JP2008041181A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Tomosato Obara
知里 小原
Tetsuya Watanabe
哲也 渡辺
Kosuke Watanabe
康介 渡辺
慶太 ▲高▼橋
Keita Takahashi
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Abstract

【課題】450nm以下のレーザ光を照射しても情報の高密度記録及び再生が可能であり、記録品質に優れた記録層を具備する光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】第1光情報記録媒体10Aの第1基板12上には、波長450nm以下のレーザ光照射による情報の記録が可能な第1追記型記録層14が設けられる。この第1追記型記録層14には、熱重量分析において、250℃以下での第1の重量減少と、260℃以上での第2の重量減少とを示し、且つ300℃に到達した時点での重量減少率が60%以下である色素が含有されている。この種の色素の好適な例としては、オキソノール色素が挙げられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体に関し、一層詳細には、熱重量分析で少なくとも2回の重量減少を示す色素を含有した記録層を具備する光情報記録媒体に関する。
所謂CD−Rは、レーザ光により1回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)として代表的なものであり、透明な円盤状基板上に有機色素を含有する記録層、金等の金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられて構成されている。
このように構成されたCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。
近時、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近に控えていることから、画像情報を安価簡便に記録するために大容量の記録媒体の要求が高まっている。前述のCD−Rや、可視レーザ光(630nm〜680nm)を記録用レーザとして高密度記録を可能としたDVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位がある程度は確立されているものの、将来の要求に対応できる程度に充分大きな記録容量を有しているとは言い難い側面がある。
しかも、記録媒体には、記録及び再生速度が高速であることも希求される。この希求に応えるべく、光情報記録媒体の記録層を高感度化するとともに、熱分解によるピットの形成が、高速記録であっても記録信号の長さ(通常、CD方式では3T信号から11T信号の長さまである)に影響されることなく、その記録信号の形状(長さ)で忠実に行なわれるようにすることが想起される。
一般的に、感度を向上させるには、記録層に含まれる色素として、熱分解開始温度が低いものを選定することが有利であるとされている。一方、熱干渉軽減や再生耐久性の改善を図る際には熱分解開始温度が高い色素が選定される。
なお、熱分解開始温度を測定する手法としては、熱重量分析(TG)法が周知である。TG法では、温度変化に伴う重量変化が示される、所謂TG曲線が得られるが、このTG曲線の重量減少時の傾きが急峻である色素を選定することが好ましい、とされている。
例えば、特許文献1には、熱天秤で熱重量を測定したときに2点の熱分解点が認められ、且つ1の熱分解点における分解開始温度T1s、分解終了温度T1e、第2の熱分解点における分解開始温度T2s、分解終了温度T2eの間に200℃≦T1s≦350℃、300℃≧T2s−T1e≧100℃の関係式を満足する色素を記録層に含む光記録媒体が提案されている。特許文献1によれば、第1の分解終了温度T1eから第2の分解開始温度T2sまでの分解速度D2が0〜0.2%であり、第2の熱分解点における分解速度D1が0.5〜10%/℃である色素であることが一層好ましい、とのことである。また、特許文献2には、230〜280℃の範囲に発熱ピーク値を有し、且つその半値幅が15℃以内である色素を記録層に含む光記録媒体が提案されている。
特許文献1、2には、TG法を実施する最中の重量減少率についての記載は特になされていない。一方、特許文献3には、重量減少開始温度が350℃以下であり且つ主減量過程での総減量が30%以上であるキレート化合物を色素とした記録層を有する光情報記録媒体が開示され、特許文献4には、重量減少開始温度が250〜350℃、重量減少率が20%以上、さらに重量減少時の傾きが1%/℃であるスクアリリウム化合物を色素として記録層を形成することが開示されている。しかしながら、特許文献3、4においては、重量減少率の好ましい下限が記載されているのみであり、上限については記載がなされていない。
特開2003−145936号公報 特許第3573600号公報 特開2005−179436号公報 国際公開第WO01/44233号パンフレット
上記した熱分解特性を満たす色素に比して良好な初期特性を示す色素が、なおも希求されている。
本発明の主たる目的は、振幅が大きく且つ波形の形状が良好な記録が可能である色素を含有する記録層を具備する光記録情報媒体を提供することにある。
本発明の課題は、以下の構成によって好ましく達成された。
[1] 波長450nm以下のレーザ光の照射によって情報の記録が可能な記録層を基板上に有する光情報記録媒体であって、
前記記録層に含まれる色素は、熱重量分析において、250℃以下での第1の重量減少と、260℃以上での第2の重量減少とを示し、且つ300℃に到達した時点での重量減少率が60%以下であることを特徴とする光情報記録媒体。ただし、重量減少とは、TG曲線の傾きが0.3%・℃-1以上の傾きを持つ部分をいう。
[2] 前記色素は、前記第1の重量減少開始温度が200〜250℃であり、且つこの際の重量減少率が20%以上であることを特徴とする[1]記載の光情報記録媒体。
[3] 前記色素がメチン色素であることを特徴とする[1]又は[2]記載の光情報記録媒体。
[4] 前記メチン色素が、アニオン性発色団を有するポリメチン色素からなるオキソノール色素であることを特徴とする[3]記載の光情報記録媒体。
[5] 前記オキソノール色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする[4]記載の光情報記録媒体。
Figure 2008041181
一般式(I)中、A及びBは、AとBのハメットの各置換基定数σp値の合計が0.6以上となる電子吸引性基を示し、C及びDは、CとDのハメットの各置換基定数σp値の合計が0.6以上となる電子吸引性基を示す。AとB、又はCとDは、連結して環を形成していてもよい。また、Rはメチン炭素上の置換基、mは0、1の整数、nは0又は2m+1の整数を表し、nが3であるとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。Yt+はt価のカチオンを表し、tは1〜10の整数である。
