JP2008051530A - 構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法 - Google Patents

構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性核種の親核種であるニッケル及びコバルトの溶出をさらに抑制することができる原子炉構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を提供する。
【解決手段】原子炉構造材(例えばスペーサスプリング32)を処理槽5内の純水に浸漬する。純水は加熱器7をにより90℃に昇温される。ギ酸鉄タンク9内のギ酸鉄(鉄(II)イオン含有溶液)、過酸化水素タンク11内の過酸化水素及びヒドラジンタンク13内のヒドラジンが、それぞれ、配管17に注入されて処理槽5内に導かれる。ギ酸鉄の注入は、純水中の鉄(II)イオン濃度が200ppm以上になるまで行われる。ヒドラジンの注入によってpHが5.5〜9.0の範囲内に調整される。この処理により、原子炉構造材の表面に、原子炉構造材からのコバルト等の溶出を抑制する緻密で強固なマグネタイト皮膜が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法に係り、特に、原子力プラントを構成する構造材であるニッケル基合金またはコバルト基合金からのニッケル及びコバルトの溶出を抑制するのに好適な構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法に関する。
沸騰水型原子力発電プラント(以下、BWR発電プラントという)は、腐食生成物が原子炉及び再循環系等の一次冷却水と接触する構造材から発生することから、主要な一次系の構造材として腐食の少ないステンレス鋼、ニッケル基合金などの不銹鋼を使用している。また、BWR発電プラントの原子炉の主要機器である低合金鋼製の原子炉圧力容器はステンレス鋼の内面肉盛りが施され、その低合金鋼が、直接、原子炉内の冷却水(炉水)と接触することを防止している。このような構造材への配慮に加えて、原子炉に接続される原子炉浄化系の炉水浄化装置を用いることによって炉水を浄化している。この炉水の浄化により、炉水中に僅かに生成する金属不純物を積極的に除去している。
しかし、上記の腐食対策を講じた場合においても、炉水中における極僅かな金属不純物の存在は避けられない。このため、一部の金属不純物が、金属酸化物として、原子炉の炉心内に装荷された燃料集合体に含まれる燃料棒の表面に付着する。燃料棒表面に付着した金属元素は、核燃料の核分裂で生じる中性子が照射されることによって原子核反応を起こし、コバルト60、コバルト58、クロム51、マンガン54等の放射性核種を生成する。これらの放射性核種は、大部分が酸化物の形態で燃料棒表面に付着したままである。しかし、一部の放射性核種は取り込まれている酸化物の溶解度に従って冷却水に溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として炉水中に再放出される。
また、炉心及びその周辺に存在する炉内機器、例えば燃料スペーサ、シュラウド、ジェットポンプ、上部格子板、下部格子板、気水分離器、中性子計装用案内管などは中性子によってそれらの構造材そのものが放射化される。このため、これらの機器の構造材の腐食に伴って冷却水中に放出される腐食生成物は放射性核種を含んでいる。
炉水中の放射性物質は、炉水とともに一次冷却系内を循環している間にステンレス鋼及びインコネルなどの構造材、及び原子炉浄化系の配管に用いられた炭素鋼である構造材の、それぞれの炉水と接触する表面に蓄積される。その結果、構造材表面からの放射線が、定期検査の作業員の放射線被ばくの要因となる。特に、アドバンスタイプのBWR(ABWR)では、再循環配管がないため、炉水浄化系及び残留熱除去系等の炭素鋼配管が原子炉格納容器内の雰囲気線量に影響する度合いが大きくなっている。作業時における被ばく線量は、作業員毎に許容線量を超えないように管理されているが、近年この許容線量が引き下げられている。
直接放射化した構造材からのコバルトの溶出を抑制することが、炉水中の放射性核種、特に放射性コバルトの濃度低減に有効である。そこで、炉心に装荷される燃料集合体の燃料スペーサに用いられるインコネル製のスプリングは、コバルト含有率が低い低コバルト材を使用すると共に、腐食速度を低下させるために予め大気中で高温にて酸化皮膜を形成している(特許文献1)。
さらに、BWR発電プラントの、炉水と接触する構造材の表面に、フェライト皮膜を形成することが特許文献2に記載されている。このフェライト皮膜の形成は、鉄をギ酸で溶解して調整した鉄(II)イオンを含む薬剤、酸化剤及びpH調整剤を用いて行われる。
磁気記録媒体ではあるがステンレス基板の表面上にフェライト皮膜を形成する方法が、特許文献3に記載されている。
特開昭63−21590号公報 特開2006−38483号公報 特公昭63−15990号公報
しかし、特許文献1に記載のように、構造材表面に予め酸化皮膜を形成してもインコネルは溶出型の腐食をするため、母材から形成した酸化皮膜の安定性は必ずしも大きくない。このため、燃料集合体の高燃焼度化(すなわち長期間の使用)及び原子炉の出力向上のために検討されている燃料スペーサの全インコネル化(すなわち、接水面積の大幅増加)も、ニッケル及びコバルトの溶出抑制の観点において十分な効果が期待できなくなる恐れがあるという問題がある。
また、特許文献2に記載された方法にて原子炉構造材の表面にフェライト皮膜(例えば、マグネタイト皮膜)を形成しても、炉水に接触するその構造材の表面から、放射性コバルトの親核種であるニッケル及びコバルトが溶出することを発明者らは見出した。
