JP2008044764A - プリンタ、プリンタシステムおよびプリンタの制御方法 - Google Patents

プリンタ、プリンタシステムおよびプリンタの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スループットを向上させることが可能な構成を備えるプリンタを提供すること。
【解決手段】搬送ローラ4と協働して印刷媒体を搬送する供給ローラ27および搬送ローラ4の周速度が略同一となるように、搬送モータ14および供給モータ31を制御する制御部50は、印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時の搬送ローラ4の第1目標間欠搬送量および供給ローラ27の第2目標間欠搬送量を算出するとともに、所定の設定間欠搬送量に基づく第1設定回転数で第1目標間欠搬送量分だけ搬送ローラ4を回転させると搬送モータ14の適切な制御ができないときや、設定間欠搬送量に基づく第2設定回転数で第2目標間欠搬送量だけ供給ローラ27を回転させると供給モータ14の適切な制御ができないときに、第1設定回転数、第2設定回転数より低い回転数をそれぞれ目標回転数として搬送モータ14、供給モータ31を回転制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリンタ、プリンタシステムおよびプリンタの制御方法に関する。
印刷用紙等の印刷媒体へ印刷を行うインクジェットプリンタとして、印刷用紙をプリンタの内部へ供給する給紙ローラと、プリンタの内部へ供給された印刷用紙への印刷時等にこの印刷用紙を搬送する紙送りローラとを備えたプリンタが知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
特許文献1に記載のプリンタでは、給紙ローラは、紙送りローラを回転駆動する紙送りモータに、クラッチを介して接続されている。そして、給紙ホッパにセットされている印刷用紙は、まず、紙送りモータに接続された給紙ローラによって紙送りローラの位置まで搬送される。印刷用紙が紙送りローラの位置まで搬送されると、給紙ローラと紙送りモータとが切り離され、その後の印刷用紙の搬送は、紙送りローラによって行われる。
また、特許文献2に記載のプリンタでは、給紙ローラと紙送りローラとは別個のモータで回転駆動されている。そして、このプリンタでも、特許文献1に記載のプリンタと同様に、印刷用紙は、給紙ローラによって紙送りローラの位置まで搬送され、その後の印刷用紙の搬送は、紙送りローラによって行われる。
特開2003−72964号公報 特開2006−117385号公報
近年、プリンタの市場では、複数の印刷用紙に連続で印刷を行う連続印刷時におけるスループット(単位時間当たりの印刷枚数)の向上が求められている。しかしながら、特許文献1および2に記載のプリンタでは、印刷用紙は、給紙ローラによって紙送りローラの位置まで取り込まれ、その後の印刷用紙の搬送は、紙送りローラによって行われている。すなわち、印刷動作または排紙動作と給紙動作とが別動作となっている。そのため、特許文献1および2に記載のプリンタでは、スループットの向上を図る上で限界がある。
そこで、本発明の課題は、スループットをより向上させることが可能な構成を備えるプリンタおよびプリンタシステムを提供することにある。また、本発明の課題は、スループットをより向上させることが可能なプリンタの制御方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のプリンタは、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された印刷媒体を所定の設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な搬送ローラと、搬送ローラを駆動する搬送モータと、媒体セット部から印刷媒体を供給するとともに、搬送ローラと協働して媒体セット部から供給された印刷媒体を設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な供給ローラと、供給ローラを駆動する供給モータと、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、搬送モータおよび供給モータの回転数を制御する制御部とを備え、制御部は、搬送ローラでの印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における搬送ローラでの印刷媒体の第1目標間欠搬送量を算出し、供給ローラでの印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における供給ローラでの印刷媒体の第2目標間欠搬送量を算出するとともに、設定間欠搬送量に基づいて設定される搬送モータの第1設定回転数を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように搬送モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、設定間欠搬送量に基づいて設定される供給モータの第2設定回転数を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように供給モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1設定回転数より低い回転数を目標回転数として搬送モータを回転制御し、かつ、第2設定回転数より低い回転数を目標回転数として供給モータを回転制御することを特徴とする。
また、上記の課題を解決するため、本発明のプリンタシステムは、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された印刷媒体を所定の設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な搬送ローラと、搬送ローラを駆動する搬送モータと、媒体セット部から印刷媒体を供給するとともに、搬送ローラと協働して媒体セット部から供給された印刷媒体を設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な供給ローラと、供給ローラを駆動する供給モータと、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、搬送モータおよび供給モータの回転数を制御するとともに、搬送ローラでの印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における搬送ローラでの印刷媒体の第1目標間欠搬送量を算出し、供給ローラでの印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における供給ローラでの印刷媒体の第2目標間欠搬送量を算出する制御部と、設定間欠搬送量に基づいて設定される搬送モータの第1設定回転数を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように搬送モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、設定間欠搬送量に基づいて設定される供給モータの第2設定回転数を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように供給モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1設定回転数よりも低い回転数を搬送モータの目標回転数とする制御指令および第2設定回転数よりも低い回転数を供給モータの目標回転数とする制御指令を制御部へ出力する制御指令部とを備えることを特徴とする。
