JP2008053487A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い表面濃度と深い拡散層を有し、かつ全体として曲率半径の大きい拡散領域の形状を有する拡散層を表面の荒れを抑制しながら作製して高耐圧化と低損失化が可能なパワーデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも表面層が単結晶SiC層11からなる基板2上に第1のマスクパターン20を形成する工程と、第1のマスクパターン20に第1の開口部21を形成する工程と、第1の開口部21を介して単結晶SiC層11中に第1の不純物をイオン注入する工程と、第1のマスクパターン20の第1の開口部21を含み、第1の開口部21より大きな開口形状を有する第2の開口部24を形成する工程と、第2の開口部24を介して単結晶SiC層11中に第1の不純物と同一の導電性を示す第2の不純物をイオン注入する工程と、基板2を熱処理して第1の不純物と第2の不純物を同時に拡散する工程からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、SiC結晶を基板として用いる半導体装置の製造方法、特に高耐圧かつ低損失の電力用半導体装置(以下、パワーデバイスという)を製造する際の不純物拡散法に関する。
炭化珪素(以下、SiCという)は、珪素(以下、Siという)に比べてエネルギーギャップが2倍〜3倍あり、ワイドバンドギャップ半導体としての特色をもち、絶縁破壊電界が大きいためSiに代わってパワーデバイスへの適用が期待されている。また、SiCを用いたパワーデバイスは、オン抵抗値が、Siを用いたパワーデバイスよりも数百分の1と小さく、500℃以上の高温でも半導体としての性質を失わないので高温デバイスとして適用も可能である。
しかしながら、ワイドバンドギャップ半導体であるSiCは、2200℃以上の温度で熱分解しやすいため、拡散処理などのプロセス条件が厳しいという課題を有する。また、2000℃以下の温度では、pn接合を形成するための不純物の固溶度は低く、かつ拡散係数も小さいため、パワーデバイスに要求される高い表面濃度と深い拡散を有する拡散領域を形成することは困難である。
これに対して、低抵抗で良好なオーミック電極を形成するために、例えば以下の方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、不純物層を化学気相成長法や物理気相成長法、例えばスパッタリング法、電子ビーム(EB)蒸着法あるいはイオン注入法を用いて付着させた後、この不純物拡散源層の上に、例えばNiからなる金属層を形成し、アニール処理することで、良好なオーミック電極を得ることができるとされている。
また、パワーデバイスの一つであるジャンクション・バリア・ショットキダイオードにおいて深部膨張型拡散領域を設けることで逆方向のリーク電流が少なく、かつ順方向電圧降下の小さい半導体装置が開示されている。この深部膨張型拡散領域の形成方法は、SiC基板の表面に金属膜からなるマスクを用い、拡散係数が大きい硼素をイオン注入法によって加速エネルギーを変えることにより多段に打ち込み、硼素不純物源を表面より深い位置に形成した後、同一マスクを用いて拡散係数の小さいアルミニウムをイオン注入している。その後、熱処理することで拡散係数の大きい硼素不純物と拡散係数の小さいアルミニウムは双方向から拡散することに接触し、p型の深部膨張型拡散領域を形成する(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−73923号公報 特開2002−359378号公報
上記第1の例に記載された製造方法では、基板と同じ導電型の不純物源層を表面層に高濃度で形成した後に金属層を形成し、アニール処理を行うことで低抵抗なオーミック電極を形成できるとしている。しかし、不純物源層の形成温度が低いために、形成時には不純物がSiC基板中に拡散することはほとんどない。そのために、不純物源層が高濃度で形成されている領域の厚みは極めて薄く、したがってその後の処理工程、例えばホトリソ工程や金属を付着する前処理工程によって不純物源層の全体または一部が除去されてしまう場合が生じ、所定の不純物濃度の拡散層を形成することが困難であるという課題があった。なお、この方法においては、良好なオーミック接触を得ることを目的としているためアニール処理の温度は960℃〜1200℃と拡散層の形成に対しては低い温度で行っている。
