JP2008045142A - ポリアリーレンアミン及びその製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンアミン及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008045142A
JP2008045142A JP2007279245A JP2007279245A JP2008045142A JP 2008045142 A JP2008045142 A JP 2008045142A JP 2007279245 A JP2007279245 A JP 2007279245A JP 2007279245 A JP2007279245 A JP 2007279245A JP 2008045142 A JP2008045142 A JP 2008045142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyaryleneamine
phenylenediamine
general formula
palladium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007279245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5490988B2 (ja
Inventor
Toshihide Yamamoto
敏秀 山本
Shoichi Nishiyama
正一 西山
Yasuyuki Koie
泰行 鯉江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2007279245A priority Critical patent/JP5490988B2/ja
Publication of JP2008045142A publication Critical patent/JP2008045142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5490988B2 publication Critical patent/JP5490988B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

【課題】 耐熱性、耐溶剤性等に優れた、新規なポリアリーレンアミンを提供する。
【解決手段】 アリールアミン及び/又はアリーレンジアミン誘導体とアリールジハライドとを、トリアルキルホスフィン及び/又はアリールホスフィンとパラジウム化合物とからなる触媒を用い、塩基の存在下でアミノ化反応させ、下記一般式(1)
【化1】
Figure 2008045142

(式中、Ar、Arは、各々独立して炭素数6〜24の芳香族基を示す。)
で表される構造単位を有するポリアリーレンアミンを得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は新規なポリアリーレンアミン及びその製造方法に関する。本発明のポリアリーレンアミンは、3級アリールアミノ基が連続的に結合した構造を有することから耐熱性、耐溶剤性等に優れ構造材料として有用なものである。
従来、耐熱性、耐溶剤性に優れる高分子材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、又はポリフェニレンテレフタルアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー等の種々のエンジニアリングプラスチックが知られ、様々な分野で構造材料として用いられている。
一方、新規なポリマーとして、アリールジハライドとピペラジン又はピペリジン誘導体を塩基の存在下に塩化パラジウムとトリス(o−トリルホスフィン)配位子からなる触媒の存在下にアミノ化反応しポリアリーレンアミンを製造することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
「Chem.Lett.」,pp.1135〜1136,1996
しかしながら、上述の熱硬化性樹脂は耐熱性には優れるが、生産性には劣るものである。またエンジニアリングプラスチックは溶融加工が困難であり溶融紡糸等の特殊な加工法により加工されている。そして溶融加工が可能なものではその耐熱性能が十分なものではない。さらにこのようなエンジニアリングプラスチックの製造には、その単量体の合成が困難、特殊な溶媒中で重合を行わなくてはならない、重合反応時に高温を要する、成型物としての生産性が悪い等の様々な課題を有するものが多い。
またChem.Lett.,pp.1135〜1136,1996に開示されたアリールジハライドとピペラジン又はピペリジン誘導体等の脂環式アミンからなるポリマーは、耐熱性に劣るものである。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱性、耐溶媒性等に優れた、新規なポリアリーレンアミン及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題に関して鋭意検討した結果、新規なポリアリーレンアミンを見出し、本発明を完成させるにいたった。
即ち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 2008045142
(式中、Ar、Arは、各々独立して炭素数6〜24の芳香族基を示す。)
で表される構造単位を有することを特徴とするポリアリーレンアミン、及びその製造方法である。
本発明のポリアリーレンアミンは、その構造単位において、上記一般式(1)で示される単位を有することを特徴とする。
一般式(1)において、Ar、Arは、各々独立して炭素数6〜24の芳香族基を示すが、炭素数6〜24の芳香族基としては、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、ビフェニル基、アントラセニル基、ナフチル基又はフルオレニル基が好ましい。
Arとしては、例えば、フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、3,4−(メチレンジオキシ)フェニル基等の無置換又は置換基を有するフェニル基;2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基等のビフェニル基;1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルナフチル基、4−メチルナフチル基等のナフチル基;9−アントラセニル基、2−フルオレニル基等が挙げられる。
Arとしては、例えば、以下に示すような構造を挙げることができる。
Figure 2008045142
