JP2008049965A - 作業車両のステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一般公道での高速走行を可能とし、かつ、車輪の操舵方向に多様性を持たせて作業車両としての操作性を向上させる。
【解決手段】作業車両のステアリング装置は、ステアリングホイール1と前輪8a,8bとの間の連結経路を断接する前輪側クラッチ18と、ステアリングホイール1と後輪9a,9bとの間の連結経路を断接する後輪側クラッチ28と、ステアリングホイール1の回動方向に対する後輪9a,9bの操舵方向を機構的に正逆に切り替える操舵方向切替装置50とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】作業車両のステアリング装置は、ステアリングホイール1と前輪8a,8bとの間の連結経路を断接する前輪側クラッチ18と、ステアリングホイール1と後輪9a,9bとの間の連結経路を断接する後輪側クラッチ28と、ステアリングホイール1の回動方向に対する後輪9a,9bの操舵方向を機構的に正逆に切り替える操舵方向切替装置50とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、作業車両のステアリング装置に関するものである。
作業車両の一種である四輪ホイールクレーンのステアリング装置としては、例えば特許文献1に開示されるように、前輪及び後輪の向きをそれぞれ変更する4つのステアリングシリンダを有し、キャブ内の運転者によって回転操作されるステアリングホイールの回転操作量及びスイッチ操作などで選択されるステアリングモードに応じて作動油を所定のステアリングシリンダに導いて前輪及び後輪の少なくとも一方を操舵する全油圧式のものが一般的に使用されている。
ところが、この種の全油圧式ステアリング装置を用いた作業車両については、一般公道を走行する際の走行速度を厳しく制限している国がある。例えば、国によってはその走行速度を25km/h以下に制限している。しかしながら、ステアリングハンドルと車輪とが機械的に操舵力が伝達されるように連結されたメカニカルステアリング装置を用いるホイール式車両ではそのような規制が設けられていないため、全油圧式ステアリング装置を用いたホイール式車両に比べて高速走行が許容される。また、駐機場から作業現場への移動時間を短縮したいという要望も多く、一般公道を高速走行できる作業車両が希求されている。
一方、メカニカルステアリング装置としては例えば、特許文献2に開示されるように前二軸車用のステアリング装置が知られている。
特開平5−39057号公報
実開平5−92057号公報
上記特許文献2に開示された従来のメカニカルステアリング装置では、ステアリングホイールと2つの車軸とがそれぞれ機械的に連結されているとともに、この2つの車軸にそれぞれ取り付けられた車輪がステアリングホイールの回動方向に対応した方向にしか操舵されないため、作業現場において必要な各種ステアリングモードとすることができない。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、一般公道での高速走行を可能とし、かつ、車輪の操舵方向に多様性を持たせて作業車両としての操作性を向上させることである。
上記目的を達成するために、本発明による作業車両のステアリング装置は、ステアリングホイールの回動操作によって前輪及び/又は後輪を操舵する作業車両のステアリング装置であって、前記ステアリングホイールと前記前輪との間の連結経路を断接する前輪側クラッチと、前記ステアリングホイールと前記後輪との間の連結経路を断接する後輪側クラッチと、前記ステアリングホイールの回動方向に対する前記後輪の操舵方向を機構的に正逆に切り替える操舵方向切替装置とを備えている。
