JP2008055391A - 汚泥の脱水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐敗が進行して繊維分の含有量が少ない難脱水処理汚泥を低コストで有効に処理する方法を提供する。
【解決手段】
(A)で表されるカチオン系水溶性高分子化合物と下記(B)で表される両性系水溶性高分子化合物とを含有する高分子凝集剤を用いて汚泥を脱水する方法において、高分子凝集剤が、さらに、下記(C)で表される両性系水溶性高分子化合物又は(D)で表されるアミジン系カチオン性高分子化合物を含有する汚泥の脱水方法。
(A):構造式(1)のアクリルアミドと(2)のアクリレート4級アンモニウム塩からなる共重合体
(B):構造式(1)と(2)及び(3)のアクリル酸からなる共重合体
(C):構造式(1)と(3)及び構造式(4)の3級アミノアクリレートからなる共重合体
(D):構造式アミジン環構造を含有する高分子化合物
【選択図】 なし

Description

本発明は高分子凝集剤を用いた含水汚泥の処理方法、より詳しくは腐敗汚泥のような繊維分の含有量が少ない難脱水処理汚泥の脱水処理方法に関する。
廃水処理等の際に生じる含水汚泥の脱水処理に関しては、その性状により、各種凝集剤を必要に応じて組み合わせて使用することは知られており、特に有機汚泥の場合には、通常カチオン系、アニオン系又は両性系の凝集剤を単独又は適宜組み合わせて使用されている。
例えば、複数の高分子凝集剤を組み合わせた汚泥の脱水方法としては、両性高分子凝集剤とアクリレート系カチオン性の高分子凝集剤の組み合わせ(特許文献1参照)、アミジン系の高分子凝集剤と両性高分子凝集剤の組み合わせ(特許文献2参照)、アミジン系の凝集剤とカチオン系の凝集剤の組み合わせ(特許文献3参照)、2種の両性系凝集剤の組み合わせ(特許文献4参照)、2種のアクリレート系カチオン性高分子凝集剤の組み合わせ(特許文献5参照)が知られており、これらの組み合わせからなる凝集剤は通常の状態の汚泥に対しては有効である。
しかしながら、一方で、有機汚泥は変質し易く、特に夏場等の高温多湿条件では腐敗によりその性状が変化し、特に有機物濃度の高い汚泥が微生物分解などによって腐敗すると、汚泥の繊維分が減少し、圧密性が悪くなることが知られている。
汚泥中の繊維分は、汚泥の凝集時に凝集粒(以下、フロックと呼ぶ)を強化する効果があるが、これが減少するとフロックの強度が弱く圧搾時にフロックが潰れ、水の通り道が確保できず汚泥の脱水性が悪化する。また、圧搾性が悪くなると汚泥は絞り難くなる。ここで、該圧密性とは、通常、汚泥を遠心沈降させその沈降体積の全体に対する比容積(汚泥容量指数)SVI3000といった指数で比較される。
このように、有機汚泥が腐敗すると凝集処理の際の脱水性が低下する問題があることが知られており、その場合、通常よりも多量の凝集剤を使用する必要がある上、汚泥の焼却コストの増加といった問題が生じている。
また、近年、下水汚泥の処理の分野においては、特に都市部で汚泥の処理が集中処理方式へと移行されてきており、従来よりも汚泥が処理に付されるまでの時間が長くなったり、処理規模の増大による処理槽内での滞留時間の長時間化もあいまって、特に上記のような汚泥の腐敗による脱水性能の悪化の問題が顕著となってきている。
このような腐敗汚泥の脱水処理に関しては、高分子量のアミジン系凝集剤を用いた例が知られているが(特許文献6参照)、このような特殊な高分子化合物はコストが高いため改良が望まれていた。
特許登録第2933627号公報 特開平6−218399号公報 特開平6−218400号公報 特開2002−177706号公報 特開2003−251105号公報 特開平11−19408号公報
本発明は、特に腐敗が進行し、繊維分の含有量が少なく、脱水時の含水率を下げるのが困難な、いわゆる難脱水処理汚泥と言われる汚泥を比較的低コストで有効に処理する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、少なくとも、解離度の異なる2種のカチオン系水溶性高分子化合物と両性系水溶性高分子化合物とを組み合わせて用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨は、下記(A)で表されるカチオン系水溶性高分子化合物と下記(B)で表される両性系水溶性高分子化合物とを含有する高分子凝集剤を用いて汚泥を脱水する方法において、高分子凝集剤が、さらに、下記(C)で表される両性系水溶性高分子化合物又は(D)で表されるアミジン系カチオン性高分子化合物を含有することを特徴とする汚泥の脱水方法に存する。
(A) 下記構造式(1)で表される構成単位と下記構造式(2)で表される構成単位からなる共重合体であるカチオン系水溶性高分子化合物
(B) 下記構造式(1)で表される構成単位、下記構造式(2)で表される構成単位、及び下記構造式(3)で表される構成単位からなる共重合体である両性系水溶性高分子化合物
(C) 下記構造式(1)で表される構成単位、下記構造式(3)で表される構成単位、及び下記構造式(4)で表される構成単位からなる共重合体である両性系水溶性高分子化合物
(D) 下記構造式(5−a)又は(5―b)で表される構成単位を含有するアミジン系カチオン性高分子化合物
