JP2008057433A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
内燃機関が高回転で作動流体の供給量が多い状態において弁開閉時期制御装置の応答速度をさらに向上させる技術を提供すること。
【解決手段】
内燃機関のクランクシャフト110と一体的に回転するハウジング部材3と、ハウジング部材3に相対回転可能に組み付けられ、カムシャフト10と一体的に回転するロータ部材2と、ハウジング部材3とロータ部材2との間に形成される流体圧室R0と、ロータ部材2に一体回転するように設けられるとともに、流体圧室R0の大径方向の壁面40と摺接し、ロータ部材2をハウジング部材3に対して相対回転させるべく、流体圧室R0に供給される作動流体により初期位置と作動位置との間を摺動するベーン70と、を備える弁開閉時期制御装置1において、壁面40の半径は、初期位置の状態が作動位置の状態より大なる構成としたこと。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の吸・排気弁の開閉時期を制御する弁開閉時期制御装置に関する。
近年、内燃機関の運転状態に応じて吸気弁または排気弁の開閉時期を変更可能とする弁開閉時期制御装置がカムシャフトの一端に取り付けられるようになっている。
この種の弁開閉時期制御装置の一方式に、例えば特許文献1に記載されているように、クランクシャフトからの機関回転動力をタイミングベルト又はタイミングチェーン等の動力伝達手段によりカムシャフトに伝達する内燃機関において、カムシャフト側には放射方向に延びる複数のベーンを組付けたロータ部材を固定するとともに、ロータ部材に同軸状に嵌合されたタイミングプーリにはその内周部に円陣状に流体圧室を形成し、流体圧室にベーンをピストンとして係入してなるベーンタイプの弁開閉時期制御装置がある。
上記方式のものでは、ベーンによって仕切られる流体圧室の第1圧力室又は第2圧力室に内燃機関の運転状態に応じて作動流体の流体圧を作用させて、カムシャフトとタイミングプーリ間で相対位相を変え、弁開閉制御を行っている。具体的には、放射方向に延びる複数のベーン(18)をもつロータ部材(17)及びロータ部材(17)を内包してロータ部材(17)との間でベーン(18)をそれぞれ収嵌するように進角用と遅角用の作動流体が作用する複数の流体圧室を円陣状に形成したハウジング部材(19)からなり、ベーン(18)により画成される流体圧室の第1圧力室(30)及び第2圧力室(31)の少なくとも一方に、カムシャフトの軸方向に延在した主通路(27)と、主通路(27)から放射状に延在した枝通路(13)からなる流体通路を設け、流体通路を介して作動流体を導出している。
特開平9−151711号公報
一般に、エンジンの低回転での運転時には、オイルポンプから吐出される作動流体の量が少ないので、中・高回転での運転時に比べて、流体圧室に供給される作動流体の量が少なく、流体圧室に作用する圧力が小さい。また、ハウジングに対してロータを回転させ始める時の回転力(以下、初期起動トルク)は、ハウジングに対して回転中のロータをハウジングに対してさらに回転させる時の回転力よりも大きい。このため、エンジンの低回転での運転時には初期起動トルクが確保できるように、流体圧室内のベーンが作動流体から力を受ける面積(以下、ベーンの受圧面積)が設定される。
特許文献1に記載の装置においては、ベーンの受圧面積が一定である。つまり、ロータを単位角度回転させるのに必要な流体圧室の容積が一定である。このため、ロータを単位角度回転させるのに必要な作動流体の量は一定である。
エンジンの中・高回転での運転時には、作動流体の供給量が多くなるので、流体圧室に作用する圧力が大きく、ロータの回転力が十分に確保される。しかし、ロータを単位角度回転させるのに必要な作動流体の量が一定なので、エンジンの中・高回転での運転時、ロータを単位角度回転させるのに要する時間は、作動流体の単位時間当たりの供給量によって決まってしまう。特に、エンジンの高回転での運転時は、カムシャフトも高速で回転しているので、弁開閉時期制御装置の応答速度をさらに向上させることが求められている。