本発明の目的は、放射性核種の親核種であるニッケル及びコバルトの溶出をさらに低減できる構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の特徴は、原子炉の一次冷却材と接触するニッケル基合金及びコバルト基合金のいずれかである、原子力プラントに用いられる構造材の表面に、鉄酸化物皮膜を形成し、鉄酸化物皮膜が形成された構造材に超音波を当てることにある。
鉄酸化物皮膜が形成された構造材に超音波を当てるため、構造材表面に形成された鉄酸化物皮膜のうち結合力が弱い鉄酸化物皮膜が除去される。構造材表面には、緻密な鉄酸化物皮膜が残る。緻密な鉄酸化物皮膜によって構造材に含まれる、放射性核種の親核種であるニッケル及びコバルトの溶出を低減することができる。さらに、結合力の弱い鉄酸化物皮膜が除去されるので、原子炉運転中に、構造材表面の結合力の弱い鉄酸化物皮膜から一次冷却材中への上記ニッケル及びコバルトの溶出を防止することができる。したがって、構造材から一次冷却材中へのニッケル及びコバルトの溶出をさらに低減できる。
発明者らは、上記課題を解決するため、種々の検討を行った。この結果、溶存酸素の金属母材中への拡散速度が遅い温度条件(例えば、100℃以下)でマグネタイトの緻密な皮膜を形成させることにより、金属母材からのニッケル及びコバルト(放射性核種であるコバルト58、コバルト60の親核種)の溶出を抑制できることを明らかにした。
ニッケルを主成分とするニッケル基合金であるインコネル、及びコバルトを主成分とするコバルト基合金であるステライトなどの金属からのニッケル及びコバルトの溶出速度を精度良く測定することは難しい。ニッケル基合金は不純物としてコバルトを含み、コバルト基合金は不純物としてニッケルを含んでいる。ニッケル及びコバルトの溶出速度の精度の良い測定は困難であるため、発明者らは、緻密なマグネタイトの皮膜を付与した試験片への放射性コバルトの付着量を評価した。すなわち、ステンレス鋼の表面に緻密なマグネタイト皮膜を形成した試料と、ステンレス鋼の表面にマグネタイト皮膜が形成されていない試料を、BWRの供用運転条件の高温水中に浸漬した場合において、それぞれの試料におけるコバルト60の付着量を測定した。この測定結果を図6に示す。試料Aはマグネタイト皮膜が形成されていなく、試料Bは緻密なその皮膜が形成されている。試料Bにおけるコバルト60の付着量は、試料Aにおけるその付着量の約1/5に抑制されている。構造材である母材の腐食速度と放射性核種の付着速度は比例関係にあるので、試料Bにおける母材の腐食も試料Aによるその約1/5に抑制されている。
特許文献2によっても、構造材の母材表面に緻密なマグネタイト皮膜を形成することができる。鉄をギ酸で溶解して調整した鉄(II)イオンを含む薬剤、酸素(酸化剤)及びヒドラジン(pH調整剤)を用いて(特許文献2の方法)、母材であるステンレス鋼の表面にマグネタイト皮膜を形成する。発明者らは、この特許文献2記載の方法によりステンレス鋼の表面にマグネタイト皮膜を形成しても、放射性コバルトの親核種であるニッケル及びコバルトが取り込まれたマグネタイト皮膜が剥離して放射性コバルトの移行媒体となることを新たに見出した。この親核種を含むマグネタイトの剥離挙動について検討したところ、発明者らは、特許文献2の方法にて形成されたマグネタイト皮膜が、母材(構造材)表面に形成された緻密で強固なマグネタイト皮膜(以下、第1マグネタイト皮膜という)、及びこの緻密なマグネタイト皮膜の表面に形成されて結合力が弱くてより粗いマグネタイト皮膜(以下、第2マグネタイト皮膜という)を含んでいることを発見した。この第2マグネタイト皮膜は、結合力が弱いため、その皮膜に取り込まれたニッケル及びコバルトが皮膜ごと剥離しやすい性質を有することが分かった。
ステンレス鋼の表面への第1マグネタイト皮膜の形成を促がし、第2マグネタイト皮膜の形成を阻止できれば、親核種であるニッケル及びコバルトの移行が抑制できるのである。しかしながら、第2マグネタイト皮膜の形成を阻止することは困難である。このため、発明者らは、発想を転換し、形成された第2マグネタイト皮膜を除去することにした。発明者らは、この除去方法を種々検討したところ、第1及び第2マグネタイト皮膜が形成されたステンレス鋼(母材)に超音波を掛けることによって、第2マグネタイト皮膜を除去できることを新たに見出した。これは、第2マグネタイト皮膜が第1マグネタイト皮膜よりも結合力が弱いことに着目して成されたものであり、第1マグネタイト皮膜は母材であるステンレス鋼から取り除かれることはなかった。前述の試料Bは、その発明者らが見出した新たな方法、例えば、鉄をギ酸で溶解して調整した鉄(II)イオンを含む薬剤、酸素及びヒドラジンの使用、及び超音波の併用により作成された。超音波を掛ける替りにブラシを用いて第2マグネタイト皮膜を取り除くことも可能である。
特許文献1に記載されたコバルト溶出抑制効果は1/3〜1/4である。上記した超音波を掛ける方法によりマグネタイト皮膜を母材(構造材)に形成した場合は、親核種であるニッケル及びコバルトの溶出抑制効果は、約1/5であり、著しく大きくなる。
また、インコネル材(ニッケル基合金材)の腐食速度はステンレス鋼の約7倍、ステライト材(コバルト基合金材)の腐食速度はステンレス鋼の約10倍である。このため、インコネル材及びステライト材のそれぞれの表面に緻密なマグネタイト皮膜を形成することによって、前者の腐食速度はその皮膜を形成していないインコネル材に比べて約1/35に、後者の腐食速度はその皮膜を形成していないステライト材に比べて約1/50に抑制される、つまり、腐食によって溶出する親核種のニッケル及びコバルトの量も、腐食速度に比例して低減できる。インコネル材及びステライト材表面への第1マグネタイト皮膜の形成は、例えば、特許文献2に記載の方法で第1及び第2マグネタイト皮膜を形成し、超音波を掛けることによって第2マグネタイト皮膜を除去することによって行った。
