JP5505123B2 - 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法およびその用途 - Google Patents

新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法およびその用途 Download PDF

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本発明は、新規なトリアリールアミンポリマーとその製造方法、およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関する。
有機EL素子は、発光層を主体に、正孔または電子を輸送するキャリア輸送層、陰極および陽極の2つの電極、その他の材料に分けられる。
有機EL素子の材料としては、前記発光層やキャリア輸送層に種々の低分子系材料や高分子系材料が用いられており、特に低分子系材料においては素子の効率・寿命の面で優れていることから、数多くの材料が提案され、実用化がモバイル用途で始まっている。しかし、低分子系材料からなる有機EL素子の最大の課題は、その製造コストであり、その解決策として、高分子系材料のような塗布系材料の開発が望まれている。
高分子塗布系材料としては、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)やポリアルキルチオフェン(例えば、特許文献1参照)、ポリフルオレン系の導電性π共役ポリマーが知られている。
また、正孔注入(輸送)材料として、PEDOT−PSS、ポリアリールアミン等が提案されている。ポリアリールアミンとして、側鎖にアリールアミノ基を有する非共役ポリマー(例えば、特許文献2〜6参照)、主鎖にアリールアミン構造を有する共役ポリマーが報告されている(例えば、特許文献7〜8参照)。
有機EL素子の効率・寿命の面で重要なファクターである正孔移動に関して、非共役アリールアミンポリマーの正孔移動は、分子間のホッピング輸送経由で進むのに対し、共役アリールアミンポリマーでは、分子間のホッピング輸送経由に加えて、正孔が主鎖構造に沿って移動できることから有利である。そのため、共役アリールアミンポリマーは、特に効率の面で好ましい。
さらに、特許文献7〜8によれば、ポリマー末端(例えば、ハロゲン原子、二級アミノ基等)を保護することにより、素子寿命が向上するとの報告がなされている。
特開平3−273087号公報 特開平8−54833号公報 特開平8−259935号公報 特開平11−35687号公報 特開平11−292829号公報 特開平13−98023号公報 特開2004−292782公報 特表2001−527102公報
ポリマー末端を保護した共役アリールアミンポリマーであっても、現状では、低分子系材料からなる有機EL素子の性能を超えるまでには至らず、さらなる性能向上が望まれている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、従来材料以上に耐久性および発光効率に優れた新規アリールアミンポリマーに関するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合反応によって得られたトリアリールアミンポリマーが発光効率および耐久性の面で従来の共役アリールアミンポリマーより優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 0005505123
(式中、Ar、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表す。但し、ArとArは異なり、nは2以上の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する新規なトリアリールアミンポリマー、その製造方法およびその用途に関するものである。
上記一般式(1)において、トリアリールアミンポリマーの末端を特定の置換基で保護した下記一般式(2)
Figure 0005505123
(式中、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表し、ArとArは異なり、Ar、ArおよびArはそれぞれ同一または異なる。nは2以上の整数であり、mは1以上の整数である。)
で表される繰り返し単位を有する新規なトリアリールアミンポリマーが好ましい。
上記一般式(1)または(2)で表される化合物において、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表す。好ましくは炭素数6〜30の芳香族基である。芳香族基としては特に限定するものではないが、置換基を有してもよいフェニレン基、置換基を有してもよいチエニレン基、置換基を有してもよいナフチレン基、置換基を有してもよいフルオレニレン基、置換基を有してもよいN−置換カルバゾリレン基が挙げられる。より好ましくは、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−フルオレニレン基、9,9−ジアルキル−2,7−フルオレニレン基、2,5−チエニレン基、N−置換−3,6−カルバゾリレン基、N−置換−2,7−カルバゾリレン基が挙げられる。
一般式(1)または(2)で表される化合物において、ArはArとは異なり、置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表す。好ましくは炭素数6〜30の芳香族基である。特に限定するものではないが、下記一般式(3)〜(7)のいずれかで表されるような構造を例示することができる。
Figure 0005505123
(式中、RおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基若しくはアリールアミノ基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基であり、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基であり、AはS,O,SO,CO,CHまたはC(CHのいずれかである。aは0〜4の整数、bは2〜4の整数である。)
