ところで、特許文献1に記載の短絡部材を製造する際には、積層した2つの短絡構成部材群を成形型内に配置し、当該成形型内に溶融した絶縁性樹脂材料を充填して絶縁材を形成する。この時、連結部は細長い形状をなすことから、絶縁材成形時の成形圧によって連結部が変形し、周方向に隣り合う連結部同士が短絡してしまうという問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁を確保することができる整流子、該整流子を備えた直流モータ、及び該整流子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、周方向に配置され給電用ブラシが摺接される摺接面を備えた複数のセグメントと、周方向に配置された複数の外周側端末と、前記外周側端末の内側で周方向に前記外周側端末と同数配置された内周側端末と、前記外周側端末と前記内周側端末とを周方向に所定角度ずらしてそれぞれ連結する連結部とを有する平板状の短絡構成部材群により構成されて平板状をなすとともに、前記外周側端末及び前記内周側端末の少なくとも一方が前記セグメントにそれぞれ接続されて同電位となるセグメント同士を短絡する短絡部材と、前記セグメント及び前記短絡部材を保持する絶縁性樹脂材料よりなる保持部と、を備えた整流子であって、周方向に隣り合う前記連結部間に配置される複数の離間突部を有する絶縁性の離間部材を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、周方向に隣り合う連結部間には、絶縁性の離間突部が配置されている。従って、保持部形成時の成形圧が周方向に隣り合う連結部に対して該連結部同士を互いに近づけるように作用したとしても、周方向に隣り合う連結部間に配置された離間突部によって、連結部同士が短絡されることが防止される。その結果、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁を確保することができる。
尚、「平板状の短絡構成部材群」とは、外周側端末と、内周側端末と、連結部とが平板状に形成された短絡構成部材群を意味する。そして、「平板状」とは、全ての部位が完全に平坦な板状のみでなく、外周側端末、内周側端末及び連結部のうち、少なくとも1つの部位が凹凸形状を有していたり、その一部分に屈曲形状を有していたり、若干の湾曲形状を有していたりするものも含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の整流子において、前記離間突部は、周方向に隣り合う前記連結部間で、前記連結部に沿って延びる離間突条部であることをその要旨としている。
同構成によれば、離間突部は、連結部に沿って延びる離間突条部であることから、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁をより確保し易い。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の整流子において、前記離間突条部は、該離間突条部の側方に配置された前記連結部の一端から他端まで延びていることをその要旨としている。
同構成によれば、離間突条部は、該離間突条部の側方に配置された連結部の一端から他端まで延びているため、周方向に隣り合う連結部同士は、周方向に直接対向する部位がなくなる。従って、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁を更に確保し易い。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の整流子において、前記離間突部は、柱状をなし、周方向に隣り合う前記連結部間の複数個所に配置されていることをその要旨としている。
同構成によれば、離間突部は、周方向に隣り合う連結部間の複数個所に配置されることから、周方向に隣り合う連結部間の一箇所に配置される場合よりも、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁をより確保し易い。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の整流子において、前記離間突部は、周方向に隣り合う連結部間の隙間の幅方向と同方向の幅が、その先端に向かうに連れて狭くなっていることをその要旨としている。
同構成によれば、離間突条部の基端側と先端側との幅(周方向に隣り合う前記連結部間の隙間の幅方向と同方向の幅)が等しく形成されている場合よりも、離間突条部は、周方向に隣り合う連結部間へ容易に配置される。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の整流子において、前記離間部材は、絶縁性を有する樹脂材料よりなり、円環状の板状をなす支持板と、前記支持板の一端面に一体に設けられた前記離間突部とから構成されることをその要旨としている。
同構成によれば、離間部材は、円環状の板状をなす支持板と、該支持板の一端面に一体に設けられた離間突部とから構成されるため、短絡部材に対して支持板を配置することにより、各連結部間に容易に離間突部を配置することができる。従って、周方向に隣り合う連結部間への離間突部の配置をより容易に行うことができ、ひいては整流子の製造を容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明は、内周面にマグネットが固定された有底円筒状のモータハウジングと、前記モータハウジングの内側に配置され、回転軸と、前記回転軸に固定された電機子コアと、前記電機子コアに巻装された複数のコイルと、前記回転軸に固定された請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の整流子とを有する電機子と、を備えたことを特徴とする直流モータとした。
同構成によれば、整流子において、周方向に隣り合う連結部間には、絶縁性の離間突部が配置されている。従って、保持部形成時の成形圧が周方向に隣り合う連結部に対して該連結部同士を互いに近づけるように作用したとしても、周方向に隣り合う連結部間に配置された離間突部によって、連結部同士が短絡されることが防止される。その結果、この整流子を備えた直流モータにおいて、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁を確保することができる。
請求項8に記載の発明は、周方向に配置され給電用ブラシが摺接される摺接面を備えた複数のセグメントと、周方向に配置された複数の外周側端末と、前記外周側端末の内側で周方向に前記外周側端末と同数配置された内周側端末と、前記外周側端末と前記内周側端末とを周方向に所定角度ずらしてそれぞれ連結する連結部とを有する平板状の短絡構成部材群により構成されて平板状をなすとともに、前記外周側端末及び前記内周側端末の少なくとも一方が前記セグメントにそれぞれ接続されて同電位となるセグメント同士を短絡する短絡部材と、前記セグメント及び前記短絡部材を保持する絶縁性樹脂材料よりなる保持部と、を備えた整流子の製造方法であって、前記セグメントとなる板状のセグメント構成部材に対して短絡部材を配置する短絡部材配置工程と、離間突部が周方向に隣り合う前記連結部間に配置されるように、前記離間突部を備えた絶縁性の離間部材を前記短絡部材に対して配置する離間部材配置工程と、前記セグメント構成部材を保持する前記保持部を、溶融した前記絶縁性樹脂材料にて形成する保持部形成工程と、前記セグメント構成部材を径方向に沿って切断することにより複数に分離して前記セグメントを形成する切断工程と、を備えたことをその要旨としている。
同方法によれば、離間部材配置工程において、周方向に隣り合う連結部間に離間突部が配置されるように、該離間突部を備えた絶縁性の離間部材が短絡部材に対して配置される。従って、保持部形成工程において、保持部形成時の成形圧が周方向に隣り合う連結部に対して該連結部同士を互いに近づけるように作用したとしても、周方向に隣り合う連結部間に配置された離間突部によって、連結部同士が短絡されることが防止される。その結果、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁を確保することができる。
