JP6372732B1 - 掘削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】削孔作業中に、スクリューロッド、パイロットビットおよびリングビットの回転に共連れしてケーシングが回転することを抑止する回転抑止機構を、簡易かつ生産性に優れた構造によって実現すること。
【解決手段】上下に伸長するケーシング7と、ケーシング7の下端部に接合した円筒部材からなるケーシングシュー8と、ケーシング7およびケーシングシュー8へ回転可能に挿入されるパイロットビット5と、パイロットビット5の下端部外周部分へ継手要素を介して着脱自在に取り付けられるリングビット6とを具備する掘削装置1である。ケーシングシュー8の外周面に、外方に突出してケーシングシュー8の土中における回転を抑止する回転抑止体(突起部)8gを設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、地盤に削孔を形成しながら鋼管等からなるケーシングを打ち込むための掘削装置に関するものである。
地盤に削孔を形成しながら鋼管等からなるケーシングを打ち込む技法として、従来よりいわゆるクリッド工法(通称CRID工法)が存在する。さらにクリッド工法のうち、打ち込んだケーシングを地中に残したままこれを本杭として利用する、中堀工法(DPRタイプ)が近年利用されている。この中堀工法は、杭の建込、根固めを正確かつ確実に行うことができ、また、軟弱地盤から玉石・転石・岩盤層に至るまで、様々な地盤に対して円滑に打設できる等の優れた利点を有する。
前記中堀工法においては、回転駆動力源としてのアースオーガと、アースオーガからの回転駆動力を伝達しかつ掘削した廃土を排出するためのスクリューロッドと、このスクリューロッドを介して伝達された回転駆動力によって地盤を切削するパイロットビットと、このパイロットビットと着脱自在に接続するリングビットと、打ち込みに用いられるダウンザホールハンマーと、杭として埋め込まれるケーシングとから構成された掘削装置が一般的に用いられる。
前記掘削装置を用いて削孔作業を行うには、この掘削装置を立設する必要がある。この立設作業は、アースオーガ、スクリューロッド、ダウンザホールハンマーおよびパイロットビットを所定の形のアセンブリに組立て、これを装置固定枠体によって略鉛直に起立させられたケーシングのなかへ、クレーンを用いて挿入するといった手順で行なわれる。
前記アセンブリは、最上部にアースオーガが配設され、その下方にスクリューロッドおよびダウンザホールハンマーが接続され、さらにその下方にパイロットビットが取付けられている。また、前記起立させられたケーシングの下方には、ケーシングシューが溶接等によって接合され、さらにその下端部にリングビットが配設されている。
ケーシングの中へ挿入された前記アセンブリの下端部に取付けられているパイロットビットは、起立させられたケーシングの下方に配設されたリングビットと、所定の締結要素、例えばバヨネットマウントを用いて、着脱自在かつ回転伝達可能な状態に接続(チャッキング)される。
前記一連の作業によって、掘削装置を立設した後、アースオーガを起動して削孔作業を開始する。アースオーガの回転駆動力は、スクリューロッドを通じてパイロットビットおよびリングビットへと伝達され、回転するパイロットビットおよびリングビットの先端部に設けられたドリル片の切削作用により地盤が掘削される。掘削された地盤の土は、スクリューロッドおよび加圧空気によって上方へと送られ地表に排出される。当該地盤の掘削と同時に、ダウンザホールハンマーを用いてパイロットビットに押圧力(打ち込み力)を印加することでこれ(パイロットビット)に下方推進力を付与し、これによって削孔作業がより迅速に実施される。
前記削孔作業によって所定の深さまで地盤が削孔されると、パイロットビットとリングビットとの接続(チャッキング)を解除し、パイロットビット、スクリューロッドおよびダウンザホールハンマーを引き抜いてこれら部品を回収する。ケーシングおよびリングビットは、地中に残したまま本杭として利用される。
ところで、前記削孔作業を円滑かつ効率的に行なうためには、掘削された地盤の廃土を、スクリューロッドが回転することで生み出される押上作用および加圧空気の作用によって効率的に地表へ排出する必要がある。当該効率的な廃土の排出を実現するためには、非回転のケーシングの中をスクリューロッドが回転することが必要とされており、この様な状態を作り出すためには、スクリューロッド、パイロットビットおよびリングビットの回転に共連れしてケーシングが回転しない機構(以下、この機構を回転抑止機構という)が必要となる。
前記回転抑止機構を具備する掘削装置として、例えば特許文献1および2に記載の発明が従来技術として存在する。この従来技術としての掘削装置においては、以下に説明する第2回転止め手段によって、ケーシングに対する前記回転抑止機構を実現している。
即ち、前記従来技術が具備する第2回転止め手段は、固定要素としての回転ローラ(22)と被固定要素としての回転係合溝(12b)とから構成されている。前記回転ローラ(22)は、ケーシング(12)を略鉛直に起立させるために地表に設置された装置固定枠体(11)の上面に、軸受け板(22a)を介して水平面に対し不動かつ垂直面に対し回転自在に取付けられており、一方、前記回転係合溝(12b)は、ケーシング(12)の外周面に形成された上下に延在する凹状の窪みによって構成されている。前記回転ローラ(22)と前記回転係合溝(12b)とが係合することで、ケーシング(12)は、水平面に対して不動な状態を維持しながら地中に向けて打ち込まれる構造となっている(特許文献1および2の図1、2、3、6等参照)。