本発明は上記従来技術の実情に鑑みてなされたもので、内燃機関が高回転で作動流体の供給量が多い状態において弁開閉時期制御装置の応答速度をさらに向上させる技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明にて講じた技術的手段は、請求項1に記載の様に、内燃機関のクランクシャフト及びカムシャフトの一方と一体的に回転するハウジング部材と、前記ハウジング部材に前記ハウジング部材に対し相対回転可能に組み付けられ、前記カムシャフト及び前記クランクシャフトの他方と一体的に回転するロータ部材と、前記ハウジング部材と前記ロータ部材との間に形成される流体圧室と、前記ロータ部材に一体回転するように設けられるとともに、前記流体圧室の大径方向の壁面と摺接し、前記ロータ部材を前記ハウジング部材に対して相対回転させるべく、前記流体圧室に供給される作動流体により初期位置と作動位置との間を摺動するベーンと、を備える弁開閉時期制御装置において、前記壁面の半径は、前記初期位置の状態が前記作動位置の状態より大なる構成としたことである。
好ましくは、請求項2に記載の様に、前記壁面は、前記ベーンが前記初期位置にて当接する起点部と、前記ベーンが前記作動位置にて当接し前記起点部より半径が小さい終点部と、前記起点部と前記終点部とを接続し該起点部から該終点部に向かって半径が漸減する接続部と、を備えると良い。
好ましくは、請求項3に記載の様に、前記壁面は、前記ベーンが前記初期位置にて当接する起点部と、前記ベーンが前記初期位置と前記作動位置の間にて当接し前記起点部より半径が小さい中間部と、前記起点部と前記中間部とを接続し該起点部から該中間部に向かって半径が漸減する接続部と、を備えると良い。
好ましくは、請求項4に記載の様に、前記ロータ部材は、前記ベーンを前記壁面の径方向に移動自在に支持する溝部を備えると良い。
請求項1に記載の発明によれば、流体圧室の大径方向の壁面の半径は、ベーンの初期位置の状態がベーンの作動位置の状態より大きい。この構造では、ベーンが初期位置から作動位置に移動するに従って、流体圧室内のベーンが作動流体から力を受ける面積(以下、ベーンの受圧面積)が小さくなる。つまり、ベーンが初期位置から作動位置に移動するに従って、ロータ部材を単位角度回転させるのに必要な流体圧室の容積が小さくなる。
このため、作動流体の単位時間あたりの供給量が同じ条件下では、従来の構造に比べて、流体圧室がより短い時間で作動流体に満たされ、より少ない量の作動流体でロータ部材が回転する。
したがって、内燃機関が高回転で作動流体の供給量が多い状態において、ベーンが初期位置から動き始めた後は、ロータ部材がハウジング部材に対してより短い時間で相対回転することとなり、弁開閉時期制御装置の応答速度がさらに向上する。
請求項2に記載の発明によれば、ロータ部材が回転する時にベーンが壁面に沿ってスムーズに移動し、弁開閉時期制御装置がスムーズに作動する。
請求項3に記載の発明によれば、ロータ部材が回転する時にベーンが壁面に沿ってスムーズに移動し、弁開閉時期制御装置がスムーズに作動する。
請求項4に記載の発明によれば、ロータ部材が回転する時にベーンが壁面の半径の変化にスムーズに追従し、弁開閉時期制御装置がスムーズに作動する。
以下、本発明に従った弁開閉時期制御装置の実施形態を図面に基づき説明する。
図1乃至図3に示す弁開閉時期制御装置1は、内燃機関のシリンダヘッド100に回転自在に支持されたカムシャフト10と、カムシャフト10の先端部に一体的に組付けられたロータ20とからなる弁開閉用のロータ部材2を有している。また、弁開閉時期制御装置1は、ロータ20に対して所定範囲で相対回転が可能となるように組付けられるハウジング30、フロントプレート50、リアプレート51から成るハウジング部材3を有している。ハウジング30の外周には、タイミングスプロケット31が一体に形成されている。更に、ロータ20とフロントプレート50の間に組付けられたトーションスプリング60と、ロータ20に組付けた5枚のベーン70と、ハウジング30に組付けたロックキー80等が備えられている。
