JP2008045939A - 目標検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間しか出現しない目標が小目標であっても、その小目標を確実に検出し、目標検出性能を向上できる目標検出装置。
【解決手段】受信信号を短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換するSTFT部2と、短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×N(Nは正の整数)のセル範囲を指定するセル範囲指定部3と、指定されたセル範囲に対して2次元離散ウェーブレット変換を実行する2次元DWT部5と、2次元離散ウェーブレット変換によって得られたウェーブレット展開係数の中から判定に使用するセルの範囲を指定する判定セル範囲指定部6と、指定された範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較するスレショルド部7と、比較結果に基づき目標を検出する検出部8を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、受信信号から目標を検出する目標検出装置に関し、特に時間−周波数軸上で目標を検出する技術に関する。
従来、例えばレーダ装置に備えられ、送信したパルス信号が目標で反射されて戻ってきた反射波を受信し、受信した反射波に基づき目標を検出する目標検出装置が知られている。このような目標検出装置においては、複数の反射波(ヒット)を受信して積分し、これによりSN比を向上させることが行われている。しかしながら、高速で動く目標(以下、「高速目標」という)や高い距離分解能で目標を観測する場合は、目標のレンジ方向のずれによって積分できるヒット数に上限があるので、積分を使用することによるSN比向上にも限界があり、目標の検出性能に劣るという問題があった。
このような問題に対処するために、短時間しか出現しない目標を検出できる目標検出装置が開発されている。図22は、このような従来の目標検出装置の構成を示すブロック図である。この目標検出装置は、短時間フーリエ変換(以下、「STFT:Short Time Fourier Transform」という)部2、一定誤警報率(以下、「CFAR:Constant False Alarm Rate」という)部50、スレショルド部7および検出部8から構成されている。
この目標検出装置は、以下のように動作する。すなわち、反射波を図示しないアンテナで受信することにより得られた受信信号は、STFT部2に送られる。STFT部2は、入力された受信信号を短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号F0〜Fn−1に変換し、CFAR部50に送る。短時間フーリエ変換については、例えば非特許文献1に説明されている。
CFAR部50は、STFT部2から送られてくる時間−周波数軸上の信号F0〜Fn−1に対し、誤警報確率を一定の低さに抑えた信号を生成し、スレショルド部7に送る。CFAR(一定誤警報率)については、例えば非特許文献2に説明されている。図23は、CFAR部50の一例として、相加平均で規格化を行うリニアCFAR部の構成を示すブロック図である。CFAR部50は、遅延回路51、加算部52、平均化処理部53および除算部54から構成されている。
遅延回路51は、入力された信号xiを遅延させた後、加算部52および除算部54に送る。加算部52は、一定期間に遅延回路51から送られてくるN個のデータを加算し、平均化処理部53に送る。平均化処理部53は、加算部52から送られてくるN個のデータの平均値を算出し、除算部54に送る。除算部54は、遅延回路51から送られてくるデータを平均値で除算し、除算結果をCFAR出力としてスレショルド部7に送る。
なお、CFAR部50は、相乗平均で規格化を行う対数CFAR部によって実現される場合もある。スレショルド部7は、CFAR部50から送られてくる信号を所定のスレショルドレベルと比較し、その比較結果を表す信号を検出部8に送る。検出部8は、スレショルド部7から送られてくる比較結果を表す信号に基づいて目標を検出し、この検出結果を検出情報として出力する。
なお、関連する技術として、特許文献1は、ウェーブレット変換を利用して目標を検出するレーダ装置を開示している。このレーダ装置は、入力信号を分解した後のウェーブレット展開係数wに、検出すべき所望信号と、不要なノイズおよびクラッタ成分とが含まれることに着目し、ウェーブレット展開係数wの軸上でスレショルドによる2値判定を実施することで、所望信号を検出する。すなわち、ウェーブレット展開係数wの軸上でCFARなどによる識別処理を実施することにより、スレショルドを越えた信号を検出信号として目標検出に供する。このレーダ装置によれば、ウェーブレット変換処理を利用するレーダ装置の規模を縮小することができる。
特開2006−107476号公報 榊原、"ウェーブレットビギナーズガイド"、東京電機大学出版局、pp.23-24(1995) 関根、‘レーダ信号処理技術’、電子情報通信学会、pp.96-106(1991)
上述したように、従来のレーダ装置では、目標のレンジ方向のずれが発生し、短時間しか出現しない目標を検出するために、短時間フーリエ変換が用いられているが、目標が小目標の場合には、SN比が不足して、目標を検出できない場合があるという問題がある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、高速目標や高い距離分解能で目標を観測する場合のように、短時間しか出現しない目標が小目標であっても、その小目標を確実に検出し、目標検出性能を向上させることができる目標検出装置を提供する。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、外部から入力された受信信号を短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換する短時間フーリエ変換部と、短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×N(Nは正の整数)のセル範囲を指定するセル範囲指定部と、セル範囲指定部で指定されたセル範囲に対して2次元離散ウェーブレット変換を実行する2次元離散ウェーブレット変換部と、2次元離散ウェーブレット変換部における2次元離散ウェーブレット変換により得られたウェーブレット展開係数の中から判定に使用するセルの範囲を指定する判定セル範囲指定部と、判定セル範囲指定部により指定された範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較するスレショルド部と、スレショルド部における比較結果に基づき目標を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、外部から入力された受信信号を短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換する短時間フーリエ変換部と、短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×M(MおよびNは正の整数)のセル範囲を指定するセル範囲指定部と、 