また上記第2の例に記載された製造方法では、数段のイオン注入によって硼素不純物源を表面から離れた深い位置に形成させ、その後、表面に拡散係数の小さいアルミニウムをイオン注入している。その後、熱処理することで同時に硼素とアルミニウムを拡散させ、それぞれの拡散層を接触することで、深部が膨張した形状のp型領域を形成している。なお、この方法においては、拡散条件を変更することで高い表面濃度の拡散領域を得ることも可能である。しかしながら、この開示された方法では、同じイオン注入用のマスクパターンを用いて硼素とアルミニウムとを順次イオン注入している。このため、熱処理時間、熱処理温度やイオン注入量を充分管理しないと、拡散領域の形状が図7に示すような形状になりやすい。すなわち、図7のA部に示すように、拡散係数の差異と注入濃度などにより、アルミニウムの拡散領域と硼素の拡散領域との接触する部分に曲率半径の小さな領域を生じやすい。このような形状が生じると、この領域に電界集中が発生しやすくなり、ジャンクションの破壊あるいは劣化の進行により耐圧を低下させる可能性がある。これに対して、拡散温度をさらに高くするか、あるいは拡散時間をさらに長くするなどの対策も考えられるが、どちらの方法によってもSiC表面に生じる荒れが大きくなり、微細加工性を阻害する。
なお、通常、深部膨張型pn接合は、表面近傍でアバランシェ降伏しやすく、そのため100V程度の耐圧を要求するデバイスに利用される場合が多い。上記第2の例においても、リーク電流と順方向電圧を主たる目的としたものであり、高耐圧化については具体的な開示はされていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高い表面濃度と深い拡散層を有し、かつ全体として曲率半径の大きい拡散領域の形状を有する拡散層を表面の荒れを抑制しながら作製して高耐圧化と低損失化が可能なパワーデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置の製造方法は、少なくとも表面層が単結晶SiC層からなる基板上に第1のマスクパターンを形成する工程と、第1のマスクパターンに第1の開口部を形成する工程と、第1の開口部を介して単結晶SiC層中に第1の不純物をイオン注入する工程と、第1のマスクパターンの第1の開口部を含み、第1の開口部より大きな開口形状の第2の開口部を形成する工程と、第2の開口部を介して単結晶SiC層中に第1の不純物と同一の導電性を示す第2の不純物をイオン注入する工程と、基板を熱処理して第1の不純物と第2の不純物を同時に拡散する工程からなる。
このような製造方法とすることにより、単結晶SiC層の表面に高濃度で低抵抗の拡散層と深い拡散領域とを有し、かつ電界集中などが生じ難い拡散領域を形成することができる。この結果、電極とのオーミック性が良好で、耐圧値のばらつきが少なく、かつ低損失のパワーデバイスを得ることができる。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、少なくとも表面層が単結晶SiC層からなる基板上に第1のマスクパターンを形成する工程と、第1のマスクパターンに環状の第1の開口部を形成する工程と、第1の開口部を介して単結晶SiC層中に第1の不純物をイオン注入する工程と、第1の開口部とこの第1の開口部により囲まれた中央領域とから構成される第2の開口部を形成する工程と、第2の開口部を介して単結晶SiC層中に第1の不純物と同一の導電性を示す第2の不純物をイオン注入する工程と、基板を熱処理して第1の不純物と第2の不純物を同時に拡散する工程からなる。
このような製造方法とすることにより、単結晶SiC層の表面に高濃度で低抵抗なオーミック領域と外周領域に深い拡散層を有する拡散領域を形成することができる。この結果、pn接合周辺部での電界集中を効果的に抑制でき、高耐圧化が可能となる。
また、上記製造方法において、第1の不純物は拡散係数の大きく固溶度の低い不純物であり、第2の不純物は第1の不純物よりも拡散係数の小さく、かつ固溶度が高い不純物であってもよい。このような製造方法とすることにより、第1の不純物は第2の不純物に阻害されることなく安定的にSiC層の深部まで拡散させることができ、一方、第2の不純物は高い表面濃度を維持させることができる。
また、上記製造方法において、第1の不純物は硼素であり、第2の不純物はアルミニウムであってもよい。あるいは、第1の不純物はリンであり、第2の不純物は窒素であってもよい。このような製造方法とすることにより、n型結晶層中にp型層あるいはp型結晶層中にn型層を深い拡散領域と高い表面濃度を有して形成することができる。