上記一般式(3)においては、下記一般式(3−1)の構造がさらに好ましい。
Figure 0005505123
(式中、Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基若しくはアリールアミノ基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基であり、aは0〜4の整数、bは2〜4の整数である。)
上記一般式(3)および(4)において、RおよびRとしては、上記の定義に該当すれば特に限定するものではないが、具体的には、水素原子の他、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等)、炭素数1〜10のアルケニル基(エテニル基、2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基等)、炭素数6〜18のアリール基(フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、3,4−(メチレンジオキシ)フェニル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、4−ターフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルナフチル基、4−メチルナフチル基、9−アントラセニル基、9,9−二置換−2−フルオレニル基等)、炭素数6〜18のアリールアミノ基(ジフェニルアミノ基、ジ−p−トリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等)、および炭素数4〜15のヘテロアリール基(2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、N−置換−3−カルバゾリル基、N−置換−2−カルバゾリル基等)を挙げることができる。より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリールアミノ基である。
上記一般式(5)において、Rとしては、上記の定義に該当すれば特に限定するものではないが、具体的には、水素原子の他、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基等)、炭素数1〜10のアルケニル基(エテニル基、2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基等)、炭素数6〜18のアリール基(フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、3,4−(メチレンジオキシ)フェニル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、4−ターフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルナフチル基、4−メチルナフチル基、9−アントラセニル基、9,9−二置換−2−フルオレニル基等)、および炭素数4〜15のヘテロアリール基(2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基等)を挙げることができる。より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基である。
上記一般式(1)または(2)において、Ar、ArおよびArは、特に限定するものではないが、例えば、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンスリル基、ビフェニル基、ターフェニル基若しくはフルオレニル基等が挙げられ、特に限定するものではないが、下記一般式(8)〜(13)の化合物が好ましい。
Figure 0005505123
(式中、R、R、R、R、R、RおよびR10は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基若しくはアリールアミノ基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基であり、R11は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基であり、cは0〜5の整数である。)
一般式(8)〜(13)において、R、R、R、R、R、RおよびR10については、上記一般式(3)および(4)においてRおよびRとして挙げた置換基を例示することができる。また、一般式(13)において、R11については、上記一般式(5)においてRとして挙げた置換基を例示することができる。
本発明のトリアリールアミンポリマーは、上記の定義に該当すれば特に限定するものではないが、下記一般式(14)〜(20)が特に好ましい。
Figure 0005505123
(式中、R12およびR13は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基若しくはアリールアミノ基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基であり、R14は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基である。dは2〜4の整数であり、nは2以上の整数、mは1以上の整数を表す。)
上記一般式(14)〜(20)において、R12およびR13としては、上記の定義に該当すれば特に限定するものではないが、具体的にはRとして挙げた置換基等を例示することができる。好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基のいずれかである。また、R14としては、上記の定義に該当すれば特に限定するものではないが、具体的にはRとして挙げた置換基等を例示することができる。好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基のいずれかである。
本発明のトリアリールアミンポリマーの重量平均分子量は、ポリマーと称されるものであれば特に限定されるものではないが、ポリスチレン換算で500〜500,000の範囲であり、より好ましくはポリスチレン換算で1,000〜100,000の範囲である。
