JP2008058334A - イムノクロマトグラフィー用展開溶媒、測定法およびキット - Google Patents

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Abstract

【課題】イムノクロマトグラフィー法に用いられる展開溶媒を改良することにより、測定時の非特異的凝集および非特異反応を防止し、以って、高い確度で測定を行えるようにする。
【解決手段】緩衝液中に、ホスホリルコリン基を有する重合体を含有せしめてなることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用展開溶媒。該重合体は、0.005〜0.3w/v%の濃度で含有されていることが好ましく、その数平均分子量は40,000以上であることが好ましい。該重合体は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単量体として含有することが好ましく、その単独重合体であっても、疎水性のエチレン系不飽和単量体との共重合体であってもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体より採取された試料をイムノクロマトグラフィー法で展開可能な液体状の被験試料として調製するのに好適な展開溶媒、および、この展開溶媒を用いたイムノクロマトグラフィー測定法、ならびに、この展開溶媒を備えたイムノクロマトグラフィー測定用キットに関する。
イムノクロマトグラフィー法は、一般に、細長の膜担体の中央部に第一抗体を予め固定して捕捉部位を形成するとともに、金コロイドなどで呈色標識された第二抗体を含浸せしめた部材を該膜担体の一端に配置した後、液体状の被験試料を該含浸部材に滴下することにより、該試料と第二抗体との混合物を膜担体中にて上記捕捉部位に向けてクロマト展開させることにより行われる。試料中に検体としての抗原が存在すると、該抗原は、上記第二抗体と抗原抗体反応により複合体を形成するとともに、上記捕捉部位において第一抗体との抗体抗原反応により捕捉されて集積して発色する。したがって、膜担体の上記捕捉部位における呈色の度合いを肉眼で観察することにより、被験試料中の抗原の有無を判定できる。
かくして、イムノクロマトグラフィー法は、抗原抗体反応に起因する高い特異性に加え、簡易、迅速を特徴とする臨床診断法として実用化されている。また、イムノクロマトグラフィー法は、操作が煩雑で重厚な設備、機器などを必要とせず、軽便な器具を使用した簡便な操作により、目視だけでも検体の有無を判定できる点で好都合である。
かかるイムノクロマトグラフィー法に適用される生体試料としては、尿、糞、唾液、血液、血清、咽頭のスワブなどあるが、試料の種類によっては、検体が存在しないにもかかわらず捕捉部位で淡い呈色を示す所謂非特異反応を生じることがあり、検査における確度の低下をもたらすことがあった。この非特異反応の原因としては種々の要因が考えられるが、未だ明らかでない。
特開平7−83923号公報 特開平11−352127号公報 特開2001−21560号公報 国際公開第02/18953号パンフレット 特開平9−304384号公報
上記生体試料のうち、糞、唾液、血液、血清、咽頭のスワブなどは粘性が高いため、イムノクロマトグラフィー法で測定するに際して、予め適当な希釈液で希釈する必要がある。かかる希釈液としては、従来、リン酸緩衝液(PBS)などが用いられており、試料の分散性を高めるために、牛血清アルブミン(BSA)などを添加することも一般的に行われている。しかしながら、市販のBSAには免疫グロブリン等の不純物が混入していることがあり、上述のように、非特異反応を防止する方法としては確実でないとされている。
一方、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体については、これを分析用反応容器の内表面に被覆するとアルブミンのようなタンパク質が該容器の内表面に付着するのを防止できること(特開平7−5177号公報)、サンドイッチ測定法などで用いられる抗体結合固相、抗原結合固相などのブロッキング剤として使用できること(特開平7−83923号公報、特開平10−114800号公報)、蛋白質と共存させることにより該蛋白質の保存性を高めることができること(特開平10−45794号公報)、などが知られている。
しかしながら、イムノクロマトグラフィー法における展開溶媒の改良については未だ充分な検討が行われておらず、非特異反応を防止するための展開溶媒の改良については言うに及ばない。ましてや、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体のような高分子材料がイムノクロマトグラフィー法の展開溶媒に与える性質については、何ら検討されていない。
本発明の第1の目的は、イムノクロマトグラフィー法に用いられる展開溶媒を改良することにより、測定時の非特異的凝集および非特異反応を防止し、以って、高い確度で測定を行えるようにする展開溶媒を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、前記展開溶媒を用いたイムノクロマトグラフィー測定法を提供することにある。本発明の第3の目的は、前記測定法用のキットを提供することにある。
本発明の一局面によれば、緩衝液中に、下記式(1)で示されるホスホリルコリン基を有する重合体を含有せしめてなることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用展開溶媒が提供される。
Figure 2008058334