タイミングスプロケット31には、周知のように、クランクシャフト110から図示していないクランクスプロケットとタイミングチェーン120を介して、図2にカムシャフト回転方向として示される時計方向に回転動力が伝達される。なお、本実施形態においては、一例として内燃機関のクランクシャフト110の回転を、タイミングチェーン120を介してハウジング30のタイミングスプロケット31に回転動力が伝達される構成について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、別の構成として、タイミングチェーン120に代わってベルト部材を用い、タイミングスプロケット31をプーリに置き換えても良い。
カムシャフト10は、吸気弁(図示省略)を開閉する周知のカム(図示省略)を有し、カムシャフト10の内部にはカムシャフト10の軸方向に延びる遅角油通路(油圧回路)11と進角油通路(油圧回路)12が設けられている。遅角油通路11は、カムシャフト10に設けた径方向の通路71及び環状溝13とシリンダヘッド100に設けた接続通路15を通して切換弁200の第2接続ポート202に接続されている。また、進角油通路12は、カムシャフト10に設けた径方向の通路72及び環状溝14とシリンダヘッド100に設けた接続通路16を通して切換弁200の第1接続ポート201に接続されている。
切換弁200はソレノイド203へ通電することによりスプール204を図示していないスプリングに抗して移動させる周知のものである。その通電時には、図1に示すように内燃機関によって駆動されるオイルポンプ205に接続された供給ポート206が第1接続ポート201に連通するとともに、第2接続ポート202が排出ポート207に連通するように構成されている。また非通電時には、供給ポート206が第2接続ポート202に連通するとともに、第1接続ポート201が排出ポート207に連通するように構成されている。このため、切換弁200の通電時には進角油通路12に作動油(油圧)が供給され、非通電時には遅角油通路11に作動流体である作動油(油圧)が供給される構成となっている。切換弁200は単位時間当たりの通電と非通電の割合を変えるデューティ制御される。例えば、デューティ比50%で制御すると、第1及び第2ポート201,202と供給及び排出ポート206,207は互いに全く連通しない状態になる。
ロータ20はその軸心に形成された貫通穴を通して単一の取付けボルト95によってカムシャフト10に一体的に固着され、ロータ部材2を構成している。ロータ20には、五つのベーン溝21(図2では一箇所のみ符番を付す)と、一つのロック溝22が形成されている。ベーン溝21にはベーン70がロータ20の径方向に移動可能に取り付けられている。ベーン溝21の底部とベーン70の下面との間には、図1に示す様に、ベーンスプリング73が配置されている。これにより、ベーン70は、ロータ20の径方向外方に向けて付勢され、ベーンスプリング73の付勢力に抗してベーン溝21内でロータ20の径方向に移動する。ロック溝22には、カムシャフト10及びロータ20とハウジング30の相対位置が所定の位相(最進角位置)で同期したとき、図2に示すように、その一部が所定量没入するロックキー80が配置されている。
また、ロータ20は径方向に延びるそれぞれ五つの遅角油通路23および四つの進角油通路24と一つの進角油通路兼ロック油通路28とを備えている。遅角油通路23は、軸方向に設けられた遅角油通路25(図2では一箇所のみ符番を付す)を介して遅角油通路11に連通されている。遅角油通路11はカムシャフト10の径方向の通路71と環状溝13とを介して、シリンダヘッド100の接続通路15と連通されている。進角油通路24と進角油通路兼ロック油通路28は、軸方向に設けられた進角油通路26(図2では一箇所のみ符番を付す)を介して進角油通路12に連通されている。進角油通路12はカムシャフト10の径方向の通路72と環状溝14とを介して、シリンダヘッド100の接続通路16と連通されている。
ハウジング部材3は、ハウジング30の軸方向の両側に、フロントプレート50とリアプレート51が接合され、6本の連結ボルト90によって一体的に組み付けられて構成されている。ハウジング部材3は、ロータ20の外周に所定角度範囲で相対回転可能に組付けられている。