次に、本発明のトリアリールアミンポリマーの製造方法について説明する。
本発明の下記一般式(25)で表される繰り返し単位を有するアリールアミンポリマーは、下記一般式(21)で表されるアリールアミン類と、下記一般式(22)で表されるアリールジハライド類を、パラジウム化合物と配位子からなる触媒、並びに塩基の存在下に反応させ、下記一般式(23)で表される繰り返し単位を有するアリールアミン重合体を合成した後、さらに当該アリールアミン重合体を一般式(23)とは異なる下記一般式(24)で表されるアリールジハライド類と共重合反応させることで、簡便かつ効率的に製造することができる。
Figure 0005505123
(式中、Ar、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表す。但し、ArとArは異なり、nは2以上の整数である。X、X、YおよびYは同一または異なるハロゲン原子を表す。)
本発明の方法に使用される上記一般式(25)で表されるトリアリールアミンポリマーの製造方法は、特に限定するものではないが、例えば、前述特許文献7の方法、すなわち下記反応式(I)で表されるような種々のアリーレンジハライドとアリールアミンとをパラジウム化合物と配位子からなる触媒、並びに塩基の存在下で重合させ、次いで下記反応式(II)で表されるようにアリールアミンと反応させて、さらに下記反応式(III)で表されるようにアリーレンジハライドと共重合反応させることによって合成することができる。
Figure 0005505123
(式中、Ar、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表す。但し、ArとArは異なり、nは2以上の整数であり、mは1以上の整数である。X、X、YおよびYは同一または異なるハロゲン原子である。反応式(I)および反応式(II)中のポリマー末端BおよびCはハロゲン原子または水素原子を表す。nは2以上の整数である。)
上記反応式(I)および反応式(II)中、HN−Arで表されるアリールアミンとしては、特に限定するものではないが、具体的にはアニリン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、4−プロピルアニリン、4−n−ブチルアニリン、4−tert−ブチルアニリン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、1−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノフェナンスレン、2−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、7−アルキル−9,9−ジメチル−2−アミノフルオレン、7−アルキル−9,9−ジエチル−2−アミノフルオレン、7−アルキル−9,9−ジ−n−ブチル−2−アミノフルオレン、7−アルキル−9,9−ジ−n−ヘキシル−2−アミノフルオレン、N−メチル−2−アミノカルバゾール、N−エチル−2−アミノカルバゾール、N−プロピル−2−アミノカルバゾール、N−ブチル−2−アミノカルバゾール、N−フェニル−2−アミノカルバゾール等を例示することができる。
上記反応式(I)中、X−Ar−Xで表されるアリーレンジハライドとしては、特に限定するものではないが、具体的には置換基を有してもよいジブロモアリール類(4,4’−ジブロモビフェニル、9,10−ジブロモアントラセン、N−メチル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−エチル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−プロピル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−ブチル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−メチル−2,7−ジブロモカルバゾール、N−エチル−2,7−ジブロモカルバゾール、N−プロピル−2,7−ジブロモカルバゾール、N−ブチル−2,7−ジブロモカルバゾール、N−フェニル−2,7−ジブロモカルバゾール、2,7−ジブロモフルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジメチル−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジエチル−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−tert−ブチル−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)、置換基を有してもよいジクロロアリール類(4,4’−ジクロロビフェニル、9,10−ジクロロアントラセン、N−メチル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−エチル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−プロピル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−ブチル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−メチル−2,7−ジクロロカルバゾール、N−エチル−2,7−ジクロロカルバゾール、N−プロピル−2,7−ジブロモカルバゾール、N−ブチル−2,7−ジクロロカルバゾール、N−フェニル−2,7−ジクロロカルバゾール、2,7−ジクロロフルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジメチル−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジエチル−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジ−tert−ブチル−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