また、本発明の他の局面によれば、検体の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の物質を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、前記検体の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の物質と所定量の生体試料とを上記展開溶媒に混合するとともに、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記生体試料中に含まれる検体を前記捕捉部位に捕捉させることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法が提供される。
さらに、本発明の他の局面によれば、検体の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の物質と、前記検体の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の物質と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の物質は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の物質は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップ、および、容器内に収容された上記展開溶媒、からなることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定用キットが提供される。
本発明で使用する重合体(以下「PC重合体」と記すこともある)としては、側鎖に上記式(1)で示されるホスホリルコリン基を有する重合体が挙げられ、一般には、該ホスホリルコリン基を含有するエチレン系不飽和単量体(以下「PC単量体」と記すこともある)を構成単位として含有する重合体が使用される。該重合体は、PC単量体の単独重合体であってもよく、また、該PC単量体と共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体との共重合体であってもよいが、単独重合体が好ましい。
PC単量体の具体例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートなどが挙げられる。その他、PC単量体として、特開2000−355609号公報、特開2001−288209号公報、特開2001−228149号公報に記載のホスホリルコリン類似基含有単量体も使用できる。
このうち、下記式(2)で示される2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートが好ましく、入手が容易であることから、2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(「2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン」または「MPC」と記すこともある)が特に好ましい。
Figure 2008058334
(式中、Xは水素原子又はメチル基である。)
PC単量体は、前記のPC単量体の1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
PC単量体と共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体としては、親水性単量体及び疎水性単量体の何れも使用できる。
親水性単量体としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基、アミド基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ塩基、トリアルキルホスホニウム塩基、ポリオキシエチレン基などの親水性基を含有するエチレン系不飽和化合物が挙げられる。
かかる親水性単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸(MAc)等のカルボン酸;スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシホスホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のイオン性基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素単量体;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの親水性単量体の内、弱酸性又は非イオン性の親水基を有する単量体が好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸およびポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、メタクリル酸およびポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートが特に好ましい。メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、下記式(3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008058334
(式中、nは2以上の整数であり、好ましくは3〜8の整数である。)
疎水性単量体としては、下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008058334
