JP2008050016A - キャップ付き容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】開蓋後に廃棄作業等をする必要がなく、しかも、誤って開蓋してしまう恐れがなく、しかも、キャップに他物が当たる等してもキャップ等が損傷したり、破損したりすることのないキャップ付き容器を提供する。
【解決手段】容器1と、この容器1の口部4に螺着される合成樹脂製のキャップ15を備え、容器1の口部4の下部外周面にその周方向に沿って凸条6が突設され、容器1の口部4の、上記凸条6の下側部分に合成樹脂製のリング体11が外嵌され、このリング体11が、環状板部12と、この環状板部12の内周面から上向き傾斜状に突設される複数個の突片13からなり、これら各突片13の先端部分が上記凸条6に上方への抜け出し防止のために係合し、上記口部4にキャップ15を螺着した閉蓋状態でキャップ15と環状板部12とが、キャップ15の開蓋方向の回転力により切り離し可能に熱溶着されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、化粧料収容容器,食品収容容器,バイアル瓶等の各種容器において、そのキャップが開蓋されたか開蓋されていないかが簡単に判る改ざん防止用のキャップ付き容器に関するものである。
従来から、化粧料,食品等の各種の内容物を収容する容器と、この容器の口部にねじ止めされるキャップとからなるキャップ付き容器が多く出回っているが、このものは、容器の口部にキャップをねじ止めしているだけであるため、簡単に開蓋することができる。したがって、容易に内容物の改ざん等が行われる危険がある。
そこで、このような改ざん等が行われるのを防止するため、例えば、図9に示すような改竄防止シュリンクキャップシール30が提案されている。このシュリンクキャップシール30は、キャップ31で閉蓋された容器32の上部32aおよびキャップ31に、円筒状のシュリンクフィルムチューブ(図示せず)を被覆させた状態で熱収縮させて緊着させたものであり、キャップ31をシュリンクキャップシール30とともに回すと、このシュリンクキャップシール30が破壊されてしまい、これにより、一目で開けられたことが判るようになっている(例えば、特許文献1参照)。図において、33は上記シュリンクキャップシール30に設けた多数の切れ目である。
特開2003−231539号公報
しかしながら、上記のシュリンクキャップシール30では、一度キャップ31を開蓋してしまうと、シュリンクキャップシール30を再使用することができず、不要品となってしまうため、これをキャップ31から取り外して廃棄しなければならず、これらの作業に手間がかかる。しかも、キャップ31,シュリンクキャップシール30はともに小さな力で回すことができるため、キャップ31,シュリンクキャップシール30を誤って回して開蓋してしまう恐れがある。しかも、キャップ31,シュリンクキャップシール30に他物が当たったり、容器32を床上に落としてキャップ31,シュリンクキャップシール30が床面に衝突したりすると、その衝撃力がシュリンクキャップシール30,キャップ31を介して容器32に直接伝達されるため、キャップ31や容器32が損傷したり、破損したりする。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、開蓋後に廃棄作業等をする必要がなく、しかも、誤って開蓋してしまう恐れがなく、しかも、キャップに他物が当たる等してもキャップ等が損傷したり、破損したりすることのないキャップ付き容器の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のキャップ付き容器は、容器と、この容器の口部に螺着される合成樹脂製のキャップとを備え、上記容器の口部の下部外周面にその周方向に沿って凸条が突設され、上記容器の口部の、上記凸条の下側部分に合成樹脂製の環状体が外嵌され、この環状体が、環状部と、この環状部の内周面からその周方向に所定の間隔をあけて上向き傾斜状に突設される複数個の突片とからなり、これら各突片の先端部分が、上記凸条の下部外周面に、上方への抜け出し防止のために係合し、上記容器の口部にキャップを螺着した閉蓋状態で上記キャップの下面と環状部の上面とが、キャップの開蓋方向の回転力によって切り離し可能に熱溶着されているという構成をとる。
