JP2008057497A - 電磁クラッチ付回転装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁クラッチからの異音の発生を抑制することが可能な電磁クラッチ付回転装置を提供する。
【解決手段】電磁クラッチ付回転装置1は、ハウジング10と駆動軸16と斜板式圧縮機構20と電磁クラッチ50とを備える。電磁クラッチ50は、ロータ52と電磁コイル56aを内蔵したステータ56とアーマチュア51とハブ53とを有する。電磁コイル56aへの非通電時には、アーマチュア側伝動摩擦面51aの軸芯Oを中心とする最外周縁の半径をRとし、ロータ側伝動摩擦面52aとアーマチュア側伝動摩擦面51aとが軸方向で間隔Dだけ離反する場合、駆動軸16に一体的に形成される第1規制面61と、第1規制面61と径方向で対面し、ボス部12aの内周側に一体的に形成される第2規制面62との間には、ラジアル軸受82から前方にL2だけ離れた位置で、d<D×L2/Rの関係を満たす間隙dの異音防止間隙60が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は電磁クラッチ付回転装置に関する。
特許文献1に従来の電磁クラッチ付回転装置が開示されている。この電磁クラッチ付回転装置は、ハウジングと、ハウジングに軸受を介して回転可能に支承されるとともに、軸受の前端側でハウジング内に設けられたシールによって封止され、外部駆動源によって駆動される駆動軸と、ハウジング内に設けられ、駆動軸の回転により作動する回転機構と、外部駆動源から駆動軸への駆動力の断続を制御可能な電磁クラッチとを備える。
より詳しくは、ハウジングの前端側には、駆動軸の軸芯を中心軸として前方に円筒状に突出するボス部が形成され、ボス部内には、シールより前方に突出する駆動軸の前端部の少なくとも一部が位置している。回転機構は、斜板式圧縮機構であり、ハウジングの内部にはシリンダボア、クランク室、吸入室及び吐出室が形成されている。シリンダボア内には往復動可能にピストンが収容されており、シリンダボア内に圧縮室が区画されている。クランク室内では、駆動軸に対して傾斜しつつ駆動軸とともに回転する斜板が設けられ、斜板の前後の面には対をなすシューが当接し、各ピストンが各対のシューを保持している。こうして、駆動軸の回転運動がピストンの往復運動に変換されるようになっている。
電磁クラッチは、ボス部に回転可能に支承され、外部駆動源に連動連結されるロータと、ロータ内に収納固止され、電磁コイルを内蔵したステータと、ロータの前端側のロータ側伝動摩擦面に自己の後端側のアーマチュア側伝動摩擦面を対向配置させる円板状のアーマチュアと、アーマチュア及び駆動軸を連結するハブとを有する。
このような構成である従来の電磁クラッチ付回転装置では、電磁コイルへの通電時、ステータがアーマチュアを磁力により吸引し、ロータ側伝動摩擦面にアーマチュア側伝動摩擦面を当接させる。その結果、アーマチュア、ハブ及び駆動軸にロータから駆動力が伝達され、アーマチュア、ハブ及び駆動軸はロータと一体に回転することとなる。このようにして電磁クラッチが外部駆動源から駆動軸に駆動力を伝達するように制御すれば、駆動軸の回転により斜板式圧縮機構が作動する。具体的には、駆動軸とともに斜板が回転し、シューを介して各ピストンがシリンダボア内で往復動する。これにより、この電磁クラッチ付回転装置では、吸入室から圧縮室に冷媒を吸入し、圧縮室において冷媒を圧縮して吐出室に吐出する。
逆に、電磁コイルへの非通電時には、ステータがアーマチュアを磁力により吸引しなくなり、ロータ側伝動摩擦面からアーマチュア側伝動摩擦面が離反する。その結果、アーマチュア、ハブ及び駆動軸は、ロータとは一体に回転せず、外部駆動源から駆動軸に駆動力が伝達されなくなって停止することとなる。このようにして電磁クラッチが外部駆動源から駆動軸に駆動力を伝達しないように制御すれば、斜板式圧縮機構もその動作を停止する。
このような斜板式圧縮機構を備える電磁クラッチ付回転装置は、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び配管からなる外部冷媒循環回路とともに用いられて車両用等の冷凍回路を構成する。そして、周囲の状況に応じて、電磁クラッチが外部駆動源から駆動軸への駆動力の断続を制御することにより、回転機構を作動させたり、停止させたりして、車室内等を好適に空調することができる。
特開2005−83325号公報
しかし、上記従来の電磁クラッチ付回転装置では、電磁クラッチが外部駆動源から駆動軸に駆動力を伝達しないように制御する場合に、下記の通り、電磁クラッチから異音が発生するという不具合が生じる場合があった。
すなわち、電磁クラッチが外部駆動源から駆動軸に駆動力を伝達しないように制御する場合、ロータは回転したままであるが、アーマチュア、ハブ及び駆動軸は停止した状態となる。そして、電磁クラッチ付回転装置が取り付けられる車両等からの振動や衝撃が電磁クラッチ付回転装置に伝わると、電磁クラッチ付回転装置を構成するアーマチュア、ハブ及び駆動軸も加振される。
ここで、ボス部内には、シールより前方に突出する駆動軸の前端部の少なくとも一部が位置している。このため、駆動軸は、軸受より前端側に片持ち梁のように突出した状態となっており、さらに駆動軸の前端側に取り付けられたアーマチュア及びハブが錘として作用する。しかも、駆動軸は軸受の前端側でシールによって封止されているため、軸受からアーマチュア及びハブまでの距離も長くなっている。このため、加振された駆動軸の前端側は軸芯に対して直角方向に揺動しやすく、アーマチュア及びハブもそれに伴って軸芯に対して傾斜しやすくなっている。