本発明のプリンタまたはプリンタシステムでは、制御部は、搬送ローラと協働して印刷媒体を搬送する供給ローラの周速度と搬送ローラの周速度とが略同一となるように、搬送モータおよび供給モータの回転数を制御している。そのため、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができる。したがって、印刷媒体の排出動作や印刷動作に支障を来たすことなく、印刷媒体の供給動作を行うことができる。すなわち、印刷動作や排出動作と供給動作とを一連の動作として行うことができ、連続印刷時に、スループットをより向上させることが可能になる。また、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができるため、供給ローラと搬送ローラとの間で、印刷媒体を適切に搬送することが可能になる。その結果、印刷媒体にかかる張力の変化によって(印刷媒体がたるんだり、突っ張ったりすることで)搬送時に生じうる印刷媒体の音の発生を抑制できる。
さらに、本発明では、設定間欠搬送量に基づいて設定される第1設定回転数を目標回転数として、次の間欠搬送時における搬送ローラでの印刷媒体の第1目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように搬送モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、設定間欠搬送量に基づいて設定される第2設定回転数を目標回転数として、次の間欠搬送時における供給ローラでの印刷媒体の第2目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように供給モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、制御部が、第1設定回転数より低い回転数を目標回転数として搬送モータを回転制御するとともに第2設定回転数より低い回転数を目標回転数として供給モータを回転制御し、あるいは、制御指令部が、第1設定回転数よりも低い回転数を搬送モータの目標回転数とする制御指令および第2設定回転数よりも低い回転数を供給モータの目標回転数とする制御指令を制御部へ出力している。そのため、本発明では、目標回転数を第1設定回転数として搬送モータを制御し、目標回転数を第2設定回転数として供給モータを制御すると、第1目標間欠搬送量や第2目標間欠搬送量が少ないことに起因して、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように搬送モータや供給モータを適切に制御することができない場合であっても、第1設定回転数や第2設定回転数よりも低い回転数を搬送モータや供給モータの目標回転数とすることで、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させて回転させることができる。
本発明において、プリンタまたはプリンタシステムは、制御部に接続され、搬送モータの回転数を検出可能な第1エンコーダと、制御部に接続され、供給モータの回転数を検出可能な第2エンコーダとを備え、制御部は、第1エンコーダおよび第2エンコーダの少なくともいずれか一方からの出力信号を検出できないときに、搬送モータおよび供給モータを停止させることが好ましい。第1エンコーダおよび第2エンコーダの少なくともいずれか一方からの出力信号を検出できないときには、異常事態が生じているため、このように構成すると、印刷媒体の詰まりや、プリンタ内部の損傷を防止できる。
さらに、上記の課題を解決するため、本発明のプリンタの制御方法は、搬送モータで駆動され、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された印刷媒体を搬送する搬送ローラと、供給モータで駆動され、媒体セット部から印刷媒体を供給する供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、搬送ローラと供給ローラとを協働させて媒体セット部から供給された印刷媒体を間欠的に搬送する搬送ステップと、搬送ローラでの印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における搬送ローラでの印刷媒体の第1目標間欠搬送量を算出し、供給ローラでの印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における供給ローラでの印刷媒体の第2目標間欠搬送量を算出する搬送量算出ステップと、搬送ステップでの印刷媒体の間欠搬送量の基準となる設定間欠搬送量に基づいて設定される搬送モータの第1設定回転数を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように搬送モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、設定間欠搬送量に基づいて設定される供給モータの第2設定回転数を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ印刷媒体を搬送するように供給モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時における搬送モータの目標回転数として設定し、第2設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時における供給モータの目標回転数として設定する回転数設定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明のプリンタの制御方法では、搬送ステップで、搬送ローラと供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、搬送ローラと供給ローラとを協働させて印刷媒体を搬送している。そのため、供給ローラと搬送ローラとを同期させて回転させることができ、印刷動作や排出動作と供給動作とを一連の動作として行うことができる。その結果、連続印刷時において、スループットをより向上させることが可能になる。また、供給ローラと搬送ローラとを同期させることができるため、供給ローラと搬送ローラとの間において、印刷媒体を適切に搬送することが可能になり、印刷媒体の音の発生を抑制できる。