この作業車両のステアリング装置では、前輪側クラッチでステアリングホイールと前輪との間の連結経路を断接する一方、後輪側クラッチでステアリングホイールと後輪との連結経路を断接するように構成されているとともに、操舵方向切替装置がステアリングホイールの回動方向に対する後輪の操舵方向を機構的に正逆に切り替えるように構成されているので、ステアリングホイールと前輪及び後輪との間が機構的に連結されたメカニカルステアリング方式のステアリング装置とすることができる。これにより、一般公道での高速走行を可能とすることができる。また、この作業車両のステアリング装置では、ステアリングホイールと前輪との間の連結経路を断接する前輪側クラッチと、ステアリングホイールと後輪との間の連結経路を断接する後輪側クラッチと、ステアリングホイールの回動方向に対する後輪の操舵方向を正逆に切り替える操舵方向切替装置とを備えているので、前輪側クラッチ及び後輪側クラッチの断接と操舵方向切替装置による後輪の操舵方向の切替えとによって、前輪と後輪の一方のみを操舵したり、前輪と後輪を両方とも操舵したり、後輪を前輪と同方向又は逆方向に操舵する等の車輪の多様な操舵を行うことができる。これにより、作業車両としての操作性を向上させることができる。
上記作業車両のステアリング装置において、前記操舵方向切替装置は、内歯歯車と、当該内歯歯車の中心軸と同軸上に中心軸が位置するとともにこの内歯歯車の内側に所定の間隙を有した状態で設けられた外歯歯車と、前記内歯歯車と前記外歯歯車との間で当該内歯歯車と当該外歯歯車にそれぞれ噛み合わされているとともに、前記後輪側クラッチが接続状態のときに前記ステアリングホイールの回動方向に応じた方向に自転しながら所定の方向に公転する遊星歯車と、前記遊星歯車の公転に応じた方向に前記後輪側に繋がる出力軸を回転させる連結部とを有し、前記操舵方向切替装置において、前記内歯歯車又は前記外歯歯車の一方を回動しないように固定して前記ステアリングホイールの回動方向に対する前記遊星歯車の公転方向を切り替えて前記出力軸の回動方向を切り替えることによって、前記後輪の操舵方向を切り替えるようにしてもよい。このように構成すれば、操舵方向切替装置においてステアリングホイールの回動方向に対する後輪の操舵方向を正逆に切り替えるための構造を機構的に構成することができる。
上記作業車両のステアリング装置において、前記前輪側クラッチ、前記後輪側クラッチ及び前記操舵方向切替装置を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記前輪側クラッチを接続状態とするとともに前記後輪側クラッチを切断状態とする第1モードと、前記前輪側クラッチを切断状態とするとともに前記後輪側クラッチを接続状態とし、かつ、前記操舵方向切替装置により前記後輪の操舵方向を前記ステアリングホイールの回動方向に対して逆方向とする第2モードと、前記前輪側クラッチ及び前記後輪側クラッチを共に接続状態とし、かつ、前記操舵方向切替装置により前記後輪の操舵方向を前記ステアリングホイールの回動方向に対応した方向とする第3モードと、前記前輪側クラッチ及び前記後輪側クラッチを共に接続状態とし、かつ、前記操舵方向切替装置により前記後輪の操舵方向を前記ステアリングホイールの回動方向に対して逆方向とする第4モードとを切り替える機能を有するのが好ましい。このように構成すれば、第1モードでは前輪のみを操舵可能とする一方、第2モードでは後輪のみを操舵可能とするとともにその後輪をステアリングホイールの回動方向に対して逆方向に操舵することができる。また、第3モードでは、前輪及び後輪を共に操舵可能とするとともに、後輪をステアリングホイールの回動方向に対応した方向に操舵して前輪と同方向に操舵することができる。また、第4モードでは、前輪及び後輪を共に操舵可能とするとともに、後輪をステアリングホイールの回動方向に対して逆方向に操舵して前輪の操舵方向と逆方向に後輪を操舵することができる。従って、この作業車両のステアリング装置の構成では、作業の態様に合わせて上記第1〜第4モードの中から適したステアリングモードに車輪の操舵を切り替えて作業車両の操作を行うことができる。
この場合、前記作業車両の運転席には、前記制御部と電気的に接続されるとともに、前記第1モード、前記第2モード、前記第3モード及び前記第4モードのいずれかを選択するためのステアリングモード選択装置が設けられているのが好ましい。このように構成すれば、作業車両を運転中の運転者がステアリングモード選択装置を操作して、車輪の操舵を作業の態様に応じた適切なモードに即座に切り替えることができる。
