を受けるとともに前進させられ、上記掘削チップ3によって岩盤を破砕することにより削孔して掘削孔を形成する。また、こうして形成される掘削孔には、掘削工具の後端側(図1、図5、図9における左上側、図2、図4、図6、図8、図10、図12における左側)から上記ロックボルトが挿入されて岩盤に打設される。打設されるロックボルトの内径は、パイロットビット1の外径よりも大きく、リングビット2の外径よりは小さく設定される。
パイロットビット1の上記本体は、その軸線O方向の中央部の外周面が該軸線Oを中心とした一定外径の円筒面状とされるとともに、上記先端部1Aの後端側部分1aの外周面と後端部の外周面とは、この中央部からそれぞれ先端側と後端側とに向かうに従い軸線Oに対して緩やかな例えば30°の一定の傾斜角θで内周側に向かう凸円錐台面状に形成されている。また、先端部1Aの先端側部分1bの外周面は次述する切欠部11を除いて、後端側部分1aの先端の外周面から僅かに拡径した一定外径の円筒面状とされ、さらにパイロットビット1の先端面1Bは、中央部が軸線Oに垂直な円形の平坦面とされるとともに、外周部は外周側に向かうに従い緩やかな傾斜角で軸線O方向後端側に向かう円錐台面状とされている。
このパイロットビット1の先端部1Aの上記先端側部分1bの外周面には、切欠部11が形成されている。この切欠部11は、軸線Oに沿った断面において図8に示すように先端部1Aの先端側部分1bから後端側部分1aの先端部までの外周面をL字状に切り欠くようにして形成されたものであって、先端側を向く軸線Oに垂直な壁面11Aと、この壁面11Aの内側から垂直に、すなわち軸線Oに平行に先端側に延びてパイロットビット1の先端面1Bに交差する平面状の底面11Bとを備えている。
さらに、それぞれの切欠部11において、この底面11Bの周方向の中央部には、パイロットビット1の先端面1Bに開口して軸線Oに平行に後端側に延びる凹溝12が、切欠部11の壁面11Aの僅かに手前にまで形成されている。この凹溝12は、軸線Oに直交する断面において、パイロットビット1の周方向に対向するV字状をなして外周側に向かうに従い間隔が漸次大きくなる2つの溝壁面12Aと、これらの溝壁面12Aに接する凹曲線状の溝底面12Bとを備え、軸線Oに沿って底面11Bに直交する平面に関して対称に形成されている。本実施形態では、このような凹溝12を含む同形同大の切欠部11が周方向に等間隔をあけて複数(3つ)形成されており、従って周方向に隣接する切欠部11の間には、先端部1Aの上記先端側部分1bの円筒面状の外周面が複数箇所(3箇所)残されることになる。
パイロットビット1の上記掘削チップ3は、こうして円筒面状の外周面が残された複数の箇所の内周側において、パイロットビット1の先端面1Bに取り付けられている。これらの掘削チップ3は、円柱状をなす基端部と、この基端部の半径と等しい半径の半球状をなす先端部とが一体に焼結等により形成されたボタンチップと称されるものであって、上述のように凸円錐台面状をなす先端面1Bに垂直に切欠部11を避けて形成された円形孔1Dに上記基端部がロウ付け、焼き嵌めや冷やし嵌め、圧入等によって固定され、上記先端部をパイロットビット1の先端面1Bから突出させて取り付けられている。
さらにまた、パイロットビット1の内部に形成された上記雌ネジ孔1Cの後端側を向く底面の中央からは、軸線Oに沿って先端部1A内に延びるように断面円形の流体の供給孔13が形成されている。この供給孔13は、管状の掘削ロッド内を通して掘削機械から送給される水等の流体を掘削孔内に供給するものであって、軸線Oに沿って先端部1A内に延びた後、この先端部1A内で凹溝12と同数の分岐孔13Aに分岐して先端外周側に向けて延び、各凹溝12の上記溝底面12Bの後端側に開口するように形成されている。各凹溝12に開口する分岐孔13Aの内径は、雌ネジ孔1C底面に開口する供給孔13の内径よりも小さくされている。
また、軸線Oを中心とする円環状をなすリングビット2は、その内周面2Bの後端側部分2aが先端側に向かうに従い軸線Oに対して緩やかな一定の傾斜角で内周側に向かう凹円錐台面状に形成されており、この内周面2Bの後端側部分2aが軸線Oに対してなす傾斜角はパイロットビット1の先端部1Aの後端側部分1aの外周面が軸線Oに対してなす傾斜角θと等しくされていて、この内周面2Bの後端側部分2aが先端部1Aの外周面の後端側部分1aに密着して嵌合することにより、リングビット2はパイロットビット1に取り付けられる。なお、内周面2Bの先端側部分2bは、先端側に向かうに従い軸線Oに対して一定の傾斜角で外周側に向かう凹円錐台面状に形成され、この先端側部分2bの軸線Oに対する傾斜角は上記傾斜角θよりも大きく、例えば上記分岐孔13Aの軸線Oに対する傾斜角と略等しくされている。
