JP2008058758A - 建物内光伝送路 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設建物が有する事情に適合させた建物内光伝送路の提供を可能にすることである。
【解決手段】既設ビル内に、エレベータ昇降路を利用して、新たに敷設される建物内光伝送路30は、光ケーブルとして、テナントビル10の外部の主幹線光ケーブルから分岐してテナントビル10に引き込まれる1本の引き込みケーブル40と、各階別に1本ずつ作成される複数の階別ケーブル50と、各テナントごとに1本ずつの戸別ケーブル60と、3種類の光ケーブルを有する。また、種類の異なる光ケーブル間を光伝送的に接続するために、建物に1つの建物階別光分配ボックス70と、各階ごとに1つの各階戸別光分配ボックス80とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物内光伝送路に係り、特に、既設建物内に主幹線光ケーブルから引き込まれ、建物内の各戸に配線される建物内光伝送路に関する。
近年、ビル等の建物においては、居住者やテナントが容易に通信配線を利用できるように予め建物に光ケーブル等を配線した通信用伝送路を整備し、建物の付加価値を高めることが行われる。例えば、複数階を有する建物において、幹線光ケーブルから分岐した支線光ケーブルを建物内に引き込み、この支線光ケーブルを分配器等で分配し、さらに建物の高さ方向に配線しつつ、各階の居住者やテナントに配線をすることが行われる。
このように新規に建設される建物では、予め配線配管等の配線経路を確保して建物設計が行われるので、光ケーブルを建物内に敷設することが容易である。一方、既存の建物についても、その付加価値を高めるために建物内に光ケーブルを敷設する要望は高い。この場合、問題になるのは、建物の高さ方向に光ケーブルをどのように敷設するかである。一般的には、建物の床壁に適当な貫通穴を設け、ここに光ケーブルを通すことが考えられる。ところで、建物の床壁には、各階間の電気ケーブルや水道管、ガス管等がすでに埋設して敷設されているので、これらを損傷しないように、予めX線等を用いた非破壊検査等が行われる。そして、貫通穴を設ける工事が行われることになるが、床壁は建物の強度を確保するものであるから、相当に厚く、工事もかなりのコストと工期を要し、工事音等で居住者やテナントに対する影響も大きい。
そこで、既存建物が既存のエレベータを備えている場合に、その昇降路を用いて光ケーブルを通すことが検討されている。
例えば、特許文献1には、携帯電話公衆基地局の設置方法として、建物の最上部に設けられるエレベータ機械室の中に公衆基地局を設置し、光ファイバケーブルをエレベータ機械室から建物の最下部に向けて、建物内に延設されるエレベータ昇降路内を通して交換機まで配線することが開示されている。
また、特許文献2には、既設ビルに光ケーブルネットワークを簡便に構築する方法として、エレベータ昇降路内に、インターネットに接続されるサーバとエレベータ制御盤とに接続される光ケーブルを配設し、各階床ごとの呼び装置内にセパレータとコンバータを設け、セパレータはエレベータの呼び信号と、インターネットの外部通信信号とを分離し、コンバータはエレベータの呼びボタンの電気信号と光信号との間の信号変換を行うことが開示されている。ここでは、エレベータ制御盤と各階呼びボタンとの間の信号交信と、外部と各階ユーザとの間のインターネット通信の信号交信とが、エレベータ昇降路内の光ケーブルを経由して行われている。そして、光ケーブルを曲げを少なくするために、鏡を用いて光路を曲げ、あるいは壁に斜め方向に貫通穴を開けることを提案している。
特開2006−42026号公報 特開2005−136533号公報
このように、既設建物が備えるエレベータ昇降路を利用することで光ケーブルを既設建物内に敷設することが比較的容易に行えるものと考えられる。しかし、光ケーブルは、光ファイバを用いて信号を伝送するものであるので、電気導体線を用いて信号を伝送する一般的な信号線と異なる取り扱いが必要である。すなわち、屈曲に注意を要し、また接続にはファイバ間を溶着するか、あるいはファイバに溶着した光コネクタを用いることが必要である。さらに、エレベータ昇降路を用いて光ケーブルを建物内に敷設する場合に、外部からエレベータ昇降路までの敷設、エレベータ昇降路から各階のユーザまでの敷設も、既設建物の場合は新築建物に比べ容易ではない。
例えば、エレベータ昇降路内の敷設は、既設建物のそれぞれの事情にあまり依存しないことが多いが、外部から光ケーブルを導入する部分は、既設建物内におけるエレベータ昇降路の配置位置が外部に対してどのようであるかの事情に大きく依存し、同様に、エレベータ昇降路から各階に導いて各階ユーザに光ケーブルを配線する部分も、既設建物内におけるエレベータ昇降路の配置位置が各階ユーザの配置に対しどのようであるかに大きく依存する。
上記特許文献2において、光ケーブルの曲げを少なくする方法について提案しているが、外部からエレベータ昇降路までの既設建物内に敷設される光伝送路、既設昇降路内に新たに敷設される光ケーブル、エレベータ昇降路から各階のユーザまでの既設建物内に敷設される光伝送路に対する上記のような既設建物に特有の事情について十分に述べていない。また、既設建物内で生じる光ケーブル間の接続手段等についても十分に述べていない。
このように、従来技術においては、光ケーブルの敷設に関し既設建物に特有の課題に対する配慮が不十分で、建物内光伝送路が既設建物の事情に十分適合していない。