[6] 前記オキソノール色素が、オキソノール発色団と、分子全体の電荷を中和するに必要な対イオンとで形成され、前記第1の重量減少時に前記オキソノール発色団が分解し、前記第2の重量減少時に前記対イオンが分解することを特徴とする[5]記載の光情報記録媒体。
本発明によれば、熱重量分析において、250℃以下での第1の重量減少と、260℃以上での第2の重量減少とを示し、且つ300℃に到達した時点での重量減少率が60%以下である色素が記録層に含有されているので、記録品質が良好な光情報記録媒体が得られる。
以下、本発明に係る光情報記録媒体及びその製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る光情報記録媒体においては、波長450nm以下のレーザ光の照射による情報の記録が可能な記録層が基板上に設けられている。そして、この記録層には、TG法による熱分解開始温度の測定時に少なくとも2回の重量減少を示す色素が含有されている。
はじめに、この色素につき説明する。上記したように、該色素は、TG法による熱分解開始温度の測定時に少なくとも2回の重量減少を示す。換言すれば、少なくとも2回の熱分解を起こす。この中、1回目の熱分解(重量減少)は、250℃以下、好ましくは220〜250℃の範囲内で開始する。この際の重量減少率は、20%以上であることが好ましい。
また、2回目の重量減少開始温度は、260〜400℃である。そして、この際の重量減少率は、2%以上40%以下であることが好ましい。
さらに、この色素は、300℃に到達した時点での重量減少率が60%以下、換言すれば、色素残存率が40%以上である。すなわち、例えば、250℃以下で開始する1回目の熱分解で20%の重量減少が生じた場合、260〜300℃で開始する2回目の熱分解では、重量減少率は40%以下である。
また、2回目の熱分解時の重量減少率が1回目の熱分解時に比して大きくてもよい。例えば、1回目の熱分解時の重量減少率が20%であり、260〜300℃で開始する2回目の熱分解時の重量減少率が30%であってもよい。
なお、色素の重量減少率は、300℃に到達した時点で60%以下であればよく、300℃を超える温度での重量減少率に特に制限はない。すなわち、2回目の熱分解開始温度が300℃を超える色素である場合、1回目の熱分解時の重量減少率が60%以下であればよい。
なお、300℃に到達した時点での色素の好ましい重量減少率は、60%以下で且つ20%以上であるが、25〜50%の範囲内であることがより好ましく、30〜40%の範囲内であることがさらに好ましい。換言すれば、300℃に到達した時点での色素の残存率は、好ましくは40〜80%、より好ましくは50〜75%、さらに好ましくは60〜70%である。
TG法の実施時に上記した重量減少率を示す色素を含有する記録層では、記録時に十分な振幅が確保される。また、波形も良好である。すなわち、該記録層では、記録時の初期特性が良好となる。
ここで、1回目の熱分解時の重量減少率は、20〜50%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。一方、2回目の熱分解時の重量減少率は、2〜40%であることが好ましく、2〜30%であることがより好ましい。
色素は、TG法の実施時に上記したような熱分解特性を示すものであれば特に限定されるものではないが、好適な例としては、オキソノール色素、シアニン色素、メロシアニン色素、フタロシアニン色素、トリアジン色素、ベンゾトリアゾール色素、ベンゾオキサゾール色素、アミノブタジエン、アゾ系色素、アゾメチン色素、ピリドポルフィラジン色素、ピラドポルフィラジン色素、白金ポルフィリン色素、ポルフィラジン色素等が挙げられる。好ましくはオキソノール色素、シアニン色素、メロシアニン色素、フタロシアニン色素、トリアジン色素、ベンゾトリアゾール色素等が挙げられる。
特に、複数個の環状化合物が少なくとも1つの共役二重結合を含む官能基で結合された化合物の総称であるメチン色素、とりわけ、オキソノール色素が好ましい。その中でも、アニオン性発色団を有するポリメチン色素からなるオキソノール色素であることが好適である。
この種のオキソノール色素の好適な例としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008041181
一般式(I)中、A及びBは、AとBのハメットの各置換基定数σp値の合計が0.6以上となる電子吸引性基を示し、C及びDは、CとDのハメットの各置換基定数σp値の合計が0.6以上となる電子吸引性基を示す。要するに、Aの置換基定数値とBの置換基定数値の合計は0.6以上であり、同様に、Cの置換基定数値とDの置換基定数値の合計も0.6以上である。
AとB同士、又はCとD同士は、互いに連結して環を形成していてもよい。この場合、−A−B−H(−C−D−H)基のσp値がA(C)のσp値を意味するとともに、−B−A−H(−D−C−H)基のσp値がB(D)のσp値を意味する。この場合、両者は結合の方向が異なるためσp値は異なる。
一般式(I)はアニオンの局在位置の表記の違いによる複数の互変異性体を含むものであるが、特にA、B、C、Dのいずれかが−CO−E(Eは置換基)である場合、酸素原子上に負電荷を局在させて表記することが一般的である。例えばDが−CO−Eである場合、表記としては下記一般式(II)が一般的であり、このような表記のものも一般式(I)に含まれる。
Figure 2008041181
上記一般式(II)におけるA、B、C、R、m、n、Y、tの定義は、一般式(I)と同一である。
以下、上記一般式(I)で表されるオキソノール色素について説明する。上記したように、一般式(I)において、A、B、C及びDは電子吸引性基を表し、AとB同士、又はCとD同士は互いに連結して環を形成していてもよく、互いに結合しない場合にはAとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基である。A、B、CおよびDはそれぞれ同一でもよく、また異なっていてもよい。A、B、C及びDで表される電子吸引性基のハメットの置換基定数σp値は、それぞれ独立に0.30〜0.85の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、0.35〜0.80の範囲である。
ここで、ハメットの置換基定数σp値(以下、σp値という)は、例えばChem.Rev.91,165(1991)及びこれに引用されている参考文献に記載されており、記載されていないものについても同文献記載の方法によって求めることが可能である。なお、AとB(CとD)が連結して環を形成している場合、A(C)のσp値は、−A−B−H(−C−D−H)基のσp値を意味し、B(D)のσp値は、−B−A−H(−D−C−H)基のσp値を意味する。この場合、両者は結合の方向が異なるためσp値は異なる。