(式中、Rは、−C−、−C10−、−(C=O)O−、−O−、−(C=O)NH−、−O−(C=O)−および−O−(C=O)−O−からなる群より選ばれる基を示し、Rは、水素原子、−(CH−R、−((CH−O)−Rから選ばれる疎水性官能基(ここで、gおよびhは1〜24の整数、pは3〜5の整数、Rは水素原子、メチル基、−C、−O−Cから選ばれる官能基を示す。)を示す。)
疎水性単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の疎水性ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体等が挙げられる。
これらの疎水性単量体の内、直鎖または分岐アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、直鎖または分岐アルキルメタクリレートが特に好ましい。
上記の親水性単量体及び疎水性単量体は、1種単独で、または、2種以上組み合わせて使用できる。
PC重合体は、それ自体公知の方法に従って、前記PC単量体をラジカル重合などの通常の方法で単独重合または共重合させることにより、容易に製造することができる。それ自体公知の方法としては、たとえば、特開昭54−63025号公報、特開昭58−154591号公報、特開平10−45794号公報などのそれぞれに記載された方法が挙げられる。
PC重合体がPC単量体と他の単量体との共重合体である場合、PC重合体中のPC単量体の含有量は、2〜98モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがさらに好ましい。PC単量体の含有量が少な過ぎると、PC重合体の添加効果が充分に得られず、クロマト展開した際に非特異反応が生じやすくなる。
PC重合体の数平均分子量は、5,000乃至5,000,000程度の範囲が好ましく、40,000〜2,000,000程度の範囲が特に好ましい。PC重合体の数平均分子量が5,000程度未満では膜担体との親和性が低くなりPC重合体の添加効果が十分に得られず、クロマト展開した際に非特異的な反応が生じやすくなり、他方、5,000,000程度より大きいと展開溶媒の粘度が高くなりすぎてクロマト展開が円滑に行われなくなる危険性が増大する。
本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒は、緩衝液中にPC重合体の他、必要に応じて各種添加剤を懸濁もしくは乳濁または溶解せしめて調製することができる。
緩衝液は、そのpHが4〜10であればよく特に制限はないが、たとえば、トリス緩衝液およびリン酸緩衝液などが、実用上、好適に使用される。緩衝液はそのpHが低すぎても、また、高すぎても展開溶媒としての性能が低下し、また、検体の性状に悪影響を及ぼす危険性が大きくなる。なお、HEPES(2−ヒドロキシピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)緩衝液などの他の緩衝液を使用することを妨げない。
本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒におけるPC重合体の濃度は、PC重合体の種類および緩衝液の種類などによって異なり、一概に、特定し得ないが、展開溶媒中、通常は、0.005〜3重量/容量%(以下、w/v%と略すこともある)程度、好ましくは、0.01〜0.3w/v%程度とされる。イムノクロマト用展開溶媒中におけるPC重合体の濃度が低過ぎると、PC重合体の添加効果が十分に得られず、クロマト展開した際に非特異的な反応が生じやすくなり、また、高過ぎると、展開溶媒の粘性が高くなり、クロマト展開が円滑に行われなくなる危険性が増大する。
本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒に必要に応じて添加される添加剤としては、界面活性剤、防腐剤、無機塩などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステル類としては、スパン(Span 米国アトラスパウダー社 Atlas Powder Co.の商品)が挙げられる。ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類としては、トゥイーン(Tween 米国アトラスパウダー社 Atlas Powder Co.の商品)などの非イオン界面活性剤が好適に使用される。本発明の展開溶媒における界面活性剤の濃度は、界面活性剤の種類およびPC重合体の種類および濃度などによって一概に特定し得ないが、通常は0.01〜10w/v%程度、好ましくは0.5〜5w/v%程度とされる。
防腐剤としては、アジ化ナトリウム、メチルパラベン、ベンジルパラベンなどが好適に使用される。本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒における防腐剤の濃度は、防腐剤の種類、PC重合体の種類、濃度および所望の保存期間の長さなどによって一概に特定し得ないが、所望の保存期間が6ヶ月程度である場合には、実用上、通常は、0.001〜3.0w/v%程度、好ましくは、0.01〜0.5w/v%程度とされる。
無機塩としては、塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、塩化カリウムなどが好適に使用される。本発明の展開溶媒における無機塩の濃度は、無機塩の種類、PC重合体の種類および濃度などによって一概に特定し得ないが、通常は、0.01〜20w/v%程度、好ましくは、0.1〜5w/v%程度とされる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒を用いて、生体より採取された試料をイムノクロマトグラフィー法で展開可能な適当な濃度に希釈することにより、被験試料を容易に調製できる。そして、例えば、検体と抗原抗体反応する捕捉部位が予め形成されたクロマト展開用の膜担体を用意し、該被験試料と標識抗体との混合液を該膜担体にて捕捉部位に向けてクロマト展開させた後、該捕捉部位における検体の集積の有無を検出することにより、被験試料中の検体の有無を判定できる。