特開2012−112160号公報 特開2013−108227号公報
特許文献1および2に記載の第2回転止め手段による回転抑止機構においては、前述したように、回転ローラ(22)と回転係合溝(12b)とから構成されるため、構成部品の点数が多く構造も複雑である。また、凹状を呈する回転係合溝(12b)をケーシング(12)の外周面に形成することが必須となるが、ケーシング(12)は、厚さ数ミリの薄肉の板材からなるため、その外周面に一定の深さを要する回転係合溝(12b)を成形するのは容易でない。このように、前記従来技術としての回転抑止機構においては、構成部品が多く複雑な構造であることから製造コストが高騰し、また、生産性が悪いといったことが問題視されている。
本発明は、前記従来技術が抱える問題に鑑み創作されたものであって、その目的は、削孔作業中に、内側に収容するスクリューロッド、パイロットビットおよびリングビットの回転に共連れしてケーシングが回転することを効果的に抑止する回転抑止機構を、簡易かつ生産性に優れた構造によって実現することにある。
前記目的を達成するための本発明は、上下に伸長する円管部材からなるケーシングと、このケーシングの下端部に同軸状に接合した円筒部材からなるケーシングシューと、前記ケーシングおよびケーシングシューへ回転可能に挿入されるパイロットビットと、このパイロットビットの下端部外周部分へ継手要素を介して着脱自在に取り付けられるリングビットとを具備する掘削装置において、地盤と接触する前記ケーシングシューの外周面の一部に、水平断面において前記外周面から半径方向外方に向けてさらに突出する凸部からなる回転抑止体を形成したことを特徴としている。
本発明によれば、構成要素が前記ケーシングシューの外周面から外方に突出する回転抑止体のみの極めて簡易な回転防止機構でありながら、前記回転抑止体が地盤と接触することで生じる抵抗によって、削孔作業中(特に削孔開始当初からケーシングが土圧によって回転しなくなるまでの間)に、内側に収容するスクリューロッド、パイロットビットおよびリングビットの回転に共連れしてケーシングが回転することを効果的に抑止することができる(以下、この効果を回転抑止効果という)。
さらに、本発明においては、前記回転抑止体が、比較的肉厚(例えば25mm)のケーシングシューの外周面に設けられることから、当該回転抑止体を、プレス加工、または鋳造、または切削加工等によって容易に成形することができる。したがって、本発明によれば、構成部品が少なく製造コストが低廉で、かつ生産性に優れた回転抑止機構を実現することができる。
また本発明は、前記特徴に加え、前記回転抑止体が、上下に延在する凸部であることを特徴としている。
本発明によれば、前記回転抑止体と地盤との接触領域を上下方向に大きく確保することができる。このため、共連れによる回転を抑止する方向に働く接触抵抗を効率的に増大させることができ、ケーシングシュー(およびこれと接合するケーシング)の共連れに起因した回転を効果的に抑えることができる。
また本発明は、前記特徴に加え、前記回転抑止体の最外径寸法が、前記リングビットの最外径寸法以下であることを特徴としている。
本発明によれば、回転抑止体を設けたことによって上下方向(軸方向)の掘削抵抗が大きく増大することを防止でき、これによって、削孔作業の効率を低下させることなく前記回転抑止効果を発揮させることができる。なおリングビットによって形成された掘削穴の内径は、土圧によって小さくなろうとするため、形成した掘削穴の内周面に回転抑止体が食い込み、これによって回転抑止効果は十分生じる。
また本発明は、前記特徴に加え、前記回転抑止体の下端近傍部分が、その下端から上方に向けてしだいに外径寸法を大きくする形状に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、上下方向(軸方向)の接触抵抗を低減することができる。これにより、掘削抵抗の増大を最小限に抑え、削孔作業の効率低下を最小限に抑えることができる。
本発明によれば、削孔作業中に、スクリューロッド、パイロットビットおよびリングビットの回転に共連れして、これらを収納しているケーシングシューおよびケーシングが回転することを効果的に抑えることが可能な回転抑止機構を、簡易かつ生産性に優れた構造によって実現することができる。
本発明の一実施形態に係る掘削装置1の組立て手順を示した概略図である。 本発明の一実施形態に係る掘削装置1を組立てた状態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る掘削装置1の底面図である。 本発明の一実施形態に係る掘削装置1の先端部分の断面図(図3のA−A断面図)である。 パイロットビット5の側面図である。 リングビット6の平面図である。 リングビット6の断面図(図6のB−B断面図)である。 リングビット6の底面図である。 ケーシングシュー8の底面図である。 ケーシングシュー8の断面図(図9のC−C断面図)である。 ケーシングシュー8の側面図である。 図4中のリングビット6とケーシングシュー8との連接部分の拡大断面図である。 リングビット6とケーシングシュー8との連結部分の拡大断面図である。 連接部材10の平面図である。 掘削装置1の上端部分に配置された回転止め手段の縦断面概略図である。 掘削装置1の上端部分に配置された回転止め手段の横断面概略図である。