A、B、C及びDで表される電子吸引性基の好ましい具体例としては、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1乃至10のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ベンゾイル)、炭素原子数2乃至12のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、デシルオキシカルボニル)、炭素原子数7乃至11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、炭素原子数1乃至10のカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルホニル基(例、メタンスルホニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル)、炭素原子数1乃至10のアルコキシスルホニル基(例、メトキシスルホニル)、炭素原子数1乃至10のスルファモイル基(例、エチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフェニル基(例、メタンスルフェニル、エタンスルフェニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフェニル基(例、ベンゼンスルフェニル)、ハロゲン原子、炭素原子数2乃至10のアルキニル基(例、エチニル)、炭素原子数2乃至10のジアシルアミノ基(例、ジアセチルアミノ)、ホスホリル基、カルボキシル基、5員もしくは6員のヘテロ環基(例えば、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、3−ピリジル、5−(1H)−テトラゾリル、4−ピリミジル)であり、好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができる。
一般式(I)において、Rで表されるメチン炭素上の置換基としては、例えば以下に記載のものを挙げることができる。炭素原子数1〜20の鎖状又は環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル)、炭素原子数6〜18の置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜12のイミド基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)である。
また、Rはメチン炭素上の置換基、mは0、1の整数、nは0又は2m+1の整数を表し、nが3であるとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
Rとして好ましい例として、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至8の鎖状又は環状のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、炭素原子数6乃至10のアリールオキシ基、炭素原子数3乃至10のヘテロ環基であり、特に塩素原子、炭素原子数1乃至4のアルキル基(例:メチル、エチル、イソプロピル)、フェニル、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基(例:メトキシ、エトキシ)、フェノキシ、炭素原子数4乃至8の含窒素ヘテロ環基(例:4−ピリジル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル)が挙げられる。
nは0乃至2m+1の整数を表すが、nが3であるとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成してもよい。このとき環員数は4乃至8が好ましく、特に5又は6が好ましく、環の構成原子は炭素原子、酸素原子又は窒素原子が好ましく、特に炭素原子が好ましい。
A、B、C、D及びRは更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、一般式(I)におけるRで表される一価の置換基の例として先に挙げたものと同様のものを挙げることができる。
光ディスクに用いられる色素としては熱分解性の観点からAとB、または、CとDが連結して環を形成することが好ましく、そのような環の例として以下のようなもの(A−1〜A−66)が挙げられる。なお、例示中、Ra、Rb及びRcは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
Figure 2008041181
Figure 2008041181
Figure 2008041181
Figure 2008041181
Figure 2008041181
Figure 2008041181
Figure 2008041181
Figure 2008041181
上記の中で好ましい環は、A−2、A−8、A−9、A−10、A−13、A−14、A−16、A−17,A−36、A−39、A−42、A−54、A−57、A−59、A−61、A−65及びA−66で示されるものである。更に好ましくは、A−2、A−9、A−10、A−13、A−17,A−42、A−54、A−57、A−59、A−61、A−65及びA−66で示されるものである。最も好ましくは、A−13、A−17、A−54、A−57、A−59、A−61、A−65及びA−66で示されるものである。
Ra、Rb及びRcで表される置換基は、それぞれ前記Rで表される置換基として挙げたものと同義である。またRa、Rb及びRcはそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形成してもよい。炭素環としては、例えば、シクロヘキシル環、シクロペンチル環、シクロヘキセン環、及びベンゼン環などの飽和または不飽和の4〜7員の炭素環を挙げることができる。また複素環としては、例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロフラン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、及びピラジン環などの飽和または不飽和の4〜7員の複素環を挙げることができる。これらの炭素環または複素環は更に置換されていてもよい。更に置換し得る基としては、前記Rで表される置換基として挙げたものと同義である。