本発明によれば、尿、糞便、唾液、血液、血清などの生体試料を、本発明の展開溶媒中に懸濁または溶解せしめるだけで、試料を均一に分散させた被験試料が得られる。例えば、咽頭などの患部を拭ったガーゼまたは綿棒などを展開溶媒中に浸漬又は振盪するだけで、被験試料を調製できる。
検体は、イムノクロマトグラフィー法で検出可能なものであれば特に制限はなく、咽頭スワブに含まれる結核菌やO−157等の病原菌、インフルエンザウイルス等のウイルス、血液中に含まれるC反応性蛋白質などの抗原や各種抗体などの生体高分子の他、環境中に存在する環境ホルモン様物質などの微量物質が挙げられる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒は、上記生体試料のみならず、標識された物質なども良好に分散できるため、非特異反応を有効に防止できるものと考えられる。したがって、イムノクロマト法テストストリップと併用する上で好都合である。
イムノクロマト法テストストリップは、一般に、検体の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の物質と、前記検体の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の物質と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の物質は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の物質は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されて構成される。具体的には、例えば、図1に示されるイムノクロマト法テストストリップが挙げられる。
図1において、数字1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、31は捕捉部位、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示している。図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターで作成されている。該膜担体3には、そのクロマト展開始点側の末端から7.5mmの位置に、検体の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応する第一の物質が固定され、検体の捕捉部位31が形成される。当該第一の物質は、検体が抗原であれば、当該抗原に対する抗体とされ、検体が抗体であれば、当該抗体に対する抗原または抗体とされる。図示の例では、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いているが、被験試料に含まれる検体をクロマト展開可能で、かつ、上記捕捉部位31を形成する物質を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
含浸部材2は、前記第一の抗原決定基と異なる部位に位置する第二の抗原決定基にて前記検体と抗体抗原反応する第二の物質を含浸せしめた部材からなる。当該第二の物質は、適当な標識物質で予め標識される。当該第二の物質は、通常、検体に対する抗体が使用されるが、検体が抗体であって前記第一の物質が抗体であれば、抗原とすることも可能である。図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類なども使用できる。
第二の物質の標識物質としては、使用可能なものであればいかなる物質であってもよく、呈色標識物質、酵素標識物質、放射線標識物質などが挙げられる。このうち、捕捉部位31での色の変化を肉眼で観察することにより迅速かつ簡便にに判定でき、かつ、本発明の展開溶媒によって非特異反応が良好に抑制される点から、呈色標識物質を用いることが好ましい。呈色標識物質としては、金コロイド、白金コロイド等の金属コロイドの他、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスや、天然ゴムラテックスが挙げられ、このうち、金コロイドなどの金属ラテックスが特に好ましい。当該含浸部材2は、標識された第二の物質の懸濁液を前記ガラス繊維不織布等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
図1に示されるように、膜担体3を粘着シート1の中程に貼着し、該膜担体3のクロマト展開の開始点側(すなわち図1の左側、以下「上流側」と記す、また、その逆の側、すなわち図1の右側を、以下「下流側」と記す)の末端の上に、含浸部材2の下流側末端を重ね合わせて連接するとともに、この含浸部材2の上流側部分を粘着シート1に貼着して本発明のイムノクロマト法テストストリップを作成できる。さらに、必要に応じて、含浸部材2の上面に試料添加用部材5の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材5の上流側部分を粘着シート1に貼着してもよく、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材4の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材4の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめることもできる。