以上説明したように、本発明によれば、車輪の操舵方向に多様性を持たせて作業車両としての操作性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による作業車両のステアリング装置の全体構成を示した上面図であり、図2は、図1に示したステアリング装置の側面図である。まず、図1及び図2を参照して、本実施形態による作業車両のステアリング装置の全体構成について説明する。
本実施形態による作業車両のステアリング装置は、図1及び図2に示すように、ステアリングホイール1と、ホイールリンク機構2と、ステアリングモード切替装置3と、前輪側リンク機構4と、後輪側リンク機構5と、制御部6と、ステアリングモード選択装置7とを備えている。このステアリング装置は、各部が機構的に連結されたメカニカルステアリング方式のステアリング装置である。そして、このステアリング装置では、ステアリングホイール1の回動操作によって作業車両の前輪8a,8b及び/又は後輪9a,9bが操舵されるようになっている。
ステアリングホイール1は、作業車両の中央部近傍に設けられた図略の運転席に設けられている。このステアリングホイール1にホイールリンク機構2が連結されているとともに、当該ホイールリンク機構2のステアリングホイール1と反対側の端部はステアリングモード切替装置3に連結されている。このステアリングモード切替装置3は、車輪の操舵の態様であるステアリングモードを切り替えるための装置である。前輪側リンク機構4は、ステアリングモード切替装置3と前輪8a,8bの車軸8cとの間に設けられている一方、後輪側リンク機構5は、ステアリングモード切替装置3と後輪9a,9bの車軸9cとの間に設けられている。前輪側リンク機構4は、ステアリングモード切替装置3と前輪8a,8bの車軸8cとの間を機構的に繋いでおり、その機構内の各部を通じて前輪8a,8bを操舵するための力を車軸8c側へ伝達するように構成されている。また、後輪側リンク機構5は、ステアリングモード切替装置3と後輪9a,9bの車軸9cとの間を機構的に繋いでおり、その機構内の各部を通じて後輪9a,9bを操舵するための力を車軸9c側へ伝達するように構成されている。
そして、ステアリングホイール1の回動操作に伴ってその回動方向に対応した方向にホイールリンク機構2の各部が回動するとともに、その回動がステアリングモード切替装置3に入力されるようになっている。ステアリングモード切替装置3に回動が入力されると、それに応じて、前輪側リンク機構4の前輪側伝達シャフト4a及び/又は後輪側リンク機構5の後輪側伝達シャフト5a(出力軸)がそれぞれ軸回りに回動することによって、前輪8a,8b及び/又は後輪9a,9bが操舵されるように構成されている。
制御部6は、ステアリングモード切替装置3を動作制御する機能を有している。ステアリングモード選択装置7は、制御部6に電気的に接続されているとともに作業車両の運転席(図示せず)に設けられている。ステアリングモード選択装置7では、ステアリングモードを選択できるようになっており、ステアリングモード選択装置7で所定のステアリングモードが選択されると、制御部6によってステアリングモード切替装置3が車輪の操舵モードを選択されたステアリングモードに切り替えるように制御される。
図3には、ステアリングモード切替装置3の詳細な構造が示されている。次に、この図3を参照して、本実施形態によるステアリングモード切替装置3の詳細な構造について説明する。
ステアリングモード切替装置3は、ギアボックス10と操舵方向切替装置50とを有している。ギアボックス10の本体部11の中央部には中央内部空間11aが設けられている。そして、本体部11の中央内部空間11aの前輪8a,8b側には前輪側内部空間11bが設けられているとともに、中央内部空間11aの後輪9a,9b側には後輪側内部空間11cが設けられている。中央内部空間11aには、ホイールリンク機構2の入力軸2aが挿入されており、入力軸2aはその軸回りに回動可能に軸受12a,12bによって支持されている。入力軸2aの端縁には、中心軸が入力軸2aの中心軸と同軸上に位置するように傘歯車13が設けられている。