尚、「平板状の短絡構成部材群」とは、外周側端末と、内周側端末と、連結部とが平板状に形成された短絡構成部材群を意味する。そして、「平板状」とは、全ての部位が完全に平坦な板状のみでなく、外周側端末、内周側端末及び連結部のうち、少なくとも1つの部位が凹凸形状を有していたり、その一部分に屈曲形状を有していたり、若干の湾曲形状を有していたりするものも含む。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の整流子の製造方法において、前記離間突部は、周方向に隣り合う前記連結部間で、前記連結部に沿って延びる離間突条部であることをその要旨としている。
同方法によれば、離間突部は、連結部に沿って延びる離間突条部であることから、保持部形成工程において周方向に隣り合う連結部同士の絶縁をより確保し易い。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の整流子の製造方法において、前記離間突部は、該離間突部の側方に配置された前記連結部の一端から他端まで延びていることをその要旨としている。
同方法によれば、離間突条部は、該離間突条部の側方に配置された連結部の一端から他端まで延びているため、周方向に隣り合う連結部同士は、周方向に直接対向する部位がなくなる。従って、保持部形成工程において周方向に隣り合う連結部同士の絶縁を更に確保し易い。
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の整流子の製造方法において、前記離間突部は、柱状をなし、周方向に隣り合う前記連結部間の複数個所に配置されていることをその要旨としている。
同方法によれば、離間突部は、周方向に隣り合う連結部間の複数個所に配置されることから、周方向に隣り合う連結部間の一箇所に配置される場合よりも、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁をより確保し易い。
請求項12に記載の発明は、請求項8乃至請求項11の何れか1項に記載の整流子の製造方法において、前記離間突部は、周方向に隣り合う前記連結部間の隙間の幅方向と同方向の幅が、その先端に向かうに連れて狭く形成されていることをその要旨としている。
同方法によれば、周方向に隣り合う連結部間に離間突条部を配置する際、離間突条部の基端側と先端側との幅(周方向に隣り合う前記連結部間の隙間の幅方向と同方向の幅)が等しく形成されている場合よりも、その配置を容易に行うことができる。
請求項13に記載の発明は、請求項8乃至請求項12の何れか1項に記載の整流子の製造方法において、前記離間部材は、絶縁性を有する樹脂材料よりなり、円環状の板状をなす支持板と、前記支持板の一端面に一体に設けられた前記離間突部とから構成されることをその要旨としている。
同方法によれば、離間部材は、円環状の板状をなす支持板と、該支持板の一端面に一体に設けられた離間突部とから構成されるため、短絡部材に対して支持板を配置することにより、各連結部間に容易に離間突部を配置することができる。従って、離間部材配置工程において、周方向に隣り合う連結部間への離間突部の配置をより容易に行うことができ、ひいては整流子の製造を容易に行うことができる。
請求項14に記載の発明は、請求項8乃至請求項13の何れか1項に記載の整流子の製造方法において、前記セグメント構成部材は、円環状の板状をなす構成部材本体と、周方向に複数設けられ前記構成部材本体の一端面から突出する外周側接続部と、前記外周側接続部よりも内側に周方向に複数設けられ前記構成部材本体から前記外周側接続部と同方向に突出する内周側接続部とを備え、前記短絡部材配置工程では、前記短絡部材は、前記外周側端末が前記外周側接続部上にそれぞれ配置されるように、且つ、前記内周側端末が前記内周側接続部上にそれぞれ配置されるように前記セグメント構成部材に対して配置され、前記保持部形成工程では、互いに接触する前記外周側接続部及び前記外周側端末、並びに、互いに接触する前記内周側接続部及び前記内周側端末は、前記絶縁性樹脂材料によってその周囲の少なくとも一部がそれぞれ覆われることをその要旨としている。
同方法によれば、保持部形成工程において、互いに接触する外周側接続部及び外周側端末、並びに、互いに接触する内周側接続部及び内周側端末は、絶縁性樹脂材料によってその少なくとも一部がそれぞれ覆われる。そのため、外周側端末と外周側接続部との離間、及び内周側端末と内周側接続部との離間は、絶縁性樹脂材料よりなる保持部によって抑制される。その結果、製造される整流子の信頼性を向上させることができる。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の整流子の製造方法において、前記保持部形成工程では、溶融した前記絶縁性樹脂材料は、該絶縁性樹脂材料によって前記内周側端末が前記内周側接続部に対して圧接されるように前記セグメント構成部材の厚さ方向である軸方向から、前記保持部を形成するための成形型内に注入されることをその要旨としている。
同方法によれば、絶縁性樹脂材料の成形型内への注入時には、内周側接続部上に配置された内周側端末は、溶融した絶縁性樹脂材料によって内周側接続部に対して圧接される。そして、絶縁性樹脂材料が軸方向から成形型内へ注入されることにより、外周側接続部上に配置された外周側端末も、溶融した樹脂材料によって外周側接続部に対して圧接されることになる。その結果、外周側端末と外周側接続部、及び、内周側端末と内周側接続部は、それぞれが密着されることから、それぞれの接続をより確実なものとすることができる。
本発明によれば、周方向に隣り合う連結部同士の絶縁を確保することができる整流子、該整流子を備えた直流モータ、及び該整流子の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の直流モータMの断面図である。図1に示すように、直流モータMを構成する有底円筒状のモータハウジング1の内周面には、円筒状のマグネット2が固着されるとともに、同モータハウジング1の上底部中央には、軸受3aが固定されている。前記マグネット2は、周方向に異極となる6個の磁極を有するとともに、その径方向の厚さは、モータハウジング1の厚さと略等しく形成されている。そして、このモータハウジング1の開口部は、略円板状のエンドフレーム4にて閉塞されるとともに、該エンドフレーム4の中央には、前記軸受3aと対をなす軸受3bが固定されている。
前記エンドフレーム4の内面(モータハウジング1側の面)には、合成樹脂製のブラシホルダ5が固定されている。同ブラシホルダ5は、エンドフレーム4に固定される円板状の固定板5aと、該固定板5a上からモータハウジング1の上底部側に延びる一対の四角筒状のブラシ保持部5b,5cとから構成されている。一対のブラシ保持部5b,5cは、固定板5aの中央から変位した位置で互いに対称となる位置に配置されるとともに、ブラシ保持部5b,5cの互いに対向する内側の側壁には、直流モータMの軸方向に延びる挿入溝5d,5eがそれぞれ形成されている。
前記固定板5aの中央部には、2つの板ばね6,7が互いに対称状に固定されている。板ばね6,7は、固定板5aの中央部からそれぞれブラシ保持部5b,5cに向かって延びるとともに、先端に向かうに連れて徐々に固定板5aから遠ざかるように斜状に形成されている。そして、板ばね6,7は、前記挿入溝5d,5eからそれぞれブラシ保持部5b,5c内に挿入されている。