)、置換基を有してもよいジヨードアリール類(4,4’−ジヨードビフェニル、9,10−ジヨードアントラセン、N−メチル−3,6−ジヨードカルバゾール、N−エチル−3,6−ジヨードカルバゾール、N−プロピル−3,6−ジヨードカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジヨードカルバゾール、N−メチル−2,7−ジヨードカルバゾール、N−エチル−2,7−ジヨードカルバゾール、N−プロピル−2,7−ジヨードカルバゾール、N−ブチル−2,7−ジヨードカルバゾール、N−フェニル−2,7−ジヨードカルバゾール、2,7−ジヨードフルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジメチル−フルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジエチル−フルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジイソプロピル−フルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジ−n−ブチル−フルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジ−tert−ブチル−フルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジ−sec−ブチル−フルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジ−n−ヘキシル−フルオレン、2,7−ジヨード−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)等を例示することができる。
反応式(II)において使用するHN−Arで表されるアリールアミンの使用量は、特に限定するものではないが、反応させるポリマー1モル(数平均分子量換算)に対して0.1〜5.0モルであり、未反応のアリールアミンが反応系中に残存し、後工程で多量の副生物を与えることを避けるため、反応させるポリマー1モル(数平均分子量換算)に対して0.5〜2.0モルの範囲で使用することが好ましい。
反応式(II)中、HN−Arで表されるアリールアミンは、反応式(I)から得られるトリアリールアミンポリマーを製造してから加えてもよいし、反応式(I)の重合反応の過程の途中で反応器内へ直接加えて反応させてもよい。好ましくは、反応式(I)の重合反応時に、一定時間重合反応後、反応器内へ逐次添加することにより反応させる方法である。
上記反応式(III)中、Y−Ar−Yで表されるアリーレンジハライドとしては、ArがArと異なれば特に限定するものではないが、X−Ar−Xとして表されるアリーレンジハライドを例示することができる。
このアリーレンジハライドの使用量は、特に限定するものではないが、反応系に添加するアリーレンジハライドは、反応させるポリマー1モル(数平均分子量換算)に対して0.1〜5.0モルであり、未反応のアリーレンジハライドが反応系中に残存することを避けるため、ポリマー1モル(数平均分子量換算)に対して0.5〜2.0モルの範囲で使用することが好ましい。
反応式(III)中、Y−Ar−Yで表されるアリーレンジハライドは、反応式(II)から得られる末端が2級アミンのトリアリールアミンポリマーを製造してから加えてもよいし、末端2級アミンのトリアリールアミンポリマーを製造する過程の途中で反応器内へ直接加えて反応させてもよい。好ましくは、末端2級アミンのトリアリールアミンポリマーを製造する反応時に、一定時間重合反応後、反応器内へ逐次添加することにより反応させる方法である。
反応式(I)から反応式(III)の全ての反応において、触媒成分として使用できるパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、4価のパラジウム化合物類(ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等)、2価のパラジウム化合物類(塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等)、および0価のパラジウム化合物類(トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)を挙げることができる。
パラジウム化合物の使用量は特に限定されるものではないが、例えば、反応式(I)の重合反応においては、原料のアリーレンジハライドのハロゲン原子1モルに対し、パラジウム換算で通常0.00001〜20モル%の範囲であり、高価なパラジウム化合物を使用することから、好ましくは原料のアリーレンジハライドのハロゲン原子1モルに対し、パラジウム換算で通常0.001〜5モル%の範囲である。
本発明の方法において、触媒成分として使用する配位子としては、特に限定するものではないが、配位子としては、パラジウムに配位可能なものであればよく、例えばトリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子等が挙げられる。
本発明の方法において、触媒成分として使用するトリアルキルホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。これらのうち触媒として特に高い反応活性を有することから、トリ−tert−ブチルホスフィンを使用することが好ましい。
また、本発明の方法において、触媒成分として使用するアリールホスフィン類としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
また、カルベン系配位子としては、例えば、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン塩酸塩等が挙げられる。
配位子の使用量は、特に限定するものではないが、パラジウム化合物に対して通常0.01〜10000倍モルの範囲で使用すればよく、高価なトリアルキルホスフィン、アリールホスフィン、カルベン系配位子を使用することから、好ましくはパラジウム化合物に対して0.1〜10倍モルの範囲である。