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はトリフルオロメトキシ基を示し、mは1又は2の整数を示す。)
Figure 2008045142
Figure 2008045142
Figure 2008045142
Figure 2008045142
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
そして本発明のポリアリーレンアミンのうち、下記一般式(2)
Figure 2008045142
(式中、RはH又はCHを示し、nは1〜5の整数を示す。)
で表される構造単位を有するポリアリーレンアミンが、優れた耐熱性を有することから特に好ましい。
本発明のポリアリーレンアミンにおいて、耐熱性向上を目的とする場合には、上記Arがパラ位の結合からなることが好ましい。また、溶剤に対する溶解性、成形性の向上を目的とする場合には、メタ位及び/又はオルト位の結合を含んでいても良い。
本発明のポリアリーレンアミンは、上記一般式(1)で示される構造単位を有していれば、単独重合体又は共重合体であってもよいが、上記一般式(1)で示される単位が10以上繰り返した単位よりなるポリアリーレンアミンは、耐熱性、耐溶剤性に優れるため、特に好ましい。
本発明のポリアリーレンアミンは、いかなる方法により製造されても差し支えないが、例えば、下記一般式(3)
Figure 2008045142
(式中、Arは炭素数6〜24の芳香族基を示す。)
で示されるアリールアミン及び/又は下記一般式(4)
Figure 2008045142
(式中、Ar、Arは、各々独立して炭素数6〜24の芳香族基を示す。)
で示されるアリーレンジアミン誘導体と下記一般式(5)
Figure 2008045142
(式中、Arは炭素数6〜24の芳香族基を示し、XはCl、Br、F又はIを示す。)
で示されるアリールジハライドとを、トリアルキルホスフィン及び/又はアリールホスフィンとパラジウム化合物とからなる触媒を用い、塩基の存在下でアミノ化反応させることにより、効率的に製造することができる。
本発明の方法で使用される上記一般式(3)で示されるアリールアミンとしては、具体的には、アニリン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−アニシジン、3−アニシジン、4−アニシジン、2−ナフチルアミン、2−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル等を例示することができる。
本発明の方法で使用される上記一般式(4)で示されるアリーレンジアミン誘導体としては、具体的には、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−メトキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3−メトキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−メチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3−メチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(4−メチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3−ヒドロキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(4−ヒドロキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−トリフルオロメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3−トリフルオロメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2,6−ジメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3,6−ジメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2,3−ジメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3,4−ジメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2,4−ジメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3,5−ジメチルフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3−トリフルオロメトキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(4−トリフルオロメトキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3−ビフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(4−ビフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−ナフチル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(3,4−メチレンジオキシフェニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−メチルナフチル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(4−メチルナフチル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(9−アントラセニル)フェニレンジアミン、N,N’−ジ(2−フルオレニル)フェニレンジアミン等を例示することができる。