本発明の実施形態を、図1ないし16を参照しながら説明する。なお、当該説明の中の前後左右および上下は、図2に示される本発明の一実施形態に係る掘削装置1を組立てた状態の概略図に基づいて定義されるものとする。また、特に記載がない限り上下方向と軸方向とは同義である。
本発明の一実施形態に係る掘削装置1は、図1および図2に示すように、回転駆動源としてのアースオーガ2と、アースオーガ2の回転駆動力を伝達しかつ掘削した廃土を排出するためのスクリューロッド3と、打ち込みに用いられるダウンザホールハンマー4と、地盤を切削するためのドリル片を備えたパイロットビット5と、このパイロットビット5と着脱自在に接続するリングビット6と、杭として埋め込まれるケーシング7と、このケーシング7の下端部に溶接によって接合されたケーシングシュー8とを有して構成されている。
アースオーガ2は、地盤を掘削するために必要な回転駆動力を供給するための構成部品であって、前記回転駆動力を発生させる電気モータ(図示せず)と、この電気モータを収容する機器枠体2bと、電気モータの回転軸と接続し下方へと延出する出力軸2cとから構成されている。前記出力軸2cは、スクリューロッド3の上端部と接続し、スクリューロッド3の下端部に取付けられたパイロットビット5およびこれと回転伝達可能に接続するリングビット6へと回転駆動力を伝達する。
スクリューロッド3は、アースオーガ2(アースオーガ2が備える電気モータ)によって生み出される回転駆動力をパイロットビット5およびリングビット6に伝達するとともに、掘削した廃土を地表へ排出するための構成部品であって、例えば鉄またはその合金等の金属からなり、上下に伸長する円管状のロッド部3aと、その周囲に形成された螺旋状を呈したスクリュー部3bとから構成されている。ロッド部3aの上端は、アースオーガ2の出力軸2cと接続し、また、ロッド部3aの下方には、ダウンザホールハンマー4が配設され、さらにその下端部に、詳細については後述するパイロットビット5が取付けられている。ここで、ダウンザホールハンマー4は、パイロットビット5に押圧力(打ち込み力)を印加することでこれに下方推進力を付与し、もって迅速で効率的な削孔形成を可能にする構成部品である。
パイロットビット5は、地盤を掘削し削孔を形成するための構成部品であって、例えば鉄またはその合金等の金属からなり、図4および5に示すように、小径をなす円筒状の駆動軸部5aと、この駆動軸部5aの下方にあって大径をなす円盤状のヘッド部5bとから構成されている。
前記駆動軸部5aは、スクリューロッド3を構成するロッド部3aの下端部と接続しており、これによってアースオーガ2が備える電気モータからの回転駆動力が、スクリューロッド3を通じて伝達される構造となっている。また、駆動軸部5aは、ダウンザホールハンマー4と、例えばスプライン嵌合によって上下方向(軸方向)に相対移動可能に接続している。
前記ヘッド部5bは、図3に示すように、その先端面(下端面)に多数の突起状部材からなる中心側ドリル片5cが点在するように設けられている。この中心側ドリル片5cは、駆動軸部5aを通じて伝達されたアースオーガ2が備える電気モータの回転駆動力により回転し、その切削作用で地盤を掘削する部位である。これにより、地表Tの下方にある地盤が掘削され削孔が形成される。
また、前記ヘッド部5bは、図5に示すように、その外周面にリングビット6と回転伝達可能な状態で接続(チャッキング)するための継手要素としてのマウント構造(詳細については後述するバヨネットマウント構造)の一部を構成するロック用切欠部5gが設けられている。このロック用切欠部5gは、例えば周回りに略60度の等間隔で6箇所配設されており、排出溝5eと連通する開口部を有し、かつこの開口部から、アースオーガ2が備える前記電気モータの回転方向R1と逆方向(図5では平面視において左回り)に向けて延在する凹部として形成されている。このロック用切欠部5gは、縦断面形状が縦長の矩形状を呈し、かつ前記開口部から周回りに所定の範囲にかけて延在することで側面視における形状が横長の矩形状を呈しており、さらに組付け性を向上させるために、例えば上端部が内側下方へ傾斜している。
さらに、前記ヘッド部5bは、図4および5に示すように、その上部にダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)を受ける部位として機能する肩部5hが、半径方向外方へ円盤状に突出するようにして形成されている。この肩部5hの下端面5iは、詳細については後述するケーシングシュー8の上端面8cと対向し、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)をこの上端面8cへと伝達するように構成されている。
パイロットビット5の内部には、図3および4に示すように、略中心軸方向に延びるエアー通路5dが形成されている。このエアー通路5dは、掘削した土を上方へ押し上げるための加圧空気を供給するための通路であって、前記駆動軸部5aおよびヘッド部5bの略軸中心に沿って延在するとともに、前記ヘッド部5bの先端部分(下端部分)の近傍において複数(4体)に分岐している。さらにこれら分岐路は、それぞれが前記ヘッド部5bの先端面(下端面)において開口するように形成されている。
前記複数(4体)に分岐したエアー通路5dの各開口部からは、排出溝5eが半径方向外方に向かって延設されている。これら複数の排出溝5eは、前記ヘッド部5bの外周部まで放射状に延出した後、図4および5に示すように、ヘッド部5bの外周面上に沿って上方へと延在し、ヘッド部5bの上端面5fにおいて開口するように設けられている。上端面5fにおける各排出溝5eの開口部は、ケーシング7の内部空間7aに連通しており、掘削により生じた廃土等が、前記エアー通路5dから供給される加圧空気により各排出溝5eを通って当該内部空間7aへ排出されるように構成されている。