傘歯車13の前輪8a,8b側には前輪側傘歯車14が設けられており、この前輪側傘歯車14と傘歯車13とが噛み合わされている。なお、前輪側傘歯車14の歯数と傘歯車13の歯数との比を調節することによって、ステアリングホイール1の回動量に対する前輪8a,8bの切り角を変更することが可能である。前輪側傘歯車14の前輪8a,8b側の端面には前輪側傘歯車14と同軸上で回動する前輪側連結シャフト15が繋がっている。前輪側連結シャフト15は、軸受16a,16bによって支持されているとともに、その前輪側傘歯車14と反対側の端部が上記前輪側内部空間11b内に突出している。
前輪側内部空間11b内には、上記前輪側伝達シャフト4aの端部が挿入されており、この前輪側伝達シャフト4aはその軸方向に回動可能に軸受17a,17bによって支持されている。前輪側伝達シャフト4aは、その中心軸が前輪側連結シャフト15の中心軸と同軸上に位置するように設けられている。そして、前輪側伝達シャフト4aと前輪側連結シャフト15とは、互いの対向する端面間に所定の間隙を有した状態で配置されている。
また、前輪側内部空間11b内には、前輪側連結シャフト15と前輪側伝達シャフト4aとの連結を断接する前輪側クラッチ18が設けられている。この前輪側クラッチ18により前輪側連結シャフト15と前輪側伝達シャフト4aとが接続されると、ステアリングホイール1と前輪8a,8bとの間の連結経路が繋がる一方、前輪側連結シャフト15と前輪側伝達シャフト4aとの接続が解除されると、その連結経路が切断されるようになっている。
前輪側クラッチ18は、シリンダ20a及びピストン20bからなる押動部20と、シフタフォーク21と、シフタカラー22とによって構成されている。押動部20のシリンダ20aは、前輪側内部空間11bの前輪8a,8b側に向かって右側前方に設けられている。ピストン20bは、シリンダ20a内で前輪側伝達シャフト4aの軸方向に沿って往復移動可能に設けられている。シフタフォーク21は、ピストン20bとシフタカラー22とを連結している。シフタカラー22は、前輪側伝達シャフト4a及び前輪側連結シャフト15の軸方向に沿ってそれらの端部の周面に対して摺動可能に設けられている。
そして、前輪側クラッチ18では、押動部20においてピストン20bが後輪9a,9b側に移動するのに伴ってシフタフォーク21及びシフタカラー22が後輪9a,9b側に押動される。この際、シフタカラー22が前輪側伝達シャフト4aと前輪側連結シャフト15とに跨って配置されることにより、前輪側伝達シャフト4aと前輪側連結シャフト15とがシフタカラー22により連結される。この連結によって、ステアリングホイール1の回動操作に応じて上記入力軸2aから入力される回動が前輪側伝達シャフト4aに伝達されて当該前輪側伝達シャフト4aがステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に回動する。一方、押動部20においてピストン20bが前輪8a,8b側に移動するのに伴ってシフタフォーク21及びシフタカラー22が前輪8a,8b側に押動されると、前輪側伝達シャフト4aと前輪側連結シャフト15との連結が解除される。この場合には、上記の回動が前輪側伝達シャフト4aに伝達されないので、ステアリングホイール1を回動操作しても前輪側伝達シャフト4aは回動しない。
また、ギアボックス10内の傘歯車13から後輪9a,9b側への連結構造は、上記傘歯車13から前輪8a,8b側への連結構造と同様の構造を前後逆向きに配置した構造となっている。すなわち、後輪9a,9b側への連結構造は、後輪側傘歯車24と、後輪側連結シャフト25と、軸受26a,26b,27a,27bと、後輪側クラッチ28と、中継シャフト40とによって構成されている。後輪側クラッチ28は、シリンダ30a及びピストン30bからなる押動部30と、シフタフォーク31と、シフタカラー32とからなる。そして、これら各部材が上記傘歯車13から前輪8a,8b側への連結構造の対応する各部材と前後逆向きに配置されている。なお、この後輪9a,9b側への連結構造では、上記前輪側伝達シャフト4aに対応する部材として中継シャフト40が設けられている。また、後輪側傘歯車24の歯数と傘歯車13の歯数との比を調節することによって、ステアリングホイール1の回動量に対する後輪9a,9bの切り角を変更することが可能である。