すなわち、本発明のキャップ付き容器は、容器の口部に外嵌された環状体の複数個の突片が、容器の口部の下部外周面から突設された凸条に上方への抜け出し防止のために係合している。そして、閉蓋状態では、容器の口部に螺着されたキャップと、上記(容器の口部に外嵌された)環状体の環状部とが熱溶着により固定されている。このため、キャップを開蓋方向に回転させようとしても、その力が小さいと、上記熱溶着に抗してキャップと環状部とを切り離すことができず、したがって、キャップを開蓋方向に回転させて容器の口部を上昇させるることができない。このような閉蓋状態から開蓋する場合には、少し大きな力(上記熱溶着しているキャップと環状部とを切り離せる程度もしくはそれ以上の力)でキャップを開蓋方向に回転させ、この回転力によりキャップと環状部とを切り離し、切り離したのちは、小さな力で上記開蓋方向への回転を続けて開蓋することを行う。
上記のように、本発明のキャップ付き容器では、最初に開蓋する場合には、少し大きな力でキャップを開蓋方向に回転させなければならないが、一度開蓋してしまうと、小さな力でキャップを開蓋方向に回転させることができる。したがって、開蓋する際に、少し大きな力でキャップを回転さないと開蓋できないか、小さな力でも開蓋できるのかの区別により、一度開蓋されたことがあるか、まだ開蓋されたことがないかが、簡単に判る。しかも、開蓋後も環状体は容器の口部に外嵌されたままであるため、環状体を廃棄する必要がなく、廃棄作業等の必要もなくなる。しかも、最初の開蓋の際、小さな力ではキャップを回転させることができないため、誤って開蓋させてしまうことがなくなる。しかも、上記容器の口部に外嵌された環状体は、環状部と、この環状部の内周面から上向き傾斜状に突設される複数個の突片とからなり、これら各突片の先端部分が上記凸条の下部外周面に上方への抜け出し防止状に係合しているため、上記各突片が弾性片として作用し緩衝効果を奏する。したがって、キャップの下端部に他物が当たったり、容器を床上に落としてキャップの周側壁が床面に衝突したりしても、その衝撃力が上記各突片で緩衝され、容器の口部,キャップおよび環状体が損傷したり、破損したりすることがない。
また、本発明において、上記環状体の環状部が板状に形成されて上記容器の肩部に載置されている場合には、この肩部を利用して環状体の環状部を安定よく載置することができる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
図1は本発明のキャップ付き容器の一実施の形態を示している。図において、1は合成樹脂製の容器であり、この実施の形態では、高級感のある化粧料収容容器が用いられている。上記容器1は、内部に化粧料(図示せず)を収容する略円筒状の胴部2と、略円環状に形成された肩部3(上記胴部2の天井壁で構成されている)と、この肩部3の中央開口部から上方に向かって略円筒状に延びる口部4(図2参照)とを備えている。
この口部4には、図3および図4に示すように、その外周面に第1ねじ部5が刻設されており、その下端部には、上記肩部3との間に所定の隙間をあけた状態で、上記口部4の周方向に沿って延びる1条の円環状の凸条6が突設されている。図2において、7は上記口部4の上面開口部を密閉するためのシリコンゴム製のシール材(ゴム硬度がショアA硬さで40〜90度の範囲内にある)であり、上記容器1および、後述するキャップ15と別体であってもよいし、キャップ15の天井壁15aの下面に接着,一体化されていてもよい。
11は上記容器1の肩部3上に載置された状態で上記口部4にその周方向に回転自在に外嵌される合成樹脂製(例えば、PP製)のリング体(環状体)であり、図5に示すように、上記容器1の肩部3上に載置される円環状の環状板部(環状部)12と、この環状板部12の内周面からその周方向に所定の間隔をあけた状態で内側に向かってかつ上向き傾斜状に突設される複数個(この実施の形態では、10個)の突片13とからなっている。そして、これら各突片13の先端部分が、上記凸条6の下部外周面に上方への抜け出し防止状に当接して係合している。また、上記各突片13は、弾性片としても作用し、その厚みは、好適には、0.1〜2.0mmの範囲内に設定されている。
