JP2016025679A - ブラシ付き直流モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、簡易な構成で確実な電磁波ノイズ対策を実現するためのグランドターミナルが備えられたブラシ付き直流モータを提供することにある。【解決手段】ブラシ付き直流モータに関する。ブラシホルダ72には、複数のブラシ本体11と、複数のチョークコイルDと、複数のコンデンサCと、グランドターミナル8と、が搭載されると共に、複数の嵌合柱部71fが形成されており、ブラシホルダ72がエンドハウジング7に取付けられるとともに、エンドハウジング7にヨークハウジング6が組付けられた状態において、ブラシホルダ72側面と、ヨークハウジング6内壁と、複数の嵌合柱部71fとで形成された配置空間Kには、グランドターミナル8の少なくとも一部が配置されており、このグランドターミナル8は、陽極側及び陰極側に各々接続された複数のコンデンサCの間に電気的に接続されるとともに、配置空間Kにおいてヨークハウジング6側に延出している部分であるヨーク接続部81が、ヨークハウジング6に当接する。【選択図】図8

Description

本発明は、ブラシ付き直流モータに係り、特に、グランドターミナルが適正化されたブラシ付き直流モータに関するものである。
直流モータなどでは、ブラシを用いて整流子への整流を行っているものがあり、このブラシは通常ブラシホルダに搭載されている。
このブラシホルダには、直流モータを良好に駆動するための各部品類(例えば、コンデンサ、チョークコイル等)もまた併せて搭載されている。
一方、このような直流モータを作動する場合、直流モータからは高周波の電磁波ノイズが発生する。
このような電磁波ノイズが大きく問題となる場合には、電磁波ノイズを防止するためのノイズ防止回路が備えられることが通常である(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、電磁波ノイズ防止のための接続端子(グランドターミナル)を備えた直流モータが開示されている。
当該技術では、2個のコイル、コンデンサを備えるノイズ防止回路が設定されている。
コンデンサの両端子には、プラス・マイナス両端子の一端部及び2個のコイルの一端部が各々接続されており、マイナス端子の基端部には、アース用接触端子が一体形成されている。
このアース用接触端子は、コネクタが接続された際、グランドされたエンドハウジングに接続されるよう構成されており、よって、コネクタが接続されると、マイナス端子及びコンデンサがグランドされ、ノイズ防止回路が成立する。
つまり、ブラシ等を支持する支持部材の一部には、アース用接続端子において略コ字状に屈曲形成された先端部分に嵌合する嵌合凸部が形成されており、この嵌合凸部がその先端部分に嵌合すると、同嵌合凸部によってアース用接続端子(これに形成された凸部)はエンドハウジングに押圧されるようになっている。
このように、アース用接続端子(これに形成された凸部)は、嵌合凸部によってエンドハウジングに確実に接触され電気的に接続されて、ノイズ防止回路を構成する。
よって、このノイズ防止回路により、電磁波ノイズを防止することが可能となる。
特開平10−174357号公報
このように、特許文献1のように、コンデンサをヨークハウジングと間接的に接触させてノイズ防止回路を形成し、電磁波ノイズを防止する技術が存在している。
しかし、このような技術によれば、アース用接続端子(グランドターミナル)とヨークハウジングとの接触部分付近の形状や構成が複雑であり、部品形状や組付誤差により接触不良となる可能性があった。
また、アース用接続端子(グランドターミナル)は、陰極給電ターミナルと接続するため、陽極給電ターミナルとの電位差が大きく、確実な電磁波ノイズ対策ができないという問題があった。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、簡易な構成で確実な電磁波ノイズ対策を実現するためのグランドターミナルが備えられたブラシ付き直流モータを提供することにある。