BWR発電プラント等の原子力発電プラントでは使用した薬剤(鉄(II)イオンを含む薬剤)が放射性廃棄物になるため、その薬剤としては、二酸化炭素と水に分解できる有機酸の使用が好ましい。分解が容易な、2価の鉄イオンを溶解する有機酸として、例えば、ギ酸、マロン酸、ジグリコール酸、シュウ酸などが存在する。実験の結果、これらのどの有機酸を用いても緻密なマグネタイト皮膜が形成された。しかしながら、そのマグネタイト皮膜の生成速度及び均一性の観点からは、ギ酸を用いることが最も好ましい。
また、処理液は混合した直後から処理対象物が存在しなくても液中にマグネタイトの微粒子が生成し始める。この構造材にマグネタイト皮膜を形成する処理を開始する直前に、2価の鉄イオンを含む液に、酸化剤及びpH調整剤を添加する必要がある。
原子力発電プラントに用いられて、第1マグネタイト皮膜を形成する対象となる構造材としては、原子炉の炉心で用いられる燃料スペーサのスプリング及び制御棒ピン・ローラ、原子炉内に設置されたジェットポンプ、及び原子炉の一次冷却系の配管に設置される弁等がある。そのようなマグネタイト皮膜は、それらの部材に限らず原子炉の一次冷却系の冷却材(例えば、炉水)に接触する構造材(例えば、原子炉浄化系の熱交換器に設けられた伝熱管等)の表面に形成することも可能である。また、そのようなマグネタイト皮膜は、PWR発電プラントの蒸気発生器の伝熱管表面に形成することも可能である。これによって、その伝熱管表面からの、放射性核種となる親核種(ニッケル及びコバルト等)の溶出を抑制することができる。
原子炉構造材の表面に第1マグネタイト皮膜の替りにヘマタイト皮膜を形成してもよい。
本発明によれば、ニッケル基合金及びコバルト基合金のいずれかである構造材からのニッケル及びコバルトの、原子炉の一次冷却材中への溶出をさらに低減することができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1における構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を、図1〜図3を用いて説明する。
まず、構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法によって第1マグネタイト皮膜が形成された構造材が用いられるBWR発電プラントの概要を、説明する。BWR発電プラントは、多数の燃料集合体が装荷された炉心を内蔵する原子炉を有し、再循環ポンプ(またはインターナルポンプ)によって冷却水を炉心に供給する。この冷却水は、各燃料集合体内を上昇する際に、各燃料集合体に含まれる燃料棒内の核燃料の核分裂によって発生する熱で加熱され、蒸気になる。発生した蒸気の大部分は、原子炉からタービンに導かれ、タービンを駆動する。タービンに連結された発電機が回転され、電気が発生する。タービンから排出された蒸気は復水器で凝縮される。蒸気の凝縮によって生成された水は、給水配管を経て原子炉に冷却水として給水される。炉心内で冷却水の放射線分解によって発生した酸素及び水素は、復水器でほぼ完全に除去される。また、原子炉に戻される給水は、原子炉内での放射性腐食生成物の発生を抑制するため、給水配管に設けられた脱塩器などのイオン交換樹脂濾過装置で主として金属不純物が除去される。給水は、給水配管に設けられた給水加熱器によって200℃近くまで加熱される。
構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を実行するために、本実施例で用いられる皮膜形成装置4を、図1を用いて説明する。皮膜形成装置4は、皮膜を形成する構造材を入れる処理槽5、ギ酸鉄タンク(鉄イオン含有溶液タンク)9、過酸化水素タンク(酸化剤タンク)11、ヒドラジンタンク(pH調整剤タンク)13、分解装置8及び超音波発信器18を備えている。超音波発信器18は処理槽5内に設置されている。配管17の両端部が処理槽5の上端部及び下端部にそれぞれ接続される。循環ポンプ20、弁21、加熱器7及び弁23,25が、この順に配管17に設けられる。加熱器7は処理槽5内に配置してもよい。弁21をバイパスする配管33の両端部が配管17に接続される。フイルタ15及び弁22が配管33に設けられる。冷却器16及び弁24が、配管17に両端部が接続される配管34に設置される。配管34は過熱器7及び弁23のバイパス配管である。分解装置8及び弁26が設けられて両端部が配管17に接続される配管35が、弁25をバイパスしている。ギ酸鉄タンク9が配管37によって配管17に接続される。ポンプ10及び弁27が配管37に設けられている。過酸化水素タンク11が配管38によって配管17に接続されている。ポンプ12及び弁28が配管38に設けられる。ヒドラジンタンク13が配管39によって配管17に接続されている。ポンプ14及び弁29が配管39に設置される。弁30を有する配管36が、配管35と配管38を接続している。
原子炉構成部材、例えば燃料スペーサの製造方法を、図2を用いて説明する。燃料スペーサは、燃料集合体に用いられ、燃料集合体を構成する複数の燃料棒相互間の間隔を保持する役割を持っている。燃料スペーサは、ジルカロイ製のスペーサグリッド及びインコネル製のスペーサスプリングを有する。マグネタイト皮膜はスペーサスプリングの表面にだけ形成される。所定形状のスペーサスプリングを成型加工する(ステップ41)。その後、マグネタイト皮膜の形成に先立ち、前処理である脱脂及び洗浄を行う(ステップ42)。アセトンを用いてスペーサスプリングの脱脂を行い、さらに、純水によりスペーサスプリングの表面が洗浄される。ステップ42の後で、スペーサスプリングの表面にマグネタイト皮膜を形成する(ステップ43)。ステップ43の処理の詳細は後述する。次に、燃料スペーサが組み立てられる(ステップ44)。表面にマグネタイト皮膜が形成されたスペーサスプリングは、別途製造されたスペーサグリッドに取り付けられる。これにより、燃料スペーサが完成する。