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置は、少なくとも表面層が単結晶SiC層で、第1導電型を有する基板と、単結晶SiC層の表面部に形成された第1導電型を有するホモエピタキシャル層と、ホモエピタキシャル層中に形成された第2導電型の第1の不純物領域と、第1の不純物領域に接続し、第1の不純物領域よりもホモエピタキシャル層の表面近傍で、かつ第1の不純物領域を包含する形状に形成された第2導電型の第2の不純物領域と、第2の不純物領域に形成された電極と、基板の裏面に形成された電極を含み、ホモエピタキシャル層の第1の不純物領域と接する第2の不純物領域の接続面が連続した曲面形状であることを特徴とする。
このような構成にすることにより、pn接合の周辺部を凸形状であり、曲率半径が大きいので電解集中が起こりにくくなるため高速ダイオードの高耐圧化を実現することができる。
また、上記構成において、第1の不純物領域の形成に用いる第1の不純物の拡散係数が第2の不純物領域の形成に用いる第2の不純物の拡散係数より大きくしてもよい。
このような構成にすることにより、第1の不純物領域を深部に形成することができるのでより高耐圧の高速ダイオードを形成できる。
また、上記構成において、第1の不純物領域の形成に用いる第1の不純物の固溶度が第2の不純物領域の形成に用いる第2の不純物の固溶度よりも小さくしてもよい。
このような構成にすることにより、基板表面のシート抵抗を下げることができるので良好なオーミック電極を形成することができる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、電極部の接触抵抗の低減化およびpn接合部の電界集中緩和により、低損失かつ高耐圧のSiCデバイスを実現できるという大きな効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。なお、これらの図面において、それぞれの構成部材の厚みや長さなどは図面の作成上から実際の形状とは異なる。さらに、各構成部材の材質も下記説明の材質に限定するものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる半導体装置の一例である高速ダイオード(以下、FRDという)1を示す断面図である。
本実施の形態にかかるFRD1は、第1導電型基板(n型低抵抗SiC基板)10と、n型低抵抗SiC基板10の上部に設けられた第1導電型を有するホモエピタキシャル層(n型エピタキシャル層)11と、n型エピタキシャル層11の領域に形成された第1の第2導電型の不純物領域(p型不純物領域)12と、n型エピタキシャル層11の表面に接して形成された第2のp型不純物領域13と、例えばSiOからなる表面保護膜14と、拡散層の表面にアルミニウム薄膜を付着したアノード電極15と、n型低抵抗SiC基板10の裏面に形成され、例えばニッケル薄膜を付着したカソード電極16から構成されている。
ここでn型低抵抗SiC基板10の比抵抗は、例えば0.02Ω・cmであり、n型エピタキシャル層11の比抵抗は、例えば10Ω・cmである。またn型エピタキシャル層11の厚みは、例えば20μmである。
表1にp型不純物を示す。第1のp型不純物としては、耐圧を高めるため深い位置にpn接合を形成するのに適した拡散係数の大きい硼素が選ばれる。また、第2のp型不純物としては、同じ導電型であって、かつ電極との接触抵抗を低下させるのに適する固溶度の高いアルミニウムが選ばれる。
Figure 2008053487
図2は、本実施の形態にかかるFRD1の主要な製造工程の断面図を示す。図2(a)は、スタート材料として用いる表面にSiC単結晶層を有するn型エピタキシャル基板2の構成を説明するための断面図である。
n型低抵抗SiC基板10は、例えば以下のようにして形成することができる。まず、SiC粉末を2400℃〜2600℃で昇華させ、2200℃〜2500℃に保たれた直径2インチ、厚み0.8mmの4H型SiC基板の種結晶(0001)オフ面上に低分圧の窒素ガス雰囲気中で再結晶成長させる。このように成長させた低抵抗バルク結晶から、(0001)面に平行に薄片を切り出した後、表面研磨して最終的には厚み230μmのn型低抵抗SiC基板10とした。
その後、そのn型低抵抗SiC基板10(0001)オフ面上に、例えば1400℃でプロパンと四塩化珪素(ドーパントは窒素)を反応させてエピタキシャル成長させて、厚みが20μm、比抵抗が10Ω・cmのn型エピタキシャル層11を形成した。なお、エピタキシャル層の成長速度は、例えば、約1.5μm/minである。このn型エピタキシャル層11の成長により、n型エピタキシャル基板2の厚みは、合計で250μmとなった。