(上記構造式(1)〜(4)、(5−a)及び(5−b)において、R、R及びRはそれぞれ独立して、メチル基、エチル基又はベンジル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、XはCl、Br又は1/2SO 2−を示す。)
本発明の汚泥の脱水処理方法は、腐敗汚泥のような繊維分の少ない難脱水処理汚泥、特には夏場の腐敗が進行した都市下水汚泥に対しても低コストで簡便且つ効率的に脱水を行うことができるものであり、これにより年間を通しての安定した汚泥の脱水処理を行うことができる。
以下に、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの記載に限定されるものではない。
本発明の汚泥脱水方法に用いられる高分子凝集剤は、上記の如く(A)で表されるカチオン系水溶性高分子化合物及び(B)で表される両性系水溶性高分子化合物に、更に(C)で表される両性系水溶性高分子化合物又は(D)で表されるアミジン系カチオン性高分子化合物を含有することを必須とするものである。
<(A):カチオン系水溶性高分子化合物>
(A)で表されるカチオン系水溶性高分子化合物は、上記構造式(1)で表される構成単位と上記構造式(2)で表される構成単位からなる共重合体である。具体的には、(1)で表される構成単位のアクリルアミド単量体と(2)で表される構成単位の(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩単量体との共重合体である。(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩は、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリル酸を4級化剤、例えば塩化メチル、塩化ベンジル等のハロゲン化アルキル等と反応させることにより得られ、代表例は塩化メチル4級化塩である。
構造式(2)の(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩単量体において、R,R及びRが、全てメチル基、或いはR,Rがメチル基、Rがベンジル基であるのが好ましく、特に全てメチル基であるのが好ましい。また、XはClが好ましく、Rは水素原子とメチル基のいずれでもよい。
(A)のカチオン系水溶性高分子化合物における(1)及び(2)で表される構成単位の含有割合は、特に限定されないが、(2)で表される構成単位はカチオン系水溶性高分子化合物として必須成分であり、その含有割合は、該高分子化合物の全構成単位に対し、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、通常99モル%以下、好ましくは90モル%以下である。
本発明において使用する(A)カチオン性水溶性高分子化合物は、該高分子化合物中における(2)で表される構成単位の含有量が、上記範囲内であれば、(1)で表されるアクリルアミド単量体単位に加え、少量の他の単量体単位、例えばアクリルアミドのアルキル誘導体などを含有していてもよい。その場合、他の単量体単位は、該高分子化合物の全構成単位に対し、10モル%以下とする。
また、(A)カチオン性水溶性高分子化合物は、4重量%塩水中における、該高分子化合物の0.5重量%溶液の粘度が、通常10mPa・s以上であり、180mPa・s以下、好ましくは140mPa・s以下である。粘度がこの範囲を超えて高すぎると粘性が増し取り扱い難く、低すぎると十分な強度のフロックが得られにくい。
本明細書中、高分子化合物の粘度は、高分子化合物の4重量%塩水(NaCl水溶液)中における0.5重量%溶液を調製し、B型粘度計を使用し、25℃で測定した値を意味する。
本発明のカチオン性水溶性高分子化合物(A)は、公知の一般的な重合方法により製造することができる。例えば、上記(1)のアクリルアミド単量体と(2)の(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩単量体とを、要すれば他の単量体と共に、重合開始剤の存在下、公知の重合方法により共重合する。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸2,2‘−アゾビズ−2−アミジノプロパン塩酸塩等のラジカル開始剤が挙げられる。重合方法としては、特に制限されず、通常、水溶液重合、光重合、懸濁重合、エマルション重合等の方法によって製造される。
<(B):両性系水溶性高分子化合物(I)>
(B)で表される両性水溶性高分子化合物は、上記構造式(1)で表される構成単位、上記構造式(2)で表される構成単位、及び上記構造式(3)で表される構成単位からなる共重合体である。具体的には、(1)で表される構成単位のアクリルアミド単量体、(2)で表される構成単位の(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩単量体、及び(3)で表される構成単位の(メタ)アクリル酸単量体の共重合体である。ここで、(2)の構成単位である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩は、上記と同様ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリル酸を4級化剤、例えば塩化メチル、塩化ベンジル等のハロゲン化アルキル等と反応させることにより得られ、代表例は塩化メチル4級化塩である。
本発明の両性水溶性高分子化合物(I)は水に溶解すれば良く、該高分子化合物中における(1)、(2)及び(3)で表される構成単位の含有割合は特に制限はないが、カチオン基としての(2)で表される構成単位、即ち(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩単量体の含有割合は、該高分子化合物の全構成単位に対し、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上であり、通常90モル%以下、好ましくは60モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。
アニオン基としての(3)で表される構成単位、(メタ)アクリル酸単量体は、該高分子化合物の全構成単位に対し通常5モル%以上、50モル%以下である。また、(1)で表される構成単位のアクリルアミド単量体の含有割合は、該高分子化合物の全構成単位に対し、通常5モル%以上、好ましくは30モル%以上、通常90モル%以下、好ましくは〜85モル%以下である。
また、(B)両性系水溶性高分子化合物は、4重量%塩水中における、該高分子化合物の0.5重量%溶液の粘度が通常10mPa・s以上、好ましくは15Pa・s以上であり、通常140mPa・s以下、好ましくは120mPa・s以下である。粘度がこの範囲を超えると汚泥への吸着が遅くなり、低すぎると充分な強度のフロックが出来ない。
本発明の両性系水溶性高分子化合物(B)は、上記(A)のカチオン性水溶性高分子化合物の製造と同様に、(1)のアクリルアミド単量体と(2)の(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ(アルキル)アンモニウム塩単量体と(3)の(メタ)アクリル酸を、重合開始剤の存在下、公知の重合方法により共重合することにより製造される。
<(C):両性系水溶性高分子化合物(II)>
(C)で表される両性水溶性高分子化合物(II)は、上記構造式(1)で表される構成単位、上記構造式(3)で表される構成単位、及び上記構造式(4)で表される構成単位からなる共重合体である。具体的には、(1)で表される構成単位のアクリルアミド単量体と、(3)で表される構成単位の(メタ)アクリル酸単量体と、(4)で表される3級アミノ基を有するジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート酸塩単量体との共重合体である。ここで、(4)の構成単位であるジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート水溶性酸塩としての好ましい代表例は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート硫酸塩であるが、塩酸塩や他の酸の塩であっても差し支えない。
本発明の両性水溶性高分子化合物(II)は水に溶解すれば良く、該高分子化合物中における(1)、(3)及び(4)で表される構成単位の含有割合は特に制限はないが、カチオン基としての3級アミノ基を有する(4)で表されるジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート酸塩単量体の含有量は、該高分子化合物の全構成単位に対し、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、更に好ましくは15モル%以上であり、通常90モル%以下、好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。アニオン基としての(3)で表される(メタ)アクリル酸単量体の含有量は、該高分子化合物の全構成単位に対し、5モル%以上であり、50モル%以下、好ましくは40モル%以下であり、残余は(1)で表されるアクリルアミドである。(1)で表される構成単位のアクリルアミド単量体の含有割合は、該高分子化合物の全構成単位に対し、5モル%以上であり、90モル%以下、好ましくは80モル%以下である。
また、(C)の両性系水溶性高分子化合物(II)は、4重量%塩水中における、該高分子化合物の0.5重量%溶液の粘度が5mPa・s以上であり、100 mPa・s以下、好ましくは80mPa・s以下、より好ましくは60mPa・s以下である。粘度がこの範囲を超えると汚泥への吸着が遅くなり、低すぎると充分な強度のフロックが出来ない。
本発明の(C)の両性系水溶性高分子化合物(II)は、上記(A)のカチオン性水溶性高分子化合物の製造と同様に、(1)のアクリルアミド単量体と(3)の(メタ)アクリル酸と(4)のジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート酸塩とを、重合開始剤の存在下、公知の重合方法により共重合することにより製造される。
<(D):アミジン系カチオン性高分子化合物>
