JP2009273265A - 電機子及び直流モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】直流モータの出力低下及び軸方向の大型化を抑制しつつ平板状の整流子と給電ブラシとの接触状態を安定化することができる電機子を提供する。
【解決手段】回転軸12に固定された電機子コア13は、放射状に延びそれぞれ集中巻きにてコイル15a,15dが巻回された8個のティース13dを有する。回転軸12に固定された整流子14は、軸直交平面よりなる摺接面21bを備え周方向に並設された複数のセグメント21と、セグメント21を保持する保持部23とを備える。保持部23は、軸方向に凹設され電機子コア13側に開口する複数の収容凹部23dと、収容凹部23d間で軸方向に突出した複数の補強リブ23eとを有する。複数のコイル15a,15dにおける電機子コア13よりも整流子14側に突出したコイルエンド部15zは、収容凹部23d内に収容され、補強リブ23eは、周方向に隣り合うコイルのコイルエンド部15z間に配置されている。
【選択図】図3
【解決手段】回転軸12に固定された電機子コア13は、放射状に延びそれぞれ集中巻きにてコイル15a,15dが巻回された8個のティース13dを有する。回転軸12に固定された整流子14は、軸直交平面よりなる摺接面21bを備え周方向に並設された複数のセグメント21と、セグメント21を保持する保持部23とを備える。保持部23は、軸方向に凹設され電機子コア13側に開口する複数の収容凹部23dと、収容凹部23d間で軸方向に突出した複数の補強リブ23eとを有する。複数のコイル15a,15dにおける電機子コア13よりも整流子14側に突出したコイルエンド部15zは、収容凹部23d内に収容され、補強リブ23eは、周方向に隣り合うコイルのコイルエンド部15z間に配置されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、整流子を備えた電機子及び直流モータに関するものである。
例えば特許文献1に記載されているように、直流モータには、軸方向に薄い平板状の整流子を電機子に備えることにより小型化が図られたものがある。この整流子は、軸直交平面よりなる摺接面をそれぞれ有し周方向に並設された複数のセグメントを、絶縁性の合成樹脂材料よりなる保持部にて保持した構成とされている。そして、保持部の径方向の中央部に電機子の回転軸が圧入されることにより、整流子は回転軸に一体回転可能に固定される。また、整流子の摺接面には、給電ブラシが軸方向から押圧接触されるとともに、直流モータの駆動時には、給電ブラシ及び整流子を介して、回転軸と一体回転する電機子コアに巻装されたコイルに電源が供給される。
特開2007−181275号公報
しかしながら、上記の整流子は、軸方向に薄く形成されているため、給電ブラシが軸方向から押圧接触されることによって変形することがあった。そして、整流子が変形すると、整流子と給電ブラシとの接触状態が不安定になるという問題が生じる。
そこで、整流子の変形を防止すべく保持部を軸方向に厚くすることが考えられる。しかし、保持部を軸方向に厚くすると、直流モータが軸方向に大型化されてしまう。また、直流モータの軸方向の長さを変更することなく保持部を軸方向に厚くすることも考えられるが、この場合には、電機子コアの軸方向の長さを短くしたり、電機子コアに巻装されたコイルのコイルエンド部を軸方向に小さくしたりすることになり、直流モータの出力が低下する虞がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、直流モータの出力低下及び軸方向の大型化を抑制しつつ平板状の整流子と給電ブラシとの接触状態を安定化することができる電機子、及び該電機子を備えた直流モータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、回転軸と、前記回転軸に固定され、前記回転軸を中心として放射状に延び集中巻きにてコイルが巻回された複数のティースを有する電機子コアと、軸直交平面よりなる摺接面を備え周方向に並設された複数のセグメントと複数の前記セグメントを一体化して保持する保持部とを有し、前記摺接面が前記電機子コアと反対側を向くように前記回転軸に固定された整流子と、を備えた電機子であって、前記保持部は、軸方向に凹設され前記電機子コア側に開口する複数の収容凹部と、前記収容凹部間で軸方向に突出した複数の補強リブとを有し、複数の前記コイルにおける前記電機子コアよりも前記整流子側に突出したコイルエンド部が前記収容凹部内に収容されるとともに、周方向に隣り合う前記コイルの前記コイルエンド部間に前記補強リブが配置されていることをその要旨としている。