リングビット6は、ケーシング7直下の地盤を掘削するための構成部品であって、例えば鉄およびその合金等の金属からなり、図6ないし8に示すように、リング状を呈したヘッド部6aと、このヘッド部6aの上面から上方へ延在する円筒状を呈した筒状部6bとから構成されている。
前記ヘッド部6aは、その先端面(下端面)が地盤と接触する部位であって、先端面(下端面)の外周縁部には、地盤を掘削するための外周縁ドリル片6cが設けられている。また、ヘッド部6aの上面には、詳細については後述するケーシングシュー8の下端と対向する端面6eが形成されている。この端面6eには、対向する前記ケーシングシュー8の下端との隙間を埋めるように(すなわち、端面6eと前記下端とに当接するように)、例えば木製、硬質ゴム製または樹脂製のリング状を呈した平板状の部材(後述する緩衝部材11)が載置されており、これによってダウンザホールハンマー4からの強い押圧力(打ち込み力)に起因した衝撃が吸収されるように設計されている。
なお、前記ヘッド部6aの外周面は、図4、7および12に示すように、下方から上方へ向かうにつれて次第に外径寸法が小さくなるテーパ形状を呈している。このように、ヘッド部6aの外周面をテーパ形状としたことで、ヘッド部6aの外周面と削孔側面とが圧着するのを回避し、これによりヘッド部6aの外周面を介しての土圧の作用を抑えて掘削措置1にかかる負荷が低減される構造となっている。
前記筒状部6bは、ケーシングシュー8の内側に挿入される部位であって、その外周面の中間位置に、縦断面形状が凹状を呈した第1係止部(以下「溝部」という)6dが全周にわたってリング状に形成されている。当該溝部6dは、詳細については後述する連接部材10の一部が挿入され、当該連接部材10を介してケーシングシュー8と連接するように構成されている。
また、前記筒状部6bは、図6に示すように、パイロットビット5へ着脱自在に取付くバヨネットマウントの一部を構成するロック用突起部6fが、その内周面に設けられている。このロック用突起部6fは、例えば周回りに略60度の等間隔で6箇所配設されており、その周方向長さLは、組付け性を確保するために、パイロットビット5が備える排出溝5eの幅未満に設計されている。また、ロック用突起部6fの縦断面形状は、パイロットビット5に形成されたロック用切欠部5gの縦断面と相似形の略矩形状を呈しており、組付け性を向上させるために、例えば上端部が内側下方に傾斜した面取部6gが設けられている。
ケーシング7は、削孔に打ち込まれた状態のまま本杭として利用される構成部品であってその外周面が地盤と接し、図1および2に示すように、例えば鉄およびその合金等の金属から形成された円管状の鋼管からなる。このケーシング7の下端部には、図4に示すように、ケーシングシュー8が、例えば溶接Wによって同軸状に接合されている。また、後述するように、ケーシング7の内側に形成された中空状の内部空間7aには、削孔作業中、その略中心軸回りに回転駆動されるスクリューロッド3およびこれに接続するパイロットビット5が挿入される。
ケーシングシュー8は、ケーシング7の下端部と接合する構成部品であってその外周面が地盤と接し、図9および10に示すように、例えば鉄およびその合金等の金属から形成された円筒部材からなり、上部に位置する小径円筒部として形成された本体基部8aと、この本体基部8aから下方に向かって延出する大径円筒部として形成された支持部8bとから構成されている。なお、本実施形態においては、掘削抵抗を考慮して、支持部8b(大径円筒部)の外周面の半径と本体基部8a(小径円筒部)の外周面の半径との寸法差が、例えばケーシング7の板厚分と略同じとなるように設計されている。
前記本体基部8aは、ケーシング7の下端部内側に挿入される部位であって、図4に示すように、ケーシング7の下端部先端と対向する位置において、例えばその全周にわたり溶接Wされる。また、本体基部8aの内側には、図4および10に示すように、パイロットビット5のヘッド部5bが収容され、その上端面8cは、パイロットビット5の上部を構成する肩部5hの下端面5iと対向しかつこの下端面5iを通じてダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)を受ける構成となっている。
前記支持部8bは、その内側にリングビット6の筒状部6bを相対移動(回転および上下移動)可能に収容する部位であり、図4および10に示すように、その内周面8dの内径は、本体基部8aの内周面の内径よりも大きく、これによって形成された本体基部8aの内周面の下方の段状となっている下端面と支持部8bの内周面8dとで囲まれた円形の空間に、リングビット6の筒状部6bが収容される構造となっている。
また、前記支持部8bの内周面8dの中間位置(前記リングビット6の溝部6dに対向する位置)には、図4、10および12に示すように、縦断面形状が凹状を呈した第2係止部(以下「溝部」という)8eが全周にわたってリング状に形成されている。当該溝部8eは、下記する連接部材10の一部を収納する部位である。