また、本発明のプリンタの制御方法では、回転数設定ステップで、設定間欠搬送量に基づいて設定される第1設定回転数を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ搬送モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、設定間欠搬送量に基づいて設定される第2設定回転数を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ供給モータを回転させると、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように、第1設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時における搬送モータの目標回転数として設定し、第2設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時における供給モータの目標回転数として設定している。そのため、本発明では、目標回転数を第1設定回転数として搬送モータを制御し、目標回転数を第2設定回転数として供給モータを制御すると、第1目標間欠搬送量や第2目標間欠搬送量が少ないことに起因して、搬送ローラの周速度と供給ローラの周速度とが略同一となるように搬送モータや供給モータを適切に制御することができない場合であっても、供給ローラと搬送ローラとを適切に同期させて回転させることができる。
以下、本発明の実施の形態にかかるプリンタ、プリンタシステムおよびプリンタの制御方法を図面に基づいて説明する。
(プリンタの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるプリンタ1の主要部の概略構成を示す側面図である。図2は、図1に示すPF駆動ローラ4等の駆動部の概略構成を模式的に示す図である。図3は、図1に示す給紙ホッパ26およびリタードローラ28の動作を説明するための図であり、(A)は給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28が上昇してプリンタ1の内部への印刷用紙Pの供給が可能となっている状態を示し、(B)は給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28が下降してプリンタ1の内部への印刷用紙Pの供給が不可能となっている状態を示す。
本形態のプリンタ1は、印刷媒体となる印刷用紙Pに対してインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタであり、前面側(図1の左側)および後面側(図1の右側)の両面側からの印刷用紙Pの供給が可能となっている。このプリンタ1は、図1に示すように、インク滴を吐出する印刷ヘッド2が搭載されたキャリッジ3と、後述の給紙ホッパ26等から供給された印刷用紙Pを副走査方向SSへ搬送する搬送ローラとしてのPF駆動ローラ4と、PF駆動ローラ4とともに印刷用紙Pの搬送を行うPF従動ローラ5と、印刷用紙Pをプリンタ1の外部へ排出する排紙駆動ローラ6および排紙従動ローラ7と、印刷ヘッド2のインク吐出面(図1の下面)と対向するプラテン8と、給紙ホッパ26等から供給された印刷用紙Pの通過等を検出するための紙検出装置9と、印刷ヘッド2で印刷が行われる印刷領域に向かって前面側から印刷用紙Pを供給するための前面給紙機構10と、印刷領域に向かって後面側から印刷用紙Pを供給するための後面給紙機構11とを備えている。なお、本形態における印刷媒体には、通常の文書印刷に使用される普通紙、写真の印刷に使用される写真用紙、普通紙や写真用紙よりも厚い厚紙等の印刷用紙Pの他に、シールやOHPシート等の透明フィルム等が含まれる。
PF駆動ローラ4は、図2に示すように、搬送モータとしてのPFモータ14に直接あるいは図示を省略する歯車等を介して連結されている。本形態のPFモータ14は、DC(直流)モータである。また、本形態では、PFモータ14の制御方法として、PWM制御が採用されるとともに、比例制御と積分制御と微分制御とを組み合わせてPFモータ14の現行回転速度(現行回転数)を目標回転速度(目標回転数)に収束させる制御であるPID制御が採用されている。PF従動ローラ5は、不図示のバネによって、PF駆動ローラ4に向かって付勢され、PF駆動ローラ4とともに回転する。
排紙駆動ローラ6は、図2に示すように、プーリ18やベルト19等の伝達機構を介してPF駆動ローラ4に連結されている。この排紙駆動ローラ6の回転は、PF駆動ローラ4の回転と同期する。すなわち、排紙駆動ローラ6は、PF駆動ローラ4の周速度と略同一の周速度で回転する。排紙従動ローラ7は、不図示のバネによって、排紙駆動ローラ6に向かって付勢され、排紙駆動ローラ6とともに回転する。紙検出装置9は、不図示の発光素子と受光素子とが上下方向で対向配置された光学式の検出装置であり、発光素子と受光素子との間を通過する印刷用紙Pの幅方向の一端部分を検出する。
前面給紙機構10は、前面側から供給される印刷用紙Pがセットされる給紙カセット20と、給紙カセット20内の印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ供給する前面給紙ローラ21と、前面側から取り込まれる印刷用紙Pが通過する搬送路23とを備えている。前面給紙ローラ21は、回動軸22aを中心に揺動可能に構成されたアーム22の先端に取り付けられ、印刷用紙Pの上面に圧接している。また、前面給紙ローラ21は、印刷用紙Pの先端がPF駆動ローラ4に到達するまで、印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ搬送する。
後面給紙機構11は、後面側から供給される印刷前の印刷用紙Pがセットされる媒体セット部としての給紙ホッパ26と、給紙ホッパ26上の印刷用紙Pを、印刷ヘッド2で印刷が行われる印刷領域に向かって供給する供給ローラとしての後面給紙ローラ27と、印刷用紙Pの重送を防止するためのリタードローラ28とを備えている。
後面給紙ローラ27は、図2に示すように、歯車列29や遊星歯車列30を介して供給モータとしてのASFモータ31に連結されている。また、前面給紙ローラ21も、遊星歯車列30等を介してASFモータ31に連結されている(図2では、前面給紙ローラ21の図示を省略)。本形態では、遊星歯車列30の作用によって、ASFモータ31が一方向へ回転すると、後面給紙ローラ27が回転し、ASFモータ31が他方向へ回転すると、前面給紙ローラ21が回転する。本形態のASFモータ31は、DCモータであり、PFモータ14と同様に、PWM制御されるとともに、PID制御されている。