その結果、離反しているべきアーマチュア側伝動摩擦面とロータ側伝動摩擦面とが接触する事態が生じ得る。このような場合には、回転するロータと、停止しているアーマチュアとが大きな速度差を有しつつ接触することから、大きな異音が発生し易い。そして、このような異音は、電磁クラッチ付回転装置が搭載される車両等の搭乗者に不快感を与えてしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、電磁クラッチからの異音の発生を抑制することが可能な電磁クラッチ付回転装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の電磁クラッチ付回転装置は、ハウジングと、該ハウジングに軸受を介して回転可能に支承されるとともに、該軸受の前端側で該ハウジング内に設けられたシールによって封止され、外部駆動源によって駆動される駆動軸と、該ハウジング内に設けられ、該駆動軸の回転により作動する回転機構と、該外部駆動源から該駆動軸への駆動力の断続を制御可能な電磁クラッチとを備え、
該ハウジングの前端側には、該駆動軸の軸芯を中心軸として前方に円筒状に突出するボス部が形成され、
該ボス部内には、該シールより前方に突出する該駆動軸の前端部の少なくとも一部が位置しており、
該電磁クラッチは、該ボス部に回転可能に支承され、該外部駆動源に連動連結されるロータと、該ロータ内に収納固止され、電磁コイルを内蔵したステータと、該ロータの前端側のロータ側伝動摩擦面に自己の後端側のアーマチュア側伝動摩擦面を対向配置させる円板状のアーマチュアと、該アーマチュア及び該駆動軸を連結するハブとを有するものである電磁クラッチ付回転装置において、
前記電磁コイルへの非通電時には、前記アーマチュア側伝動摩擦面の前記軸芯を中心とする最外周縁の半径をRとし、前記ロータ側伝動摩擦面と該アーマチュア側伝動摩擦面とが軸方向で間隔Dだけ離反する場合、前記駆動軸又は前記ハブの外周側に一体的に形成される第1規制面と、該第1規制面と径方向で対面し、前記ボス部の内周側に一体的に形成される第2規制面との間には、前記軸受から前方にL2だけ離れた位置で、
d<D×L2/R
の関係を満たす間隙dの異音防止間隙が設けられていることを特徴とする。
このような構成である本発明の電磁クラッチ付回転装置は、電磁コイルへの通電時、アーマチュア、ハブ及び駆動軸にロータから駆動力が伝達され、アーマチュア、ハブ及び駆動軸はロータと一体に回転することとなる。このため、駆動軸の回転により回転機構が作動する。
逆に、電磁コイルへの非通電時には、ステータがアーマチュアを磁力により吸引しなくなり、ロータ側伝動摩擦面からアーマチュア側伝動摩擦面が離反する。その結果、アーマチュア、ハブ及び駆動軸は、ロータとは一体に回転せず、外部駆動源から駆動軸に駆動力が伝達されなくなって停止することとなる。このため、回転機構もその動作を停止する。
電磁クラッチが外部駆動源から駆動軸に駆動力を伝達しないように制御する場合、ロータは回転したままであるが、アーマチュア、ハブ及び駆動軸は停止した状態となる。そして、電磁クラッチ付回転装置が取り付けられる車両等からの振動や衝撃が電磁クラッチ付回転装置に伝わると、電磁クラッチ付回転装置を構成するアーマチュア、ハブ及び駆動軸も加振される。
ここで、この電磁クラッチ付回転装置では、電磁コイルへの非通電時において、d<D×L2/R…式(1)の関係を満たす間隙dの異音防止間隙が設けられている。式(1)は、詳細を後述する関係式の近似により、導出されたものである。
このため、加振された駆動軸の前端側が軸芯に対して直角方向に揺動した場合、まず、異音防止間隙が無くなって第1規制面と第2規制面とが接触することとなり、駆動軸がそれ以上揺動することはない。その結果、離反しているアーマチュア側伝動摩擦面とロータ側伝動摩擦面とが接触する事態を生じ難い。このため、回転するロータと、停止しているアーマチュアとが大きな速度差を有しつつ接触する事態を生じ難く、これによる大きな異音も生じない。
したがって、本発明の電磁クラッチ付回転装置は、電磁クラッチからの異音の発生を抑制することができる。その結果、このような電磁クラッチ付回転装置が搭載される車両等の搭乗者に異音による不快感を与えることを抑制できる。
式(1)は以下の関係式から導いたものであり、図1〜図3を用いて説明する。なお、図1〜図3において、左側が前端側であり、右側が後端側である。まず、図1に示すように、本発明の電磁クラッチ付回転装置において、駆動軸6の前端にアーマチュア3が固定されている。そして、アーマチュア側伝動摩擦面3aの軸芯Oを中心とする最外周縁P1の半径をRとし、ロータ側伝動摩擦面4とアーマチュア側伝動摩擦面3aとが軸方向に離反する間隔をDとする。また、アーマチュア側伝動摩擦面3aは、軸受8の前端側の中心点Cから前方にL1だけ離れた位置に設けられている。ロータ側伝動摩擦面4は、軸受8の前端側の中心点Cから前方にL1’だけ離れた位置に設けられている。
第1規制面6a(例えば、駆動軸6の一部が大径化された大径部の外周面)と、第1規制面6aと径方向で対面する第2規制面7(例えば、ボス部の内周面)との間には、間隙dの異音防止間隙5が設けられている。また、第1規制面6aの前端側の軸芯Oを中心とする最外周縁P2は、軸受8の前端側の中心点Cから前方にL2だけ離れた位置に設けられている。軸芯Oを中心とする最外周縁P2の半径をrとし、軸芯Oを中心とする第2規制面7の半径をr’とする。
最外周縁P1上の任意の点と軸受8の前端側の中心点Cとを結ぶ直線C−P1は、軸芯Oに対して角度θ1で傾斜している。また、最外周縁P2上の任意の点と軸受8の前端側の中心点Cとを結ぶ直線C−P2は、軸芯Oに対して角度θ2で傾斜している。