また、前記支持部8bの側壁には、図9および10に示すように、支持部8bの外周面から溝部8eに至るワイヤ挿入孔(以下「貫通孔」という)8fが設けられている。この貫通孔8fは、連接部材10としてのワイヤー10aを、支持部8bの外側から内側に挿入して溝部6dと溝部8eとの間に装着するための孔である。貫通孔8fは、前記装着を容易にするために、挿入されたワイヤー10aを、リング状を呈する溝部6d,8eの略接線方向へ案内するように形成されている。
さらに、前記支持部8bの外周面には、図9ないし12に示すように、上下方向(軸方向)に延在しかつ半径方向外方に突出する突起部8gが、例えば周回りに略45度の等間隔で8箇所に配設されている。この突起部8gは、前記回転抑止機構を構成する回転抑止体であって、例えば鍛造品であるケーシングシュー8を切削加工することで一体的に形成されている。地盤と接触するケーシングシュー8の外周面(より詳細には、支持部8bの外周面)に突起部8gが設けられたことで、この突起部8gが地盤に食い込むなどしてケーシングシュー8と地盤との間の接触抵抗が増大する。この増大した接触抵抗によって、ケーシングシュー8およびこれと接合するケーシング7が、その内側に収容するスクリューロッド3、パイロットビット5およびリングビット6の回転に共連れして一緒に回転することを抑止する効果がもたらされる。
ここで、本実施形態においては、掘削時の抵抗を考慮し、図12に示すように、突起部8gの最外径寸法D8を、リングビット6の最外径寸法D61と同等以下に設定している。これにより、リングビット6によって形成された削孔領域より外側に突起部8gが突出することがなくなり、このため、突起部8gを設けたことで掘削時の抵抗が大きく増大することを防止でき、削孔作業の効率を低下させることのない回転抑止機構を実現している。なお、リングビット6によって形成された掘削穴の内径は、土圧によって小さくなろうとするため、形成された掘削穴の内周面に突起部8gが食い込み、これによって回転抑止効果は十分生じる。
また、突起部8gは、その下端部において、下端(削孔方向に対する先端)から上方に向けてしだいに外径寸法を大きくする形状(例えば楔形状)に形成されている。これにより、ケーシングシュー8と地盤との間に生じる上下方向(軸方向)の接触抵抗を低減し、削孔作業の効率を低下させることのない回転抑止機構を実現している。
なお、当該機構による回転抑止効果を増大させるためには、多数の突起部8gが地盤と接触しこれに食い込むなどして突起部8gと地盤との接触抵抗ができるだけ大きくなるように設計することが望ましい。このため、突起部8gの形態は、本実施形態に限定されず、要は、ケーシングシュー8の土中における回転を抑止する形状・構造であれば、どのような形状・構造であっても良い。
次に、前記掘削装置1を用いて削孔作業を実施するための具体的手順を、掘削装置1の組立手順と、組立てた掘削装置1を用いて削孔を形成する手順(削孔作業手順)とに分けて説明する。
掘削装置1の組立は、図1に示すように、削孔を行う地盤の地表Tに装置固定枠体9を構築することから始める。この装置固定枠体9の略中央には、開口部9aが開口している。
装置固定枠体9を構築後、開口部9aにケーシング7を挿入してこれを略鉛直に起立させる。次に、予め工場において、ケーシングシュー8の下端部にリングビット6を、後述する連接構造により相対移動(回転移動および上下移動)可能かつ互いが上下方向(軸方向)に外れない状態に取り付けておいたものを用意し、そのケーシングシュー8を、ケーシング7の下端に溶接Wにより接合する。
ここで前記連接構造について説明すると、この連接構造は、図12に示すように、リングビット6の筒状部6bに形成された溝部6dと、ケーシングシュー8の支持部8bに形成された溝部8eと、溝部6dと溝部8eの間に介在する連接部材10とから構成されている。本実施形態では、連接部材10として、図14に示すように、溶接Pによって両端が接続されることで最終的にリング状となる鉄製ワイヤー10aを用いている。
前記連接構造を用いてリングビット6とケーシングシュー8とを連接するにあたり、先ず、リングビット6の筒状部6bを緩衝部材11に挿入して緩衝部材11をリングビット6の端面6e上に載置する。次に、リングビット6の筒状部6bをケーシング7の下端部に接合されたケーシングシュー8の支持部8b内へと挿入する。この時、筒状部6bの外周面に形成された凹状の溝部6dとケーシングシュー8の支持部8bに設けられた溝部8eとの上下位置(軸方向位置)を合わせる。その後、ワイヤー10aを、ケーシングシュー8の外側から貫通孔8fへと挿入し、凹状の両溝部8e,6dの間全体にワイヤー10aを這わす様にして装着する。装着されたワイヤー10の両端は貫通孔8fを通じて溶接Pされ、さらにその後、貫通孔8fに図示しない金属片を埋め込みこれを溶接することで閉塞する。これによってリングビット6とケーシングシュー8との連接が完了する。
前記連接構造においては、構成部位の各部寸法が、以下に示す関係を満たすように設計されている。すなわち、図12および14に示すように、ケーシングシュー8の支持部8bにおける内周面8dの内径寸法は、筒状部6bの外径寸法より大きく、ワイヤー10aの外径寸法D10(図14参照)より小さく、筒状部6bの外径寸法は、ワイヤー10aの内径寸法d10(図14参照)よりも大きく設計されている。また、溝部6d,8eの幅(図12における上下寸法)は、組付け性を考慮して、ワイヤー10aの線径αの略1.5倍となるように設計することが好ましい。
前記構成からなる連接構造によれば、リングビット6とケーシングシュー8との間に隙間が形成されることで相対回転および上下移動可能でありながら、リングビット6とケーシングシュー8とが上下方向(軸方向)に隔離するように相対移動しても、図13に示すように、両溝部6d,8eとワイヤー10aが干渉し合うことで、リングビット6とケーシングシュー8とを確実に連接することが可能になる。