(D)で表されるアミジン系カチオン性高分子化合物は、前記構造式(5−a)又は(5―b)で表されるアミジン環を有する構成単位を含有する高分子化合物である。該カチオン性高分子化合物中におけるアミジン環含有構成単位の含有量は、該カチオン性高分子化合物の全構成単位に対し、通常20モル%以上、好ましくは30モル%以上、より好ましくは35モル%以上であり、通常95モル%以下、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。アミジン環含有構成単位の含有量が、20モル%未満では、pHが中性から弱アルカリの汚泥にたいしての効果が低くなる傾向があり、含有量が95モル%を超えてもそれ以上の効果が期待できない。
該カチオン性高分子化合物は、アクリロニトリルとN−ビニルホルムアミドとの共重合体を酸により変性(加水分解)して、1級アミノ基を生成させ、次いで加熱することによって1級アミノ基とニトリル基とを反応させアミジン環を形成することにより製造することが出来る。共重合するN−ビニルホルムアミド(a)とアクリロニトリル(b)の割合(a):(b)は、モル比で、通常20:80〜95:5であり、好ましくは30:70〜90:10、更に好ましくは40:60〜80:20である。共重合体の変性反応は、酸の変性剤を、共重合体中の所望の1級アミノ基に対し、通常0.1〜2倍モル、好ましくは0.2〜1.5倍モル使用し、反応温度30〜130℃、好ましくは40〜110℃で行われる。また、変性後の共重合体は、通常70〜130℃、好ましくは80〜110℃で加熱され、アミジン環を有する高分子化合物を形成する。
また、(D)アミジン系カチオン性高分子化合物は、4重量%塩水中における、該高分子化合物の0.5重量%溶液の粘度が通常1mPa・s以上、好ましくは2mPa・s以上であり、通常20mPa・s以下、好ましくは15mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下である。粘度がこの範囲を超えると汚泥への吸着が遅くなり、低すぎると充分な強度のフロックが出来ない。
本発明の汚泥の脱水に使用する高分子凝集剤は、上記の如く(A)で表されるカチオン系水溶性高分子化合物及び(B)で表される両性系水溶性高分子化合物に、更に(C)で表される両性系水溶性高分子化合物、又は(D)で表されるアミジン系カチオン性高分子化合物を含有することを必須とするものである。すなわち、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドを構成単位として含むことを必須とする4級アンモニウム塩基を有するカチオン系水溶性高分子重合体(A)と(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリル酸、及びアクリルアミドの3種の単量体を必須成分とする4級アンモニウム基を有する両性系水溶性高分子化合物(B)の2種に、更に第三成分として3級アミノ基を有するジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸塩、(メタ)アクリル酸、及びアクリルアミドの3種の単量体を必須成分とする両性系水溶性高分子化合物(C)、或いはアミジン基を有するポリアミジン系高分子化合物(D)を含有する高分子凝集剤である。
本発明で使用する高分子凝集剤中における(A)〜(D)で表されるこれらの高分子化合物の混合割合は、処理する汚泥により異なるが、通常、高分子凝集剤全重量に対し(A)のカチオン系水溶性高分子化合物10重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜70重量%、(B)の両性系水溶性高分子化合物10重量%〜60重量%、(C)の両性系水溶性高分子化合物又は(D)のアミジン系高分子化合物10重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜70重量%である。
第三成分として3級アミノ基を有するジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートを必須成分とする両性系水溶性高分子化合物を採用する場合、アミジン系高分子化合物よりも比較的安価で、かつ本組み合わせにより良好な脱水性能が得られる利点がある。一方アミジン系高分子化合物は、腐敗汚泥に対し比較的効果があり、特に高分子量であればその効果は大きくなるが添加量が多くなり、かつ価格が高いためコストがかかる。本発明における組み合わせで用いることにより、本願におけるような繊維分の少ない性状の有機汚泥に対しても単独使用以上の効果が得られ、しかもコストの大きな低減が図れる利点がある。
本発明の脱水方法において処理する汚泥は有機汚泥であり、腐敗があまり進行していない混合生汚泥や余剰汚泥も処理し得るが、特に本発明方法は腐敗が進行し難脱水汚泥となった汚泥に対しより効果的である。
本発明の脱水方法は、通常、繊維分が15重量%以下の有機汚泥に適用することができ、またSVI3000が13ml/g以上の有機汚泥に対してもより効果的に適用できる。
通常、汚泥に含まれる有機物質成分、即ち炭水化物や繊維分は生物分解による腐敗を受けやすく、腐敗が進行すると繊維分が減少し、更に圧密性も低下する。汚泥の繊維分が減少すると、汚泥の凝集時におけるフロックの強度が低下し、また、圧密性の低下は汚泥が絞り難い性状となり脱水効率が悪化する。