試料添加用部材5としては、例えば、多孔質ポリエチレンおよび多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、ならびに、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または織布もしくは不織布を用いることができる。吸収用部材4は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
さらに、市販品の場合、図1のイムノクロマト法テストストリップは、試料添加用部材5と捕捉部位31の上方にそれぞれ被験試料注入部と判定部が開口された適当なプラスチック製ケース内に収容されて提供される。
かくして、本発明の展開溶媒中に所定量の生体試料を混合してクロマト展開可能な混合液を被験試料として得た後、当該混合液を図1に示されるイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上に注入すると、該混合液は、該試料添加用部材5を通過して含浸部材2において、標識された第二の物質と混合する。その際、該混合液中に検体が存在すれば、抗原抗体反応により検体と第二の物質との複合体が形成される。この複合体は、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位31に到達し、そこに固定された第一の物質と抗原抗体反応して捕捉される。このとき、標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が使用されていれば、当該呈色標識物質の集積により発色するので、直ちに、検体の有無を判定することができる。かくして、本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒を適当な容器に密閉封入して、イムノクロマト法テストストリップとセットしてイムノクロマトグラフィー測定用キットとして提供することは有用である。
本発明を実施例により、さらに、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り、「%」は「w/v%(重量/容量%)」を示す。
合成例1[MPCホモポリマー(以下、PMPCと略記する)の合成]
MPC50.0gをエタノール100gに溶解して、4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ後に、60℃でアゾビスブチロニトリル(以下、AIBNと略記する)0.24gを加えて8時間重合反応させた。重合液を3Lのジエチルエーテル中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末29.6gを得た。なお、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分析した。分析条件は20mMリン酸緩衝液(pH7.4)を溶離液とし、ポリエチレングリコールを標準物質とし、屈折率により検出した。結果を表1に示す。
合成例2[MPC/メトキシポリ(エチレンオキシド(付加モル数=4))モノメタクリレート)共重合体(以下、PMEと略記する)の合成]
MPC23.0g、メトキシポリ(エチレンオキシド(付加モル数=4))モノメタクリレート)7.7gをエタノール160gに溶解して、4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ後に、60℃でAIBNを0.82g加えて8時間重合反応させた。重合液を3Lのジエチルエーテル中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末19.8gを得た。なお、分子量は合成例1と同様に分析した。更に、共重合組成比はH−NMRにより求めた。結果を表1に示す。
合成例3[MPC/メタクリル酸共重合体(以下、PMAcと略記する)の合成]
MPC12.0g、メタクリル酸8.0gを水40gに溶解して、4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ後に、60℃でコハク酸パーオキサイド0.82gを加えて8時間重合反応させた。重合液を3Lのジエチルエーテル中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末19.8gを得た。なお、分子量は合成例1と同様に分析した。更に、共重合組成比はH−NMRにより求めた。結果を表1に示す。
合成例4[MPCホモポリマー低分子(以下、PMPC−Lと略記する)の合成]
MPC25.0gをエタノール100gに溶解して、4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ後に、70℃でAIBN2.40gを加えて8時間重合反応させた。重合液を3Lのジエチルエーテル中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末16.2を得た。なお、分子量は合成例1と同様に分析した。結果を表1に示す。
Figure 2008058334
実施例1[展開溶媒1]
合成例1で得られたPMPC0.025%、界面活性剤(Tween20)1.0%、および、保存剤(アジ化ナトリウム)0.09%を混合して展開溶媒1を調製した。
インフルエンザ様疾患を有する病院患者及び健常人のそれぞれの口腔から咽頭に滅菌綿棒を挿入し、該綿棒の頭部で咽頭を拭った後、該頭部を0.5mlの展開溶媒1に浸漬して充分攪拌し、それぞれの被験試料を得た。得られた被験試料の100μlを、インフルエンザウイルス抗原検出用クロマト法テストストリップ(商品名:キャピリアFlu、株式会社タウンズ製、膜担体としてニトロセルロース製メンブレンフィルター使用)の被験試料注入部に灌注してクロマト展開し、15分後に捕捉部位の呈色の度合いを肉眼で観察して判定した。また、咽頭に滅菌綿棒を挿入することなく該綿棒の頭部で生理食塩水を拭った以外、上記と同様の操作を行い、対照とした。なお、判定は下記4段階評価に従った。
−:着色なし、
±:薄く着色、
+:鮮明に着色、
++:濃厚に着色。
また、上記展開溶媒1の代わりにリン酸緩衝液(400mM、pH7.4)のみ又は0.25%BSAを含有するリン酸緩衝液(400mM、pH7.4)を展開溶媒として用いた以外、上記と同様の操作を行い、捕捉部位の呈色の度合いを肉眼で判定した。結果を表2に示す。
Figure 2008058334
表2から、本発明の展開溶媒を用いた場合、非特異反応が抑制され、健常人とインフルエンザ患者を正確に識別できることがわかる。なお、PMPCの代わりに合成例4で得られたPMPC−Lを用いた以外、上記と同様の方法で試験を行ったところ、PMPCと同等の結果が得られた。
実施例2[展開溶媒2]
合成例2で得られたPME0.025%、界面活性剤(Tween20)1.0%、保存剤(アジ化ナトリウム)0.09%、および、塩化ナトリウム1%を混合して展開溶媒2を調製した。
病原性大腸菌O−157の感染が確認された病院患者及び健常人のそれぞれから採取した糞便5mgを0.5mlの展開溶媒2に懸濁せしめて充分攪拌し、それぞれの被験試料を得た。得られた被験試料の100μlを、大腸菌ベロトキシン検出用クロマト法テストストリップ(商品名:ラインジャッジVT、株式会社タウンズ製、膜担体としてニトロセルロース製メンブレンフィルター使用)の被験試料注入部に注入してクロマト展開し、15分後に捕捉部位の呈色の度合いを肉眼で観察して判定した。なお、判定は実施例1と同様にして行った。また、糞便の代わりに適量の生理食塩水を展開溶媒2に懸濁せしめた以外、上記と同様の操作を行い、対照とした。
また、上記展開溶媒2の代わりにリン酸緩衝液(200mM、pH7.4)のみ又は0.25%BSAを含有するリン酸緩衝液(200mM、pH7.4)を展開溶媒として用いた以外、上記と同様の操作を行い、捕捉部位の呈色の度合いを肉眼で判定した。結果を表3に示す。
Figure 2008058334
表3から、本発明の展開溶媒を用いた場合、非特異反応が抑制され、健常人とO−157感染患者を正確に識別できることがわかる。
参考例1[金コロイドの調製]
(1)使用するガラス器具の全てを王水で洗浄するかまたはシリコンコーティングした。
(2)99mlの超純水をフラスコに入れて沸騰させ、この沸騰水に塩化金酸(片山科学工業株式会社製)水溶液(水溶液1リットル当たり金として5.8g)1mlを加え、さらにその1分後に、1重量%クエン酸ナトリウム水溶液1.5mlを加え、5分間還流を行い、その後、室温に放置して冷却し、懸濁液を得た。次いで、この懸濁液を200mM炭酸カリウム水溶液でpH9.0に調整し、これに超純水を加えて全量を100mlとして金コロイド懸濁液を得た。
参考例2[金コロイド標識抗体の調製]
抗ヒトCRP(C反応性蛋白、C−reactive protein)マウスモノクローナル抗体(株式会社日本バイオテスト研究所製)の蛋白換算重量1μg(以下、抗体の重量を示すとき、その蛋白換算重量を示す)と、参考例1で得られた金コロイド懸濁液1mlとを混合し、室温で2分間静置して、この抗体の全量を該懸濁液中の金コロイド粒子と結合させた。
これに最終濃度が0.2%となるように1%ウシ血清アルブミン(以下「BSA」と記す)水溶液を加えて、上記抗体に結合せしめられた金コロイド粒子の表面をブロックした。この懸濁液を553×gで25分間遠心分離して、金コロイド粒子の表面がBSAでブロックされた金コロイド標識抗体を沈殿せしめて集めた。この金コロイド標識抗体を、0.05%トゥイーン(Tween)20および1%BSAを含有する50mMトリス塩酸塩緩衝液(pH7.4)に再懸濁して、精製金コロイド標識抗体懸濁液を得た。
参考例3[ヒトC反応性蛋白(CPR)検出用イムノクロマト法テストストリップの作製]
C反応性蛋白(CRP)検出用イムノクロマト法テストストリップとして、図1と同様の構成を備えるものを作製した。
すなわち、膜担体3としてニトロセルロース製メンブレンフィルターを用意し、抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体6.3mg/mlを含有した抗体液0.5μgをスポット状に塗布して、これを室温で乾燥して捕捉部位31を形成した。なお、この抗ヒトCRPマウスモノクローナル抗体は、免疫反応において、抗原であるヒトCRPに対する抗原決定基が、参考例2の金コロイド標識抗体の調製に使用された抗体とは異なる抗体である。
標識抗体含浸部材2として、参考例2で調製された精製金コロイド標識抗体懸濁液を含浸せしめて乾燥させたガラス繊維不織布を用いた。また、吸収用部材4として濾紙を、試料添加用部材5として綿布を使用した。
実施例3[展開溶媒3の調製]
リン酸緩衝液(400mM、pH7.4)に、合成例3で得られたPMAc0.025%、界面活性剤(Tween20)1.0%、保存剤(アジ化ナトリウム)0.09%、および、塩化ナトリウム1%を混合して展開溶媒3を調製した。
病院患者及び健常人のそれぞれから採取した血清0.1mlを0.5mlの展開溶媒3に懸濁せしめて充分攪拌し、それぞれの被験試料を得た。得られた被検試料の100μlを、参考例3で得られたイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材上に注入してクロマト展開し、15分後に捕捉部位の呈色の度合いを肉眼で観察して判定した。なお、判定は実施例1と同様にして行った。また、血清の代わりに生理食塩水を展開溶媒3に懸濁せしめた以外、上記と同様の操作を行い、対照とした。
また、上記展開溶媒3の代わりにリン酸緩衝液(400mM、pH7.4)のみ又は0.25%BSAを含有するリン酸緩衝液(400mM、pH7.4)を展開溶媒として用いた以外、上記と同様の操作を行い、捕捉部位の呈色の度合いを肉眼で判定した。結果を表4に示す。
Figure 2008058334
表4から、本発明の展開溶媒を用いた場合、非特異反応が抑制され、健常人と病院患者を正確に識別できることがわかる。
実施例4[PC重合体の好ましい濃度]
PMPCの濃度を0%、0.001%、0.025%、0.25%および5%のそれぞれとした以外、展開溶媒1と同様の組成を有する展開溶媒を用いてインフルエンザ様疾患を有しない健常人に関し、実施例1と同様の操作を行い、捕捉部位の呈色の度合いを判定した。その結果を表5に示す。
Figure 2008058334
表5から、PC重合体の濃度が0.005〜3%の範囲内、特に、0.01〜0.3%の範囲内にあるとき、良好なクロマト展開が達成されるとともに、非特異反応が有効に防止できることがわかる。
[発明の効果]
本発明のイムノクロマトグラフィー用展開溶媒は、ホスホリルコリン基を有する重合体を含有するので、不純物を実質的に含有せず、しかも、生体試料のみならず標識抗体およびその複合体を、その性状を損なうことなく均一に分散させた状態でクロマト展開せしめることを可能とするので、イムノクロマトグラフィー測定における非特異的凝集または非特異反応を有効に防止でき、高い確度で測定を行える。
aはイムノクロマト法テストストリップの平面図、bはaで示されたイムノクロマト法テストストリップの縦断面図。
符号の説明
1 粘着シート
2 含浸部材
3 膜担体
31 捕捉部位
4 吸収用部材
5 試料添加用部材

Claims (13)

  1. 緩衝液中に、下記式(1)で示されるホスホリルコリン基を有する重合体を0.005〜0.3重量/容量%の濃度で含有せしめてなるイムノクロマトグラフィー用展開溶媒であって、前記重合体が、下記式(1)で示されるホスホリルコリン基を有するエチレン系不飽和単量体の単独重合体、又は、前記式(1)で示されるホスホリルコリン基を有するエチレン系不飽和単量体と、該単量体と共重合可能な他の疎水性のエチレン系不飽和単量体との共重合体であることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用展開溶媒。
    Figure 2008058334
  2. 前記式(1)で示されるホスホリルコリン基を有するエチレン系不飽和単量体が、下記一般式(2)で示される単量体である請求項1に記載の展開溶媒。
    Figure 2008058334
    (式中、Xは水素原子またはメチル基を示す)
  3. 前記重合体が、0.01〜0.3重量/容量%の濃度で含有されている請求項1または2に記載の展開溶媒。
  4. 前記重合体が、前記一般式(2)で示される単量体の単独重合体からなる請求項2に記載の展開溶媒。
  5. 前記重合体が、前記一般式(2)で示される単量体と、該単量体と共重合可能な他の疎水性のエチレン系不飽和単量体との共重合体である請求項2に記載の展開溶媒。
  6. 前記一般式(2)の単量体と前記他のエチレン系不飽和単量体の共重合比率(前者:後者)が、モル比で10〜98:90〜2である請求項5に記載の展開溶媒。
  7. さらに、界面活性剤、防腐剤および/または無機塩を含有する請求項1〜6の何れか1項に記載の展開溶媒。
  8. 検体の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の物質を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、前記検体の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の物質と所定量の生体試料とを請求項1〜7の何れか1項に記載の展開溶媒に混合するとともに、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記生体試料中に含まれる検体を前記捕捉部位に捕捉させることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法。
  9. 前記第二の物質の標識物質が金属コロイドまたはラテックスである請求項8に記載の測定法。
  10. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項9に記載の測定法。
  11. 検体の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の物質と、前記検体の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の物質と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の物質は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の物質は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップ、および、容器内に収容された請求項1〜7の何れか1項に記載の展開溶媒、からなることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定用キット。
  12. 前記第二の物質の標識物質が金コロイドまたはラテックスである請求項11に記載のキット。
  13. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項12に記載のキット。
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