なお、リングビット6とケーシングシュー8とを前記連接構造によって接続することで多くの利点がもたらされるものの、当該連接構造は、本発明に係る掘削装置1における一実施形態にすぎず、本発明の必須の構成ではない。さらに言えば、リングビット6とケーシングシュー8とが連接していなくともよい。
図1、図2に戻って、前記装置固定枠体9の構築およびケーシング7の起立およびケーシング7へのケーシングシュー8などの取付作業を進めると同時に、アースオーガ2、スクリューロッド3、ダウンザホールハンマー4およびパイロットビット5とからなるアセンブリを、図1に示されるような所定の形に組立てる。具体的は、最上部にアースオーガ2を配設し、このアースオーガ2が備える出力軸2cにスクリューロッド3の一端部を接続し、さらにこのスクリューロッド3の他端部にダウンザホールハンマー4を接続し、このダウンザホールハンマー4の下方に、パイロットビット5の駆動軸部5a(図4参照)を、例えばスプライン嵌合等によって取り付ける。これにより、最上部にアースオーガ2が配設され、その下方にスクリューロッド3およびダウンザホールハンマー4が接続され、さらにその下方にパイロットビット5が取付けられたアセンブリが組み上がる。
そして、前記アセンブリをクレーンで吊しながら起立したケーシング7内へと挿入する。このとき、アースオーガ2を上にパイロットビット5を下にして挿入する。これによって、図2で示すように、掘削装置1が組み上がる。
図2で示される掘削装置1においては、前記アセンブリの上端部に位置するアースオーガ2が、ケーシング7の上端部分に連結されている。このときアースオーガ2の機器枠体2bは、内部に収容する電気モータに共連れして回転しないように、例えば図15および16に示すように、回転止め手段としての回転止めキャップ20を介してケーシング7の上端部分に連結されている。この回転止めキャップ20は、上方が閉塞し下方が開口する中空円筒状部材からなるキャップ本体20aを有し、上方にアースオーガ2の機器枠体2bの下端部が溶接等により固定され、内周面に中心軸に向かって内方に突出するキャップ側回転係合板20bが円周方向に沿って略等間隔で複数設けられている。一方、ケーシング7の上端部の外周面には、前記キャップ側回転係合板20bと係合するための部位として、中心軸から外方に突出するケーシング側回転係合板7bが円周方向に沿って略等間隔で複数設けられている。そして、この回転止めキャップ20を構成しているキャップ本体20aは、当該キャップ本体20aの下端側に設けられた開口部から、ケーシング7の上端部分を覆うように外嵌されることによって装着される構造となっている。
また、図2で示される掘削装置1においては、前記アセンブリの下端部に位置するパイロットビット5が、ケーシングシュー8を介してケーシング7の下方に取付けられたリングビット6に、バヨネットマウントを用いて着脱自在に接続(チャッキング)されている。当該バヨネットマウント構造について詳述すると、パイロットビット5の外周面には、前述したように、ロック用切欠部5gが、周回りに略60度の等間隔で所定の範囲、すなわち、排出溝5eを起点にアースオーガ2が備える電気モータの回転方向と逆の方向(図5では平面視において左回りの方向)へ例えば20度回転した範囲に6箇所設けられ、また、リングビット6における内周壁面には、前述したように、ロック用突起部6fが周回りに略60度の等間隔で所定の範囲に6箇所設けられている(図5ないし8参照)。
前記構成からなるバヨネットマウント構造を用いた接続手順は、以下のとおりである。先ずはじめに、リングビット6のロック用突起部6fとパイロットビット5が備える排出溝5eとが、平面視において重なるように位置合わせする(当該位置は、ロック用切欠部5gおよびロック用突起部6fどうしが非嵌合状態となる角度位置である)。その状態でリングビット6のロック用突起部6fとパイロットビット5のロック用切欠部5gとが、側面視において同じ高さとなるよう双方または一方を軸方向に移動させる。その後、パイロットビット5を静止させた状態で、リングビット6をロック用切欠部5gが延在する所定の方向(図5では平面視において左回り。当該回転方向は、電気モータの回転方向と逆の回転方向)へ例えば20度回転させる(リングビット6を静止させた状態でパイロットビット5を回転させる場合には、平面視において右回りに例えば20度回転させる)。これにより、リングビット6の突起部6fとパイロットビット5のロック用切欠部5gとが嵌合状態となる。当該嵌合状態を解除するには、平面視において、リングビット6のロック用突起部6fがパイロットビット5の排出溝5eの位置にくるように、リングビット6を前記所定の方向と逆の右周りに例えば20度回転(または、パイロットビット5を平面視において左回りに例えば20度回転)させればよい。これによって、掘削装置1の組立てが完了する。
次に、削孔作業の手順について説明する。削孔作業は、組立てられた掘削装置1のアースオーガ2が備える電気モータを起動させることで開始される。前記電気モータの回転駆動力は、出力軸2cに接続するスクリューロッド3を介してパイロットビット5およびこれに接続するリングビット6へと伝達され、パイロットビット5が備える中心側ドリル片5cおよびリングビット6が備える外周縁ドリル片6cによって地盤を掘削する。掘削された土は、エアー通路5dを通じて送り込まれる加圧空気とともに排出溝5eを通って上方へと押し上げられ、スクリューロッド3が備えるスクリュー部3bに乗って地表へと運ばれ排出される。