セル範囲指定部で指定されたセル範囲において、Nセルの方向にM通りの1次元離散ウェーブレット変換を実行する1次元離散ウェーブレット変換部と、1次元離散ウェーブレット変換部における1次元離散ウェーブレット変換により得られたウェーブレット展開係数の中から判定に使用するセルの範囲を指定する判定セル範囲指定部と、判定セル範囲指定部により指定された範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較するスレショルド部と、スレショルド部における比較結果に基づき目標を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、外部から入力された受信信号に対してNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第1セルシフト部を備え、短時間フーリエ変換部は、第1セルシフト部から出力されるNs通りのセルを短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換し、セル範囲指定部は、Ns通りの各々の最大値が最大となる場合において、短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×N(Nは正の整数)のセル範囲を指定することを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、外部から入力された受信信号に対してNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第1セルシフト部を備え、短時間フーリエ変換部は、第1セルシフト部から出力されるNs通りのセルを短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換し、セル範囲指定部は、Ns通りの各々の最大値が最大となる場合において、短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×M(MおよびNは正の整数)のセル範囲を指定することを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1または請求項3記載の発明において、セル範囲指定部から出力される時間−周波数軸上の信号に対して時間軸または周波数軸方向にNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第2セルシフト部を備え、2次元離散ウェーブレット変換部は、第2セルシフト部の出力に対して2次元離散ウェーブレット変換を実行することを特徴とする。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項4記載の発明において、セル範囲指定部から出力される時間−周波数軸上の信号に対して時間軸または周波数軸方向にNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第2セルシフト部を備え、1次元離散ウェーブレット変換部は、第2セルシフト部の出力に対して1次元離散ウェーブレット変換を実行することを特徴とする。
本発明によれば、時間−周波数軸上に広がった信号を、短時間フーリエ変換および2次元離散ウェーブレット変換または1次元離散ウェーブレット変換を用いて検出するので、高速目標や高い距離分解能で目標を観測する場合のように、短時間しか出現しない目標が小目標であっても、その小目標を確実に検出し、目標検出性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る目標検出装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、背景技術の欄で説明した目標検出装置の構成要素と同一または相当する構成要素には、背景技術の欄で使用した符号と同一の符号を付して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。この目標検出装置は、短時間フーリエ変換部(以下、「STFT部」という)2、セル範囲指定部3、2次元離散ウェーブレット変換(以下、「2次元DWT:Discrete Wavelet Transform」という)部5、判定セル範囲指定部6、スレショルド部7およびd/D検出部8から構成されている。
STFT部2は、反射波を図示しないアンテナで受信することにより得られた受信信号(時間領域の信号)を、短時間フーリエ変換することによって時間−周波数軸上の信号に変換し、セル範囲指定部3に送る。セル範囲指定部3は、STFT部2から送られてくる時間−周波数軸上の信号のうち、最大値およびその最大値からQ(Qは正の整数)番目までのQ個のセルを検出し、Q個のセルの各々について、その周りのN×N(Nは正の整数)の範囲を指定する。このセル範囲指定部3によって指定されたセル範囲は、2次元DWT部5に送られる。
2次元DWT部5は、セル範囲指定部3から送られてくるセル範囲に対して2次元離散ウェーブレット変換を実施する。この2次元DWT部5における2次元離散ウェーブレット変換によって得られたウェーブレット展開係数は、判定セル範囲指定部6に送られる。判定セル範囲指定部6は、2次元DWT部5から送られてきたウェーブレット展開係数のうち、最大値およびその最大値からD(Dは正の整数)番目までのD個の極値を抽出し、D個の極値の各々について、その周りのD1×D2(D1およびD2は正の整数)の範囲を指定する。この判定セル範囲指定部6によって指定された範囲は、判定セル範囲としてスレショルド部7に送られる。
スレショルド部7は、判定セル範囲指定部6から送られてくる判定セル範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較する。このスレショルド部7における比較結果を表す信号は、d/D検出部8に送られる。d/D検出部8は、スレショルド部7から送られてくる、D個の比較結果を表す信号のうちd個(dは正の整数であり、d<D)以上が所定のスレショルドレベルより大きければ、目標である旨を検出する。このd/D検出部8における検出結果は、検出情報として外部に送られる。
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係る目標検出装置の動作を説明する。STFT部2へ入力される受信信号は、図2(a)に示すような、レンジセルデータから構成されている。高速目標を観測する場合や高い距離分解能で目標を観測する場合は、各レンジセルのデータを積分しようとすると、目標を表す信号(以下、「目標信号」という)は、図2(a)に示すように、レンジセルから少しずつずれるため、PRI(Pulse Repetition Interval;パルス繰り返し周期)毎に得られるPRIデータは、図2(b)に示すように、短時間しか出現しないことになる。