汚泥の性状は、処理場に流入する水質や腐敗状況等により変化し、通常の都市下水処理場の混合生汚泥の繊維分の量(200メッシュの篩いで汚泥を濾過した際の濾物中の有機分)が固形分(TS)に対し15重量%〜20重量%であるのに対し、腐敗汚泥では10重量%以下、甚だしい場合は5重量%以下となる。汚泥の圧密性は汚泥容量指標SVI3000(3000rpmで10分汚泥を遠心沈降した際の汚泥の沈降体積を乾燥重量で除したもの)で表されるが、通常の汚泥のSVI3000は10〜12.5ml/g程度が中心の値であるのに対し、腐敗汚泥では16ml/g以上、腐敗が甚だしい場合は18ml/g以上、特に甚だしい場合は20ml/g以上になる。このような性状の汚泥の場合、通常のカチオン性凝集剤では処理できないか、あるいは凝集させることができても凝集フロックの強度が弱いため、例えば遠心脱水機などで汚泥に力がかかった際、水の通り道が確保できず脱水率が上がらない。本発明方法は、このような難脱水性の汚泥に対し、特定の構成単位を有する複数の高分子凝集剤を組み合わせて用いることにより、強固なフロックを形成し、効率良く脱水をなし得るのである。
本発明方法における高分子凝集剤として、従来知られたカチオン系凝集剤と両性系凝集剤との併用と共に、第三成分として3級カチオン基を有する両性系水溶性高分子化合物又はアミジン基を有する高分子化合物を使用することにより、汚泥の脱水性が向上する理由についての詳細はさだかではないが、汚泥の腐敗が進行すると汚泥中に微生物や天然物由来の水溶性高分子成分等が増加し、この水溶性高分子成分が汚泥の処理時に添加される凝集剤と多価イオンコンプレックスを形成することによって凝集阻害を引き起こすものと推測され、本発明の所定の高分子化合物の組み合わせからなる凝集剤は、腐敗汚泥中のこれら成分によって凝集阻害され難く、凝集剤としての機能を奏するためであろうと思われる。しかしながら、本願発明の高分子凝集剤に含まれる所定の構成単位からなる水溶性高分子化合物であっても、これらの高分子化合物(凝集剤)単独では濾水速度や汚泥の変動時への対応、コストの点等で充分満足できるものではなく、通常のカチオン系凝集剤−両性系凝集剤の組み合わせに加えて、上記第三成分としての高分子化合物(凝集剤)を用いることで最低限のコスト増加で難脱水汚泥に対し高い脱水効果を上げることができるのである。
また、本発明の脱水方法に使用する高分子凝集剤における所定物性の高分子化合物である(A)と(B)とに(C)又は(D)を加える組み合わせは、解離度の高い4級カチオン基と解離度が異なる3級カチオン基もしくはアミジン型カチオン基の組み合わせになっている。解離度の高い4級カチオン基は汚泥粒子の表面荷電を効果的に中和するが、過剰に存すると解離したカチオン基が凝集汚泥に存在し、荷電密度が増すことになり、含水率を下げ難くする場合がある。これに対し3級カチオン基、或いはアミジン基は凝集後汚泥の疎水性が高く、効果的に含水率を下げられる。本発明における高分子凝集剤では、4級カチオン基を有する高分子化合物と、3級カチオン基等を有する高分子化合物を用いることで、これらのカチオン基が相互にバランス良く機能を奏し、それによって効率よく脱水効果を上げるのである。
本発明の脱水方法において、高分子凝集剤を汚泥に添加する方法は特に制限されるものではない。高分子凝集剤に含まれる上記(A)と(B)と(C)或いは(A)と(B)と(D)の各高分子化合物は、通常水溶液で添加されるが、これらの各高分子化合物は一液に溶解して添加しても良いし個別に溶解して添加してもよい。また両性系高分子化合物の溶解を促すため、通常行われている酸物質の添加を行ってもよく、添加される酸の種類は問わないがスルファミン酸が通常用いられる。
本発明の高分子凝集剤の汚泥に対する添加量は、汚泥の性状等により異なり特に制限されないが、通常、高分子凝集剤の総添加量は、汚泥中の総固形分に対し通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、通常3重量%以下、好ましくは2重量%以下である。添加量が少ない場合は、十分な凝集性能が得られず、多い場合も期待する効果は得られない。
更に、本発明の効果を損なわない限り、この他に他の高分子を添加してもよく、また本発明の高分子凝集剤を用いる際に無機系の薬剤による汚泥の調質を併用してもよい。無機系の薬剤としてはポリ塩化アルミ、硫酸バンド、ポリ塩化第一鉄等が使われる。
本発明の高分子凝集剤を用いた脱水方法では、通常、汚泥に該凝集剤を添加し、それによって汚泥の凝集フロックを形成させるが、具体的には、該凝集剤と汚泥は混和槽で混合されフロックを形成した後、脱水機で固液分離される。脱水機の形式は特に制限されるものではないが、通常ベルトプレス脱水機、遠心デカンター脱水機、フィルタープレス脱水機、等が称揚される。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り本実施例に限定されるものではない。
1.使用汚泥
ある下水処理場において、5月及び8月に採取された2種の汚泥(A及びB)を用いて脱水処理性能の試験を行った。
上記2種の汚泥について、それぞれ下記の物性測定方法により分析した結果を表1に示す。
2.汚泥の物性測定方法
i) 総固形分量(TS)汚泥100gを秤量し、これを水浴で加熱し、蒸発乾固させた。その後さらに105℃で2時間加熱乾燥させ、残渣の重量の元の汚泥の量に対する重量%で表した。
ii)繊維分