上記操舵方向切替装置50は、ギアボックス10の後輪9a,9b側に配置されている。この操舵方向切替装置50は、ステアリングホイール1の回動方向に対する後輪9a,9bの操舵方向を機構的に正逆に切り替える装置である。操舵方向切替装置50の入力側にはギアボックス10から延びる上記中継シャフト40が連結されている一方、出力側には後輪9a,9b側へ延びる上記後輪側リンク機構5の後輪側伝達シャフト5aが連結されている。この操舵方向切替装置50の内部の構成が図4及び図5に示されている。
操舵方向切替装置50の内部には、内歯歯車51と、外歯歯車52と、遊星歯車53と、中継歯車54とが設けられている。また、操舵方向切替装置50内に挿入された中継シャフト40にはその軸回りに回動する外歯歯車部40aが一体に設けられている。
内歯歯車51、外歯歯車52及び外歯歯車部40aは、中継シャフト40の軸心と同軸上に配置されている。そして、外歯歯車52は、内歯歯車51の内側に所定の間隙を有した状態で設けられている。外歯歯車部40a、中継歯車54及び遊星歯車53は、この順番で互いに噛み合わされており、この順番で回転が伝達されるようになっている。従って、外歯歯車部40aと遊星歯車53とは同じ方向に自転するように構成されている。
さらに、この操舵方向切替装置50では、内歯歯車51を回動しないように固定するための図略の逆転ブレーキと、外歯歯車52を回動しないように固定するための図略の正転ブレーキとが設けられている。この逆転ブレーキによる内歯歯車51の固定と、正転ブレーキによる外歯歯車52の固定とを切り替えることにより、ステアリングホイール1の回動方向に対する遊星歯車53の公転方向を切り替えるようになっている。
具体的には、正転ブレーキによって外歯歯車52を固定した場合には、外歯歯車部40aと同方向に遊星歯車53が公転する一方、逆転ブレーキによって内歯歯車51を固定した場合には、外歯歯車部40aと逆方向に遊星歯車53が公転する。例えば、外歯歯車部40aが時計回りに回転する場合に正転ブレーキによって外歯歯車52を固定した場合には、図4に示すように、中継歯車54を介して外歯歯車部40aの回転が伝達された遊星歯車53は時計回りに公転する。一方、外歯歯車部40aが時計回りに回転する場合に逆転ブレーキによって内歯歯車51を固定した場合には、図5に示すように、中継歯車54を介して外歯歯車部40aの回転が伝達された遊星歯車53は反時計回りに公転する。
また、操舵方向切替装置50には、遊星歯車53と後輪側伝達シャフト5aとの間を繋ぐ連結部(図示せず)が設けられている。この連結部によって遊星歯車53の公転がその公転方向のままで後輪側伝達シャフト5aに伝達されることにより、遊星歯車53の公転が後輪側伝達シャフト5aの回転に変換される。以上のような構成により、正転ブレーキによって外歯歯車52を固定した場合には、後輪側伝達シャフト5aが中継シャフト40と同方向に回転するため、後輪9a,9bの操舵方向がステアリングホイール1の回動方向に対応した方向となる。一方、逆転ブレーキによって内歯歯車51を固定した場合には、後輪側伝達シャフト5aが中継シャフト40と逆方向に回転するため、後輪9a,9bの操舵方向がステアリングホイール1の回動方向に対して逆方向になる。
また、本実施形態による作業車両のステアリング装置では、運転者がステアリングモード選択装置7(図1参照)により車輪のステアリングモードをノーマルモード(第1モード)、リアステアリングモード(第2モード)、クラブモード(第3モード)、クランプモード(第4モード)の4つのモードから選択できるようになっている。ステアリングモード選択装置7でモードが選択されると、制御部6から前輪側クラッチ18の押動部20と、後輪側クラッチ28の押動部30と、操舵方向切替装置50の正転ブレーキ(図示せず)及び逆転ブレーキ(図示せず)とがそれぞれ制御されることによってその選択されたモードに切り替わる。