そして、図2及び図3に示すように、駆動軸6の前端側が軸受8に片持ち支持された状態で、揺動して変位する場合を考える。この際、駆動軸6の前端側は、厳密にはカーブを描く。しかし、駆動軸6の変位が微小であることから簡略化して、駆動軸6の前端側が軸受8の前端側の中心点Cを屈曲点として、軸芯Oに対して屈曲するように傾斜すると想定する。
ここで、図2に示すように、アーマチュア側伝動摩擦面3aの最外周縁P1がロータ側伝動摩擦面4に接触する場合において、駆動軸6の前端側の軸芯Oに対する傾斜角α1、ロータ側伝動摩擦面4とアーマチュア側伝動摩擦面3aとが軸方向に離反する間隔D、及び最外周縁P1の半径Rの関係式を求める。なお、傾斜角α1が微小であることから、式2−5の近似式を適用する。
Figure 2008057497
上記により、傾斜角α1、間隔D及び半径Rの間で、式2−9の関係が導かれる。
また、図3に示すように、第1規制面6aの前端側の最外周縁P2が第2規制面7に接触する場合において、駆動軸6の前端側の軸芯Oに対する傾斜角α2、異音防止間隙5の間隙d、及び第1規制面6aの最外周縁P2と軸受8の前端側の中心点Cとの間の距離L2の関係式を求める。なお、傾斜角α2が微小であることから、式3−5の近似式を適用する。
Figure 2008057497
上記により、傾斜角α2、間隙d及び距離L2との間で、式3−9の関係が導かれる。
Figure 2008057497
そして、アーマチュア側伝動摩擦面3aの最外周縁P1がロータ側伝動摩擦面4に接触するよりも先に、第1規制面6aの前端側の最外周縁P2が第2規制面7に接触する必要があることから、傾斜角α1及び傾斜角α2は、式4−1の関係を有しなければならない。そして、式4−1に式2−9及び式3−9を代入することにより、d<D×L2/R…式(1)が導出される。
本発明の電磁クラッチ付回転装置において、第1規制面は、駆動軸に固定される大径部材の外周面であり得る。この場合、駆動軸の一部を大径化して、駆動軸と一体に大径部材を形成したり、駆動軸と別体の大径部材を駆動軸に装着固定することにより、容易に本発明の構成を実現できるので、製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明の電磁クラッチ付回転装置において、シールがメカニカルシールである場合、大径部材はこのメカニカルシールの可動環であり得る。この場合、メカニカルシールの可動環を大径部材としても利用することにより、大径部材を別途用意することなく、容易に本発明の構成を実現できるので、製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明の電磁クラッチ付回転装置において、第1規制面は、ハブの外周面であり得る。この場合、ハブの外周面の一部を大径化して、ハブと一体に大径部材を形成することにより、容易に本発明の構成を実現できるので、製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明の電磁クラッチ付回転装置において、第2規制面は、ボス部に固定される小径部材の内周面であり得る。この場合、ボス部の一部を小径化して、ボス部と一体に小径部材を形成したり、ボス部と別体の小径部材をボス部に装着固定することにより、容易に本発明の構成を実現できるので、製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明の電磁クラッチ付回転装置において、シールがメカニカルシールである場合、小径部材はメカニカルシールの固定環であり得る。この場合、メカニカルシールの固定環を小径部材としても利用することにより、小径部材を別途用意することなく、容易に本発明の構成を実現できるので、製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明の電磁クラッチ付回転装置において、回転機構は、冷媒としてのCO2を吸入した後、圧縮して吐出する圧縮機構であり得る。CO2が冷媒である場合には、圧縮時の圧力が15MPa程度の非常に高い圧力となるため、圧縮機構を駆動する駆動軸とハウジングとの間のシールにも高い封止性能が要求される。そして、駆動軸のシールされる部分を小径化した方がハウジングと駆動軸との間の封止性能を容易に高くすることができることから、駆動軸のシールされる部分から前端までが小径化される傾向にある。このような場合、駆動軸の剛性が低下し、駆動軸の前端側が一層揺動し易くなることから、本発明の効果をより顕著に享受することができる。
本発明の電磁クラッチ付回転装置において、第1規制面及び第2規制面の少なくとも一方には、両者の衝突を緩和する緩衝層が設けられていることが好ましい。この場合、第1規制面と第2規制面とが速度差を有さずに接触する際の小さな異音の発生をも抑制することができるので、本発明の効果をより確実に実現できる。
緩衝層は、ゴム、エラストマー、軟質樹脂、硬質樹脂、金属その他の一般的な緩衝材料を貼設したり、コーティングしたりすることにより形成され得る。
以下、本発明を具体化した実施例1〜5を図面を参照しつつ説明する。なお、図4〜図9において、左側が前端側であり、右側が後端側である。
図4及び図5に示すように、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1は、CO2を冷媒とする容量可変型の斜板式圧縮機であり、ハウジング10と、駆動軸16と、回転機構としての斜板式圧縮機構20と、電磁クラッチ50とを備えている。
電磁クラッチ付回転装置1のハウジング10は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを有している。