同構成によれば、保持部に補強リブが設けられたことにより整流子の強度が高くなるため、この整流子に軸方向から給電ブラシが押圧接触された場合における当該整流子の変形が抑制される。従って、整流子と給電ブラシとの接触状態が安定化される。更に、保持部に設けられた収容凹部内にコイルエンド部が収容されるため、電機子の軸方向の大型化が抑制される。また、保持部に設けられた補強リブは軸方向に突出しているが、コイルエンド部が収容凹部内に収容されるとともに、補強リブは周方向に隣り合うコイルのコイルエンド部間に配置されている。従って、本発明の電機子を備えた直流モータの軸方向の大型化を抑制するために、コイルエンド部の軸方向の高さを低くしたり、電機子コアの軸方向の長さを短くしたりする等の手段を講じなくてもよい。よって、この電機子を備えた直流モータの出力低下が抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電機子において、前記補強リブは、周方向に隣り合う前記収容凹部間で径方向に延びるように形成されるとともに、少なくとも1つの前記補強リブには、軸方向に延び、周方向に隣り合う前記コイル間の隙間を塞ぐ巻線固定部が一体に形成されていることをその要旨としている。
同構成によれば、巻線固定部が一体に形成されたことにより、補強リブは変形し難くなる。従って、整流子の変形がより抑制され、整流子と給電ブラシとの接触状態がより安定化される。また、巻線固定部は、周方向に隣り合うコイル間の隙間を塞ぐように形成されているため、巻線固定部の両側のコイルは、該巻線固定部によって径方向の移動が抑制される。その結果、巻線固定部の両側のコイルの電機子コアからの脱落が防止される。また、巻線固定部によって電機子の構造をより強固なものとすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電機子において、前記補強リブは、前記電機子コアに軸方向から当接することをその要旨としている。
同構成によれば、補強リブは電機子コアに軸方向から当接するため、整流子に軸方向から給電ブラシが押圧接触された場合における当該整流子の変形が更に抑制される。その結果、整流子と給電ブラシとの接触状態が更に安定化される。
同構成によれば、補強リブは電機子コアに軸方向から当接するため、整流子に軸方向から給電ブラシが押圧接触された場合における当該整流子の変形が更に抑制される。その結果、整流子と給電ブラシとの接触状態が更に安定化される。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電機子において、前記電機子コアには、前記ティースの軸方向の両端面及び前記ティースの周方向の両側面を被覆して前記電機子コアと前記コイルとを絶縁するインシュレータが装着され、前記インシュレータには、前記保持部における前記電機子コア側の端部に軸方向から当接する当接部が一体に形成されたことをその要旨としている。
同構成によれば、保持部における電機子コア側の端部にインシュレータの当接部が軸方向から当接することにより、整流子に軸方向から給電ブラシが押圧接触された場合における当該整流子の変形が一層抑制される。その結果、整流子と給電ブラシとの接触状態が一層安定化される。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電機子と、前記摺接面に軸方向から押圧接触する複数の給電ブラシと、を備えた直流モータとしたことをその要旨としている。
同構成によれば、直流モータは、軸方向の大型化が抑制された電機子を備えたことにより、その軸方向の大型化が抑制される。また、コイルエンド部の軸方向の高さを低くしたり、電機子コイルの軸方向の長さを短くしたりする等の手段を講じることなく軸方向の大型化が抑制されるため、直流モータの出力低下が抑制される。
本発明によれば、直流モータの出力低下及び軸方向の大型化を抑制しつつ平板状の整流子と給電ブラシとの接触状態を安定化することができる電機子、及び該電機子を備えた直流モータを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の直流モータを示す。有底円筒状のモータハウジング1の内周面には、6磁極を構成するマグネット2が固定されるとともに、該モータハウジング1の底部中央には軸受3aが固定されている。また、モータハウジング1の開口部は、円板状のエンドフレーム4にて閉塞されるとともに、該エンドフレーム4の中央には、前記軸受3aと対をなす軸受3bが固定されている。