ここで、ノーマルモードとは、図6に示すように、前輪8a,8bのみが操舵され、後輪9a,9bは操舵されないモードであり、前輪側クラッチ18を接続状態とするとともに、後輪側クラッチ28を切断状態とすることにより実行される。このノーマルモードでは、ステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に前輪側伝達シャフト4aが回動されることによって前輪8a,8bがステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に操舵される。
リアステアリングモードは、図7に示すように、後輪9a,9bのみが操舵され、前輪8a,8bは操舵されないモードである。このリアステアリングモードは、前輪側クラッチ18を切断状態とするとともに後輪側クラッチ28を接続状態とし、かつ、操舵方向切替装置50において上記逆転ブレーキで内歯歯車51を固定することによって実行される。そして、このリアステアリングモードでは、ステアリングホイール1の回動方向に対応した方向と逆方向に後輪側伝達シャフト5aが回動されることによって後輪9a,9bがステアリングホイール1の回動方向と逆方向に操舵される。
クラブモードは、図8に示すように、前輪8a,8bと後輪9a,9bとが同方向に操舵されるモードである。このクラブモードは、前輪側クラッチ18及び後輪側クラッチ28を共に接続状態とし、かつ、操舵方向切替装置50において上記正転ブレーキで外歯歯車52を固定することによって実行される。そして、このクラブモードでは、ステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に前輪側伝達シャフト4aが回動されることによって前輪8a,8bがステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に操舵される一方、ステアリングホイール1の回動方向に対応した方向と逆方向に後輪側伝達シャフト5aが回動されることによって後輪9a,9bがステアリングホイール1の回動方向と逆方向に操舵される。
クランプモードは、図9に示すように、前輪8a,8bがステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に操舵される一方、後輪9a,9bがその方向と逆方向に操舵される。このクランプモードは、前輪側クラッチ18及び後輪側クラッチ28を共に接続状態とし、かつ、操舵方向切替装置50において上記逆転ブレーキで内歯歯車51を固定することによって実行される。そして、このクランプモードでは、ステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に前輪側伝達シャフト4aが回動されることによって前輪8a,8bがステアリングホイール1の回動方向に対応した方向に操舵される一方、ステアリングホイール1の回動方向に対応した方向と逆方向に後輪側伝達シャフト5aが回動されることによって後輪9a,9bがステアリングホイール1の回動方向と逆方向に操舵される。
以上説明したように、本実施形態による作業車両のステアリング装置では、前輪側クラッチ18でステアリングホイール1と前輪8a,8bとの間の連結経路を断接する一方、後輪側クラッチ28でステアリングホイール1と後輪9a,9bとの連結経路を断接するように構成されているとともに、操舵方向切替装置50がステアリングホイール1の回動方向に対する後輪9a,9bの操舵方向を機構的に正逆に切り替えるように構成されているので、ステアリングホイール1と前輪8a,8b及び後輪9a,9bとの間がそれぞれ機構的に連結されたメカニカルステアリング方式のステアリング装置とすることができる。これにより、一般公道での高速走行を可能とすることができる。