皮膜形成装置4を用いた構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法、すなわち、ステップ43によるマグネタイト皮膜の形成方法を、詳細に説明する。まず、処理槽5内に所定の量の純水を張り、原子炉構造材、例えば、スペーサスプリング32を入れたバスケット31を処理槽5内の純水に浸漬する。スペーサスプリング32も純水中に浸漬される。弁21,23,25は開いており、弁22,24,26〜30は閉じている。循環ポンプ20を駆動して、処理槽5内の純水を配管17を通して循環させる。循環している純水を、加熱器7で加熱して90℃まで昇温させる。純水の温度が90℃に達したとき、弁27を開いてポンプ10を駆動させる。ギ酸鉄タンク9内のギ酸鉄(鉄(II)イオン含有溶液)が、配管17に注入されて処理槽5内に導かれる。ギ酸鉄の注入は、処理槽5内の純水中の鉄(II)イオン濃度が200ppm以上の設定濃度になるまで行われる。ギ酸鉄が混入された純水を処理液という。ギ酸鉄が均一に混ざった時点で、弁28を開いてポンプ12を駆動する。過酸化水素タンク11内の過酸化水素が配管17内に供給される。過酸化水素は、処理槽5内で処理液に含まれる鉄(II)イオン(Fe2+)の一部が鉄(III)イオン(Fe3+)になるまで注入される。マグネタイトの2価イオンと3価イオンの比率は1:2であるため、鉄(II)イオンの2/3当量を超えて過酸化水素を注入してはいけない。処理液中の過酸化水素濃度が均一になったとき、弁29を開いてポンプ14を駆動させる。ヒドラジンタンク13内のヒドラジンが、配管17内に注入され、配管17及び処理槽5内を循環する。ヒドラジンの注入により、処理液のpHがアルカリ側にシフトされる。ヒドラジンの注入は、処理液のpHが設定値になるように行われる。処理液のpHは、5.5〜9.0の範囲内に調整される。
処理液の加熱温度を90℃としたが、その加熱温度は100℃以下にすることが望ましい。加熱温度を100℃以下にすることによって処理液が沸騰しないので、処理液を加圧する必要がなくなる。このため、皮膜形成装置4は、加圧装置を備える必要がなく、コンパクト化できる。加熱温度は約25℃以上であれば、マグネタイト皮膜が形成される。しかしながら、25℃以上であっても加熱温度が低い領域では、マグネタイト皮膜の成長速度が非常に遅くなる。このため、処理液の加熱温度は、燃料スペーサの製造に支障を与えない有意な速度でマグネタイト皮膜を形成できる60℃以上にすることが最も好ましい。加熱温度を60℃以上にすることによってその有意な速度でマグネタイト皮膜が形成されることを実験で確認した。処理液の加熱温度は、上記したように、25℃〜100℃の範囲にすることが望ましく、60℃〜100℃の範囲にすることが最も好ましい。
ギ酸鉄、過酸化水素及びヒドラジンが処理槽5内に供給され、処理液のpHが設定値になったとき、マグネタイトの生成反応が生じる。処理槽5内で処理液に浸漬されているスペーサスプリング32の表面に、マグネタイト皮膜が形成される。この際、バスケット31内のスペーサスプリング32が動くようにバスケット31を振動させて(または揺らして)、スペーサスプリング32の全表面にマグネタイト皮膜が形成されるようにすることが好ましい。スペーサスプリング32の表面に第1マグネタイト皮膜が形成され、第1マグネタイト皮膜の上に第2マグネタイト皮膜が形成される。ヒドラジンの注入を開始してから第1の所定時間が経過したとき、超音波発信器18を駆動させて処理槽5内の処理液中に超音波を発信させる。第1及び第2マグネタイト皮膜が形成されたスペーサスプリング32に、超音波が当てられる。この超音波によりバスケット31内のスペーサスプリング32が振動するため、結合力が弱い第2マグネタイト皮膜が剥がれ、第2マグネタイト皮膜がスペーサスプリング32の表面から除去される。超音波発信器18を駆動してから第2の所定時間が経過した後、バスケット31を処理槽5から引き上げることにより、皮膜形成処理が終了する。処理槽5から引き上げられたスペーサスプリング32は、表面に、マグネタイト皮膜として緻密な第1マグネタイト皮膜のみを形成している。
ステップ43の処理によって、ニッケル基合金(例えば、スペーサスプリングにおいてはインコネル)の母材45の表面に、図3に示すように、第1マグネタイト皮膜46が形成されている。本実施例は、超音波発信器18から超音波を発信するため、母材45には第2マグネタイト皮膜が形成されていない。このように一次冷却水(炉水)と接するニッケル基合金材(原子炉構造材)の表面に鉄及び酸素のみから構成される緻密な酸化皮膜、すなわち緻密なマグネタイト(Fe)皮膜(第1マグネタイト皮膜46)が形成される。この第1マグネタイト皮膜46の形成によって、母材45の主要元素であるニッケルとその不純物として含まれるコバルトの炉水中への溶出が低減される。すなわち、原子炉の通常運転中における炉水温度では、金属イオンが第1マグネタイト皮膜46内を拡散する速度が小さいため、ニッケル及びコバルトの炉水中への溶出が著しく抑制される。なお、炉水と接触する構造材、すなわち、ニッケル基合金(例えば、スペーサスプリングにおいてはインコネル)の母材(第1マグネタイト皮膜46が形成されていない)45は、原子炉の通常運転中において、図4に示すように、表面にクロムを主成分とした薄い皮膜47が形成され、その皮膜47上に結晶化したマグネタイト粒子が積層したマグネタイト層48が形成されている。マグネタイト層48では、マグネタイト粒子間を炉水が通り抜けるため、酸素及び金属イオンの拡散が速くなっている。このマグネタイト層48は、本実施例で形成される第1マグネタイト皮膜46と明らかに組成及び構造が異なっており、母材45からのニッケル及びコバルトの溶出を抑制することはできない。