本発明の方法で使用される一般式(5)で表されるアリールジハライドとしては、具体的には、1,4−ジブロモベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、2,5−ジブロモトルエン、3,5−ジブロモトルエン、1,4−ジブロモ−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ジブロモ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1,4−ジブロモビフェニル、9,10−ジブロモアントラセン、N−メチル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−エチル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−プロピル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−ブチル−3,6−ジブロモカルバゾール、2,7−ジブロモフルオレン等のジブロモベンゼン類;1,4−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロ−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ジクロロ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1,4−ジクロロビフェニル、9,10−ジクロロアントラセン、N−メチル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−エチル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−プロピル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−ブチル−3,6−ジクロロカルバゾール、2,7−ジクロロフルオレン等のジクロロベンゼン類;1,4−ジヨードベンゼン、1,2−ジヨードベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、2,5−ジヨードトルエン、3,5−ジヨードトルエン、1,4−ジヨード−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ジヨード−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1,4−ジヨードビフェニル、9,10−ジヨードアントラセン、N−メチル−3,6−ジヨードカルバゾール、N−エチル−3,6−ジヨードカルバゾール、N−プロピル−3,6−ジヨードカルバゾール、N−ブチル−3,6−ジヨードカルバゾール、2,7−ジヨードフルオレン等のジヨードベンゼン類;1,4−ジフルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、2,5−ジフルオロトルエン、3,5−ジフルオロトルエン、1,4−ジフルオロ−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ジフルオロ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1,4−ジフルオロビフェニル、9,10−ジフルオロアントラセン、N−メチル−3,6−ジフルオロカルバゾール、N−エチル−3,6−ジフルオロカルバゾール、N−プロピル−3,6−ジフルオロカルバゾール、N−ブチル−3,6−ジフルオロカルバゾール、2,7−ジフルオロフルオレン等のジフルオロベンゼン類等を例示することができる。
本発明の方法において、アリーレンジアミン誘導体及び/又はアリールアミンの添加量は、特に限定するものではないが、高分子量のポリアリーレンアミンが得られることから、アリーレンジアミン誘導体の場合には、アリールジハライド1モルに対して0.9〜1.1の割合で添加し、アリールアミンの場合には、アリールジハライド1モルに対して0.4〜0.6の割合で添加することが好ましい。更に本発明においては本発明の目的を逸脱しないかぎりにおいてこれらの混合物を用いても、又はさらに第三成分を加えても良い。
本発明の方法においては、トリアルキルホスフィン及び/又はアリールホスフィンとパラジウム化合物からなる触媒を用いてアミノ化反応を進行させる。トリアルキルホスフィン及び/又はアリールホスフィンは、それぞれ単独又は混合物として用いても良い。
本発明の方法で使用するパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等の4価のパラジウム化合物類;塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(I)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)等の2価パラジウム化合物類;トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等の0価パラジウム化合物類を挙げることができる。
本発明の方法においてパラジウム化合物の使用量は、特に限定するものではないが、原料のアリールジハライドのハロゲン原子1モルに対し、パラジウム換算で通常0.00001〜20.0モル%の範囲であり、さらに高価なパラジウム化合物を使用することから、より好ましくは原料のアリールジハライドのハロゲン原子1モルに対し、パラジウム換算で0.001〜5.0モル%の範囲である。
本発明の方法で触媒成分として使用されるトリアルキルホスフィンとしては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。これらのうちトリターシャリーブチルホスフィンが触媒として特に高い反応活性を有することから好ましい。
また、本発明の方法で使用されるアリールホスフィンとしては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、BINAP、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
本発明の方法において、トリアルキルホスフィン及び/又はアリールホスフィンの使用量は、特に限定するものではなく、パラジウム化合物に対して通常0.01〜10000倍モルの範囲で使用すればよい。そして、高価なトリアルキルホスフィン及び/又はアリールホスフィンを使用することから、パラジウム化合物に対して0.1〜10倍モルの範囲であることが好ましい。
本発明の方法においては触媒成分としてパラジウム化合物とトリアルキルホスフィン及び/又はアリールホスフィンからなる触媒が用いられる。その際、これら触媒成分は、反応系にそれぞれ触媒成分として単独に加えても良いし、予めこれら触媒成分よりなる錯体の形に調製して添加してもよい。
本発明の方法で用いられる塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、ナトリウム,カリウムの炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等の無機塩基又は3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが好ましく、それらは反応系にそのまま加えても、また、アルカリ金属、水素化アルカリ金属又は水酸化アルカリ金属とアルコールとからその場で調製して反応系に供してもよい。