図1は、本実施形態の直流モータを示す。有底円筒状のモータハウジング1の内周面には、6磁極を構成するマグネット2が固定されるとともに、該モータハウジング1の底部中央には軸受3aが固定されている。また、モータハウジング1の開口部は、円板状のエンドフレーム4にて閉塞されるとともに、該エンドフレーム4の中央には、前記軸受3aと対をなす軸受3bが固定されている。
エンドフレーム4におけるモータハウジング1側の面には、ブラシホルダ5が固定されている。ブラシホルダ5は、エンドフレーム4に固定される円板状の固定板5aと、該固定板5aの上面から軸方向に延びる一対の四角筒状のブラシ保持部5bとが一体に形成されてなる。2つのブラシ保持部5bは、固定板5aにおいて周方向に180°間隔となる位置に設けられている。また、各ブラシ保持部5bの近傍には、板ばね6がそれぞれ配置されるとともに、各板ばね6の先端部は、ブラシ保持部5bの側壁に形成された挿入溝5cからブラシ保持部5b内にそれぞれ挿入されている。そして、各ブラシ保持部5b内には、略直方体状の給電ブラシ7がそれぞれ収容されるとともに、各給電ブラシ7は、板ばね6によって図1における上方に付勢されている。尚、各給電ブラシ7は、外部の電源装置(図示略)に電気的に接続されている。
前記モータハウジング1及び前記エンドフレーム4にて囲まれた空間内には、電機子11が回転可能に収容されている。電機子11を構成する円柱状の回転軸12は、前記一対の軸受3a,3bによってその両端部が軸支されるとともに、該回転軸12のエンドフレーム4側の端部は、エンドフレーム4の中央部から外部に突出している。また、回転軸12には、電機子11を構成する電機子コア13及び整流子14が軸方向に並ぶように固定されている。
図2に示すように、電機子コア13は、円筒状の固定部13kと該固定部13kから回転軸12を中心として放射状に延びる8個のティース13a〜13hとが一体に形成されてなる。この電機子コア13は、固定部13kに回転軸12が圧入されることにより回転軸12に対し一体回転可能に固定されている。また、電機子コア13には、絶縁性を有する合成樹脂材料よりなり、各ティース13a〜13hの軸方向の両端面及び周方向の両側面を被覆するインシュレータ16が軸方向の両側から装着されている。そして、各ティース13a〜13hにインシュレータ16の上から導線が集中巻きにて巻回されることにより、8個のコイル15a〜15hが構成されている。尚、各コイル15a〜15hと電機子コア13とは、インシュレータ16によって電気的に絶縁されている。図1に示すように、各コイル15a〜15h(図1にはコイル15a〜15cのみを図示)の巻き終わり及び巻き始めの端部はブラシホルダ5側に引き出されている。また、各コイル15a〜15hは、電機子コア13の軸方向の両側に、該電機子コア13の軸方向の端面よりも軸方向に突出したコイルエンド部15zをそれぞれ有する。
前記整流子14は、回転軸12において前記電機子コア13と前記ブラシホルダ5との間の部位に固定されている。図3(a)に示すように、整流子14は、周方向に並設される24個のセグメント21と、所定のセグメント21同士を短絡して同電位とする短絡部材22と、これらセグメント21及び短絡部材22を一体化して保持する保持部23とから構成されている。
図4(b)に示すように、24個のセグメント21は、周方向に隣り合うセグメント21間に間隔を開けて周方向に等角度間隔に配置されている。各セグメント21のセグメント本体21aは、軸方向から見た形状が外周側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる略扇形状の板状をなすとともに、セグメント本体21aの図4(b)における下面は、平坦な摺接面21bとなっている。また、セグメント本体21aの外周側の端部には、径方向外側に突出する一対の接続ピン21cが形成されるとともに、対をなす接続ピン21cによって接続溝21dが形成されている。更に、セグメント本体21aの上面21eにおける外周寄りの部位には、略直方体状の外周側接続部21fが一体に設けられるとともに、セグメント本体21aの内周側の端部には、内周側接続部21gが一体に設けられている。外周側接続部21fは、セグメント本体21aの上面21eから軸方向に突出するように形成されるとともに、内周側接続部21gは、セグメント本体21aの内周側の端部からやや上方(摺接面21bから遠ざかる方向)へ延びた後、径方向内側に向かって摺接面21bと平行に延びている。そして、24個のセグメント21は、摺接面21bがそれぞれ同一平面内に配置されるように周方向に並設されている。