本発明の目的は、既設建物が有する事情に適合可能な建物内光伝送路を提供することである。
本発明に係る建物内光伝送路は、既設エレベータを有する既設建物内に主幹線光ケーブルから引き込まれ、建物内の各戸に配線される建物内光伝送路であって、当該建物に割り当てられる本数の配線を含んで1本化された引き込みケーブルと、当該階で配線する複数の各戸配線を被覆部によって1本化され、各階別に作成される複数の階別ケーブルと、各戸ごとに1本ずつの戸別ケーブルと、引き込みケーブルの各配線の端部と、各階別の複数の階別ケーブルのそれぞれについての各戸配線の一方端部とを対応付けて接続する接続端子盤を有し、エレベータ昇降路と防火壁を隔てた外側の区域に設けられる建物階別光分配ボックスと、当該階の階別ケーブルに一本化被覆されている各戸配線の他方端部と、各戸の端末に接続される戸別ケーブルの一方端部とを対応付けて接続する接続端子盤を有し、建物の各階においてエレベータ昇降路と防火壁を隔てた外側の区域に設けられる各階戸別光分配ボックスと、エレベータ昇降路内壁のうち、上下する釣り合い錘が面する内壁面以外の内壁に沿って、建物の最下層と最上層の間に配置される光ケーブル案内索と、建物階別光分配ボックスが設けられる区域とエレベータ昇降路と間の防火壁に設けられた導入防火孔と、各階戸別光分配ボックスが設けられる各階の区域とエレベータ昇降路と間の防火壁にそれぞれ設けられた各階防火孔と、を有し、1本の引き込みケーブルから建物階別光分配ボックスを介し、建物の階ごとに各1本の階別ケーブルに分配され、各階別ケーブルが導入防火孔を経由してエレベータ昇降路内において光ケーブル案内索に沿って配置され、当該階の各階防火孔を経由して各階戸別光分配ボックスを介し、各戸ごとに各1本の戸別ケーブルに分配され、戸別ケーブルが各戸にそれぞれ配線されていることを特徴とする。
また、本発明に係る建物内光伝送路において、建物階別光分配ボックス及び各階戸別光分配ボックスは、各配線ごとに設けられる複数の光接続端子固定部を有する接続端子盤を内部に備える開閉自在の金属性蓋付ボックスであることが好ましい。
また、各階戸別光分配ボックスは、防水防塵構造であることが好ましい。
また、建物階別光分配ボックスは、引き込みケーブルを導く1つの引き込み孔と、複数の階別ケーブルを端部でまとめて引き出す引き出し孔とを有し、引き出し孔が階別ケーブルの数より少ないときは、建物階別光分配ボックスを固定する固定板を設け、引き出し孔から複数の階別ケーブルを引き出し、固定板上で、複数の各階ケーブルを中間部で整列配置してそれぞれ固定することが好ましい。
また、階別ケーブルは、その内部に金属製テンションバーを含まない構造であることが好ましい。
また、階別ケーブルは、被覆に含まれる複数の各戸配線の少なくとも一方の端部に、それぞれ融着された光コネクタを有することが好ましい。
また、本発明に係る建物内光伝送路において、引き込みケーブルと、建物階別光分配ボックスとの間に、当該建物に割り当てられる本数の配線を含んで1本化された中間ケーブルと中間接続ボックスとを設け、引き込みケーブルの引き込み端と中間ケーブルの一方端とが中間接続ボックスで接続され、中間ケーブルの他方端が建物階別光分配ボックスに接続されることが好ましい。
上記構成により、建物内光伝送路は、外部からの1本の引き込みケーブルから建物階別光分配ボックスを介し、建物の階ごとに各1本の階別ケーブルに分配され、各階別ケーブルが導入防火孔を経由してエレベータ昇降路内において光ケーブル案内索に沿って配置され、当該階の各階防火孔を経由して各階戸別光分配ボックスを介し、各戸ごとに各1本の戸別ケーブルに分配され、戸別ケーブルが各戸にそれぞれ配線されている。
このように、既設建物に光ケーブルを敷設する全体を、外部から光ケーブルを導入する部分と、エレベータ昇降路を用いて光ケーブルを敷設する部分と、エレベータ昇降路から各階に導いて各階ユーザに光ケーブルを配線する部分と3つに分け、ぞれぞれの接続のために建物階別光分配ボックスと各階戸別光分配ボックスとを設けるので、既設建物の事情を3つの部分に分けて、それぞれ適合させることができる。
また、引き込みケーブル、各階別ケーブル、戸別ケーブルをそれぞれ1本化したので、既設建物への適合が単純化できる。
また、エレベータ昇降路内で光ケーブルが案内される光ケーブル案内索は、エレベータ昇降路内壁のうち、上下する釣り合い錘が面する内壁面以外の内壁に沿って配置される。すなわち、エレベータの釣り合い錘が上下する内壁面を避けて光ケーブル案内索を配置するので、光ケーブルを安全に敷設でき維持できる。
また、建物階別光分配ボックス及び各階戸別光分配ボックスは、各配線ごとに設けられる複数の光接続端子固定部を有する接続端子盤を内部に備える開閉自在の金属性蓋付ボックスであるので、既設建物に合わせた取り扱いに便利であると共に、繊細といわれる光ファイバの接続部を外部から保護できる。
また、各階戸別光分配ボックスは、防水防塵構造であるので、例えば、建物外壁の外に各階戸別光分配ボックスを配置する必要がある等の既設建物の事情に適合させることが容易となる。
また、建物階別光分配ボックスは、引き込みケーブルを導く1つの引き込み孔と、複数の階別ケーブルを端部でまとめて引き出す引き出し孔とを有し、引き出し孔が階別ケーブルの数より少ないときは、建物階別光分配ボックスを固定する固定板を設け、引き出し孔から複数の階別ケーブルを引き出し、固定板上で、複数の各階ケーブルを中間部で整列配置してそれぞれ固定する。これにより、繊細といわれる光ファイバが光分配ボックスの外で揺れることを防止できる。