一般式(I)において、mは0又は1の整数であるが、このmの値によって該オキソノール色素の吸収波長が大きく変化する。記録再生に用いるレーザの発振波長に応じて最適な吸収波長の色素を設計する必要があるが、この点においてmの値の選択は重要である。記録再生に用いるレーザの中心発振波長が780nmの場合(CD−R記録用の半導体レーザ)、一般式(I)においてmは2又は3が好ましく、中心発振波長が635nm又は650nmの場合(DVD−R記録用の半導体レーザ)、mは1又は2が好ましく、中心発振波長が550nm以下の場合(例えば、中心発振波長405nmの青紫色半導体レーザ)は、mは0又は1が好ましい。
一般式(I)で表されるオキソノール発色団は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
さらに、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1〜10の整数である。Yとして表されるカチオンには特に制限は無く、無機化合物よりなるカチオンであっても、有機化合物よりなるカチオンであっても構わない。また、Yは1価であっても多価であっても差し支えなく、ナトリウムイオン、カリウムイオンのような金属イオン、4級アンモニウムイオン、オキソニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、セレノニウムイオン、ヨードニウムイオンなどのオニウムイオンが挙げられる。
好ましくは、オニウムイオンであり、更に好ましくは4級アンモニウムイオンである。4級アンモニウムイオンの中でも特に好ましくは、特開2000−52658号公報の一般式(I−4)で表される4,4’−ビピリジニウムカチオン及び特開2002−59652号公報に開示されている4,4’−ビピリジニウムカチオンである。
このような化合物の具体例としては、下記の化学構造式(1)〜(3)に示す物質が挙げられる。
Figure 2008041181
Figure 2008041181
Figure 2008041181
この種のオキソノール色素では、1回目の熱分解時にオキソノール発色団が分解し、第2の熱分解時に対イオンYt+が分解することが一般的である。すなわち、先ず、オキソノール発色団が分解することに起因して1回目の重量減少が生じ、次に、対イオンYt+が分解することに起因して2回目の重量減少が生じる。
以上の色素は、各々を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。また、記録層には、本実施の形態に係る色素と、それ以外の色素とを併用してもよい。
本実施の形態に係る光情報記録媒体の記録層は、上記した色素のみで形成するようにしてもよいが、記録層の耐光性を向上させるべく、種々の褪色防止剤を含有させるようにしてもよい。
褪色防止剤としては、有機酸化剤や一重項酸素クエンチャーを挙げることができる。褪色防止剤として用いられる有機酸化剤としては、特開平10−151861号公報に記載されている化合物が好ましい。一重項酸素クエンチャーとしては、特許明細書等の刊行物に記載された公知物質を利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号公報、特開昭59−81194号公報、特開昭60−18387号公報、特開昭60−19586号公報、特開昭60−19587号公報、特開昭60−35054号公報、特開昭60−36190号公報、特開昭60−36191号公報、特開昭60−44554号公報、特開昭60−44555号公報、特開昭60−44389号公報、特開昭60−44390号公報、特開昭60−54892号公報、特開昭60−47069号公報、特開昭63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び特公平6−26028号公報等の各公報、独国特許第350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(III)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008041181
一般式(III)中、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Q-はアニオンを表わす。
一般式(III)において、R21は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アルケニル基(ビニル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。アニオンQ-の好適な例としては、ClO4 -、AsF6 -、BF4 -、及びSbF6 -を挙げることができる。
一般式(III)で表される化合物の具体例は、下記の表1に化合物番号V−1〜V−8として示された物質である。
Figure 2008041181
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対し、通常0.1〜300重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜250重量%の範囲、さらに好ましくは1〜200重量%の範囲、特に好ましくは3〜150重量%の範囲である。
<光情報記録媒体の様態>
本発明に係る光情報記録媒体は、図1に示す第1の様態に係る光情報記録媒体(以下、単に第1光情報記録媒体10Aと記す)と、図2に示す第2の様態に係る光情報記録媒体(以下、単に第2光情報記録媒体10Bと記す)であることが好ましい。
第1光情報記録媒体10Aは、図1に示すように、厚さ0.7〜2mmの第1基板12上に、色素を含有する第1追記型記録層14と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層16とをこの順に有する。具体的には、例えば第1基板12上に、第1光反射層18と、第1追記型記録層14と、バリア層20と、第1接着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
第2光情報記録媒体10Bは、図2に示すように、厚さ0.1〜1.0mmの第2基板24上に、色素を含有する第2追記型記録層26と、厚さ0.1〜1.0mmの保護基板28とをこの順に有する。具体的には、例えば第2基板24上に、第2追記型記録層26と、第2光反射層30と、第2接着層32と、保護基板28とをこの順に有する。
第1光情報記録媒体10Aにおいては、図1に示すように、第1基板12に形成される第1プリグルーブ34のトラックピッチが50〜500nm、溝幅が25〜250nm、溝深さが5〜150nmであることが好ましい。
第2光情報記録媒体10Bにおいては、図2に示すように、第2基板24に形成される第2プリグルーブ36のトラックピッチが200〜600nm、溝幅が50〜300nm、溝深さが30〜200nmであり、ウォブル振幅が5〜50nmであることが好ましい。
第1光情報記録媒体10Aは、図1に示すように、少なくとも第1基板12と、第1追記型記録層14と、カバー層16とを有する様態であり、まず、これらに必須の部材について順に説明する。
〔第1光情報記録媒体10Aの第1基板12〕