図4(a)に示すように、略平板状の前記短絡部材22は、周方向に間隔を開けて配置された16個の短絡片31から構成されるとともに、16個の短絡片31は、導電性の金属板材(例えば銅板)をプレス加工により打ち抜いて形成されている。各短絡片31は、互いに周方向に120°ずれた位置に配置された外周側端末31a及び内周側端末31bと、これら外周側端末31a及び内周側端末31bを連結する連結部31cとから構成されている。図4(a)においては、各短絡片31において、内周側端末31bは、外周側端末31aに対し時計方向に120°ずれた位置に配置されている。そして、16個の短絡片31のうち8個の短絡片31が周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)に配置されるとともに、残りの8個の短絡片31は、周方向に等角度間隔に配置された8個の短絡片31間にそれぞれ配置されるとともに周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)となっている。そして、各短絡片31の外周側端末31aは、周方向の一方側で隣り合う短絡片31の外周側端末31aとの間の間隔が15°となる一方、周方向の他方側で隣り合う短絡片31の外周側端末31aとの間の間隔が30°となっている。
図3(b)、図4(a)及び図4(b)に示すように、このような短絡部材22は、周方向に並設された24個のセグメント21に対し、外周側端末31aが所定のセグメント21の外周側接続部21f上に配置されるように、且つ内周側端末31bが所定のセグメント21の内周側接続部21g上に配置されるように配置されている。詳しくは、短絡部材22は、周方向に2つ置きのセグメント21の外周側接続部21fに外周側端末31aが配置されないように、24個のセグメント21に対し配置されている。また、互いに当接された外周側接続部21f及び外周側端末31aが溶接によりそれぞれ接続されるとともに、互いに当接された内周側接続部21g及び内周側端末31bが溶接によりそれぞれ接続されている。そして、各短絡片31によって、周方向に120°離れた位置に配置された2つのセグメント21が短絡されている。
図3(a)に示すように、前記保持部23は、絶縁性を有する合成樹脂材料により形成されている。保持部23を構成する保持部本体23aは、円板状をなすとともに、各セグメント21の一部及び短絡部材22の全部を埋設させることにより、24個のセグメント21及び短絡部材22を一体化して保持している。また、保持部本体23aは、24個のセグメント21の摺接面21bが同一平面内に配置されるように、これらセグメント21を保持している。保持部本体23aの外径は、電機子コア13の直径と等しく形成されている。また、保持部本体23aの径方向の中央部には、軸方向に貫通する圧入孔23bが形成されるとともに、該圧入孔23bの直径は、回転軸12の外径と等しいか若干小さく形成されている。更に、保持部本体23aの上面(電機子コア13側の面)には、圧入孔23bを軸方向に延長するように円筒状のボス部23cが一体に形成されている。整流子14は、圧入孔23b及びボス部23cに回転軸12が圧入されることにより、回転軸12に対し一体回転可能に固定されるとともに、各セグメント21の摺接面21bが電機子コア13と反対側を向くように回転軸12に対して固定されている。そして、整流子14が回転軸12に固定された状態においては、各セグメント21の摺接面21bは、回転軸の軸方向と直交している。図1に示すように、摺接面21bには、板ばね6によって付勢された給電ブラシ7が軸方向から押圧接触される。