さらに、この内周面2Bには、互いに逆向きに傾斜したその後端側部分2aと先端側部分2bとの交差稜線を跨ぐようにして、軸線Oを中心とする円筒面状をなす底面を備えた凹部2Cが周方向に等間隔をあけてパイロットビット1の切欠部11および凹溝12と同数形成されており、この凹部2Cの底面がなす円筒面の半径は、パイロットビット1の先端部1Aにおける先端側部分1bの外周面がなす円筒面の半径よりも僅かに小さくされている。従って、周方向においてこれらの凹部2Cの間には、該凹部2Cの上記底面に対して相対的にリングビット2の内周に突出する、やはり上記切欠部11および凹溝12と同数の凸部21が周方向に等間隔に形成される。
これらの凸部21は、軸線O方向先端側から見て図11に示すように軸線Oに沿った平面に関して対称な略等脚台形状をなして内周側に向かうに従い周方向に幅狭となるように形成されて、周方向を向く2つの側面21Aと、リングビット2の内周面2Bのうち上記後端側部分2aに形成された後端面および上記先端側部分2bに形成された先端面とを備えている。凸部21の2つの側面21Aがなす交差角はパイロットビット1の凹溝12の2つの溝壁面12Aがなす交差角と等しく、上述のようにリングビット2がパイロットビット1の先端部1Aに嵌合したところで、各凸部21の2つの側面21Aが各凹溝12の2つの溝壁面12Aと対向して凸部21が凹溝12に嵌合させられる。
また、これらの凸部21の内周側への突端21B、すなわち軸線O方向先端側から見たときの凸部21がなす上記等脚台形の上底部分は、ともに凹円錐台面状に形成された内周面2Bの後端側部分2aと先端側部分2bとの上記交差稜線であるので、図11に示したように軸線Oを中心とした円弧状とされ、上述のように凸部21が凹溝12に嵌合させられた状態では、図1や図3、図4に示すように凸部21と凹溝12の溝底面12Bとの間に間隔があけられる。
一方、リングビット2の外周部には、先端面2Aに開口して後端側に延びる排出溝22が周方向に間隔をあけて複数形成されていて、周方向に隣接する排出溝22の間には、同じくリングビット2の先端面2Aから後端側に延びて排出溝22に対し相対的に凸となる突条部23が形成されることになる。排出溝22は、リングビット2の内周面2Bの後端側部分2aが軸線Oに対してなす傾斜角と略等しい傾斜角で後端側に向かうに従い外周側に向かう軸線Oを中心とした凸円錐台面状の溝底面22Aと、この溝底面22Aの周方向の両端から凹曲面をなして外周側に向かい、上記突条部23の周方向を向く側面となる溝壁面22Bとを備えている。
本実施形態では、パイロットビット1の切欠部11や凹溝12、あるいはリングビット2の凸部21とやはり同数の3つの排出溝22が周方向に等間隔に形成され、従って突条部23も排出溝22と同数の3条が周方向に等間隔に形成されることになる。これらの突条部23は、図11に示したようにリングビット2においては凸部21の外周側に位置するように形成され、従って凸部21を凹溝12に嵌合させてリングビット2がパイロットビット1に取り付けられた状態では、図1および図3に示したように凹溝12の外周側に位置させられる。
また、リングビット2の先端面2Aは、突条部23も含めて、軸線Oに垂直な平面に対してパイロットビット1の先端面1Bの外周部よりは急傾斜で外周側に向かうに従い軸線O方向後端側に向かう円錐台面状に形成されている。さらに、リングビット2の掘削チップ3は、パイロットビット1の掘削チップ3と同形状のボタンチップであって、この突条部23におけるリングビット2の先端面2Aに垂直に形成された円形孔2Dに基端部が固定され、半球状の先端部を該先端面から突出させて取り付けられている。ただし、リングビット2の掘削チップ3は、パイロットビット1の掘削チップ3よりも基端部や先端部の半径が僅かに小さく、リングビット2をパイロットビット1に取り付けた状態での軸線O方向先端側への突出量も小さく設定される。
なお、リングビット2の突条部23の外周面は、先端面2Aから後端側に向けて軸線Oを中心とする大径の円筒面状をなした後、後端側に向かうに従い内周側に向かう円錐台状面に連なり、さらに軸線Oに沿った断面が凹曲線をなす凹曲面部を経て、軸線Oを中心とする小径の円筒面状をなすリングビット2の後端部の外周面に連なっている。さらに、この突条部23の外周面の上記円錐台状面には、排出溝22よりも浅く内周側に方形状に凹む溝23Aが軸線Oに垂直な平面に沿って該軸線Oを中心に周回するように形成されている。