汚泥100mlを200メッシュの篩いで濾過し、濾物を充分洗浄した後、105℃で12時間乾燥し秤量する。その後600℃で2時間加熱し、灰化後、秤量する。105℃乾燥後の値から灰化後の値を引いた値が汚泥中繊維量であり、汚泥中の総固形分量(汚泥をそのまま105℃で2時間乾燥した残量)に対する比率(重量%)で表す。
iii)汚泥容量指標(SVI3000
汚泥を遠心分離器により3000rpmで10分遠心沈降させ、上澄みを捨てて残った沈降分の体積を、沈降分を105℃で12時間乾燥して得た乾燥後重量で除して得た値(ml/g)で表す。
3.凝集剤
実施例及び比較例に使用した凝集剤を下記に示す。
<凝集剤(イ):実施例1、2>
カチオン系水溶性高分子化合物(A1)/アミジン系カチオン性高分子化合物(D1)/両性系水溶性高分子化合物(B1)=1/1/1(重量比)
<凝集剤(ロ):実施例3>
カチオン系水溶性高分子化合物(A1)/両性系水溶性高分子化合物(B1)/両性系水溶性高分子化合物(C1)=50/40/10(重量比)
<凝集剤(ハ):比較例1、2>
カチオン系水溶性高分子化合物(A1)/両性系水溶性高分子化合物(B1)=1/1(重量比)
<凝集剤(ニ):比較例3>
カチオン系水溶性高分子化合物(A1)/アミジン系カチオン性高分子化合物(D1)=1/1(重量比)
<凝集剤(ホ):比較例4>
カチオン系水溶性高分子化合物(A1)/両性系水溶性高分子化合物(C1)=1/1(重量比)
<凝集剤(ヘ):比較例5>
両性系水溶性高分子化合物(B1)/アミジン系カチオン性高分子化合物(D1)=1/1(重量比)
<凝集剤(ト):比較例6>
両性系水溶性高分子化合物(C1)/アミジン系カチオン性高分子化合物(D1)=1/1(重量比)
上記凝集剤(イ)〜(ト)を構成する高分子化合物
カチオン系水溶性高分子化合物(A1):
アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(重量比:20/80)共重合体
4重量%塩水中、共重合体の0.5重量%濃度の粘度:100mPa・s
アミジン系カチオン性高分子化合物(D1)
4重量%塩水中、凝集剤の0.5重量%濃度の粘度:7mPa・s
両性系水溶性高分子化合物(B1)
アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド/メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリル酸(重量比:22.1/49.4/2.0/26.5)共重合体
4重量%塩水中、共重合体の0.5重量%濃度の粘度:40mPa・s
両性系水溶性高分子化合物(C1)
アクリルアミド/ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩/アクリル酸(重量比:47.3/47.3/5.4)共重合体
4重量%塩水中、共重合体の0.5重量%濃度の粘度:22mPa・s
上記高分子化合物(A1)、(B1)及び(C1)の合成例を以下に示す。
なお、アミジン系カチオン性高分子化合物(D1)としては、ダイヤニトリックス社製 KP7000を用いた。
1)カチオン性水溶性重合体(A1)の合成
<合成例1>
1リットル三角フラスコにアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド80重量%、アクリルアミド20重量モル%、全単量体濃度60質量%、の水溶液に亜リン酸を加えpH4.5に調整した単量体水溶液957gに、遮光下で2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン55ppmを単量体水溶液に加え、三角フラスコを10℃の恒温水槽に入れ、そのまま30分間窒素ガスで水溶液中の溶存酸素を置換し、重合性単量体水溶液を得た。
厚さ1mmのステンレス板の周縁に、該ステンレス板の内底面が200×200mmの正方形になるように断面の一辺が24mmのゴム棒を貼り付けてある容器を用意した。この容器の内側に厚さ16μmの光透過性フィルム(厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートおよび厚さ4μmのポリ塩化ビニリデンからなる積層フィルム)を敷き、このフィルム上に上記重合性単量体水溶液を供給した。水溶液の上面を、水溶液と接するように上記と同種の光透過性フィルムで覆った。単量体水溶液からなる層の厚さは22.5mmであった。また、ステンレス板の裏側を、単量体水溶液を供給する前から10℃の水を吹き付け冷却し、ステンレス板の温度を10℃に調節した。さらに、重合終了まで10℃の水を吹き付けることを継続した。
単量体水溶液の供給された容器の上方に、20W型蛍光ケミカルランプを設置した。あらかじめ水溶液表面で照射強度が5W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを3分間点灯した。次に、水溶液表面で照射強度が0.5W/m2となるように調整した蛍光ケミカルランプを25分間点灯した。さらに、水溶液表面で照射強度が45W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを15分間点灯し、重合を完結させ、ゲル状水溶性重合体シートを得た。
得られたゲル状水溶性重合体シートをはさみで200×5×1.5mmの大きさに細断し、60℃で通風乾燥し、粉砕してカチオン性水溶性重合体(A1)の粉末を得た。