図5に示すように、保持部本体23aにおける摺接面21bと反対側の端部であって電機子コア13側の端部(図3(a)参照)には、8個の収容凹部23dが周方向に等角度間隔に凹設されている。各収容凹部23dは、軸方向に凹設されることにより軸方向の一方側(図5における上側であって電機子コア13側)に開口するとともに、径方向外側にも開口している。また、各収容凹部23dは、その周方向の幅が、前記コイルエンド部15z(図2参照)の周方向の幅と略等しく形成されている。そして、保持部本体23aにおける8個の収容凹部23d間には、軸方向に(セグメント21と反対側に)突出する補強リブ23eが形成されるとともに、本実施形態の各補強リブ23eは、径方向に沿って延びる突条である。尚、各補強リブ23eは、周方向の両側の収容凹部23dの側壁を兼ねている。各補強リブ23eは、軸方向から見た形状が外周側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる略扇形状をなすとともに、内周側に向かうに連れて軸方向の厚さが厚くなるように形成されている。そして、図1に示すように、整流子14が回転軸12に固定された状態においては、各収容凹部23d内には、コイル15a〜15hにおける整流子14側のコイルエンド部15zがそれぞれ収容されるとともに、8個の補強リブ23eは、周方向に隣り合う収容凹部23d内に収容されたコイルエンド部15z間にそれぞれ配置される。
また、図5に示すように、各補強リブ23eの先端面には、該先端面から軸方向に沿ってセグメント21と反対側(即ち電機子コア13側)に延びる巻線固定部23fが一体に形成されている。図2に示すように、各巻線固定部23fは、軸方向から見た形状が外周側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる略扇形状をなすとともに、各巻線固定部23fの周方向の幅は、周方向に隣り合うコイル15a〜15h間の隙間の周方向の幅に応じた幅に設定されている。また、各巻線固定部23fの軸方向の長さは、コイル15a〜15hの軸方向の長さと略等しく形成されている。そして、各巻線固定部23fは、整流子14が回転軸12に固定される際にコイル15a〜15h間にそれぞれ挿入されるとともに、整流子14が回転軸12に固定された状態においては、周方向に隣り合うコイル15a〜15h間の隙間を塞いでいる。
回転軸12に固定された整流子14の所定のセグメント21には、図6に示すように、対応するコイル15a〜15hの巻き始めと巻き終わりの端部がそれぞれ接続されている。コイル15a〜15hの端部は、所定のセグメント21の接続溝21d(図4(b)参照)内に配置されて溶接が施されることにより、当該所定のセグメント21にそれぞれ電気的に接続されている。
図1に示すように、上記のように構成された直流モータでは、外部の電源装置(図示略)から給電ブラシ7及び整流子14を介してコイル15a〜15hに選択的に電流が供給されると、電機子11が回転される。そして、電機子11の回転により整流子14が回転するため、給電ブラシ7に摺接されるセグメント21が順次切り替わり、電流が供給されるコイルが切り替えられていく。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)保持部23においてセグメント21を保持する保持部本体23aに8個の補強リブ23eが一体に設けられたことにより整流子14の強度が高くなるため、整流子14に給電ブラシ7が軸方向から押圧接触された場合における当該整流子14の変形が抑制される。従って、整流子14と給電ブラシ7との接触状態が安定化される。また、整流子14の変形を防止するために保持部本体23aを軸方向に厚くしなくてもよいため、整流子14の軸方向の大型化、ひいては電機子11の軸方向の大型化が抑制される。更に、保持部本体23aに設けられた8個の収容凹部23d内にコイルエンド部15zがそれぞれ収容されるため、電機子11の軸方向の大型化がより抑制される。また、補強リブ23eは保持部本体23aから軸方向に突出しているが、コイルエンド部15zが収容凹部23d内に収容されるとともに、補強リブ23eは周方向に隣り合うコイル15a〜15hのコイルエンド部15z間にそれぞれ配置される。従って、整流子14の形状に伴う直流モータの軸方向の大型化を抑制するためにコイルエンド部15zの軸方向の高さを低くしたり、電機子コア13の軸方向の長さを短くしたりする等の手段を講じなくてもよい。よって、この電機子11を備えた直流モータの出力低下が抑制される。