本発明の方法において塩基の使用量は、特に限定するものではないが、反応系に添加するアリールハライドのハロゲン原子に対して、0.5倍モル以上使用することが好ましく、反応終了後の後処理操作が容易となることから、1.0〜5倍モルの範囲であることが特に好ましい。
本発明の方法は、通常は不活性溶媒下で実施することが好ましい。そのような不活性溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等が挙げられ、これらのうち、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒が特に好ましい。
本発明の方法は、常圧下で、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましいが、たとえ加圧条件であっても実施することが可能である。
本発明の方法において反応条件としては、ポリアリ−ルアミンを製造することが可能な条件であればよく特に限定するものではないが、例えば、反応温度として20℃〜300℃、より好ましくは50℃〜200℃の範囲、反応時間として数分〜72時間の範囲で製造することが可能である。
本発明のポリアリーレンアミンは、上記一般式(1)に示される繰り返し単位からなり、アリール残基及びアニリン誘導体の残基が交互に結合したものであり、高融点を有し、耐熱性に優れていることから耐熱性構造材料として優れたものである。また、本発明のポリアリーレンアミンは、正孔輸送性の高いトリアリールアミン構造を連続的に有するため、有機EL素子の正孔輸送材料としても有用である。
本発明のポリアリーレンアミンは、単独でも樹脂材料として使用できるが、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、炭酸カルリウム、マイカ等の充填剤;各種顔料;酸化防止剤、光安定剤等の各種安定剤と混合して使用することができる。また、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の汎用樹脂;ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー等のスーパーエンジニアリングプラスチック等とアロイブレンドして使用することもできる。
本発明は、3級アリールアミノ基が連続的に結合した構造を有する耐熱性、耐溶剤性等に優れる構造材料として有用な新規なポリアリーレンアミン、及びその効率的な製造方法を提供するものであり、工業的にも非常に有意義である。
以下に、本発明の実施例を示すが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
冷却管、温度計を装着した200ml四つ口フラスコに、室温下N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン2.6g(0.01mol)、p−ジブロモベンゼン2.36g(0.01mol)、ナトリウムターシャリーブトキシド2.88g(臭素原子に対して1.4当量)及びo−キシレン60mlを仕込んだ。この混合液に窒素雰囲気下で酢酸パラジウム11.2mg(0.5mol%)及びトリターシャリーブチルホスフィン0.2ml(パラジウム化合物に対して4当量)を添加した。その後窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で3時間反応を行った。
反応終了後、水60mlを添加し水洗した後、固形分を濾別回収した。回収した固形分を再度20mlの水で洗浄した後、減圧乾燥して、4.03gの黄色粉体を得た(収率92.8%)。
得られた粉体を融点をTG/DTAを用い測定したところ325.6℃に融点を示した。元素分析を測定結果を表1、IRの測定結果を図1に示す。
Figure 2008045142
これらの結果より、得られた粉体は、高い融点を有するポリアリーレンアミンであることが確認された。
実施例2
冷却管、温度計を装着した200ml四つ口フラスコに、室温下3−トルイジン2.14g(0.02mol)、p−ジブロモベンゼン9.44g(0.04mol)、ナトリウムターシャリーブトキシド4.72g(臭素原子に対して1.4当量)及びo−キシレン60mlを仕込んだ。この混合液に窒素雰囲気下にトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(アルドリッチ製)51.8mg(0.25mol%)及びトリターシャリーブチルホスフィン0.4ml(パラジウム化合物に対して4当量)を添加した。その後窒素雰囲気下に温度を120℃まで昇温し、120℃で3時間反応を行った。
反応終了後、水60mlを添加し水洗した後、固形分を濾別回収した。回収した固形分を再度20mlの水で洗浄した後、減圧乾燥して、3.75gの黄色粉体を得た。(収率89.4%)
得られた粉体を融点をTG/DTAを用い測定したところ327.6℃に融点を示した。元素分析を測定結果を表2、IRの測定結果を図2に示す。
Figure 2008045142
これらの結果より得られた粉体は、高い融点を有するポリアリーレンアミンであることが確認された。
実施例3
p−ジブロモベンゼンの使用量を9.44g(0.04mol)から4.72g(0..02mol)とした以外は実施例2と同様の条件で反応及び後処理を行った。減圧乾燥後3.41gの黄白色粉体を得た(収率94.2%)。
得られた粉末をTG−DTAを用いて測定した結果、327.6℃に融点を示した。元素分析の結果を表3、IRの結果を図3に示す。
Figure 2008045142
実施例4
3−トルイジン2.14g(0.02mol)のかわりに4−フルオロアニリン2.22g(0.02mol)を用いた以外は実施例3と同様の条件で反応及び後処理を行った。減圧乾燥後、3.60gの黄白色粉体を得た(収率97.3%)。
得られた粉体をTG−DTAを用いて測定した結果、331.3℃に融点を示した。元素分析の結果を表4、IRの測定結果を図4に示す。
Figure 2008045142
実施例5
p−ジブロモベンゼン4.72gの代わりに4,4’−ジブロモビフェニル6.24gを用いた以外は実施例3と同様の条件で反応及び後処理を行った。減圧乾燥後5.10gの黄白色粉体を得た(収率99.0%)。
得られた粉末をTG−DTAを用いて測定した結果、268.0℃に融点を示した。元素分析の結果を表5、IRの結果を図5に示す。
Figure 2008045142
実施例6
p−ジブロモベンゼンの代わりにm−ジブロモベンゼンを4.72g(0.02mol)用いた以外は実施例3と同様の条件で反応及び後処理を行った。減圧乾燥後3.35gの黄白色粉体を得た(収率92.5%)。
得られた粉末をTG−DTAを用いて測定した結果、281.2℃に融点を示した。元素分析の結果を表6、IRの結果を図6に示す。
Figure 2008045142
実施例7