また、階別ケーブルは、その内部に金属製テンションバーを含まない構造とするので、金属導体線を含んで構成される一般通信線と明確に区別することができる。
また、階別ケーブルは、被覆に含まれる複数の各戸配線の少なくとも一方の端部に、それぞれ融着された光コネクタを有するので、現場での複雑な溶着作業がその分軽減される。
また、引き込みケーブルと、建物階別光分配ボックスとの間に、当該建物に割り当てられる本数の配線を含んで1本化された中間ケーブルと中間接続ボックスとを設け、引き込みケーブルの引き込み端と中間ケーブルの一方端とが中間接続ボックスで接続され、中間ケーブルの他方端が建物階別光分配ボックスに接続されることとする。これによって、既設建物の事情によって、建物階別光分配ボックスまでの引き込み長さが長い場合に、一本化された中間ケーブルによって中継することができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態について詳細に説明する。以下では、建物内光伝送路に関するいくつかの実施の形態について具体的に説明するが、これらにおける建物の階数、戸数、建物の用途、構造等は、既設建物の事情の例示であって、これら以外の階数、戸数、用途、構造等であってもよい。また、以下において、既設建物、既設エレベータというときの既設とは、建物全体が既に完成し、居住者やテナント等が既に利用しており、またその建物に既にエレベータが備えられていて既に運行されており、居住者やテナントが既に利用していることを指す。つまり、典型的には、いわゆる中古ビルが中古エレベータを備える状態であり、新築建設中の建物で既に建設済みの部分の状態を指すものではない。
第1の実施形態は、複数のテナントが入居している既設ビル内に、エレベータ昇降路を利用して、新たに敷設される建物内光伝送路である。図1に示されるように、このテナントビル10は、8階建てで、2階から8階の各階にそれぞれ4戸のテナント12が入居し、1基のエレベータを備えている。図1には、エレベータ昇降路20と、乗りかご22が示されている。
ここで、建物内光伝送路30は、光ケーブルとして、テナントビル10の外部の主幹線光ケーブルから分岐してテナントビル10に引き込まれる1本の引き込みケーブル40と、各階別に1本ずつ作成される複数の階別ケーブル50と、各テナントごとに1本ずつの戸別ケーブル60と、3種類の光ケーブルを有する。また、種類の異なる光ケーブル間を光伝送的に接続するために、建物に1つの建物階別光分配ボックス70と、各階ごとに1つの各階戸別光分配ボックス80とを有する。
テナント12は、上記のように、2階から8階の各階にそれぞれ4戸であるので、建物内光伝送路30としては、4戸×7階分=28戸の各戸に光ケーブルを配線する設計となっている。したがって、1本の引き込みケーブル40は、テナントビル10に割り当てられる本数として合計28本の配線を含んで1本化されている。また、階別ケーブル50は、各階ごとに、その階のテナント数である4本の配線を含んで1本化されたものが階数分の本数、つまり7本ある。そして、戸別ケーブル60は、各階ごとにそれぞれ4本ずつ、合計28本ある。
すなわち、各戸用に1本の配線を、種類に応じた配線数だけまとめて被覆で一本化された光ケーブルをそれぞれ1本と数えることにすると、建物内光伝送路30は、28本の配線を有する引き込みケーブル40が1本、4配線を有する階別ケーブル50が7本、1配線を有する戸別ケーブル60が28本で構成される。そして、7本の階別ケーブル50は、エレベータ昇降路20の内壁に沿って、テナントビル10の最下層と最上層との間に配置される。
その様子を、図2に示す。図2は、光伝送を管理するキャリア会社のPON(Passive Optical Network)装置38から、テナントビル10の各テナント12に光ケーブルが配線される様子を模式的に示す図である。
28本の配線を有する引き込みケーブル40は、その一方端がキャリア会社のPON装置38に接続され、他方端が建物階別光分配ボックス70に接続される。PON装置38は、光多重機能を有する装置で、主幹線光ケーブルから、複数のユーザにそれぞれ必要な割り当て回線数を分岐することができる装置で、図2の例では、テナントビル10に割り当て回線数として28配線分を分岐して、被覆によって1本化された引き込みケーブル40とする機能を有する。図2におけるAは、一本化された引き込みケーブル40が、28本の配線を内部に含んで構成されていることを模式的に示すものである。
建物階別光分配ボックス70は、テナントビル10の最下層である1階で、エレベータ昇降路20と防火壁を隔てた外側の区域に設けられるボックスで、引き込みケーブル40の28配線と、7本の階別ケーブル50の1本につき4本の配線の合計28配線とを、それぞれ対応付けて光伝送的に接続する機能を有する。
エレベータ昇降路20内に配置される7本の階別ケーブル50のそれぞれは、一方端が建物階別光分配ボックス70に接続され、他方端が、各階にそれぞれ設けられる各階戸別光分配ボックス80に接続される。例えば、3階の4戸用の階別ケーブル50は、一方端が建物階別光分配ボックス70に接続され、他方端が、3階に設けられる各階戸別光分配ボックス80に接続される。