触媒の添加方法としては、特に限定するものではなく、反応系にそれぞれ触媒成分として単独で加えてもよいし、予めこれら触媒成分よりなる錯体の形に調製したものを添加してもよい。
塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、ナトリウム,カリウムの炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等の無機塩基、または3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドであり、それらは反応系にそのまま加えても、また、アルカリ金属、水素化アルカリ金属または水酸化アルカリ金属とアルコールとからその場で調製して反応系に供してもよい。より好ましくは、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の3級アルコキシドを反応系にそのまま加える方法である。
塩基の使用量は、特に限定するものではないが、例えば、反応式(I)の重合反応においては、好ましくは反応系に添加するアリーレンジハライドのハロゲン原子に対して0.5倍モル以上であり、反応終了後の後処理操作を考慮すれば、アリーレンジハライドのハロゲン原子に対して1〜5倍モルの範囲がより好ましい。
このようにして得られたポリマーには、原料やその仕込み比等の条件により異なるものの、主に上記反応式に示す原料由来のハロゲン原子が末端に存在する。このポリマーを例えば有機EL素子の正孔注入材料として用いる場合、残存ハロゲンや熱的安定性に問題があるため、寿命の観点から長期的な使用に対して利用しにくい。そこで、上記の一般式(25)で表される繰り返し単位を有するトリアリールアミンポリマーに対し、パラジウム化合物と配位子とからなる触媒、並びに塩基の存在下で、下記一般式(26)
Figure 0005505123
(式中、Ar、Ar、Ar、ArおよびArは各々独立して置換基を有してもよい炭素数6〜60の芳香族基を表す。但し、ArとArは異なり、Ar、ArおよびArは同一または異なる。nは2以上の整数、mは1以上の整数である。)
で表されるアリールアミンを反応させることにより、上記一般式(27)で表されるトリアリールアミンポリマーを簡便かつ効率的に製造し、安定性を向上させることができる。
本発明で使用される上記一般式(26)で表されるジアリールアミンとしては、
特に限定するものではないが、具体的には、ジフェニルアミン、ジ−p−トリルアミン、N−フェニル−4−n−ブチルアニリン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン等を例示することができ、好ましくはジフェニルアミンである。
当該ジアリールアミンの使用量は、反応させるポリマー1モル(数平均分子量換算)に対して1.5〜5.0モルであり、未反応のジアリールアミンが反応系中に残存することを避けるため、ポリマー1モル(数平均分子量換算)に対して2.0〜3.0モルの範囲であることが好ましい。
反応式(II)中のアリールアミンポリマーの末端2級アミノ化、反応式(III)中の末端2級アミンのトリアリールアミンポリマーとY−Ar−Yで表されるアリーレンジハライドとの共重合反応、および上記一般式(25)の繰り返し単位で表されるトリアリールアミンポリマーと一般式(26)で表されるジアリールアミンとの反応は、反応式(I)中のX−Ar−Xで表されるアリーレンジハライドとHN−Arで表されるアリールアミンとの重合反応で使用したものと同様のパラジウム化合物と配位子とからなる触媒、並びに塩基の存在下で反応を進行させることができる。
本発明の方法において、触媒として用いるパラジウム化合物、配位子並びに塩基の使用量は、反応に用いるトリアリールアミンポリマーの分子量により一定ではないため特に限定されるものではないが、例えば、反応式(III)の共重合反応後にジアリールアミンを直接加える場合においては、パラジウム化合物を添加する必要はないため、簡略化が可能である。
本発明のトリアリールアミンポリマーの製造は、通常は不活性溶媒存在下で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒である。
本発明のトリアリールアミンポリマーの製造は、好ましくは常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するが、例え加圧条件であっても実施することが可能である。
本発明の方法において反応温度は、トリアリールアミンを製造することが可能な反応温度であれば特に限定するものではないが、通常20〜300℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜150℃の範囲で実施する。
本発明の方法において反応時間は、製造するトリアリールアミンポリマーにより一定ではないため特に限定するものではないが、多くの場合、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。好ましくは24時間未満である。
本発明におけるトリアリールアミンポリマーは再沈殿により精製することができる。また、不純物の除去のためにシリカゲルや活性アルミナ等による吸着処理をすることも可能である。
本発明のトリアリールアミンポリマーは、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子等の電子素子における導電性高分子材料として使用される。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送材料、発光材料およびバッファー材料として極めて有用である。
本発明の有機EL素子は、前記高分子材料を含有する有機層を備えていれば、素子構造は特に限定されない。本発明のトリアリールアミンポリマーは、溶解性に優れることから、例えば、これら材料の溶液、混合液または溶融液を使用して、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等の従来公知の塗布法によって、前記素子を簡便に作製することができる。また、インクジェット法、ラングミュア−ブロジェット法等によっても容易に作製することができる。