(1)保持部23においてセグメント21を保持する保持部本体23aに8個の補強リブ23eが一体に設けられたことにより整流子14の強度が高くなるため、整流子14に給電ブラシ7が軸方向から押圧接触された場合における当該整流子14の変形が抑制される。従って、整流子14と給電ブラシ7との接触状態が安定化される。また、整流子14の変形を防止するために保持部本体23aを軸方向に厚くしなくてもよいため、整流子14の軸方向の大型化、ひいては電機子11の軸方向の大型化が抑制される。更に、保持部本体23aに設けられた8個の収容凹部23d内にコイルエンド部15zがそれぞれ収容されるため、電機子11の軸方向の大型化がより抑制される。また、補強リブ23eは保持部本体23aから軸方向に突出しているが、コイルエンド部15zが収容凹部23d内に収容されるとともに、補強リブ23eは周方向に隣り合うコイル15a〜15hのコイルエンド部15z間にそれぞれ配置される。従って、整流子14の形状に伴う直流モータの軸方向の大型化を抑制するためにコイルエンド部15zの軸方向の高さを低くしたり、電機子コア13の軸方向の長さを短くしたりする等の手段を講じなくてもよい。よって、この電機子11を備えた直流モータの出力低下が抑制される。
(2)巻線固定部23fが一体に形成されたことにより、補強リブ23eは変形し難くなる。従って、整流子14の変形がより抑制され、整流子14と給電ブラシ7との接触状態がより安定化される。また、巻線固定部23fは、周方向に隣り合うコイル15a〜15h間の隙間を塞ぐように形成されているため、各コイル15a〜15hは、隣り合う巻線固定部23fによって径方向の移動が抑制される。その結果、巻線固定部23fによって各コイル15a〜15hの電機子コア13からの脱落が防止される。また、巻線固定部23fによって電機子11の構造をより強固なものとすることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・図7及び図8に示すように、電機子コア13に装着される絶縁性のインシュレータ41に、保持部23に対し軸方向から当接する当接部を設けてもよい。詳述すると、インシュレータ41は、軸方向の一方側から装着される第1分割部41aと、軸方向の他方側から装着される第2分割部41bとから構成されている。第1分割部41a及び第2分割部41bは、軸方向と直交する平面を中心として略面対称となるように形成されており、各ティース13a〜13hの軸方向の片側端面をそれぞれ被覆する8個の端面被覆部41c、及び各ティース13a〜13hの周方向の両側面を被覆する側面被覆部41dをそれぞれ備えている。各分割部41a,41bにおいて、8個の端面被覆部41cは、ティース13a〜13hと同様に放射状に延びるとともに、内周側の端部で連結されて環状をなしている。また、側面被覆部41dは、それぞれ端面被覆部41cの周方向の両端部から軸方向に沿って延びている。そして、電機子コア13における整流子14側に装着される第1分割部41aの各端面被覆部41cには、各端面被覆部41cの外周側の端部から整流子14側に延びる当接部としての当接鍔部41eが一体に形成されるとともに、各当接鍔部41eは、軸方向に沿って延びる四角形の板状をなしている。そして、当接鍔部41eの先端は、電機子コア13及び整流子14が回転軸12に固定された状態において、保持部本体23aにおける電機子コア13側の端部に軸方向から当接する。より詳しくは、当接鍔部41eは、保持部本体23aの外周側の端部に軸方向から当接する。このように、セグメント21が埋設された保持部本体23aに電機子コア13に装着されたインシュレータ41の当接鍔部41eが軸方向から当接すると、整流子14に軸方向から給電ブラシ7が押圧接触された場合における当該整流子14の変形が更に抑制される。その結果、整流子14と給電ブラシ7との接触状態が更に安定化される。尚、当接部(当接鍔部41e)の形状は、図7及び図8に図示した形状に限らず、インシュレータ41に一体に形成されて、保持部本体23aにおける電機子コア13側の端部に軸方向から当接可能な形状であればよい。
・図7及び図8に示すように、電機子コア13に装着される絶縁性のインシュレータ41に、保持部23に対し軸方向から当接する当接部を設けてもよい。詳述すると、インシュレータ41は、軸方向の一方側から装着される第1分割部41aと、軸方向の他方側から装着される第2分割部41bとから構成されている。第1分割部41a及び第2分割部41bは、軸方向と直交する平面を中心として略面対称となるように形成されており、各ティース13a〜13hの軸方向の片側端面をそれぞれ被覆する8個の端面被覆部41c、及び各ティース13a〜13hの周方向の両側面を被覆する側面被覆部41dをそれぞれ備えている。各分割部41a,41bにおいて、8個の端面被覆部41cは、ティース13a〜13hと同様に放射状に延びるとともに、内周側の端部で連結されて環状をなしている。また、側面被覆部41dは、それぞれ端面被覆部41cの周方向の両端部から軸方向に沿って延びている。