また、本実施形態による作業車両のステアリング装置では、ステアリングホイール1と前輪8a,8bとの間の連結経路を断接する前輪側クラッチ18と、ステアリングホイール1と後輪9a,9bとの間の連結経路を断接する後輪側クラッチ28と、ステアリングホイールの操作方向に対する後輪9a,9bの操舵方向を正逆に切り替える操舵方向切替装置50とを備えているので、前輪側クラッチ18及び後輪側クラッチ28の断接と操舵方向切替装置50による後輪9a,9bの操舵方向の切替えとによって、前輪8a,8bと後輪9a,9bの一方のみを操舵したり、前輪8a,8bと後輪9a,9bを両方とも操舵したり、後輪9a,9bを前輪8a,8bと同方向又は逆方向に操舵する等の車輪の多様な操舵を行うことができる。これにより、作業車両としての操作性を向上させることができる。
また、本実施形態による作業車両のステアリング装置では、制御部6が前輪側クラッチ18、後輪側クラッチ28及び操舵方向切替装置50を制御して前輪8a,8b及び後輪9a,9bのステアリングモードを上記ノーマルモード、リアステアリングモード、クラブモード及びクランプモードの各モードに切り替えることが可能であるので、作業の態様に合わせてこれら各モードの中から適したステアリングモードに車輪の操舵を切り替えて作業車両の操作を行うことができる。
また、本実施形態による作業車両のステアリング装置では、作業車両の運転席に制御部6と電気的に接続されるとともに、上記ノーマルモード、リアステアリングモード、クラブモード及びクランプモードのいずれかを選択するためのステアリングモード選択装置7が設けられているので、作業車両を運転中の運転者がステアリングモード選択装置7を操作して、車輪の操舵を作業の態様に応じた適切なモードに即座に切り替えることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、操舵方向切替装置50の構成は上記実施形態による構成に限らず、上記以外の構成からなる操舵方向切替装置を用いてもよい。
また、上記実施形態では、ステアリングモード切替装置3において傘歯車13と後輪側傘歯車24との歯数の比を調節することによりステアリングホイール1の回動量に対する後輪9a,9bの切り角を変更可能であると説明したが、これ以外にも、操舵方向切替装置50内の各歯車の径や歯数を調節することによって、ステアリングホイール1の回動量に対する後輪9a,9bの切り角を変更することが可能である。
また、上記実施形態では、前輪8a,8bの車軸8cと後輪9a,9bの車軸9cとをそれぞれ1つずつ有する作業車両のステアリング装置を例にとって説明したが、これ以外の構成の作業車両のステアリング装置に本発明を適用することも可能である。例えば、図10に示した上記実施形態の変形例のように、後輪9a,9bを繋ぐ車軸9cに加えてもう一組の後輪59a,59b及びそれらを繋ぐ車軸59cを有する作業車両のステアリング装置に本発明を適用することが可能である。この変形例では、後輪9a,9bの後方に後輪59a,59b及び車軸59cが設けられているとともに、上記実施形態による後輪側リンク機構5と同様の構成を有する後輪側リンク機構55が後輪側リンク機構5と後輪59a,59bの車軸59cとの間に設けられている。そして、後輪側リンク機構5の後輪側伝達シャフト5aの回転が後輪側リンク機構55の後輪側伝達シャフト55aに入力されるように構成されている。この構成により、ステアリングホイール1が回動操作される際には、後輪側伝達シャフト5aと後輪側伝達シャフト55aとが同じ方向に回動されて後輪9a,9bと後輪59a,59bとが同じ方向に操舵されるようになっている。
1 ステアリングホイール
5a 後輪側伝達シャフト(出力軸)
6 制御部
7 ステアリングモード選択装置
8a、8b 前輪
9a、9b 後輪
18 前輪側クラッチ
28 後輪側クラッチ
50 操舵方向切替装置
51 内歯歯車
52 外歯歯車
53 遊星歯車
5a 後輪側伝達シャフト(出力軸)
6 制御部
7 ステアリングモード選択装置
8a、8b 前輪
9a、9b 後輪
18 前輪側クラッチ
28 後輪側クラッチ
50 操舵方向切替装置
51 内歯歯車
52 外歯歯車
53 遊星歯車
Claims (4)
- ステアリングホイールの回動操作によって前輪及び/又は後輪を操舵する作業車両のステアリング装置であって、