このようなリングビット2は、上述のように先端側に向かうに従い内周側に向かう凹円錐台面状の内周面2Bの後端側部分2aが、同じく先端側に向かうに従い内周側に向かう凸円錐台面状のパイロットビット1の先端部1Aにおける後端側部分1aの外周面に密着して嵌合することにより、軸線O方向先端側に一体に前進させられる。また、この内周面2Bの後端側部分2aと先端部1Aの後端側部分1aの外周面との嵌合と、本実施形態ではさらに凸部21と凹溝12との嵌合により、リングビット2はパイロットビット1と軸線O回りに一体に回転可能とされ、打撃力とともに掘削チップ3によって岩盤を破砕して掘削孔を形成する。
さらに、リングビット2は、軸線O方向先端側に向けては、上述のような凹円錐台面状の内周面2Bの後端側部分2aが凸円錐台面状のパイロットビット1の先端部1Aにおける後端側部分1aの外周面に密着しているだけであり、抜脱自在すなわち抜けて脱することが自在となっている。従って、上述のように掘削孔が所定の深さまで形成されてロックボルトが打設された後は、パイロットビット1ごと掘削ロッドを引き抜くことにより、ロックボルトの内径よりも大きな外径のリングビット2はロックボルトの先端に当接したところでパイロットビット1の先端部1Aから抜け外れて掘削孔内に残され、ロックボルト内を通して小径のパイロットビット1を回収することが可能となる。なお、掘削孔内で掘削工具を僅かに後退させてから打撃力を与えて、その衝撃によりリングビット2を取り外すようにしてもよい。
さらにまた、上記構成の掘削工具では、削孔の際に掘削ロッド内を通して水等の流体が送給され、この流体は、パイロットビット1に形成された供給孔13から分岐孔13Aを通って凹溝12の後端部に排出させられる。こうして排出された流体は、リングビット2の凸部21とパイロットビット1の凹溝12との間の間隔部分から掘削孔内に供給されるので、削孔によって生成された破砕物を除去し、排出溝22を通してリングビット2の後方に排出する。
さらに、この分岐孔13Aはパイロットビット1の先端面1Bから後端側に延びる凹溝12の後端部に開口しているので、分岐孔13Aの内径を大きくしても、先端面1Bに取り付けられる掘削チップ3や掘削チップ3取り付け用の円形孔1Dと分岐孔13Aとが干渉するのを避けることができる。また、掘削チップ3はパイロットビット1の先端面1Bにおいて凹溝12が開口していない部分に取り付けられ、しかも本実施形態では凹溝12がパイロットビット1の先端部1A外周の切欠部11における底面11B内を先端側に延びているので、凹溝12の断面積や先端面1Bへの開口面積を大きくしても、掘削チップ3との間に十分な肉厚をパイロットビット1に確保することができる。
このため、上記構成の掘削工具によれば、パイロットビット1の掘削チップ3を小さくして削孔効率を損なうようなことなく、分岐孔13Aや凹溝12に十分な大きさを確保して流体を供給することにより効率的な破砕物の除去を図ることができ、削孔性能や削孔速度の向上を促すことができる。また、こうして掘削チップ3に十分な大きさを確保することができることと、破砕物を効率的に除去できることにより、掘削チップ3の寿命を延長して回収したパイロットビット1の使用可能回数を増やすこともでき、結果的に掘削工具としての寿命を延長することが可能となる。
また、本実施形態では、リングビット2の内周部に、その内周側に突出してパイロットビット1の上記凹溝12と嵌合する凸部21が形成されており、この凸部21と凹溝12との嵌合により、一層確実にリングビット2をパイロットビット1と一体に回転させて削孔を行うことができる。そして、この凸部21の内周側への突端21Bは軸線Oを中心とした円弧状に形成されていて、凹溝12の溝底面12Bとの間に間隔があけられているので、こうして凸部21を凹溝12と嵌合させても流体の供給が妨げられることはなく、流体を確実にパイロットビット1とリングビット2の先端面1B、2Aに供給することができる。
さらに、この凸部21の先端面は、リングビット2の内周面2Bのうち先端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜した先端側部分2bに形成されており、上述のように凹溝12と凸部21の間から供給された流体を、この凸部21の先端面に沿って拡散させることができる。このため、本実施形態によれば、このように流体を拡散させてパイロットビット1とリングビット2の先端面1B、2Aの全体に満遍なく行き渡らせることができるので、さらに効率的な破砕物の除去を図ることが可能となる。