給紙ホッパ26は、印刷用紙Pを載置可能な板状部材であり、上端側に設けられた回動軸26aを中心に揺動可能となっている。リタードローラ28は、後面給紙ローラ27の斜め下側に対向する位置に配置され、不図示の回動軸を中心に揺動可能に構成された不図示のアームに回転可能に保持されている。不図示のカムの回動によって、給紙ホッパ26は、回動軸26aを中心に揺動し、リタードローラ28が保持されたアームも揺動する。この揺動によって、給紙ホッパ26の下端部は、後面給紙ローラ27に向かって付勢され、また、後面給紙ローラ27から離れる。また、この揺動によって、リタードローラ28は、後面給紙ローラ27に圧接され、また、後面給紙ローラ27から離れる。すなわち、カムの回動によって、図3(A)に示すように、給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28は上昇し、図3(B)に示すように、給紙ホッパ26の下端部およびリタードローラ28は下降する。図3(A)に示す状態が、プリンタ1の内部への印刷用紙Pの供給が可能な状態である。また、図3(B)に示す状態が、後面側からプリンタ1の内部へ印刷用紙Pを供給できない状態である。
また、プリンタ1は、図2に示すように、PFモータ14の回転数等を検出するための第1エンコーダとしてのPFエンコーダ40と、ASFモータ31の回転数等を検出するための第2エンコーダとしてのASFエンコーダ41とを備えている。PFエンコーダ40は、PF駆動ローラ4の回転軸に固定されたロータリスケール43と、不図示の発光素子および受光素子を有するフォトセンサ44とから構成されている。ASFエンコーダ41は、ASFモータ31の出力軸に固定されたロータリスケール45と、不図示の発光素子および受光素子を有するフォトセンサ46とから構成されている。PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41からの出力信号は、プリンタ1の各種の制御を行う制御部50に入力される。
なお、本形態では、PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41から矩形状のパルス信号が出力されるか、あるいは、PFエンコーダ40やASFエンコーダ41からの出力信号に基づいて、制御部50で、矩形状のパルス信号が生成される。そして、この矩形状のパルス信号に基づいて、PFモータ14やASFモータ31の回転数等が検出される。以下、PFエンコーダ40から出力される、あるいは、PFエンコーダ40からの出力信号に基づいて、制御部50で生成されるパルス信号をPFパルス信号とし、ASFエンコーダ41から出力される、あるいは、ASFエンコーダ41からの出力信号に基づいて、制御部50で生成されるパルス信号をASFパルス信号とする。
(制御部の概略構成)
図4は、図2に示す制御部50およびその周辺機器の概略構成を示すブロック図である。図5は、図4に示すDCユニット60の内部構成の一部を模式的に示すブロック図である。なお、図4および図5には、PFモータ14およびASFモータ31の制御に関連する制御部50の構成のみが図示されている。
制御部50は、図4に示すように、バス51、CPU52、ROM53、RAM54、不揮発性メモリ55、ASIC56、PFモータ駆動回路57およびASFモータ駆動回路58等を備えている。バス51は、制御部50の各構成を接続する信号線であり、バス51を介して制御部50の各構成はデータの授受を行う。CPU52は、ROM53等に記憶されている制御プログラムを実行するための演算処理等を行う。ROM53には、プリンタ1の制御プログラム等が記憶されている。RAM54には、CPU52が演算途中のデータ等が一時的に格納され、不揮発性メモリ55には、プリンタ1の電源を切った後も保存しておくことが必要となる各種データが記憶される。ASIC56は、制御指令部59から出力される各種の制御指令を受け取ることができるように構成されている。
PFモータ14およびASFモータ31の速度制御等は、CPU52とASIC56とが協働することで行われる。すなわち、CPU52とASIC56とによって、PFモータ14およびASFモータ31の速度制御等を行うための制御回路であるDCユニット60が構成されている。具体的には、DCユニット60では、CPU52が、ASIC56を介してPFエンコーダ40またはASFエンコーダ41から入力される信号に基づいて、PFモータ14およびASFモータ31の速度制御等を行うための演算を行い、ASIC56が、PFエンコーダ40またはASFエンコーダ41等から信号を受け取ったり、CPU52での演算結果に基づいて、PFモータ14やASFモータ31等の制御を行うための信号をPFモータ駆動回路57およびASFモータ駆動回路58へ出力する。本形態のPFモータ14およびASFモータ31はPID制御されているため、DCユニット60は、模試的に示すと、図5に示すように、PID制御を行うための速度演算部61、位置演算部62およびPID制御部63を備えている。
速度演算部61は、PFエンコーダ40から入力される信号に基づいてPFモータ14の現行回転速度(現行回転数)を算出するとともに、ASFエンコーダ41から入力される信号に基づいてASFモータ31の現行回転速度(現行回転数)を算出し、各回転速度に対応する信号をPID制御部63へ出力する。位置演算部62は、PFエンコーダ40から入力される信号に基づいてPFモータ14の現行回転距離を算出するとともに、ASFエンコーダ41から入力される信号に基づいてASFモータ31の現行回転距離を算出し、各回転距離に対応する信号をPID制御部63へ出力する。
PID制御部63は、まず、印刷用紙Pの次の停止位置に対応する目標停止位置と、位置演算部62から入力された現行回転距離とから、目標停止位置と現行回転距離との差である位置偏差を算出する。また、位置偏差の信号に基づいてPFモータ14あるいはASFモータ31の現行回転距離に対応する目標回転速度(目標回転数)をROM53に記憶された目標速度テーブルから読み出し、速度演算部61から入力された現行回転数と目標回転数とから、目標回転数と現行回転数との差である速度偏差を算出する。その後、速度偏差に基づいて、比例制御値と積分制御値と微分制御値とを算出し、これらを加算して、PID制御信号を出力する。
PFモータ駆動回路57は、DCユニット60からの信号によってPFモータ14をPWM制御するためのPWM駆動信号を出力する。また、ASFモータ駆動回路58も同様に、DCユニット60からの信号によってASFモータ31をPWM制御するためのPWM駆動信号を出力する。
制御指令部59は、印刷用紙Pを間欠的に搬送するための制御指令を制御部50へ出力する。具体的には、制御指令部59は、印刷用紙Pの間欠搬送時の搬送量の基準となる設定間欠搬送量で印刷用紙Pを間欠的に搬送するための制御指令を制御部50へ出力する。また、本形態の制御指令部59は、間欠搬送時におけるPFモータ14およびASFモータ31の定速時の回転数を所定の回転数とするための制御指令を制御部50へ出力する。なお、本形態では、制御指令部59とプリンタ1とによってプリンタシステムが構成されている。
(印刷用紙の搬送制御の方法)
図6は、ドラフト印刷モードでの連続印刷時において、印刷用紙Pが搬送されている状態を示す図である。図7は、図1に示すPFモータ14およびASFモータ31の絶対値制御を説明するための表である。図8は、図1に示すPF駆動ローラ4および後面給紙ローラ27の定速領域での印刷用紙Pの搬送速度と最小搬送量との関係を示す表である。