ハウジング10内において、シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、クランク室15が区画形成されている。シリンダブロック11とフロントハウジング12との間には、駆動軸16がクランク室15を通過するように配設されている。そして、駆動軸16は、シリンダブロック11側のラジアル軸受81とフロントハウジング12側のラジアル軸受82とにより回転可能に支承されている。また、駆動軸16は、ラジアル軸受82の前端側でフロントハウジング12内に設けられたシール90によって封止されている。
フロントハウジング12の前端側には、駆動軸16の軸芯Oを中心軸として前方に円筒状に突出するボス部12aが形成されている。そして、ボス部12a内には、シール90より前方に突出する駆動軸16の前端部16aが位置している。シール90は、金属製環状体とゴム製リップとが一体化されたオイルシール等の一般的なものが採用されている。このため、駆動軸16は、フロントハウジング12側のラジアル軸受82より前端側がラジアル軸受82により片持ち支持された状態となっている。そして、シール90は、駆動軸16の前端側が軸芯Oに対して揺動したとしても、拘束力を殆ど発揮しないことから、駆動軸16は、ラジアル軸受82の前端側の中心点Cより前端側で軸芯Oに対して直角方向に揺動し得る状態となっている。特に、この電磁クラッチ付回転装置1がCO2を冷媒とする容量可変型の斜板式圧縮機であることから、CO2を冷媒としないものと比較して、駆動軸16が小径化される傾向にあり、駆動軸16の剛性が低下して、一層揺動し易くなっている。
駆動軸16には、車両の走行駆動源でもある外部駆動源としてのエンジンEが電磁クラッチ50を介して作動連結されている。
電磁クラッチ50は、ロータ52と、ステータ56と、アーマチュア51と、アーマチュア51及び駆動軸16を連結するハブ53とを有している。
ロータ52は、ハウジング10の外側前方に位置し、ボス部12aの外周側に配設された軸受84を介して、ボス部12aに回転可能に支承されている。また、ロータ52は、ベルト59を介して、エンジンEに連動連結されている。ロータ52の前端側には、後述するアーマチュア側伝動摩擦面51aと対向配置されるロータ側伝動摩擦面52aが形成されている。ステータ56は、ロータ52内に収納されつつ、フロントハウジング12の前端側に固止されており、電磁コイル56aを内蔵するものである。アーマチュア51は、中央に開口を有する円盤状のものである。アーマチュア51の後端側には、ロータ52の前端側のロータ側伝動摩擦面52aに対向配置されるアーマチュア側伝動摩擦面51aが形成されている。ハブ53は、中央に駆動軸16の前端部16aに噛合する噛合穴部53aを有している。また、ハブ53は、一方がハブ53の外周側に接合され、他方がアーマチュア51に接合される弾性部材54を有している。
このような構成である電磁クラッチ50は、電磁コイル56aへの通電時、ステータ56がアーマチュア51を磁力により吸引することにより、ア−マチュア51が弾性部材54の弾性力に抗して移動し、ロータ側伝動摩擦面52aがアーマチュア側伝動摩擦面51aに当接する。その結果、アーマチュア51、ハブ53及び駆動軸16にロータ52から駆動力が伝達され、アーマチュア51、ハブ53及び駆動軸16はロータ52と一体に回転することとなる。
逆に、電磁コイル56aへの非通電時には、ステータ56がアーマチュア51を磁力により吸引しなくなることにより、ア−マチュア51が弾性部材54の弾性力に従って元の位置に復帰し、ロータ側伝動摩擦面52aからアーマチュア側伝動摩擦面51aが離反する。その結果、アーマチュア51、ハブ53及び駆動軸16は、ロータ52とは一体に回転せず、エンジンEから駆動軸16に駆動力が伝達されなくなって停止することとなる。
このため、エンジンEの稼動時においては、状況に応じて電磁クラッチ50がエンジンEから駆動軸16への駆動力の断続を制御することにより、駆動軸16を適宜回転駆動することが可能となっている。
ボス部12a内に位置する駆動軸16の前端部16aには、別部材である円環状の大径部材71が嵌合固定されている。大径部材71を構成する材料としては、鉄、アルミ等の金属材料、PPS等の硬質樹脂、複合材料、その他の一般的なものを採用することができる。そして、大径部材71の外周面が駆動軸16の外周側に一体的に形成される第1規制面61とされている。また、ボス部12aの内周面が第1規制面61と径方向で対面する第2規制面62とされている。
図5に拡大して示すように、電磁コイル56aへの非通電時、アーマチュア側伝動摩擦面51aの軸芯Oを中心とする最外周縁の半径をRとし、ロータ側伝動摩擦面52aとアーマチュア側伝動摩擦面51aとが軸方向で離反する間隔をDとする。一般的に、半径Rは、40〜60mm程度であり、間隔Dは、0.1〜0.3mm程度である。
この場合に、第1規制面61と第2規制面62との間には、異音防止間隙60が設けられている。そして、異音防止間隙60は、ラジアル軸受82の前端側の中心点Cから前方にL2だけ離れた位置で、d<D×L2/R…式(1)の関係を満たす間隙dを有している。実施例1の電磁クラッチ付回転装置1において、具体例としては、半径Rが60mmであり、間隔Dが0.35mmであり、距離L2が40mmであるとき、隙間d<0.2mmである。
なお、大径部材71の前端面71aは、ハブ53の噛合穴部53aの後端が当止めされるようになっている、これにより、駆動軸16が細く、駆動軸16にハブ53を当て止めるための段差を設けにくい場合でも、大径部材71は、ハブ53を駆動軸16の前端部16aに装着する際の挿入深さを決める機能も発揮している。