図1における左側のブラシ保持部5bには、略直方体状の陽極側ブラシ8が挿入されるとともに、図1における右側のブラシ保持部5cには、陽極側ブラシ8と同様の形状をなす陰極側ブラシ9が挿入されている。陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9の固定板5a側の下端には、前記板ばね6,7の先端がそれぞれ当接しており、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9は、前記板ばね6,7によってそれぞれブラシ保持部5b,5cの開口部側(上方)に付勢されている。尚、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9は、外部の電源装置(図示略)に接続されている。
前記モータハウジング1及び前記エンドフレーム4にて囲まれた空間内には、電機子11が回転可能に収容されている。電機子11を構成する回転軸12は、一対の前記軸受3a,3bによって回転可能に支持されるとともに、該回転軸12のエンドフレーム4側の端部は、前記固定板5a及び前記エンドフレーム4の中央部からモータハウジング1の外部に突出している。この回転軸12におけるモータハウジング1の上底部寄りの位置には、電機子コアとしてのコア13が固定されている。図2に示すように、コア13は、回転軸12の径方向に沿って放射状に延びる8つのティース14a〜14hを有しており、これら8つのティース14a〜14h間の空間がスロット15a〜15h(図7参照)となっている。このコア13には、該コア13の内周面及び外周面(即ちティース14a〜14hの先端面)を除く部分を覆うインシュレータ16が軸方向の両側から装着されている。このインシュレータ16は、絶縁性を有する合成樹脂材料により形成されている。
各ティース14a〜14hには、前記インシュレータ16の上から、各ティース14a〜14hの周方向の両側のスロット15a〜15h(図7参照)を通るように導線17が集中巻にて巻回されている。これにより、導線17によって、8個のコイル18a〜18hが構成されている。尚、コア13と各コイル18a〜18hとは、インシュレータ16によって絶縁されている。
図1に示すように、前記回転軸12において、前記コア13と前記ブラシホルダ5との間となる位置には、整流子21が固定されている。図3(a)は、整流子21の断面図であり、図4は整流子21の底面図である。図3(a)に示すように、整流子21は、周方向に配置された24個のセグメント22(図4参照)と、所定のセグメント22同士を短絡して同電位とするための短絡部材23と、短絡部材23に対して配置される離間部材24と、セグメント22及び短絡部材23を保持する保持部25とから構成されている。
図4に示すように、24個のセグメント22は、周方向に隣り合うセグメント22間に間隔を空けて、放射状に、且つ周方向に等角度間隔に配置されている。24個のセグメント22は、軸方向(図4における紙面垂直方向)から見ると、中心側の端部から外周側の端部に向かうに連れて徐々にその周方向の幅が広くなる略扇形状をなすとともに、隣り合うセグメント22間の間隔の幅は径方向に一定となっている。そして、図5(b)に示すように、各セグメント22は、軸方向から見た形状が略扇形状をなす板状のセグメント本体31と、同セグメント本体31の外周寄りの部位に設けられた外周側接続部32と、同セグメント本体31の内周側の端部に設けられた内周側接続部33とを備えている。
図3(a)に示すように、各前記セグメント本体31の図3(a)における下面は、平坦な摺接面31aとなっている。また、各セグメント本体31において、前記摺接面31aと反対側(セグメント本体31の厚さ方向に反対側)の上面31bは、摺接面31aと平行な平面となっている。
そして、図5(b)に示すように、各セグメント本体31の外周側の端面には、径方向外側に向かって延びる一対の接続ピン34a,34bが形成されるとともに、これら接続ピン34a,34bによって、該接続ピン34a,34b間に接続溝34cが形成されている。接続溝34c周方向の幅は前記導線17の直径と略等しいとともに、該接続溝34cの深さ(径方向の幅)は導線17の直径よりもやや深くなっている(図2参照)。
前記セグメント本体31の上面31bにおける外周寄りの部位に、前記外周側接続部32が設けられている。外周側接続部32は、前記上面31bから摺接面31aと逆側に突出する略直方体状の接続部本体32aと、該接続部本体32aの先端上面から軸方向に突出した接続凸部32bとから構成されている。接続部本体32aの周方向の幅は、セグメント本体31における該接続部本体32aが設けられた部位の周方向の幅よりも狭く形成されるとともに、該接続部本体32aの先端上面は、摺接面31aと平行をなす平坦な外周側接続面32cとなっている。また、前記接続凸部32bは、前記外周側接続面32cの略中央から軸方向に延びるとともに、短冊状をなしている。
前記内周側接続部33は、セグメント本体31の内周側の端部から径方向内側に向かうに連れて前記摺接面31aから離間するように斜状に延びた後、径方向内側に向かって前記摺接面31aと平行に延びた形状をなしている。内周側接続部33において、摺接面31aと平行に延びる部位は、軸方向から見た形状が、径方向内側に向かうに連れて徐々に周方向の幅が狭くなる略台形状をなすとともに、図3(a)に示すように、その上面(図3(a)における上面)が、前記摺接面31aと平行な内周側接続面33aとなっている。尚、内周側接続部33の図3(a)における上下方向(軸方向に同じ)の厚さは、セグメント本体31の軸方向の厚さよりも薄い。
そして、24個のセグメント22は、24個の摺接面31aが同一平面内に配置されるとともに、24個の外周側接続面32cが同一平面内に配置されるように、且つ内周側接続面33aが同一平面内に配置されるように、周方向に配置されている。また、周方向に配置された24個のセグメント22において、内周側接続部33の先端を通る円の直径は、前記回転軸12(図2参照)の外径よりも大きい。
図5(a)に示すように、本実施形態の前記短絡部材23は、1つの平板状の短絡構成部材群40から構成されるとともに、短絡構成部材群40は、周方向に配置される8個の第1短絡片41と、第1短絡片41間に配置される8個の第2短絡片42とから構成されている。
導電性を有する各第1短絡片41は、平板状をなすとともに、前記セグメント22の外周側接続面32c(図3(b)参照)上に配置される第1外周側端末41aと、該第1外周側端末41aよりも内周側に配置される第1内周側端末41bと、第1外周側端末41a及び第1内周側端末41bを連結する第1連結部41cとから構成されている。
第1連結部41cの外周側の端部に設けられた第1外周側端末41aは、略長方形の板状をなす当接部41dと、該当接部41dの周方向の一側(図5(a)においては当接部41dの右側)で当接部41dと直角をなすように立設された溶接部41eとから構成されている。一方、第1連結部41cの内周側の端部に設けられた第1内周側端末41bは、前記セグメント22の内周側接続面33aと同様の扇形状の板状をなしている。
前記第1連結部41cは、互いに周方向に120°離れた位置にある第1外周側端末41aと第1内周側端末41bとを連結するように延びるとともに、インボリュート曲線に沿った湾曲形状をなしている。尚、本実施形態では、整流子21を軸方向に沿って短絡部材23側から見た場合(即ち図3(a)における上方から見た場合であって図5(a)に示す状態)、第1外周側端末41aに対して第1内周側端末41bは、時計方向に120°離れた位置にある。また、各第1連結部41cの長手方向と直交する方向の断面形状は四角形状をなすとともに、各第1連結部41cの幅(短手方向の幅)は、第1外周側端末41aの周方向の幅に比べて狭く形成されている。上記のような8個の第1短絡片41は、第1外周側端末41a及び第1内周側端末41bがそれぞれ周方向に等角度間隔(本実施形態では45°間隔)に配置されるように周方向に併設されている。
導電性を有する各前記第2短絡片42は、平板状をなすとともに、前記セグメント22の外周側接続面32c(図5(b)参照)上に配置される第2外周側端末42aと、該第2外周側端末42aよりも内周側に配置される第2内周側端末42bと、第2外周側端末42a及び第2内周側端末42bを連結する第2連結部42cとから構成されている。
第2連結部42cの外周側の端部に設けられた第2外周側端末42aは、前記第1外周側端末41aと互いに対称形状をなすように形成されている。即ち、第2外周側端末42aは、略長方形の板状をなす当接部42dと、該当接部42dの周方向の他側(図5(a)においては当接部42dの左側)で当接部42dと直角をなすように立設された溶接部42eとから構成されている。一方、第2連結部42cの内周側の端部に設けられた第2内周側端末42bは、前記セグメント22の内周側接続面33aと同様の扇形状の板状をなしている。
前記第2連結部42cは、前記第1連結部41cと同様に、互いに周方向に120°離れた位置にある第2外周側端末42aと第2内周側端末42bとを連結するように延びるとともに、インボリュート曲線に沿った湾曲形状をなしている。尚、本実施形態では、整流子21を軸方向に沿って短絡部材23側から見た場合(即ち図3(a)における上方から見た場合であって図5(a)に示す状態)、第2外周側端末42aに対して第2内周側端末42bは、時計方向に120°離れた位置にある。また、各第2連結部42cの長手方向と直交する方向の断面形状は四角形状をなすとともに、各第2連結部42cの幅(短手方向の幅)は、第2外周側端末42aの周方向の幅に比べて狭く形成されている。上記のような8個の第2短絡片42は、周方向に配置された前記第1短絡片41間に、周方向に等角度間隔(本実施形態では45°間隔)となるようにそれぞれ配置されている。更に、各第2短絡片42は、その第2外周側端末42aと該第2外周側端末42aの溶接部42e側で周方向に隣り合う第1外周側端末41aとが15°間隔となる位置、且つ、その第2外周側端末42aと該第2外周側端末42aの当接部42d側で周方向に隣り合う第1外周側端末41aとが30°間隔となる位置に配置されている。
そして、溶接部41e,42eを周方向に隣り合わせて配置された複数対(本実施形態では8対)の第1及び第2短絡片41,42の第1及び第2内周側端末41b,42bは、周方向に配置された第1及び第2外周側端末41a,42aの内側で、周方向に互いに15°となる位置に配置されている。尚、「15°」は、周方向に配置された24個のセグメント22において、周方向に隣り合うセグメント22のなす角度に等しい。更に、8個の第1短絡片41及び第2短絡片42が周方向に配置された同状態では、周方向に隣り合う第1連結部41cと第2連結部42cとの間には、隙間が設けられている。
そして、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1短絡片41と第2短絡片42とが周方向に交互に配置されて構成された短絡構成部材群40、即ち短絡部材23は、周方向に配置された24個のセグメント22に対し、該短絡部材23の平面方向が摺接面31aと平行となるように配置されている(図3(a)参照)。詳述すると、図5(a)(b)に示すように、8個の第1短絡片41は、その第1外周側端末41aが2つ置きのセグメント22に設けられた接続部本体32aの外周側接続面32c上に配置されている。そして、各第1短絡片41における第1内周側端末41bは、同第1短絡片41の第1外周側端末41aが配置されたセグメント22から周方向に所定角度(本実施形態では120°)ずれた位置にあるセグメント22に設けられた内周側接続部33の内周側接続面33a上に配置されている。一方、8個の第2短絡片42は、その第2外周側端末42aが、前記第1外周側端末41aが配置されたセグメント22の隣のセグメント22に設けられた接続部本体32aの外周側接続面32c上に配置されている。尚、第2外周側端末42aは、第1外周側端末41aが配置されたセグメント22の隣の2つのセグメント22のうち、第1外周側端末41aの溶接部41e側のセグメント22の接続部本体32aの外周側接続面32c上に配置されている。そして、各第2短絡片42における第2内周側端末42bは、同第2短絡片42の第2外周側端末42aが配置されたセグメント22から周方向に所定角度(本実施形態では120°)ずれた位置にあるセグメント22に設けられた内周側接続部33の内周側接続面33a上に配置されている。
このように周方向に配置された24個のセグメント22に対して短絡部材23が配置された状態では、第1及び第2外周側端末41a,42aの当接部41d,42dがそれぞれ外周側接続面32cに当接している。同状態では、溶接部41e,42eの径方向外側の面がそれぞれ外周側接続部32の接続凸部32bの径方向内側の面に当接するとともに、互いに当接した溶接部41e,42e及び接続凸部32bは、溶着されて電気的に接続されている。このように、周方向に配置された24個のセグメント22に対して短絡部材23が配置されることにより、該短絡部材23によって、120°毎のセグメント22が短絡されて同電位とされる。
更に、周方向に配置された24個のセグメント22に対して短絡部材23が配置された状態では、接続部本体32a及び内周側接続部33はセグメント本体31の上面31bから摺接面31aと逆側に突出していることから、第1連結部41c及び第2連結部42cは上面31bとは非接触となっている。
図3(a)に示すように、上記のように構成された短絡部材23に対し、略円環状をなす前記離間部材24が配置されている。図6(a)に示すように、離間部材24は、絶縁性を有する熱硬化性樹脂材料よりなり、円環状の板状をなす支持板51と、該支持板51上に突出形成された16個の離間突部としての離間突条部52とから構成されている。尚、図6(a)及び図6(b)においては、短絡部材23を構成する各8個の第1及び第2短絡片41,42のうち、第1短絡片41及び第2短絡片42をそれぞれ1個のみ図示している。
前記支持板51は、前記短絡部材23における第1及び第2連結部41c,42cに対応して形成されており、その外径は、第1及び第2連結部41c,42cの外周側の端部を通る円の直径よりも若干小さいとともに、その内径は、第1及び第2連結部41c,42cの内周側の端部を通る円の直径よりも若干大きい。また、支持板51の厚さは、第1及び第2連結部41c,42cの厚さ(軸方向の厚さ)よりも若干厚く形成されている。
図6(a)及び図6(b)に示すように、この支持板51における短絡部材23側の一端面51a上に、前記16個の離間突条部52が一体に設けられている。離間突条部52は、支持板51の短絡部材23側の一端面51aにおける内周縁から外周縁まで、第1及び第2連結部41c,42cに沿って延びている。詳述すると、各離間突条部52は、各離間突条部52の側方に配置された第1及び第2連結部41c,42cの径方向外側の一端よりもやや内周側となる部位から、同第1及び第2連結部41c,42cの径方向内側の他端よりもやや外周側となる部位まで、同第1及び第2連結部41c,42cに沿って延びている。そして、各離間突条部52は、第1及び第2連結部42cと同様の湾曲形状をなしている。即ち、また、16個の離間突条部52は、周方向に等角度間隔となる位置に設けられるとともに、その幅(長手方向と直交する方向の幅)は、周方向に隣り合う第1連結部41c及び第2連結部42c間の隙間の幅と等しいか若干狭く形成されている。更に、周方向に隣り合う離間突条部52間の隙間の幅(短手方向の幅)は、第1及び第2連結部41c,42cの幅(短手方向の幅)と等しいか若干広く形成されている。そして、図6(c)に示すように、各離間突条部52は、その長手方向と直交する方向の断面形状が略長方形状をなすとともに、その先端部における幅方向の両側の角部に面取りがなされている。また、各離間突条部52の突出方向の長さは、第1及び第2連結部41c,42cの厚さ(軸方向の厚さ)よりも若干長く形成されている。
そして、図3(a)及び図3(b)に示すように、上記のように構成された離間突条部52は、短絡部材23に対して、周方向に配置された24個のセグメント22と反対側に配置されている。短絡部材23に対して離間突条部52が配置された状態では、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間にそれぞれ離間突条部52が配置され、該離間突条部52によって、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c同士が短絡されることが防止されている。
図3(a)に示すように、略円板状をなす前記保持部25は、絶縁性の樹脂材料よりなり、前記セグメント22の一部、前記短絡部材23及び離間部材24を埋設させることにより、セグメント22及び短絡部材23を一体化して保持している。詳しくは、保持部25は、円板状の保持部本体25aを備えるとともに、該保持部本体25aの外径は、周方向に配置された24個の外周側接続部32における接続部本体32aの径方向外側の端面を通る円と等しく形成されている。更に、保持部本体25aの外径は、前記マグネット2の内径よりも大きく且つモータハウジング1の内径よりも小さく形成されている(図1参照)。また、保持部25の径方向中央部には、板厚方向に貫通する圧入孔25bが形成されるとともに、該圧入孔25bの直径は、前記回転軸12の外径と等しいか若干小さく形成されている。そして、圧入孔25bの圧入孔25bの一端開口部(図3(a)における上端開口部)の周縁部には、該圧入孔25bを軸方向に延長するように円筒状のボス部25cが保持部本体25aと一体に設けられている。また、保持部本体25aにおけるボス部25cが設けられた側と反対側の面は、セグメント22の摺接面31aと面一に形成されている。
上記のような保持部25は、24個のセグメント22の摺接面31aが同一平面内に配置されるようにこれらセグメント22の一部を埋設させて保持している。また、保持部25は、周方向に隣り合うセグメント22同士が非接触となるように、これらセグメント22を保持している。更に、保持部本体25aを構成する絶縁性樹脂材料の一部は、第1及び第2連結部41c,42cとセグメント本体31の上面31bとの間に充填されており、これにより、互いに対向する第1及び第2連結部41c,42cとセグメント本体31との絶縁状態が確保されている。
上記のように構成された整流子は、図1に示すように、その外径が、前記コア13の外径よりも大きく、且つモータハウジング1の内径よりも小さい。そして、図2に示すように、整流子21は、セグメント22がコア13と逆方向を向くようにして、圧入孔25bに回転軸12が圧入されることにより、回転軸12に対して一体回転可能に固定されている。回転軸12に固定された整流子21においては、保持部本体25aの板厚方向と回転軸12の軸方向とが一致している。そして、図1に示すように、電機子11がモータハウジング1内に配置された状態では、各セグメント22の摺接面31aには、軸方向から前記陽極側ブラシ8及び前記陰極側ブラシ9の先端が摺接される。また、同状態では、整流子21は、マグネット2の図1における下端面よりもモータハウジング1の開口部側に配置されており、マグネット2の下端面と軸方向に対向する。
図7に示すように、整流子21の所定のセグメント22には、対応する前記コイル18a〜18hの端部が接続されている。尚、本実施形態の直流モータMにおいては、ティース14aとティース14hとの間に配置されたセグメント22から時計方向(整流子21をセグメント21側から見た場合における反時計方向)にセグメント番号「1」〜「24」を付すことにする。本実施形態では、周方向に隣り合って対をなす8対のセグメント22に、対応するコイル18a〜18hの端部が接続されている。因みに、周方向に隣り合って対をなすセグメント22のうち一方のセグメント22には第1外周側端末41aが配置されるとともに、他方のセグメント22には第2外周側端末42aが配置されている(図5(a)及び図5(b)参照)。そして、8対のセグメント22間には、コイル18a〜18hの端部が接続されないセグメント22が1つずつ配置されている。例えば、周方向に隣り合って対をなすセグメント番号「2」,「3」のセグメント22には、コイル18aの一端と他端がそれぞれ接続されている。そして、セグメント番号「4」のセグメント22には、何れのコイル18a〜18hの端部も接続されず、周方向に隣り合って対をなすセグメント番号「5」,「6」のセグメント22にコイル18bの一端と他端がそれぞれ接続されている。同様に、セグメント番号「4」から2つ置きのセグメント番号「7」,「10」,「13」,「16」,「19」,「22」,「1」のセグメント22には、何れのコイル18a〜18hの端部も接続されていない。そして、セグメント番号「8」,「9」のセグメント22にコイル18cの一端と他端がそれぞれ接続されており、セグメント番号「11」,「12」のセグメント22にコイル18dの一端と他端がそれぞれ接続されており、セグメント番号「14」,「15」のセグメント22にコイル18eの一端と他端がそれぞれ接続されている。更に、セグメント番号「17」,「18」のセグメント22にコイル18fの一端と他端がそれぞれ接続されており、セグメント番号「20」,「21」のセグメント22にコイル18gの一端と他端がそれぞれ接続されており、セグメント番号「23」,「24」のセグメント22にコイル18hの一端と他端がそれぞれ接続されている。
尚、セグメント22に接続されるコイル18a〜18hの端部は、それぞれ対応するセグメント22に形成された接続溝34c内に配置された状態で径方向外側から溶接が施されることにより、対応するセグメント22に電気的に接続される(図2参照)。
図1及び図7に示すように、上記のように構成された本実施形態の直流モータMでは、外部の電源装置から陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9を介してコイル18a〜18hに選択的に電流が供給されると、コイル18a〜18hにて発生される回転磁界に応じて電機子11が回転する。電機子11が回転すると整流子21が回転することから、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9に摺接するセグメント22が切り替わり、順次コイル18a〜18hの整流が行われる。
次に、上記の直流モータMに備えられる整流子21の製造方法について説明する。
まず、図8に示すように、短絡部材23(図5(a)参照)を形成するために、プレス加工を行うプレス工程が行われる。このプレス工程では、導電性の板材71(例えば銅板)にプレス加工を施して、周方向に交互に並ぶ第1短絡片41及び第2短絡片42を形成する。尚、このプレス工程が終了した状態では、第1短絡片41及び第2短絡片42の外周側の端部は、接続片71aによってそれぞれ板材71に連結されている。また、同状態では、第1短絡片41及び第2短絡片42の内周側の端部は、円環状の連結片71bによって連結されている。
次に、プレス工程後の板材71を切断して短絡部材23を完成させる屈曲工程が行われる。この屈曲工程では、図8に示す二点鎖線の円に沿って板材71を切断して第1短絡片41及び第2短絡片42から接続片71a及び連結片71bを切り離す。その後、図9に示すように、第1外周側端末41a及び第2外周側端末42aの溶接部41e,42eとなる部位を当接部41d,42dに対して直角となるように屈曲する。これにより、8個の第1短絡片41及び8個の第2短絡片42から構成された短絡構成部材群40よりなる短絡部材23が完成する。
次に、セグメント22となる板状のセグメント構成部材81(図10参照)を形成するセグメント構成部材形成工程が行われる。ここで、セグメント構成部材81について詳述する。図10に示すように、セグメント構成部材81を構成する構成部材本体82は、円環状の板状をなすとともに、セグメント本体31(図5(b)参照)となる部位である。この構成部材本体82の径方向の幅は、セグメント本体31の径方向の幅と等しく形成されるとともに、同構成部材本体82の板厚は、セグメント本体31の板厚と等しく形成されている。そして、構成部材本体82の一端面(図10においては下面)は、摺接面31a(図3(a)参照)となる平らな平坦面82aとなっている。また、構成部材本体82の他端面(図10においては上面)上には、24個の前記外周側接続部32が周方向に等角度間隔に構成部材本体82と一体に設けられるとともに、これら外周側接続部32は、構成部材本体82の他端面上において外周寄りの位置で、前記平坦面82aと逆側に突出している。更に、構成部材本体82の内周側の端部には、24個の前記内周側接続部33が周方向に等角度間隔に構成部材本体82と一体に設けられるとともに、各内周側接続部33は、それぞれ前記外周側接続部32と径方向に対向する位置に設けられている。各内周側接続部33は、構成部材本体82の内周側の端部から径方向内側に向かって延びるとともに、その先端に向かうに連れて前記平坦面82aから離間するように形成されている。また更に、構成部材本体82の外周面には、接続溝34cを構成する24対の接続ピン34a,34bが、各外周側接続部32と周方向位置が一致するように設けられている。
上記のようなセグメント構成部材81は、セグメント構成部材形成工程において、導電性を有する金属粉体(例えば銅の粉体)を焼結して形成される。尚、焼結加工の際、金属粉体には、形成されるセグメント構成部材81の軸方向、即ち平坦面82aと直交する方向に圧力が加えられる。
次に、図11に示すように、セグメント構成部材81に対して短絡部材23を配置する短絡部材配置工程が行われる。この短絡部材配置工程において、短絡部材23は、第1及び第2外周側端末41a,42aが外周側接続部32上に配置されるように、且つ第1及び第2内周側端末41b,42bが内周側接続部33上に配置されるようにセグメント構成部材81に対して配置される。そして、平板状の短絡部材23は、セグメント構成部材81に対して配置されると、平坦面82aと平行をなす。また、セグメント構成部材81に対して短絡部材23が配置された状態では、第1及び第2外周側端末41a,42aの当接部41d,42dがそれぞれ外周側接続面32cに当接している。更に、同状態では、溶接部41e,42eの径方向外側の面がそれぞれ外周側接続部32の接続凸部32b径方向内側の面に当接している。また更に、外周側接続部32及び内周側接続部33が平坦面82aと逆側に突出していることから、第1及び第2外周側端末41a,42a、及び、第1及び第2内周側端末41b,42bの間にある第1及び第2連結部41c,42cと、構成部材本体82との間には間隙が設けられる。そのため、第1及び第2連結部41c,42cと構成部材本体82とは互いに非接触状態となっている。
そして、セグメント構成部材81に対して短絡部材23が配置された後、第1及び第2外周側端末41a,42aの溶接部41e,42eとこれら溶接部41e,42eに当接する接続凸部32bとがTIG(Tungsten Inert Gas)溶接によりそれぞれ電気的に接続される。また、第1及び第2内周側端末41b,42bとこれら第1及び第2内周側端末41b,42bと当接する内周側接続部33とがTIG溶接によりそれぞれ電気的に接続される。これにより、短絡部材23とセグメント構成部材81とが接続される。
次に、図12に示すように、短絡部材23に対して離間部材24が配置される離間部材配置工程が行われる。この離間部材配置工程において、離間部材24は、16個の離間突条部52がそれぞれ周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間に配置されるように(図6(a)参照)、短絡部材23に対して配置される。短絡部材23に対して配置された離間部材24においては、支持板51がセグメント構成部材81の平坦面82aと平行をなしている。
次に、図13に示すように、保持部25を形成する保持部形成工程が行われる。この保持部形成工程において、互いに接続されたセグメント構成部材81及び短絡部材23は、保持部25形成用の成形型91,92内に配置される。その後、成形型92に設けられた注入口92a,92bから成形型91,92内に溶融した絶縁性樹脂材料93が充填される。これら注入口92a,92bは、成形型91,92内の空間の軸方向の一方、即ち成形型91内に配置されたセグメント構成部材81及び短絡部材23において短絡部材23側(図13における上方)から成形型91,92内の当該空間に繋がっている。そのため、溶融した絶縁性樹脂材料93は、該絶縁性樹脂材料93によって第1及び第2内周側端末41b,42bが内周側接続部33に対して圧接されるように、セグメント構成部材81の厚さ方向である軸方向から成形型91,92内に注入される。そして、溶融した絶縁性樹脂材料93は、第1及び第2連結部41c,42cと構成部材本体82との間にも充填される。この時、周方向に隣り合う第1連結部41cと第2連結部42cとの間には、離間部材24の離間突条部52が配置されているため、絶縁性樹脂材料93を成形型91,92内に充填する際の圧力によって、これら第1連結部41c及び第2連結部42cが変形して短絡することが防止されている。
また、絶縁性樹脂材料93によって、互いに接触する第1及び第2外周側端末41a,42aと、外周側接続部32(径方向外側の端面を除く)との周囲が覆われる。同様に、絶縁性樹脂材料93によって、互いに接触する第1及び第2内周側端末と、内周側接続部33との周囲が覆われる。
そして、絶縁性樹脂材料93が冷却されて硬化することにより、図14に示すように、ボス部25cと有するとともにセグメント構成部材81、短絡部材23及び離間部材24を一体化して保持する保持部25が形成される。保持部25により保持されたセグメント構成部材81及び短絡部材23は、保持部25が形成された後に成形型91,92から取り出される。
次に、セグメント構成部材81を切断してセグメント22を形成する切断工程が行われる。この切断工程において、保持部25にて保持された状態のセグメント構成部材81が切断されて、24個のセグメント22(図4参照)が形成される。詳述すると、図15に示すように、構成部材本体82は、周方向に隣り合う外周側接続部32間及び周方向に隣り合う内周側接続部33間(図10参照)の周方向の中央部が、二点鎖線で示すように径方向に沿って切断される。これにより、一体化されたセグメント構成部材81及び保持部25には、短絡部材23に達しない程度の深さの溝(図15中、二点鎖線にて図示する部分)が形成され、セグメント構成部材81が24等分される。その結果、外周側接続部32及び内周側接続部33をそれぞれ一つずつ備える24個のセグメント22が形成されて、整流子21が完成する。形成された24個のセグメント22は、上記の工程を経て形成されることにより、周方向に等角度間隔に配置されるとともに放射状に延びている。
上記したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)保持部形成工程において、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間には、絶縁性の離間突条部52が配置される。従って、保持部形成工程において、保持部25形成時の成形圧が周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42cに対して該連結部41c,42c同士を互いに近づけるように作用したとしても、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間に配置された離間突条部52によって、これら連結部41c,42c同士が短絡されることが防止される。その結果、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c同士の絶縁を確保することができる。
(2)離間突条部52は、第1及び第2連結部41c,42cに沿って延びるように形成されていることから、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c同士の絶縁をより確保し易い。
(3)各離間突条部52は、その先端部における幅方向の両側の角部に面取りがなされているため、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間の隙間の幅方向と同方向の幅が、先端に向かうに連れて狭くなっている。従って、離間突条部52の基端側と先端側との幅(周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間の隙間の幅方向と同方向の幅)が等しく形成されている場合よりも、離間突条部52は、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間へ容易に配置される。
(4)離間部材24は、円環状の板状をなす支持板51と、該支持板51の一端面51aに一体に設けられた離間突条部52とから構成されるため、短絡部材23に対して支持板51を配置することにより、各第1及び第2連結部41c,42c間に容易に離間突条部52を配置することができる。従って、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間への離間突条部52の配置をより容易に行うことができ、ひいては整流子21の製造を容易に行うことができる。
(5)保持部形成工程では、絶縁性樹脂材料93によって、互いに接触する第1及び第2外周側端末41a,42aと、外周側接続部32(径方向外側の端面を除く)との周囲が覆われる。同様に、絶縁性樹脂材料93によって、互いに接触する第1及び第2内周側端末と、内周側接続部33との周囲が覆われる。そのため、第1及び第2外周側端末41a,42aと外周側接続部32との離間、及び第1及び第2内周側端末41b,42bと内周側接続部33との離間は、絶縁性樹脂材料93よりなる保持部25によって抑制される。その結果、製造される整流子21の信頼性を向上させることができる。
(6)保持部形成工程において、内周側接続部33上に配置された第1及び第2内周側端末41b,42bは、溶融した絶縁性樹脂材料93によって内周側接続部33に対して圧接される。そして、絶縁性樹脂材料93が軸方向から成形型91,92内へ注入されることにより、外周側接続部32の接続部本体32a上に配置された第1及び第2外周側端末41a,42aも、溶融した樹脂材料によって接続部本体32aに対して圧接されることになる。その結果、第1及び第2外周側端末41a,42aと接続部本体32a、及び、第1及び第2内周側端末41b,42bと内周側接続部33は、それぞれが密着されることから、それぞれの接続をより確実なものとすることができる。
(7)短絡部材配置工程において、互いに当接した溶接部41e,42e及び接続凸部32bは、溶着されて電気的に接続されている。そのため、短絡部材配置工程よりも後に行われる各工程において、短絡部材23がセグメント構成部材81に対してずれることが防止され、整流子21の製造を更に容易に行うことができる。
尚、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、保持部形成工程において、溶融した絶縁性樹脂材料93は、セグメント構成部材81の厚さ方向である軸方向から、成形型91,92内に注入される。しかしながら、溶融した絶縁性樹脂材料93は、何れの方向から成形型91,92内に注入されるものであってもよい。
・上記実施形態では、絶縁性樹脂材料93によって、互いに接触する第1及び第2外周側端末41a,42aと、外周側接続部32(径方向外側の端面を除く)との周囲が覆われる。同様に、絶縁性樹脂材料93によって、互いに接触する第1及び第2内周側端末と、内周側接続部33との周囲が覆われる。しかしながら、互いに接触する第1及び第2外周側端末41a,42a(当接部41d,42d)と外周側接続部32(接続部本体32a)、若しくは、互いに接触する第1及び第2内周側端末41b,42bと内周側接続部33は、保持部25から露出していてもよい。尚、互いに接触する第1及び第2外周側端末41a,42aと外周側接続部32との周囲の少なくとも一部、若しくは、互いに接触する第1及び第2内周側端末と内周側接続部33との周囲の少なくとも一部が絶縁性樹脂材料93によって覆われていれば、上記実施形態の(5)の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
・上記実施形態では、プレス工程及び屈曲工程の後に、セグメント構成部材形成工程が行われる。しかしながら、セグメント構成部材形成工程の後に、プレス工程及び屈曲工程が行われてもよいし、セグメント構成部材形成工程と、プレス工程及び屈曲工程とは、同時に行われるものであってもよい。
・上記実施形態では、離間部材24は、円環状の板状をなす1つの支持板51と、該支持板51に一体に設けられた16個の離間突条部52とから構成されている。しかしながら、支持板51は、円環状の板状以外の形状(例えば、円環状以外の環状や、多角形状等)をなしていてもよい。また、離間部材24は、複数の支持板と、各支持板に一体に設けられた離間突条部(離間突部)とから構成されるものであってもよい。
・上記実施形態では、各離間突条部52は、その先端部における幅方向の両側の角部に面取りがなされているが、各離間突条部52の形状はこれに限らない。例えば、図16(a)に示す離間突条部101のように、その先端部における幅方向の両側の角部に面取りが施されない形状であってもよい。また例えば、図16(b)に示す離間突条部102のように、基端から先端に向かうに連れて、徐々にその幅が狭くなるような形状であってもよい。離間突条部102のように、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間の隙間の幅方向と同方向の幅が、その先端に向かうに連れて徐々に狭く形成されると、上記実施形態の(3)の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
・上記実施形態では、各離間突条部52は、各離間突条部52の側方に配置された第1及び第2連結部41c,42cの径方向外側の一端よりもやや内周側となる部位から、同第1及び第2連結部41c,42cの径方向内側の他端よりもやや外周側となる部位まで、同第1及び第2連結部41c,42cに沿って延びている。しかしながら、各離間突条部52の長さはこれに限らない。例えば、図17に示す離間突条部110は、第1及び第2連結部41c,42cの径方向外側の一端部に沿って設けられる第1突条部110aと、該第1突条部110aと対をなし第1及び第2連結部41c,42cの径方内外側の他端部に沿って設けられる第2突条部110bとから構成されている。尚、図17においては、短絡部材23を構成する各8個の第1及び第2短絡片41,42のうち、第1短絡片41及び第2短絡片42をそれぞれ1個のみ図示している。そして、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間において、第1突条部110aと第2突条部110bとの間には、突条部は形成されていない。このように構成しても、上記実施形態の(2)の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、各離間突条部52は、各離間突条部52の側方に配置された第1及び第2連結部41c,42cの一端から他端まで延びるように構成されてもよい。このように構成すると、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c同士は、周方向に直接対向する部位がなくなる。従って、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c同士の絶縁を更に確保し易い。
・上記実施形態では、離間部材24は、円環状の板状をなす支持板51と、該支持板51に一体に設けられた16個の離間突条部52とから構成されている。しかしながら、図18(a)に示すように、離間突条部52に替えて、支持板51の一端面51a上に離間突部120a〜120cを設けてもよい。尚、図18(a)においては、短絡部材23を構成する各8個の第1及び第2短絡片41,42のうち、第1短絡片41及び第2短絡片42をそれぞれ1個のみ図示している。図18(a)に示す例では、離間部材121は、周方向に隣り合う各第1及び第2連結部41c,42c間に、それぞれ3つの離間突部120a〜120cが配置されるように構成されている。詳述すると、3つの離間突部120a〜120cは、円柱状をなし、第1連結部41cに沿ったインボリュート曲線上に配置されるとともに、離間突部120aは支持板51の一端面51aにおける内周側の端部に配置され、離間突部120bは、支持板51の一端面51aにおける外周側の端部に配置されている。そして、離間突部120cは、第1連結部41cに沿ったインボリュート曲線上で、離間突部120a,120b間の中央に配置されている。また、図18(a)に示す各離間突部120a〜120cは、図18(b)に示すように、基端から先端までその太さが一定に形成されている。このように構成すると、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間にそれぞれ3つの離間突部120a〜120cが配置されることから、周方向に隣り合う連結部間の一箇所に離間突部が配置される場合よりも、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c同士の絶縁をより確保し易い。
尚、各離間突部120a〜120cは、周方向に隣り合う第1及び第2連結部41c,42c間の隙間の幅方向と同方向の幅が、その先端に向かうに連れて徐々に狭く形成されると、上記実施形態の(3)の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。例えば、図18(c)に示す離間突部130a〜130cのように、先端の外周に面取りを施したり、図18(d)に示す離間突部131a〜131cのように、基端から先端に向かうに連れて徐々にその外径が小さくなるように形成したりしてもよい。更に、各離間突部120a〜120cは、円柱状以外に、角柱状等であってもよい。また更に、インボリュート曲線上に配置される離間突部の数は、3つに限らず、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、図19に示すように、離間突部141を、径方向に沿って放射状に配置してもよい。このようにしても、図18(a)に示す離間部材121を整流子に備えた場合と同様の作用効果を得ることができる。
・上記実施形態では、離間部材24は、絶縁性を有する熱硬化性樹脂材料により形成されているが、絶縁性を有する材料であれば、熱硬化性樹脂材料以外の材料を用いてもよい。例えば、熱可塑性樹脂材料を用いて離間部材24を形成してもよいが、この場合、保持部25を形成するための溶融した絶縁性樹脂材料93の温度で離間部材24が軟化されることのないようにするとよい。
・上記実施形態では、セグメント構成部材81に対して短絡部材23が配置された後、第1及び第2外周側端末41a,42aの溶接部41e,42eとこれら溶接部41e,42eに当接する接続凸部32bとがTIG溶接によりそれぞれ電気的に接続される。更に、第1及び第2内周側端末41b,42bとこれら第1及び第2内周側端末41b,42bと当接する内周側接続部33とがTIG溶接によりそれぞれ電気的に接続される。しかしながら、第1及び第2外周側端末41a,42aの溶接部41e,42eと接続凸部32bとの接続、及び、第1及び第2内周側端末41b,42bと内周側接続部33との接続は、TIG溶接以外の溶接(例えば、抵抗溶接)によって行われるものであってもよい。また、第1及び第2外周側端末41a,42a及び外周側接続部32同士、第1及び第2内周側端末41b,42b及び内周側接続部33同士の当接状態がそれぞれ確保されるのであれば、溶接を行わなくてもよい。
・上記実施形態では、短絡部材23は、各8個の第1短絡片41及び第2短絡片42よりなる短絡構成部材群40から構成されている。しかしながら、短絡部材23は、24個の第1短絡片41(若しくは第2短絡片42)を周方向に配置してなる短絡構成部材群から構成されるものであってもよい。また、短絡部材23は、複数の短絡構成部材群から構成されるものであってもよい。例えば、短絡部材が2つの短絡構成部材群から構成される場合、各短絡構成部材群は、周方向にセグメント22と同数(即ち24個)配置された第1外周側端末41aと、第1外周側端末41aの内側で周方向に第1外周側端末41aと同数配置された第1内周側端末41bと、第1外周側端末41aと第1内周側端末41bとを周方向に60°ずらして連結する複数(第1外周側端末41aと同数)の第1連結部41cとから構成される。そして、2つの短絡構成部材群は、第1連結部41cの向き(湾曲の方向)が互いに逆向きとなるように積層される。この時、一方の短絡構成部材群の第1外周側端末41aと他方の短絡構成部材群の第1外周側端末41aとがそれぞれ接触するとともに、一方の短絡構成部材群の第1内周側端末41bと他方の短絡構成部材群の第1内周側端末41bとがそれぞれ接触する。そして、一方の短絡構成部材群の第1連結部41cと他方の短絡構成部材群の第1連結部41cとは非接触とされる。尚、周方向に隣り合う第1連結部41c間に配置される突部を有する離間部材は、例えば2つの短絡構成部材群の間に介在される。このように構成することにより、120°毎のセグメント22同士が短絡されて同電位とされる。尚、外周側端末、内周側端末及び連結部の形状は、上記実施形態の第1外周側端末41a、第1内周側端末41b及び第1連結部41cの形状に限らない。例えば、第1外周側端末41a、第1内周側端末41b及び第1連結部41cの全てが、屈曲した部位や湾曲した部位を備えない完全に平坦な平板状であってもよい。
・上記実施形態では、直流モータMは、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9をそれぞれ1つずつ備えているが、陽極側ブラシ8及び陰極側ブラシ9は、それぞれ2つ以上備えられてもよい。
・上記実施形態では、直流モータMは、周方向に異極となる6個の磁極を有するマグネット2を有するとともに、コイル18a〜18hが集中巻にて巻回された8個のティース14a〜14hを有し、更に、24個のセグメント22を備えている。しかしながら、直流モータMに備えられるマグネット2の磁極の数は、4極以上の偶数であればよい。また、直流モータMに備えられるティース14a〜14h(コイル18a〜18h)の数は、マグネット2の磁極の数に応じて適宜変更してもよい。更に、直流モータMに備えられるセグメント22の数は、12個以上であればよい。尚、セグメント22の数は、磁極の数とティースの数との最小公倍数とすることが望ましい。
1…モータハウジング、2…マグネット、8…給電用ブラシとしての陽極側ブラシ、9…給電用ブラシとしての陰極側ブラシ、11…電機子、12…回転軸、13…電機子コアとしてのコア、18a〜18h…コイル、21…整流子、22…セグメント、23…短絡部材、24,121…離間部材、25…保持部、31a…摺接面、32…外周側接続部、33…内周側接続部、40…短絡構成部材群、41a…外周側端末としての第1外周側端末、41b…内周側端末としての第1内周側端末、41c…連結部としての第1連結部、42a…外周側端末としての第2外周側端末、42b…内周側端末としての第2内周側端末、42c…連結部としての第2連結部、51…支持板、51a…一端面、52,101,102,110…離間突部としての離間突条部、81…セグメント構成部材、82…構成部材本体、91,92…成形型、93…絶縁性樹脂材料、120a〜120c,130a〜130c,131a〜131c,141…離間突部。