トーションスプリング60は、一端をフロントプレート50に係止し、他端をロータ20に係止して取り付けられ、ロータ20をハウジング30、フロントプレート50及びリアプレート51に対して進角側(図2の時計方向)に付勢している。従って、ロータ20の進角側への作動応答性の向上が図られている。
ハウジング30はその外周にタイミングスプロケット31が一体に形成されている。ハウジング30の内周には5個の凸部33が形成されている。これら凸部33の内周面はロータ20の外周面と接しており、ハウジング30がロータ20に回転自在に支承されている。ある一つの凸部33にはロックキー80を収容する退避溝34と、退避溝34と連通し、ロックキー80を径方向内方へと付勢するスプリング81の収容穴35が形成されている。
ベーン70は、ハウジング30とロータ20との間およびハウジング30の周方向に隣り合う凸部33の間に形成される流体圧室R0(図2において一箇所のみ符番を付す)を進角油室R1と遅角油室R2とに区画している。最遅角側ではベーン70が凸部33の周方向の一側面33aに当接する位置(ベーン70の初期位置)で相対回転が規制され、最進角側では、図2中2点鎖線で示すように、ベーン70が凸部33の周方向の他側面33bに当接する位置(ベーン70の作動位置)で規制される。最遅角側ではロックキー80がロック溝22に入り込むことでロータ20とハウジング30の相対回転を規制する。
流体圧室R0における大径方向の壁面40(図2において一箇所のみ符番を付す)は、ロータ20に組み付けられたベーン70と摺接する。壁面40は、起点部41と、終点部42と、接続部43とを有している。起点部41は、ベーン70が上記初期位置にて当接する。終点部42は、ベーン70が上記作動位置にて当接し、起点部41の半径よりも小さな半径を有する。接続部43は、壁面40のうち、起点部41と終点部42との間に設けられ、起点部41と終点部42とを接続する。接続部43の半径は、起点部41から終点部42に向かって漸減する。流体圧室R0の壁面40は、カムシャフト10の回転方向(図2示)に関して半径が小さく変化するように形成されている。
以上のように構成した本実施形態の弁開閉時期制御装置1の作用を図3(a)〜(c)を参照して説明する。
内燃機関が停止している時はオイルポンプ205が停止しており、且つ切換弁200が非通電の状態にあるので、流体圧室R0には作動油(油圧)が供給されていない。このとき、図2に示すように、ロックキー80がロータ20のロック溝22に没入し、ロータ20とハウジング30の相対回転が規制されている。内燃機関を始動してオイルポンプ205が駆動されても、切換弁200に通電するデューティ比が小さい(単位時間当たりの非通電時間に対する通電時間の割合が小さい)間は、オイルポンプ205から供給される作動油(油圧)は接続通路15と、遅角油通路11、25および23を通って遅角油室R2に供給されるだけなので、弁開閉時期制御装置1はロック状態に維持される。このとき、ロータ20に組み付けられたベーン70は初期位置にあり、図3(a)に示す様に、流体圧室R0の壁面40のうち起点部41と当接している。
内燃機関の運転条件によって、弁開閉時期に進角が必要になると、切換弁200に通電するデューティ比が大きくされ、スプール204の位置が切り換えられる。オイルポンプ205から供給される作動油(油圧)は、接続通路16と、進角油通路12、26および24を通って進角油室R1へと供給される。同時に、作動油(油圧)は、進角油通路兼ロック油通路28を通ってロック溝22に供給され、ロックキー80の先端部80aに導入される。これにより、ロックキー80の先端部80aに油圧が加わりロックキー80がロック溝22から退出し、ハウジング30とロータ20が相対回転可能となる。一方、遅角油室R2にあった作動油(油圧)は、遅角油通路23、25および11と接続通路15を介して切換弁200の排出ポート207から排出され、図3(b)に示す様に、ロータ20がハウジング30に対し進角側に相対回転し始める。