STFT部2は、このような受信信号を入力し、短時間フーリエ変換によって時間−周波数軸上の信号に変換する。図3は、STFT部2における短時間フーリエ変換の原理を説明するための図である。短時間フーリエ変換においては、P個のパルスを送受信してP個のPRIデータが得られた場合に、まず、切り出された1つのレンジセルに含まれるP個のPRIデータのうちのp(p<P)個を用いてFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理が行われる。このFFT処理は、処理対象とするp個のPRIデータを、あらかじめ設定された重複率で時間軸方向にずらしながら、P個のPRIデータの全てについてのFFT処理が完了するまで繰り返される。そして、FFT処理によって得られた複数の時間−周波数軸上の信号はセル範囲指定部3に送られる。
ここで、時間−周波数軸に変換された信号を、一般に、複素信号f0(I+jQ)で表すと、ウェーブレット変換の対象となる信号fは、下式(1)〜(4)に示す4通りが考えられる。
Figure 2008045939
ここで、
I:実部
Q:虚部
j:虚数単位
2次元離散ウェーブレット変換では、このような信号fを入力データとして、複数のウェーブレット展開係数が求められる。
ここで、まず、1次元離散ウェーブレット変換について説明する。離散ウェーブレット変換は、図4に示すように、入力信号の波形S0をスケーリング係数とウェーブレット展開係数(DWT展開係数)で近似するものである。スケーリング係数には複数のレベル1〜jがあり、各レベルによって近似の程度が異なる。ウェーブレット展開係数は、スケーリング係数のレベル間における差(残差分)に相当する。
このような離散ウェーブレット変換は、図5に示すような、時間周波数フィルタで表すことができる。レベル1から順に、周波数領域は、高域から低域へ遷移する。すなわち、高域においては短時間のフィルタ特性を持ち、低域に行くほど長時間のフィルタ特性を持つようになる。このフィルタ特性は、例えば『中野他、“ウェーブレットによる信号処理と画像処理”、共立出版株式会社、pp.49-70、pp.101-110 (1999)』に説明されているように、下式(5)〜(10)で表すことができる。
Figure 2008045939
ここで、
fj:jレベルの近似関数(j=1〜J)
gj:jレベルの展開関数
sk:スケーリング展開係数(k=1〜K)
wk:ウェーブレット展開係数
φ :スケーリング関数
ψ :マザー・ウェーブレット関数
pk:マザー・ウェーブレット関数により決まる数列
* :複素共役
ここで、(9)式に示すwは、レベルjにおける近似関数と実際の波形との差分を表す成分であり、ウェーブレット展開係数を表す。ウェーブレット展開係数が算出される様子を図4に示す。
別言すれば、目標を検出する際に用いられるウェーブレット変換は、入力データに対し、ウェーブレット変換核(例えばメキシカンハット等)のシフトパラメータやスケールパラメータを変化させながら相関処理を行うことによりフィッティングさせ、以て、高い出力を得る処理を実行する、と言うことができる。
次に、本発明の実施例1で使用される2次元離散ウェーブレット変換について説明する。2次元離散ウェーブレット変換は、2軸の各軸方向に対して1次元離散ウェーブレット変換を実施するものであり、例えば『中野他、‘ウェーブレットによる信号処理と画像処理’、共立出版株式会社、pp.71-73(1999)』に説明されているように、下式(11)〜(14)で表すことができる。
Figure 2008045939
ここで、添字を省略すると、
Figure 2008045939
上添字がh、vおよびdの場合のウェーブレット展開係数をそれぞれ、wh、wvおよびwdとする。ウェーブレット展開係数のwh、wvおよびwdは、それぞれ、横軸方向に連続した信号、縦軸方向に連続した信号、および対角線方向に連続した信号がある場合に、値が大きくなる性質を持っている。この様子を図6に示す。この性質を利用すれば、目標信号の時間−周波数軸上の広がりを効率よく検出することができる。
2次元離散ウェーブレット変換は、時間−周波数軸上の信号において、N×Nの信号を扱う処理である。したがって、例えば周波数バンクをNとすると、時間軸方向のデータもN個になり、もし、時間軸方向のデータが多い場合には、1回で処理できないことになる。この対策として、セル範囲指定部3において、短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号のうち、最大値およびその最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、その周りのN×Nの範囲で2次元離散ウェーブレット変換を実施する。この様子を図7に示す。
2次元離散ウェーブレット変換を実施した後、判定セル範囲指定部6により、ウェーブレット展開係数のうち、最大値およびその最大値からD番目までの極値を抽出し、d/D検出部8により、各極値の周りのD1×D2個のセルで、d個以上のセルがスレショルドレベルを越えれば、目標である旨を検出する。スレショルドレベルの検出は、D個のセルを用いたCFAR処理等を用いることができる(例えば、非特許文献2参照)。
次に、本発明の理解を深めるために、実施例1に係る目標検出装置の動作を、目標検出処理を中心に、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
目標検出処理では、まず、短時間フーリエ変換(STFT変換)が行われる(ステップS11)。すなわち、STFT部2は、入力された受信信号を、短時間フーリエ変換することによって時間−周波数軸上の信号に変換し、セル範囲指定部3に送る。次いで、Q通りの極値が抽出される(ステップS12)。すなわち、セル範囲指定部3は、STFT部2から送られてくる時間−周波数軸上の信号のうち、最大値およびその最大値からQ番目までのQ個のセルを抽出する。
次いで、ステップS12で抽出された極値の1つに対して、2次元離散ウェーブレット変換(2次元DWT)範囲が抽出される(ステップS13)。すなわち、セル範囲指定部3は、ステップS12で抽出したQ個のセルの1つについて、その周りのN×Nのセル範囲を指定し、2次元DWT部5に送る。次いで、2次元離散ウェーブレット変換が行われる(ステップS14)。すなわち、2次元DWT部5は、セル範囲指定部3から送られてくるセル範囲に対して2次元離散ウェーブレット変換を実施し、この離散ウェーブレット変換によって得られたウェーブレット展開係数を判定セル範囲指定部6に送る。
次いで、最大値抽出および判定セル範囲(Dセル)が抽出される(ステップS15)。すなわち、判定セル範囲指定部6は、2次元DWT部5から送られてきたウェーブレット展開係数のうち、最大値およびその最大値からD番目までのD個の極値を抽出し、判定セル範囲としてスレショルド部7に送る。次いで、スレショルド検出が行われる(ステップS16)。すなわち、スレショルド部7は、判定セル範囲指定部6から送られてくる判定セル範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較し、その比較結果を表す信号をd/D検出部8に送る。