皮膜形成装置4による第1マグネタイト皮膜の形成が終了した後、皮膜形成装置4内の使用済みの処理液は、廃液処理業者に処理を委託してもよい。本実施例は、皮膜形成装置4内で、使用済みの処理液(以下、廃液という)を処理して処分しやすい形態にする。この廃液の処理について説明する。マグネタイト皮膜の形成が終了した後、弁21,25,27,29を閉じる。一方、弁22,26を開く。循環ポンプ20の回転により、処理槽5内の廃液は、フイルタ15及び分解装置8を通って処理槽5内に戻される。廃液に含まれたギ酸及びヒドラジンの分解に必要な過酸化水素を、ポンプ12の駆動により配管17内の廃液中に供給する。過酸化水素は、ギ酸濃度及びヒドラジン濃度に対応した当量の1.2倍以上の量を供給する。過酸化水素の注入によって、フェントン反応が生じてギ酸及びヒドラジンが分解され、この反応の発生と共に、残っている鉄(II)イオンも全て鉄(III)イオンに変化する。鉄(III)イオンは溶解度が極めて小さいため、廃液中で酸化鉄として析出する。析出した酸化鉄は、フイルタ15によって廃液から取り除かれる。分解せずに廃液中に残存しているギ酸、ヒドラジン及び過酸化水素は、分解装置8に通水することによって分解が促進され、水、二酸化炭素及び窒素に分解する。また、超音波を当てることにより構造材から取り除かれた第2マグネタイト皮膜は粒子状になっており、この第2マグネタイト粒子はフイルタ15によって取り除かれる。これにより、実質的な廃棄物はフイルタ15だけとなる。
ギ酸、ヒドラジン及び過酸化水素の分解が終了した後、弁24,25を開いて弁23,26を閉じる。廃液は冷却器16によって冷却される。廃液の温度が、例えば20℃まで低下したとき、処理槽5の蓋が開けられて内部のバスケット31が処理槽5の外に取り出される。このようにして、第1マグネタイト皮膜が形成されたスペーサスプリング32が処理槽5の外に取り出される。
本実施例は、鉄(II)イオンを供給する薬剤として、ギ酸鉄を用いているが、例えば塩化鉄(II)または硝酸鉄(II)を用いてもよい。しかし、塩化物イオンまたは硝酸イオン成分が第1マグネタイト皮膜を形成した構造材に残留することは、原子力発電プラントで使用される構造材には許されない。したがって、原子力発電プラントで使用される構成部材に対して塩化鉄(II)または硝酸鉄(II)を用いることは好ましくない。また、塩化鉄(II)または硝酸鉄(II)は、分解できないため二次廃棄物の増大要因となる。酸化剤として、過酸化水素以外に、亜硝酸ナトリウム及びオゾン水などを用いることも可能である。しかしながら、二次廃棄物の増大などの点で過酸化水素の使用が望ましい。pH調整剤も、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニアのいずれかを使用してもよい。しかし、やはり二次廃棄物の増大及び分解のしやすさなどの観点でヒドラジンが望ましい。
第1マグネタイト皮膜46を形成したスペーサスプリングを含む燃料スペーサを、沸騰水型原子炉用の燃料集合体に用いる。この燃料集合体は、大気中で予備酸化皮膜を形成した従来のスペーサスプリングを有する従来の燃料集合体に比べてニッケル及びコバルトの溶出速度がおよそ1桁小さくなる。本実施例の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を適用して製作されたスペーサスプリング32は、インコネルの母材45に含まれる親核種であるニッケル及びコバルトの溶出、さらには母材45に含まれた放射性核種であるコバルト58及びコバルト60の溶出を著しく抑制できる。炉水中の放射能濃度を予測するモデル解析によれば、本実施例で形成された第1マグネタイト皮膜を有するスペーサスプリングを用いた場合は、予備酸化皮膜を形成した従来のスペーサスプリングを用いた場合に比べて、図5に示すように、炉水中のコバルト58の濃度が約20%低減する。このように炉水中の放射性コバルト濃度が著しく低減されるので、構造材への放射性核種の付着を著しく抑制できる。特に、再循環配管を有するBWR発電プラントでは、再循環配管内面への放射性核種の付着を抑制できる。結果として、定期検査時の作業者の受ける線量当量が著しく抑制できる。
本実施例は、マグネタイト皮膜の形成の際に超音波発信器18から超音波を発信するため、結合力が弱くて皮膜が緻密でない第2マグネタイト皮膜がスペーサスプリング32から取り除かれる。したがって、第2マグネタイト皮膜よりもニッケルイオン及びコバルトイオンの拡散の度合いが著しく小さく、しかも剥がれにくい第1マグネタイト皮膜をスペーサスプリングの母材45の表面に残すことができる。このため、本実施例にて形成された第1マグネタイト皮膜46を有するスペーサスプリング32を含む燃料集合体は、特許文献2により形成されたマグネタイト皮膜を含むスペーサスプリングを有する燃料集合体よりも、放射性核種の親核種及びその放射性核種の溶出を低減することができる。特許文献2で形成されたマグネタイト皮膜は、前述したように第1マグネタイト皮膜だけでなく第2マグネタイト皮膜も含んでいる。本実施例が適用された構造材は、特許文献2のように原子炉の運転中に第2マグネタイト皮膜からニッケル及びコバルトが溶出しないので、放射性核種の親核種等の溶出をさらに低減できる。
超音波の発信によりスペーサスプリング32を振動させる替りに形成されたマグネタイト皮膜をブラシで擦ることによって、第2マグネタイト皮膜を取り除くことができる。しかしながら、超音波をスペーサスプリング32に当てることによって、ブラシで擦るよりも効率良く短時間に第2マグネタイト皮膜を除去することができる。炉心に装荷される燃料集合体は多数あるので、使用されるスペーサスプリング32の個数も膨大なものになる。これらのスペーサスプリング32から第2マグネタイト皮膜を除去するには、超音波の適用が非常に有効である。
ステンレス基板の表面上にマグネタイト皮膜を形成して磁気記録媒体を作成する特許文献3記載の方法は、鉄(II)イオン含有溶液として塩化第1鉄溶液及び硫酸第1鉄溶液等の塩素及び酸を含む溶液を用いている。この方法は、塩素または酸を用いており、原子力プラントの構成部材の健全性を確保する観点から、その構成部材に対するマグネタイト皮膜の形成に用いることはできない。