図4に示すように、クランク室15内において、駆動軸16の前方にはラグプレート17が一体回転可能に固定されている。そして、ラグプレート17とフロントハウジング12との間には、スラスト軸受83が配設されている。さらに、クランク室15内には、実質的に円盤状をなす斜板18が収容されている。斜板18は、球状黒鉛鋳鉄(FCD)、軸受鋼(SUJ2)等の鉄系材料により基材が構成されており、斜板18の前面及び後面の表層には、例えば、Cu−Sn−Pb系合金やAl−Si系合金等が溶射されることにより摺動層が形成されている。
斜板18の中央部には、駆動軸16を挿通させる挿通孔18aが貫通形成されている。そして、斜板18は、挿通孔18aを介して駆動軸16にスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ラグプレート17と斜板18との間にはヒンジ機構19が配設されている。
ヒンジ機構19は、ラグプレート17の後面に突設された二つ(紙面手前側の一方は図示されていない)のラグプレート側突起41と、斜板18の前面においてラグプレート17側に向かって突設された斜板側突起42とからなっている。斜板側突起42は、先端側が二つのラグプレート側突起41間に入り込んでいる。従って、ラグプレート17の回転力は、ラグプレート側突起41及び斜板側突起42を介して斜板18に伝達される。
ラグプレート側突起41の基部にはカム部43が形成されている。カム部43において斜板18を臨む後端面にはカム面43aが形成されている。斜板側突起42の先端は、カム部43のカム面43aに対して摺動可能に当接されている。従って、ヒンジ機構19は、斜板側突起42の先端がカム部43のカム面43a上を駆動軸16に対する接離方向へ移動することで、斜板18の傾動を案内する。
シリンダブロック11において駆動軸16の軸芯O周りには、複数のシリンダボア22が等角度間隔で前後方向(紙面左右方向)に貫通形成されている。片頭型のピストン23は、各シリンダボア22内に前後方向へ移動可能に収容されている。シリンダボア22の前後開口は、弁・ポート形成体13の前端面及びピストン23によって閉塞されており、このシリンダボア22内にはピストン23の前後方向への移動に応じて容積変化する圧縮室24が区画されている。
ピストン23は、シリンダボア22に挿入される円柱状の頭部37と、シリンダボア22の外方でクランク室15に位置する首部38とが前後方向に連接されてなる。頭部37及び首部38は、アルミニウム系の金属材料(純アルミニウム又はアルミニウム合金のことを指す)より構成されている。首部38の内側には、一対のシュー座38aが凹設されている。首部38内には、半球状をなす第1シュー25A及び第2シュー25Bからなるシュー25が内装されている。第1シュー25A及び第2シュー25Bを構成する材料としては、SUJ2等の鉄系材料やアルミ合金、アルジル合金等のアルミ系材料が採用されている。また、第1シュー25A及び第2シュー25Bの表面にNiメッキ等の表面処理が施される場合もある。なお、本明細書において「半球」とは、球体を二等分したもののみを意味するものではなく、球体の球面の一部を備えたもののことを指す。
第1シュー25A及び第2シュー25Bは、それぞれ半球面25aを以て対応するシュー座38aによって球面受けされている。第1シュー25Aの半球面25aと第2シュー25Bの半球面25aとは、同一球面上に存在している。各ピストン23は、第1シュー25A及び第2シュー25Bを介して斜板18の外周部に係留されている。圧縮室24と反対側に位置する第1シュー25Aは、半球面25aと反対側の平面形状の摺接面25bを以て斜板18の前面に当接され、圧縮室24側、つまり圧縮反力を受ける側の第2シュー25Bは、半球面25aと反対側の摺接面25bを以て、斜板18の後面に当接されている。このような構成により、駆動軸16の回転によって斜板18が回転すると、ピストン23が前後方向に往復直線運動することが可能となっている。
電磁クラッチ付回転装置1のハウジング10内において、弁・ポート形成体13とリヤハウジング14との間には、吸入室26及び吐出室27がそれぞれ区画形成されている。弁・ポート形成体13には、圧縮室24と吸入室26との間に位置するようにして、吸入ポート28及び吸入弁29がそれぞれ形成されている。弁・ポート形成体13には、圧縮室24と吐出室27との間に位置するようにして、吐出ポート30及び吐出弁31がそれぞれ形成されている。
ラグプレート17、斜板18、ヒンジ機構19、ピストン23、シュー25、シリンダボア22、吸入ポート28、吸入弁29、吐出ポート30及び吐出弁31等により、冷媒を吸入した後、圧縮して吐出する斜板式圧縮機構20が構成されている。
冷凍回路の冷媒としてはCO2が用いられている。図示しない外部回路から吸入室26に導入された冷媒ガスは、各ピストン23の上死点位置から下死点位置側への移動により、吸入ポート28及び吸入弁29を介して圧縮室24に吸入される。圧縮室24に吸入された冷媒ガスは、ピストン23の下死点位置から上死点位置側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート30及び吐出弁31を介して吐出室27に吐出される。吐出室27の冷媒ガスは外部回路へと導出される。
電磁クラッチ付回転装置1のハウジング10内には、抽気通路32及び給気通路33並びに制御弁34が設けられている。抽気通路32は、クランク室15と吸入室26とを接続する。給気通路33は、吐出室27とクランク室15とを接続する。給気通路33の途中には、電磁弁よりなる周知の制御弁34(図4中、模式的に示す。)が配設されている。