上記課題は、本発明に係るブラシ付き直流モータによれば、磁石が内壁面に固定されたヨークハウジングと、均圧線を介した巻線を備え、外側面が前記磁石と対向するように前記ヨークハウジング内に格納される電機子と、前記ヨークハウジングの出力側開口部を被覆するエンドハウジングと、該エンドハウジングの中央部に配設されて、前記ブラシ本体の一端面と摺接する整流子と、前記エンドハウジングに組付けられるブラシホルダと、前記電機子と前記整流子が固定され、回転可能に軸支されるシャフトと、を備えたブラシ付き直流モータであって、前記ブラシホルダには、陽極側及び陰極側に各々接続される、複数の前記ブラシ本体と、複数のチョークコイルと、複数のコンデンサと、該コンデンサと接続されるグランドターミナルと、が搭載されるとともに、前記ヨークハウジングを嵌合させるための複数の嵌合柱部が形成されており、前記ブラシホルダが前記エンドハウジングに取付けられるとともに、前記エンドハウジングに前記ヨークハウジングが組付けられた状態において、前記ブラシホルダ側面と、前記ヨークハウジング内壁と、複数の前記嵌合柱部と、で形成された配置空間には、前記グランドターミナルの少なくとも一部が配置されており、該グランドターミナルは、陽極側及び陰極側に各々接続された複数の前記コンデンサの間に電気的に接続されるとともに、前記配置空間において前記ヨークハウジング側に延出している部分であるヨーク接続部が、前記ヨークハウジングに当接するよう構成されていることにより解決される。
このように構成されていると、グランドターミナルは、配置空間において、ヨークハウジング側に突出することが可能となる。
よって、グランドターミナルをヨークハウジングの内壁と確実に当接させることが可能となり、簡易にアースをとることができる。
また、グランドターミナルは、陰極側コンデンサと陽極側のコンデンサの間に配置されて、双方がヨークハウジングと電気的に接続されるため、電位差が少なくなる。
また、このとき、請求項2に記載のように、前記ヨーク接続部には、前記ヨークハウジングの内壁側へと突出するように形成された凸部が形成されていると好適である。
具体的な構成としては、請求項3に記載のように、前記凸部は、側面視アール形状に湾曲して突出しているとよい。
また、更なる具体的な構成例としては、請求項4に記載のように、前記凸部は、半球形状、又は、頂点が前記ヨークハウジングの内壁側へと突出する角錐若しくは円錐形状の突起であってもよい。
このように、ヨーク接続部に凸部を形成するよう構成されていると、この突出代により、グランドターミナルやヨークハウジング内径の公差を吸収することができる。
本発明に係るブラシ付き直流モータは、グランドターミナルを備えており、このグランドターミナルは、ブラシホルダ、エンドハウジング、ヨークハウジング、を組付けた時に、自動的に形成される配置空間において、ヨークハウジング側に突出することが可能となるよう構成されている。
よって、グランドターミナルを、ヨークハウジングの内壁と確実に当接させることが可能となり、このような簡易な構成で、確実にアースをとることができる。
よって、確実に電磁波ノイズを低減することが可能となる。
また、グランドターミナルは、陰極側コンデンサと陽極側のコンデンサの間に配置されて、双方がヨークハウジングと電気的に接続されるため、電位差が少なく、よって、電磁波ノイズの低減効率がより向上する。
また、グランドターミナルを構成するヨーク接続部に、ヨークハウジング側へと突出する凸形状を形成することによって、この凸形状の突出代により、グランドターミナルやヨークハウジング内径の公差を吸収し、確実にグランドターミナルとヨークハウジング内壁面とを接触させることができる。
このように、本発明の構成によれば、簡易な構成で確実な電磁波ノイズ対策を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係るモータの概略構成を示す外観図である。 本発明の一実施形態に係る電機子の構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る電機子の結線構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係るエンドハウジングの構成を示す分解図である。 本発明の一実施形態に係るブラシホルダを示す斜視説明図である。 図5に示すブラシホルダがエンドハウジングに組み込まれた状態をB方向からみた平面図である。 本発明の一実施形態に係るグランドターミナルを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るグランドターミナルを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るグランドターミナルの使用状態説明図である。 本発明の一実施形態に係るグランドターミナルのサイズ関係を示す説明図である。 改変例に係るグランドターミナルを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、簡易な構成で確実に電磁波ノイズを防止することが可能なブラシ付き直流モータに関するものである。
図1乃至図10は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はモータの概略構成を示す外観図、図2は電機子の構成を示す説明図、図3は電機子の結線構成を示す回路図、図4はエンドハウジングの構成を示す分解図、図5はブラシホルダを示す斜視説明図、図6は図5に示すブラシホルダがエンドハウジングに組み込まれた状態をB方向からみた平面図、図7はグランドターミナルを示す斜視図、図8はグランドターミナルを示す平面図、図9はグランドターミナルの使用状態説明図、図10はグランドターミナルのサイズ関係を示す説明図である。
図11は本発明の改変例に係るグランドターミナルを示す説明図である。
図1及び図2により、本実施形態に係るモータMの構成の一例について説明する。
なお、以下の構成は、n極(nは4以上の偶数)の磁石5、n/2(nは4以上の偶数)個以下のブラシ本体11が配設されたモータMに好適に使用される。
本例では、4極の磁極例を示した。
このため、4極/2=2個のブラシ装置Sが配設されている例を以下に示す。
そして、電機子3への巻線2は、360°/4極=90°の角度位置を接続する均圧
線を介した巻線とする例を示す。
なお、磁極数は、4以上の偶数極であればよい。
本実施形態に係るモータMは、所謂「ブラシ付き直流モータ」の構成を採用したものである。
本実施形態に係るモータMは、図1及び図2に示すように、出力軸となるシャフト1と、巻線2が巻回された電機子3と、整流子4と、界磁機構を構成する磁石5と、これらを内部に収納するヨークハウジング6と、ブラシ装置Sが搭載されるエンドハウジング7と、を主たる構成要素として構成されている。
シャフト1は、図示しない軸受を介して回転自在にヨークハウジング6に支持されている。
なお、本実施形態においてはモータMとして双方向回転モータを例示しているため、シャフト1は正転及び逆転可能なように構成されている。
シャフト1には、巻線2が巻回されて構成される電機子3が固定されており、その周囲には電機子3の外周を囲むように磁石5(ヨークハウジング6の内壁面に電機子3の外周側面と対向するように配設されている)が配置されている。
また、シャフト1には整流子4もまた固定されている。
整流子4は、シャフト1と一体的に回転する円筒状の部材であり、その回転方向に沿って一定間隔毎に配置された複数(本例においては10個)のセグメント4aを備えて構成される。
この整流子4は、回転に伴って、ブラシ装置Sのブラシ本体11と当接するセグメント4aが切り替わることにより、巻線2を流れる電流の向きを切り替える。
なお、図2及び図3により、電機子3の構成を簡単に説明する。
図2及び図3に示すように、電機子3は、シャフト1に磁性金属材料が積層されてなる電機子コア31が固定されてなり、この電機子コア31に巻線2が巻回された構成である。
この電機子コア31には、等角度間隔に放射状に延びる10本のティース31aが設けられている。
このティース31aには、ティース2本に跨る導線2x(図2(b)参照)の巻回により等角度間隔に10個の巻線2a〜2jが構成され、周方向に隣り合う巻線2a〜2jがティース1本分重なる重ね巻にて構成されている。また、シャフト1には、図2(b)に示すような10個のセグメント4aをその外周面に有する整流子4が固定されており、巻線2a〜2jが所定のセグメント4aと接続されている。そして、セグメント4aには磁石5の磁極中心にそれぞれ配置されるブラシ本体11が接触することで、巻線2a〜2jに回転駆動のための給電が行われるようになっている。