図1に示すように、好ましい第1光情報記録媒体10Aの第1基板12には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第1プリグルーブ34(案内溝)が形成されていることが必須である。この第1プリグルーブ34は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第1光情報記録媒体10Aを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第1プリグルーブ34のトラックピッチは、50〜500nmの範囲であることが必須であり、上限値が420nm以下であることが好ましく、370nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、260nm以上であることがさらに好ましい。
トラックピッチが50nm未満では、第1プリグルーブ34を正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、500nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
第1プリグルーブ34の溝幅(半値幅)は、25〜250nmの範囲であることが必須であり、上限値が200nm以下であることが好ましく、170nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることがさらに好ましい。
第1プリグルーブ34の溝幅が25nm未満では、成形時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、250nmを超えると、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となったり、十分な変調度が得られないことがある。
第1プリグルーブ34の溝深さは、5〜150nmの範囲であることが必須であり、上限値が100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、28nm以上であることがさらに好ましい。
第1プリグルーブ34の溝深さが5nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、150nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
また、第1プリグルーブ34の溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることがさらに好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることがさらに好ましい。
第1プリグルーブ34の溝傾斜角度が20°未満では、十分なトラッキングエラー信号振幅が得られないことがあり、80°を超えると、第1基板12の成形(射出成形等)が困難となる。
第1光情報記録媒体10Aにおいて用いられる第1基板12としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成形を用いて第1基板12を作製することができる。
また、第1基板12の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを要し、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する第1光反射層18が設けられる側の第1基板12の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法によって、第1基板12の表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
〔第1光情報記録媒体10Aの第1追記型記録層14〕
好ましい第1光情報記録媒体10Aの第1追記型記録層14は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、基板上又は後述する第1光反射層18上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。ここで、第1追記型記録層14は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行われることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
このようにして形成された第1追記型記録層14の厚さは、ランド38(第1基板12において凸部)上で、100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが特に好ましい。下限値としては30nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましく、15nm以上であることが特に好ましい。
また、第1追記型記録層14の厚さは、グルーブ40(第1基板12において凹部)上で、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。下限値としては、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることがさらに好ましい。
さらに、ランド38上の第1追記型記録層14の厚さt1と、グルーブ40上の第1追記型記録層14の厚さt2との比(t1/t2)は、0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましく、0.45以上であることがさらに好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。
塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。第1追記型記録層14の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、第1追記型記録層14には、該第1追記型記録層14の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜500質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜300質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜200質量%の範囲、特に好ましくは5〜150質量%の範囲である。
〔第1光情報記録媒体10Aのカバー層16〕
好ましい第1光情報記録媒体10Aのカバー層16は、上述した第1追記型記録層14又は後述するバリア層20上に、接着剤や粘着剤等からなる第1接着層22を介して貼り合わされる。