本発明は、3級アリールアミノ基の繰り返し構造に、繰り返し構造とは異なる特定の構造を共重合したトリアリールアミンポリマーであって、かつポリマー末端に重合反応の原料由来の2級アミノ基およびハロゲン原子を含まない新規なトリアリールアミンポリマーである。また、その効率的な製造方法およびその用途を提供するものである。
本発明の新規なトリアリールアミンポリマーは、溶解性に優れる他、耐熱性に優れることから極めて良好な成膜性と安定性を有し、用途としても有機EL素子の正孔輸送材料、発光材料、バッファー材料のみでなく、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池等の電子素子に使用される導電性高分子として極めて有用であり、本発明は工業的に極めて有意義である。
一般式(28)で表されるトリアリールアミンポリマーの赤外分光分析の測定結果を示す。 一般式(29)で表されるトリアリールアミンポリマーの赤外分光分析の測定結果を示す。 一般式(30)で表されるトリアリールアミンポリマーの赤外分光分析の測定結果を示す。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
冷却管、温度計を装着した100ml四つ口丸底フラスコに、室温下、4,4’−ジヨードビフェニル 4.06g(10.0mmol)、4−n−ブチルアニリン 1.56g(10.5mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 2.31g(24mmol;ヨウ素原子に対して1.2当量)およびo−キシレン 40mlを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 46.0mg(0.050mmol;ヨウ素原子に対して0.25mol%)およびトリ−tert−ブチルホスフィン 80.9mg(0.40mmol;パラジウム原子に対して原子4当量)のo−キシレン(5ml)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。3時間後、4−n−ブチルアニリンを0.30g(2.0mmol)を添加し、さらに3時間反応を行った。
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%アセトン水溶液(1000ml)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色粉体を得た(収率92%)。
得られた粉体を元素分析および赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(28)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。赤外分光分析の測定結果を図1に示す。また、得られたポリマーをTHF系GPC(東ソー製:HLC−8220;カラム:TSKgelSuperH3000−TSKgelSuperH2000−TSKgelSuperH1000(いずれも東ソー製))にて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量12,900および数平均分子量7,500(分散度1.7)であった。
Figure 0005505123
さらに、冷却管、温度計を装着した100ml四つ口丸底フラスコに、室温下、上記で合成したアリールアミンポリマー 1.00g、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.77g(8.0mmol)、1,4−ジヨードベンゼン 51.6mg(0.16mmol)およびo−キシレン 40mlを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 4.6mg(0.005mmol)およびトリ−tert−ブチルホスフィン 8.1mg(0.040mmol;パラジウム原子に対して原子4当量)のo−キシレン(5ml)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。3時間後、さらにジフェニルアミン 0.13g(0.78mmol)を添加し、さらに3時間反応を行った。
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%アセトン水溶液(1000ml)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色粉体を得た(収率90%)。得られたポリマーをTHF系GPC(東ソー製:HLC−8220(東ソー製))にて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量58,300および数平均分子量19,700(分散度3.0)であった。ガラス転移温度は214℃を示した。
得られた粉体を元素分析および赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(29)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。元素分析および赤外分光分析の測定結果をそれぞれ表1および図2に示す。
Figure 0005505123
Figure 0005505123
実施例2
冷却管、温度計を装着した100ml四つ口丸底フラスコに、室温下、実施例1で合成した一般式(28)で表されるアリールアミンポリマー 1.00g、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.77g(8.0mmol)、1,4−ジヨードベンゼン 38.7mg(0.12mmol)およびo−キシレン 40mlを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 4.6mg(0.005mmol)およびトリ−tert−ブチルホスフィン 8.1mg(0.040mmol;パラジウム原子に対して原子4当量)のo−キシレン(5ml)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。3時間後、ジフェニルアミン 0.13g(0.78mmol)を添加し、さらに3時間熟成後、ブロモベンゼン 0.49g(3.12mmol)を添加し、さらに3時間反応を行った。