次いで、D通りのスレショルド検出が終了したかどうかが調べられる(ステップS17)。このステップS17において、D通りのスレショルド検出が終了していないことが判断されると、ステップS16に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS17において、D通りのスレショルド検出が終了したことが判断されると、次いで、d/D検出が行われる(ステップS18)。すなわち、d/D検出部8は、スレショルド部7から送られてくる、D個の比較結果を表す信号のうちd個以上が所定のスレショルドレベルより大きければ目標である旨を検出し、この検出結果を検出情報として外部に送る。
次いで、Q通りの処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS19)。このステップS19において、Q通りの処理が終了していないことが判断されると、ステップS13に戻り、ステップS12で抽出されたQ個のセルのうちの次のセルに対して、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS19において、Q通りの処理が終了したことが判断されると、目標検出処理は終了する。
以上説明したように、本発明の実施例1に係る目標検出装置によれば、例えばレーダ装置または受信装置において、反射波を図示しないアンテナで受信することにより得られた受信信号を短時間フーリエ変換(STFT)して得られた時間−周波数軸上の信号のうち、最大値およびその最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、その周りのN×Nの範囲で2次元離散ウェーブレット変換(2次元DWT)を行い、この2次元離散ウェーブレット変換により得られたウェーブレット展開係数を用いて、スレショルドとの比較によって目標を検出するように構成したので、観測時間が長い場合であっても、観測時間による制約を受けずに、小目標を効率よく検出できる。
実施例1に係る目標検出装置は、レンジセル毎の短時間フーリエ変換により得られた信号を最大値およびその最大値からQ番目までのQ個のセルの各々の周囲で、2次元離散ウェーブレット変換したのに対して、実施例2に係る目標検出装置は、Q個のセルの各々について、その周囲のN×MまたはM×N(Mは正の整数)のセルで1次元離散ウェーブレット変換するようにしたものである。
図9は、本発明の実施例2に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。この目標検出装置は、実施例1に係る目標検出装置の2次元DWT部5が1次元離散ウェーブレット変換(以下、「1次元DWT」という)部5aに置き換えられて構成されている。図10は、Q個のセルの各々について、その周りのN×MまたはM×Nのセルで1次元離散ウェーブレット変換する様子を示す図である。
次に、本発明の実施例2に係る目標検出装置の動作を、目標検出処理を中心に、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図8に示した実施例1に係る目標検出装置の処理と同じ部分には、図8で使用した符号と同一の符号を付し、説明を簡略化する。
目標検出処理では、まず、短時間フーリエ変換(STFT変換)が行われる(ステップS11)。次いで、Q通りの極値が抽出される(ステップS12)。次いで、ステップS12で抽出された極値の1つに対して、1次元離散ウェーブレット変換(1次元DWT)範囲が抽出される(ステップS21)。すなわち、セル範囲指定部3は、ステップS12で抽出したQ個のセルの各々について、その周りのM×Nのセル範囲を指定し、1次元DWT部5aに送る。
次いで、1次元離散ウェーブレット変換が行われる(ステップS22)。すなわち、1次元DWT部5aは、セル範囲指定部3から送られてくるセル範囲のうちの1つのMセルに対して1次元離散ウェーブレット変換を実施し、この離散ウェーブレット変換によって得られたウェーブレット展開係数を判定セル範囲指定部6に送る。判定セル範囲指定部6は、1次元DWT部5aから送られてきたウェーブレット展開係数を、判定セル範囲としてスレショルド部7に送る。
次いで、スレショルド検出が行われる(ステップS23)。すなわち、スレショルド部7は、判定セル範囲指定部6から送られてくる判定セル範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較し、その比較結果を表す信号をd/D検出部8に送る。次いで、M通りのスレショルド検出が終了したかどうかが調べられる(ステップS24)。このステップS24において、M通りのスレショルド検出が終了していないことが判断されると、ステップS22に戻り、次のMセルに対して、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップS24において、M通りのスレショルド検出が終了したことが判断されると、次いで、m/M検出が行われる(ステップS25)。すなわち、d/D検出部8は、スレショルド部7から送られてくる、M個の比較結果を表す信号のうちm個以上が所定のスレショルドレベルより大きければ目標である旨を検出し、この検出結果を検出情報として外部に送る。
次いで、Q通りの処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS19)。このステップS19において、Q通りの処理が終了していないことが判断されると、ステップS13に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS19において、Q通りの処理が終了したことが判断されると、目標検出処理は終了する。
以上説明したように、本発明の実施例2に係る目標検出装置によれば、例えばレーダ装置または受信装置において、反射波を図示しないアンテナで受信することにより得られた受信信号を短時間フーリエ変換(STFT)して得られた時間−周波数軸上の信号のうち、最大値およびその最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルを含むN×MまたはM×Nの軸で、Nセルの方向にM通りの1次元離散ウェーブレット変換(1次元DWT)を実施し、ウェーブレット展開係数を用いて、スレショルドとの比較により、M通りのうちm通りスレショルドを越えれば、目標を検出した旨を出力するので、事前に目標信号の短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上における広がりの方向が既知である場合は、短時間フーリエ変換により得られた最大値およびその最大値からQ番目のセルを含むM通りの軸に対して、1次元離散ウェーブレット変換を適用するため、観測時間が長い場合でも、観測時間による制約を受けずに、目標を効率よく抽出できる。
本発明の実施例3に係る目標検出装置は、実施例1に係る目標検出装置において、受信信号をセルシフトした後に短時間フーリエ変換するようにしたものである。
図12は、本発明の実施例3に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。この目標検出装置は、実施例1に係る目標検出装置に、第1セルシフト部1、データ蓄積部2aおよびSTFT検出制御部9が追加されるとともに、セル範囲指定部3がセル範囲指定部3aに変更されて構成されている。
第1セルシフト部1は、STFT検出制御部9からの指示に応じて、外部から入力される受信信号を、図13に示すように、レンジセル単位で、−Cns〜+Cne(ns〜neのNs通り)までシフトし、STFT部2に送る。このセルシフトにより、図14に示すように、入力される受信信号と時間周波数フィルタの関係を変えることができ、目標信号にマッチした時間周波数フィルタにより目標を抽出することができる。データ蓄積部2aは、STFT部2から送られてくる時間−周波数軸上の信号を順次蓄積する。このデータ蓄積部2aの内容は、セル範囲指定部3によって参照される。
セル範囲指定部3aは、データ蓄積部2aに蓄積されている時間−周波数軸上の信号から最大値を有するセルシフトによって得られた時間−周波数軸上の信号を選択し、この選択した時間−周波数軸上の信号のうち、最大値およびその最大値からQ(Qは正の整数)番目までのQ個のセルを検出し、Q個のセルの各々について、その周りのN×Nの範囲を指定する。このセル範囲指定部3によって指定されたセル範囲は、2次元DWT部5に送られる。
上記のように構成される実施例3に係る目標検出装置においては、セルシフトした受信信号の各々に対し短時間フーリエ変換することにより得られた時間−周波数軸上の信号のうち、最大値を有するセルシフトを用いて、実施例1に係る目標検出装置と同様の処理が実施される。
次に、本発明の実施例3に係る目標検出装置の動作を、目標検出処理を中心に、図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図8に示した実施例1に係る目標検出装置の処理と同じ部分には、図8で使用した符号と同一の符号を付し、説明を簡略化する。
目標検出処理では、まず、セルシフトが行われる(ステップS31)。すなわち、第1セルシフト部1は、外部から入力された受信信号を、STFT検出制御部9からの指示に応じてシフトし、STFT部2に送る。次いで、短時間フーリエ変換(STFT変換)が行われる(ステップS32)。すなわち、STFT部2は、第1セルシフト部1から送られてきた信号を、短時間フーリエ変換することによって時間−周波数軸上の信号に変換し、セル範囲指定部3に送る。
次いで、データ蓄積が行われる(ステップS33)。すなわち、データ蓄積部2aは、STFT部2から送られてくる時間−周波数軸上の信号をデータ蓄積部2aに順次蓄積する。次いで、セルシフトが終了であるかどうか、つまりNs通りのシフトが行われたかどうかが調べられる(ステップS34)。このステップS34において、セルシフトが終了でないことが判断されると、ステップS31に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS34において、セルシフトが終了であることが判断されると、最大値検出が行われる(ステップS35)。すなわち、セル範囲指定部3aは、データ蓄積部2aに蓄積されている時間−周波数軸上の信号から最大値を有するセルシフトによって得られた時間−周波数軸上の信号を選択する。以下、この選択された時間−周波数軸上の信号に対して実施例1と同様の処理が行われる。
すなわち、Q通りの極値が抽出される(ステップS12)。次いで、ステップS12で抽出された極値の1つに対して、2次元離散ウェーブレット変換(2次元DWT)範囲が抽出される(ステップS13)。次いで、2次元離散ウェーブレット変換が行われる(ステップS14)。次いで、最大値抽出および判定セル範囲(Dセル)が抽出される(ステップS15)。次いで、スレショルド検出が行われる(ステップS16)。次いで、D通りのスレショルド検出が終了したかどうかが調べられる(ステップS17)。このステップS17において、D通りのスレショルド検出が終了していないことが判断されると、ステップS16に戻り、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップS17において、D通りのスレショルド検出が終了したことが判断されると、次いで、d/D検出が行われる(ステップS18)。次いで、Q通りの処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS19)。このステップS19において、Q通りの処理が終了していないことが判断されると、ステップS13に戻り、ステップS12で抽出されたQ個のセルのうちの次のセルに対して、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS19において、Q通りの処理が終了したことが判断されると、目標検出処理は終了する。
以上説明したように、本発明の実施例3に係る目標検出装置によれば、短時間フーリエ変換の入力セルをNs通りずらして、短時間フーリエ変換を実施し、Ns通りの各々の最大値が最大となる場合の短時間フーリエ変換の結果を用いて、実施例1に係る目標検出装置と同様の処理を行うので、時間周波数フィルタに整合した結果を用いて、効率よく目標信号を検出することができる。
本発明の実施例3に係る目標検出装置は、実施例1に係る目標検出装置において、受信信号をセルシフトした後に短時間フーリエ変換するようにしたものである。
図16は、本発明の実施例4に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。この目標検出装置は、実施例2に係る目標検出装置に、第1セルシフト部1、データ蓄積部2aおよびSTFT検出制御部9が追加されるとともに、セル範囲指定部3がセル範囲指定部3aに変更されて構成されている。
第1セルシフト部1、データ蓄積部2a、STFT検出制御部9の構成および機能は、実施例3に係る目標検出装置のそれらと同じである。セル範囲指定部3aは、データ蓄積部2aに蓄積されている時間−周波数軸上の信号から最大値を有するセルシフトによって得られた時間−周波数軸上の信号を選択し、この選択した時間−周波数軸上の信号のうち、最大値およびその最大値からQ番目までのQ個のセルを検出し、Q個のセルを含むM×Nの範囲を指定する。このセル範囲指定部3によって指定されたセル範囲は、1次元DWT部5aに送られる。
次に、本発明の実施例3に係る目標検出装置の動作を、目標検出処理を中心に、図17に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図11に示した実施例2に係る目標検出装置の処理と同じ部分には、図12で使用した符号と同一の符号を付し、また、図15に示した実施例3に係る目標検出装置の処理と同じ部分には、図15で使用した符号と同一の符号を付し説明を簡略化する。
目標検出処理では、まず、セルシフトが行われる(ステップS31)。次いで、短時間フーリエ変換(STFT変換)が行われる(ステップS32)。次いで、データ蓄積が行われる(ステップS33)。次いで、セルシフトが終了であるかどうか、つまりNs通りのシフトが行われたかどうかが調べられる(ステップS34)。このステップS34において、セルシフトが終了でないことが判断されると、ステップS31に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS34において、セルシフトが終了であることが判断されると、最大値検出が行われる(ステップS35)。すなわち、セル範囲指定部3aは、データ蓄積部2aに蓄積されている時間−周波数軸上の信号から最大値を有するセルシフトによって得られた時間−周波数軸上の信号を選択する。以下、この選択された時間−周波数軸上の信号に対して実施例2と同様の処理が行われる。
すなわち、Q通りの極値が抽出される(ステップS12)。次いで、ステップS12で抽出された極値の1つに対して、1次元離散ウェーブレット変換(1次元DWT)範囲が抽出される(ステップS21)。次いで、1次元離散ウェーブレット変換が行われる(ステップS22)。次いで、スレショルド検出が行われる(ステップS23)。次いで、M通りのスレショルド検出が終了したかどうかが調べられる(ステップS24)。このステップS24において、M通りのスレショルド検出が終了していないことが判断されると、ステップS22に戻り、次のMセルに対して、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップS24において、M通りのスレショルド検出が終了したことが判断されると、次いで、m/M検出が行われる(ステップS25)。次いで、Q通りの処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS19)。このステップS19において、Q通りの処理が終了していないことが判断されると、ステップS13に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS19において、Q通りの処理が終了したことが判断されると、目標検出処理は終了する。
以上説明したように、本発明の実施例4に係る目標検出装置によれば、短時間フーリエ変換の入力セルをNs通りずらして、短時間フーリエ変換を実施し、Ns通りの各々の最大値が最大となる場合の短時間フーリエ変換の結果を用いて、実施例2に係る目標検出装置と同様の処理を行うように構成したので、時間周波数フィルタに整合した結果を用いて、効率よく目標信号を検出することができる。
本発明の実施例5に係る目標検出装置は、実施例3に係る目標検出装置において、短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号をセルシフトした後に2次元離散ウェーブレット変換を行うようにしたものである。
図18は、本発明の実施例5に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。この目標検出装置は、実施例3に係る目標検出装置に、第2セルシフト部4、データ蓄積部5bおよびDWT検出制御部10が追加されて構成されている。
第2セルシフト部4は、DWT検出制御部10からの指示に応じて、セル範囲指定部3aから送られてくる信号を、レンジセル単位で、−Cns〜+Cne(ns〜neのNs通り)までシフトし、2次元DWT部5に送る。データ蓄積部5bは、2次元DWT部5aから送られてくるウェーブレット展開係数を順次蓄積する。このデータ蓄積部5bの内容は、判定セル範囲指定部6によって参照される。
判定セル範囲指定部6は、データ蓄積部5bから送られてきたウェーブレット展開係数のうち、最大値およびその最大値からD(Dは正の整数)番目までのD個の極値を抽出し、D個の極値の各々について、その周りのD1×D2(D1およびD2は正の整数)の範囲を指定する。この判定セル範囲指定部6によって指定された範囲は、判定セル範囲としてスレショルド部7に送られる。
次に、本発明の実施例5に係る目標検出装置の動作を、目標検出処理を中心に、図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図15に示した実施例3に係る目標検出装置の処理と同じ部分には、図15で使用した符号と同一の符号を付し、説明を簡略化する。
目標検出処理では、まず、セルシフトが行われる(ステップS31)。次いで、短時間フーリエ変換(STFT変換)が行われる(ステップS32)。次いで、データ蓄積が行われる(ステップS33)。次いで、セルシフトが終了であるかどうか、つまりNs通りのシフトが行われたかどうかが調べられる(ステップS34)。このステップS34において、セルシフトが終了でないことが判断されると、ステップS31に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS34において、セルシフトが終了であることが判断されると、最大値検出が行われる(ステップS35)。次いで、Q通りの極値が抽出される(ステップS12)。
次いで、セルシフトが行われる(ステップS41)。すなわち、第2セルシフト部4は、セル範囲指定部3aから送られてくる信号を、STFT検出制御部9からの指示に応じてシフトし、2次元DWT部5に送る。次いで、2次元離散ウェーブレット変換(2次元DWT)範囲が抽出される(ステップS42)。すなわち、第2セルシフト部4は、ステップS12で抽出したQ個のセルの1つについて、その周りのN×Nのセル範囲を指定し、2次元DWT部5に送る。
次いで、2次元離散ウェーブレット変換(2次元DWT)が行われる(ステップS43)。すなわち、2次元DWT部5は、第2セルシフト部4から送られてくるセル範囲に対して2次元離散ウェーブレット変換を実施し、この離散ウェーブレット変換によって得られたウェーブレット展開係数をデータ蓄積部5bに送る。次いで、データ蓄積が行われる(ステップS44)。すなわち、データ蓄積部5bは、2次元DWT部5から送られてくるウェーブレット展開係数をデータ蓄積部5bに順次蓄積する。
次いで、セルシフトが終了であるかどうか、つまりNs通りのシフトが行われたかどうかが調べられる(ステップS45)。このステップS45において、セルシフトが終了でないことが判断されると、ステップS41に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS45において、セルシフトが終了であることが判断されると、以下、データ蓄積部5bに蓄積されたウェーブレット展開係数に対して実施例1と同様の処理が行われる。
すなわち、最大値抽出および判定セル範囲(Dセル)が抽出される(ステップS15)。次いで、スレショルド検出が行われる(ステップS16)。次いで、D通りのスレショルド検出が終了したかどうかが調べられる(ステップS17)。このステップS17において、D通りのスレショルド検出が終了していないことが判断されると、ステップS16に戻り、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップS17において、D通りのスレショルド検出が終了したことが判断されると、次いで、d/D検出が行われる(ステップS18)。次いで、Q通りの処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS19)。このステップS19において、Q通りの処理が終了していないことが判断されると、ステップS41に戻り、ステップS12で抽出されたQ個のセルのうちの次のセルに対して、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS19において、Q通りの処理が終了したことが判断されると、目標検出処理は終了する。