階別ケーブル50は、建物最下層に設けられる建物階別光分配ボックス70と、目的の階に設けられる各階戸別光分配ボックス80との間に配置されるが、その間の建物の垂直方向に沿った配置に、エレベータ昇降路20が用いられる。例えば、上記の例で、テナントビル10の1階に設けられる建物階別光分配ボックス70と、3階の各階戸別光分配ボックス80との間に配置される3階用の階別ケーブル50は以下のように配置される。すなわち、1階の建物階別光分配ボックス70が設けられる区域からエレベータ昇降路20と間の防火壁に設けられた導入防火孔を通って、エレベータ昇降路20の内部に入り、エレベータ昇降路20の内壁に沿って目的階である3階のところまで延伸し、3階用の各階戸別光分配ボックス80が設けられる区域とエレベータ昇降路20と間の防火壁に設けられた各階防火孔を通って各階戸別光分配ボックス80に至る。
階別ケーブル50の配置は上記の通りであるが、この配置を得るための敷設方法は、階別ケーブル50を建物の下層側から上層側に上げるよりも、上層側から下層側に垂らした方が作業性がよい。したがって、具体的な階別ケーブル50の敷設に際しては、上記の例で、3階の各階戸別光分配ボックス80に3階用の階別ケーブル50の他方端を接続し、一方端を各階防火孔に通してエレベータ昇降路20に垂らし、1階の導入防火孔を通して建物階別光分配ボックス70に接続する方法をとることが好ましい。
図3は、階別ケーブル50とエレベータ昇降路20との関係を説明する図である。エレベータ昇降路20は、乗りかご22の開閉扉側の乗り場口23を除いて防火壁21で囲まれている。乗り場口23には乗り場ボタン25が設けられている。エレベータ昇降路20の内壁には、階別ケーブル50をエレベータ昇降路20に沿って最下層と最上層との間に光ケーブル案内索28が設けられる。光ケーブル案内索28は、7本の階別ケーブル50を、建物の目的階まで垂直方向に配置する際の案内及び結び付け保持のための垂直部材で、例えば、エレベータ制御ケーブル等を保持するために従来から用いられているいわゆるメッセンジャーワイヤと同等のものを用いることができる。光ケーブル案内索28は、外部との高速通信用の光ケーブルを保持するものであるので、従来のメッセンジャーワイヤとは別個に設けられることが望ましい。
光ケーブル案内索28は、エレベータ昇降路20内を上下する釣り合い錘24が面する内壁を除いた内壁面26の適当な位置に配置される。すなわち、乗りかご22の開閉扉が向かい合う内壁面、乗りかご22において開閉扉の両側面に向かい合う内壁面図の適当な位置に配置される。そして、7本の階別ケーブル50もまた、釣り合い錘24が面する内壁を除いた内壁面26に沿って配置される。図3の例では、このテナントビルの配置からみて、階別ケーブル50を乗り場口23の防火壁21の天井側に導入防火孔27を設けて、防火壁21の外側の区域に設けられる建物階別光分配ボックス70と接続することが望ましい場合であったので、光ケーブル案内索28は、乗りかごの側面に向かい合う内壁面に設けられている。
なお、図3は、建物1階における様子を示す図であるので、上記のように乗り場口23の防火壁21の天井側に導入防火孔27が設けられ、合計7本の階別ケーブル50がその導入防火孔27に配置される。そして、2階から8階の各階にも、同様の位置、すなわち各階の乗り場口23の防火壁21の天井側に各階防火孔が設けられ、そこには、光ケーブル案内索28から対応する階用の階別ケーブル50が1本だけ分けられて通され、防火壁21の外側の区域に設けられる各階戸別光分配ボックス80に向かって配置される。
建物階別光分配ボックス70は、エレベータ昇降路20の防火壁21の外側の区域であって、導入防火孔27に近い場所に配置される。図3の例では、エレベータ昇降路20の防火壁21であって、導入防火孔27のごく近くの壁面に取り付けられる。壁面上の高さ位置は必ずしも天井側でなくてもよく、好ましくは、後述の光ファイバ溶着作業に便利なように適当な作業空間が確保できることがよい。なお、図1で説明したように、テナントビル10は、1階にはテナント12が入居しておらず、エレベータ昇降路20の脇に適当な空間が確保することが可能である。
同様に、各階戸別光分配ボックス80も、エレベータ昇降路20の防火壁21の外側の区域であって、各階防火孔に近い場所に配置される。図3の例では、エレベータ昇降路20の防火壁21であって、導入防火孔27のごく近くの壁面に取り付けられる。2階以上の各階には、テナントが入居しているので、壁面上の取り付け位置は、天井側に近い方が好ましい。
図4は、3種類の光ケーブル40,50,60と、建物階別光分配ボックス70及び各階戸別光分配ボックス80との関係を説明する図である。図4(a)は引き込みケーブル40の断面図、(b)は階別ケーブル50の断面図、(c)は、引き込みケーブル40と階別ケーブル50との間の建物階別光分配ボックス70を介した接続と、階別ケーブル50と戸別ケーブル60との間の各階戸別光分配ボックス80を介した接続の様子を説明する図である。
引き込みケーブル40は、上記のように、合計28本の配線を含んで1本化された光ケーブルである。図4(a)の断面図に示されるように、引き込みケーブル40は、4本の芯線42が1つのテープスロット45に収められ、中央のテンションバー43を囲んで7つのテープスロット45が配置されて1つの被覆部41によって覆われ、一本化された光ケーブルを形成している。そして、合計28本の芯線42のそれぞれの一方端は、図2で説明したように、キャリア会社のPON装置38に接続され、それぞれの他方端は、建物階別光分配ボックス70に設けられる接続端子盤90の一方側接続部に接続される。