制御弁34の開度を外部からの給電制御によって調節することで、給気通路33を介したクランク室15への高圧な吐出ガスの導入量と、抽気通路32を介したクランク室15からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室15の内圧が決定される。クランク室15の内圧の変更に応じてクランク室15の内圧と圧縮室24の内圧との差が変更され、斜板18の傾斜角度が変更される結果、ピストン23のストローク即ち斜板式圧縮機構20の吐出容量が調節される。
例えば、制御弁34の弁開度が減少すると、クランク室15の内圧が低下する。このため、斜板18の傾斜角度が増大してピストン23のストロークが増大し、斜板式圧縮機構20の吐出容量が増大する。逆に、制御弁34の弁開度が増大すると、クランク室15の内圧が上昇する。このため、斜板18の傾斜角度が減少してピストン23のストロークが減少し、斜板式圧縮機構20の吐出容量が減少する。
こうして、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1は、図示しない外部回路とともに車両用等の冷凍回路を構成し、車室内等を空調することが可能となっている。
ここで、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1において、電磁クラッチ50がエンジンEから駆動軸16に駆動力を伝達しないように制御する場合、ロータ52は回転したままであるが、アーマチュア51、ハブ53及び駆動軸16は停止した状態となる。そして、電磁クラッチ付回転装置1が取り付けられる車両等からの振動や衝撃が電磁クラッチ付回転装置1に伝わると、電磁クラッチ付回転装置1を構成するアーマチュア51、ハブ53及び駆動軸16も加振される。
ここで、この電磁クラッチ付回転装置1では、電磁コイル56aへの非通電時において、d<D×L2/R…式(1)の関係を満たす間隙dの異音防止間隙60が設けられている。
このため、加振された駆動軸16の前端側が軸芯Oに対して直角方向に揺動した場合、まず、異音防止間隙60が無くなって第1規制面61と第2規制面62とが接触することとなり、駆動軸16がそれ以上揺動することはない。その結果、離反しているアーマチュア側伝動摩擦面51aとロータ側伝動摩擦面52aとが接触する事態を生じ難くなっている。このため、回転するロータ52と、停止しているアーマチュア51とが大きな速度差を有しつつ接触する事態を生じ難くなっており、これによる大きな異音も生じない。
したがって、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1は、電磁クラッチ50からの異音の発生を抑制することができている。その結果、このような電磁クラッチ付回転装置1が搭載される車両等の搭乗者に異音による不快感を与えることを抑制できている。
また、この電磁クラッチ付回転装置1において、第1規制面61は、駆動軸16に装着固定される別体の大径部材71の外周面であることから、容易に本発明の構成を実現できており、製造コストの低廉化を図ることができている。
さらに、この電磁クラッチ付回転装置1において、回転機構は、冷媒としてのCO2を吸入した後、圧縮して吐出する斜板式圧縮機構20である。そして、CO2が冷媒である場合には、上述の通り、駆動軸16のシールされる部分から前端までが小径化される傾向にあり、駆動軸16の剛性が低下して駆動軸16の前端側が一層揺動し易くなることから、本発明の効果をより顕著に享受することができている。
実施例2の電磁クラッチ付回転装置は、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1における大径部材71の代わりに、図6に示すように、ハブ53に形成された大径部72を採用し、さらに、ボス部12a内に緩衝部材12bが配設されている。その他の構成は、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1と同様であるので、説明は省く。
大径部72は、ボス部12a内にある金属製のハブ53の外周側に一体に形成された外フランジである。そして、大径部72の外周面が駆動軸16の外周側に一体的に形成される第1規制面61bとされている。
緩衝部材12bは、PPS樹脂からなる円筒状のものであり、ボス部12aの内周面に嵌合固定されている。そして、ボス部12a内の緩衝部材12bの内周面が第1規制面61bと径方向で対面する第2規制面62bとされている。緩衝部材12bは、第1規制面61bと第2規制面62bとの衝突を緩和する緩衝層としても機能する。
第1規制面61bと第2規制面62bとの間には、異音防止間隙60bが設けられている。そして、異音防止間隙60bは、ラジアル軸受82の前端側の中心点Cから前方にL2だけ離れた位置で、d<D×L2/R…式(1)の関係を満たす間隙dを有している。
このような構成である実施例2の電磁クラッチ付回転装置も、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1と同様の理由により、本発明の作用効果を奏することができている。
また、この電磁クラッチ付回転装置において、第1規制面61bは、ハブ53に形成された大径部72の外周面であることから、容易に本発明の構成を実現できているので、製造コストの低廉化を図ることができている。
さらに、この電磁クラッチ付回転装置において、第2規制面62bには、第1規制面61bよ第2規制面62bとの衝突を緩和する緩衝層としての緩衝部材12bが設けられている。このため、この電磁クラッチ付回転装置は、第1規制面61bと第2規制面62bとが速度差を有さずに接触する際の小さな異音の発生をも抑制することができているので、本発明の効果をより確実に実現できている。