以上説明したように、本発明の実施例5に係る目標検出装置によれば、短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号に対して、時間軸または周波数軸方向にNs通り入力セルをずらした信号を用いて、2次元離散ウェーブレット変換を適用するように構成したので、時間周波数フィルタに整合した結果を用いて、効率よく目標信号を検出することができる。
なお、この実施例5に係る目標検出装置においては、第1セルシフト部1、STFT部2、セル範囲指定部3およびSTFT検出制御部9を省略し、外部から送られてくる受信信号を第2セルシフト部4に入力するように構成することもできる。
本発明の実施例6に係る目標検出装置は、実施例4に係る目標検出装置において、短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号をセルシフトした後に2次元離散ウェーブレット変換を行うようにしたものである。
図20は、本発明の実施例6に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。この目標検出装置は、実施例4に係る目標検出装置に、第2セルシフト部4、データ蓄積部5bおよびDWT検出制御部10が追加されて構成されている。これら追加された構成要素は、実施例5に係る目標検出装置のそれらと同じである。
次に、本発明の実施例6に係る目標検出装置の動作を、目標検出処理を中心に、図21に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図17に示した実施例4に係る目標検出装置の処理と同じ部分には、図17で使用した符号と同一の符号を付し、説明を簡略化する。
目標検出処理では、まず、セルシフトが行われる(ステップS31)。次いで、短時間フーリエ変換(STFT変換)が行われる(ステップS32)。次いで、データ蓄積が行われる(ステップS33)。次いで、セルシフトが終了であるかどうか、つまりNs通りのシフトが行われたかどうかが調べられる(ステップS34)。このステップS34において、セルシフトが終了でないことが判断されると、ステップS31に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS34において、セルシフトが終了であることが判断されると、最大値検出が行われる(ステップS35)。すなわち、セル範囲指定部3aは、データ蓄積部2aに蓄積されている時間−周波数軸上の信号から最大値を有するセルシフトによって得られた時間−周波数軸上の信号を選択する。次いで、Q通りの極値が抽出される(ステップS12)。
次いで、セルシフトが行われる(ステップS51)。すなわち、第2セルシフト部4は、セル範囲指定部3aから送られてくる信号を、STFT検出制御部9からの指示に応じてシフトし、1次元DWT部5aに送る。次いで、1次元離散ウェーブレット変換(1次元DWT)範囲が抽出される(ステップS52)。すなわち、第2セルシフト部4は、ステップS12で抽出したQ個のセルの1つについて、その周りのN×Nのセル範囲を指定し、1次元DWT部5aに送る。
次いで、1次元離散ウェーブレット変換(1次元DWT)が行われる(ステップS53)。すなわち、1次元DWT部5aは、第2セルシフト部4から送られてくるセル範囲に対して1次元離散ウェーブレット変換を実施し、この離散ウェーブレット変換によって得られたウェーブレット展開係数をデータ蓄積部5bに送る。次いで、データ蓄積が行われる(ステップS54)。すなわち、データ蓄積部5bは、1次元DWT部5aから送られてくるウェーブレット展開係数をデータ蓄積部5bに順次蓄積する。
次いで、セルシフトが終了であるかどうか、つまりNs通りのシフトが行われたかどうかが調べられる(ステップS55)。このステップS55において、セルシフトが終了でないことが判断されると、ステップS51に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS55において、セルシフトが終了であることが判断されると、次いで、最大値抽出および判定セル範囲(Mセル)が抽出される(ステップS56)。次いで、スレショルド検出が行われる(ステップS57)。次いで、M通りのスレショルド検出が終了したかどうかが調べられる(ステップS58)。このステップS58において、M通りのスレショルド検出が終了していないことが判断されると、ステップS57に戻り、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップS58において、M通りのスレショルド検出が終了したことが判断されると、次いで、m/M検出が行われる(ステップS58)。次いで、Q通りの処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS60)。このステップS60において、Q通りの処理が終了していないことが判断されると、ステップS51に戻り、ステップS12で抽出されたQ個のセルのうちの次のセルに対して、上述した処理が繰り返される。一方、ステップS60において、Q通りの処理が終了したことが判断されると、目標検出処理は終了する。
以上説明したように、本発明の実施例6に係る目標検出装置によれば、短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号に対して、時間軸または周波数軸方向にNs通り入力セルをずらした信号を用いて、1次元離散ウェーブレット変換を適用するで、時間周波数フィルタに整合した結果を用いて、効率よく信号を検出することができる。
なお、上述した実施例1〜実施例6に係る目標検出装置において、2次元離散ウェーブレット変換のウェーブレット展開係数は、入力された信号を1回だけウェーブレット変換したものを用いたが、複数回ウェーブレット変換したものを用いることもできる。
本発明に係る目標検出装置は、目標を検出または追尾するレーダ装置や受信装置に利用することが可能である。