両性系高分子化合物(B1)の合成
<合成例2>
1リットル三角フラスコにアクリル酸26.5重量%、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド49.4重量%、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド2.0重量%、アクリルアミド22.1重量%、全単量体濃度45.5質量%、の水溶液に亜リン酸を加えpH2.5に調整した単量体水溶液に遮光下で2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン70ppmを加え、三角フラスコを10℃の恒温水槽に入れ、そのまま30分間窒素ガスで水溶液中の溶存酸素を置換し、重合性単量体水溶液を得た。
厚さ1mmのステンレス板の周縁に、該ステンレス板の内底面が200×200mmの正方形になるように断面の一辺が24mmのゴム棒を貼り付けてある容器を用意した。この容器の内側に厚さ16μmの光透過性フィルム(厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートおよび厚さ4μmのポリ塩化ビニリデンからなる積層フィルム)を敷き、このフィルム上に上記重合性単量体の水溶液を供給した。水溶液の上面を、水溶液と接するように上記と同種の光透過性フィルムで覆った。単量体水溶液からなる層の厚さは22mmであった。また、ステンレス板の裏側を、単量体水溶液を供給する前から10℃の水を吹き付け冷却し、ステンレス板の温度を10℃に調節した。さらに、重合終了まで10℃の水を吹き付けることを継続した。
単量体水溶液の供給された容器の上方に、20W型蛍光ケミカルランプを設置した。あらかじめ水溶液表面で照射強度が5W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを3分間点灯した。次に、水溶液表面で照射強度が0.5W/m2となるように調整した蛍光ケミカルランプを30分間点灯した。さらに、水溶液表面で照射強度が45W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを15分間点灯し、重合を完結させ、ゲル状水溶性重合体シートを得た。
得られたゲル状水溶性重合体シートをはさみで200×5×1.5mmの大きさに細断し、60℃で通風乾燥、粉砕し、両性系高分子化合物(B1)の粉末を得た。
両性系高分子化合物C1の合成
<合成例3>
1リットル三角フラスコにアクリル酸5.4重量%、ジメチルアミノエチルメタアクリレート47.3重量%、アクリルアミド47.3重量%、全単量体濃度47.5質量%、の水溶液に亜リン酸を加えpH2.5に調整した単量体水溶液に遮光下で2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン150ppmを加え、三角フラスコを10℃の恒温水槽に入れ、そのまま30分間窒素ガスで水溶液中の溶存酸素を置換し、重合性単量体水溶液を得た。
厚さ1mmのステンレス板の周縁に、該ステンレス板の内底面が200×200mmの正方形になるように断面の一辺が24mmのゴム棒を貼り付けてある容器を用意した。この容器の内側に厚さ16μmの光透過性フィルム(厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートおよび厚さ4μmのポリ塩化ビニリデンからなる積層フィルム)を敷き、このフィルム上に重合性単量体の水溶液を供給した。重合性単量体水溶液の上面を、水溶液と接するように上記と同種の光透過性フィルムで覆った。重合性単量体水溶液からなる層の厚さは22mmであった。また、ステンレス板の裏側を、重合性単量体水溶液を供給する前から10℃の水を吹き付け冷却し、ステンレス板の温度を10℃に調節した。さらに、重合終了まで10℃の水を吹き付けることを継続した。
重合性単量体水溶液の供給された容器の上方に、20W型蛍光ケミカルランプを設置した。あらかじめ水溶液表面で照射強度が5W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを3分間点灯した。次に、水溶液表面で照射強度が0.5W/m2となるように調整した蛍光ケミカルランプを30分間点灯した。さらに、水溶液表面で照射強度が45W/m2 となるように調整した蛍光ケミカルランプを15分間点灯し、重合を完結させ、ゲル状水溶性重合体シートを得た。得られたゲル状水溶性重合体シートをはさみで200×5×1.5mmの大きさに細断し、60℃で通風乾燥、粉砕し、両性系高分子化合物(C1)の粉末を得た。
実施例1
凝集剤として、上記凝集剤(イ)を用いて汚泥の脱水処理を行った。
上記汚泥A(300ml)に対し、ポリ塩化アルミを0.83g(=汚泥総固形分に対し6.4重量%)添加して調質した後、0.2重量%濃度の凝集剤(イ)水溶液を65cc(=汚泥総固形分に対して凝集剤純分で1.0重量%)添加し、翼径6cmの櫂型十字翼を付けた撹拌モーターにて3000rpm、10秒間撹拌して汚泥を凝集させた。生成した凝集汚泥(フロック)を濾取し、その物性を評価した。
以下の方法により、フロック団粒性及び脱水性についての評価をおこなった。その結果を表2に示す。
フロック団粒性