一方、供給された流体によって除去された破砕物は、上述のようにリングビット2の外周部に形成された複数の排出溝22を通して後端側に排出させられるが、このような排出溝22を形成することにより、リングビット2の外周部には排出溝22の間に、相対的に外周側に突出する突条部23が形成される。ここで、本実施形態では、この突条部23におけるリングビット2の先端面2Aにリングビット2側の掘削チップ3が取り付けられるとともに、パイロットビット1の凹溝12の外周側にこの突条部23が位置するようにリングビット2が取り付けられている。
このため、凹溝12から供給された流体の一部は、この凹溝12の外周側に位置する突条部23に取り付けられたリングビット2の掘削チップ3に当たり、この掘削チップ3によって破砕された破砕物を伴って、掘削工具の回転により該突条部23の回転方向とは反対側に隣接する排出溝22に流れ込んでゆく。従って、本実施形態によれば、リングビット2の掘削チップ3による破砕物を滞留させることなく速やかに除去することができて、削孔性能や削孔速度の一層の向上を図ることができる。
なお、凹凸円錐台面状をなすパイロットビット1の先端部1Aの後端側部分1aの外周面とリングビット2の内周面2Bの後端側部分2aが軸線Oに沿った断面において該軸線Oに対してなす傾斜角θは、10°〜20°の範囲とされるのが望ましい。この傾斜角θが10°を下回ると、削孔後にリングビット2をパイロットビット1の先端部1Aから抜脱することが困難となるおそれがある一方、逆に傾斜角θが20°を上回るほど大きいと、削孔中に先端部1Aからリングビット2が容易に抜け外れてしまうおそれが生じる。
1 パイロットビット
1A パイロットビット1の先端部
1a 先端部1Aの後端側部分
1b 先端部1Aの先端側部分
1B パイロットビット1の先端面
1C 雌ネジ孔
2 リングビット
2A リングビット2の先端面
2B リングビット2の内周面
2a 内周面2Bの後端側部分
2b 内周面2Bの先端側部分(凸部21の先端面)
2C 凹部
3 掘削チップ
11 切欠部
12 凹溝
12A 凹溝12の溝壁面
12B 凹溝12の溝底面
13 供給孔
13A 供給孔13の分岐孔
21 凸部
21A 凸部21の側面
21B 凸部21の突端
22 排出溝
23 突条部
O パイロットビット1の軸線
θ パイロットビット1の先端部1Aにおける後端側部分1aの外周面が軸線Oに対してなす傾斜角

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転させられるパイロットビットと、このパイロットビットの先端部に取り付けられる円環状のリングビットとを備え、
    これらパイロットビットおよびリングビットの先端面には掘削チップが取り付けられており、
    上記リングビットは、上記パイロットビットに対して上記軸線回りに一体に回転可能、かつ該軸線方向先端側に抜脱自在とされ、
    上記パイロットビットの先端部外周には、該パイロットビットの先端面に開口して後端側に延びる凹溝が形成されるとともに、
    上記パイロットビットの内部には、流体を供給する供給孔が形成されていて、この供給孔は上記凹溝の後端部に開口していることを特徴とする掘削工具。
  2. 上記リングビットの内周部には、このリングビットの内周側に突出して上記凹溝と嵌合する凸部が形成されており、
    この凸部は、上記凹溝の溝底面との間に間隔をあけるとともに、該凸部の先端面は先端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 上記リングビットの外周部には、該リングビットの先端面から後端側に延びる排出溝が周方向に間隔をあけて複数形成されていて、
    周方向に隣接する上記排出溝の間には、上記リングビットの先端面から後端側に延びる突条部が形成されており、
    この突条部は、上記パイロットビットの上記凹溝の外周側に位置させられているとともに、
    上記リングビットの上記掘削チップは、上記突条部における上記リングビットの先端面に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工具。
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