本発明の実施例1に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る目標検出装置に入力される受信信号を示す図である。 本発明の実施例1に係る目標検出装置で使用される短時間フーリエ変換の原理を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る目標検出装置において行われる離散ウェーブレット変換の原理を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る目標検出装置において行われる離散ウェーブレット変換の時間周波数フィルタを示す図である。 本発明の実施例1に係る目標検出装置において行われる2次元離散ウェーブレット変換の原理を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る目標検出装置において行われる短時間フーリエ変換と2次元離散ウェーブレット変換の原理を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る目標検出装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る目標検出装置において行われる短時間フーリエ変換と1次元離散ウェーブレット変換の原理を説明するための図である。 本発明の実施例2に係る目標検出装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3に係る目標検出装置の2次元離散ウェーブレット変換に入力される入力信号を示す図である。 本発明の実施例3に係る目標検出装置における入力セルシフトとフィルタの関係を示す図である。 本発明の実施例3に係る目標検出装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例4に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4に係る目標検出装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例5に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例5に係る目標検出装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例6に係る目標検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例6に係る目標検出装置の動作を示すフローチャートである。 従来の目標検出装置の構成を示すブロック図である。 図22に示すCFAR部の詳細な構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 第1セルシフト部
2 STFT部
2a データ蓄積部
3、3a セル範囲指定部
4 第2セルシフト部
5 2次元DWT部
5a 1次元DWT部
5b データ蓄積部
6 判定セル範囲指定部
7 スレショルド部
8 d/D検出部
9 STFT検出制御部
10 DWT検出制御部

Claims (6)

  1. 外部から入力された受信信号を短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換する短時間フーリエ変換部と、
    前記短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ(Qは正の整数)番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×N(Nは正の整数)のセル範囲を指定するセル範囲指定部と、
    前記セル範囲指定部で指定されたセル範囲に対して2次元離散ウェーブレット変換を実行する2次元離散ウェーブレット変換部と、
    前記2次元離散ウェーブレット変換部における2次元離散ウェーブレット変換により得られたウェーブレット展開係数の中から判定に使用するセルの範囲を指定する判定セル範囲指定部と、
    前記判定セル範囲指定部により指定された範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較するスレショルド部と、
    前記スレショルド部における比較結果に基づき目標を検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする目標検出装置。
  2. 外部から入力された受信信号を短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換する短時間フーリエ変換部と、
    前記短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ(Qは正の整数)番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×M(MおよびNは正の整数)のセル範囲を指定するセル範囲指定部と、
    前記セル範囲指定部で指定されたセル範囲において、Nセルの方向にM通りの1次元離散ウェーブレット変換を実行する1次元離散ウェーブレット変換部と、
    前記1次元離散ウェーブレット変換部における1次元離散ウェーブレット変換により得られたウェーブレット展開係数の中から判定に使用するセルの範囲を指定する判定セル範囲指定部と、
    前記判定セル範囲指定部により指定された範囲のセルを所定のスレショルドレベルと比較するスレショルド部と、
    前記スレショルド部における比較結果に基づき目標を検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする目標検出装置。
  3. 外部から入力された受信信号に対してNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第1セルシフト部を備え、
    前記短時間フーリエ変換部は、前記第1セルシフト部から出力されるNs通りのセルを短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換し、
    前記セル範囲指定部は、Ns通りの各々の最大値が最大となる場合において、前記短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×N(Nは正の整数)のセル範囲を指定することを特徴とする請求項1記載の目標検出装置。
  4. 外部から入力された受信信号に対してNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第1セルシフト部を備え、
    前記短時間フーリエ変換部は、前記第1セルシフト部から出力されるNs通りのセルを短時間フーリエ変換により時間−周波数軸上の信号に変換し、
    前記セル範囲指定部は、Ns通りの各々の最大値が最大となる場合において、前記短時間フーリエ変換部における短時間フーリエ変換により得られた時間−周波数軸上の信号の中から、最大値からQ番目までのセルを検出し、Q個のセルの各々について、該セルを含むN×M(MおよびNは正の整数)のセル範囲を指定することを特徴とする請求項2記載の目標検出装置。
  5. 前記セル範囲指定部から出力される時間−周波数軸上の信号に対して時間軸または周波数軸方向にNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第2セルシフト部を備え、
    前記2次元離散ウェーブレット変換部は、前記第2セルシフト部の出力に対して2次元離散ウェーブレット変換を実行することを特徴とする請求項1または請求項3記載の目標検出装置。
  6. 前記セル範囲指定部から出力される時間−周波数軸上の信号に対して時間軸または周波数軸方向にNs(Nsは正の整数)通りのシフトを行う第2セルシフト部を備え、
    前記1次元離散ウェーブレット変換部は、前記第2セルシフト部の出力に対して1次元離散ウェーブレット変換を実行することを特徴とする請求項4記載の目標検出装置。
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