本発明の他の実施例である実施例2における構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を説明する。実施例1は、燃料スペーサのスペーサスプリングのみに第1マグネタイト皮膜を形成した。本実施例は、スペーサスプリングだけでなくスペーサグリッドもインコネルで製造されている場合において、スペーサスプリング及びスペーサグリッドに対して、すなわち、燃料スペーサに対して表面に第1マグネタイト皮膜を形成するものである。
本実施例における燃料スペーサの製造方法を、図7を用いて説明する。実施例1と同様に、所定形状のスペーサスプリングを成型加工する(ステップ41)。このスペーサスプリングを別途製作したスペーサグリッドに組み込んで燃料スペーサを組み立てる(ステップ44)。この後に、実施例1と同様に、脱脂及び洗浄を行い(ステップ42)、マグネタイト皮膜を形成する(ステップ43)。このマグネタイト皮膜の形成は、皮膜形成装置4を用いて燃料スペーサの表面に第1マグネタイト皮膜を形成するものである。すなわち、実施例1におけるスペーサスプリングの替りに燃料スペーサをバスケット31内に収納して処理槽5内で処理液に浸漬させる。本実施例は、ギ酸鉄、過酸化水素及びヒドラジンを用いて、実施例1と同様な処理で、燃料スペーサの表面に第1マグネタイト皮膜を形成する。第1及び第2マグネタイト皮膜が形成された後で、超音波発信器18から超音波が発信され、第2マグネタイト皮膜が燃料スペーサから取り除かれる。
本実施例で製造された燃料スペーサを有する燃料集合体を炉心に装荷した場合には、燃料スペーサの表面全体が第1マグネタイト皮膜で覆われているため、燃料スペーサの母材であるインコネルが直接炉水と接触することを避けることができる。燃料スペーサの母材に含まれているニッケル及びコバルト等の放射性核種の親核種、さらには、原子炉の運転中にその母材内で生成されたコバルト58等の放射性核種の炉水への溶出が、第1マグネタイト皮膜の存在により、著しく抑制される。
また、スペーサグリッドをジルカロイ製からインコネル製に変更することによってスペーサグリッドの肉厚を薄くすることができる。このような肉厚の薄いスペーサグリッドを備えた燃料集合体は圧力損失を低減できる。したがって、その燃料集合体を炉心に装荷するBWR発電プラントは、設置するインターナルポンプ(または再循環ポンプ)の容量を低減することができる。インターナルポンプ(または再循環ポンプ)の容量を低減しない場合には、炉心流量を増加することができ、原子炉の増出力を達成することができる。本実施例においては、そのような原子力発電プラントにおける効果、特に、原子炉の増出力は、本実施例による第1マグネタイト皮膜の燃料スペーサ表面への形成によって、放射性核種の親核種(ニッケル及びコバルト)、及び放射性核種(コバルト58,60)の溶出抑制と併せて得ることができる。
本実施例は実施例1で生じる効果を得ることができる。本実施例においても、前述したように、超音波発信器18から超音波が発信されるので、燃料スペーサの表面に形成されるマグネタイト皮膜が第2マグネタイト皮膜を含んでいない。このため、上記親核種及び放射性核種の溶出をさらに抑制することができる。
本発明の他の実施例である実施例3における構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を説明する。実施例1及び2は構造材の表面に緻密で強固なマグネタイト皮膜(第1マグネタイト皮膜)を形成した例であるが、マグネタイト皮膜の替りにヘマタイト皮膜を構造材の表面に形成してもよい。炉水中でのヘマタイトの溶解度はマグネタイトよりも小さく、ヘマタイト内での金属イオンの拡散係数もマグネタイト内でのそれよりも小さい。このため、一次冷却水と接触する構造材の表面にヘマタイト皮膜を形成することによって、構造材から一次冷却水への放射性核種の親核種(ニッケル及びコバルト)及びその放射性核種(コバルト58,60)の溶出を抑制する効果は、第1マグネタイト皮膜を形成した場合よりも大きくなる。本実施例は、構造材の表面にヘマタイト皮膜を形成する例である。
本実施例は、制御棒に設けられるピン及びローラの各表面へのヘマタイト皮膜の形成を例に挙げて説明する。本実施例は、実施例1で述べたスペーサスプリング表面へのヘマタイト皮膜の形成、及び実施例2で述べた燃料スペーサ表面へのヘマタイト皮膜の形成にも適用することができる。ピン及びローラは、ニッケル基合金、例えばインコネルにて構成される。
制御棒は、炉心に装荷された多数の燃料集合体相互間に挿入され、原子炉出力を制御する機能を有する。制御棒操作の際において、燃料集合体相互間での制御棒の移動を円滑に行うために、組み合わされたピン及びローラが制御棒の挿入端部及び引き抜き端部にそれぞれ設置されている。BWR発電プラントの制御棒は、横断面が十字形であり、軸心から四方に伸びる4枚のブレードを有している。各ブレードは、中性子吸収材を充填した複数の中性子吸収棒を内部に設けている。各ブレードは、中性子吸収棒の上端よりも上方に位置する挿入端部、及びその中性子吸収棒の下端よりも下方に位置する引き抜き端部にそれぞれ貫通孔部を形成している。原子炉構成部材であるピン及びローラは、これらの貫通孔部内に配置される。ピンはブレードに取り付けられ、ローラはそのピンに回転可能に設置される。ピンはローラに設けられた貫通孔内を貫通している。このため、ローラはピンを中心に回転できる。
緻密なヘマタイト皮膜を低温で原子炉構成部材に形成することは難しい。しかしながら、実施例1で説明した第1マグネタイト皮膜を形成した後、この第1マグネタイト皮膜をヘマタイト皮膜に変化させることによって原子炉構成部材の表面にヘマタイト皮膜を形成することができる。第1マグネタイト皮膜をヘマタイト皮膜に変化させるために、過酸化水素水及びオゾン水等の酸化剤水溶液を用いる。
本実施例における構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を具体的に説明する。ピン及びローラは、皮膜形成装置4を用いて表面に第1マグネタイト皮膜が形成される。この第1マグネタイト皮膜の形成は、バスケット31内に収納されたピン及びローラを処理槽5内で処理液に浸漬させた状態で、実施例1と同様に行われる。超音波発振器18から超音波が発信されるので、ピン及びローラに形成された第2マグネタイト皮膜が除去される。第1マグネタイト皮膜はローラの貫通孔の内面にも形成される。第1マグネタイト被膜が表面に形成されたピン及びローラは処理槽5から取り出される。
第1マグネタイト皮膜が表面に形成されたピン及びローラは、容器内に充填された過酸化水素水に浸漬させる。この処理により、第1マグネタイト皮膜の第1マグネタイトはその皮膜の表面からヘマタイト(Fe)に変化する。第1マグネタイト皮膜の一部が表面から所定厚みのヘマタイト皮膜に変化したとき、ピン及びローラは過酸化水素水から取り出される。この方法によって第1マグネタイト皮膜を全てヘマタイト皮膜に変えることできるが、その変化が完了するまでに非常に長い時間を要する。このため、第1マグネタイト皮膜の全表面がヘマタイトに変わり、このヘマタイト皮膜が所定厚みに変化したとき、第1マグネタイトをヘマタイトに変える処理を停止する。すなわち、ピン及びローラを過酸化水素水から取り出す。過酸化水素水の替りにオゾン水を用いてもよい。
以上の処理によって、ピン及びローラの表面には、図8に示すように、第1マグネタイト皮膜46及びヘマタイト皮膜49が形成される。すなわち、ピン及びローラの母材45であるインコネル材の表面に第1マグネタイト皮膜46が形成され、このマグネタイト皮膜46の表面にヘマタイト皮膜が形成される。これらの皮膜を形成したピン及びローラを取り付けた制御棒を炉心に配置したとき、炉水は、ピン及びローラにそれぞれ形成されたヘマタイト皮膜に直接接触する。
このようにヘマタイト皮膜を形成した本実施例は、実施例1及び2のように第1マグネタイト皮膜を形成してこの第1マグネタイト皮膜を炉水と接触させる場合に比べて、母材45から炉水への放射性核種の親核種(例えば、ニッケル及びコバルト等)及びその放射性核種(コバルト58、コバルト60等)の溶出をさらに抑制することができる。本実施例は、マグネタイト皮膜の形成時に実施例1と同様に超音波発信器18から処理液に超音波を発信しているので、ピン及びローラの表面に結合力が弱くて粗い第2マグネタイト皮膜の形成が防止される。このため、マグネタイトをヘマタイトに変化させる上記処理を行っても、第2マグネタイト皮膜が変化したヘマタイトがピン及びローラの表面に形成されることはない。もし、第2マグネタイト皮膜が存在してこの第2マグネタイト皮膜がヘマタイトに変化した場合には、このヘマタイトは、結合力が弱くてピン及びローラから剥離しやすい性質を有する。放射性コバルトの親核種であるニッケル及びコバルトが取り込まれた結合力の弱いそのヘマタイトは、ピン及びローラから剥離して放射性コバルトの移行媒体となる。本実施例は、放射性コバルトの移行媒体の発生を著しく抑制できる。本実施例は、実施例1で生じる効果を得ることができる。
なお、ピン及びローラは、その表面に、実施例1のように、第1マグネタイト皮膜を形成したままにしてもよい。
本実施例では、酸化剤水溶液を用いてヘマタイト皮膜を形成したが、以下に述べるように、加熱炉を用いてヘマタイト皮膜を形成してもよい。上記したように表面に第1マグネタイト皮膜を形成したピン及びローラを、空気雰囲気中に設置された加熱炉内に入れる。加熱炉内も空気雰囲気になっている。加熱炉内のピン及びローラは、加熱炉によって、例えば約300℃で所定時間加熱される。この加熱処理によって加熱された空気(酸素を含む加熱されたガス)が、ピン及びローラの表面に形成された第1マグネタイト皮膜に接触し、この第1マグネタイト皮膜は、ヘマタイト皮膜に変化する。加熱炉を用いた場合は、上記の混合水を用いた場合に比べて、第1マグネタイト皮膜の全てをヘマタイト皮膜に変化させるために要する時間を短縮することができる。しかしながら、前者の場合は、後者の場合に比べて加熱炉を必要とする。
上記した各方法によるヘマタイト皮膜の形成は、スペーサスプリング及び燃料スペーサの表面に形成することも可能である。
上記した各実施例は、母材としてニッケル基合金(例えばインコネル)を用いた原子炉構成部材を対象に第1マグネタイト皮膜及びヘマタイト皮膜の少なくとも1つを形成する例である。母材にコバルト基合金(例えばステライト)を用いた構造材に対しても、第1マグネタイト皮膜及びヘマタイト皮膜の少なくとも1つを、実施例1ないし3で述べた方法に基づいて形成することも可能である。原子炉の一次系冷却水と接触するコバルト基合金(例えばステライト)はコバルト60の親核種であるコバルト59の主たる発生源となる。すなわち、炉水と接触するステライトからコバルト59が炉水に溶出しやすい。BWR発電プラントに用いられるジェットポンプの肉盛部、及び原子炉に接続される一次系配管に設置された各弁の弁体に形成された弁座の肉盛部にはステライト材が使用されている。
ジェットポンプ(または弁体)を実施例1と同様に皮膜形成装置4の処理槽5内の処理液に浸漬にし、ジェットポンプ(または弁体)の表面に第1マグネタイト皮膜及び第2マグネタイト皮膜を形成する。皮膜の形成が終了した後、ジェットポンプ(または弁体)に超音波発信器18からの超音波を当てる。これにより、第2マグネタイト皮膜がジェットポンプ(または弁体)から除去される。以上の処理により、ジェットポンプの肉盛部(または弁体の弁座の肉盛部)の表面に第1マグネタイト皮膜が形成される。本実施例においても、放射性核種の親核種(例えば、ニッケル及びコバルト等)及びその放射性核種(コバルト58、コバルト60等)の溶出をさらに抑制することができる。