第1光情報記録媒体10Aにおいて用いられるカバー層16としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層16は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
さらに、カバー層16の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層16の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層16の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザ光の波長や第1対物レンズ42のNAにより、適宜、規定されるが、第1光情報記録媒体10Aにおいては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層16と第1接着層22とを合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層16の光入射面には、第1光情報記録媒体10Aの製造時に、光入射面が傷つくことを防止するためのハードコート層44(保護層)が設けられていてもよい。
第1接着層22に用いられる接着剤としては、例えばUV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特にUV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層20の表面に供給してもよい。また、作製される第1光情報記録媒体10Aの反りを防止するため、第1接着層22を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層16との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる第1接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは1〜30μmの範囲である。
また、第1接着層22に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート等を主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等と、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層16の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤の塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層16に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
このような粘着剤からなる第1接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
〔第1光情報記録媒体10Aにおけるその他の層〕
好ましい第1光情報記録媒体10Aは、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。かかる他の任意の層としては、例えば、第1基板12の裏面(第1追記型記録層14の形成面に対する裏面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、第1基板12と第1追記型記録層14との間に設けられる第1光反射層18(後述)、第1追記型記録層14とカバー層16との間に設けられるバリア層20(後述)、第1光反射層18と第1追記型記録層14との間に設けられる界面層等が挙げられる。ここで、レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱乾燥樹脂等を用いて形成される。
なお、これら必須及び任意の層は、いずれも単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
〔第1光情報記録媒体10Aにおける第1光反射層18〕
第1光情報記録媒体10Aにおいて、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第1基板12と第1追記型記録層14との間に、第1光反射層18を形成することが好ましい。
第1光反射層18は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
第1光反射層18の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、15〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
〔第1光情報記録媒体10Aにおけるバリア層20(中間層)〕
第1光情報記録媒体10Aにおいては、第1追記型記録層14とカバー層16との間にバリア層20を形成することが好ましい。
バリア層20は、第1追記型記録層14の保存性を高める、第1追記型記録層14とカバー層16との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層20に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23が好ましく、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
また、バリア層20は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティング等の真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、RFスパッタリングを用いることがさらに好ましい。
バリア層20の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることがさらに好ましい。
次に、第2光情報記録媒体10Bについて説明する。
ここで、第2光情報記録媒体10Bは、貼り合わせ型の層構成を有する光情報記録媒体であり、その代表的な層構成としては、下記の通りである。
(1) 第1の層構成は、図2に示すように、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32を順次形成し、第2接着層32上に保護基板28を設ける構成である。
(2) 第2の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32を順次形成し、第2接着層32上に保護基板28を設ける構成である。
(3) 第3の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32、保護層を順次形成し、該保護層上に保護基板28を設ける構成である。