実施例3の電磁クラッチ付回転装置は、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1における大径部材71の代わりに、図7に示すように、ボス部12aに固定される小径部材73を採用している。その他の構成は、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1と同様であるので、説明は省く。
実施例3の電磁クラッチ付回転装置では、駆動軸16の外周面自体が第1規制面61cとされている。
ボス部12aの内周面には、別部材である円環状の小径部材73が嵌合固定されている。小径部材73を構成する材料としては、大径部材71と同様のものを採用することができる。そして、小径部材73の内周面が第1規制面61cと径方向で対面する第2規制面62cとされている。
第1規制面61cと第2規制面62cとの間には、異音防止間隙60cが設けられている。そして、異音防止間隙60cは、ラジアル軸受82の前端側の中心点Cから前方にL2だけ離れた位置で、d<D×L2/R…式(1)の関係を満たす間隙dを有している。
このような構成である実施例3の電磁クラッチ付回転装置も、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1と同様の理由により、本発明の作用効果を奏することができている。
また、この電磁クラッチ付回転装置において、第2規制面61bは、ボス部12aに固定される小径部材73の内周面であることから、容易に本発明の構成を実現できているので、製造コストの低廉化を図ることができている。
実施例4の電磁クラッチ付回転装置は、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1におけるシール90の代わりに、図8に示すように、メカニカルシール91を採用している。そして、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1における大径部材71の代わりに、メカニカルシール91の固定環92がボス部12aに固定される小径部材としても機能する。その他の構成は、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1と同様であるので、説明は省く。
実施例4の電磁クラッチ付回転装置は、メカニカルシール91を駆動軸16に装着可能にするため、ラジアル軸受82aが実施例1の電磁クラッチ付回転装置1のラジアル軸受82よりも大幅に大径化されている。そして、ラグプレート17の前端側にも、駆動軸16を覆うように突出する円筒部17aが形成されている。このため、駆動軸16は、ラグプレート17の円筒部17aとともに、ラジアル軸受82aを介してハウジング10に回転可能に支承されている。
メカニカルシール91は、フロントハウジング12の軸孔12cに固定され、自己の後端側に固定側シール端面92aをもつ固定環92と、ハウジング10内に位置する駆動軸16に固定され、自己の前端側に、固定側シール端面92aと摺接する回転側シール端面93aをもつ回転環93と、駆動軸16に固定され、回転環93における回転側シール端面93aの背面に位置し、環状をなして駆動軸16を封止するパッキン94と、駆動軸16に固定され、回転環93を駆動軸16の前端側に押圧するばね95とを有している。
このような構成であるメカニカルシール91は、固定側シール端面92aと回転側シール端面93aとがばね95により押圧されつつ摺接するともに、パッキン94が駆動軸16と回転環93との隙間を封止する。このため、このメカニカルシール91は、CO2等の高圧の冷媒を使用する場合であっても、軸孔12cと駆動軸16との隙間から冷媒が外部に漏洩しないよう確実にシールすることが可能となっている。
実施例4の電磁クラッチ付回転装置では、駆動軸16の外周面自体が第1規制面61dとされている。
そして、固定環92の内周面が第1規制面61dと径方向で対面する第2規制面62dとされている。
第1規制面61dと第2規制面62dとの間には、異音防止間隙60dが設けられている。そして、異音防止間隙60dは、ラジアル軸受82aの前端側の中心点Cから前方にL2だけ離れた位置で、d<D×L2/R…式(1)の関係を満たす間隙dを有している。なお、軸孔12cの内周面と、可動環93の外周面又はばね95との間隔は、間隙dより大きくされている。
このような構成である実施例4の電磁クラッチ付回転装置も、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1と同様の理由により、本発明の作用効果を奏することができている。
また、この電磁クラッチ付回転装置は、メカニカルシール91を採用し、メカニカルシール91の固定環92を小径部材としても利用している。このため、この電磁クラッチ付回転装置は、小径部材を別途用意する必要がなくなっており、製造コストの低廉化を図ることが可能となっている。
図9に示すように、実施例5の電磁クラッチ付回転装置は、実施例4の電磁クラッチ付回転装置と同様に、メカニカルシール91を採用している。そして、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1における大径部材71の代わりに、メカニカルシール91の可動環93が駆動軸16に固定される大径部材としても機能する。その他の構成は、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1及び実施例4の電磁クラッチ付回転装置と同様であるので、説明は省く。
実施例5の電磁クラッチ付回転装置において、第1規制面61eは、可動環93の外周面のうち前端側の面に形成されている。また、第2規制面62eは、軸孔12cの内周面のうち前端側の面であって、第1規制面61eと径方向で対面する範囲に形成されている。