各芯線は、光ファイバを芯線被覆で覆って一本の光配線としたものである。各芯線同士の光学的接続は、芯線被覆を取り除いた光ファイバ同士を溶着することで行われる。あるいは、光ファイバの先端に溶着等によって適当な光コネクタを取り付け、光コネクタ付き光ファイバとし、2つの光コネクタ付き光ファイバを、接続光コネクタを介して光学的に接続することで行われる。光ファイバの接続は、光伝送特性に影響するので、接続の合否試験が必ず行われる。例えば、光ファイバ同士の溶着で光学的接続をするときは、接続現場において試験光伝送を行なって溶着の合否が判定される。光コネクタ付き光ファイバを用いるときは、光コネクタ付き光ファイバを製造する工場において溶着等の合否が判断され、接続現場では、溶着を行う必要がないが、接続光コネクタに一対の光コネクタ付き光ファイバを接続して試験光伝送が行なわれ、接続光コネクタにおける接続の合否が判断される。
なお、テンションバー43は、一本化された光ケーブルが過度に曲げられることのないようにする機能のほか、一本化された光ケーブル自体の剛性を増す役割を有する。テンションバー43は、導体通信線と明確に区別できるように、導体金属でないことが望ましい。例えば、アラミド繊維のようにファイバ強化樹脂等を用いることが好ましい。
階別ケーブル50は、上記のように、4本の配線を含んで一本化された光ケーブルである。なお、図4(c)には、7本の階別ケーブルの中の1本の階別ケーブル50のみが示されている。図4(b)の断面図に示されるように、階別ケーブル50は、4本の芯線52が中央のテンションバー53を囲んで配置されて1つの被覆部51によって覆われ、一本化された光ケーブルを形成している。そして、4本の芯線52のそれぞれの一方端は、建物階別光分配ボックス70に設けられる接続端子盤90の他方側接続部に接続され、それぞれの一方端は、各階戸別光分配ボックス80に設けられる接続端子盤90の他方側接続部に接続される。なお、テンションバー53は、引き込みケーブル40の場合と同様に、例えばアラミド繊維を用いることが好ましい。
階別ケーブル50の各芯線52のそれぞれの一方端、すなわち各階戸別光分配ボックス80への接続側の端部には、光コネクタ56がそれぞれ接続される。各芯線52のそれぞれの他方端、すなわち建物階別光分配ボックス70への接続側は芯線被覆が取り除かれ露出光ファイバ54となっている。
戸別ケーブル60は、光ファイバを芯線被覆で覆って一本化した光ケーブルである。戸別ケーブル60の一方端、すなわち、各階戸別光分配ボックス80への接続側の端部には、光コネクタ62が接続される。
建物階別光分配ボックス70は、金属製の蓋付きボックスで、内部に28組の光ファイバ芯線を接続可能な接続端子盤90を備える。接続端子盤90は、一方側に28個、一方側に28個のファイバ接続部をそれぞれ有する。そして、一方側のファイバ接続部に、引き込みケーブル40の各芯線を溶着によってそれぞれ接続し、他方側のファイバ接続部に、対応する階別ケーブル50の各芯線52を溶着によってそれぞれ接続することで、引き込みケーブル40を構成する各芯線42と、階別ケーブル50の各芯線52とをそれぞれ対応付けて光学的に接続する機能を有する。
各階戸別光分配ボックス80は、金属製の蓋付きボックスで、内部に4組の光コネクタを接続可能な接続端子盤92を備える。接続端子盤92は、4個の接続コネクタを有し、一方側の4つの接続部に、階別ケーブル50の光コネクタ56付きの芯線52をそれぞれ挿入して接続し、他方側の4つの接続部に、対応する光コネクタ62付き戸別ケーブル60をそれぞれ挿入して接続することで、階別ケーブル50を構成する各芯線52と、戸別ケーブル60とをそれぞれ対応付けて光学的に接続する機能を有する。
図5は、各階戸別光分配ボックス80の分解斜視図である。各階戸別光分配ボックス80は、金属製の下筐体82と、金属製の下筐体82と組み合わされる蓋部84と、下筐体82の内部に固定配置される接続端子盤92を有して構成される。接続端子盤92の内容は上記の通りである。下筐体82には2つの穴86,88が設けられ、蓋部84にもこれらに対応して2つの穴87,89が設けられる。下筐体82と蓋部84とが組み合わされると、これら2つの穴は、1本の階別ケーブル50を引き込む引き込み穴86,87と、4本の戸別ケーブル60を引き出す引き出し穴88,89となる。そして、階別ケーブル50が配置された引き込み穴86,87、複数の戸別ケーブル60が配置された引き出し穴88,89にはそれぞれ隙間を埋める緩衝材が設けられる。したがって、その状態で下筐体82と蓋部84とが組み合わされることで、各階戸別光分配ボックス80は密閉された小型の金属ボックスとなり、接続端子盤92が配置される内部空間が外部から保護される。
建物階別光分配ボックスも、内部に固定配置される接続端子盤の接続端子数が異なるのみで、各階戸別光分配ボックスと同様な構成である。このように、複数の光接続部を内部に収容し、小型の密閉容器で外部から保護する建物階別光分配ボックスと各階戸別光分配ボックスを用いることで、引き込みケーブル、階別ケーブル、戸別ケーブルを相互に容易に接続できる。したがって、既設建物の事情は、引き込みケーブル、階別ケーブル、戸別ケーブルのそれぞれの長さ、引き込みケーブル、階別ケーブルにそれぞれ含まれる芯線の数、建物階別光分配ボックス、各階戸別光分配ボックスに含まれるそれぞれの接続端子盤の接続端子数に集約することができる。そして、これらはすべて工場において設定し、製造することができる。