(4) 第4の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32、保護層、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板28を設ける構成である。
(5) 第5の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板28を設ける構成である。
なお、上記(1)〜(5)の層構成は単なる例示であり、当該層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよいし、一部を省略してもかまわない。また、第2追記型記録層26は、保護基板28側にも形成されていてもよく、その場合、両面からの記録、再生が可能な光情報記録媒体となる。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
ここでは、第2光情報記録媒体10Bとして、図2に示すように、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32、保護基板28をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその説明をする。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2基板24〕
第2光情報記録媒体10Bにおける第2基板24には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第2プリグルーブ36(案内溝)が形成されていることが必須である。この第2プリグルーブ36は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第2光情報記録媒体10Bを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第2プリグルーブ36のトラックピッチは、200〜600nmの範囲であることが必須であり、上限値が500nm以下であることが好ましく、450nm以下であることがより好ましく、430nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、300nm以上であることが好ましく、330nm以上であることがより好ましく、370nm以上であることがさらに好ましい。
トラックピッチが200nm未満では、第2プリグルーブ36を正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、600nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
第2プリグルーブ36の溝幅(半値幅)は、50〜300nmの範囲であることが必須であり、上限値が250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、180nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、140nm以上であることがさらに好ましい。
第2プリグルーブ36の溝幅が50nm未満では、成型時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、300nmを超えると、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となったり、十分な変調度が得られないことがある。
第2プリグルーブ36の溝深さは、30〜200nmの範囲であることが必須であり、上限値が170nm以下であることが好ましく、140nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることがさらに好ましい。
第2プリグルーブ36の溝深さが30nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、200nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
第2光情報記録媒体10Bにおいて用いられる第2基板24としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができ、具体例及び好ましい例は、第1光情報記録媒体10Aの第1基板12と同様である。
また、第2基板24の厚さは、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
なお、後述する第2追記型記録層26が設けられる側の第2基板24の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましく、該下塗層の材料、塗布法及び層厚の具体例及び好ましい例は、第1光情報記録媒体10Aの下塗層と同様である。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2追記型記録層26〕
好ましい第2光情報記録媒体10Bの第2追記型記録層26に関する詳細な説明は、第1光情報記録媒体10Aの第1追記型記録層14に関するものと同様である。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2光反射層30〕
第2光情報記録媒体10Bにおいて、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第2追記型記録層26上に第2光反射層30を形成することがある。第2光情報記録媒体10Bの第2光反射層30に関する詳細は、第1光情報記録媒体10Aの第1光反射層18と同様である。
〔第2光情報記録媒体10Bの第2接着層32〕
好ましい第2光情報記録媒体10Bにおける第2接着層32は、第2光反射層30と、保護基板28との密着性を向上させるために形成される任意の層である。
第2接着層32を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インク社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、第2接着層32の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましい。
〔第2光情報記録媒体10Bの保護基板28〕
好ましい第2光情報記録媒体10Bにおける保護基板28(ダミー基板)は、上述した第2基板24と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。保護基板28の厚さとしては、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
〔第2光情報記録媒体10Bの保護層(図示せず)〕