15は合成樹脂製(例えば、ABS製)のキャップ(図1参照)であり、略有天円筒状に形成されている。このキャップ15には、図6に示すように、その内周面に、上記第1ねじ部5に螺合する第2ねじ部16が刻設されており、また、その下端部外周面には鍔部17が突設されている。このようなキャップ15の下面とリング体11の環状板部12の上面とは、最初開蓋されるまでは、超音波溶着によりスポット的に熱溶着されている。
そして、上記熱溶着状態では(すなわち、最初開蓋されるまでは)、キャップ15は上記口部4に螺着している(閉蓋している)が、リング体11の各突片13の先端部分が上記口部4の凸条6の下部外周面に上方への抜け出し防止状に係合しているため、キャップ15が上記口部4に対してその周方向に相対回転不能に(もしくは少しだけ相対回転可能に)なっており、キャップ15が不用意に開蓋方向に回転することはない。また、小さな力でキャップ15を開蓋方向に回転させようとしても、小さな力では、上記熱溶着により固定されたキャップ15とリング体11の環状板部12とを切り離すことができず、キャップ15を開蓋方向に回転させることはできない。しかし、少し大きな力(上記熱溶着しているキャップ15とリング体11の環状板部12とを切り離せる程度もしくはそれ以上の力)でキャップ15を開蓋方向に回転させると、この回転力によってキャップ15とリング体11の環状板部12との熱溶着部分を切り離すことができる。また、切り離されたのちは、小さな力でもキャップ15を開蓋方向に回転させることができる。
上記の構成において、最初開蓋されるまでは、容器1の口部4にキャップ15が螺着された閉蓋状態にあり、このキャップ15の下面とリング体11の環状板部12の上面とは熱溶着により固定されている。また、リング体11の各突片13の先端部分が上記口部4の凸条6の下部外周面に上方への抜け出し防止状に係合しており、キャップ15が上記口部4に対してその周方向に相対回転不能になっている。
この閉蓋状態からキャップ15を開蓋する場合には、図2の状態からキャップ15を少し大きな力で開蓋方向に回転させ、この回転力によりキャップ15と環状板部12とを切り離し、切り離したのちは、小さな力でキャップを開蓋方向に回転させて開蓋することを行う(図7参照)。
一方、上記容器1の口部4にリング体11およびキャップ15をセットする場合には、まず、上記口部4の上方にリング体11を位置決めし、その状態でリング体11を下降させて上記口部4の凸条6の下側に位置決めし、リング体11の環状板部12を上記容器1の肩部3上に載置するともに、リング体11の各突片13の先端部分を上記口部4の凸条6の下部外周面に上方への抜け出し防止状に係合させる。つぎに、上記口部4にキャップ15を螺合させながら上記口部4の外周面に沿って下降させ、キャップ15の下面をリング体11の環状板部12の上面に当接させる。そののち、キャップ15の下面とリング体11の環状板部12の上面とを超音波溶着によりスポット的に熱溶着することを行う。
このように、上記実施の形態では、最初に開蓋する場合には、少し大きな力でキャップ15を開蓋方向に回転させなければならないが、一度開蓋してしまうと、小さな力でキャップ15を開蓋方向に回転させることができる。したがって、開蓋する際に、少し大きな力でキャップ15を回転さないと開蓋できないか、小さな力でも開蓋できるのかの区別により、一度開蓋されたことがあるか、まだ開蓋されたことがないかが、簡単に判る。しかも、開蓋後もリング体11は容器1の口部4に外嵌されたままであるため、リング体11を廃棄する必要がなく、廃棄作業等の必要もなくなる。しかも、最初の開蓋の際は、少し大きな力でないとキャップ15を回転させることができないため、不用意に開蓋することがなくなる。