図2(b)は、n型エピタキシャル層11上に第1のマスクパターン20と第1の開口部21を形成する工程を説明するための断面図である。n型エピタキシャル基板2を酸素雰囲気中で、1100℃に加熱することで酸化して、厚み1.0μmのSiO膜を形成した。このSiO膜が第1のマスクパターン20となる。その後、n型エピタキシャル層11上の第1のマスクパターン20に、第1の開口部21をホトリソグラフィープロセスとエッチングプロセス技術によって形成する。なお、第1のマスクパターン20としては、SiO膜のみでなく、例えばSi膜、タングステン膜、モリブデン膜、タンタル膜あるいはニッケル膜などを用いてもよい。このような方法および材料を用いれば、第1のマスクパターン20となる薄膜の形成工程やホトリソグラフィープロセスとエッチングプロセスなどを既存設備と既存技術で対応することができる。
図2(c)は、第1の開口部21を介して第1不純物をイオン注入する工程を説明するための断面図である。イオン注入は、例えば以下の条件で行った。すなわち、n型エピタキシャル基板2を600℃に加熱し、硼素を加速電圧50KeVでイオン化し、第1の開口部21を介してn型エピタキシャル層11にイオン注入した。このときのドーズ量は、3×1014cm−2で、硼素が注入された硼素注入領域22のシート抵抗は1500Ω/□であった。
図2(d)は、第2のマスクパターン23に第2の開口部24を形成し、第2のp型不純物をイオン注入する工程を説明するための断面図である。硼素をイオン注入後、n型エピタキシャル層11上の第2のマスクパターン23に第2の開口部24を形成する。第2の開口部24は、第1の開口部21を含み、かつ第1の開口部21より大きい形状である。なお、第2のマスクパターン23は、第1のマスクパターン20のSiO膜をそのまま用いることができる。
第2のp型不純物をイオン注入する条件の一例を以下に示す。すなわち、n型エピタキシャル基板2を700℃に加熱し、アルミニウムを加速電圧80KeVでイオン化し、第2の開口部24を介してn型エピタキシャル層11にイオン注入した。このときのドーズ量は、2×1017cm−2で、アルミニウムが注入されたアルミニウム注入領域25のシート抵抗は200Ω/□であった。
図2(e)は、このようにしてイオン注入した第1のp型不純物と第2のp型不純物とを同時にアニールする工程を説明するための断面図である。すなわち、本実施の形態では、n型エピタキシャル基板2に第1のp型不純物として硼素、第2のp型不純物としてアルミニウムをイオン注入しているので、n型エピタキシャル基板2を加熱して、硼素とアルミニウムをn型エピタキシャル層11に同時に拡散させる。具体的には、例えば以下のような方法で行う。最初に、第2のマスクパターン23としたSiO膜を化学的に溶解除去する。その後、n型エピタキシャル基板2を、ヘリウム雰囲気中で1800℃、5時間、加熱する。このアニールにより、硼素とアルミニウムをSiC結晶内部に同時に拡散させ、第2のp型不純物領域13と深い拡散長を有する第1のp型不純物領域12を形成した。
このような方法とすることで、n型エピタキシャル層11領域に形成されたpn接合は中央部で拡散方向に対して凸形状を示すようになる。このようにpn接合が中央部で凸形状となるのは、中央部に選択的に拡散係数の大きい硼素を注入して、アニールにより拡散させたことによる。
図2(f)は、表面保護膜14、アノード電極15およびカソード電極16を形成する工程を説明するための断面図である。表面保護膜14は、例えばn型エピタキシャル基板2を酸素雰囲気中で、1100℃で酸化して形成した厚み1.0μmのSiO薄膜を用いることができる。このようにして作製した表面保護膜14に対して、ホトリソグラフィープロセスとエッチングプロセスを行い、第2のp型不純物領域13上に開口部を形成する。次に、アルミニウムのアノード電極15とニッケルのカソード電極16を形成した。以上の工程により、本実施の形態のFRDが得られるので、ダイシングを行うことで所定の形状のFRDとすることができる。
図3は、図1に示したpn接合の中央部におけるn型エピタキシャル基板2の表面からの深さとシート抵抗を示す図である。表面から5.6μmまでは、固溶度が高く拡散係数の小さいアルミニウムを用いた第2のp型不純物領域13のシート抵抗分布であり、表面から5.6μm〜15.6μmは、拡散係数の大きい硼素を用いた第1のp型不純物領域12のシート抵抗分布である。図3からわかるように、シート抵抗は第2のp型不純物領域13では充分低い値が得られた。また、第1のp型不純物領域12は充分深く拡散させることができた。なお、第2のp型不純物領域13の表面濃度は、8×1019cm−3であった。
このような製造フローを用いることにより、低損失かつ高耐圧のFRD1を効率的に得ることができる。すなわち、pn接合の中央部を凸形状とすることで、耐圧降伏の発生を第1のp型不純物領域12のpn接合部近傍に集中させることができる。この領域では、第1のp型不純物領域と接する第2のp型不純物領域13の接合面が連続した局面形状を有しているので、耐圧値のばらつきを小さくすることができる。したがって、中央部に凸部のない従来構成のpn接合に比較して、本実施の形態のFRDでは耐圧値はやや小さくなるが、耐圧値のばらつきを非常に小さくできる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる半導体装置の一例であるFRD50を示す断面図である。
本実施の形態にかかるFRD50は、第1導電型基板(p型低抵抗SiC基板)30と、p型低抵抗SiC基板30の上部に設けられた第1導電型を有するホモエピタキシャル層(p型エピタキシャル層)31と、p型エピタキシャル層31の領域に形成された第1の第2導電型の不純物領域(n型不純物領域)32と、p型エピタキシャル層31の表面に接して形成された第2のn型不純物領域33と、例えばSiOからなる表面保護膜34と、拡散層の表面にアルミニウム薄膜を付着したカソード電極35と、p型低抵抗SiC基板30の裏面に形成され、例えばニッケル薄膜を付着したアノード電極36から構成されている。
ここでp型低抵抗SiC基板30の比抵抗は、例えば0.015Ω・cmであり、p型エピタキシャル層31の比抵抗は、例えば25Ω・cmである。またp型エピタキシャル層31の厚みは、20μmである。
表2にn型不純物を示す。
Figure 2008053487
第1のn型不純物としては、耐圧を高めるため深い位置にpn接合を形成するのに適した拡散係数の大きいリンが選ばれる。また、第2のn型不純物としては、電極との接触抵抗を小さくするのに適する固溶度の高い窒素が選ばれる。
第2のn型不純物としての窒素は、固溶度が高いのに、ほとんどドナー不純物の拡散源として利用されていない。その理由としては、窒素とSiC表面の反応による表面荒れ(0.1から1.0μmの表面凹凸)の発生、SiC結晶中で窒素の電気的活性度が低いなどによる。つまり、浅い拡散深さと微細加工を利用しているMOSFET、SIT、IGBTなどでは、表面荒れが影響して微細加工を難しくし、SiCのもつ機能や特性が得られなかったり、拡散係数が小さいためにイオン注入直後のシート抵抗が極端に高いので、イオン注入がされないと判断されたものと理解できる。しかしながら、窒素ドープして昇華法(通常、2000℃〜2500℃の温度)で形成した場合には、低抵抗のn型バルク結晶が得られている。また、窒素をイオン注入後、1500℃以上の温度で熱処理するとシート抵抗は著しく低下し、窒素が拡散していることも認められている。したがって、本発明の実施の形態の半導体装置の例としてのFRDやショットキーダイオードなどのデバイスにおいては、深い拡散長(少なくても5μm以上)を必要とするため、上記MOSFET、SITやIGBTなどに比べ、表面荒れ(0.1μm〜1.0μm)の影響は少なく、窒素をドナー不純物として利用することが可能である。
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかるFRD50の製造工程を説明するための主要工程の断面図である。
図5(a)は、スタート材料として用いるp型エピタキシャル基板40であり、アルミニウムをドープしたp型低抵抗SiC基板30と、このp型低抵抗SiC基板30の(0001)オフ面上にエピタキシャル成長させたp型エピタキシャル層31から構成されている。なお、p型低抵抗SiC基板30は、例えば、比抵抗0.012Ω・cm、直径2インチ、厚み230μm)のSiC単結晶を用いることができる。また、p型エピタキシャル層31は、例えば1400℃において、プロパンと四塩化珪素(ドーパントはアルミニウム)の化学反応でエピタキシャル成長させて形成することができ、比抵抗は15Ω・cm、厚みは15μm程度である。
図5(b)は、p型エピタキシャル層31上に第1のマスクパターン60と第1の開口部41を形成する工程を説明するための断面図である。p型エピタキシャル基板40を、酸素雰囲気中、1100℃で酸化して、厚み1.0μmのSiO膜をp型エピタキシャル層31上に形成する。このSiO膜を第1のマスクパターン60とする。SiO膜からなる第1のマスクパターン60を、ホトリソグラフィープロセスとエッチングプロセスにより、環状もしくは多角形の額縁状の第1の開口部41を形成した。
図5(c)は、このようにして開口した第1の開口部41を介して、第1のn型不純物をイオン注入する工程を説明するための断面図である。p型エピタキシャル基板40を、500℃に加熱し、イオン化させたリンを加速電圧80KeVで、第1の開口部41を介してp型エピタキシャル層31に注入した。イオン注入したリンのドーズ量は、1014cm−2であり、イオン注入したリン注入層領域42のシート抵抗は、1000Ω/□であった。
図5(d)は、p型エピタキシャル層31上に第2のマスクパターン43と第2の開口部44を形成し、第2のn型不純物をイオン注入する工程を説明するための断面図である。本実施の形態では、第1のマスクパターン60をそのまま第2のマスクパターン43として用いて第2の開口部44を形成する方法について説明する。リンのイオン注入後、p型エピタキシャル層31上の第2のマスクパターン43に対して、ホトリソグラフィープロセスとエッチングプロセスとを用いて、第1の開口部41により囲まれた中央領域のSiO膜を除去して第2の開口部44を形成した。
なお、第1のマスクパターン60をエッチングなどで除去した後、再度SiO膜を形成して第2のマスクパターンとしてもよい。この場合には、第2の開口部44は、第1の開口部41の外周より小さく形成することもできる。
窒素のイオン注入は、例えば以下の条件で行うことができる。すなわち、p型エピタキシャル基板40を700℃に加熱し、3×10Pa程度の低圧下の窒素ガスをイオン化し、加速電圧100KeVで、第2の開口部44を介して10分間注入した。このときのドーズ量は1×1017cm−2である。窒素をイオン注入した窒素注入層領域45のシート抵抗は3000Ω/□〜5000Ω/□であった。
図5(e)は、p型エピタキシャル基板40を、アニールしてリンと窒素をp型エピタキシャル層31の領域に同時に拡散させる工程を説明するための断面図である。アニールは、p型エピタキシャル層31上の第2のマスクパターン43を化学的にエッチングして除去した後、p型エピタキシャル基板40をヘリウム雰囲気中で1800℃、5時間行った。これにより、高い表面濃度を有する第2のn型不純物領域33と深い拡散長を有する第1のn型不純物領域32を同時に形成することができた。
図5(f)は、表面保護膜34、カソード電極35およびアノード電極36を形成する工程を説明するための断面図である。表面保護膜34は、p型エピタキシャル基板40を酸素雰囲気中で、1100℃で酸化して、厚み1.0μmのSiO薄膜を形成して用いた。その後、第2のn型不純物領域33上の表面保護膜34に開口部をホトリソグラフィープロセスとエッチングプロセスとを用いて形成する。次に、アルミニウムのカソード電極35とニッケルのアノード電極36を形成した。
図6は、図4に示したpn接合の周辺部のシート抵抗分布である。リンと窒素の拡散深さはそれぞれ10.2μm、3.2μmであり、また窒素の表面濃度は8×1019cm−3であった。図6からわかるように、シート抵抗は第2のn型不純物領域33では充分低い値が得られた。また、第1のn型不純物領域32は充分深く拡散させることができた。
このような製造フローを用いることにより、低損失かつ高耐圧のFRD1を効率的に得ることができる。すなわち、pn接合の周辺部を凸形状とすることで、高耐圧化を実現できた。これは、第1のn型不純物領域と接する第2のn型不純物領域32の接合面が連続した局面形状を有していることによる。
本発明による半導体装置の製造方法は、SiC単結晶中に高い表面濃度かつ深い拡散長を有する拡散領域を、1回の熱処理によって得ることができ、低損失と高耐圧化が可能となり、耐熱、高耐圧の半導体装置を必要とする自動車などの分野に有用である。
本発明の第1の実施の形態にかかる半導体装置の一例であるFRDを示す断面図 第1の実施の形態にかかるFRDの主要な製造工程の断面図 第1の実施の形態の半導体装置において、図1に示したpn接合の中央部におけるn型エピタキシャル基板の表面からの深さとシート抵抗を示す図 本発明の第2の実施の形態にかかる半導体装置の一例であるFRDを示す断面図 第2の実施の形態にかかるFRDの製造工程を説明するための主要工程の断面図 第2の実施の形態の半導体装置において、図4に示したpn接合の周辺部のシート抵抗分布を示す図 従来の拡散方法とした場合に生じやすい拡散領域の形状を示す図
符号の説明
1,50 高速ダイオード(FRD)
2 n型エピタキシャル基板
10 n型低抵抗SiC基板
11 n型エピタキシャル層
12 第1のp型不純物領域
13 第2のp型不純物領域
14,34 表面保護膜
15 アノード電極(アルミニウム)
16 カソード電極(ニッケル)
20,60 第1のマスクパターン
21,41 第1の開口部
22 硼素注入領域
23,43 第2のマスクパターン
24,44 第2の開口部
25 アルミニウム注入領域
30 p型低抵抗SiC基板
31 p型エピタキシャル層
32 第1のn型不純物領域
33 第2のn型不純物領域
35 カソード電極(アルミニウム)
36 アノード電極(ニッケル)
40 p型エピタキシャル基板
42 リン注入領域
45 窒素注入領域

Claims (9)

  1. 少なくとも表面層が単結晶SiC層からなる基板上に第1のマスクパターンを形成する工程と、
    前記第1のマスクパターンに第1の開口部を形成する工程と、
    前記第1の開口部を介して前記単結晶SiC層中に第1の不純物をイオン注入する工程と、
    前記第1のマスクパターンの前記第1の開口部を含み、前記第1の開口部より大きな開口形状の第2の開口部を形成する工程と、
    前記第2の開口部を介して前記単結晶SiC層中に前記第1の不純物と同一の導電性を示す第2の不純物をイオン注入する工程と、
    前記基板を熱処理して、前記第1の不純物と前記第2の不純物を同時に拡散する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 少なくとも表面層が単結晶SiC層からなる基板上に第1のマスクパターンを形成する工程と、
    前記第1のマスクパターンに環状の第1の開口部を形成する工程と、
    前記第1の開口部を介して前記単結晶SiC層中に第1の不純物をイオン注入する工程と、
    前記第1の開口部と前記第1の開口部により囲まれた中央領域とから構成される第2の開口部を形成する工程と、
    前記第2の開口部を介して前記単結晶SiC層中に前記第1の不純物と同一の導電性を示す第2の不純物をイオン注入する工程と、
    前記基板を熱処理して、前記第1の不純物と前記第2の不純物を同時に拡散する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1の不純物は拡散係数が大きくかつ固溶度の低い不純物であり、前記第2の不純物は、前記第1の不純物よりも拡散係数の小さくかつ固溶度が高い不純物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1の不純物が硼素であり、前記第2の不純物がアルミニウムであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1の不純物がリンであり、前記第2の不純物が窒素であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 少なくとも表面層が単結晶SiC層からなる基板上に第1のマスクパターンを形成する工程と、
    前記第1のマスクパターンに第1の開口部を形成する工程と、
    前記第1の開口部を介して前記単結晶SiC層中に第1の不純物をイオン注入する工程と、
    前記第1のマスクパターンの前記第1の開口部を含み、前記第1の開口部より大きな開口形状の第2の開口部を形成する工程と、
    前記第2の開口部を介して前記単結晶SiC層中に前記第1の不純物と同一の導電性を示す第2の不純物をイオン注入する工程と、
    前記基板を熱処理して、前記第1の不純物と前記第2の不純物を同時に拡散する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 少なくとも表面層が単結晶SiC層で、第1導電型を有する基板と、
    前記単結晶SiC層の表面部に形成された第1導電型を有するホモエピタキシャル層と、
    前記ホモエピタキシャル層中に形成された第2導電型の第1の不純物領域と、
    前記第1の不純物領域に接続し、前記第1の不純物領域よりも前記ホモエピタキシャル層の表面近傍で、かつ前記第1の不純物領域を包含する形状に形成された第2導電型の第2の不純物領域と、
    前記第2の不純物領域に形成された電極と、
    前記基板の裏面に形成された電極を含み、前記ホモエピタキシャル層の前記第1の不純物領域と接する前記第2の不純物領域の接続面が連続した曲面形状であることを特徴とする半導体装置。
  8. 前記第1の不純物領域の形成に用いる第1の不純物の拡散係数が前記第2の不純物領域の形成に用いる第2の不純物の拡散係数より大きいことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記第1の不純物領域の形成に用いる第1の不純物の固溶度が前記第2の不純物領域の形成に用いる第2の不純物の固溶度よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018117084A (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 国立研究開発法人産業技術総合研究所 半導体装置および半導体装置の製造方法

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