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%アセトン水溶液(1000ml)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色粉体を得た(収率91%)。得られたポリマーをTHF系GPC(東ソー製:HLC−8220(東ソー製))にて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量32,000および数平均分子量14,000(分散度2.3)であった。
実施例3
1,4−ジヨーベンゼンの仕込み量を25.8mmol(0.08mmol)に変更した以外は実施例2と同様にして反応を行った。
得られたポリマーをTHF系GPC(東ソー製:HLC−8220(東ソー製))にて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量22,000および数平均分子量10,000(分散度2.1)であった。
実施例4
1,4−ジヨーベンゼンを2,5−ジブロモチオフェンに変更し、仕込み量を46.0mg(0.12mmol)とした以外は、実施例2と同様にして反応を行った。
得られたポリマーをTHF系GPC(東ソー製:HLC−8220(東ソー製))にて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量22,800および数平均分子量10,900(分散度2.1)であった。また、元素分析および赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(30)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。元素分析および赤外分光分析の測定結果をそれぞれ表2および図3に示す。
Figure 0005505123
Figure 0005505123
実施例5(素子の作製と評価)
厚さ130nmのITO透明電極を有するガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、次いで、イソプロピルアルコールで煮沸洗浄した後、乾燥した。さらに、UV/オゾン処理したものを透明導電性支持基板として使用した。
このITOガラス基板上へ、実施例1で合成したポリマー(29)の1.0wt%クロロベンゼン溶液を用いてスピンコート法により30nmの厚みで成膜した。160℃で3時間乾燥した後、続けて4,4’,4’’−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA、30nm)、その上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPB、50nm)、アルミニウムの8−キノリノール錯体(Alq、50nm)の順に蒸着した。なお、上記有機化合物の蒸着条件は、真空度1.0×10−4Pa、成膜速度0.3nm/秒の同一条件で成膜した。
次に、フッ化リチウム(0.8nm)、アルミニウム(150nm)の順に蒸着し、金属電極を形成した。
さらに、窒素雰囲気下、保護用ガラス基板を重ね、有機EL用シール剤を3時間、80℃で加熱硬化させ、接着して封止した。
以上の様にして作製したEL素子に、ITO電極を正極、LiF−Al電極を負極にして、電圧を印加した時の発光特性を表3に示す。
実施例6(素子の作成と評価)
実施例5において実施例1で合成したポリマー(29)の代わりに実施例2で合成したポリマーを用いた他は、実施例5と同様に素子を作製した。発光特性を表3に示す。
比較例1(素子の作製と評価)
実施例5においてポリマー(29)の代わりに実施例1で合成したポリマー(28)を用いた他は、実施例5と同様に素子を作製した。発光特性を表3に示す。
Figure 0005505123
以上の結果から、ポリマー主鎖に特定の構造を有し、さらに原料由来のハロゲン末端および原料由来の2級アミンをキャップ処理したポリマーを用いたEL素子は、低電圧駆動が可能であり、かつ耐熱性が向上していることから、長期的に使用する場合にはさらに大きな優位差が生じることが容易に推定される。

Claims (6)

  1. 下記一般式(14)〜(17)のいずれかで表されるトリアリールアミンポリマー。
    Figure 0005505123
    (式中、R12およびR13は各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基若しくはアリールアミノ基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基であり、R14は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、または炭素数4〜15のヘテロアリール基である。dは2であり、nは2以上の整数、mは1以上の整数を表す。)
  2. 一般式(14)〜(17)中のR12およびR13が各々独立して水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基であり、R14が炭素数1〜10のアルキル基、または置換基を有してもよい炭素数6〜18の芳香族基のいずれかであることを特徴とする請求項に記載のトリアリールアミンポリマー。
  3. 重量平均分子量が、ポリスチレン換算で500〜500,000の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトリアリールアミンポリマー。
  4. 重量平均分子量が、ポリスチレン換算で1,000〜100,000の範囲であることを特徴とする請求項に記載のトリアリールアミンポリマー。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のトリアリールアミンポリマーを用いることを特徴とする電子素子。
  6. 電子素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項に記載の電子素子。
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