しかも、上記リング体11は、環状板部12と、この環状板部12の内周面から上向き傾斜状に突設される複数個の突片13とからなり、これら各突片13の先端部分が上記口部4の凸条6の下部外周面に上方への抜け出し防止状に係合しているため、上記各突片13が弾性片として作用し緩衝効果を奏する。したがって、キャップ15の下端部に他物が当たったり、容器1を床上に落としてキャップ15の周側壁が床に衝突したりしても、その衝撃力が上記各突片13で緩衝され、上記口部4,キャップ15およびリング体11が損傷したり、破損したりすることがない。しかも、高級感のある化粧料収容容器において、最初に開蓋するときに、少し大きな力でキャップ15を回転させるという開蓋感覚を味わうことができる。
図8は本発明のキャップ付き容器の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、容器1の口部4の下端部からその周方向に沿って円環状に延びる載置板21が突設されており、この載置板21上にリング体11が載置されている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
なお、上記両実施の形態において、リング体11を構成する合成樹脂としては、ポリプロピレン(PP)を用いているが、これに限定するものではなく、ポリエチレン(PE)等の各種の熱可塑性合成樹脂やエラストマー等を用いてもよい。また、キャップ15を構成する合成樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)を用いているが、ポリカーボネート(PC)等の各種の熱可塑性合成樹脂やエラストマー等を用いてもよく、好ましくは上記リング体11を構成する合成樹脂とは異種類の合成樹脂が用いられる。
また、上記両実施の形態では、キャップ15の下面とリング体11の環状板部12の上面とを超音波溶着によりスポット的に熱溶着しているが、連続的に熱溶着してもよいし、超音波溶着以外の各種の合成樹脂熱溶着方法(例えば、高周波溶着)により熱溶着してもよい。さらに、インサート成形や二重成形により、キャップ15とリング体11と環状板部12とを形成することもできる。
また、上記両実施の形態では、凸条6は円環状に形成されているが、複数個の凸条6が所定間隔をあけて当接されている等、一連に繋がっていなくてもよい。また、上記両実施の形態では、リング体11は環状板部12と各突片13とで構成されているが、容器1の口部4の外周面に沿って円環状に延びる帯状部と、この帯状部の内周面からその周方向に所定の間隔をあけた状態で上向き傾斜状に突設される複数個の突片13とで構成されていてもよい。
本発明のキャップ付き容器の一実施の形態を示す斜視図である。 上記キャップ付き容器の要部の断面図である。 容器の口部の斜視図である。 上記口部の断面図である。 リング体の平面図である。 キャップの断面図である。 上記キャップ付き容器の作用を示す斜視図である。 本発明のキャップ付き容器の他の実施の形態を示す要部の断面図である。 従来例を示す正面図である。
符号の説明
1 容器
4 口部
6 凸条
11 リング体
12 環状板部
13 突片
15 キャップ

Claims (2)

  1. 容器と、この容器の口部に螺着される合成樹脂製のキャップとを備え、上記容器の口部の下部外周面にその周方向に沿って凸条が突設され、上記容器の口部の、上記凸条の下側部分に合成樹脂製の環状体が外嵌され、この環状体が、環状部と、この環状部の内周面からその周方向に所定の間隔をあけて上向き傾斜状に突設される複数個の突片とからなり、これら各突片の先端部分が、上記凸条の下部外周面に、上方への抜け出し防止のために係合し、上記容器の口部にキャップを螺着した閉蓋状態で上記キャップの下面と環状部の上面とが、キャップの開蓋方向の回転力によって切り離し可能に熱溶着されていることを特徴とするキャップ付き容器。
  2. 上記環状体の環状部が板状に形成されて上記容器の肩部に載置されている請求項1記載のキャップ付き容器。
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