前記掘削と同時に、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)を、例えば毎秒3回の周期で、パイロットビット5の上部を構成するヘッド部5bの上方に形成された肩部5hの上端面5fに印加する。この押圧力(打ち込み力)は、肩部5hの下端面5iを通じてこれと対向するケーシングシュー8の上端面8cに伝達され、さらにケーシングシュー8と接合するケーシング7へと付与される。これにより、パイロットビット5およびリングビット6の掘削により形成された削孔にケーシング7およびケーシングシュー8が、下方に向けて効率的に打ち込まれる。これら一連の作業によって削孔作業が進められる。
ところで、この掘削装置1においては、ケーシング7およびケーシングシュー8の内側に、スクリューロッド3およびパイロットビット5の全部ならびにリングビット6の一部(筒状部6b)が収容される構造となっている。ここで、非回転要素であるケーシング7およびケーシングシュー8と回転要素であるスクリューロッド3、パイロットビット5およびリングビット6との間には、所定のクリアランスが形成されているが、削孔作業を確実かつ効率的に実施する観点から、当該クリアランスは小さく設計されている。このため、組立て時の僅かなズレや装置全体の撓み、もしくは廃土の侵入等によって当該クリアランスが失われる事態が比較的生じやすく(当該事態は、特許文献1および2に記載の掘削装置等の従来から存在する掘削装置全般にみられる)、この時生じる摩擦力に起因した回転力がケーシング7およびケーシングシュー8に作用することで共連れによる回転が発生する。また、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)は、前述したように、パイロットビット5の肩部5h(肩部5hの下端面5i)を通じてこれと対向するケーシングシュー8の本体基部8aの上端(本体基部8aの上端面8c)へと伝達されるが、当該伝達時に回転要素であるパイロットビット5の肩部5hの下端面5iと非回転要素であるケーシングシュー8の本体基部8aの上端面8cとが接することで摩擦力が生じ、これに起因した回転力がケーシングシュー8に作用することも共連れによる回転の原因となっている。当該共連れによる回転の発生原因(メカニズム)は、本発明に係る掘削装置1固有のものではなく、本発明の技術分野に属する掘削装置全般に共通するものである。
そして、ケーシング7およびケーシングシュー8が、内側に収容するスクリューロッド3、パイロットビット5およびリングビット6の回転に共連れして回転すると、スクリューロッド3との相対回転は小さくなる。当該相対回転が小さくなると、スクリューロッド3が回転することで生み出される押上作用も小さくなる。このため、前記共連れによる回転が生じると廃土の排出効率が低下する。廃土の排出効率が低下すると削孔作業の効率も低下する。このような理由から、削孔作業を円滑かつ効率的に進めるためには、ケーシング7およびケーシングシュー8が共連れによって回転することを防止する回転抑止機構が必要となる。なお、削孔の深さが深くなると、ケーシング7およびケーシングシュー8の外周に印可される土圧が高くなってゆき、最終的にはケーシング7およびケーシングシュー8は共連れしなくなるので、この回転抑止機構による回転抑止作用は、特に前記土圧が弱い削孔開始当初に大きな意味を持つ。
そして上記掘削装置1によれば、ケーシングシュー8の外周面に突設された回転抑止体として機能する突起部8gのみから構成された極めて簡易な構造によって前記回転抑止機構が実現されている。すなわち、所定の長さの突起部8gが設けられたことで、ケーシングシュー8と地盤との間の接触抵抗、特にケーシングシュー8が回転することを抑止する方向に働く接触抵抗が増大し、ケーシングシュー8およびこれと接合するケーシング7が、その内側に収容するスクリューロッド3、パイロットビット6およびリングビット5の回転に共連れして回転することを効果的に防止できるといった効果がもたらされる。また、突起部8gは、掘削装置1の下端部に配設されたケーシングシュー8の外周面に設けられていることから、削孔作業の開始と略同時に、突起部8gは地盤と接触することになる。このため、本発明にあっては、削孔作業の開始と略同時に、前記回転防止効果がもたらされる。上述のように、ケーシング7を土中に打ち込んでいく際、最初はケーシング7が土中にない(またはその深さが浅い)ので、ケーシング7の外周面にかかる土圧が小さく、共回りし易いが、本突起部8gによれば、最も共回りし易いときから回転抑止効果を生じるので、効果的である。言い換えれば、ケーシング7およびケーシングシュー8は、最終的には土圧によってその回転が止まるが、突起部8gを設けることで、当該ケーシング7およびケーシングシュー8の回転防止を削孔開始時まで早めることができ、これによってより効率的に廃土を行うことができるのである。
なお、上記掘削装置1においては、リングビット6とケーシングシュー8とが前記連接構造、すなわち、回転部品であるリングビット6の筒状部6bが内側に、非回転部品であるケーシングシュー8の支持部8bが外側に配置されるようにして連接しているため、支持部8bの外周面に、地盤と接する突起部8gを容易に長く設けることが可能である。
また、突起部8gのみによって構成された回転抑止機構は、比較的薄い板材からなるケーシング7に直接加工を施す必要がないため、生産性に優れるといった利点がある。