ロータ20の回転にともなって、ロータ20に組み付けられたベーン70は、流体圧室R0の壁面40に沿って起点部41から接続部43を経由して終点部42へと移動する。この間、ベーン70は、ベーン溝21内でベーンスプリング73の付勢力に抗して径方向に移動することで壁面40の半径の変化にスムーズに追従するので、ロータ20がハウジング30に対してスムーズに回転する。そして、図3(c)に示す様に、ベーン70がハウジング30の凸部33の他側面33bと当接した時点で、ハウジング30に対するロータ20の進角側への相対回転が規制される。図3(c)において、ベーン70は作動位置にあり、流体圧室R0の壁面40のうち終点部42と当接している。
上述した様に、ベーン70と摺接する流体圧室R0の壁面40においては、終点部42の半径が起点部41の半径より小さく、接続部43の半径が起点部41から終点部42に向かって漸減する。この構造によれば、ベーン70が初期位置から作動位置に移動するに従って、流体圧室R0内のベーン70が作動流体から力を受ける面積(以下、ベーン70の受圧面積)が小さくなる。つまり、ベーン70が初期位置から作動位置に移動するに従って、ロータ20を単位角度回転させるのに必要な流体圧室R0の容積が小さくなる。このため、作動流体の単位時間あたりの供給量が同じ条件下では、壁面40の半径が一定である従来の構造(図3(a)〜(c)にて2点鎖線で示す)に比べて、流体圧室R0がより短い時間で作動流体に満たされ、より少ない量の作動流体でロータ20が回転する。 したがって、内燃機関が高回転で作動流体の供給量が多い状態において、ベーン70が初期位置から動き始めた後は、ロータ20がハウジング30に対してより短い時間で相対回転することとなり、弁開閉時期制御装置1の応答速度がさらに向上する。
また、流体圧室R0の壁面40のうち、起点部41と終点部42とを接続する接続部43においては、起点部41から終点部42に向かって半径が漸減するように形成されているので、ロータ20がハウジング30に対して回転する時に、ベーン70が壁面40に沿って起点部41から終点部42へとスムーズに移動する。これにより、弁開閉時期制御装置1がスムーズに作動する。
次に、図3(c)に示す状態で、内燃機関の運転条件によって、弁開閉時期に遅角が必要になると、切換弁200に通電するデューティ比が小さくされ、スプール204の位置が切り換えられる。オイルポンプ205から供給される作動油(油圧)は、接続通路15と、遅角油通路11、25および23を通って遅角油室R2へと供給される。一方、進角油室R1にあった作動油(油圧)は、進角油通路24、26および12と、接続通路16を通って切換弁200の排出ポート207から排出され、図3(b)に示す様に、ロータ20がハウジング30に対し遅角側に相対回転し始める。ロータ20の回転にともない、ロータ20に組み付けられたベーン70は、流体圧室R0の壁面40に沿って終点部42から接続部43を経由して起点部41へと移動する。そして、図3(a)に示す様に、ベーン70がハウジング30の凸部33の一側面33aと当接した時点で、ハウジング30に対するロータ20の遅角側への相対回転が規制される。そして、ロック溝22から作動油(油圧)が排出されると、ハウジング30に移動可能に配設されるロックキー80がロック溝22に没入してハウジング30とロータ20との相対回転が規制される。
なお、以上の説明においては、流体圧室R0の壁面40の半径が2つの部分(起点部41と終点部42)の間で段階的に変化する例を示したが、これに限定されない。例えば、図4に示す様に、起点部41の半径よりも小さく終点部42の半径よりも大きい半径を有する中間部44を流体圧室R0の壁面40に設けることも可能である。これにより、ロータ20のハウジング30に対する回転位置に応じて、ロータ20を単位角度回転させるのに必要な流体圧室R0の容積をより細かく変化させることができ、弁開閉時期制御装置1の応答速度のさらなる向上を図る上でより好ましい構造である。また、壁面40のうち、起点部41と中間部44の間に、起点部41と中間部44とを接続し起点部41から中間部44に向かって半径が漸減する接続部45を設けると共に、中間部44と終点部42の間に、中間部44と終点部42とを接続し中間部44から終点部42に向かって半径が漸減する接続部46を設けることも可能である。これらの接続部45、46を設けることで、ロータ20がハウジング30に対して回転する時に、ベーン70が壁面40に沿って起点部41から中間部44を経由して終点部42へとスムーズに移動し、弁開閉時期制御装置1のスムーズな作動が実現する。