パラジウム触媒の量を0.25mol%から2.5mol%(518mg)とし、ホスフィンをトリターシャリーブチルホスフィンからトリオルトトリルホスフィンとして触媒に対して4当量用いた以外は実施例3と同様の条件で反応及び後処理を行った。減圧乾燥後2.72gの黄白色粉体を得た(収率75.1%)。
実施例8
パラジウム触媒の量を0.25mol%から0.5mol%(103.6mg)とし、ホスフィンをトリターシャリーブチルホスフィンからトリシクロヘキシルホスフィンとして触媒に対して4当量用いた以外は実施例3と同様の条件で反応及び後処理を行った。減圧乾燥後2.94gの黄白色粉体を得た(収率81.2%)。
実施例1で得られたポリアリーレンアミンのIRチャートである。 実施例2で得られたポリアリーレンアミンのIRチャートである。 実施例3で得られたポリアリーレンアミンのIRチャートである。 実施例4で得られたポリアリーレンアミンのIRチャートである。 実施例5で得られたポリアリーレンアミンのIRチャートである。 実施例6で得られたポリアリーレンアミンのIRチャートである。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2008045142
    (式中、Ar、Arは、各々独立して炭素数6〜24の芳香族基を示す。)
    で表される構造単位を有するポリアリーレンアミン。
  2. 一般式(1)において、Ar、Arが、各々独立して無置換若しくは置換基を有するフェニル基、ビフェニル基、アントラセニル基、ナフチル基又はフルオレニル基を示すことを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンアミン。
  3. 下記一般式(2)
    Figure 2008045142
    (式中、RはH又はCHを示し、nは1〜5の整数を示す。)
    で表される構造単位を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリアリーレンアミン。
  4. 一般式(1)で示される単位が、10以上の繰り返し単位からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリアリーレンアミン。
JP2007279245A 1997-05-09 2007-10-26 ポリアリーレンアミン及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5490988B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007279245A JP5490988B2 (ja) 1997-05-09 2007-10-26 ポリアリーレンアミン及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11947897 1997-05-09
JP1997119478 1997-05-09
JP2007279245A JP5490988B2 (ja) 1997-05-09 2007-10-26 ポリアリーレンアミン及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12608898A Division JP4207243B2 (ja) 1997-05-09 1998-05-08 ポリアリーレンアミン及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008045142A true JP2008045142A (ja) 2008-02-28
JP5490988B2 JP5490988B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=39179171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007279245A Expired - Fee Related JP5490988B2 (ja) 1997-05-09 2007-10-26 ポリアリーレンアミン及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5490988B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013091057A (ja) * 2011-10-03 2013-05-16 Tosoh Corp パラジウム化合物吸着剤およびその用途
JP2014065885A (ja) * 2012-09-06 2014-04-17 Tosoh Corp アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
WO2014083342A2 (en) * 2012-11-30 2014-06-05 Cambridge Display Technology Limited Method of forming polymers
CN109863192A (zh) * 2016-10-24 2019-06-07 Jsr株式会社 聚合物、电极、蓄电设备和聚合物的制造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56135448A (en) * 1980-02-04 1981-10-22 Xerox Corp Manufacture of arylamine
JPS61195184A (ja) * 1985-02-25 1986-08-29 Nissan Motor Co Ltd ポリトリフエニルアミン膜の製造方法
JPS61206170A (ja) * 1985-03-09 1986-09-12 Maruzen Sekiyu Kagaku Kk 二次電池
JPH02282264A (ja) * 1988-12-09 1990-11-19 Nippon Oil Co Ltd ホール輸送材料
JPH0334382A (ja) * 1989-06-29 1991-02-14 Furukawa Electric Co Ltd:The 有機薄膜el素子
JPH08314169A (ja) * 1995-05-19 1996-11-29 Toyo Ink Mfg Co Ltd 正孔輸送材料およびその用途

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56135448A (en) * 1980-02-04 1981-10-22 Xerox Corp Manufacture of arylamine
JPS5946249A (ja) * 1980-02-04 1984-03-15 ゼロツクス・コ−ポレ−シヨン ポリ第3級アミンの製造方法
JPS61195184A (ja) * 1985-02-25 1986-08-29 Nissan Motor Co Ltd ポリトリフエニルアミン膜の製造方法
