JP2011010457A - 整流子、直流モータ及び整流子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸方向に並ぶ2つの層を有する短絡部材であって簡易な構成で短絡片同士の絶縁性が確保される短絡部材を備えた整流子を提供する。
【解決手段】周方向に離間したセグメント32同士を短絡する短絡部材33は、複数の短絡片35よりなる。各短絡片35は、平行に延びる第1及び第2短絡部35b,35cが長手方向の一端部で結合部35aにて結合され第1及び第2短絡部35b,35c間に隙間を有する形状に打ち抜かれた平板状の板材にて形成され該板材の第1及び第2短絡部35b,35cを互いに逆向きに屈曲して形成されている。複数の短絡片35は、複数の結合部35aが周方向に離間して並設されるように、且つ周方向に離間して複数の第1短絡部35bが並設されるとともに周方向に離間して複数の第2短絡部35cが並設されるように周方向に並設されている。そして、第1接続部35d及び第2接続部35eがそれぞれセグメント32に接続される。
【選択図】図2
【解決手段】周方向に離間したセグメント32同士を短絡する短絡部材33は、複数の短絡片35よりなる。各短絡片35は、平行に延びる第1及び第2短絡部35b,35cが長手方向の一端部で結合部35aにて結合され第1及び第2短絡部35b,35c間に隙間を有する形状に打ち抜かれた平板状の板材にて形成され該板材の第1及び第2短絡部35b,35cを互いに逆向きに屈曲して形成されている。複数の短絡片35は、複数の結合部35aが周方向に離間して並設されるように、且つ周方向に離間して複数の第1短絡部35bが並設されるとともに周方向に離間して複数の第2短絡部35cが並設されるように周方向に並設されている。そして、第1接続部35d及び第2接続部35eがそれぞれセグメント32に接続される。
【選択図】図2
Description
本発明は、整流ブラシが摺接される整流子、該整流子を備えた直流モータ、及び該整流子の製造方法に関するものである。
従来、直流モータに備えられ給電用の整流ブラシが摺接される整流子には、周方向に離れた位置にあるセグメント同士を短絡部材にて短絡することにより、複数のセグメントに同時に電流を供給する構成としたものがある。
特許文献1及び特許文献2に記載されているように、短絡部材には、周方向に離間して配置された複数の短絡片から構成された短絡構成部材群を軸方向に2組積層して形成されたものがある。各短絡構成部材群は、周方向に並ぶ複数の短絡片が形成されるように銅板等の導電性の板材を厚さ方向に打ち抜いて形成されており、各短絡片の厚さ方向が軸方向と略一致する。そして、積層された2組の短絡構成部材群、即ち短絡部材においては、積層方向に対向する各短絡片の径方向内側の端部同士及び積層方向に対向する径方向外側の端部同士の少なくとも一方が接合されている。
上記のような短絡部材では、周方向に隣り合う短絡片同士の絶縁性を確保するとともに、積層方向に対向する短絡片同士においてその径方向内側の端部と径方向外側の端部との間の部位の絶縁性を確保する必要がある。
しかしながら、上記のように板材を打ち抜いて形成される短絡構成部材群を積層して形成される短絡部材においては、周方向に隣り合う短絡片同士の絶縁を確保するために短絡片間の隙間を大きくすると、歩留が悪くなってしまう。また、短絡片の長手方向と直交する方向の断面積が小さくなり、大電流に対応し難くなることがある。そして、短絡片の断面積を維持するために、板材の厚さを厚くすると、短絡構成部材群を形成するための板材の打ち抜き加工が困難となってしまう。
また、積層方向に対向する短絡片同士においてその径方向内側の端部と径方向外側の端部との間の部位の絶縁性を確保しようとすると、各短絡片の径方向内側の端部と径方向外側の端部との間の部位が積層方向に離間するよう段差が設けられたり湾曲されたりして短絡構成部材群が複雑な形状となることがある。そして、短絡構成部材群が複雑な形状となることを避けるために積層される短絡構成部材群間に絶縁紙を介在させると、部品点数が増えてしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸方向に並ぶ2つの層を有する短絡部材であって簡易な構成で短絡片同士の絶縁性が確保される短絡部材を備えた整流子、該整流子を備えた直流モータ及び該整流子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、周方向に並設された複数のセグメントと、周方向に離間した位置にある前記セグメント同士を短絡する短絡部材とを備えた整流子であって、前記短絡部材は、長手方向の一端部に第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部及び第2短絡部が長手方向の他端部で結合部にて結合されるとともに前記第1短絡部及び前記第2短絡部間に隙間を有する形状に導電性の金属板を打ち抜いて形成された1枚の平板よりなる短絡素材から形成され前記第1短絡部及び前記第2短絡部が前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲された短絡片を、複数の前記結合部がその厚さ方向と周方向とが一致するとともに周方向に離間して並設されるように、且つ周方向に離間して複数の前記第1短絡部が並設されるとともに周方向に離間して複数の前記第2短絡部が並設されるように周方向に複数並設して形成され、前記第1接続部及び前記第2接続部、並びに前記結合部の少なくとも一方が前記セグメントに接続されることをその要旨としている。
同構成によれば、各短絡片は、平行に延びる第1短絡部及び第2短絡部の長手方向の他端部を結合部にて結合した形状の1枚の平板よりなる短絡素材を厚さ方向に屈曲若しくは湾曲して形成されており簡易な形状である。そして、複数の短絡片は、複数の結合部がその厚さ方向と周方向とが一致するとともに周方向に離間して並設されるため、複数の第1短絡部はその厚さ方向と周方向とが一致するように並設されるとともに、複数の第2短絡部はその厚さ方向と周方向とが一致するように並設される。従って、周方向に隣り合う短絡片同士を離間させやすく、短絡片同士の絶縁性を確保し易くなる。また、短絡素材においては第1短絡部と第2短絡部との間に隙間が形成されているため、周方向に複数並設された第1短絡部と周方向に複数並設された第2短絡部との2層構造である短絡部材においては、軸方向に対向する第1短絡部と第2短絡部との間に隙間が形成され、第1短絡部と第2短絡部との絶縁性が確保される。更に、第1短絡部及び第2短絡部は、厚さ方向が周方向と一致するように配置されており、変形し難い幅方向(即ち短絡部の延びる方向と直交し且つ短絡部の厚さ方向と直交する方向)が、第1短絡部と第2短絡部とが対向する軸方向と一致する。よって、第1短絡部及び第2短絡部の変形によって両短絡部が接触することが抑制されるため、第1短絡部と第2短絡部との絶縁性をより確保し易い。そして、軸方向に対向する第1短絡部と第2短絡部との絶縁性を確保するために、第1短絡部と第2短絡部との間に絶縁紙等の絶縁体を介在させなくてもよいため、短絡部材が複雑化されることが抑制される。これらのことから、軸方向に並ぶ2つの層(即ち複数の第1短絡部よりなる層及び複数の第2短絡部よりなる層)を有する短絡部材において、簡易な構成で短絡片同士の絶縁性を確保することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の整流子において、前記各短絡片は、前記第1接続部における前記第2短絡部側の端面と、前記第2接続部における前記第1短絡部側の端面とが同一平面内に配置され、各前記第1接続部は、別の前記短絡片の前記第2接続部と軸方向に並ぶことをその要旨としている。
同構成によれば、各短絡片においては、第1接続部における第2短絡部側の端面と、第2接続部における第1短絡部側の端面とが同一平面内に配置されているため、短絡片を複数並設した短絡部材においては、軸方向に並んだ第1接続部と第2接続部とが互いに対向する軸方向の端面で当接される。従って、軸方向に並ぶ第1接続部と第2接続部とを溶接により接続する場合に、第1接続部と第2接続部との接続不良が抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の整流子において、各前記短絡片は、前記第1短絡部と前記第2短絡部とがその長手方向に異なる長さに形成され、前記第1接続部と前記結合部とのなす第1の離間角度と、前記第2接続部と前記結合部とのなす第2の離間角度とが異なるように前記第1短絡部及び前記第2短絡部が前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲されていることをその要旨としている。
同構成によれば、第1短絡部と第2短絡部との長さが異なる短絡片を形成するための平短絡素材においては、第1接続部と第2接続部とが第1及び第2短絡部の長手方向にずれることになる。その結果、短絡素材において、第1接続部と第2接続部とが当接して隣り合うことを避けることができる。即ち、第1接続部と第2接続部とを剪断により分離しなくてもよくすることができる。従って、第1接続部における第2短絡部側の端面と第2接続部における第1短絡部側の端面とが同一平面内に配置される短絡素材の打ち抜きをより容易に行うことができる。そして、各短絡片においては、第1接続部と結合部とのなす第1の離間角度と、第2接続部と結合部とのなす第2の離間角度とが異なるように第1短絡部及び第2短絡部が結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲されることにより、第1接続部及び第2接続部における短絡部材の径方向の中央部からの距離を等しくすることができる。その結果、第1接続部と、別の短絡片の第2接続部とを容易に軸方向に並設することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の整流子において、絶縁性の樹脂材料よりなり前記短絡部材を埋設して保持する保持部を有することをその要旨としている。
同構成によれば、短絡部材は、絶縁性の樹脂材料よりなる保持部にて埋設されて保持されるため、周方向に隣り合う短絡片間に保持部を構成する絶縁性の樹脂材料が介在されるとともに、変形し難くなる。従って、保持部によって周方向に隣り合う短絡片同士の短絡が抑制される。
請求項5に記載の発明は、複数の電機子コイルが巻装された電機子コアを有する環状の電機子と、前記電機子と径方向に対向配置され前記電機子に対し周方向に相対回転される界磁と、前記電機子コイルが前記セグメントに電気的に接続される請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の整流子と、前記整流子に対し周方向に相対移動され前記セグメントに摺接される整流ブラシとを備え、前記整流ブラシ及び前記整流子を介して前記電機子コイルに電流が供給される直流モータとしたことをその要旨としている。
同構成によれば、整流子に備えられる短絡部材は、該短絡部材を構成する短絡片同士の絶縁が確保されているため、該整流子を備えた直流モータの信頼性が向上される。
請求項6に記載の発明は、周方向に並設された複数のセグメントと、周方向に離間した位置にある前記セグメント同士を短絡する短絡部材とを備えた整流子の製造方法であって、導電性の金属板を打ち抜いて、長手方向の一端部に第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部及び第2短絡部が長手方向の他端部で結合部にて結合されるとともに前記第1短絡部及び前記第2短絡部間に隙間を有する形状をなす1枚の平板よりなる短絡素材を複数形成する打ち抜き工程と、前記短絡素材ごとに前記第1短絡部及び前記第2短絡部を前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲させて短絡片を形成する角度形成工程と、複数の前記結合部が該結合部の厚さ方向が周方向に一致するとともに周方向に離間して並設されるように、且つ周方向に離間して複数の前記第1短絡部が並設されるとともに周方向に離間して複数の前記第2短絡部が並設されるように、複数の前記短絡片を周方向に並設して前記短絡部材を形成する短絡部材形成工程と、前記第1接続部及び前記第2接続部、並びに前記結合部の少なくとも一方を前記セグメントにそれぞれ接続するセグメント接続工程と、を備えたことをその要旨としている。
請求項6に記載の発明は、周方向に並設された複数のセグメントと、周方向に離間した位置にある前記セグメント同士を短絡する短絡部材とを備えた整流子の製造方法であって、導電性の金属板を打ち抜いて、長手方向の一端部に第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部及び第2短絡部が長手方向の他端部で結合部にて結合されるとともに前記第1短絡部及び前記第2短絡部間に隙間を有する形状をなす1枚の平板よりなる短絡素材を複数形成する打ち抜き工程と、前記短絡素材ごとに前記第1短絡部及び前記第2短絡部を前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲させて短絡片を形成する角度形成工程と、複数の前記結合部が該結合部の厚さ方向が周方向に一致するとともに周方向に離間して並設されるように、且つ周方向に離間して複数の前記第1短絡部が並設されるとともに周方向に離間して複数の前記第2短絡部が並設されるように、複数の前記短絡片を周方向に並設して前記短絡部材を形成する短絡部材形成工程と、前記第1接続部及び前記第2接続部、並びに前記結合部の少なくとも一方を前記セグメントにそれぞれ接続するセグメント接続工程と、を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、打ち抜き工程で形成される短絡素材は、平行に延びる第1短絡部及び第2短絡部の長手方向の他端部を結合部にて結合した形状の1枚の平板であり、簡易な形状である。そして、角度形成工程においてこの短絡素材を屈曲若しくは湾曲して形成される短絡片は、簡易な形状である。また、短絡部材形成工程において、複数の短絡片は、複数の結合部がその厚さ方向と周方向とが一致するとともに周方向に離間して並設されるため、複数の第1短絡部はその厚さ方向と周方向とが一致するように並設されるとともに、複数の第2短絡部はその厚さ方向と周方向とが一致するように並設される。従って、周方向に隣り合う短絡片同士を離間させやすく、短絡片同士の絶縁性を確保し易くなる。また、打ち抜き工程で形成される短絡素材においては、第1短絡部と第2短絡部との間には隙間が形成されているため、周方向に複数並設された第1短絡部と周方向に複数並設された第2短絡部との2層構造である短絡部材においては、軸方向に対向する第1短絡部と第2短絡部との間に隙間が形成され、第1短絡部と第2短絡部との絶縁性が確保される。更に、第1短絡部及び第2短絡部は、厚さ方向が周方向と一致するように配置されており、変形し難い幅方向(即ち短絡部の延びる方向と直交し且つ短絡部の厚さ方向と直交する方向)が、第1短絡部と第2短絡部とが対向する軸方向と一致する。よって、第1短絡部及び第2短絡部の変形によって両短絡部が接触することが抑制されるため、第1短絡部と第2短絡部との絶縁性をより確保し易い。そして、軸方向に対向する第1短絡部と第2短絡部との絶縁性を確保するために、第1短絡部と第2短絡部との間に絶縁紙等の絶縁体を介在させなくてもよいため、短絡部材が複雑化されることが抑制される。これらのことから、軸方向に並ぶ2つの層(即ち複数の第1短絡部よりなる層及び複数の第2短絡部よりなる層)を有する短絡部材において、簡易な構成で短絡片同士の絶縁性を確保することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の整流子の製造方法において、前記打ち抜き工程では、各前記短絡素材は、前記第1接続部における前記第1短絡部及び前記第2短絡部の並設方向の端面であって前記第2短絡部側の端面と、前記第2接続部における前記第1短絡部及び前記第2短絡部の並設方向の端面であって前記第1短絡部側の端面とが同一平面内に位置するように形成され、前記短絡部材形成工程では、各前記短絡片は、その前記第1接続部が、別の前記短絡片の前記第2接続部と軸方向に並ぶように配置されることをその要旨としている。
同構成によれば、打ち抜き工程では、各短絡素材は、第1接続部における第1短絡部と第2短絡部との並設方向の端面であって第2短絡部側の端面と、第2接続部における第1短絡部と第2短絡部との並設方向の端部であって第1短絡部側の端面とが同一平面内に位置するように形成される。そのため、角度形成工程で形成された各短絡片においては、第1接続部における第2短絡部側の端面と、第2接続部における前記第1短絡部側の端面とが同一平面内に配置される。そして、短絡部材形成工程において複数の短絡片を周方向に並設すると、軸方向に並んだ第1接続部と第2接続部とが互いに対向する軸方向の端面で当接される。従って、軸方向に並ぶ第1接続部と第2接続部とを接続する場合に、第1接続部と第2接続部との接続不良が抑制される。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の製造方法において、前記打ち抜き工程では、各前記短絡素材は、前記第1短絡部と前記第2短絡部とがその長手方向に異なる長さに形成され、前記角度形成工程では、前記短絡素材ごとに、前記第1接続部と前記結合部とのなす第1の離間角度と、前記第2接続部と前記結合部とのなす第2の離間角度とが異なるように前記第1短絡部及び前記第2短絡部が前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲されることをその要旨としている。
同構成によれば、打ち抜き工程において各短絡素材は第1短絡部と第2短絡部とがその長手方向に異なる長さに形成されるため、各短絡素材においては、第1接続部と第2接続部とが第1及び第2短絡部の長手方向にずれることになる。従って、第1接続部と第2接続部とが当接して隣り合うことを避けることができる。即ち、第1接続部と第2接続部とを剪断により分離しなくてもよくすることができるため、第1接続部における第2短絡部側の端面と第2接続部における第1短絡部側の端面とが同一平面内に配置される短絡素材の打ち抜きをより容易に行うことができる。そして、角度形成工程において、短絡素材ごとに、第1接続部と結合部とのなす第1の離間角度と、第2接続部と結合部とのなす第2の離間角度とが異なる角度となるように第1短絡部及び第2短絡部が結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲されることにより、第1接続部及び第2接続部における短絡部材の径方向の中央部からの距離を等しくすることができる。従って、第1接続部と、別の短絡片の第2接続部とを容易に軸方向に並設することができる。
本発明によれば、軸方向に並ぶ2つの層を有する短絡部材であって簡易な構成で短絡片同士の絶縁性が確保される短絡部材を備えた整流子、該整流子を備えた直流モータ及び該整流子の製造方法を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の直流モータの概略構成図である。図1に示すように、直流モータの外郭であるハウジングケース10は、軸方向に3つに分割された第1〜第3のケース11〜13から構成されている。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の直流モータの概略構成図である。図1に示すように、直流モータの外郭であるハウジングケース10は、軸方向に3つに分割された第1〜第3のケース11〜13から構成されている。
図1において最も左側に位置する第1のケース11は、円筒状の第1の支持部11aと、該支持部11aの軸方向の一端(図1において左側の端部)を閉塞する閉塞部11bとから構成され、有底円筒状をなしている。また、第2のケース12は、前記第1の支持部11aと同じ外径及び内径を有する第2の支持部12aと、該第2の支持部12aにおける第1のケース11と反対側の軸方向の端部かから径方向内側に向かって延設された固定部12bとから構成されている。そして、第3のケース13は、前記第2のケース12における固定部12b側の軸方向の端部を閉塞する略円板状をなしている。尚、第1〜第3のケース11〜13は、軸方向に貫通する螺子(図示略)にて互いに連結固定されている。また、第1及び第2のケース11,12の互いに対向する開口部には、第1及び第2の支持部11a,12aの内径を拡径してなる第1及び第2の支持段部11c,12cがそれぞれ形成されている。
第1のケース11及び第2のケース12は、略円環状の電機子21を軸方向の両側から挟持して支持するとともに、該電機子21は、略円環状の電機子コア22に複数の電機子コイル23を巻装して形成されている。電機子コア22は、金属磁性材料よりなり、外周側に設けられた円筒状のヨーク部22aと、該ヨーク部22aの内周面から径方向内側に向かって延びる複数本(本実施形態では36本)のティース22bとから構成されている。尚、図1においては、36本のティース22bのうち2本のみを図示している。この電機子コア22の外径は、前記第1及び第2の支持部11a,12aの内径より大きく、且つ第1及び第2の支持部11a,12aの外径より小さい値とされている。そして、複数の電機子コイル23は、周方向に隣り合うティース22b間の空間を通るように電機子コア22に対して巻回されるとともに、電機子コイル23の巻始め及び巻終わりの端部23aは、電機子コア22の軸方向の一端側(図1において第3のケース13側)に引き出されている。
このような電機子21は、電機子コア22のヨーク部22aの軸方向の両端部が、前記第1のケース11の第1の支持段部11c及び第2のケース12の第2の支持段部12cにそれぞれ係合した状態で第1及び第2のケース11,12にて支持されている。
第2のケース12の固定部12bの径方向内側の先端部には、軸方向と直交する平板状をなす整流子31が固定されている。図2に示すように、整流子31は、周方向に並設された36個のセグメント32と、周方向に離れた位置にあるセグメント32同士を短絡して同電位とする短絡部材33と、36個のセグメント32及び短絡部材33を保持する保持部34とから構成されている。
図3に示すように、各セグメント32は、導電性を有する金属材料よりなり、略台形状の板状をなすセグメント本体32aと、該セグメント本体32aの径方向外側の端部に一体に形成された短絡接続部32bと、該短絡接続部32bに一体に形成された端部接続部32cとから構成されている。
セグメント本体32aは、径方向内側の端部から径方向外側に向かうに連れて周方向の幅が広くなるように形成されている。そして、セグメント本体32aにおいて、短絡接続部32bと反対側の軸方向の一端面(即ち厚さ方向の一端面であって図3において下側の端面。図1参照)は平坦な摺接面32dとされ、摺接面32dと反対側の軸方向の他端面は摺接面32dと平行な平面状をなす配置面32eとされている。
略直方体状の短絡接続部32bは、セグメント本体32aの径方向外側の端部において配置面32e寄りの部位に一体に形成され、配置面32eよりも摺接面32dと反対側に突出している。そして、短絡接続部32bには、摺接面32dと反対側(即ち図3において上側)及び径方向内側の2方向に開口する接続溝32fが形成されている。接続溝32fは、軸方向から見ると径方向に沿って延びており(図2参照)、径方向から見ると軸方向に沿って延びている。また、接続溝32fは軸方向に沿って配置面32eまでは達しておらず、接続溝32fの軸方向の底面と配置面32eとの間には段差が形成されている。
前記端部接続部32cは、短絡接続部32bにおける摺接面32dと反対側の軸方向の端面において、接続溝32fよりも径方向外側となる位置に一体に形成されている。端部接続部32cは、径方向から見た形状が短絡接続部32bと反対側に開口するコ字状をなしており、軸方向に延びる一対の接続爪32gを備えている。
それぞれ上記のように構成された36個のセグメント32は、隣り合うセグメント32同士が離間するように周方向に並設されている。並設された36個のセグメント32においては、摺接面32dが同一平面内に配置され、36個のセグメント32の短絡接続部32bが円状に配置されている。
図5(a)に示すように、前記短絡部材33は、周方向に並設された36個の短絡片35から構成されている。
図5(b)に示すように、各短絡片35は、平板状の結合部35aと、該結合部35aから延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35cと、第1短絡部35b及び第2短絡部35cの先端部にそれぞれ設けられる第1接続部35d及び第2接続部35eとが一体に形成されてなり、一枚の板材から形成されている。尚、本実施形態の短絡片35は銅板から形成されている。
図5(b)に示すように、各短絡片35は、平板状の結合部35aと、該結合部35aから延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35cと、第1短絡部35b及び第2短絡部35cの先端部にそれぞれ設けられる第1接続部35d及び第2接続部35eとが一体に形成されてなり、一枚の板材から形成されている。尚、本実施形態の短絡片35は銅板から形成されている。
各短絡片35において、結合部35aは、長方形の平板状をなしている。そして、結合部35aの外周の1辺から、帯状の第1短絡部35b及び第2短絡部35cが延びるとともに、第1短絡部35bの先端部に四角形の板状をなす第1接続部35dが一体に形成され、第2接続部35eの先端部に第1接続部35dと同様の四角形の板状をなす第2接続部35eが一体に形成されている。第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、結合部35aの外周の一辺において該短絡部35b,35cの幅方向(図5(b)において上下方向)に並んでいる。
各短絡片35において、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、その基端部において結合部35aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲されている。図5(b)においては、結合部35aに対して、第1短絡部35bは時計方向側に向けて屈曲され、第2短絡部35cは反時計方向側に向けて屈曲されている。また、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、長手方向に湾曲(即ち短絡部の長手方向の両端部が互いに近づくように湾曲)されるとともに、各短絡片35における第1短絡部35bと第2短絡部35cとは、湾曲によって厚さ方向に膨らむ方向が互いに逆方向となっている。
そして、各短絡片35において、第1短絡部35bの厚さ方向と直交する方向及び第2短絡部35cの厚さ方向と直交する方向は、結合部35aの厚さ方向と直交する方向(図5(b)において矢印α方向)と平行をなす。更に、第1接続部35dの厚さ方向と直交する方向は、結合部35aの厚さ方向と直交する方向(図5(b)において矢印α方向)と平行をなし、同様に、第2接続部35eの厚さ方向と直交する方向は、結合部35aの厚さ方向と直交する方向と平行をなしている。言い換えると、第1短絡部35bの幅方向(即ち第1短絡部35bの長手方向と直交する方向であって同第1短絡部35bの短手方向)及び第2短絡部35cの幅方向(即ち第2短絡部35cの長手方向と直交する方向であって同第2短絡部35cの短手方向)は、結合部35aの厚さ方向と直交する方向(図5(b)において矢印α方向)と平行をなす。
また、各短絡片35において、第1接続部35dは、第1短絡部35bの結合部35aに対する屈曲と逆向きに同じ角度だけ第1短絡部35bに対して屈曲されている。同様に、第2接続部35eは、第2短絡部35cの結合部35aに対する屈曲と逆向きに同じ角度だけ第2短絡部35cに対して屈曲されている。
本実施形態では、上記のように、第1短絡部35bの両端部を結合部35a及び第1接続部35dに対して屈曲するとともに、第2短絡部35cの両端部を結合部35a及び第2接続部35eに対して屈曲し、更に第1短絡部35b及び第2短絡部35cを長手方向に湾曲させることにより、第1接続部35dと結合部35aとのなす第1の離間角度θ1を45°とするとともに、第2接続部35eと結合部35aとのなす第2の離間角度θ2を45°としている。即ち、第1接続部35dと第2接続部35eとは周方向に90°離間されている。そして、各短絡片35は、矢印α方向から見ると(即ち軸方向から見ると)、結合部35aの厚さ方向の両側で第1短絡部35b及び第1接続部35dと第2短絡部35c及び第2接続部35eとが対称形状をなしている(図2参照)。
また、各短絡片35において、第1短絡部35bには、第2短絡部35c側の幅方向の端部に幅方向に凹んだ第1離間凹部35fが形成されている。第1離間凹部35fは、第1短絡部35bにおける結合部35a側の基端から先端(即ち第1短絡部35bと第1接続部35dとの境界部分)までの範囲に亘って形成されている。同様に、第2短絡部35cには、第1短絡部35b側の幅方向の端部に幅方向に凹んだ第2離間凹部35gが形成されている。第2離間凹部35gは、第2短絡部35cの結合部35a側の基端から先端(即ち第2短絡部35cと第2接続部35eとの境界部分)までの範囲に亘って形成されている。
上記のような各短絡片35は、図6に示すように、長手方向の一端部に第1接続部35d及び第2接続部35eをそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35cが長手方向の他端部で結合部35aにて結合されるとともに第1短絡部35b及び第2短絡部35c間に隙間35hを有する形状に銅板を厚さ方向に打ち抜いて形成された1枚の平板よりなる短絡素材41から形成されており、各短絡素材41の第1短絡部35b及び第2短絡部35cを結合部35aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲して形成されている。尚、短絡素材41においては、第1接続部35d及び第2接続部35eは、打ち抜きの容易性を考慮して第1及び第2短絡部35b,35cの幅方向に僅かな隙間35kが設けられている。また、短絡素材41においては、第1及び第2離間凹部35f,35gによって隙間35hが形成されるため、第1及び第2短絡部35b,35cはその幅方向に離間されている。
図2及び図5(a)に示すように、短絡部材33を構成する36個の短絡片35は、それぞれの結合部35aが内周側で該結合部35aの厚さ方向と周方向が一致するように周方向に等角度間隔に並ぶように且つ周方向に隣り合う結合部35a同士が離間するように周方向に等角度間隔に配置されている。更に、36個の短絡片35は、36個の第1短絡部35bが周方向に等角度間隔に並設されるように、且つ、36個の第2短絡部35cが周方向に等角度間隔に並設されるように配置されている。尚、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、その幅方向であって厚さ方向と直交する方向が軸方向と一致する。そして、短絡部材33は、軸方向の一端側に36個の第1短絡部35bが配置され、軸方向の他端側に36個の第2短絡部35cが配置されることにより、第1短絡部35bの層と第2短絡部35cの層とを有する2層構造となっている。
また、短絡部材33においては、第1接続部35d及び第2接続部35eは、短絡部材33の径方向の中央からの距離(径方向の距離)が等しく、短絡部材33における軸方向の一端側で36個の第1接続部35dが周方向に等角度間隔に配置されるとともに、軸方向の他端側で36個の第2接続部35eが周方向に等角度間隔に配置されている。
更に、短絡部材33においては、周方向に隣り合う第1短絡部35b同士、及び周方向に隣り合う第2短絡部35c同士は、互いに離間して非接触となっている。また、第1接続部35dは、該第1接続部35dを有する短絡片35から90°離れた位置にある短絡片35の第2接続部35eと軸方向に並んでおり、軸方向に並ぶこの第1接続部35dと第2接続部35eとが互いに接続可能となっている。そして、第1短絡部35b及び第2短絡部35cにそれぞれ形成された第1離間凹部35f及び第2離間凹部35gによって、軸方向に対向する第1短絡部35bと第2短絡部35cとは軸方向に互いに離間されており、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの接触による短絡が抑制されている。
図2及び図7に示すように、短絡部材33は、36個のセグメント32に対して、軸方向に並んだ第1接続部35d及び第2接続部35eがそれぞれ接続溝32f内に挿入されるように配置されている。尚、接続溝32fの軸方向の底面は、セグメント32における配置面32eとの間に段差を有するため、短絡部材33と配置面32eとは非接触となっている。また、短絡部材33は、セグメント32における径方向内側の端部よりも径方向内側に突出している。
接続溝32f内に配置された第1接続部35d及び第2接続部35eは、溶接により短絡接続部32bに接続、即ちセグメント32に電気的に接続されている。これにより、90°離れた位置にあるセグメント32同士が短絡部材33を介して短絡されて同電位とされる。図2を参照して、短絡部材33によるセグメント32同士の接続について詳述すると、図2において上側中央に位置するセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部35dから、第1短絡部35b(一点鎖線参照)、結合部35a及び第2短絡部35c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図2において左中央のセグメント32)と短絡されている。同様に、左中央にあるセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部35dから、第1短絡部35b(一点鎖線参照)、結合部35a及び第2短絡部35c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図2において下側中央のセグメント32)と短絡されている。また同様に、下側中央にあるセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部35dから、第1短絡部35b(一点鎖線参照)、結合部35a及び第2短絡部35c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図2において右中央のセグメント32)と短絡されている。また同様に、右中央にあるセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部35dから、第1短絡部35b(一点鎖線参照)、結合部35a及び第2短絡部35c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図2において上側中央のセグメント32)と短絡されている。このように、90°間隔に配置された4個のセグメント32が互いに短絡部材33によって短絡されている。
図1,図2及び図4に示すように、周方向に並設された36個のセグメント32及びこれらセグメント32に対して配置された短絡部材33は、前記保持部34によって埋設されて保持されている。保持部34は、絶縁性を有する樹脂材料よりなり、セグメント32における摺接面32dの裏側で、摺接面32d及び端部接続部32cをその外部に露出させてセグメント32を保持するとともに、摺接面32dと反対側の端部において短絡部材33の全体を埋設している。また、保持部34は、セグメント32よりも径方向外側に突出するとともに、36個のセグメント32に対して配置された短絡部材33よりも径方向内側に突出している。そして、保持部34を構成する絶縁性の樹脂材料は、周方向に隣り合うセグメント32間、セグメント32と短絡部材33との軸方向の隙間、周方向に隣り合う結合部35a間、周方向に隣り合う第1短絡部35b間、周方向に隣り合う第2短絡部35c間、並びに軸方向に対向する第1短絡部35b及び第2短絡部35c間に充填され、それぞれを絶縁している。
図1に示すように、上記のように構成された整流子31は、前記第2のケース12の固定部12bの径方向内側の先端部に、保持部34の外周縁(即ち保持部34においてセグメント32よりも径方向外側に突出した部位)が固定されることにより、第2のケース12に対して固定されている。そして、第2のケース12に固定された整流子31は、第3のケース13と電機子コア22との間で第3のケース13と隣接して配置されている。更に、第2のケース12に固定された整流子31は、該整流子31における短絡部材33を保持した保持部34側の端部(即ち摺接面32dと反対側の端部)が第3のケース13と軸方向に対向して近接するとともに、同整流子31におけるセグメント32の摺接面32d側の端部が電機子21側を向いている。また、整流子31の摺接面32d側の軸方向の端面における径方向外側の周縁部は、電機子21と軸方向に対向するとともに、同整流子31の内周面は、後述の回転軸52と径方向に隣接する。
第2のケース12に固定された整流子31のセグメント32のうち、18個のセグメント32には、電機子コイル23の端部23aが接続されている。図8に示すように、36個のセグメント32に順にセグメント番号「1」〜「36」を付すと、セグメント番号「4」,「5」の周方向に隣り合うセグメント32にそれぞれ電機子コイル23の端部23aが接続され、セグメント番号「6」,「7」の周方向に隣り合うセグメント32には電機子コイル23の端部23aは直接接続されない。そして、セグメント番号「8」,「9」の周方向に隣り合うセグメント32にそれぞれ電機子コイル23の端部23aが接続され、セグメント番号「10」,「11」の周方向に隣り合うセグメント32には電機子コイル23の端部23aは直接接続されない。同様に、セグメント番号「12」,「13」,「16」,「17」,「20」,「21」,「24」,「25」,「28」,「29」,「32」,「33」,「36」,「1」のセグメント32には電機子コイル23の端部23aが溶接等により接続され、残りのセグメント番号「14」,「15」,「18」,「19」,「22」,「23」,「26」,「27」,「30」,「31」,「34」,「35」,「2」,「3」のセグメント32には、電機子コイル23の端部23aは直接接続されない。
尚、図1に示すように、電機子コイル23の端部23aは、第2のケース12の固定部12bに設けられた貫通孔12dを通って、整流子31における第3のケース13側の端部まで引き出され、対応するセグメント32に接続される。電機子コイル23の端部23aは、対応するセグメント32の端部接続部32cの一対の接続爪32g(図4参照)にてかしめられた後に溶接が施されることにより同セグメント32に電気的に接続される。
電機子21の内側には、回転子51が周方向に回転可能に配置されている。この回転子51は、直流モータの径方向の中央部に配置される回転軸52と、該回転軸52に固定されたロータコア53と、該ロータコア53の外周面に固着された複数のマグネット(界磁)54とを備えている。
円柱状の回転軸52は、前記第1のケース11の径方向の中央部に設けられた軸受55aと、前記第3のケース13の径方向の中央部に設けられ前記軸受55aと対をなす軸受55bとによって、軸方向の両端部が軸支されている。また、回転軸52は、前記整流子31の径方向の中央部を貫通するとともに、該回転軸52の外周面と整流子31の内周面とが近接している。即ち、整流子31の内径は、回転軸52の外径よりも僅かに大きな値に設定されている。そして、回転軸52の軸方向の中央部にロータコア53が固定されている。
ロータコア53は、軸方向から見た形状が正八角形状をなす略筒状をなしている。そして、ロータコア53の径方向の中央部には、該ロータコア53を軸方向に貫通する固定孔53aが形成されるとともに、ロータコア53は、該固定孔53a内に前記回転軸52が圧入されることにより同回転軸52に一体回転可能に固定されている。また、ロータコア53の外周面を構成する8つの平面には、板状のマグネット54がそれぞれ固着されるとともに、8個のマグネット54は、N極とS極とが周方向に交互となるようにロータコア53に対して配置されている。尚、図1には、8個のマグネット54のうち2つのみを図示している。これらのマグネット54は、それぞれ電機子21と径方向に対向している。
ロータコア53における整流子31と反対側の軸方向の端部には、軸方向に凹む配置凹部53bが凹設されるとともに、該配置凹部53bには、絶縁性の樹脂材料よりなるスリップリングホルダ56が収容固定されている。スリップリングホルダ56は、平板状をなすとともに、該スリップリングホルダ56における配置凹部53bの開口部側の端部に一対のスリップリング57,58を保持している。対をなすスリップリング57,58は、導電性の金属材料にて形成されてそれぞれ円環状をなすとともに、回転軸52を中心として同心状に配置されている。尚、本実施形態においては、内周側のスリップリング57は陽極側のスリップリングとされ、外周側のスリップリング58は陰極側のスリップリングとされている。
また、ロータコア53には、周方向に等角度間隔となる8箇所に収容孔53cが形成されている。図1においては、8個の収容孔53cのうち2つのみを図示している。収容孔53cは、8個のマグネット54の周方向位置に対応して形成されるとともに、ロータコア53を軸方向に貫通している。
前記回転軸52には、整流子31の摺接面32dと軸方向に対向するように整流ブラシホルダ61が固定されている。整流ブラシホルダ61は、絶縁性の樹脂材料よりなり、円環状のブラシ保持部61aと、ブラシ保持部61aから軸方向に沿って整流子31と反対側に延びる8個の挿入部61bとから構成されている。尚、図1には、8個の挿入部61bのうち2つのみを図示している。
ブラシ保持部61aは、ロータコア53と整流子31との間でロータコア53の整流子31側の軸方向の端面に当接して配置されている。このブラシ保持部61aは、円環状の板状をなすとともに、その外径は、ロータコア53の外径より大きく且つマグネット54を含むロータコア53の外径より小さく形成されている。また、ブラシ保持部61aの径方向の中央部を回転軸52が貫通している。そして、ブラシ保持部61aのロータコア53側の軸方向の端面から、軸方向に沿って前記挿入部61bが延びている。
8個の挿入部61bは、ロータコア53に形成された8個の収容孔53cに対応して形成されている。即ち、8個の挿入部61bは、ブラシ保持部61aにおいて周方向に等角度間隔となる8箇所に形成されるとともに、回転軸52からの径方向の距離が収容孔53cの回転軸52からの径方向の距離と等しくなっている。また、各挿入部61bの軸方向の長さは、収容孔53cの軸方向の長さよりも若干短く形成されている。そして、整流ブラシホルダ61は、8個の挿入部61bが、ロータコア53の8個の収容孔53c内にそれぞれ配置された状態でロータコア53に対して配置されており、ロータコア53と共に回転軸52と一体回転される。
整流ブラシホルダ61には、ブラシ保持部61aの整流子31側の軸方向の端面(即ちロータコア53と反対側の軸方向の端面)から挿入部61b側に凹設された8個のブラシ保持凹部61cが形成されている。8個のブラシ保持凹部61cは、挿入部61bに対応して周方向に等角度間隔に形成されるとともに、各ブラシ保持凹部61cは、その開口部から底部に向かうに連れて回転軸52からの径方向の距離が短くなるように回転軸52に対して傾斜している。このように径方向に沿って傾斜した各ブラシ保持凹部61cは、その凹設方向とロータコア53の周方向とが直交している。
また、各挿入部61bには、ブラシ保持凹部61cの底部から挿入部61bの先端側に向かって凹設されたばね収容凹部61dが形成されている。ばね収容凹部61dは、その開口部側の部位が、ブラシ保持凹部61cと同様に、開口部から底部に向かうに連れて回転軸52からの径方向の距離が短くなるように回転軸52に対して傾斜するとともに、その底部側の部位は軸方向に沿って凹設されている。
そして、各ばね収容凹部61dには、第1の圧縮コイルばね62が収容されるとともに、各ブラシ保持凹部61cには、整流ブラシ63が収容されている。整流ブラシ63は、四角柱状をなし、その側面がブラシ保持凹部61cの内周面に当接している。そして、8個の整流ブラシ63は、ブラシ保持凹部61cにそれぞれ収容されることにより、8個のマグネット54の内側で各マグネット54の周方向の中央部にそれぞれ対応して配置される。更に、各整流ブラシ63は、ブラシ保持凹部61cに収容されることにより、その中心軸線L1が回転軸52に対して傾斜、即ち、整流子31側の先端から第1の圧縮コイルばね62側の後端部に向かうに連れて中心軸線L1が回転軸52に近づくように傾斜している。そして、各整流ブラシ63は、整流子31の摺接面32dに対して中心軸線L1が傾斜した状態でその整流子31側の端部が同摺接面32dに接触する。また、各整流ブラシ63は、第1の圧縮コイルばね62によって整流子31側に付勢されて整流子31に対して凹圧されるとともに、当該第1の圧縮コイルばね62の付勢力によって、ブラシ保持凹部61cの凹設方向に沿って移動可能である。
ブラシ保持凹部61cに収容された8個の整流ブラシ63のうち、周方向に一つ置きの4個の整流ブラシ63は、陽極側の整流ブラシとして内周側のスリップリング57に接続される。そして、残りの4個の整流ブラシ63は、陰極側の整流ブラシとして外周側のスリップリング57に接続される。整流ブラシ63とスリップリング57,58とは、各スリップリング57,58から、各挿入部61bにおける前記ばね収容凹部61dよりも内周側の部位を通ってブラシ保持凹部61c内の整流ブラシ63まで延びるリード線64にて電気的に接続されている。
前記第1のケース11の閉塞部11bの内側面には、絶縁性の樹脂材料よりなる給電ブラシホルダ71が固定されている。給電ブラシホルダ71は、回転軸52の外周を囲む円環状をなすとともに、ロータコア53側の軸方向の端部が、ロータコア53側に向かうに連れて縮径された円錐台形状をなしている。尚、給電ブラシホルダ71の内径は、回転軸52の外径よりも若干大きく形成されており、回転軸52の回転を許容する。
また、給電ブラシホルダ71には、ロータコア53側の軸方向の端面に開口部を有し閉塞部11b側に向かって凹設された複数対の保持凹部71aが形成されている。対をなす保持凹部71a同士は、周方向に(45×n)°の間隔を空けて形成されている。尚、「n」は正の奇数である。尚、図1には、複数対の保持凹部71aのうち、一対の保持凹部71aのみを図示している。また、各保持凹部71aは、開口部から底部に向かうに連れて径方向外側に向かうように傾斜している。
そして、対をなす保持凹部71aのうち、一方の保持凹部71a(図1において下側の保持凹部71a)には、陽極側の給電ブラシ73が挿入されるとともに、該給電ブラシ73は、保持凹部71aの底部側に配置された第2の圧縮コイルばね72によって開口部側に付勢され、陽極側のスリップリング57に摺動可能に凹圧接触される。そして、他方の保持凹部71a(図1において上側の保持凹部71a)には、陰極側の給電ブラシ73が挿入されるとともに、該給電ブラシ73は、保持凹部71aの底部側に配置された第2の圧縮コイルばね72によって開口部側に付勢され、陰極側のスリップリング58に摺動可能に押圧接触される。尚、各給電ブラシ73は、保持凹部71aに挿入されたことにより、スリップリング57,58に対して傾斜して接触する。また、各給電ブラシ73には、給電ブラシホルダ71を通って外部の電源装置(図示略)まで延びる給電線74が接続されている。
上記のように構成された直流モータでは、外部の電源装置から給電線74を介して給電ブラシ73に供給された電流は、スリップリング57,58を介して整流ブラシ63に供給され、更に、整流ブラシ63が接触したセグメント32から直接又は短絡部材33を通って電機子コイル23に供給される。すると、電機子21にて磁界が発生し、該磁界に応じて回転子51が回転する。回転子51の回転に伴って、整流ブラシ63を保持した整流ブラシホルダ61が回転するため、整流子31において、整流ブラシ63が接触されるセグメント32が順次切り替わり、それによって順次電機子コイル23の整流が行われ、回転子51が連続的に回転される。
尚、本実施形態の整流子31は以下のように製造される。
まず、打ち抜き工程が行われ、図6に示すように、短絡片35となる短絡素材41が、銅板(図示略)を打ち抜いて複数形成される。短絡素材41は、長手方向の一端部に第1接続部35d及び第2接続部35eをそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35cが長手方向の他端部で結合部35aにて結合されるとともに第1短絡部35b及び第2短絡部35c間に隙間35hを有する形状に銅板を厚さ方向に打ち抜いて形成され、1枚の平板状をなす。そして、短絡素材41は、厚さ方向から見た形状がコ字状をなしている。尚、隙間35hは、第1短絡部35bにおける第2短絡部35c側の幅方向の端部と、第2短絡部35cにおける第1短絡部35b側の幅方向の端部とにそれぞれ第1離間凹部35f及び第2離間凹部35gが形成されたことによるものである。また、第1接続部35dと第2接続部35eとの間には、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間の隙間35hよりも幅の狭い隙間35kが形成されている。そして、短絡素材41は、その厚さ方向から見ると、第1短絡部35b側と第2短絡部35c側とが対称に形成されている。
まず、打ち抜き工程が行われ、図6に示すように、短絡片35となる短絡素材41が、銅板(図示略)を打ち抜いて複数形成される。短絡素材41は、長手方向の一端部に第1接続部35d及び第2接続部35eをそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35cが長手方向の他端部で結合部35aにて結合されるとともに第1短絡部35b及び第2短絡部35c間に隙間35hを有する形状に銅板を厚さ方向に打ち抜いて形成され、1枚の平板状をなす。そして、短絡素材41は、厚さ方向から見た形状がコ字状をなしている。尚、隙間35hは、第1短絡部35bにおける第2短絡部35c側の幅方向の端部と、第2短絡部35cにおける第1短絡部35b側の幅方向の端部とにそれぞれ第1離間凹部35f及び第2離間凹部35gが形成されたことによるものである。また、第1接続部35dと第2接続部35eとの間には、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間の隙間35hよりも幅の狭い隙間35kが形成されている。そして、短絡素材41は、その厚さ方向から見ると、第1短絡部35b側と第2短絡部35c側とが対称に形成されている。
次に、角度形成工程が行われ、平板状の短絡素材41の複数個所が屈曲及び湾曲されて短絡片35が形成される。角度形成工程では、図5(b)及び図6に示すように、各短絡素材41において、第1短絡部35b及び第2短絡部35cが結合部35aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲される。この時、各短絡素材41において、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、第1短絡部35bの幅方向(即ち第1短絡部35bの長手方向と直交する方向であって同第1短絡部35bの短手方向)と、第2短絡部35cの幅方向(即ち第2短絡部35cの長手方向と直交する方向であって同第2短絡部35cの短手方向)とが平行な状態を維持したまま結合部35aに対して屈曲されている。尚、図5(b)においては、第1短絡部35bの幅方向及び第2短絡部35cの幅方向は、矢印α方向と同じである。更に、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、それぞれ長手方向の両端部が近づくように円弧状に湾曲される。また更に、第1接続部35dが、第1短絡部35bに対して、第1短絡部35bの結合部35aに対する屈曲角度と同じ角度だけ、第1短絡部35bの結合部35aに対する屈曲方向と反対方向に屈曲されるとともに、第2接続部35eが、第2短絡部35cに対して、第2短絡部35cの結合部35aに対する屈曲角度と同じ角度だけ、第2短絡部35cの結合部35aに対する屈曲方向と反対方向に屈曲される。尚、各短絡素材41における湾曲及び屈曲は、どの順序で行ってもよい。
このように、角度形成工程において短絡素材41を屈曲及び湾曲して形成された短絡片35においては、第1接続部35d及び第2接続部35eは、それぞれ結合部35aとの間に45°の角度(即ち第1及び第2の離間角度θ1,θ2)を形成し、その結果、第1接続部35dと第2接続部35eとは互いの間に90°の角度を形成する。即ち、短絡素材41は、角度形成行程において、第1接続部35dと第2接続部35eとのなす角度が、短絡片35によって短絡するセグメント32間の角度(本実施形態では90°)と等しくなるように屈曲及び湾曲される。
次に、短絡部材形成工程が行われ、36個の短絡片35から短絡部材33が形成される。図5(a)に示すように、36個の短絡片35は、36個の結合部35aが、各結合部35aの厚さ方向が周方向に一致するように周方向に離間して並設される。また、36個の短絡片35は、周方向に離間して複数の第1短絡部35bが並設されるとともに、周方向に離間して複数の第2短絡部35cが並設されるように周方向に並設される。そして、第1接続部35dは、別の短絡片35の第2接続部35eと軸方向に並ぶ。こうして、36個の短絡片35からなる短絡部材33が形成される。尚、36個の短絡片35は、周方向に並設された後に、軸方向に並ぶ第1接続部35d及び第2接続部35eが溶接により接続される。
次に、セグメント接続工程が行われ、周方向に並設された36個のセグメント32に対して短絡部材33が配置されて接続される。短絡部材33は、各セグメント32の径方向外側の接続溝32fに、軸方向に並ぶ第1接続部35d及び第2接続部35eがそれぞれ挿入されることにより36個のセグメント32に対して配置される。その後、各短絡接続部32bに溶接が施されてセグメント32と短絡部材33とが電機的に接続される。
次に、保持部形成工程が行われ、図2及び図4に示すように、36個のセグメント32及び短絡部材33を保持する保持部34が形成される。この保持部形成工程では、短絡部材33が接続された36個のセグメント32が、保持部34を形成するための成形型(図示略)の内部に配置される。その後、成形型の内部に溶融した絶縁性の樹脂材料が充填される。この時、樹脂材料は、短絡部材33の軸方向(即ち第1及び第2短絡部35b,35cの幅方向)に沿って成形型の内部に充填される。これにより、平板状の短絡素材41を屈曲及び湾曲して形成された各短絡片35が、樹脂材料を充填する際の充填圧力によって変形されることを抑制できる。そして、成形型内の樹脂材料が固化されて保持部34が形成され、整流子31が完成する。完成した整流子31は、成形型から取り出される。
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)各短絡片35は、平行に延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35cの長手方向の他端部を結合部35aにて結合した形状の1枚の平板よりなる短絡素材41を厚さ方向に屈曲及び湾曲して形成されており簡易な形状である。そして、36個の短絡片35は、36個の結合部35aがその厚さ方向と周方向とが一致するとともに周方向に離間して並設されるため、36個の第1短絡部35bはその厚さ方向と周方向とが一致するように並設されるとともに、36個の第2短絡部はその厚さ方向と周方向とが一致するように並設される。従って、周方向に隣り合う短絡片35同士を離間させやすく、短絡片35同士の絶縁性を確保し易くなる。また、短絡素材41においては第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間に隙間35hが形成されているため、周方向に複数並設された第1短絡部35bと周方向に複数並設された第2短絡部35cとの2層構造である短絡部材33においては、軸方向に対向する第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間に隙間が形成され、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの絶縁性が確保される。更に、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、厚さ方向が周方向と一致するように配置されており、変形し難い幅方向(即ち短絡部35b,35cの延びる方向と直交し且つ短絡部35b,35cの厚さ方向と直交する方向)が、第1短絡部35bと第2短絡部35cとが対向する軸方向と一致する。よって、第1短絡部35b及び第2短絡部35cの変形によって両短絡部35b,35cが接触することが抑制されるため、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの絶縁性をより確保し易い。そして、軸方向に対向する第1短絡部35bと第2短絡部35cとの絶縁性を確保するために、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間に絶縁紙等の絶縁体を介在させなくてもよいため、短絡部材33が複雑化されることが抑制される。これらのことから、軸方向に並ぶ2つの層(即ち36個の第1短絡部35bよりなる層及び36個の第2短絡部35cよりなる層)を有する短絡部材33において、簡易な構成で短絡片35同士の絶縁性を確保することができる。そして、直流モータは、短絡片35同士の絶縁が確保された短絡部材33を有する整流子31を備えることにより、その信頼性が向上される。
(1)各短絡片35は、平行に延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35cの長手方向の他端部を結合部35aにて結合した形状の1枚の平板よりなる短絡素材41を厚さ方向に屈曲及び湾曲して形成されており簡易な形状である。そして、36個の短絡片35は、36個の結合部35aがその厚さ方向と周方向とが一致するとともに周方向に離間して並設されるため、36個の第1短絡部35bはその厚さ方向と周方向とが一致するように並設されるとともに、36個の第2短絡部はその厚さ方向と周方向とが一致するように並設される。従って、周方向に隣り合う短絡片35同士を離間させやすく、短絡片35同士の絶縁性を確保し易くなる。また、短絡素材41においては第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間に隙間35hが形成されているため、周方向に複数並設された第1短絡部35bと周方向に複数並設された第2短絡部35cとの2層構造である短絡部材33においては、軸方向に対向する第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間に隙間が形成され、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの絶縁性が確保される。更に、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、厚さ方向が周方向と一致するように配置されており、変形し難い幅方向(即ち短絡部35b,35cの延びる方向と直交し且つ短絡部35b,35cの厚さ方向と直交する方向)が、第1短絡部35bと第2短絡部35cとが対向する軸方向と一致する。よって、第1短絡部35b及び第2短絡部35cの変形によって両短絡部35b,35cが接触することが抑制されるため、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの絶縁性をより確保し易い。そして、軸方向に対向する第1短絡部35bと第2短絡部35cとの絶縁性を確保するために、第1短絡部35bと第2短絡部35cとの間に絶縁紙等の絶縁体を介在させなくてもよいため、短絡部材33が複雑化されることが抑制される。これらのことから、軸方向に並ぶ2つの層(即ち36個の第1短絡部35bよりなる層及び36個の第2短絡部35cよりなる層)を有する短絡部材33において、簡易な構成で短絡片35同士の絶縁性を確保することができる。そして、直流モータは、短絡片35同士の絶縁が確保された短絡部材33を有する整流子31を備えることにより、その信頼性が向上される。
(2)短絡素材41は、厚さ方向から見た形状がコ字状をなす平板であるとともに、平行に延びる第1短絡部35b及び第2短絡部35c間の隙間35hは幅が狭いため、従来のように周方向に並ぶ複数の短絡片が形成されるように銅板等の導電性の板材を厚さ方向に打ち抜いて形成した短絡構成部材群を積層して短絡部材を形成する場合に比べて、短絡部材33の歩留を向上させることができる。
(3)複数の短絡素材41は、短絡部材33を構成すべく周方向に並設された状態で打ち抜かれるものではないため、第1短絡部35b及び第2短絡部35cの幅(第1短絡部35bと第2短絡部35cとが並ぶ方向の幅)を容易に変更することができる。従って、整流子31の外径を変更することなく、第1短絡部35b及び第2短絡部35cにおける電流が流れる方向と直交する断面の面積を大きくすることができる。よって、容易に大電流に対応可能な整流子31とすることができる。
(4)各短絡片35は、第1短絡部35bと第2短絡部35cとが長手方向の片側端部で結合部35aによって結合された形状をなすため、径方向内側で第1短絡部35bと第2短絡部35cとを溶接により接合する手間が省かれる。従って、整流子31の生産性が向上される。
(5)36個のセグメント32は、摺接面32d及び端部接続部32cが露出するように、摺接面32d及び端部接続部32c以外の部位が保持部34にて埋設されて保持されるとともに、保持部34内には短絡部材33が埋設されている。従って、短絡部材33を埋設した保持部34によって整流子31の剛性が高くなり、該整流子31が撓むことが抑制される。
(6)短絡部材33は、絶縁性の樹脂材料よりなる保持部34にて埋設されて保持されているため、周方向に隣り合う短絡片35間に保持部34を構成する絶縁性の樹脂材料が介在されるとともに、変形し難くなる。従って、保持部34によって周方向に隣り合う短絡片35同士の短絡が抑制される。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は、本第2実施形態の整流子81の断面図を示す。この整流子81は、上記第1実施形態の整流子31に代えて直流モータに備えられるものである。整流子81は、周方向に並設された36個のセグメント32と、周方向に離れた位置にあるセグメント32同士を短絡して同電位とする短絡部材82と、36個のセグメント32及び短絡部材82を保持する保持部34とから構成されている。即ち、本実施形態の整流子81は、上記第1実施形態の整流子31と比較すると、短絡部材の構成が異なる。
図10(a)に示すように、短絡部材82は、周方向に並設された36個の短絡片83から構成されている。
図10(b)に示すように、各短絡片83は、平板状の結合部83aと、該結合部83aから延びる第1短絡部83b及び第2短絡部83cと、第1短絡部83b及び第2短絡部83cの先端部にそれぞれ設けられる第1接続部83d及び第2接続部83eとが一体に形成されてなり、一枚の板材から形成されている。尚、本実施形態の短絡片83は銅板から形成されている。
図10(b)に示すように、各短絡片83は、平板状の結合部83aと、該結合部83aから延びる第1短絡部83b及び第2短絡部83cと、第1短絡部83b及び第2短絡部83cの先端部にそれぞれ設けられる第1接続部83d及び第2接続部83eとが一体に形成されてなり、一枚の板材から形成されている。尚、本実施形態の短絡片83は銅板から形成されている。
各短絡片83において、結合部83aは、上記第1実施形態の結合部35aと同様に長方形の平板状をなしている。そして、結合部83aの外周の1辺から、帯状の第1短絡部83b及び第2短絡部83cが延びるとともに、第1短絡部83bの先端部に四角形の板状をなす第1接続部83dが一体に形成され、第2接続部83eの先端部に第1接続部83dと同様の四角形の板状をなす第2接続部83eが一体に形成されている。
第1短絡部83b及び第2短絡部83cは、結合部83aの外周の一辺において該短絡部83b,83cの幅方向(図10(b)において上下方向)に並ぶとともに、第2短絡部83cは、結合部83a側の基端から先端に向かう方向(即ち長手方向)の長さが第1短絡部83bよりも長く形成されている。本実施形態では、第2短絡部83cと第1短絡部83bの長手方向の長さの差は、第1接続部83dの長さ(即ち第1及び第2短絡部83b,83cの延設方向に沿った長さ)よりも大きい。
各短絡片83において、第1短絡部83b及び第2短絡部83cは、その基端部において結合部83aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲されている。図10(b)においては、結合部83aに対して、第1短絡部83bは時計方向側に向けて屈曲され、第2短絡部83cは反時計方向側に向けて屈曲されている。また、第1短絡部83b及び第2短絡部83cは、長手方向に湾曲(即ち短絡部の長手方向の両端部が互いに近づくように湾曲)されるとともに、各短絡片83における第1短絡部83bと第2短絡部83cとは、湾曲によって厚さ方向に膨らむ方向が互いに逆方向となっている。
また、各短絡片83においては、第1短絡部83bの厚さ方向と直交する方向及び第2短絡部83cの厚さ方向と直交する方向は、結合部83aの厚さ方向と直交する方向(図10(b)において矢印β方向)と平行をなす。更に、第1接続部83dの厚さ方向と直交する方向は、結合部83aの厚さ方向と直交する方向(図10(b)において矢印β方向)と平行をなし、同様に、第2接続部83eの厚さ方向と直交する方向は、結合部83aの厚さ方向と直交する方向と平行をなしている。言い換えると、第1短絡部83bの幅方向(即ち第1短絡部83bの長手方向と直交する方向であって同第1短絡部83bの短手方向)及び第2短絡部83cの幅方向(即ち第2短絡部83cの長手方向と直交する方向であって同第2短絡部83cの短手方向)は、結合部83aの厚さ方向と直交する方向(図5(b)において矢印α方向)と平行をなす。
また、各短絡片83において、第1接続部83dは、第1短絡部83bの結合部83aに対する屈曲と逆向きに同じ角度だけ第1短絡部83bに対して屈曲されている。同様に、第2接続部83eは、第2短絡部83cの結合部83aに対する屈曲と逆向きに同じ角度だけ第2短絡部83cに対して屈曲されている。更に、各短絡片83において、第1接続部83dにおける第2短絡部83c側の端面(即ち第1接続部83dにおける第1短絡部83bの幅方向の両端面のうち第2短絡部83c側の端面であって、図10(b)において下側の端面)と、第2接続部83eにおける第1短絡部83b側の端面(即ち第2接続部83eにおける第2短絡部83cの幅方向の両端面のうち第1短絡部83b側の端面であって、図10(b)において上側の端面)とは、第1及び第2短絡部83b,83cの幅方向と直交する同一平面内に配置されている。
本実施形態では、上記のように、第1短絡部83bの両端部を結合部83a及び第1接続部83dに対して屈曲するとともに、第2短絡部83cの両端部を結合部83a及び第2接続部83eに対して屈曲し、更に第1短絡部83b及び第2短絡部83cを長手方向に湾曲させることにより、第1接続部83dと結合部83aとのなす第1の離間角度θ3を40°とするとともに、第2接続部83eと結合部83aとのなす第2の離間角度θ4を50°としている。即ち、第1接続部83dと第2接続部83eとは周方向に90°離間されている。そして、各短絡片83を矢印β方向から見ると(即ち軸方向から見ると)、第1接続部83dと第2接続部83eとは、同一円上に配置されている(図9参照)。
また、各短絡片83において、第1短絡部83bには、第2短絡部83c側の幅方向の端部に幅方向に凹んだ第1離間凹部83fが形成されている。第1離間凹部83fは、第1短絡部83bにおける結合部83a側の基端から先端(即ち第1短絡部83bと第1接続部83dとの境界部分)手前までの範囲に亘って形成されている。同様に、第2短絡部83cには、第1短絡部83b側の幅方向の端部に幅方向に凹んだ第2離間凹部83gが形成されている。第2離間凹部83gは、第2短絡部83cにおける結合部83a側の基端から先端(即ち第2短絡部83cと第2接続部83eとの境界部分)までの範囲に亘って形成されている。
上記のような各短絡片83は、図11に示すように、長手方向の一端部に第1接続部83d及び第2接続部83eをそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部83b及び第2短絡部83cが長手方向の他端部で結合部83aにて結合されるとともに第1短絡部83b及び第2短絡部83c間に隙間83hを有する形状に銅板を厚さ方向に打ち抜いて形成された1枚の平板よりなる短絡素材91から形成されており、各短絡素材91の第1短絡部83b及び第2短絡部83cを結合部83aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲して形成されている。尚、短絡素材91は、厚さ方向から見た形状が略コ字状をなしている。また、短絡素材91においては、第1接続部83dにおける第2短絡部83c側の端面(即ち第1接続部83dにおける第1短絡部83bの幅方向の両端面のうち第2短絡部83c側の端面)と第2接続部83eにおける第1短絡部83b側の端面(即ち第2接続部83eにおける第2短絡部83cの幅方向の両端面のうち第1短絡部83b側の端面)とが同一平面(図11中、破線参照)内に位置する。また、短絡素材91においては、第1及び第2離間凹部83f,83gによって隙間83hが形成されるため、第1短絡部83bと第2短絡部83cとはその幅方向に離間されている。
図9及び図10(a)に示すように、短絡部材82を構成する36個の短絡片83は、それぞれの結合部83aが内周側で該結合部83aの厚さ方向と周方向が一致するように周方向に等角度間隔に並ぶように且つ周方向に隣り合う結合部83a同士が離間するように周方向に等角度間隔に配置されている。更に、36個の短絡片83は、36個の第1短絡部83bが周方向に等角度間隔に並設されるように、且つ、36個の第2短絡部83cが周方向に等角度間隔に並設されるように配置されている。尚、第1短絡部83b及び第2短絡部83cは、その幅方向であって厚さ方向と直交する方向が軸方向と一致する。そして、短絡部材82は、軸方向の一端側に36個の第1短絡部83bが配置され、軸方向の他端側に36個の第2短絡部83cが配置されることにより、第1短絡部83bの層と第2短絡部83cの層とを有する2層構造となっている。
また、短絡部材33においては、第1接続部83d及び第2接続部83eは、短絡部材82の径方向の中央からの距離(径方向の距離)が等しく、短絡部材82における軸方向の一端側で36個の第1接続部83dが周方向に等角度間隔に配置されるとともに、軸方向の他端側で36個の第2接続部83eが周方向に等角度間隔に配置されている。
更に、短絡部材82においては、周方向に隣り合う第1短絡部83b同士、及び周方向に隣り合う第2短絡部83c同士は、互いに離間して非接触となっている。また、第1接続部83dは、該第1接続部83dを有する短絡片83から、90°離れた位置にある短絡片83の第2接続部83eと軸方向に並んでおり、軸方向に並ぶこの第1接続部83dと第2接続部83eとが互いに接続可能となっている。更に、各短絡片83においては、第1接続部83dにおける第2短絡部83c側の端面と第2接続部83eにおける第1短絡部83b側の端面とが第1及び第2短絡部83b,83cの幅方向と直交する同一平面内に配置されているため、短絡部材82においては、軸方向に並ぶ第1接続部83dと第2接続部83eは、第1接続部83dにおける第2短絡部83c側の軸方向の端面と、第2接続部83eにおける第1短絡部83b側の軸方向の端面とが当接、即ち軸方向に対向する端面が当接する。また、第1短絡部83b及び第2短絡部83cにそれぞれ形成された第1離間凹部83f及び第2離間凹部83gによって、軸方向に対向する第1短絡部83bと第2短絡部83cとは軸方向に互いに離間されており、第1短絡部83bと第2短絡部83cとの接触による短絡が抑制されている。
図9及び図12に示すように、短絡部材82は、36個のセグメント32に対して、軸方向に並んだ第1接続部83d及び第2接続部83eがそれぞれ接続溝32f内に挿入されるように配置されている。尚、接続溝32fの軸方向の底面は、セグメント32における配置面32e(図3参照)との間に段差を有するため、短絡部材82と配置面32eとは非接触となっている。また、短絡部材82は、セグメント32における径方向内側の端部よりも径方向内周側に突出している。
接続溝32f内に配置された第1接続部83d及び第2接続部83eは、溶接により短絡接続部32bに接続、即ちセグメント32に電気的に接続されている。これにより、90°離れた位置にあるセグメント32同士が短絡部材82を介して短絡されて同電位とされる。図9を参照して、短絡部材82によるセグメント32同士の接続について詳述すると、図9において上側中央に位置するセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部83dから、第1短絡部83b(一点鎖線参照)、結合部83a及び第2短絡部83c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図9において左中央のセグメント32)と短絡されている。同様に、左中央にあるセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部83dから、第1短絡部83b(一点鎖線参照)、結合部83a及び第2短絡部83c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図9において下側中央のセグメント32)と短絡されている。また同様に、下側中央にあるセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部83dから、第1短絡部83b(一点鎖線参照)、結合部83a及び第2短絡部83c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図9において右中央のセグメント32)と短絡されている。また同様に、右中央にあるセグメント32は、接続溝32f内の第1接続部83dから、第1短絡部83b(一点鎖線参照)、結合部83a及び第2短絡部83c(二点鎖線参照)を介して反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32(図9において上側中央のセグメント32)と短絡されている。このように、90°間隔に配置された4個のセグメント32が互いに短絡部材82によって短絡されている。
そして、図9及び図12に示すように、周方向に並設された36個のセグメント32及びこれらセグメント32に対して配置された短絡部材82は、上記第1実施形態と同様に、前記保持部34によって埋設されて保持されている。
本実施形態の整流子81は、上記第1実施形態の整流子31と同様に、打ち抜き工程、角度形成工程、短絡部材形成工程、セグメント接続工程及び保持部形成工程を経て製造される。
打ち抜き工程では、図11に示すように、短絡片83となる短絡素材91が、銅板(図示略)を打ち抜いて複数形成される。短絡素材91は、長手方向の一端部に第1接続部83d及び第2接続部83eをそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部83b及び第2短絡部83cが長手方向の他端部で結合部83aにて結合されるとともに第1短絡部83b及び第2短絡部83c間に隙間83hを有する形状に銅板を厚さ方向に打ち抜いて形成され、1枚の平板状をなす。また、短絡素材91は、第1短絡部83bと第2短絡部83cとがその長手方向に異なる長さに形成される。本実施形態では、第1短絡部83bと第2短絡部83cとの長さの差は、第1接続部83d(若しくは第2接続部83eにおける短絡部83b,83cの長手方向に沿った長さよりも大きい。更に、短絡素材91は、第1接続部83dにおける第1短絡部83b及び第2短絡部83cの並設方向の端面であって第2短絡部83c側の端面と、第2接続部83eにおける第1短絡部83d及び第2短絡部83cの並設方向の端面であって第1短絡部83b側の端面とが同一平面(図11中、破線参照)内に位置するように形成される。そして、短絡素材91は、厚さ方向から見た形状が略コ字状をなしている。尚、隙間83hは、第1短絡部83bにおける第2短絡部83c側の幅方向の端部と、第2短絡部83cにおける第1短絡部83b側の幅方向の端部とにそれぞれ第1離間凹部83f及び第2離間凹部83gが形成されたことによるものである。
次に、角度形成工程では、打ち抜き工程にて形成された平板状の短絡素材91の複数個所が屈曲及び湾曲されて短絡片83が形成される。角度形成工程では、図10(b)及び図11に示すように、各短絡素材91において、第1短絡部83b及び第2短絡部83cが結合部83aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲される。この時、第1短絡部83bと第2短絡部83cとは、結合部83aとのなす角度が異なるように、長さの長い第2短絡部83cの方が第1短絡部83bよりも結合部83aに対して大きく屈曲される。また、各短絡素材91において、第1短絡部83b及び第2短絡部83cは、第1短絡部83bの幅方向(即ち第1短絡部83bの長手方向と直交する方向であって同第1短絡部83bの短手方向)と、第2短絡部83cの幅方向(即ち第2短絡部83cの長手方向と直交する方向であって同第2短絡部83cの短手方向)とが平行な状態を維持したまま結合部83aに対して屈曲されている。尚、図10(b)においては、第1短絡部83bの幅方向及び第2短絡部83cの幅方向は、矢印β方向と同じである。更に、第1短絡部83b及び第2短絡部83cは、それぞれ長手方向の両端部が近づくように円弧状に湾曲される。また更に、第1接続部83dが、第1短絡部83bに対して、第1短絡部83bの結合部83aに対する屈曲角度と同じ角度だけ、第1短絡部83bの結合部83aに対する屈曲方向と反対方向に屈曲されるとともに、第2接続部83eが、第2短絡部83cに対して、第2短絡部83cの結合部83aに対する屈曲角度と同じ角度だけ、第2短絡部83cの結合部83aに対する屈曲方向と反対方向に屈曲される。尚、各短絡素材41における湾曲及び屈曲は、どの順序で行ってもよい。
このように、角度形成工程において短絡素材91を屈曲及び湾曲して形成された短絡片83においては、第1接続部83dは、結合部83aとの間に40°の角度(即ち第1の離間角度θ3)を形成し、第2接続部83eは、結合部83aとの間に50°の角度(即ち第2の離間角度θ3,θ4)を形成する。その結果、第1接続部83dと第2接続部83eとは互いの間に90°の角度を形成する。即ち、短絡素材91は、角度形成行程において、第1接続部83dと第2接続部83eとのなす角度が、短絡片83によって短絡するセグメント32間の角度(本実施形態では90°)と等しくなるように屈曲及び湾曲される。
次に、短絡部材形成工程では、36個の短絡片83から短絡部材82が形成される。図10(a)に示すように、36個の短絡片83は、36個の結合部83aが、各結合部83aの厚さ方向が周方向に一致するように周方向に離間して並設される。また、36個の短絡片83は、周方向に離間して複数の第1短絡部83bが並設されるとともに、周方向に離間して複数の第2短絡部83cが並設されるように周方向に並設される。そして、第1接続部83dは、別の短絡片83の第2接続部83eと軸方向に並ぶ。こうして、36個の短絡片83からなる短絡部材82が形成される。
短絡部材82を構成する各短絡片83は、第1接続部83dにおける第2短絡部83c側の端面と第2接続部83eにおける第1短絡部83b側の端面とが第1及び第2短絡部83b,83cの幅方向と直交する同一平面内に配置されている。そのため、形成された短絡部材82においては、軸方向に並ぶ第1接続部83dと第2接続部83eは、第1接続部83dにおける第2短絡部83c側の軸方向の端面と、第2接続部83eにおける第1短絡部83b側の軸方向の端面とが当接、即ち軸方向に対向する端面が当接する。尚、36個の短絡片83は、周方向に並設された後に、軸方向に並ぶ第1接続部83d及び第2接続部83eが溶接により接続される。
その後、上記第1実施形態と同様に、セグメント接続工程及び保持部形成工程が行われて整流子81が完成する。
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(6)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(6)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
(7)打ち抜き工程では、各短絡素材91は、第1接続部83dにおける第1短絡部83bと第2短絡部83cとの並設方向の端面であって第2短絡部83c側の端面と、第2接続部83eにおける第1短絡部83bと第2短絡部83cとの並設方向の端部であって第1短絡部83b側の端面とが同一平面内に位置するように形成される。そのため、角度形成工程で形成された各短絡片83においては、第1接続部83dにおける第2短絡部83c側の端面と、第2接続部83eにおける第1短絡部83b側の端面とが同一平面内に配置される。従って、短絡部材形成工程において36個の短絡片83を並設して形成された短絡部材82においては、軸方向に並んだ第1接続部83dと第2接続部83eとが互いに対向する軸方向の端面で当接される。従って、軸方向に並ぶ第1接続部83dと第2接続部83eとを溶接により接続する場合に、第1接続部83dと第2接続部83eとの接続不良が抑制される。また、第1接続部83d及び第2接続部83eとセグメント32との接続不良が抑制される。
(8)打ち抜き工程において各短絡素材91は第1短絡部83bと第2短絡部83cとがその長手方向に異なる長さに形成されるため、各短絡素材91においては、第1接続部83dと第2接続部83eとが第1及び第2短絡部83b,83cの長手方向にずれることになる。従って、短絡素材91において、第1接続部83dと第2接続部83eとが当接して隣り合うことを避けることができる。即ち、第1接続部83dと第2接続部83eとを剪断により分離しなくてもよくすることができる。そのため、第1接続部83dにおける第1短絡部83bと第2短絡部83cとの並設方向の端面であって第2短絡部83c側の端面と、第2接続部83eにおける第1短絡部83bと第2短絡部83cとの並設方向の端面であって第1短絡部83b側の端面とが同一平面内に配置される短絡素材91の打ち抜きをより容易に行うことができる。そして、角度形成工程において、短絡素材91ごとに、第1接続部83dと結合部83aとのなす第1の離間角度θ3と、第2接続部83eと結合部83aとのなす第2の離間角度θ4とが異なる角度となるように第1短絡部83b及び第2短絡部83cが結合部83aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲されることにより、第1接続部83d及び第2接続部83eにおける短絡部材82の径方向の中央部からの距離を等しくすることができる。従って、第1接続部83dと、別の短絡片83の第2接続部83eとを容易に軸方向に並設することができる。
尚、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態の短絡片35においては、90°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡するために、第1接続部35d及び第2接続部35eは、結合部35aとの間にそれぞれ45°の角度(即ち、θ1及びθ2)を有する。また、第2実施形態の短絡片83においては、90°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡するために、第1接続部83dと結合部83aとの間に40°の角度(即ち第1の離間角度θ3)を有し、第2接続部83eと結合部83aとの間に50°の角度(即ち第2の離間角度θ4)を有する。しかしながら、90°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡する場合には、各短絡片35,83において、第1接続部35d,83dと第2接続部35e,83eとのなす角度が90°となるのであれば、第1接続部35d,83dと結合部35a,83aとのなす第1の離間角度θ1,θ3及び第2接続部35e,83eと結合部35a,83aとのなす第2の離間角度θ2,θ4は、上記実施形態の角度に限らない。
・上記第1実施形態の短絡片35においては、90°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡するために、第1接続部35d及び第2接続部35eは、結合部35aとの間にそれぞれ45°の角度(即ち、θ1及びθ2)を有する。また、第2実施形態の短絡片83においては、90°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡するために、第1接続部83dと結合部83aとの間に40°の角度(即ち第1の離間角度θ3)を有し、第2接続部83eと結合部83aとの間に50°の角度(即ち第2の離間角度θ4)を有する。しかしながら、90°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡する場合には、各短絡片35,83において、第1接続部35d,83dと第2接続部35e,83eとのなす角度が90°となるのであれば、第1接続部35d,83dと結合部35a,83aとのなす第1の離間角度θ1,θ3及び第2接続部35e,83eと結合部35a,83aとのなす第2の離間角度θ2,θ4は、上記実施形態の角度に限らない。
・上記第1実施形態の短絡素材41は、第1接続部35dと第2接続部35eとの間に僅かな隙間35kを有する。しかしながら、図13に示す短絡素材101のように、第1接続部35dと第2接続部35eとの間の隙間を省略し、第1接続部35dにおける第1短絡部35bと第2短絡部35cとの並設方向の端面であって第2短絡部35c側の端面と、第2接続部35eにおける第1短絡部35bと第2短絡部35cとの並設方向の端面であって第1短絡部35b側の端面とが同一平面(図13中、破線参照)内に配置されるようにしてもよい。尚、短絡素材101を形成すべく銅板を打ち抜く際には、第1接続部35dと第2接続部35eとはせん断により分離される。この短絡素材101は、短絡片35を形成すべく短絡素材41を屈曲及び湾曲する際と同様に屈曲及び湾曲されて短絡片となる。そして、短絡素材101から形成された短絡片を周方向に並設してなる短絡部材においては、第1接続部35dが、別の短絡片の第2接続部35eと軸方向に並ぶとともに、軸方向に並んだ第1接続部83dと第2接続部83eとが互いに対向する軸方向の端面で当接する。このようにすると、上記第2実施形態の(7)の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
・上記各実施形態の短絡部材33,82は、90°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡するように構成されている。しかしながら、短絡部材33,82によって短絡されるセグメント32間の間隔は90°に限らない。例えば、短絡部材33,82は、120°離れた位置にあるセグメント32同士を短絡するように構成されてもよい。この場合、各短絡片35,83において、第1接続部35d,83dと第2接続部35e,83eとのなす角度が120°となるように、第1接続部35d,83dと結合部35a,83aとのなす第1の離間角度θ1,θ3及び第2接続部35e,83eと結合部35a,83aとのなす第2の離間角度θ2,θ4が設定される。
・短絡部材形成工程において、短絡片35,83を周方向に並設した後に、軸方向に並ぶ第1接続部35d,83dと第2接続部35e,83eとが溶接により接続されているが、第1接続部35d,83dと第2接続部35e,83eとの溶接を行わずにセグメント32に対して短絡部材33,82を配置してもよい。
・上記各実施形態では、セグメント32と短絡部材33,82とは溶接により電気的に接続されている。しかしながら、セグメント32と短絡部材33,82とは、溶接に限らず、接触によってのみ電機的に接続されるものであってもよい。
・上記各実施形態では、36個のセグメント32は、保持部34の形成時には、周方向に隣り合うセグメント32同士が離間した状態で周方向に配置されている。しかしながら、36個のセグメント32は、保持部34が形成される時には周方向に連結された状態で、保持部34が形成された後に、切断により隣り合うセグメント32同士が離間されて形成されるものであってもよい。
・上記第1実施形態では、短絡部材33は、36個の短絡片35を、結合部35aが内周側となるように且つ第1接続部35d及び第2接続部35eが外周側となるように周方向に並設して形成されている。しかしながら、短絡部材33は、外周側で結合部35aが周方向に並設されるように、且つ軸方向に並んだ第1接続部35d及び第2接続部35eが内周側で周方向に並設されるように、36個の短絡片35を周方向に並設して形成してもよい。同様に、上記第2実施形態の短絡部材82においても、外周側で結合部83aが周方向に並設されるように、且つ軸方向に並んだ第1接続部83d及び第2接続部83eが内周側で周方向に並設されるように、36個の短絡片83を周方向に並設して形成してもよい。このようにしても上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
・上記第1実施形態では、短絡部材33は、外周側の第1接続部35d及び第2接続部35eがセグメント32に接続されている。しかしながら、短絡部材33は、外周側の第1接続部35d及び第2接続部35eの代わりに、内周側の結合部35aがセグメント32に接続される構成であってもよい。この場合、短絡部材33において軸方向に並ぶ第1接続部35dと第2接続部35eとが電機的に接続されるようにする。また、短絡するセグメント32間の間隔に応じて、外周側の第1接続部35d及び第2接続部35e、並びに内周側の結合部35aの両方がセグメント32に接続されるように構成してもよい。第2実施形態の短絡部材82についても同様に、第1接続部83d及び第2接続部83e、並びに結合部83aの両方、若しくは結合部83aのみがセグメント32に接続される構成としてもよい。
・上記第1実施形態の短絡部材33は、36個の第1接続部35dは、それぞれ第2接続部35eと軸方向に並んでいる。しかしながら、短絡部材33は、セグメント32の数及び短絡するセグメント32間の間隔によっては、軸方向から見て、第1接続部35dと第2接続部35eとが周方向に交互に配置される構成であってもよい。第2実施形態の短絡部材82についても同様の構成としてもよい。
・上記第1実施形態では、各短絡片35において、第1接続部35dと第2接続部35eとのなす角度を90°とするために、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは結合部35aに対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲されている。しかしながら、各短絡片35において、第1短絡部35b及び第2短絡部35cは、結合部35aに対して厚さ方向に湾曲されることにより、第1接続部35dと第2接続部35eとのなす角度を90°とする構成であってもよい。このことは、第2実施形態の短絡片83についても同様である。また、上記各実施形態では、第1短絡部35b,83b及び第2短絡部35c,83cは長手方向に湾曲されているが、湾曲されずに直線状のままであってもよい。
・上記各実施形態では、短絡片35,83は、銅板を打ち抜いて形成された短絡素材41,91にて形成されている。しかしながら、短絡片35,83は、銅板以外の導電性を有する金属板から形成されてもよい。
・上記各実施形態では、整流子31,81は、保持部34を備えているが、保持部34を備えない構成であってもよい。
・上記各実施形態では、陽極側と陰極側とで対をなす給電ブラシ73は、給電ブラシホルダ71に周方向に(45×n)°の間隔を空けて形成された対をなす保持凹部71aに挿入されることにより、周方向に(45×n)°間隔に配置されている。しかしながら、対をなす陽極側の給電ブラシ73と陰極側の給電ブラシ73との周方向の間隔は、(45×n)°に限らず、適宜変更してもよい。
・上記各実施形態では、陽極側と陰極側とで対をなす給電ブラシ73は、給電ブラシホルダ71に周方向に(45×n)°の間隔を空けて形成された対をなす保持凹部71aに挿入されることにより、周方向に(45×n)°間隔に配置されている。しかしながら、対をなす陽極側の給電ブラシ73と陰極側の給電ブラシ73との周方向の間隔は、(45×n)°に限らず、適宜変更してもよい。
・電機子コイル23の数、ティース22bの数、整流子31,81に備えられるセグメント32の数及び短絡部材33,82を構成する短絡片35,83の数、整流ブラシ63の数、給電ブラシ73の数は、適宜変更してもよい。例えば、給電ブラシ73は、陽極側の給電ブラシと陰極側の給電ブラシとがそれぞれ1つずつあればよい。
・上記各実施形態の整流子31,81は、軸方向と直交する平板状をなし、整流ブラシ63が軸方向から摺接される。しかしながら、径方向から整流ブラシ63が摺接される円筒状の整流子に、短絡部材33若しくは短絡部材82を備えてもよい。このようにしても、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
・上記実施形態の直流モータは、円環状の電機子21の内側に、該電機子21に対して周方向に回転されるマグネット54を配置した構成となっている。しかしながら、回転軸52に電機子コアに複数の電機子コイルを巻装してなる電機子が固定され、該電機子の外周にマグネットが配置される直流モータに、上記第1実施形態の整流子31若しくは上記第2実施形態の整流子81を備えてもよい。この場合、整流子31,81は、回転軸52と一体回転するように配置されてもよいし、ハウジングケース10に固定され、摺接される整流ブラシ63が回転軸52と一体回転するようにしてもよい。
21…電機子、22…電機子コア、23…電機子コイル、31,81…整流子、32…セグメント、33,82…短絡部材、34…保持部、35,83…短絡片、35a,83a…結合部、35b,83b…第1短絡部、35c,83c…第2短絡部、35d,83d…第1接続部、35e,83e…第2接続部、35h,83h…隙間、41,91,101…短絡素材、54…界磁としてのマグネット、63…整流ブラシ、θ3…第1の離間角度、θ4…第2の離間角度。
Claims (8)
- 周方向に並設された複数のセグメントと、
周方向に離間した位置にある前記セグメント同士を短絡する短絡部材と
を備えた整流子であって、
前記短絡部材は、長手方向の一端部に第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部及び第2短絡部が長手方向の他端部で結合部にて結合されるとともに前記第1短絡部及び前記第2短絡部間に隙間を有する形状に導電性の金属板を打ち抜いて形成された1枚の平板よりなる短絡素材から形成され前記第1短絡部及び前記第2短絡部が前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲された短絡片を、複数の前記結合部がその厚さ方向と周方向とが一致するとともに周方向に離間して並設されるように、且つ周方向に離間して複数の前記第1短絡部が並設されるとともに周方向に離間して複数の前記第2短絡部が並設されるように周方向に複数並設して形成され、前記第1接続部及び前記第2接続部、並びに前記結合部の少なくとも一方が前記セグメントに接続されることを特徴とする整流子。 - 請求項1に記載の整流子において、
前記各短絡片は、前記第1接続部における前記第2短絡部側の端面と、前記第2接続部における前記第1短絡部側の端面とが同一平面内に配置され、各前記第1接続部は、別の前記短絡片の前記第2接続部と軸方向に並ぶことを特徴とする整流子。 - 請求項2に記載の整流子において、
各前記短絡片は、前記第1短絡部と前記第2短絡部とがその長手方向に異なる長さに形成され、前記第1接続部と前記結合部とのなす第1の離間角度と、前記第2接続部と前記結合部とのなす第2の離間角度とが異なるように前記第1短絡部及び前記第2短絡部が前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲されていることを特徴とする整流子。 - 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の整流子において、
絶縁性の樹脂材料よりなり前記短絡部材の少なくとも一部を埋設して前記短絡部材を保持する保持部を有することを特徴とする整流子。 - 複数の電機子コイルが巻装された電機子コアを有する環状の電機子と、
前記電機子と径方向に対向配置され前記電機子に対し周方向に相対回転される界磁と、
前記電機子コイルが前記セグメントに電気的に接続される請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の整流子と、
前記整流子に対し周方向に相対移動され前記セグメントに摺接される整流ブラシと
を備え、前記整流ブラシ及び前記整流子を介して前記電機子コイルに電流が供給される直流モータ。 - 周方向に並設された複数のセグメントと、周方向に離間した位置にある前記セグメント同士を短絡する短絡部材とを備えた整流子の製造方法であって、
導電性の金属板を打ち抜いて、長手方向の一端部に第1接続部及び第2接続部をそれぞれ有し平行に延びる第1短絡部及び第2短絡部が長手方向の他端部で結合部にて結合されるとともに前記第1短絡部及び前記第2短絡部間に隙間を有する形状をなす1枚の平板よりなる短絡素材を複数形成する打ち抜き工程と、
前記短絡素材ごとに前記第1短絡部及び前記第2短絡部を前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲させて短絡片を形成する角度形成工程と、
複数の前記結合部が該結合部の厚さ方向が周方向に一致するとともに周方向に離間して並設されるように、且つ周方向に離間して複数の前記第1短絡部が並設されるとともに周方向に離間して複数の前記第2短絡部が並設されるように、複数の前記短絡片を周方向に並設して前記短絡部材を形成する短絡部材形成工程と、
前記第1接続部及び前記第2接続部、並びに前記結合部の少なくとも一方を前記セグメントにそれぞれ接続するセグメント接続工程と、
を備えたことを特徴とする整流子の製造方法。 - 請求項6に記載の整流子の製造方法において、
前記打ち抜き工程では、各前記短絡素材は、前記第1接続部における前記第1短絡部及び前記第2短絡部の並設方向の端面であって前記第2短絡部側の端面と、前記第2接続部における前記第1短絡部及び前記第2短絡部の並設方向の端面であって前記第1短絡部側の端面とが同一平面内に位置するように形成され、
前記短絡部材形成工程では、各前記短絡片は、その前記第1接続部が、別の前記短絡片の前記第2接続部と軸方向に並ぶように配置されることを特徴とする整流子の製造方法。 - 請求項7に記載の製造方法において、
前記打ち抜き工程では、各前記短絡素材は、前記第1短絡部と前記第2短絡部とがその長手方向に異なる長さに形成され、
前記角度形成工程では、前記短絡素材ごとに、前記第1接続部と前記結合部とのなす第1の離間角度と、前記第2接続部と前記結合部とのなす第2の離間角度とが異なるように前記第1短絡部及び前記第2短絡部が前記結合部に対して厚さ方向に互いに逆向きに屈曲若しくは湾曲されることを特徴とする整流子の製造方法。
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