また、以上の説明においては、流体圧室R0の壁面40は、カムシャフト10の回転方向(図2示)に関して半径が2つの部分(起点部41、終点部42)間で段階的に変化するように形成されていたが、これに限定されない。例えば、図5に示す様に、流体圧室R0の壁面40を、起点部41と終点部42との間でテーパ状に形成し、壁面40の半径が連続的に変化する構造も可能である。この場合、ロータ20がハウジング30に対して回転する時に、ベーン70が壁面40に沿って起点部41から接続部43を経由して終点部42へとスムーズに移動し、弁開閉時期制御装置1のスムーズな作動が実現する。また、ロータ20のハウジング30に対する回転位置に応じて、ロータ20を単位角度回転させるのに必要な流体圧室R0の容積をより細かく変化させることができ、弁開閉時期制御装置1の応答速度のさらなる向上を図る上でより好ましい構造である。
本発明に係る弁開閉時期制御装置1の構造を示す図(図2におけるI−I線に沿う断面図)。 図1におけるII−II視図。 弁開閉時期制御装置1の作動時の推移図(図1におけるIII−III線に沿う断面図)。 流体圧室R0における壁面40の他の実施形態を示す図(図1におけるIII−III線に沿う断面図)。 流体圧室R0における壁面40の他の実施形態を示す図(図1におけるIII−III線に沿う断面図)。
符号の説明
1 弁開閉時期制御装置
2 ロータ部材
3 ハウジング部材
10 カムシャフト
21 ベーン溝(溝部)
40 壁面
41 起点部
42 終点部
43 接続部
44 中間部
45 接続部
46 接続部
70 ベーン
110 クランクシャフト
R0 流体圧室

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランクシャフト及びカムシャフトの一方と一体的に回転するハウジング部材と、
    前記ハウジング部材に前記ハウジング部材に対し相対回転可能に組み付けられ、前記カムシャフト及び前記クランクシャフトの他方と一体的に回転するロータ部材と、
    前記ハウジング部材と前記ロータ部材との間に形成される流体圧室と、
    前記ロータ部材に一体回転するように設けられるとともに、前記流体圧室の大径方向の壁面と摺接し、前記ロータ部材を前記ハウジング部材に対して相対回転させるべく、前記流体圧室に供給される作動流体により初期位置と作動位置との間を摺動するベーンと、
    を備える弁開閉時期制御装置において、
    前記壁面の半径は、前記初期位置の状態が前記作動位置の状態より大なることを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 前記壁面は、前記ベーンが前記初期位置にて当接する起点部と、前記ベーンが前記作動位置にて当接し前記起点部より半径が小さい終点部と、前記起点部と前記終点部とを接続し該起点部から該終点部に向かって半径が漸減する接続部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記壁面は、前記ベーンが前記初期位置にて当接する起点部と、前記ベーンが前記初期位置と前記作動位置の間にて当接し前記起点部より半径が小さい中間部と、前記起点部と前記中間部とを接続し該起点部から該中間部に向かって半径が漸減する接続部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 前記ロータ部材は、前記ベーンを前記壁面の径方向に移動自在に支持する溝部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れかに記載の弁開閉時期制御装置。
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