前記ステアリングホイールと前記前輪との間の連結経路を断接する前輪側クラッチと、前記ステアリングホイールと前記後輪との間の連結経路を断接する後輪側クラッチと、前記ステアリングホイールの回動方向に対する前記後輪の操舵方向を機構的に正逆に切り替える操舵方向切替装置とを備えた、作業車両のステアリング装置。 - 前記操舵方向切替装置は、内歯歯車と、当該内歯歯車の中心軸と同軸上に中心軸が位置するとともにこの内歯歯車の内側に所定の間隙を有した状態で設けられた外歯歯車と、前記内歯歯車と前記外歯歯車との間で当該内歯歯車と当該外歯歯車にそれぞれ噛み合わされているとともに、前記後輪側クラッチが接続状態のときに前記ステアリングホイールの回動方向に応じた方向に自転しながら所定の方向に公転する遊星歯車と、前記遊星歯車の公転に応じた方向に前記後輪側に繋がる出力軸を回転させる連結部とを有し、
前記操舵方向切替装置において、前記内歯歯車又は前記外歯歯車の一方を回動しないように固定して前記ステアリングホイールの回動方向に対する前記遊星歯車の公転方向を切り替えて前記出力軸の回動方向を切り替えることによって、前記後輪の操舵方向を切り替える、請求項1に記載の作業車両のステアリング装置。 - 前記前輪側クラッチ、前記後輪側クラッチ及び前記操舵方向切替装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記前輪側クラッチを接続状態とするとともに前記後輪側クラッチを切断状態とする第1モードと、前記前輪側クラッチを切断状態とするとともに前記後輪側クラッチを接続状態とし、かつ、前記操舵方向切替装置により前記後輪の操舵方向を前記ステアリングホイールの回動方向に対して逆方向とする第2モードと、前記前輪側クラッチ及び前記後輪側クラッチを共に接続状態とし、かつ、前記操舵方向切替装置により前記後輪の操舵方向を前記ステアリングホイールの回動方向に対応した方向とする第3モードと、前記前輪側クラッチ及び前記後輪側クラッチを共に接続状態とし、かつ、前記操舵方向切替装置により前記後輪の操舵方向を前記ステアリングホイールの回動方向に対して逆方向とする第4モードとを切り替える機能を有する、請求項1又は2に記載の作業車両のステアリング装置。 - 前記作業車両の運転席には、前記制御部と電気的に接続されるとともに、前記第1モード、前記第2モード、前記第3モード及び前記第4モードのいずれかを選択するためのステアリングモード選択装置が設けられている、請求項3に記載の作業車両のステアリング装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006230864A JP2008049965A (ja) | 2006-08-28 | 2006-08-28 | 作業車両のステアリング装置 |
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JP (1) | JP2008049965A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103072628A (zh) * | 2011-12-07 | 2013-05-01 | 临沂大学 | 车辆的两轮与四轮转向切换机构 |
CN103072626A (zh) * | 2011-12-07 | 2013-05-01 | 临沂大学 | 农业车辆的四轮转向连接装置 |
CN103129613A (zh) * | 2011-12-21 | 2013-06-05 | 临沂大学 | 四轮转向装置 |
CN108438049A (zh) * | 2018-04-30 | 2018-08-24 | 王丽雅 | 一种车辆底盘四轮联动转向装置 |
CN112157834A (zh) * | 2020-09-29 | 2021-01-01 | 河南科技大学 | 一种地铁站台层顶钻孔用行走装置 |
-
2006
- 2006-08-28 JP JP2006230864A patent/JP2008049965A/ja active Pending
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