ジェットポンプ(または弁体)の表面へのヘマタイト皮膜の形成は、実施例3で述べたように、酸化剤水溶液または酸素を含む加熱されたガスを用いて行われる。この処理により、ジェットポンプ(または弁体)の表面に形成された第1マグネタイト皮膜の一部または全部がヘマタイト皮膜に変わる。ヘマタイト皮膜を形成することによって、ジェットポンプ(または弁体)のステライト材の箇所からの放射性核種の親核種(例えば、ニッケル及びコバルト等)及びその放射性核種(コバルト58、コバルト60等)の溶出をさらに低減することができる。
原子力発電プラントに既に用いられているジェットポンプ(または弁体)については、例えば、原子炉格納容器内に皮膜形成装置4を設置することにより、第1マグネタイト皮膜及びヘマタイト皮膜の少なくとも1つを形成することができる。上記した既設のジェットポンプ(または弁体)に対して、第1マグネタイト皮膜及びヘマタイト皮膜の少なくとも1つを形成する際には、その皮膜の形成の前にジェットポンプ(または弁体)を化学除染して既存の酸化膜を除去することが望ましい。
また、原子炉に接続されている既設の配管内面に第1マグネタイト皮膜及びヘマタイト皮膜の少なくとも1つを形成する際には、その配管に皮膜形成装置4を接続して行う。ただし、超音波発信器を処理槽5内ではなく配管に直接取り付け、配管に超音波を当てて配管を振動させるとよい。この場合においても、配管内に事前に化学除染液を流して配管内面に形成されている酸化膜を除去する必要がある。
本発明の好適な一実施例である実施例1の原子炉構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法に適用される皮膜形成装置の系統図である。 スペーサスプリングにマグネタイト皮膜を形成して燃料スペーサを製造する工程を示したフローチャートである。 実施例1の原子炉構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法が適用された原子炉構成部材の表面部の縦断面図である。 実施例1のニッケル及びコバルトの溶出抑制方法が適用されない状態での原子炉構成部材の表面部の縦断面図である。 実施例1のニッケル及びコバルトの溶出抑制方法が適用されたスペーサスプリングを含む燃料スペーサを有する燃料集合体を、炉心に装荷した場合において、炉水中のコバルト58濃度の、原子炉運転時間の経過に伴う変化を示す説明図である。 ステンレス鋼材の表面に第1マグネタイト皮膜を形成した試料へのコバルト60の付着量の実験結果を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例2の原子炉構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法を適用した燃料スペーサの製造工程を示したフローチャートである。 本発明の他の実施例である実施例3の原子炉構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法が適用されたピン(またはローラ)の表面部の縦断面図である。
符号の説明
4…皮膜形成装置、5…処理槽、7…加熱器、8…分解装置、9…ギ酸鉄タンク、11…過酸化水素タンク、13…ヒドラジンタンク、15…フイルタ、16…冷却器、17,33〜39…配管、18…超音波発信器、20…循環ポンプ、31…バスケット、32…スペーサスプリング、45…母材、46…第1マグネタイト皮膜、49…ヘマタイト皮膜。

Claims (9)

  1. 原子炉の一次冷却材と接触するニッケル基合金及びコバルト基合金のいずれかである、原子力プラントに用いられる構造材の表面に、鉄酸化物皮膜を形成し、前記鉄酸化物皮膜が形成された前記構造材に超音波を当てることを特徴とする構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  2. 前記鉄酸化物皮膜がマグネタイト皮膜及びヘマタイト皮膜の少なくとも1つを含んでいる請求項1に記載の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  3. 前記マグネタイト皮膜を酸化処理することによって前記ヘマタイト皮膜を形成する請求項2に記載の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  4. 前記酸化処理は、酸化剤水溶液、及び酸素を含む加熱されたガスの一方を前記マグネタイト皮膜に接触させることにより行う請求項3に記載の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  5. 前記マグネタイト皮膜が、前記金属部材を、鉄(II)イオンを含む第1の薬剤、酸化剤を含む第2の薬剤及びpHを調整する第3の薬剤を含む処理液に浸漬させることによって形成される請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  6. 前記ニッケル基合金である前記構造材がスペーサスプリング、燃料スペーサ、及び制御棒に取り付けられるピン及びローラのいずれかである請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の金属部材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  7. 前記コバルト基合金である前記構造材が、制御棒に取り付けられるピン及びローラ、ジェットポンプの肉盛部及び弁の弁座のいずれかである請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  8. 前記鉄酸化物皮膜の形成は、前記構造材を約15℃から100℃の範囲内の温度に加熱して行う請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
  9. 前記処理液のpHが5.5〜9.0の範囲にある請求項5に記載の構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法。
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