JPS61206170A (ja) * 1985-03-09 1986-09-12 Maruzen Sekiyu Kagaku Kk 二次電池
JPH02282264A (ja) * 1988-12-09 1990-11-19 Nippon Oil Co Ltd ホール輸送材料
JPH0334382A (ja) * 1989-06-29 1991-02-14 Furukawa Electric Co Ltd:The 有機薄膜el素子
JPH08314169A (ja) * 1995-05-19 1996-11-29 Toyo Ink Mfg Co Ltd 正孔輸送材料およびその用途

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013091057A (ja) * 2011-10-03 2013-05-16 Tosoh Corp パラジウム化合物吸着剤およびその用途
JP2014065885A (ja) * 2012-09-06 2014-04-17 Tosoh Corp アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
WO2014083342A2 (en) * 2012-11-30 2014-06-05 Cambridge Display Technology Limited Method of forming polymers
WO2014083342A3 (en) * 2012-11-30 2014-09-12 Cambridge Display Technology Limited Method of forming polymers
US9598539B2 (en) 2012-11-30 2017-03-21 Cambridge Display Technology Limited Method of forming polymers
US20170145160A1 (en) * 2012-11-30 2017-05-25 Cambridge Display Technology Limited Method of forming polymers
US10323123B2 (en) 2012-11-30 2019-06-18 Cambridge Display Technology Limited Method of forming polymers
CN109863192A (zh) * 2016-10-24 2019-06-07 Jsr株式会社 聚合物、电极、蓄电设备和聚合物的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5490988B2 (ja) 2014-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4207243B2 (ja) ポリアリーレンアミン及びその製造方法
US6034206A (en) Polyaryleneamines and a process for their production
EP0918811B1 (en) Poly(arylamines) and films thereof
KR100533128B1 (ko) 폴리머, 이의 제조방법 및 용도
JP5490988B2 (ja) ポリアリーレンアミン及びその製造方法
JP2005285749A (ja) トリアリールアミンポリマー及びその製造方法
KR20060124742A (ko) 분지형 폴리페닐렌 중합체
Zhou et al. s-Triazine-based functional monomers with thermocrosslinkable propargyl units: Synthesis and conversion to the heat-resistant polymers
JP5505123B2 (ja) 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法およびその用途
JP2004067970A (ja) 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP2012092181A (ja) ランダム共重合体
WO2004014985A1 (ja) 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
EP0317226A2 (en) Aromatic compounds
JP5012185B2 (ja) 新規なトリアリールアミンポリマー、その製造方法及び用途
US20010037012A1 (en) Polymers, their preparation and uses
Park et al. Synthesis and characterization of new diphenylfluorene‐based aromatic polyazomethines
JP4010025B2 (ja) ポリアリーレンアミンの製造方法
JP5685838B2 (ja) 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP3403188B2 (ja) 重合方法
JP6146181B2 (ja) アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP5716392B2 (ja) 新規アリールアミンデンドリマー状化合物、その製造方法およびその用途
JPH1180346A (ja) ポリアリールアミンの製造方法
WO2008016090A1 (fr) Procédé de production d'un composé polymère
JP2002128891A (ja) 新規な交互共重合体およびその製造方法
JP4010026B2 (ja) 新規なポリアリーレンアミン

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120926

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121004

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20121102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20131018

R155 Notification before disposition of declining of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140227

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees