JP2008056025A - 車両用ドア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアの永久変形を抑制する。
【解決手段】車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル34は、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とに分割して構成されており、このうちドアインナパネルアッパ部36は、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料で構成され且つ車両前後方向両端側に中央側よりも厚板とされた第一車両前後方向壁部58及び第一車両幅方向壁部60を備えて構成されている。従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張をドアインナパネルアッパ部36により拘束して抑制することができる。これにより、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ドア構造に係り、特に、ドアアウタパネルとドアインナパネルとを備えて構成され、このドアアウタパネルとドアインナパネルとが互いの外周縁部にて結合された車両用ドア構造に関する。
例えば、車両用ドア構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、車両用ドアの例が開示されている。この特許文献1に記載の例において、ドアは、ドア本体とアウタパネルとを主要な構成として備えている。ドア本体は、井桁状の枠体(骨格構造)で形成されており、アウタパネルは、このドア本体の車外側に固着されている。また、この特許文献1には、ドア本体及びアウタパネルを備えたドア全体が好ましくはアルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽合金で構成されることが記載されている。
特開2004−314696号公報 特開2004−352083号公報
しかしながら、上述のようにドア全体がアルミニウム合金やマグネシウム合金等のように線膨張係数の大きな軽合金で構成され、さらに、このドア全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合には、ドア全体が熱膨張する。このとき、アウタパネルは、板一枚で形成されるためドア本体よりも熱膨張量が大きい。このため、上述のドアでは、ドア本体側とアウタパネル側との熱膨張形態に差が生じる。従って、ドア本体側とアウタパネル側との熱膨張形態の差によって、ドアのうちドア外板部であるアウタパネル側に熱歪による永久変形が生じる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ドアの永久変形を抑制することが可能な車両用ドア構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用ドア構造は、ドアアウタパネルと、前記ドアアウタパネルとドア厚さ方向に対向配置されてドア高さ方向一方側に配置された第一ドアインナパネル部と、前記ドアアウタパネルとドア厚さ方向に対向配置されてドア高さ方向他方側に配置されると共に、前記ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成され、且つ、ドア幅方向両端側にドア幅方向中央側よりも厚板とされたドア厚さ方向壁部及びドア幅方向壁部を備えた第二ドアインナパネル部と、を備えたことを特徴とする。
なお、本発明において、ドア幅方向とは、例えば、車両用ドア構造が車両の側面ドアに適用された場合には、車両前後方向に相当し、車両用ドア構造が車両の背面ドアに適用された場合には、車両幅方向に相当する。また、ドア厚さ方向とは、例えば、車両用ドア構造が車両の側面ドアに適用された場合には、車両幅方向に相当し、車両用ドア構造が車両の背面ドアに適用された場合には、車両前後方向に相当する。さらに、ドア高さ方向とは、車両用ドア構造が車両の側面ドア又は背面ドアに適用された場合には、車両上下方向に相当する。
請求項1に記載の車両用ドア構造によれば、ドアアウタパネルと互いのドア幅方向両端側の外周縁部が結合されたドアインナパネルのうち、ドア高さ方向他方側に配置された第二ドアインナパネル部は、ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成され且つドア幅方向両端側にドア幅方向中央側よりも厚板とされたドア厚さ方向壁部及びドア幅方向壁部を備えて構成されている。従って、ドア全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張を第二ドアインナパネル部により拘束して抑制することができる。これにより、ドアアウタパネルの熱歪による永久変形を抑制できる。
特に、請求項1に記載の車両用ドア構造によれば、第二ドアインナパネル部が、ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成されただけでなく、ドア幅方向両端側にドア幅方向中央側よりも厚板とされたドア厚さ方向壁部及びドア幅方向壁部を備えた構成とされている。従って、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張力に対して、この厚板とされたドア厚さ方向壁部及びドア幅方向壁部が曲げ剛性向上部として機能する。このため、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張力によって第二ドアインナパネル部のドア幅方向両端側が曲げ変形されることを抑制できる。これにより、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張に対する拘束力を確保でき、ドアアウタパネルの熱歪による永久変形を確実に抑制できる。
請求項2に記載の車両用ドア構造は、請求項1に記載の車両用ドア構造において、前記第一ドアインナパネル部は、ドア幅方向中央側に設けられドア幅方向に延在されたパネル本体壁部と、前記パネル本体壁部のドア幅方向両端側から前記ドアアウタパネル側へ向けて延設された延設壁部と、を備え、前記各延設壁部の前記ドアアウタパネル側には、ドア幅方向に延在されると共に前記ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成されたドア補強部材のドア幅方向両端側がそれぞれ結合され、前記第一ドアインナパネル部と前記第二ドアインナパネル部とは、少なくとも互いのドア幅方向両端側で結合されていることを特徴とする。
請求項2に記載の車両用ドア構造によれば、第一ドアインナパネル部に設けられた延設壁部には、ドア幅方向に延在されたドア補強部材のドア幅方向両端側がそれぞれ結合されている。そして、このドア補強部材が結合された第一ドアインナパネル部と第二ドアインナパネル部とは、少なくとも互いのドア幅方向両端側で結合されている。従って、この第一ドアインナパネル部に結合されたドア補強部材によって、ドアアウタパネルを拘束する第二ドアインナパネル部の剛性を高めることができる。しかも、このドア補強部材は、第二ドアインナパネル部と同様に、ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成されている。従って、ドア全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張を第二ドアインナパネル部及びインパクトビームにより確実に拘束して抑制することができる。
特に、請求項2に記載の車両用ドア構造によれば、ドア補強部材が第一ドアインナパネル部に設けられた延設壁部のドアアウタパネル側に設けられており、ドアアウタパネルにより近い位置に配置されている。このため、ドアアウタパネルを拘束する第二ドアインナパネル部の特にドアアウタパネル側の剛性を高めることができる。従って、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。これにより、ドアアウタパネルの熱歪による永久変形をより確実に抑制できる。
請求項3に記載の車両用ドア構造は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア構造において、前記第一ドアインナパネル部と前記第二ドアインナパネル部とは、ドア幅方向端側に板厚方向に重ね合わされて結合されたドア厚さ方向結合壁部をそれぞれ有して構成され、前記各ドア厚さ方向結合壁部の互いの結合部は、ドア厚さ方向に沿って前記ドアアウタパネル側に向かうに従ってドア高さ方向一端側に向かうように傾斜されていることを特徴とする。
請求項3に記載の車両用ドア構造によれば、第一ドアインナパネル部と第二ドアインナパネル部とは、ドア幅方向端側に板厚方向に重ね合わされて結合されたドア厚さ方向結合壁部をそれぞれ有して構成されており、しかも、この各ドア厚さ方向結合壁部の互いの結合部は、ドア厚さ方向に沿ってドアアウタパネル側に向かうに従ってドア高さ方向一端側に向かうように傾斜されている。このため、板厚方向に互いに重ね合わされて剛性が高められたドア厚さ方向結合壁部の結合部(二枚合わせ面)をドアアウタパネルのよりドア高さ方向一端側に延長できる(近づけることができる)。従って、ドア全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネルの変形をよりドア高さ方向一端側まで抑制することができる。