そして、電機子コア13における整流子14側に装着される第1分割部41aの各端面被覆部41cには、各端面被覆部41cの外周側の端部から整流子14側に延びる当接部としての当接鍔部41eが一体に形成されるとともに、各当接鍔部41eは、軸方向に沿って延びる四角形の板状をなしている。そして、当接鍔部41eの先端は、電機子コア13及び整流子14が回転軸12に固定された状態において、保持部本体23aにおける電機子コア13側の端部に軸方向から当接する。より詳しくは、当接鍔部41eは、保持部本体23aの外周側の端部に軸方向から当接する。このように、セグメント21が埋設された保持部本体23aに電機子コア13に装着されたインシュレータ41の当接鍔部41eが軸方向から当接すると、整流子14に軸方向から給電ブラシ7が押圧接触された場合における当該整流子14の変形が更に抑制される。その結果、整流子14と給電ブラシ7との接触状態が更に安定化される。尚、当接部(当接鍔部41e)の形状は、図7及び図8に図示した形状に限らず、インシュレータ41に一体に形成されて、保持部本体23aにおける電機子コア13側の端部に軸方向から当接可能な形状であればよい。
・補強リブ23eを、電機子コア13に軸方向から当接するように形成してもよい。即ち、回転軸12に電機子コア13及び整流子14が固定された状態において、補強リブ23eの先端面が、電機子コア13に当接するように構成してもよい。この場合、インシュレータ16において電機子コア13における整流子14側の端面を被覆する部位に補強リブ23eの先端面が当接する場合(即ち、インシュレータ16を介して補強リブ23eが電機子コア13の軸方向の端面に当接する場合)も、電機子コア13に補強リブ23eが当接するものとする。このようにすると、整流子14に軸方向から給電ブラシ7が押圧接触された場合における整流子の変形が一層抑制され、その結果、整流子14と給電ブラシ7との接触状態が安定化される。
・上記実施形態では、8個の補強リブ23eの全てに巻線固定部23fが一体に形成されている。しかしながら、巻線固定部23fは、8個の補強リブ23eのうち少なくとも1つの補強リブ23eに形成されるものであってもよい。そして、巻線固定部23fの形状は、周方向に隣り合うコイル15a〜15h間の隙間を塞ぐような形状であれば、上記実施形態の形状に限らない。例えば、電機子コア13における軸方向の中央部よりも整流子14側でのみ周方向に隣り合うコイル15a〜15h間の隙間を塞ぐように、巻線固定部23fの軸方向の長さを上記実施形態よりも短く形成してもよい。また、保持部23は、巻線固定部23fを備えない構成であってもよい。
・補強リブ23eの形状は、電機子コア13に向かって軸方向に突出した形状であれば上記実施形態の形状に限らない。
・上記実施形態では、収容凹部23dは、軸方向の一方側(電機子コア13側)及び径方向外側に開口した形状をなしている。しかしながら、収容凹部23dは、コイルエンド部15zを収容できるように軸方向に凹設されていれば、その形状は上記実施形態の形状に限らない。例えば、収容凹部23dは、電機子コア13側にのみ開口するように形成されてもよい。
・上記実施形態では、収容凹部23dは、軸方向の一方側(電機子コア13側)及び径方向外側に開口した形状をなしている。しかしながら、収容凹部23dは、コイルエンド部15zを収容できるように軸方向に凹設されていれば、その形状は上記実施形態の形状に限らない。例えば、収容凹部23dは、電機子コア13側にのみ開口するように形成されてもよい。
・上記実施形態では、保持部23には、収容凹部23dがコイル15a〜15hと同数の8個形成されている。しかしながら、収容凹部23dは保持部23に複数設けられればよい。保持部23に設けられた収容凹部23dの数がコイル15a〜15hの数よりも少ない場合には、いくつかの収容凹部23dには周方向に連続して並ぶ複数のコイルのコイルエンド部15zが収容される。
・上記実施形態では、導電性の金属板材をプレス加工により打ち抜いて形成された略平板状の短絡部材22によって、所定のセグメント21を短絡している。しかしながら、所定のセグメント21を短絡可能であれば、セグメント21を短絡する構成は上記実施形態の構成に限らない。例えば、紐状の短絡線によって所定のセグメント21を短絡してもよい。また、短絡部材22は、保持部23内に埋設されて整流子14を構成しているが、整流子14とは別に設けられてもよい。
・上記実施形態の直流モータは、給電ブラシ7を2つ備えている。しかしながら、直流モータに備えられる給電ブラシ7の数は2つに限らず、複数であればよい。
・マグネット2の磁極数、電機子コア13を構成するティース13a〜13hの数、コイル15a〜15hの数、及びセグメント21の数は適宜変更してもよい。
・マグネット2の磁極数、電機子コア13を構成するティース13a〜13hの数、コイル15a〜15hの数、及びセグメント21の数は適宜変更してもよい。
7…給電ブラシ、11…電機子、12…回転軸、13…電機子コア、13a〜13h…ティース、14…整流子、15a〜15h…コイル、15z…コイルエンド部、21…セグメント、21b…摺接面、23…保持部、23d…収容凹部、23e…補強リブ、23f…巻線固定部、41…インシュレータ、41e…当接部としての当接鍔部。
Claims (5)
- 回転軸と、
前記回転軸に固定され、前記回転軸を中心として放射状に延び集中巻きにてコイルが巻回された複数のティースを有する電機子コアと、
軸直交平面よりなる摺接面を備え周方向に並設された複数のセグメントと複数の前記セグメントを一体化して保持する保持部とを有し、前記摺接面が前記電機子コアと反対側を向くように前記回転軸に固定された整流子と、
を備えた電機子であって、
前記保持部は、軸方向に凹設され前記電機子コア側に開口する複数の収容凹部と、前記収容凹部間で軸方向に突出した複数の補強リブとを有し、
複数の前記コイルにおける前記電機子コアよりも前記整流子側に突出したコイルエンド部が前記収容凹部内に収容されるとともに、周方向に隣り合う前記コイルの前記コイルエンド部間に前記補強リブが配置されていることを特徴とする電機子。 - 請求項1に記載の電機子において、
前記補強リブは、周方向に隣り合う前記収容凹部間で径方向に延びるように形成されるとともに、少なくとも1つの前記補強リブには、軸方向に延び、周方向に隣り合う前記コイル間の隙間を塞ぐ巻線固定部が一体に形成されていることを特徴とする電機子。 - 請求項1又は請求項2に記載の電機子において、
前記補強リブは、前記電機子コアに軸方向から当接することを特徴とする電機子。 - 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電機子において、
前記電機子コアには、前記ティースの軸方向の両端面及び前記ティースの周方向の両側面を被覆して前記電機子コアと前記コイルとを絶縁するインシュレータが装着され、
前記インシュレータには、前記保持部における前記電機子コア側の端部に軸方向から当接する当接部が一体に形成されたことを特徴とする電機子。 - 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電機子と、
前記摺接面に軸方向から押圧接触する複数の給電ブラシと、
を備えたことを特徴とする直流モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008122395A JP2009273265A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | 電機子及び直流モータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008122395A JP2009273265A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | 電機子及び直流モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009273265A true JP2009273265A (ja) | 2009-11-19 |
Family
ID=41439321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008122395A Pending JP2009273265A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | 電機子及び直流モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009273265A (ja) |
-
2008
- 2008-05-08 JP JP2008122395A patent/JP2009273265A/ja active Pending
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