また、削孔作業をより迅速に行なうために、本実施形態に係る掘削装置1においては、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)を、パイロットビット5およびリングビット6に印加し、これを下方推進力として利用する構造となっている。すなわち、この掘削装置1においては、ダウンザホールハンマー4の下面とパイロットビット5が備える肩部5hの上端面5fとが対向し、また、肩部5hの下端面5iとケーシングシュー8の上端面8cとが対向し、さらにケーシングシュー8の下端とリングビット6の端面6eとが緩衝部材11を介して対向するように構成されている。当該構成によれば、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)は、パイロットビット5が備える肩部5hに直接印加された後、この肩部5hとケーシングシュー8とを通じてリングビット6へと印加される。これにより、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)は、パイロットビット5およびリングビット6を下方へ押下げる推進力として作用することになる。
前記削孔作業により、ケーシング7は地中内に埋め込まれていく。そして削孔が予定の深さに達したら、パイロットビット5とリングビット6との接続(チャッキング)を解除し、パイロットビット5、スクリューロッド3およびダウンザホールハンマー4を引き抜いてこれら部位を回収する。一方、ケーシング7、ケーシングシュー8およびリングビット6は、地中に残したまま本杭として利用される。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。また、前記実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いに構成を組み合わせることも可能である。また、前記記載及び図面によって示された内容は、その一部であっても、それぞれが独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は、前記記載及び図面によって示された内容を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
例えば、ケーシングシュー8の外周面に形成された回転抑止体としての前記突起部8gの形態に対し、掘削装置1の回転抑止効果を増大させる観点から、種々の変形が可能である。例えば、より多数の突起部8gをケーシングシュー8の外周面に形成し、または上下斜めに延在する凸形状や曲線状の凸形状を呈した突起部8gにすることができる。上下斜めに延在する凸形状を呈した突起部8gにあっては、当該突起部8gに作用する土圧を利用して、共連れによる回転の方向(スクリューロッド3、パイロットビット5およびリングビット6の回転方向)と逆方向にケーシングシュー8を回転させる力を発生させるようにその向き(角度)等を設計してもよい。さらに、前記凸形状が、薄く形成されたフィン形状や立方体、直方体、半球面等といった形状の突起部8gとしてもよく、さらにこれら種々の異なる凸形状を呈する突起部8を組み合わせることもできる。また、突起部8gの水平断面形状を、矩形、三角形、半球および三日月形状等にすることができる。また、上記掘削装置1の突起部8gは、ケーシングシュー8の上下方向(軸方向)の寸法と略同じ長さを有しているが、接触抵抗を増大させるために、ケーシングシュー8の上端を超えてケーシング7の外周面と対向する位置にまで延在するように構成しても良い。また、突起部8gをケーシングシュー8の外周面に直接設ける(一体的に設ける)のではなく、突起部8gを形成した別箇の専用部品を用意し、この専用部品をケーシングシュー8の外周面に装着する構成としても良い。
1:掘削装置
2:アースオーガ
3:スクリューロッド
4:ダウンザホールハンマー
5:パイロットビット
6:リングビット
6d:溝部
7:ケーシング
8:ケーシングシュー
8a:本体基部
8b:支持部
8e:突出部
8g:突起部(回転抑止体)
9:装置固定枠体
10:連接部材
10a:ワイヤー
11:緩衝部材

Claims (4)

  1. 上下に伸長する円管部材からなるケーシングと、
    このケーシングの下端部に同軸状に接合した円筒部材からなるケーシングシューと、
    前記ケーシングおよびケーシングシューへ回転可能に挿入されるパイロットビットと、
    このパイロットビットの下端部外周部分へ継手要素を介して着脱自在に取り付けられるリングビットとを具備する掘削装置において、
    地盤と接触する前記ケーシングシューの外周面の一部に、水平断面において前記外周面から半径方向外方に向けてさらに突出する凸部からなる回転抑止体を形成したことを特徴とする掘削装置。
  2. 前記回転抑止体は、上下方向に延在する凸部であることを特徴とする請求項1に記載の掘削装置。
  3. 前記回転抑止体は、最外径寸法が、前記リングビットの最外径寸法以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の掘削装置。
  4. 前記回転抑止体の下端近傍部分は、その下端から上方に向けてしだいに外径寸法を大きくする形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の掘削装置。
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