本形態では、複数の印刷用紙Pに連続で印刷を行う連続印刷時において、解像度を落とす代わりにインクの消費量をセーブして高速印刷を行うドラフト印刷モードで後面側から供給された印刷用紙Pの印刷を行う場合、後面給紙ローラ27によって、給紙ホッパ26からPF駆動ローラ4まで搬送された後の印刷用紙Pの間欠的な搬送には、PF駆動ローラ4および排紙駆動ローラ6に加え、後面給紙ローラ27が用いられている。すなわち、ドラフト印刷モードでは、PFモータ14で駆動されるPF駆動ローラ4および排紙駆動ローラ6と、ASFモータ31で駆動される後面給紙ローラ27とが協働することで、キャリッジ3による印刷動作の間に、印刷用紙Pの間欠的な搬送が行われる。そのため、ドラフト印刷モードでの連続印刷時には、PF駆動ローラ4および排紙駆動ローラ6と後面給紙ローラ27とを同期させて(すなわち、同一の周速度で)回転させるシンクロ制御が行われ、複数の印刷用紙Pが連続して搬送される。
具体的には、PF駆動ローラ4の回転距離と目標周速度(PF駆動ローラ4による印刷用紙Pの目標搬送速度)との関係を示す速度プロファイルと、後面給紙ローラ27の回転距離と目標周速度(後面給紙ローラ27による印刷用紙Pの目標搬送速度)との関係を示す速度プロファイルとが略同一になるように、PFモータ14およびASFモータ31のそれぞれの目標速度テーブルが設定され、ROM53に記憶されている。そして、これらの目標速度テーブルにしたがって、PFモータ14およびASFモータ31がPID制御されている。なお、ドラフト印刷モードでの連続印刷時において、1枚の印刷用紙PがPF駆動ローラ4および後面給紙ローラ27の両ローラで搬送されるときには、PFモータ14の起動タイミングをASFモータ31の起動タイミングよりも遅らせている。そのため、搬送中の印刷用紙Pは、図6の二点鎖線で示すように、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27との間でたるみ、停止時の印刷用紙Pは、図6の実線で示すように、たるみがとれた状態になる。
ここで、上述のように、本形態の制御指令部59は、所定の設定間欠搬送量で印刷用紙Pを間欠的に搬送するための制御指令を出力する。説明の簡略化のため、PFパルス信号の分解能(PFパルス信号の1パルス当たりのPF駆動ローラ4の回転距離(すなわち、印刷用紙Pの搬送量))と、ASFパルス信号の分解能(ASFパルス信号の1パルス当たりの後面給紙ローラ27の回転距離(すなわち、印刷用紙Pの搬送量))が同じであると仮定すると、たとえば、制御指令部59は、図7に示すように、PFモータ14およびASFモータ31の回転距離(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27での印刷用紙Pの間欠搬送量)が100パルスとなるように、100パルスの設定間欠搬送量に対応する制御指令を制御部50に対して出力する。
この制御指令にしたがって、PFモータ14やASFモータ31は制御されるが、停止精度等の問題で、位置演算部62で測定されるPFモータ14やASFモータ31の回転距離(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27での印刷用紙Pの測定間欠搬送量)は、図7に示すように、設定間欠搬送量と同じにならないことがある。そのため、制御指令部59からの制御指令通りに(すなわち、間欠搬送量が100パルスとなるように)、PFモータ14やASFモータ31を制御部50が制御すると、設定間欠搬送量の総和と測定間欠搬送量の総和との間に累積誤差が生じ、印刷精度が低下するおそれがある。
そこで、本形態の制御部50は、位置演算部62で測定されるPFモータ14の回転距離(すなわち、PF駆動ローラ4での印刷用紙Pの測定間欠搬送量)の総和から、次の間欠搬送時におけるPFモータ14の目標回転距離(すなわち、PF駆動ローラ4での印刷用紙Pの第1目標間欠搬送量)を算出するとともに、位置演算部62で測定されるASFモータ31の回転距離(すなわち、後面給紙ローラ27での印刷用紙Pの測定間欠搬送量)の総和から、次の間欠搬送時におけるASFモータ31の目標回転距離(すなわち、後面給紙ローラ27での印刷用紙Pの第2目標間欠搬送量)を算出して、算出された第1目標間欠搬送量、第2目標間欠搬送量に基づいて、PFモータ14およびASFモータ31をそれぞれ制御するいわゆる絶対値制御を行っている。たとえば、図7に示すように、2回目の間欠搬送が終了した後のPFモータ14の測定間欠搬送量の総和が203パルスであれば、次の間欠搬送時の第1目標間欠搬送量は97パルスとなる。
また、本形態では、PFモータ14およびASFモータ31が実際に駆動されるときの定速時の目標回転数(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27の定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度)は、たとえば、図8に示すように、段階的に、かつ、PFモータ14、ASFモータ31ごとにそれぞれ個別に設定されている。また、PFモータ14やASFモータ31の特性上、PFモータ14やASFモータ31の定速時の目標回転数が所定の回転数であるとき(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27の定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度が所定速度であるとき)、PFモータ14やASFモータ31を適切に回転制御するために必要なPFモータ14、ASFモータ31の最小回転距離(すなわち、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27による印刷用紙Pの最小搬送量)が決まっている。たとえば、図8に示すように、定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度に対する最小搬送量が決まっており、目標搬送速度が20ips(inch per second)であれば、印刷用紙Pの間欠搬送量が100パルス以上でないと、PFモータ14やASFモータ31を適切に回転制御することができない。なお、図8では、説明の便宜上、PFモータ14の定速時の目標回転数と最小回転距離との関係と、ASFモータ31の定速時の目標回転数と最小回転距離との関係とが同じになっている。
また、本形態のドラフト印刷モードでは、できる限り速く印刷用紙Pを搬送するため、たとえば、間欠搬送量が100パルスであれば、定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度は、最速の20ipsに設定される。すなわち、本形態のドラフト印刷モードでは、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを同期させるとともに、PFモータ14やASFモータ31を適切に回転制御しつつ、できる限り速く印刷用紙Pを搬送するためのPFモータ14、ASFモータ31の定速時の目標回転数が、PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27による印刷用紙Pの間欠搬送量に基づいて設定される。