請求項4に記載の車両用ドア構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドア構造において、前記第一ドアインナパネル部及び前記第二ドアインナパネル部の少なくとも一方には、ドア幅方向に延在する補強手段が一体的に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の車両用ドア構造によれば、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部の少なくとも一方には、ドア幅方向に延在する補強手段が一体的に設けられている。従って、ドア全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、この補強手段によって、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張力に伴う第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部の曲げ変形を抑制することができる。これにより、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張に対する第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部の拘束力を確保できる。
請求項5に記載の車両用ドア構造は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドア構造において、ドア幅方向に延在されると共に前記ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成され、且つ、ドア幅方向両端側が前記第二ドアインナパネル部のドア幅方向両端側にそれぞれ連結された連結部材を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の車両用ドア構造によれば、第二ドアインナパネル部には、ドア幅方向に延在された連結部材のドア幅方向両端側がそれぞれ結合されており、しかも、この連結部材は、ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成されている。従って、この連結部材によって、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。これにより、ドアアウタパネルの熱歪による永久変形をさらにより確実に抑制できる。
請求項6に記載の車両用ドア構造は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用ドア構造において、前記第一ドアインナパネル部又は前記第二ドアインナパネル部には、一部に切抜き部が設けられ、前記切抜き部を閉塞可能に構成されると共に機能部品が一体的に固定されてモジュール構造とされた閉塞壁部を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の車両用ドア構造によれば、第一ドアインナパネル部又は第二ドアインナパネル部には、一部に切抜き部が設けられている。そして、この切抜き部を閉塞するための閉塞壁部は、機能部品が一体的に固定されたモジュール構造とされている。従って、ドアの組立工程においては、例えば、閉塞壁部を機能部品が一体的に固定されたモジュール構造とした上で切抜き部の周縁部に組み付けるという作業手順を得ることができる。このため、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部への機能部品の取り付け等のための作業穴を廃止できる。これにより、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部の剛性を向上でき、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。
請求項7に記載の車両用ドア構造は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用ドア構造において、前記第一ドアインナパネル部及び前記第二ドアインナパネル部は、それぞれ機能部品が一体的に固定されたモジュール構造とされ、前記ドアアウタパネルは、ドア高さ方向一方側に配置され前記第一ドアインナパネル部と結合された第一ドアアウタパネル部と、前記第一ドアアウタパネル部と分割して構成されてドア高さ方向他方側に配置されると共に前記第二ドアインナパネル部と結合された第二ドアアウタパネル部と、を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の車両用ドア構造によれば、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部は、それぞれ機能部品が一体的に固定されたモジュール構造とされており、また、ドアアウタパネルは、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部とそれぞれ結合される第一ドアアウタパネル部及び第二ドアアウタパネル部に分割されて構成されている。従って、ドアの組立工程においては、例えば、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部を機能部品が一体的に固定されたモジュール構造とした上で、この第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部に第一ドアアウタパネル部及び第二ドアアウタパネル部をそれぞれ結合し、その後に、第一ドアインナパネル部と第二ドアインナパネル部とを結合すると共に、第一ドアアウタパネル部と第二ドアアウタパネル部とを結合するという作業手順を得ることができる。このため、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部に設けられていた機能部品の取り付け等のための作業穴を廃止できる。これにより、第一ドアインナパネル部及び第二ドアインナパネル部の剛性を向上でき、ドアアウタパネルのドア幅方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。
請求項8に記載の車両用ドア構造は、請求項7に記載の車両用ドア構造において、前記第一ドアアウタパネル部と前記第二ドアアウタパネル部とは、ドア高さ方向の互いの側で結合されると共に互いの側にドア高さ方向への熱膨張及び熱収縮の少なくとも一方を吸収可能な変形吸収部を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の車両用ドア構造によれば、上述の第一ドアアウタパネル部と第二ドアアウタパネル部とは、ドア高さ方向の互いの側で結合されており、しかも、この互いの側にドア高さ方向への熱膨張及び熱収縮の少なくとも一方を吸収可能な変形吸収部を備えている。従って、ドア全体が例えば電着塗装焼付処理される等により、ドアアウタパネル全体にドア高さ方向への熱膨張若しくは熱収縮が生じても、この熱膨張及び熱収縮の少なくとも一方を変形吸収部によって吸収することで抑制することができる。これにより、ドアアウタパネル(特に一般パネル面)の熱歪による永久変形を抑制できる。
以上詳述したように、本発明によれば、ドアの永久変形を抑制することができる。これにより、例えば、ドアの車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
[第一実施形態]
はじめに、図1乃至図8を参照しながら、本発明の第一実施形態について説明する。
図1乃至図5には、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10が適用されたドア12の構成が示されており、図6乃至図8には、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10の変形例が示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Inは、車両幅方向内側をそれぞれ示している。
図1に示されるように、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10が適用されたドア12は、例えば、乗用自動車等の車両のフロントサイドドアとして構成されている。このドア12は、ドア下半分にドアパネル体14を備えて構成されている。
ドアパネル体14は、車両幅方向外方側に配置されたドアアウタパネル16と、このドアアウタパネル16と車両幅方向に対向するようにして車両幅方向内方側に配置されたドアインナパネル34とを備えて構成されている。本実施形態において、ドアアウタパネル16は、例えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽金属で構成された単一の板材により構成されている。
一方、ドアインナパネル34は、図2に示されるように、車両上下方向上側半分に配置されたドアインナパネルアッパ部36と、車両上下方向下側半分に配置されたドアインナパネルロア部38とに分割して構成されている。
ドアインナパネルアッパ部36には、図2,図3に示されるように、その車両前後方向前端側及び後端側に、パネル状のミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54がそれぞれ車両幅方向外側から重ね合わされて結合されている。本実施形態において、このミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54を含むドアインナパネルアッパ部36全体は、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料、例えば、鋼やチタン等の金属で構成されている。
そして、このミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54が結合されて構成されたドアインナパネルアッパ部36は、図3に示されるように、その車両前後方向中央側に車両前後方向に延在するパネル本体壁部56を有して構成されている。また、このドアインナパネルアッパ部36において、パネル本体壁部56の車両前後方向両端側は、第一車両前後方向壁部58としてそれぞれ構成されており、この第一車両前後方向壁部58には、第一車両幅方向壁部60と、第二車両前後方向壁部62と、第二車両幅方向壁部64と、外周縁部66とがそれぞれ連続して形成されている。
また、このドアインナパネルアッパ部36では、ミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54に、車両前後方向に延びるベルトラインインナリインフォースメント68の車両前後方向両端側が例えばスポット溶接等によりそれぞれ結合されている。本実施形態において、このベルトラインインナリインフォースメント68も、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料、例えば、鋼やチタン等の金属で構成されている。
一方、ドアインナパネルロア部38は、図4に示されるように、車両前後方向前側に設けられたヒンジサイドパネル70と、このヒンジサイドパネル70よりも車両前後方向後方側に設けられたパネル本体72とにより構成されている。本実施形態において、このヒンジサイドパネル70及びパネル本体72で構成されたドアインナパネルロア部38は、ドアアウタパネル16と同様に、例えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽金属で構成されている。
また、このドアインナパネルロア部38において、ヒンジサイドパネル70及びパネル本体72とは、車両前後方向の互いの側に車両前後方向結合壁部74,76をそれぞれ有して構成されている。そして、このヒンジサイドパネル70の車両前後方向結合壁部74とパネル本体72の車両前後方向結合壁部76とは、互いに車両幅方向に重ね合わされた状態で例えばスポット溶接等により結合されている。
また、このヒンジサイドパネル70及びパネル本体72により構成されたドアインナパネルロア部38は、その車両前後方向中央側に車両前後方向に延在するパネル本体壁部78を有して構成されている。また、このドアインナパネルロア部38において、パネル本体壁部78の車両前後方向両端側には、ドアアウタパネル16側に向けて延設壁部82が延設されている。この延設壁部82は、それぞれ第一車両幅方向壁部84と、車両前後方向壁部86と、第二車両幅方向壁部88と、外周縁部80と、が連続して形成されることにより構成されている。
そして、このドアインナパネルロア部38では、延設壁部82のうちドアアウタパネル16側に設けられた車両前後方向壁部86に、車両前後方向に延在するインパクトビーム90の車両前後方向両端側がエクステンション92,94を介してそれぞれ結合されている。また、このドアインナパネルロア部38では、車両前後方向後側の延設壁部82のうちの第一車両幅方向壁部84とインパクトビーム90の長手方向中間部とは、ブラケット96により連結されている。本実施形態において、このインパクトビーム90、エクステンション92,94、ブラケット96は、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料、例えば、鋼やチタン等の金属で構成されている。
そして、上記の如く構成されたドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とは、図5に示されるように、車両上下方向の互いの側に結合壁部98,100をそれぞれ有して構成されている。ドアインナパネルアッパ部36の結合壁部98は、例えば、図3に示される車両前後方向前端側の外周縁部66から車両前後方向後端側の外周縁部66にかけて連続して形成されている。同様に、ドアインナパネルロア部38の結合壁部100は、例えば、図4に示される車両前後方向前端側の外周縁部80から車両前後方向後端側の外周縁部80にかけて連続して形成されている。
そして、このドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とは、図5に示されるように、互いの結合壁部98,100が板厚方向に重ね合わされた状態でリベット112及び接着剤114により結合されることで一体化されてドアインナパネル34として構成されている。
また、図3乃至図5の各断面図で示されるように、このドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とが一体化されて構成されたドアインナパネル34の外周縁部66,80と、ドアアウタパネル16の外周縁部28とは、例えば、ヘミング加工及び接着により互いに結合されている。
なお、上述のインパクトビーム90は、図4に示されるように、その長手方向の複数位置にて接着剤116によりドアアウタパネル16に接続されている。また、図1に示されるように、ドアパネル体14の車両上下方向上側には、例えば、鋼製のドアフレーム118が設けられている。このドアフレーム118において、第一フロントフレーム部120は、上述のベルトラインインナリインフォースメント68の車両前後方向前端側に結合され、第二フロントフレーム部122の下端は、上述の車両前後方向前側に配置されたエクステンション92に結合され、リアフレーム部124は、上述のロックリインフォースメント54に結合されている。
次に、本発明の第一実施形態の作用及び効果について説明する。
上記の如く構成されたドア12は、その製造過程における塗装工程において、例えば、次の如く処理される。すなわち、ドア12は、全体的に電着塗装が施された後、約200℃近い電着塗装焼付け乾燥炉で塗装の焼付け乾燥が行われる。
このとき、ドア12に設けられたドアアウタパネル16は、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの熱膨張係数の大きい軽金属で形成されていることに加え、一般的に平面部が大半を占める板一枚の構造とされる。このため、ドアアウタパネル16は、四方に発生した熱膨張力によってドアインナパネル34よりも大きく熱膨張しようとする。
ところが、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、このドアアウタパネル16と互いの車両前後方向両端側の外周縁部が結合されたドアインナパネル34のうち、車両上下方向上側に配置されたドアインナパネルアッパ部36は、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料で構成され且つ車両前後方向両端側に中央側よりも厚板とされた第一車両前後方向壁部58及び第一車両幅方向壁部60を備えて構成されている(図3参照)。
従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、図3に示される如くドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張(矢印A)をドアインナパネルアッパ部36により拘束して抑制することができる(この場合の拘束方向を矢印Bで示す)。これにより、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形を抑制できる。
特に、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネルアッパ部36が、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料で構成されただけでなく、車両前後方向両端側に車両前後方向中央側よりも厚板とされた第一車両前後方向壁部58及び第一車両幅方向壁部60を備えた構成とされている。
従って、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張力(矢印A方向の力)に対して、この厚板とされた第一車両前後方向壁部58及び第一車両幅方向壁部60が曲げ剛性向上部として機能する。このため、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張力によってドアインナパネルアッパ部36の車両前後方向両端側が矢印M方向に曲げモーメントを受けて曲げ変形されることを抑制できる。これにより、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対する拘束力を確保でき、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形を確実に抑制できる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、図4に示されるドアインナパネルロア部38に設けられた延設壁部82には、車両前後方向に延在されたインパクトビーム90の車両前後方向両端側がそれぞれ結合されている。そして、このインパクトビーム90が結合されたドアインナパネルロア部38とドアインナパネルアッパ部36とは、図1,図5に示される結合壁部98,100によって車両前後方向前端側から後端側にかけて連続して結合されている(少なくとも互いの車両前後方向両端側で結合されている)。
従って、このドアインナパネルロア部38に結合されたインパクトビーム90によって、ドアアウタパネル16を拘束するドアインナパネルアッパ部36の剛性を高めることができる。しかも、このインパクトビーム90は、ドアインナパネルアッパ部36と同様に、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料で構成されている。従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張をドアインナパネルアッパ部36及びインパクトビーム90により確実に拘束して抑制することができる。
特に、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、インパクトビーム90が、図4に示される如く、ドアインナパネルロア部38に設けられた延設壁部82のドアアウタパネル16側に設けられており、ドアアウタパネル16により近い位置に配置されている。
このため、ドアアウタパネル16を拘束するドアインナパネルアッパ部36(図3参照)の特にドアアウタパネル16側の剛性を高めることができる。従って、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。これにより、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形をより確実に抑制できる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネルアッパ部36には、図1に示されるように、車両前後方向に延在されたベルトラインインナリインフォースメント68の車両前後方向両端側がそれぞれ結合されており、しかも、このベルトラインインナリインフォースメント68は、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料で構成されている。
従って、このベルトラインインナリインフォースメント68によって、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。これにより、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形をさらにより確実に抑制できる。
このように、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドア12の永久変形を抑制することができる。この結果、例えば、ドア12の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38との結合部である結合壁部98,100(二枚合わせ部)が、図1に示されるように、ベルトラインインナリインフォースメント68とインパクトビーム90との車両上下方向中間部に設定されている。
このため、このベルトラインインナリインフォースメント68とインパクトビーム90との車両上下方向中間部のドアインナパネル34の剛性及び強度を向上させることができる。従って、例えば、側面衝突時にドアインナパネル34に側面衝突荷重が加わったときには、この側面衝突荷重を上述の結合壁部98,100(二枚合わせ部)を介してフロントピラー及びセンターピラー側に伝達することができ、荷重伝達効率を向上させることができる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドア12のドアハンドル17の高さに比重の大きい鋼製のドアインナパネルアッパ部36(ミラーブラケット52、ロックリインフォースメント54、ベルトラインインナリインフォースメント68を含む)が設定されている。従って、ドアハンドル17の高さにドア12の重心が近づくため、乗員のドア閉め操作力を効率良くドア12に伝達でき、これにより、ドア12の閉まり性を向上させることができる。
次に、図6乃至図8を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10の変形例を示す。
上記実施形態においては、図6に示されるように、ミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54がドアインナパネル34よりも厚板とされると共に、このドアインナパネル34に設けられたベルトラインインナリインフォースメント68とミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54とが互いの端部にて差厚結合されていても良い。また、ベルトラインインナリインフォースメント68の代わりにドアインナパネルアッパとミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54とが互いの端部にて差厚結合されていても良い。
また、上記実施形態においては、図7に示されるように、ミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54がドアインナパネル34よりも厚板とされると共に、このドアインナパネル34に設けられたベルトラインインナリインフォースメント68の端部がミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54に重ね合わされて互いに結合されていても良い。また、ベルトラインインナリインフォースメント68の代わりにドアインナパネルアッパの端部がミラーブラケット52及びロックリインフォースメント54に重ね合わされて互いに結合されていても良い。
また、ドアインナパネル34は、図5に示される如く、ベルトライン部においてドアインナパネルアッパとドアインナパネルロアとに上下に分割されていても良く、また、図8に示されるように、上下に一体に形成されていても良い。
[第二実施形態]
次に、図9乃至図12を参照しながら、本発明の第二実施形態について説明する。
図9乃至図12には、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造220が適用されたドア222の構成が示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Inは、車両幅方向内側をそれぞれ示している。
本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造220は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。なお、本発明の第二実施形態において、以下に説明する構成以外の構成については、上述の本発明の第一実施形態の構成と同一であるので、この同一の構成については上記第一実施形態と同一の符号を用いることとしてその詳細な説明を省略する。
図9乃至図12に示される本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造220が適用されたドア222において、ドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向下側に設けられた結合壁部98の下端には、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状のフランジ102が設けられている。このフランジ102は、例えば、図11に示されるように、結合壁部98に沿って車両前後方向前端側の外周縁部66から車両前後方向後端側の外周縁部66にかけて連続して形成されている。
なお、この構成の場合に、図11に示されるように、ドアインナパネルアッパ部36をドアインナパネルロア部38に結合してドアインナパネル34を形成してから、図9、図10に示されるドアフレーム118及びインパクトビーム90をドアインナパネル34に組み付けても良く、また、図12に示されるように、ドアインナパネルアッパ部36にドアフレーム118を予め組み付けておくと共にドアインナパネルロア部38にインパクトビーム90を予め組み付けておいてから、ドアインナパネルアッパ部36をドアインナパネルロア部38に結合してドアインナパネル34を形成しても良い。
次に、本発明の第二実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造220によれば、ドアインナパネルアッパ部36の結合壁部98には、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状のフランジ102が、結合壁部98に沿って車両前後方向前端側の外周縁部66から車両前後方向後端側の外周縁部66にかけて連続して形成されている。
従って、ドア222全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、フランジ102が補強手段として機能することによって、例えば、図11に示される如く、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張力(矢印A方向)に伴うドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向(Z軸)を中心とする曲げ変形(矢印R方向変位)を抑制することができる。
これにより、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対するドアインナパネルアッパ部36の拘束力を確保でき、ドア222の永久変形を抑制することができる。この結果、例えば、ドア222の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造220によれば、ドアインナパネルアッパ部36の結合壁部98に設けられたフランジ102が、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状に構成されることで、図10に示される如く、結合壁部98,100の結合部が、車両上下方向上側から落下した水滴Wにより被水されることを抑制できる。
しかも、フランジ102がドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出されることで、ドアインナパネルアッパ部36の結合壁部98とドアインナパネルロア部38の結合壁部100との端部接触を無くすことができる。これにより、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38との電食防錆性能を向上できる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造220によれば、上述のフランジ102は、例えば、図11に示されるように、結合壁部98に沿って車両前後方向前端側の外周縁部66から車両前後方向後端側の外周縁部66にかけて連続して形成されており、フロントピラー及びセンターピラーと車両側面視で重なる。
従って、例えば、側面衝突時にドアインナパネル34に側面衝突荷重が加わったときには、この側面衝突荷重を上述のフランジ102により補強された結合壁部98,100(二枚合わせ部)を介してフロントピラー及びセンターピラー側に伝達することができ、荷重伝達効率をより向上させることができる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造220によれば、図11若しくは図12に示されるように、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とを組み付ける際には、このフランジ102を組み付けガイドとして機能させることができる。従って、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38との組み付け作業性を向上させることができる。
[第三実施形態]
次に、図13乃至図15を参照しながら、本発明の第三実施形態について説明する。
図13乃至図15には、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造230が適用されたドア232の構成が示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Outは、車両幅方向外側をそれぞれ示している。
本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造230は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。なお、本発明の第三実施形態において、以下に説明する構成以外の構成については、上述の本発明の第二実施形態の構成と同一であるので、この同一の構成については上記第二実施形態と同一の符号を用いることとしてその詳細な説明を省略する。
図13乃至図15に示される本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造230が適用されたドア232において、ドアインナパネルアッパ部36に形成された結合壁部98のうち、第一車両幅方向壁部60及び第二車両幅方向壁部64に形成された車両幅方向結合壁部104は、その車両上下方向下側の縁部106が車両幅方向に沿ってドアアウタパネル16側に向かうに従って車両上下方向下側に向かうように傾斜して形成されている。
同様に、ドアインナパネルロア部38に形成された結合壁部100のうち、第一車両幅方向壁部84及び第二車両幅方向壁部88に形成された車両幅方向結合壁部108は、その車両上下方向上側の縁部110が車両幅方向に沿ってドアアウタパネル16側に向かうに従って車両上下方向下側に向かうように傾斜して形成されている。
そして、図15に示されるように、ドアインナパネルアッパ部36は、ドアインナパネルロア部38に車両幅方向外側から組み付けられ、このドアインナパネルアッパ部36の車両幅方向結合壁部104を含む結合壁部98と、ドアインナパネルロア部38の車両幅方向結合壁部108を含む結合壁部100とは、板厚方向に重ね合わされて結合されている。また、このとき、各車両幅方向結合壁部104,108の互いの結合部は、縁部106,110に沿って傾斜されている。つまり、各車両幅方向結合壁部104,108が、例えば、スポット溶接やリベット止め等により複数の箇所で結合される場合には、この複数の結合部を結ぶ線が傾斜される。
次に、本発明の第三実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造230によれば、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とは、車両前後方向両端側且つ車両上下方向の互いの側に板厚方向に重ね合わされて結合された車両幅方向結合壁部104,108をそれぞれ有して構成されており、しかも、この各車両幅方向結合壁部104,108の結合部は、車両幅方向に沿ってドアアウタパネル16側に向かうに従って車両上下方向下側に向かうようにそれぞれ傾斜されている。
このため、板厚方向に互いに重ね合わされて剛性が高められた車両幅方向結合壁部104,108の結合部(二枚合わせ面)をドアアウタパネル16のより車両上下方向下側に延長できる(近づけることができる)。従って、ドア232全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネル16の変形をより車両上下方向下側まで抑制することができる。
特に、この構成によれば、ドアアウタパネル16の車両前後方向後端且つ車両上下方向下端の角部C(図14参照)の変形抑制効果を高めることができる。この結果、例えば、ドア232の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造230によれば、ドアインナパネルアッパ部36の車両幅方向結合壁部104とドアインナパネルロア部38の車両幅方向結合壁部108との結合部には、板厚段差が形成されるが、この板厚段差も、車両幅方向に沿ってドアアウタパネル16側に向かうに従って車両上下方向下側に向かうように傾斜して形成されている。
従って、このドアインナパネルアッパ部36の車両幅方向結合壁部104とドアインナパネルロア部38の車両幅方向結合壁部108との結合部に水滴が付着した場合でも、この水滴を板厚段差に沿って車両幅方向外側に移動させて最終的に車両上下方向下側に落下させることができる。これにより、ドア232の防水性能を向上できる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造230によれば、ドアインナパネルアッパ部36の車両幅方向結合壁部104とドアインナパネルロア部38の車両幅方向結合壁部108との結合部が傾斜することにより、この結合部の結合長さを長くできる。これにより、この結合部の結合強度を向上させることができる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造230によれば、図15に示されるように、ドアインナパネルアッパ部36をドアインナパネルロア部38に組み付ける際には、互いの車両幅方向結合壁部104,108を組み付けガイドとして機能させることができる。従って、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38との組み付け作業性を向上させることができる。
次に、本発明の第三実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38の車両前後方向両側に、傾斜して形成された車両幅方向結合壁部104,108がそれぞれ形成されるように構成されていたが、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38の車両前後方向前側若しくは後側のどちらか一方に、傾斜して形成された車両幅方向結合壁部104,108がそれぞれ形成されるように構成されていても良い。
また、上記実施形態では、上述の本発明の第二実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向下側に設けられた結合壁部98の下端に、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状のフランジ102が設けられていても良い(図9乃至図12参照)。
[第四実施形態]
次に、図16を参照しながら、本発明の第四実施形態について説明する。
図16には、本発明の第四実施形態に係る車両用ドア構造240が適用されたドア242の構成が示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側をそれぞれ示している。
本発明の第四実施形態に係る車両用ドア構造240は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。なお、本発明の第四実施形態において、以下に説明する構成以外の構成については、上述の本発明の第一実施形態の構成と同一であるので、この同一の構成については上記第一実施形態と同一の符号を用いることとしてその詳細な説明を省略する。
図16に示される本発明の第四実施形態に係る車両用ドア構造240が適用されたドア242において、ドアインナパネル34は、車両上下方向上側に配置されたドアインナパネルアッパ部36と、車両上下方向下側に配置されたドアインナパネルロア部38とに分割して構成されている。このとき、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とは、インパクトビーム90よりも車両上下方向下側の位置で分割されている(結合壁部98,100の位置で分割)。そして、インパクトビーム90は、ドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向下側にエクステンション92,94及びブラケット96を介して結合されている。
また、このドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とは、互いの結合壁部98,100が板厚方向に重ね合わされた状態で結合されることで一体化されている。
また、このドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とが一体化されて構成されたドアインナパネル34の外周縁部には、ドアアウタパネル16の外周縁部が、例えば、ヘミング加工及び接着により結合されている。
次に、本発明の第四実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第四実施形態に係る車両用ドア構造240によれば、ドアインナパネルアッパ部36には、ベルトラインインナリインフォースメント68に加えて、車両前後方向に延在されたインパクトビーム90の車両前後方向両端側がそれぞれ結合されており、しかも、このベルトラインインナリインフォースメント68及びインパクトビーム90は、いずれもドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料で構成されている。
従って、このベルトラインインナリインフォースメント68及びインパクトビーム90の上下一対の組み合わせによって、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。
また、本発明の第四実施形態に係る車両用ドア構造240によれば、ドアアウタパネル16よりも線膨張係数の小さい材料で構成されたドアインナパネルアッパ部36が、インパクトビーム90よりも車両上下方向下側へ延長されている。このため、ドアアウタパネル16の車両上下方向の熱膨張も確実に拘束して抑制することができる。
これにより、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形をさらにより確実に抑制できる。この結果、例えば、ドア242の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
次に、本発明の第四実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、上述の本発明の第二実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向下側に設けられた結合壁部98の下端に、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状のフランジ102が設けられていても良い(図9乃至図12参照)。
また、上記実施形態では、上述の本発明の第三実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38の車両前後方向両側に、傾斜して形成された車両幅方向結合壁部104,108がそれぞれ形成され、この車両幅方向結合壁部104,108が互いに結合されていても良い(図13乃至図15参照)。
[第五実施形態]
次に、図17を参照しながら、本発明の第五実施形態について説明する。
図17には、本発明の第五実施形態に係る車両用ドア構造250が適用されたドア252の構成が分解図で示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側をそれぞれ示している。
本発明の第五実施形態に係る車両用ドア構造250は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。なお、本発明の第五実施形態において、以下に説明する構成以外の構成については、上述の本発明の第一実施形態の構成と同一であるので、この同一の構成については上記第一実施形態と同一の符号を用いることとしてその詳細な説明を省略する。
図17に示される本発明の第五実施形態に係る車両用ドア構造250が適用されたドア252において、ドアインナパネル34は、車両上下方向上側に配置されたドアインナパネルアッパ部36と、車両上下方向下側に配置されたドアインナパネルロア部38と、ドアインナパネルアッパ部36の中央部に配置されるドアインナパネルアッパセンタ部40と、に分割して構成されている。
ドアインナパネルアッパセンタ部40は、ウィンドレギュレータ128がボルト又はリベットを用いて一体的に固定されたモジュール構造とされている。なお、ドアインナパネルアッパ部36の中央部は、モジュール化されたドアインナパネルアッパセンタ部40が結合されるための切抜き部42とされている。
そして、このドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とは、互いの結合壁部98,100が板厚方向に重ね合わされた状態で結合されることで一体化され、また、ドアインナパネルアッパ部36の切抜き部42の周縁部には、モジュール化されたドアインナパネルアッパセンタ部40が一体的に結合される。
また、このドアインナパネルアッパ部36、ドアインナパネルロア部38、ドアインナパネルアッパセンタ部40が一体化されて構成されたドアインナパネル34の外周縁部には、ドアアウタパネル16(図1参照)の外周縁部が、例えば、ヘミング加工及び接着により結合される。
次に、本発明の第五実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第五実施形態に係る車両用ドア構造250によれば、ドアインナパネルアッパ部36の中央部のドアインナパネルアッパセンタ部40(一部の壁部)は、ドアインナパネルアッパ部36の周囲の壁部と分割して構成されると共にウィンドレギュレータ128が一体的に固定されたモジュール構造とされている。
従って、ドア252の組立工程においては、例えば、ドアインナパネルアッパセンタ部40をウィンドレギュレータ128が一体的に固定されたモジュール構造とした上でドアインナパネルアッパ部36の切抜き部42の周縁部に組み付けるという作業手順を得ることができる。
このため、ドアインナパネルロア部38に設けられていたウィンドレギュレータ128の取り付け等のための作業穴44(図2参照)を廃止できる。従って、ドアインナパネルロア部38の剛性を向上でき、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。
これにより、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形をさらにより確実に抑制できる。この結果、例えば、ドア252の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
次に、本発明の第五実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、上述の本発明の第二実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向下側に設けられた結合壁部98の下端に、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状のフランジ102が設けられていても良い(図9乃至図12参照)。
また、上記実施形態では、上述の本発明の第三実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38の車両前後方向両側に、傾斜して形成された車両幅方向結合壁部104,108がそれぞれ形成され、この車両幅方向結合壁部104,108が互いに結合されていても良い(図13乃至図15参照)。
[第六実施形態]
次に、図18を参照しながら、本発明の第六実施形態について説明する。
図18には、本発明の第六実施形態に係る車両用ドア構造260が適用されたドア262の構成が分解図で示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側をそれぞれ示している。
本発明の第六実施形態に係る車両用ドア構造260は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。なお、本発明の第六実施形態において、以下に説明する構成以外の構成については、上述の本発明の第一実施形態の構成と同一であるので、この同一の構成については上記第一実施形態と同一の符号を用いることとしてその詳細な説明を省略する。
図18に示される本発明の第六実施形態に係る車両用ドア構造260が適用されたドア262において、ドアインナパネル34は、車両上下方向上側に配置されたドアインナパネルアッパ部36と、車両上下方向下側に配置されたドアインナパネルロア部38と、ドアインナパネルロア部38の中央部に配置されるドアインナパネルロアセンタ部46と、に分割して構成されている。
