JP2008041606A - 非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高耐熱多孔質層と不織布とを一体化したものと、シャットダウン機能を有する層からなるセパレータを用いる。また、さらに前記不織布を、シャットダウン機能を有する層に一体化したセパレータとする。
【選択図】図1
Description
そして、本発明の非水電解質電池は、正極板と負極板の間に本発明のセパレータを介在させて構成した電極を非水電解質とともに電池ケースに封入したものである。
(i)正極の作製
コバルト酸リチウム3kgを、呉羽化学株式会社製PVDF#1320(固形分12%のNMP溶液)1kg、アセチレンブラック90gおよび適量のN−メチルピロリドン(以下、NMPと略記)とともに双腕式練合機にて攪拌し、正極ペーストを作製した。このペーストを15μm厚のアルミニウムからなる集電体2に間欠塗布乾燥し、総厚が150μmとなるように圧延した後、57mm幅にスリットし、正極1のフープを得た。
人造黒鉛3kgを、日本ゼオン株式会社製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子結着剤BM−400B(固形分40%)75g、CMC30gおよび適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極ペーストを作製した。このペーストを10μm厚の銅からなる負極集電体に間欠塗布乾燥し、総厚が150μmとなるように圧延した後、58.5mm幅にスリットし、負極2のフープを得た。
まず、NMP100重量部に対し、乾燥した無水塩化カルシウムを6.5重量部添加し、反応槽内で加温して完全に溶解した。この塩化カルシウム添加NMP溶液を常温に戻した後、パラフェニレンジアミンを3.2重量部添加し、完全に溶解した。この後反応槽を20℃の恒温槽に入れ、テレフタル酸ジクロライド5.8重量部を、1時間をかけて滴下し、重合反応によりポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PPTAと略記)を合成した。その後、恒温槽内で1時間放置し、反応終了後に真空槽に入れ替え、減圧下で30分撹拌して脱気した。得られた重合液を、さらに塩化カルシウム添加NMP溶液にて希釈し、PPTA濃度が1.4重量%のアラミド樹脂のNMP溶解液を調整した。このようにして得られたアラミド樹脂のNMP溶解液を、アプリケーターにより不織布(ポリエチレン製、厚さ8μm、空孔率80%)に塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥し、純水で十分に水洗して塩化カルシウムを除去しつつアラミド樹脂層を多孔質化し、再び乾燥した。これにより厚さ3μmのアラミド層が形成されたアラミド−不織布積層膜を作製した。
次に、正極1と、負極2とを、厚み23μmのアラミド−不織布―ポリエチレン微多孔膜積層セパレータを介して重ね合わせて捲回構成し、電極群を作製した。
高耐熱多孔質層を、下記の要領で形成したこと以外、実施例1と同様にして実施例2のリチウム二次電池を作製した。まず、NMP100重量部に対し、乾燥した無水塩化カル
シウムを6.5重量部添加し、反応槽内で加温して完全に溶解した。この塩化カルシウム添加NMP溶液を常温に戻した後、パラフェニレンジアミンを3.2重量部添加し、完全に溶解した。この後反応槽を20℃の恒温槽に入れ、テレフタル酸ジクロライド5.8重量部を、1時間をかけて滴下し、重合反応によりPPTAを合成した。その後、恒温槽内で1時間放置し、反応終了後に真空槽に入れ替え、減圧下で30分撹拌して脱気した。得られた重合液を、さらに塩化カルシウム添加NMP溶液にて希釈し、PPTA濃度が1.4重量%のアラミド樹脂のNMP溶解液を調整した。このようにして得られたアラミド樹脂のNMP溶解液に、PPTA100重量部に対して200重量部のアルミナ(メディアン径0.3μm)を分散させた後、アプリケーターにより不織布(ポリエチレン製、厚さ8μm、空孔率80%)に塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥し、純水で十分に水洗して塩化カルシウムを除去しつつアラミド樹脂層を多孔質化し、再び乾燥した。これにより厚さ3μmのアラミド層が形成されたアラミド−不織布積層膜を作製した。
高耐熱多孔質層を、下記の要領で形成したこと以外、実施例1と同様にして実施例3のリチウム二次電池を作製した。まず、無水トリメリット酸モノクロライド21gと、ジアミン(ジアミノジフェニルエーテル)20gとを、NMP1kgに添加し、室温で混合し、ポリアミド酸のNMP溶液(ポリアミド酸濃度3.9重量%)を調製した。得られたポリアミド酸のNMP溶液を、アプリケーターにより不織布(ポリエチレン製、厚さ8μm、空孔率80%)に塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥させると同時にポリアミド酸を脱水閉環させて、これにより厚さ3μmのポリアミドイミド層が形成されたポリアミドイミド−不織布積層膜を作製した。
高耐熱多孔質層を、下記の要領で形成したこと以外、実施例1と同様にして実施例4のリチウム二次電池を作製した。まず、無水トリメリット酸モノクロライド21gと、ジアミン(ジアミノジフェニルエーテル)20gとを、NMP1kgに添加し、室温で混合し、ポリアミド酸のNMP溶液(ポリアミド酸濃度3.9重量%)を調製した。得られたポリアミド酸のNMP溶液に、ポリアミド酸100重量部に対して200重量部のアルミナ(メディアン径0.3μm)を分散させた後、アプリケーターにより不織布(ポリエチレン製、厚さ8μm、空孔率80%)に塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥させると同時にポリアミド酸を脱水閉環させて、これにより厚さ3μmのポリアミドイミド層が形成されたポリアミドイミド−不織布積層膜を作製した。
高耐熱多孔質層を、下記の要領で形成したこと以外、実施例1と同様にして実施例5のリチウム二次電池を作製した。まず、アルミナ粉末(メディアン径0.3μm)970gと、結着剤であるポリアクリロニトリル変性ゴムを8重量%含むNMP溶液(日本ゼオン株式会社製のBM−720H(商品名))375gと、分散媒である適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、スラリーを調製した。耐熱層スラリーを、アプリケーターにより不織布(ポリエチレン製、厚さ8μm、空孔率80%)に塗布し、80℃の熱風(風速0.5m/秒)にて乾燥した。これにより厚さ3μmのアルミナ層が形成されたアルミナ−不織布積層膜を作製した。
高耐熱多孔質層のアルミナの代わりに、メディアン径0.3μmのマグネシアを用いたこと以外、実施例5と同様にして、実施例6のリチウム二次電池を作製した。
高耐熱多孔質層のアルミナの代わりに、メディアン径0.3μmのジルコニアを用いたこと以外、実施例5と同様にして、実施例7のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、厚さ6μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率40%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例8のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、厚さ8μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率40%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例9のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、厚さ15μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率40%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例10のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、厚さ20μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率40%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例11のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、厚さ24μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率40%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例12のリチウム二次電池を作製した。
高耐熱多孔質層のアラミド層を形成する時の塗工ギャップを変えることによって、高耐熱多孔質層の厚みを0.5μmとしたこと以外、実施例2と同様にして、実施例13のリチウム二次電池を作製した。
高耐熱多孔質層のアラミド層を形成する時の塗工ギャップを変えることによって、高耐熱多孔質層の厚みを1μmとしたこと以外、実施例2と同様にして、実施例14のリチウム二次電池を作製した。
高耐熱多孔質層のアラミド層を形成する時の塗工ギャップを変えることによって、高耐熱多孔質層の厚みを5μmとしたこと以外、実施例2と同様にして、実施例15のリチウム二次電池を作製した。
高耐熱多孔質層のアラミド層を形成する時の塗工ギャップを変えることによって、高耐熱多孔質層の厚みを10μmとしたこと以外、実施例2と同様にして、実施例16のリチウム二次電池を作製した。
高耐熱多孔質層のアラミド層を形成する時の塗工ギャップを変えることによって、高耐熱多孔質層の厚みを12μmとしたこと以外、実施例2と同様にして、実施例17のリチウム二次電池を作製した。
不織布として、厚さ3μmのポリエチレン製不織布(空孔率80%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例18のリチウム二次電池を作製した。
不織布として、厚さ5μmのポリエチレン製不織布(空孔率80%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例19のリチウム二次電池を作製した。
不織布として、厚さ10μmのポリエチレン製不織布(空孔率80%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例20のリチウム二次電池を作製した。
不織布として、厚さ15μmのポリエチレン製不織布(空孔率80%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例21のリチウム二次電池を作製した。
不織布として、厚さ20μmのポリエチレン製不織布(空孔率80%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例22のリチウム二次電池を作製した。
不織布として、厚さ24μmのポリエチレン製不織布(空孔率80%)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例23のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、空孔率25%のポリエチレン微多孔膜(厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例24のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、空孔率30%のポリエチレン微多孔膜(厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例25のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、空孔率50%のポリエチレン微多孔膜(厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例26のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、空孔率60%のポリエチレン微多孔膜(厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例27のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、空孔率70%のポリエチレン微多孔膜(厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例28のリチウム二次電池を作製した。
シャットダウンを有する層として、空孔率75%のポリエチレン微多孔膜(厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例29のリチウム二次電池を作製した。
実施例2に対して、アラミド−不織布積層膜のアラミド側とポリエチレン微多孔膜を重ね合わせ、80℃の熱ロールで圧延して一体化して得られた不織布―アラミド−ポリエチレン微多孔膜の積層セパレータを用いたこと以外は、実施例2と同様にして実施例30のリチウム二次電池を作製した。
(比較例1)
実施例2に対して、高耐熱多孔質層のNNP溶液をシャットダウンを有する層に塗布し、アラミド−ポリエチレン微多孔膜の積層膜を作製し、セパレータとして用いたこと以外は、実施例2と同様にして比較例1のリチウム二次電池を作製した。
実施例2に対して、高耐熱多孔質層を形成せず、不織布とポリエチレン微多孔膜を熱ロールにより一体化して、不織布−ポリエチレン微多孔膜の積層膜を作製し、セパレータとして用いたこと以外は、実施例2と同様にして比較例2のリチウム二次電池を作製した。
実施例2に対して、ポリエチレン微多孔膜を用いずに、アラミド−不織布積層膜をセパレータとして用いたこと以外は、実施例2と同様にして比較例3のリチウム二次電池を作製した。
実施例および比較例の各電池50個を、500mAの電流値で4.1Vに達するまで充電した後、45℃環境下で7日間保存した。得られた電池を次の項目で評価した。この結果を(表1)に示す。
各電池に対して、20℃環境下において、以下の条件で0.2時間率と2時間率の放電を行い、高出力放電特性を評価した。0.2時間率の放電容量に対する2時間率の放電容量(%)を(表2)に併せて記す。
定電圧充電:充電電圧値4.2V/充電終止電流100mA
定電流放電:時間率500mA/充電終止電圧3.0V
定電流充電:時間率1250mA/充電終止電圧4.2V
定電圧充電:充電電圧値4.2V/充電終止電流100mA
定電流放電:時間率5000mA/充電終止電圧3.0V
(外部短絡試験)
各電池に対して、以下の条件で充電を行い、20℃環境下において、電池の正負極を5mΩの抵抗を介して短絡させ、この電池の過熱状態を電池の側面に付した熱電対にて測定した。90秒後の到達温度を(表1)に併せて記す。
定電圧充電:充電電圧値4.3V/充電終止電流100mA
(釘刺し試験)
各電池に対して、以下の条件で充電を行い、20℃環境下において、電池の側面に径2
.7mmの鉄釘を5mm/秒の速度で1.5mmの深さまで突き刺し、この電池の過熱状態を電池の側面に付した熱電対にて測定した。30秒後の到達温度を(表1)に併せて記す。
定電圧充電:充電電圧値4.3V/充電終止電流100mA
がないために、内部短絡に伴う発熱によって、融点の低いポリエチレンが溶融し、短絡面積が著しく拡大して、発熱量が増大したためと考えられる。
2 負極
3 セパレータ
3a 不織布
3b 高耐熱多孔質層
3c 多孔質耐熱層
Claims (10)
- 高耐熱多孔質層と不織布とを一体化したものと、シャットダウン機能を有する層からなる非水電解質電池用セパレータ。
- 前記不織布を、シャットダウン機能を有する層に一体化した請求項1記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記高耐熱多孔質層が、耐熱性高分子からなることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記高耐熱多孔質層が、耐熱性高分子及び絶縁性フィラーとからなることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記高耐熱多孔質層が、絶縁性フィラー及び結着剤からなることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記シャットダウン機能を有する層の厚みが8〜20μmである請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記高耐熱多孔質層の厚みが1〜10μmである請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記不織布の厚みが5〜20μmである請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記シャットダウン機能を有する層の空孔率が30〜70%である請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 正極板と負極板の間に請求項1または2に記載の非水電解質用セパレータを介在させて構成した電極群を非水電解質とともに電池ケースに封入した非水電解質電池。
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