次に、本実施形態の電機子3における巻線2a〜2jの巻回方法を図2(a)及び図2(b)を用いて簡単に説明する。この説明に際し、10本のティース31aに対して反時計回りに「1」〜「10」まで番号を付すとともに、整流子4のセグメント4aに対してもティース「1」と対応する位置から反時計回りに「1」〜「10」まで番号を付すこととする。また、本実施形態では、180°対向位置にある2箇所のセグメント4a(ティース31a)からそれぞれ180°対向位置のティース31aに巻線2a〜2jの巻回を同時に行う巻線装置(ダブルフライヤ)が用いられる。この場合、周方向に重ならない同士で等角度間隔に配置される巻線2a〜2eを第1の巻線群、残りの周方向に重ならない同士で等角度間隔に配置される巻線2f〜2jを第2の巻線群とし、第1のフライヤは第1の巻線群である巻線2a〜2eを、第2のフライヤは第2の巻線群である巻線2f〜2jをそれぞれ担当する。
第1のフライヤは、巻き始めをセグメント「1」として導線2xをティース「5」「4」の2本に跨って一定回数巻回して1番目の巻線2aを構成し、セグメント「2」にフックする。次いで、セグメント「2」からセグメント「7」に短絡線となる導線2xを渡してフックし、該セグメント「7」からティース「1」「10」の2本に跨って一定回数巻回して2番目の巻線2bを構成し、セグメント「8」にフックする。次いで、セグメント「8」からセグメント「3」に導線2xを渡してフックし・・・というように、これらの手順を同様に繰り返して導線2xを再びセグメント「1」にフックし、5個の巻線2a〜2eの巻回を終了する。
第2のフライヤは、巻き始めをセグメント「6」として導線2xをティース「10」「9」の2本に跨って一定回数巻回して1番目の巻線2fを構成し、セグメント「7」にフックする。次いで、セグメント「7」からセグメント「2」に短絡線となる導線2xを渡してフックし、該セグメント「2」からティース「6」「5」の2本に跨って一定回数巻回して2番目の巻線2gを構成し、セグメント「3」にフックする。次いで、セグメント「3」からセグメント「8」に導線2xを渡してフックし・・・というように、これらの手順を同様に繰り返して導線2xを再びセグメント「6」にフックし、5個の巻線2f〜2jの巻回を終了する。
つまり、本実施形態では、第1のフライヤで巻回した第1の巻線群である巻線2a〜2e、及び第2のフライヤで巻回した第2の巻線群である巻線2f〜2jがそれぞれ等角度間隔に配置され、更に第1のフライヤで巻回した巻線2a〜2eと第2のフライヤで巻回した巻線2f〜2jとが交互(千鳥状)となるような巻回方法を採用している。
なお、図3に結線図を示した。
本例におけるモータMは、4極の磁石5、10スロットの電機子3、10セグメントの整流子4が備えられており、電機子3には、千鳥巻線(重巻、180°均圧線)が施されている。
そして、ブラシ本体11からは、ノイズキャンセル用のチョークコイルDを介してターミナルに結線される。
また、両コンデンサC,C間は、グランドターミナル8により、ヨークハウジング6を介して接地Gされている。
なお、このグランドターミナル8の構成、及びこのグランドターミナル8とヨークハウジング6との接続構成は、本発明の主要構成であるため、後に詳述する。
また、電機子3はシャフト1に固定された状態で、カップ形状のヨークハウジング6により被覆されており、そのヨークハウジング6の内壁面には、電機子3の外側面と対向するように磁石5が配設されている。
そして、シャフト1の出力側には、整流子4が固定されており、この整流子4を出力側に配置した状態で、ヨークハウジング6開口部側(モータMの出力側となる)は、エンドハウジング7で閉塞されている。
なお、整流子4は、エンドハウジング7内において、ブラシ本体11の端面と当接可能な位置に配置される。
図4乃至図6により、エンドハウジング7及びこれに搭載されている各部品について説明する。
エンドハウジング7は、ブラシホルダ72と組合わされた状態でヨークハウジング6の開口部を被覆する。
エンドハウジング7は、略カップ形状の部材であり、底面中央部にシャフト貫通孔71aと、底面周に沿って2個形成されたターミナル突出孔71b,71bが形成されている。
このエンドハウジング7の略カップ形状の底面であって、ヨークハウジング6の開口部を被覆している面が特許請求の範囲の「被覆壁」である。
また、外周部分には、外側へ向かって延出する固定部71cが3個形成されている。
本例においては、上下方向において上部に当たる位置に1個、下部に当たる部分に2個の固定部71cが各々備えられている。
エンドハウジング7は、これら3個の固定部71cによって、外部装置に固定される。
更に、エンドハウジング7の外側壁には、略矩形状の切欠きである嵌合部71d,71dが形成されており、ブラシホルダ72の所定位置に形成された被嵌合部72g,72gと嵌合するように構成されている。
つまり、被嵌合部72g,72gを、嵌合部71d,71dに嵌合させることにより、ブラシホルダ72とエンドハウジング7とが組付けられるように構成されている。
そして、後述するが、この組付けられた状態においては、ブラシホルダ72の底面外側とエンドハウジング7の底面内側とは、一定の間隙をもって対向するように構成されている。
また、エンドハウジング7において、シャフト貫通孔71aに対してターミナル突出孔71b,71bと反対側の位置には、底面から内側面に沿って起立する2個の嵌合柱71f,71fが形成されている。
この嵌合柱71f,71fは壁体であり、一定の空隙K1を有して各々起立している。
また、これらの自由端部は、エンドハウジング7の自由端周部よりも若干突出するように構成されており、よって、これら嵌合柱71f,71fの外側面部がヨークハウジング6の内壁面に嵌合する。
つまり、当該嵌合柱71f,71fに、ヨークハハウジング6は嵌合する。
なお、嵌合柱71f,71f間の空隙K1と、組付けられたブラシホルダ72の外側面と、嵌め込まれたヨークハウジング6の内壁面とで形成される空間を「配置空間K」と記す。
後述するグランドターミナル8は、当該配置空間Kに配置される。
ブラシホルダ72は、略カップ形状のエンドハウジング7に内挿可能に構成されたブロック状の部材であり、その中央部には、整流子配設孔72aが形成されている。
このブラシホルダ72のモータ出力側には、2個のターミナル72b,72bが並列して形成されており、このターミナル72b,72bは、エンドハウジング7のターミナル突出孔71b,71bからモータ出力側に突出するように構成される。
ブラシホルダ72のモータ出力側と反対方向側(以下、「部品搭載面T」と記す)には、2個のブラシ装置配設部72c,72c、2個のチョークコイル配設部72d,72d、2個の付勢スプリング配設部72e,72e、2個のコンデンサ配設部72f,72fが形成されている。
ブラシ装置配設部72c,72cには、ブラシ装置S,Sが配置されている。
本実施形態においては、部品搭載面Tにおいて、中央部に形成された整流子配設孔72aの中心点Oを基準とすると、中心角90°離隔する位置に、ブラシ装置配設部72c,72cは各々配設されるよう構成されている。
そして、ブラシ装置Sと中心点Oに対して対照となる位置には、コンデンサ配設部72f,72fが形成されており、この位置にコンデンサC,Cが配設される。
また、部品搭載面Tにおいて、ブラシ装置配設部72cとコンデンサ配設部72fとの間には、円筒形状のチョークコイル配設部72dが形成されており、このチョークコイル配設部72dにチョークコイルDが配設される。
なお、ブラシ装置配設部72cとコンデンサ配設部72fとの間は2箇所存在するので、チョークコイル配設部72dもまた2個形成され、2個のチョークコイルDが搭載される。
チョークコイルDは、公知のチョークコイルが使用されており、コイル部分の内部に円柱形状のチョークコイル配設部72dを挿通することにより、チョークコイルDが実装される。
なお2個のターミナル72b,72bは、一方が陽極、他方が陰極に設定されており、一方のターミナル72bには、1個のチョークコイルD及び1個のコンデンサCが電気的に接続されて「陽極側」を構成し、他方のターミナル72bにもまた同様に1個のチョークコイルD及び1個のコンデンサCが電気的に接続されており、こちらは「陰極側」を構成している。
本実施形態においては、例えば、図6の正中線Nに対して両側にそれぞれ、陽極側と陰極側が分かれて設置されている。
そして、コンデンサC,Cの近接する側の端子C1,C1は、各々、グランドターミナル8に接続されている。
また、コンデンサC,Cの他方側の端子C2,C2は、チョークコイルD,Dや、ピグテール14,14と共に、陰陽のターミナル72b,72bに連結されている。
つまり、コンデンサC,Cは、グランドターミナル8に接続され、このグランドターミナル8を介して接地G(ヨークハウジング6との接続)されるように構成されており、図3に示すような結線構成(つまり、ノイズ防止回路)が形成されることとなる。
また、ブラシ装置配設部72cを挟んで、チョークコイル配設部72dと反対側の位置には、円筒形状の付勢スプリング配設部72eが形成されており、この付勢スプリング配設部72eに付勢スプリングEが配設される。
なお、ブラシ装置配設部72cは2箇所存在するので、付勢スプリング配設部72eもまた2個形成され、2個の付勢スプリングEが搭載される。
この付勢スプリングEは、螺旋状に旋回されたバネ部分と、このバネ部分外周の接線方向に延出した付勢端部を備えて構成されたトーションスプリングであり、バネ部分の中空部に付勢スプリング配設部72eが嵌合することにより、ブラシホルダ72に取付けられている。
そして、このように取付けられた状態において、付勢スプリングEの付勢端部は、後述するブラシ本体11を整流子4方向へと押圧するよう構成されている。
ブラシ装置Sは、整流子4を通じて巻線2に電流を流すものであり、ブラシ本体11と、収納ボックス12と、ターミナル72bから給電されるピグテール14とを主たる構成要件として構成されている。
本例においては、収納ボックス12は、樹脂製であり、ブラシホルダ72に孔状に穿たれた所定箇所(ブラシ装置配設部72c)に嵌合固定されていてもよいし、ブラシホルダ72と一体形成されていてもよい。
また、このブラシ装置Sは、ブラシホルダ72に、整流子4の径方向に延びるように一対取付けられており、本実施形態においては、シャフト1を中心として略90°離隔して配設されている。
本実施形態に係るブラシ本体11は、主成分として銅粉を含有した黒鉛(ブラシ粉)から構成された略直方体形状の部材である。
そして、収納ボックス12は、その内部にブラシ本体11が内蔵される中空略四角柱形状の部材であり、その上面には、径方向に切り欠かれたピグテール突出孔12aが形成されており、このピグテール突出孔12aよりピグテール14が突出するように構成されている。
また、収納ボックス12の側面には、図示しないスプリング貫通孔が形成されており、付勢スプリングEの押圧側端部は、このスプリング貫通孔を貫通して収納ボックス12内部に進入しており、ブラシ本体11の一端面(整流子4との摺接面と反対側の端面)に圧接している。
以上のように各部品が実装されたブラシホルダ72は、エンドハウジング7に組付けられて、ヨークハウジング6の開口部を被覆する。
そして、整流子4と電機子3が実装されたシャフト1は、ブラシホルダ72に形成された整流子配設孔72aに整流子4を配設するとともに、エンドハウジング7に形成されたシャフト貫通孔71aからシャフト1の出力側を突出させた状態で、エンドハウジング7に組付けられる。
このとき、ブラシ本体11の一端面(整流子4側端面)は、整流子4の外側面に配設されたセグメント4aに圧接している。
次いで、図7及び図8により、本実施形態に係るグランドターミナル8について説明する。
本実施形態に係るグランドターミナル8は、導電性素材を屈曲形成したものであり、ヨーク接続部81、支持部82、コンデンサ接続部83,83、を有して構成されている。
ヨーク接続部81は、略矩形平板状の部分であって、その自由端側には、当接突起81aが形成されている。
この当接突起81は、後述するコンデンサ接続部が形成される側と反対側に突出するとともに、アールのついた凸部となるように形成されている。
また、支持部82は、ヨーク接続部81の他端側(自由端と反対側端部)から、当該ヨーク接続部81に対して略垂直となるように折れ曲って延出する平板状部分である。
そして、この支持部82の他端側(ヨーク接続部81と連続する側と反対側端部)からは、二股に分かれて、2個のコンデンサ接続部83,83が、支持部82に対して略垂直となるように起立している。
なお、これらコンデンサ接続部83,83は、本実施形態においては、内角が約60°〜120°程度となるような状態で向き合うように起立している。
これは、本実施形態においては、コンデンサC,Cが同様の内角間隔をもって配置されているため(例えば、図6参照)、これらコンデンサC,Cの端子C1,C1との接続の便宜性を考慮してのことである。
もちろん、当該内角角度は、コンデンサC,Cの配置・構成、及び、各部品の収納構成等により適宜設定されるものであり、これに限定されることはない。
また、コンデンサ接続部83の自由端側(支持部82と連続する側と反対側端部)の中央付近には、支持部82方向へと向けて切り込まれた切込み部83aが形成されている。
この切込み部83aは、コンデンサCの端子C1を保持するための保持部となる。
この切込み部83aにコンデンサCの一方の端子C1が接続保持されることとなる。
次いで、図4乃至図6、及び図9により、グランドターミナル8の配設について説明する。
本実施形態に係るグランドターミナル8は、ブラシホルダ72を組付けたエンドハウジング7にヨークハウジング6を嵌め込んだ際に、エンドハウジング7、ヨークハウジング6、嵌合柱部71f,71fに囲まれて形成される配置空間Kに、少なくともヨーク接続部81が配設される。
グランドターミナル8は、コンデンサ接続部83,83の切込み部83a,83aが、ブラシホルダ72の部品搭載面Tから突出するとともに、ヨーク接続部81が、ブラシホルダ72の側面から径方向外側に突出するように、ブラシホルダ72に配設される。
このとき、切込み部83a,83a及びヨーク接続部81が露出していれば、支持部82は、ブラシホルダ72に埋設されていても、部品搭載面T等に固定されていてもよい。
そして、このようにグランドターミナル8が配設された後、図4に示すように、ブラシホルダ72とエンドハウジング7とを組立て、図9に示すように、ヨークハウジング6を嵌め込むと、ヨークハウジング6の内周面と、ブラシホルダ72の径方向外側に突出しているヨーク接続部81の当接突起81aとが当接する。
また、本実施形態においては、図10に示すように、ブラシホルダ72の外側面とエンドハウジン部7の側壁内側面との距離をL1、ブラシホルダ72の外側面からの支持部82の突出距離をL2、ブラシホルダ7の外側面から当接突起81aの当接点までの距離をL3、とすると、これらの距離の関係は、L3>L1>L2となるように構成されている。
よって、ヨークハウジング6を嵌め込むと、グランドターミナル8は配置空間Kにコンパクトに納まった状態で、当接突起81aがヨークハウジング6内壁面と自動的に当接することとなる。
このように、当接突起81aがヨークハウジング6と当接することにより、コンデンサC,Cは、接地Gされ、ノイズ防止回路が完成する。
このように、本実施形態に係るグランドターミナル8によると、簡易な構成で、接地Gを実現することができる。
つまり、グランドターミナルとヨークハウジング6とを接触させるための特別な構成は不要であり、ヨークハウジング6を嵌め込むのみで、当接突起81aをヨークハウジング6と当接させて接地Gをとることができる。
また、本実施形態においては、ヨーク接続部81に当接突起81aを設けて、当該箇所にてヨークハウジング6内壁面との接触を実現した。
この構成により、当該当接突起81aの構成がなく、平板状のヨーク接続部81を使用した場合(例えば、自由端側が最外側に配設されるように傾斜をつけて、自由端の先端部がヨークハウジング6に当接するように構成した場合:「グランドターミナル8´」と記す)に比して、良好にノイズ防止回路を形成することが可能となる。
また、当接突起81aを設けることなく、ヨーク接続部81を平板としたものであっても、同様の機能を実現することができる。
しかし、当接突起81aが無い例では、グランドターミナル8´の角度のばらつきや、ヨークハウジング6内径の出来栄えにより、ヨークハウジング6内壁面とグランドターミナル8´の接点が一定場所とはならない可能性がある。
また、先端部を当接させるために、上記傾斜をつけると、屈曲部分(根元)に係る荷重が増大するため(特に、ヨークハウジング6嵌合時の荷重は大きいため)強度管理が困難となること、振動等の影響により、接触が不安定になるという懸念もある。
よって、本実施形態に係るグランドターミナル8は、ヨーク接続部81に当接突起81aを形成することにより、当該当接突起81aが無い例よりも良好に使用することができる。
つまり、当接突起81aをアールをつけた凸形状とすることにより、ヨークハウジング6内壁面との接触が容易となる。
また、屈曲部(根元)の角度交差は、通常曲げ(約90°)でよいため、曲げ加工が容易である。
更に、グランドターミナル8のばらつきと、ヨークハウジング6内径の交差を、当接突起81aで吸収することにより、接触代の設計が容易となる。
また、更に、ヨーク接続部81とヨークハウジング6内壁面との接触が安定するため、ステータ挿入荷重が安定する。
次いで、図11により、改変例を説明する。
本改変例は、ヨーク接続部81に形成される当接突起81aを改変した例である。
図11(a)に示すように、当接突起81aは、半球形状に形成された凸部とすることもできる。
同様に、図11(b)に示すように、四角錐形状の凸部とすることもできる。
1・・シャフト、2(2x(x=a〜j))・・巻線、
3・・電機子、31・・電機子コア、31a・・ティース、
4・・整流子、4a・・セグメント、
5・・磁石、6・・ヨークハウジング、
7・・エンドハウジング、
71a・・シャフト貫通孔、71b・・ターミナル突出孔、
71c・・固定部、71d・・嵌合部、71e・・カバー内底面、71f・・嵌合柱(嵌合柱部)、
72・・ブラシホルダ、72a・・整流子配設孔、72b・・ターミナル、
72c・・ブラシ装置配設部、72d・・チョークコイル配設部、
72e・・付勢スプリング配設部、72f・・コンデンサ配設部、72g・・被嵌合部、
72h・・ホルダ端面、
8・・グランドターミナル、81・・ヨーク接続部、81a・・当接突起、
82・・支持部、83・・コンデンサ接続部、83a・・切込み部、
S・・ブラシ装置、11・・ブラシ本体、12・・収納ボックス、
12a・・ピグテール突出孔、14・・ピグテール、
C・・コンデンサ、C1,C2・・端子、D・・チョークコイル、E・・付勢スプリング、H・・間隙、G・・接地、K・・配置空間、K1・・空隙、
M・・モータ(ブラシ付き直流モータ)、T・・部品搭載面

Claims (4)

  1. 磁石が内壁面に固定されたヨークハウジングと、
    均圧線を介した巻線を備え、外側面が前記磁石と対向するように前記ヨークハウジング内に格納される電機子と、
    前記ヨークハウジングの出力側開口部を被覆するエンドハウジングと、
    該エンドハウジングの中央部に配設されて、前記ブラシ本体の一端面と摺接する整流子と、
    前記エンドハウジングに組付けられるブラシホルダと、
    前記電機子と前記整流子が固定され、回転可能に軸支されるシャフトと、を備えたブラシ付き直流モータであって、
    前記ブラシホルダには、陽極側及び陰極側に各々接続される、複数の前記ブラシ本体と、複数のチョークコイルと、複数のコンデンサと、該コンデンサと接続されるグランドターミナルと、が搭載されるとともに、前記ヨークハウジングを嵌合させるための複数の嵌合柱部が形成されており、
    前記ブラシホルダが前記エンドハウジングに取付けられるとともに、前記エンドハウジングに前記ヨークハウジングが組付けられた状態において、
    前記ブラシホルダ側面と、前記ヨークハウジング内壁と、複数の前記嵌合柱部と、で形成された配置空間には、前記グランドターミナルの少なくとも一部が配置されており、
    該グランドターミナルは、陽極側及び陰極側に各々接続された複数の前記コンデンサの間に電気的に接続されるとともに、前記配置空間において前記ヨークハウジング側に延出している部分であるヨーク接続部が、前記ヨークハウジングに当接するよう構成されていることを特徴とするブラシ付き直流モータ。
  2. 前記ヨーク接続部には、前記ヨークハウジングの内壁側へと突出するように形成された凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ付き直流モータ。
  3. 前記凸部は、側面視アール形状に湾曲して突出していることを特徴とする請求項2に記載のブラシ付き直流モータ。
  4. 前記凸部は、半球形状、又は、頂点が前記ヨークハウジングの内壁側へと突出する角錐若しくは円錐形状の突起であることを特徴とする請求項2に記載のブラシ付き直流モータ。
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