そのため、図7に示すように、設定間欠搬送量が100パルスである場合には、PFモータ14やASFモータ31の定速時の目標回転数(PF駆動ローラ4や後面給紙ローラ27の定速領域での印刷用紙Pの目標搬送速度)が20ipsとなるような制御指令が制御指令部59から出力される。そして、この場合に、制御指令部59からの制御指令にしたがって、絶対値制御が行われると、制御部50は、たとえば、図7に示す2回目および3回目の間欠搬送時には、第1目標間欠搬送量が少ないため、20ipsの目標回転数で、PFモータ14を適切に回転制御することができず、同様に、3回目および4回目の間欠搬送時には、ASFモータ31を適切に回転制御することができない。したがって、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを同期させて回転させることができず、適切なシンクロ制御を行うことができなくなる。
そこで、本形態では、設定間欠搬送量(たとえば、100パルス)に基づいて設定されるPFモータ14の定速時の目標回転数(たとえば、20ipsの搬送速度、以下、第1設定回転数とする)を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにPFモータ14を回転制御すると、適切なシンクロ制御を行うことができないとき、および/または、設定間欠搬送量(たとえば、100パルス)に基づいて設定されるASFモータ31の定速時の目標回転数(たとえば、20ipsの搬送速度、以下、第2設定回転数とする)を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにASFモータ31を回転させると、適切なシンクロ制御を行うことができないとき(たとえば、図7の2回目から4回目の間欠搬送時)には、制御指令部59から第1設定回転数および第2設定回転数を目標回転数とする制御指令が出力されていても、制御部50は、次の間欠搬送時において、適切なシンクロ制御が行われるように、第1設定回転数より低い回転数(たとえば、10ipsの搬送速度)を定速時の目標回転数としてPFモータ14を回転制御し、また、第2設定回転数より低い回転数(たとえば、10ipsの搬送速度)を目標回転数としてASFモータ31を回転制御している。すなわち、本形態では、第1目標間欠搬送量や第2目標間欠搬送量が少なくて、設定間欠搬送量に基づいて設定される目標回転数でPFモータ14やASFモータ31を回転制御すると、適切なシンクロ制御を行うことができない場合には、PFモータ14およびASFモータ31の目標回転数を一緒に落として、適切なシンクロ制御を行っている。
たとえば、図7に示す2回目の間欠搬送時には、PFモータ14を20ipsの目標回転速度で適切に回転制御することはできるが、第2目標間欠搬送量が少ないため、ASFモータ31を20ipsの目標回転速度で適切に回転制御することができない。したがって、PFモータ14およびASFモータ31の目標回転数をともに10ipsとして、各モータを回転制御する。同様に、図7に示す3回目の間欠搬送時には、ASFモータ31を20ipsの目標回転速度で適切に回転制御することはできるが、第1目標間欠搬送量が少ないため、PFモータ14を20ipsの目標回転速度で適切に回転制御することができない。したがって、PFモータ14およびASFモータ31の目標回転数をともに10ipsとして、各モータを回転制御する。
なお、本形態では、シンクロ制御が行われているにもかかわらず、所定の時間内に、PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41の少なくともいずれか一方からの出力信号が、制御部50で検出されないときには、制御部50は、PFモータ14およびASFモータ31を停止させる。
(印刷用紙の搬送制御の制御フロー)
図9は、図1に示す印刷用紙Pの搬送制御の手順を示すフローチャートである。以下、ドラフト印刷モードでの連続印刷時における印刷用紙Pの搬送制御の手順を説明する。
制御指令部59から制御部50に対して印刷指令が入力されると、制御部50は、印刷用紙Pの間欠搬送を1回行い(ステップS1)、この間欠搬送によって、印刷用紙Pへの印刷が終了したか否かを判断する(ステップS2)。印刷用紙Pへの印刷が終了している場合には、排紙動作を行い、印刷用紙Pの印刷制御、すなわち、搬送制御が終了する。
一方、印刷用紙Pへの印刷が終了していない場合には、制御部50は、PF駆動ローラ4での印刷用紙Pの測定間欠搬送量と後面給紙ローラ27での印刷用紙Pの測定間欠搬送量とをそれぞれ算出し、また、それぞれの測定間欠搬送量の総和を算出する(ステップS3)。その後、算出された測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時におけるPF駆動ローラ4での印刷用紙Pの第1目標間欠搬送量および次の間欠搬送時における後面給紙ローラ27での印刷用紙Pの第2目標間欠搬送量を算出する(ステップS4)。
その後、第1設定回転数を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにPFモータ14を回転制御しても、PFモータ14の適切な回転制御が可能であるか、および、第2設定回転数を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにASFモータ31を回転制御しても、ASFモータ31の適切な回転制御が可能であるかを判断する(ステップS5)。第1設定回転数を目標回転数としてPFモータ14の適切な回転制御が可能であり、かつ、第2設定回転数を目標回転数としてASFモータ31の適切な回転制御が可能である場合には、第1設定回転数を次の間欠搬送時におけるPFモータ14の目標回転速度として設定し、第2設定回転数を次の間欠搬送時におけるASFモータ31の目標回転速度として設定して(ステップS6)、ステップS1へ戻る。一方、ステップS5で、PFモータ14およびASFモータ31の少なくともいずれか一方の適切な回転制御ができない場合には、第1設定回転数より低い回転数をPFモータ14の目標回転数として設定するとともに、第2設定回転数より低い回転数をASFモータ31の目標回転数として設定して(ステップS7)、ステップS1へ戻る。
なお、本形態では、ステップS1は、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを協働させて給紙ホッパ26から供給された印刷用紙Pを間欠的に搬送する搬送ステップであり、ステップS4は、PF駆動ローラ4での印刷用紙Pの測定間欠搬送量の総和から第1目標間欠搬送量を算出し、後面給紙ローラ27での印刷用紙Pの測定間欠搬送量の総和から第2目標間欠搬送量を算出する搬送量算出ステップである。また、ステップS7は、第1設定回転数で第1目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにPFモータ14を回転制御すると、PFモータ14の適切な回転制御ができないとき、および/または、第2設定回転数で第2目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにASFモータ31を回転させると、ASFモータ31の適切な回転制御ができないときに、次の間欠搬送時におけるPFモータ14およびASFモータ31の適切な制御が行われるように、第1設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時におけるPFモータ14の目標回転数として設定し、第2設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時におけるASFモータ31の目標回転数として設定する回転数設定ステップである。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ドラフト印刷モードの連続印刷時において、PF駆動ローラ4と協働して印刷用紙Pを搬送する後面給紙ローラ27の周速度とPF駆動ローラ4の周速度とが略同一となるように、PFモータ14およびASFモータ31の回転数を制御している。そのため、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを同期させて回転させることができ、印刷用紙Pの排出動作や印刷動作に支障を来たすことなく、印刷用紙Pの供給動作を行うことができる。すなわち、印刷動作や排出動作と供給動作とを一連の動作として行うことができるため、連続印刷時において、スループットをより向上させることができる。また、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを同期させて回転させることができるため、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27との間で、印刷用紙Pを適切に搬送できる。その結果、印刷用紙Pにかかる張力の変化によって、搬送時に生じうる印刷用紙Pの音の発生を抑制できる。
また、本形態では、設定間欠搬送量に基づいて設定される第1設定回転数を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにPFモータ14を回転制御すると、PFモータ14の適切な回転制御ができないとき、および/または、設定間欠搬送量に基づいて設定される第2設定回転数を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにASFモータ31を回転させると、ASFモータ31の適切な回転制御ができないときに、次の間欠搬送時におけるPFモータ14およびASFモータ31の適切な制御が行われるように、第1設定回転数より低い回転数を目標回転数としてPFモータ14を回転制御するとともに第2設定回転数より低い回転数を目標回転数としてASFモータ31を回転制御している。そのため、第1目標間欠搬送量や第2目標間欠搬送量が少なくて、PFモータ14を第1設定回転数で、あるいは、ASFモータ31を第2設定回転数で、適切に回転制御ができないときであっても、PF駆動ローラ4と後面給紙ローラ27とを適切に同期させて回転させることができる。
本形態では、シンクロ制御が行われているにもかかわらず、所定の時間内に、PFエンコーダ40およびASFエンコーダ41の少なくともいずれか一方からの出力信号が、制御部50で検出されないときには、制御部50は、PFモータ14およびASFモータ31を停止させている。PFエンコーダ40やASFエンコーダ41からの出力信号を制御部50が検出できないときには、異常事態が生じているため、このように構成すると、印刷用紙Pの詰まりや、プリンタ1の内部の損傷を防止できる。
(他の実施の形態)
上述した形態では、第1設定回転数を目標回転数として第1目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにPFモータ14を回転制御すると、PFモータ14の適切な回転制御ができないときや、第2設定回転数を目標回転数として第2目標間欠搬送量だけ印刷用紙Pを搬送するようにASFモータ31を回転させると、ASFモータ31の適切な回転制御ができないときには、制御指令部59から第1設定回転数および第2設定回転数を目標回転数とする制御指令が出力されていても、制御部50は、第1設定回転数より低い回転数を目標回転数としてPFモータ14を回転制御するとともに第2設定回転数より低い回転数を目標回転数としてASFモータ31を回転制御している。この他にもたとえば、制御部50で算出された第1目標間欠搬送量および第2目標間欠搬送量を、制御部50が制御指令部59へ出力するように構成するとともに、制御指令部59が、第1設定回転数よりも低い回転数をPFモータ14の目標回転数とする制御指令および第2設定回転数よりも低い回転数をASFモータ31の目標回転数とする制御指令を制御部50へ出力するようにしても良い。
また、第1設定回転数をPFモータ14の目標回転数とし、第2設定回転数をASFモータ31の目標回転数として、PFモータ14やASFモータ31の回転制御を行った場合に、メカ的な負荷の変動や外乱によって、PFモータ14およびASFモータ31の少なくともいずれか一方の実際の回転数が、第1設定回転数あるいは第2設定回転数の所定割合の回転数まで達しないときには、PFモータ14およびASFモータ31の目標回転数を一緒に落として、適切なシンクロ制御を行っても良い。また、PFモータ14およびASFモータ31の少なくともいずれか一方が発熱制限にかかっている場合には、PFモータ14およびASFモータ31の目標回転数を一緒に落として、シンクロ制御を行っても良い。
なお、本形態の構成は、インクジェットプリンタの他、レーザプリンタ等の給紙機構を備える各種の装置に適用可能である。
本発明の実施の形態にかかるプリンタの主要部の概略構成を示す側面図。 図1のPF駆動ローラ等の駆動部の概略構成を模式的に示す図。 図1の給紙ホッパおよびリタードローラの動作を説明するための図。 図2の制御部およびその周辺機器の概略構成を示すブロック図。 図4のDCユニットの内部構成の一部を模式的に示すブロック図。 ドラフト印刷モードでの連続印刷時において、印刷用紙が搬送されている状態を示す図。 図1のPFモータおよびASFモータの絶対値制御を説明するための表。 図1のPF駆動ローラおよび後面給紙ローラの定速領域での印刷用紙の搬送速度と最小搬送量との関係を示す表。 図1の印刷用紙の搬送制御の手順を示すフローチャート。
符号の説明
1 プリンタ、4 PF駆動ローラ(搬送ローラ)、14 PFモータ(搬送モータ)、26 給紙ホッパ(媒体セット部)、27 後面給紙ローラ(供給ローラ)、31 ASFモータ(供給モータ)、40 PFエンコーダ(第1エンコーダ)、41 ASFエンコーダ(第2エンコーダ)、50 制御部、59 制御指令部、P 印刷用紙(印刷媒体)、S1 搬送ステップ、S4 搬送量算出ステップ、S7 回転数設定ステップ。

Claims (4)

  1. 印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された上記印刷媒体を所定の設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な搬送ローラと、該搬送ローラを駆動する搬送モータと、上記媒体セット部から上記印刷媒体を供給するとともに、上記搬送ローラと協働して上記媒体セット部から供給された上記印刷媒体を上記設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な供給ローラと、該供給ローラを駆動する供給モータと、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記搬送モータおよび上記供給モータの回転数を制御する制御部とを備え、
    該制御部は、上記搬送ローラでの上記印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における上記搬送ローラでの上記印刷媒体の第1目標間欠搬送量を算出し、上記供給ローラでの上記印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における上記供給ローラでの上記印刷媒体の第2目標間欠搬送量を算出するとともに、上記設定間欠搬送量に基づいて設定される上記搬送モータの第1設定回転数を目標回転数として上記第1目標間欠搬送量だけ上記印刷媒体を搬送するように上記搬送モータを回転させると、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、上記設定間欠搬送量に基づいて設定される上記供給モータの第2設定回転数を目標回転数として上記第2目標間欠搬送量だけ上記印刷媒体を搬送するように上記供給モータを回転させると、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記第1設定回転数より低い回転数を目標回転数として上記搬送モータを回転制御し、かつ、上記第2設定回転数より低い回転数を目標回転数として上記供給モータを回転制御することを特徴とするプリンタ。
  2. 印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された上記印刷媒体を所定の設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な搬送ローラと、
    該搬送ローラを駆動する搬送モータと、
    上記媒体セット部から上記印刷媒体を供給するとともに、上記搬送ローラと協働して上記媒体セット部から供給された上記印刷媒体を上記設定間欠搬送量で間欠的に搬送可能な供給ローラと、
    該供給ローラを駆動する供給モータと、
    上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記搬送モータおよび上記供給モータの回転数を制御するとともに、上記搬送ローラでの上記印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における上記搬送ローラでの上記印刷媒体の第1目標間欠搬送量を算出し、上記供給ローラでの上記印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における上記供給ローラでの上記印刷媒体の第2目標間欠搬送量を算出する制御部と、
    上記設定間欠搬送量に基づいて設定される上記搬送モータの第1設定回転数を目標回転数として上記第1目標間欠搬送量だけ上記印刷媒体を搬送するように上記搬送モータを回転させると、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、上記設定間欠搬送量に基づいて設定される上記供給モータの第2設定回転数を目標回転数として上記第2目標間欠搬送量だけ上記印刷媒体を搬送するように上記供給モータを回転させると、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記第1設定回転数よりも低い回転数を上記搬送モータの目標回転数とする制御指令および上記第2設定回転数よりも低い回転数を上記供給モータの目標回転数とする制御指令を上記制御部へ出力する制御指令部とを備えることを特徴とするプリンタシステム。
  3. 前記制御部に接続され、前記搬送モータの回転数を検出可能な第1エンコーダと、前記制御部に接続され、前記供給モータの回転数を検出可能な第2エンコーダとを備え、
    前記制御部は、上記第1エンコーダおよび上記第2エンコーダの少なくともいずれか一方からの出力信号を検出できないときに、前記搬送モータおよび前記供給モータを停止させることを特徴とする請求項1記載のプリンタまたは請求項2記載のプリンタシステム。
  4. 搬送モータで駆動され、印刷前の印刷媒体がセットされる媒体セット部から供給された上記印刷媒体を搬送する搬送ローラと、供給モータで駆動され、上記媒体セット部から上記印刷媒体を供給する供給ローラとを略同一の周速度で回転させるとともに、上記搬送ローラと上記供給ローラとを協働させて上記媒体セット部から供給された上記印刷媒体を間欠的に搬送する搬送ステップと、
    上記搬送ローラでの上記印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における上記搬送ローラでの上記印刷媒体の第1目標間欠搬送量を算出し、上記供給ローラでの上記印刷媒体の測定間欠搬送量の総和から、次の間欠搬送時における上記供給ローラでの上記印刷媒体の第2目標間欠搬送量を算出する搬送量算出ステップと、
    上記搬送ステップでの上記印刷媒体の間欠搬送量の基準となる設定間欠搬送量に基づいて設定される上記搬送モータの第1設定回転数を目標回転数として上記第1目標間欠搬送量だけ上記印刷媒体を搬送するように上記搬送モータを回転させると、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一とならないとき、および/または、上記設定間欠搬送量に基づいて設定される上記供給モータの第2設定回転数を目標回転数として上記第2目標間欠搬送量だけ上記印刷媒体を搬送するように上記供給モータを回転させると、上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一とならないときに、次の間欠搬送時における上記搬送ローラの周速度と上記供給ローラの周速度とが略同一となるように、上記第1設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時における上記搬送モータの目標回転数として設定し、上記第2設定回転数よりも低い回転数を次の間欠搬送時における上記供給モータの目標回転数として設定する回転数設定ステップとを備えることを特徴とするプリンタの制御方法。
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