ドアインナパネルロアセンタ部46は、スピーカ134やワイヤハーネス136がボルト又はリベットを用いて一体的に固定されたモジュール構造とされている。なお、ドアインナパネルロア部38の中央部は、モジュール化されたドアインナパネルロアセンタ部46が結合されるための切抜き部48とされている。
そして、このドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とは、互いの結合壁部98,100が板厚方向に重ね合わされた状態で結合されることで一体化され、また、ドアインナパネルロア部38の切抜き部48の周縁部には、モジュール化されたドアインナパネルロアセンタ部46が一体的に結合される。
また、このドアインナパネルアッパ部36、ドアインナパネルロア部38、ドアインナパネルロアセンタ部46が一体化されて構成されたドアインナパネル34の外周縁部には、ドアアウタパネル16(図1参照)の外周縁部が、例えば、ヘミング加工及び接着により結合される。
次に、本発明の第六実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第六実施形態に係る車両用ドア構造260によれば、ドアインナパネルロア部38の中央部のドアインナパネルロアセンタ部46(一部の壁部)は、ドアインナパネルロア部38の周囲の壁部と分割して構成されると共にスピーカ134やワイヤハーネス136が一体的に固定されたモジュール構造とされている。
従って、ドア262の組立工程においては、例えば、ドアインナパネルロアセンタ部46をスピーカ134やワイヤハーネス136が一体的に固定されたモジュール構造とした上でドアインナパネルロア部38の切抜き部48の周縁部に組み付けるという作業手順を得ることができる。
このため、ドアインナパネルアッパ部36に設けられていたスピーカ134やワイヤハーネス136の取り付け等のための作業穴50(図2参照)を廃止できる。従って、ドアインナパネルアッパ部36の剛性を向上でき、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。
これにより、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形をさらにより確実に抑制できる。この結果、例えば、ドア262の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
次に、本発明の第六実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、上述の本発明の第二実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向下側に設けられた結合壁部98の下端に、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状のフランジ102が設けられていても良い(図9乃至図12参照)。
また、上記実施形態では、上述の本発明の第三実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38の車両前後方向両側に、傾斜して形成された車両幅方向結合壁部104,108がそれぞれ形成され、この車両幅方向結合壁部104,108が互いに結合されていても良い(図13乃至図15参照)。
[第七実施形態]
次に、図19乃至図21を参照しながら、本発明の第七実施形態について説明する。
図19乃至図21には、本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造270が適用されたドア272の構成が分解図で示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Inは、車両幅方向内側をそれぞれ示している。
本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造270は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。なお、本発明の第七実施形態において、以下に説明する構成以外の構成については、上述の本発明の第一実施形態の構成と同一であるので、この同一の構成については上記第一実施形態と同一の符号を用いることとしてその詳細な説明を省略する。
本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造270が適用されたドア272において、ドアインナパネル34は、図20に示されるように、車両上下方向上側に配置されたドアインナパネルアッパ部36と、車両上下方向下側に配置されたドアインナパネルロア部38と、に分割して構成されている。
ドアインナパネルアッパ部36は、ヒンジ126、ウィンドレギュレータ128、ドアロック装置130、ドアチェック機構132がボルト又はリベットを用いて一体的に固定されたモジュール構造とされており、ドアインナパネルロア部38は、スピーカ134、ワイヤハーネス136、衝撃吸収パッド138がボルト又はリベットを用いて一体的に固定されたモジュール構造とされている。
また、ドアアウタパネル16は、図19に示されるように、車両上下方向上側に配置されたドアアウタパネルアッパ部18と、車両上下方向下側に配置されたドアアウタパネルロア部20と、に分割して構成されている。このドアアウタパネルアッパ部18とドアアウタパネルロア部20とは、図21に示されるように、車両上下方向の互いの側に結合壁部19,21をそれぞれ有して構成されている。また、このドアアウタパネルアッパ部18とドアアウタパネルロア部20とは、結合壁部19,21にそれぞれ隣接して屈曲部24,26を有して構成されている。
そして、ドアアウタパネルアッパ部18は、図20の二点鎖線で示される如く、上述のモジュール化されたドアインナパネルアッパ部36に互いの外周縁部にて結合され、ドアアウタパネルロア部20は、同じく図20の二点鎖線で示される如く、上述のモジュール化されたドアインナパネルロア部38に互いの外周縁部にて結合される。これにより、ドアアウタパネルアッパ部18とドアインナパネルアッパ部36とでドアアッパモジュール30が構成され、ドアアウタパネルロア部20とドアインナパネルロア部38とでドアロアモジュール32が構成される。
そして、このドアアッパモジュール30とドアロアモジュール32とは、図21に示されるように、ドアインナパネルアッパ部36の結合壁部19とドアインナパネルロア部38の結合壁部21が互いに板厚方向に重ね合わされた状態で結合されると共に、ドアインナパネルアッパ部36の結合壁部98とドアインナパネルロア部38の結合壁部100が互いに板厚方向に重ね合わされた状態で結合されることで一体化されている。
また、この一体化されたドアアッパモジュール30とドアロアモジュール32において、ドアアウタパネルアッパ部18とドアアウタパネルロア部20との結合部には、車両幅方向外側からドアアウタモール22が取り付けられている。
次に、本発明の第七実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造270によれば、ドアインナパネルアッパ部36は、ヒンジ126、ウィンドレギュレータ128、ドアロック装置130、ドアチェック機構132がボルト又はリベットを用いて一体的に固定されたモジュール構造とされており、ドアインナパネルロア部38は、スピーカ134、ワイヤハーネス136、衝撃吸収パッド138がボルト又はリベットを用いて一体的に固定されたモジュール構造とされている。また、ドアアウタパネル16は、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38とそれぞれ結合されるドアアウタパネルアッパ部18及びドアアウタパネルロア部20に分割されて構成されている。
従って、ドア272の組立工程においては、例えば、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38をモジュール構造とした上で、このドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38にドアアウタパネルアッパ部18及びドアアウタパネルロア部20をそれぞれ結合し、その後に、ドアインナパネルアッパ部36とドアインナパネルロア部38とを結合すると共に、ドアアウタパネルアッパ部18とドアアウタパネルロア部20とを結合するという作業手順を得ることができる。
このため、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38に設けられていたウィンドレギュレータ128等の取り付け等のための作業穴44(図2参照)、及び、ドアインナパネルアッパ部36に設けられていたスピーカ134等の取り付け等のための作業穴50(図2参照)を廃止できる。これにより、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38の剛性を向上でき、ドアアウタパネル16の車両前後方向への熱膨張に対する拘束力をより高めることができる。
また、本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造270によれば、上述のドアアウタパネルアッパ部18とドアアウタパネルロア部20とは、図21に示されるように、車両上下方向の互いの側の結合壁部19,21で結合されており、しかも、この互いの側の結合壁部19,21にそれぞれ隣接して屈曲部24,26を有して構成されている。
従って、ドア272全体が例えば電着塗装焼付処理される等により、ドアアウタパネル16全体に車両上下方向への熱膨張若しくは熱収縮が生じても、この熱膨張及び熱収縮を屈曲部24,26によって吸収することで抑制することができる。これにより、ドアアウタパネル16(特に一般パネル面)の熱歪による永久変形を抑制できる。
このように、本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造270によれば、ドアアウタパネル16の熱歪による永久変形を抑制できる。この結果、例えば、ドア272の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造270によれば、ドアアウタパネル16は、ドアアウタパネルアッパ部18とドアアウタパネルロア部20とに分割されている。このため、ドアアウタパネル16の修理性を向上させることができる。
また、このドアアウタパネルアッパ部18とドアアウタパネルロア部20との結合部には、ドアアウタモール22が車両幅方向外側から設けられている。このため、ドアアウタパネル16の外観性を確保できる。
次に、本発明の第七実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、上述の本発明の第二実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36の車両上下方向下側に設けられた結合壁部98の下端に、ドアインナパネルロア部38から離間する方向に膨出する断面L字状のフランジ102が設けられていても良い(図9乃至図12参照)。
また、上記実施形態では、上述の本発明の第三実施形態の如く、ドアインナパネルアッパ部36及びドアインナパネルロア部38の車両前後方向両側に、傾斜して形成された車両幅方向結合壁部104,108がそれぞれ形成され、この車両幅方向結合壁部104,108が互いに結合されていても良い(図13乃至図15参照)。
本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 本発明の第一実施形態に係るドアインナパネルの分解側面図である。 図1の3−3線断面図である。 図1の4−4線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造の変形例を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造の変形例を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造の変形例を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 図9の10−10線断面図である。 本発明の第二実施形態に係るドアインナパネルアッパ部及びドアインナパネルロア部の組付説明図(組付パターン1)である。 本発明の第二実施形態に係るドアインナパネルアッパ部及びドアインナパネルロア部の組付説明図(組付パターン1)である。 本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの正面図である。 本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの背面図である。 本発明の第三実施形態に係るドアインナパネルアッパ部及びドアインナパネルロア部の分解正面図である。 本発明の第四実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 本発明の第五実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの分解側面図である。 本発明の第六実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの分解側面図である。 本発明の第七実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 本発明の第七実施形態に係るドアアッパモジュールとドアロアモジュールとの分解側面図である。 図19の21−21線断面図である。
符号の説明
10,220,230,240,250,260,270 車両用ドア構造
16 ドアアウタパネル
18 ドアアウタパネルアッパ部(第二ドアアウタパネル部)
20 ドアアウタパネルロア部(第一ドアアウタパネル部)
24,26 屈曲部(変形吸収部)
34 ドアインナパネル
36 ドアインナパネルアッパ部(第二ドアインナパネル部)
38 ドアインナパネルロア部(第一ドアインナパネル部)
40 ドアインナパネルアッパセンタ部(閉塞壁部)
42,48 切抜き部
46 ドアインナパネルロアセンタ部(閉塞壁部)
52 ミラーブラケット
54 ロックリインフォースメント
58 第一車両前後方向壁部(ドア幅方向壁部)
60 第一車両幅方向壁部(ドア厚さ方向壁部)
66,80 外周縁部
68 ベルトラインインナリインフォースメント(連結部材)
78 パネル本体壁部
82 延設壁部
90 インパクトビーム(ドア補強部材,連結部材)
98,100 結合壁部
102 フランジ(補強手段)
104,108 車両幅方向結合壁部(ドア厚さ方向結合壁部)
106,110 縁部
126 ヒンジ(機能部品)
128 ウィンドレギュレータ(機能部品)
130 ドアロック装置(機能部品)
132 ドアチェック機構(機能部品)
134 スピーカ(機能部品)
136 ワイヤハーネス(機能部品)
138 衝撃吸収パッド(機能部品)

Claims (8)

  1. ドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルとドア厚さ方向に対向配置されてドア高さ方向一方側に配置された第一ドアインナパネル部と、
    前記ドアアウタパネルとドア厚さ方向に対向配置されてドア高さ方向他方側に配置されると共に、前記ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成され、且つ、ドア幅方向両端側にドア幅方向中央側よりも厚板とされたドア厚さ方向壁部及びドア幅方向壁部を備えた第二ドアインナパネル部と、
    を備えたことを特徴とする車両用ドア構造。
  2. 前記第一ドアインナパネル部は、
    ドア幅方向中央側に設けられドア幅方向に延在されたパネル本体壁部と、
    前記パネル本体壁部のドア幅方向両端側から前記ドアアウタパネル側へ向けて延設された延設壁部と、
    を備え、
    前記各延設壁部の前記ドアアウタパネル側には、ドア幅方向に延在されると共に前記ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成されたドア補強部材のドア幅方向両端側がそれぞれ結合され、
    前記第一ドアインナパネル部と前記第二ドアインナパネル部とは、少なくとも互いのドア幅方向両端側で結合されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア構造。
  3. 前記第一ドアインナパネル部と前記第二ドアインナパネル部とは、ドア幅方向端側に板厚方向に重ね合わされて結合されたドア厚さ方向結合壁部をそれぞれ有して構成され、
    前記各ドア厚さ方向結合壁部の互いの結合部は、ドア厚さ方向に沿って前記ドアアウタパネル側に向かうに従ってドア高さ方向一端側に向かうように傾斜されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア構造。
  4. 前記第一ドアインナパネル部及び前記第二ドアインナパネル部の少なくとも一方には、ドア幅方向に延在する補強手段が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドア構造。
  5. ドア幅方向に延在されると共に前記ドアアウタパネルよりも線膨張係数の小さい材料で構成され、且つ、ドア幅方向両端側が前記第二ドアインナパネル部のドア幅方向両端側にそれぞれ連結された連結部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドア構造。
  6. 前記第一ドアインナパネル部又は前記第二ドアインナパネル部には、一部に切抜き部が設けられ、
    前記切抜き部を閉塞可能に構成されると共に機能部品が一体的に固定されてモジュール構造とされた閉塞壁部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用ドア構造。
  7. 前記第一ドアインナパネル部及び前記第二ドアインナパネル部は、それぞれ機能部品が一体的に固定されたモジュール構造とされ、
    前記ドアアウタパネルは、
    ドア高さ方向一方側に配置され前記第一ドアインナパネル部と結合された第一ドアアウタパネル部と、
    前記第一ドアアウタパネル部と分割して構成されてドア高さ方向他方側に配置されると共に前記第二ドアインナパネル部と結合された第二ドアアウタパネル部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用ドア構造。
  8. 前記第一ドアアウタパネル部と前記第二ドアアウタパネル部とは、ドア高さ方向の互いの側で結合されると共に互いの側にドア高さ方向への熱膨張及び熱収縮の少なくとも一方を吸収可能な変形吸収部を備えたことを特徴とする請求項7に記載の車両用ドア構造。
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