濾取したフロックを、濾布上に転がして形状を目視で確認し、以下の基準で評価した。形状がより球状で転がり性が容易であるものは団粒性が良好である。
◎:豆粒状になり転がるもの
○:丸い固まりになり転がるもの
△:水分の切れが悪く固まりが崩れながら転がる
×:水分が切れず形状が崩れ転がらない
脱水性
脱水性は、凝集汚泥(フロック)の含水率をもって評価した。凝集汚泥(フロック)を濾布に挟み、卓上プレス脱水機を用いて、1MPa(60秒間)の条件で圧搾し凝集汚泥ケーキを得た。得られた凝集汚泥ケーキを105℃で2時間乾燥させた。乾燥処理前後での凝集汚泥ケーキを秤量し、その重量変化から含水率(重量%)を計算した。
比較例1
凝集剤として、上記凝集剤(ハ)を用いた以外は、実施例1と同様にして汚泥の脱水処理を行い、凝集汚泥(フロック)の評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例2
処理汚泥として、汚泥Bを用い、凝集剤の使用量を汚泥総固形分に対して、0.96重量%とした以外は実施例1と同様にして、汚泥の脱水処理を行い、凝集汚泥(フロック)の評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例2
凝集剤として、上記凝集剤(ハ)を用いた以外は、実施例2と同様にして汚泥の脱水処理を行い、凝集汚泥(フロック)の評価を行った。その結果を表2に示す。
以上の結果から、比較例で用いたような凝集剤では、汚泥の腐敗が進行するに従ってその凝集効果が低下するが、本発明の凝集剤は腐敗汚泥であってもその凝集効果に変化がなく、優れていることがわかる。
実施例3及び比較例3〜6
凝集剤として、下記表3に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして汚泥の処理を行い、凝集汚泥(フロック)の評価を行った。その結果を表3に示す。
なお、比較例3〜6では、フロック強度が極度に低いので、脱水性の評価は行わなかった。

Claims (7)

  1. 下記(A)で表されるカチオン系水溶性高分子化合物と下記(B)で表される両性系水溶性高分子化合物とを含有する高分子凝集剤を用いて汚泥を脱水する方法において、高分子凝集剤が、さらに、下記(C)で表される両性系水溶性高分子化合物又は(D)で表されるアミジン系カチオン性高分子化合物を含有することを特徴とする汚泥の脱水方法。
    (A) 下記構造式(1)で表される構成単位と下記構造式(2)で表される構成単位からなる共重合体であるカチオン系水溶性高分子化合物
    (B) 下記構造式(1)で表される構成単位、下記構造式(2)で表される構成単位、及び下記構造式(3)で表される構成単位からなる共重合体である両性系水溶性高分子化合物
    (C) 下記構造式(1)で表される構成単位、下記構造式(3)で表される構成単位、及び下記構造式(4)で表される構成単位からなる共重合体である両性系水溶性高分子化合物
    (D) 下記構造式(5−a)又は(5―b)で表される構成単位を含有するアミジン系カチオン性高分子化合物
    (上記構造式(1)〜(4)、(5−a)及び(5−b)において、R、R及びRはそれぞれ独立して、メチル基、エチル基又はベンジル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、XはCl、Br又は1/2SO 2−を示す。)
  2. (A)で表されるカチオン系水溶性高分子化合物において、該高分子化合物の全構成単位に対する構造式(2)で表される構成単位の割合が5〜99モル%であることを特徴とする請求項1に記載の脱水方法。
  3. (B)で表される両性系水溶性高分子化合物において、該高分子化合物の全構成単位に対する構造式(2)で表される構成単位の割合が5〜90モル%、構造式(3)で表される構成単位の割合が5〜50モル%、構造式(1)で表される構成単位の割合が5〜90モル%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱水方法。
  4. (C)で表される両性系水溶性高分子化合物において、該高分子化合物の全構成単位に対する構造式(3)で表される構成単位の割合が5〜50モル%であり、構造式(4)で表される構成単位の割合が5〜90モル%であり、構造式(1)で表される構成単位の割合が5〜90モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱水方法。
  5. (D)で表されるアミジン系カチオン性高分子化合物が、該高分子化合物の全構成単位に対する構造式(5−a)又は(5−b)で表される構成単位の合計割合が20〜80モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱水方法。
  6. 汚泥は、繊維分が15重量%以下である有機汚泥であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の汚泥の脱水方法。
  7. 汚泥は、汚泥容量指標SVI3000が13ml/g以上である有機汚泥であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の汚泥の脱水方法。
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