第1規制面61eと第2規制面62eとの間には、異音防止間隙60eが設けられている。そして、異音防止間隙60eは、ラジアル軸受82aの前端側の中心点Cから前方にL2だけ離れた位置で、d<D×L2/R…式(1)の関係を満たす間隙dを有している。なお、駆動軸16の外周面と、固定環92の内周面との間隔は、間隙dより大きくされている。
このような構成である実施例5の電磁クラッチ付回転装置も、実施例1の電磁クラッチ付回転装置1及び実施例4の電磁クラッチ付回転装置と同様の理由により、本発明の作用効果を奏することができている。
また、この電磁クラッチ付回転装置は、メカニカルシール91を採用し、メカニカルシール91の可動環93を大径部材としても利用している。このため、この電磁クラッチ付回転装置は、大径部材を別途用意する必要がなくなっており、製造コストの低廉化を図ることが可能となっている。
以上において、本発明を実施例1〜5に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜5に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は電磁クラッチ付回転装置に利用可能である。
本発明の電磁クラッチ付回転装置に係り、式(1)を導出するための模式図である。 本発明の電磁クラッチ付回転装置に係り、式(1)を導出するための模式図である。 本発明の電磁クラッチ付回転装置に係り、式(1)を導出するための模式図である。 実施例1の電磁クラッチ付回転装置の縦断面図である。 実施例1の電磁クラッチ付回転装置の要部拡大縦断面図である。 実施例2の電磁クラッチ付回転装置の要部拡大縦断面図である。 実施例3の電磁クラッチ付回転装置の要部拡大縦断面図である。 実施例4の電磁クラッチ付回転装置の要部拡大縦断面図である。 実施例5の電磁クラッチ付回転装置の要部拡大縦断面図である。
符号の説明
1…電磁クラッチ付回転装置
6、16…駆動軸
16a…駆動軸の前端部
8、81、82、82a…軸受(ラジアル軸受)
10…ハウジング(12…フロントハウジング、11…シリンダブロック、14…リヤハウジング)
12a…ボス部
12c…緩衝部材
20…回転機構(斜板式圧縮機構)
50…電磁クラッチ
3、51…アーマチュア
3a、51a…アーマチュア側伝動摩擦面
52…ロータ
4、52a…ロータ側伝動摩擦面
53…ハブ
56…ステータ
56a…電磁コイル
5、60、60b、60c、60d、60e…異音防止間隙
6a、61、61b、61c、61d、61e…第1規制面
7、62、62b、62c、62d、62e…第2規制面
71…大径部材
73…小径部材
90、91…シール(91…メカニカルシール)
92…固定環
93…可動環
d…異音防止間隙の隙間
R…アーマチュア側伝動摩擦面の軸芯を中心とする最外周縁の半径
D…ロータ側伝動摩擦面とアーマチュア側伝動摩擦面とが軸方向で離反する間隔
L2…軸受から異音防止間隙までの距離
E…外部駆動源(エンジン)
O…軸芯

Claims (8)

  1. ハウジングと、該ハウジングに軸受を介して回転可能に支承されるとともに、該軸受の前端側で該ハウジング内に設けられたシールによって封止され、外部駆動源によって駆動される駆動軸と、該ハウジング内に設けられ、該駆動軸の回転により作動する回転機構と、該外部駆動源から該駆動軸への駆動力の断続を制御可能な電磁クラッチとを備え、
    該ハウジングの前端側には、該駆動軸の軸芯を中心軸として前方に円筒状に突出するボス部が形成され、
    該ボス部内には、該シールより前方に突出する該駆動軸の前端部の少なくとも一部が位置しており、
    該電磁クラッチは、該ボス部に回転可能に支承され、該外部駆動源に連動連結されるロータと、該ロータ内に収納固止され、電磁コイルを内蔵したステータと、該ロータの前端側のロータ側伝動摩擦面に自己の後端側のアーマチュア側伝動摩擦面を対向配置させる円板状のアーマチュアと、該アーマチュア及び該駆動軸を連結するハブとを有するものである電磁クラッチ付回転装置において、
    前記電磁コイルへの非通電時には、前記アーマチュア側伝動摩擦面の前記軸芯を中心とする最外周縁の半径をRとし、前記ロータ側伝動摩擦面と該アーマチュア側伝動摩擦面とが軸方向で間隔Dだけ離反する場合、前記駆動軸又は前記ハブの外周側に一体的に形成される第1規制面と、該第1規制面と径方向で対面し、前記ボス部の内周側に一体的に形成される第2規制面との間には、前記軸受から前方にL2だけ離れた位置で、
    d<D×L2/R
    の関係を満たす間隙dの異音防止間隙が設けられていることを特徴とする電磁クラッチ付回転装置。
  2. 前記第1規制面は、前記駆動軸に固定される大径部材の外周面である請求項1記載の電磁クラッチ付回転装置。
  3. 前記シールはメカニカルシールであり、前記大径部材は該メカニカルシールの可動環である請求項2記載の電磁クラッチ付回転装置。
  4. 前記第1規制面は、前記ハブの外周面である請求項1記載の電磁クラッチ付回転装置。
  5. 前記第2規制面は、前記ボス部に固定される小径部材の内周面である請求項1記載の電磁クラッチ付回転装置。
  6. 前記シールはメカニカルシールであり、前記小径部材はメカニカルシールの固定環である請求項5記載の電磁クラッチ付回転装置。
  7. 前記回転機構は、冷媒としてのCO2を吸入した後、圧縮して吐出する圧縮機構である請求項1乃至6のいずれか1項記載の電磁クラッチ付回転装置。
  8. 前記第1規制面及び前記第2規制面の少なくとも一方には、両者の衝突を緩和する緩衝層が設けられている請求項7記載の電磁クラッチ付回転装置。
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