また、光コネクタを用いることで、現場における光ファイバの溶着作業の負荷を軽減できる。上記の例では、建物階別光分配ボックスにおいて溶着を行い、各階戸別光分配ボックスにおいては、光コネクタの挿入接続を行う。これは、テナントが入居しておらず作業空間の確保できる1階に建物階別光分配ボックスが配置されることと、テナントが入居していて、作業空間が十分取れない2階以上の階に各階戸別光分配ボックスが配置される既設建物の事情を考慮したものである。
このように、既設建物の事情に合わせ、3種類の光ケーブルと2種類の光分配ボックスの仕様を設定し製造し、現場において、これらを接続敷設することで、既設建物の有する事情に適合可能な建物内光伝送路を提供できる。
第2の実施形態は、複数の居住者が入居している既設マンション内に、エレベータ昇降路を利用して、新たに敷設される建物内光伝送路である。この例のマンションは、12階建てで、2階から12階の各階にそれぞれ8戸の住居があり1基のエレベータを備えている。図6に、このマンション100のエレベータ昇降路120近傍の1階の平面図が示されている。2階以上の各階はほとんど同じ構造で、図7に2階以上の各階の代表的な斜視図を示す。なお、以下では、図1から図5と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
このマンション100のエレベータ昇降路120は、図6に示すように独特の平面形状を有している。そして、エレベータの乗り場口23から廊下104が延びている。これは2階以上において、エレベータの乗り場口23から各居住者の住居112へ通じている廊下で、外部と隔てる外壁部を有しない、いわゆるベランダ廊下で、外気に吹きさらしの状態である。また、このマンション100は、エレベータ昇降路120が、建物の端部に近く配置され、エレベータ昇降路120と建物外壁との間にポンプ室102が設けられている。
このようなマンション100において敷設された建物内光伝送路130は、図1から図5の実施形態と同様に、3種類の光ケーブル40,50,60と、2種類の光分配ボックス70,180を有することについては共通しているが、以下のように、芯線数が異なる。すなわち、このマンション100における建物内光伝送路130は、2階から12階のそれぞれに8本の戸別ケーブル60を配線するので、引き込みケーブル40は、11×8本=88本の配線を含み、被覆部で一本化されている。階別ケーブル50は、それぞれ8本の配線を含み、被覆部で一本化され、合計11本である。戸別ケーブル60は、各階にそれぞれ8本で、合計88本である。また、建物階別光分配ボックス70は、内部に88組の芯線を接続可能な接続端子盤を有する。各階戸別光分配ボックス180は、それぞれ内部に8組の芯線を接続可能な接続端子盤を有する。
マンション100は、上記のように、エレベータ昇降路120と建物外壁との間にポンプ室102が設けられているので、ここに建物階別光分配ボックス70を配置することで、建物の外から引き込みケーブル40をエレベータ昇降路120の近くに引き込むことが容易である。したがって、導入防火孔27は、エレベータ昇降路120とポンプ室102との間の防火壁121に設ける。そして、光ケーブル案内索28は、図7に示す各階戸別光分配ボックス180の配置を考慮し、乗りかご22を挟んで導入防火孔27が設けられた内壁面と対称な内壁面に設けられる。したがって、11本の階別ケーブル50は、エレベータ昇降路120のポンプ室102側の内壁面の導入防火孔27から乗り場口23の内壁面に沿って、ポンプ室102に向かい合う内壁面に設けられる光ケーブル案内索28まで3つの内壁面を回って配線されることになる。この場合でも、エレベータ昇降路120内を上下する釣り合い錘24に面する内壁面を除く内壁面に沿って、光ケーブル案内索28が設けられ、また、階別ケーブル50も設けられることは、図3において説明したのと同じである。
図7に示されるように、各階においては、エレベータの乗り場口23に向かって左側の天井側に各階防火孔127が設けられる。この位置は、上記の光ケーブル案内索28が配置される内壁面の位置に対応している。この各階防火孔127から各階用の階別ケーブルが引き出されるが、廊下114は、上記のように吹きさらしであるので、階別ケーブルは防塵防水のためにダクト182内を通され、各階戸別光分配ボックス180に導かれる。
各階戸別光分配ボックス180は、基本的に図5で説明したと同じ構成であるが、廊下114が上記のように吹きさらしであるので、特に防塵防水に配慮がされることが好ましい。すなわち、下筐体と蓋部との間に防塵防水用緩衝材等が設けられ、引き込み穴と階別ケーブル、引き出し穴と戸別ケーブル60との間の緩衝材も十分に詰められることが好ましい。
建物階別光分配ボックス70は、図1から図5で説明した建物内光伝送路30に用いられるものと基本的に同様な構造である。但し、上記のように、接続端子盤が、11×8=88組の芯線の接続が可能な接続容量を有し、引き込み穴が88芯線を含む1本の引き込みケーブルを通すことと、引き出し穴が、8芯線を含む階別ケーブルを11本引き出すところが異なる。特に、階別ケーブルが11本と多いので、引き出し穴から引き出された後で、自由にすると、階別ケーブルが揺れることが懸念される。
図8は、固定板170を用い、建物階別光分配ボックス70を固定取付すると共に、複数の階別ケーブル50を中間部で整列配置させて固定する整列配置部材171を設ける様子を示す図である。整列配置部材171は、例えば階別ケーブル50の数だけの凹部を有する支持板と押え板との組合せとし、支持板と押え板の間に、階別ケーブル50を一本ずつ離して整列配置して挟み込むものとすることができる。
このように、既設建物の事情に合わせ、3種類の光ケーブルと2種類の光分配ボックスの仕様を設定し製造し、例えば、各階戸別光分配ボックスを防塵防水構造とし、建物階別光分配ボックスにおいて多数の階別ケーブルを中間部で整列配置して固定する構造とし、現場において、これらを接続敷設することで、既設建物の有する事情に適合可能な建物内光伝送路を提供できる。
第3の実施形態は、既設社員寮内に、エレベータ昇降路を利用して、新たに敷設される建物内光伝送路である。この例の社員寮は、6階建てで、各階にそれぞれ22室の寮室があり1基のエレベータを備えている。図9に、この社員寮200のエレベータ昇降路20を含む1階の平面図が示されている。なお、図1から図5で説明したのと同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この社員寮200の各階のエレベータ昇降路20の横には、電気配線等を各階に通すためのいわゆるEPS(Electric Pipe Space)202の空間が設けられている。但し、光ケーブルを新たにこのEPS202内に敷設する余裕の空間はない。また、この社員寮200のエレベータ昇降路20は、横長の建物の中央近くに配置され、光ケーブルの外部からの引き込み地点201から遠く離れている。具体的には引き込み地点201からエレベータ昇降路20まで数10m離れている。
上記の実施例1、実施例2では、いずれも建物階別光分配ボックスの配置位置が建物の外壁から近くに設けられ、引き込みケーブルの長さがあまり長くないので、建物階別光分配ボックスの接続地点までをキャリア会社の所有及び責任とすることが可能である。図9の社員寮200の例では、エレベータ昇降路20の近くに建物階別光分配ボックス70を配置するとなると、階別ケーブル50の取り扱いは便利であるが、社員寮200の建物内のかなりの長さの光ケーブルの管理責任が、キャリア会社か社員寮200の管理者かが問題となる。
そこで、1階のEPS202に建物階別光分配ボックス70を配置し、引き込み地点201から建物階別光分配ボックス70までは遠いので、引き込みケーブル40をそのまま建物階別光分配ボックス70まで延伸するのではなく、引き込み地点201の近くの建物内に適当な中間接続ボックス204を設ける。そして、中間接続ボックス204から建物階別光分配ボックス70まで、中間ケーブル206を用いて接続する。こうすることで、キャリア会社の所有及び責任を中間接続ボックス204までとし、それよりも建物の内部の部分を、社員寮200の管理下におくものとすることができる。
また、各階にはエレベータ昇降路20の横に同様にEPS202が設けられているので、この各階EPS202に、1階の導入防火孔と建物階別光分配ボックスの配置と同様な配置で、各階用の各階防火孔と各階戸別光分配ボックスを設けることができる。また、エレベータ昇降路20内には、光ケーブル案内索28を建物の最下層と最上層の間に設け、階別ケーブル50を案内して配置することができる。
したがって、このような社員寮200において敷設された建物内光伝送路230は、図1から図5の実施形態と同様に、3種類の光ケーブルとして引き込みケーブル40、階別ケーブル50、戸別ケーブルと、2種類の光分配ボックスとして建物階別光分配ボックス70と各階戸別光分配ボックスを有することについては共通しているが、そのほかに、建物の事情に適合させるため、中間ケーブル206と中間接続ボックス204とを有する。
この建物内光伝送路230を構成する各要素の芯線数は以下の通りである。すなわち、この社員寮200においては、1階から6階のそれぞれに22本の戸別ケーブルを配線するので、標準ケーブルの仕様を考慮し、引き込みケーブル40は、6×24本=144本の配線を含み、被覆部で一本化されている。中間ケーブル206も、同様に、6×24本=144本の配線を含み、被覆部で一本化されている。階別ケーブル50は、それぞれ24本の配線を含み、被覆部で一本化され、合計6本である。戸別ケーブルは、各階にそれぞれ22本で、合計132本である。また、中間接続ボックス204は、内部に144組の芯線を接続可能な接続端子盤を有する。建物階別光分配ボックス70も、内部に144組の芯線を接続可能な接続端子盤を有する。各階戸別光分配ボックスは、それぞれ内部に24組の芯線を接続可能な接続端子盤を有する。
このように、既設建物の事情に合わせ、3種類の光ケーブルと2種類の光分配ボックスの仕様を設定し製造し、さらに、中間ケーブルと、中間接続ボックスとを用い、現場において、これらを接続敷設することで、既設建物の有する事情に適合可能な建物内光伝送路を提供できる。
第1実施形態における建物内光伝送路の構成を示す図である。 第1実施形態において、光伝送を管理するキャリア会社のPON装置から、テナントビルの各テナントに光ケーブルが配線される様子を模式的に示す図である。 第1実施形態において、階別ケーブルとエレベータ昇降路との関係を説明する図である。 第1実施形態において、3種類の光ケーブルと、建物階別光分配ボックス及び各階戸別光分配ボックスとの関係を説明する図である。 本発明に係る実施の形態における各階戸別光分配ボックス分解斜視図である。 第2実施形態の建物内光伝送路において、マンションのエレベータ昇降路近傍の1階の平面図である。 第2実施形態の建物内光伝送路において、各階の代表的な斜視図である。 本発明に係る実施の形態において、固定板を用い、建物階別光分配ボックスを固定取付すると共に、複数の階別ケーブルを中間部で整列配置させて固定する整列配置部材を設ける様子を示す図である。 第3実施形態の建物内光伝送路において、社員寮のエレベータ昇降路を含む1階の平面図である。
符号の説明
10 テナントビル、12 テナント、20,120 エレベータ昇降路、21,121 防火壁、22 乗りかご、23 乗り場口、24 釣り合い錘、25 乗り場ボタン、26 内壁面、27 導入防火孔、28 光ケーブル案内索、30,130,230 建物内光伝送路、38 PON装置、40 引き込みケーブル、41,51 被覆部、42,52 芯線、43,53 テンションバー、45 テープスロット、50 階別ケーブル、54 露出光ファイバ、56,62 光コネクタ、60 戸別ケーブル、70 建物階別光分配ボックス、80,180 各階戸別光分配ボックス、82 下筐体、84 蓋部、86,87,88,89 穴、90,92 接続端子盤、100 マンション、102 ポンプ室、104,114 廊下、112 住居、127 各階防火孔、170 固定板、171 整列配置部材、182 ダクト、200 社員寮、201 引き込み地点、202 EPS、204 中間接続ボックス、206 中間ケーブル。

Claims (7)

  1. 既設エレベータを有する既設建物内に主幹線光ケーブルから引き込まれ、建物内の各戸に配線される建物内光伝送路であって、
    当該建物に割り当てられる本数の配線を含んで1本化された引き込みケーブルと、
    当該階で配線する複数の各戸配線を被覆部によって1本化され、各階別に作成される複数の階別ケーブルと、
    各戸ごとに1本ずつの戸別ケーブルと、
    引き込みケーブルの各配線の端部と、各階別の複数の階別ケーブルのそれぞれについての各戸配線の一方端部とを対応付けて接続する接続端子盤を有し、エレベータ昇降路と防火壁を隔てた外側の区域に設けられる建物階別光分配ボックスと、
    当該階の階別ケーブルに一本化被覆されている各戸配線の他方端部と、各戸の端末に接続される戸別ケーブルの一方端部とを対応付けて接続する接続端子盤を有し、建物の各階においてエレベータ昇降路と防火壁を隔てた外側の区域に設けられる各階戸別光分配ボックスと、
    エレベータ昇降路内壁のうち、上下する釣り合い錘が面する内壁面以外の内壁に沿って、建物の最下層と最上層の間に配置される光ケーブル案内索と、
    建物階別光分配ボックスが設けられる区域とエレベータ昇降路と間の防火壁に設けられた導入防火孔と、
    各階戸別光分配ボックスが設けられる各階の区域とエレベータ昇降路と間の防火壁にそれぞれ設けられた各階防火孔と、
    を有し、
    1本の引き込みケーブルから建物階別光分配ボックスを介し、建物の階ごとに各1本の階別ケーブルに分配され、各階別ケーブルが導入防火孔を経由してエレベータ昇降路内において光ケーブル案内索に沿って配置され、当該階の各階防火孔を経由して各階戸別光分配ボックスを介し、各戸ごとに各1本の戸別ケーブルに分配され、戸別ケーブルが各戸にそれぞれ配線されていることを特徴とする建物内光伝送路。
  2. 請求項1に記載の建物内光伝送路において、
    建物階別光分配ボックス及び各階戸別光分配ボックスは、各配線ごとに設けられる複数の光接続端子固定部を有する接続端子盤を内部に備える開閉自在の金属性蓋付ボックスであることを特徴とする建物内光伝送路。
  3. 請求項2に記載の建物内光伝送路において、
    各階戸別光分配ボックスは、防水防塵構造であることを特徴とする建物内光伝送路。
  4. 請求項2に記載の建物内光伝送路において、
    建物階別光分配ボックスは、
    引き込みケーブルを導く1つの引き込み孔と、複数の階別ケーブルを端部でまとめて引き出す引き出し孔とを有し、
    引き出し孔が階別ケーブルの数より少ないときは、建物階別光分配ボックスを固定する固定板を設け、引き出し孔から複数の階別ケーブルを引き出し、固定板上で、複数の各階ケーブルを中間部で整列配置してそれぞれ固定することを特徴とする建物内光伝送路。
  5. 請求項1に記載の建物内光伝送路において、
    階別ケーブルは、その内部に金属製テンションバーを含まない構造であることを特徴とする建物内光伝送路。
  6. 請求項1に記載の建物内光伝送路において、
    階別ケーブルは、
    被覆に含まれる複数の各戸配線の少なくとも一方の端部に、それぞれ融着された光コネクタを有することを特徴とする建物内光伝送路。
  7. 請求項1に記載の建物内光伝送路において、
    引き込みケーブルと、建物階別光分配ボックスとの間に、当該建物に割り当てられる本数の配線を含んで1本化された中間ケーブルと中間接続ボックスとを設け、引き込みケーブルの引き込み端と中間ケーブルの一方端とが中間接続ボックスで接続され、中間ケーブルの他方端が建物階別光分配ボックスに接続されることを特徴とする建物内光伝送路。
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