第2光情報記録媒体10Bは、その層構成によっては、第2光反射層30や第2追記型記録層26等を物理的及び化学的に保護する目的で保護層が設けられることある。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層上に貼り合わせることにより形成することができる。また、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、保護層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのまま若しくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
〔第2光情報記録媒体10Bにおけるその他の層〕
第2光情報記録媒体10Bは、本発明の効果を損なわない範囲において、上述の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。このような他の任意の層の詳細な説明は、第1光情報記録媒体10Aにおけるその他の層と同様である。
<光情報記録方法>
本発明の光情報記録方法は、第1光情報記録媒体10A又は第2光情報記録媒体10Bを用いて、例えば、次のように行われる。
第1光情報記録媒体10Aにおいては、先ず、第1光情報記録媒体10Aを定線速度(0.5〜10m/秒)又は定角速度にて回転させながら、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、開口数NAが例えば0.85の第1対物レンズ42を介して照射する。このレーザ光46の照射により、第1追記型記録層14がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
同様に、第2光情報記録媒体10Bにおいては、先ず、第2光情報記録媒体10Bを定線速度(0.5〜10m/秒)又は定角速度にて回転させながら、第2基板24側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、開口数NAが例えば0.65の第2対物レンズ48を介して照射する。このレーザ光46の照射により、第2追記型記録層26がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
本実施の形態においては、記録用のレーザ光46として390〜450nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザ光が用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザ光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ光を挙げることができる。特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、第1光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザ光を基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[光情報記録媒体の製造]
(基板の作製)
厚さ0.6mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:400nm、溝幅:180nm、溝深さ:90nm、溝傾斜角度:50°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザカッティング(351nm)を用いて行なった。
(追記型記録層の形成)
2,2,3,3−テトラフロロプロパノール(TFP)14.8gに対し、前記化学構造式1で表される色素を0.1g添加した。この添加液に超音波を2時間照射することで色素を溶解させた後、23℃、湿度50%の環境下に0.5時間以上静置し、さらに、0.2μmのフィルタで濾過した。フィルタを通過した液を用いて、スピンコート法により前記基板上に厚さ40nmの記録層(グルーブ上の厚さ170nm、ランド上の厚さ120nm)を形成した。
次いで、この試料に対し、クリーンオーブン中で80℃、1時間の加熱処理を施した。
(光反射層の形成)
前記追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar流量を5sccmとして、DCスパッタ法により、膜厚100nmの真空成膜層としてのAPC光反射層(Ag:98.4質量%、Pd:0.7質量%、Cu:0.9原子%)を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。また、投入電力は2kWとした。
(保護基板の貼り合わせ)
スピンコートにより、紫外線硬化樹脂(SD640、大日本インキ製)を前記光反射層上に塗布し、ポリカーボネート製の保護基板(プリグルーブを形成していない以外は上記基板と同様のもの)を貼り合わせ、紫外線を照射することで硬化させた。作製した光情報記録媒体において、紫外線硬化樹脂からなる接着層の厚さは、25μmであった。これを実施例1とする。
そして、化学構造式1の色素に代替して化学構造式2、3の色素のいずれかを使用したことを除いては実施例1に準拠して光情報記録媒体を作製した。各々を実施例2、3とする。
さらに、比較のため、300℃に到達した時点での重量減少率が60%以上(色素残存率が40%以下)である下記化学構造式4、5に示される色素のいずれかを使用したことを除いては、実施例1に準拠して光情報記録媒体を作製した。各々を比較例1、2とする。
Figure 2008041181
Figure 2008041181
<光情報記録媒体の評価>
・C/N(搬送波対雑音比)評価:
実施例1の光情報記録に対し、403nmレーザ、NA0.65ピックアップを積んだ記録再生評価機(パルステック工業社製:DDU−1000)を用い、記録時のレーザの発光パターンを最適化しながら線速6.61m/sにてランダム信号(2T〜11T)を記録パワー7mWでグルーブ上に記録した後、再生パワー0.5mWで再生して、11T信号変調度とPRSNRを評価した。ここで、PRSNRは、その値が15以上であれば再生信号品質が十分であり、結局、記録特性が好ましいことを意味する。
同様に、実施例2、3、比較例1、2の光情報記録についても11T信号変調度とPRSNRを評価した。ただし、記録パワーは、実施例2、3では8mW、比較例1では6mW、比較例2では4mWとした。
結果を、併せて図3に示す。
・TG/DTA測定
セイコーインストルメンツ社製EXSTAR6000の測定セル内に化1(色素)2mgを収容し、流量200ml/分のN2気流下、30℃から550℃までを10℃/分の昇温速度で昇温を行うことで、TG/DTA測定を行った。測定結果であるチャートを図4〜図8に示す。
なお、実施例1〜3、比較例1、2で使用した色素の重量減少温度及び重量減少率は、下記表2の通りであった。
Figure 2008041181
図3及び図4〜図8から、300℃に到達した時点での重量減少率が60%以下(色素残存率が40%以上)である色素を用いることにより、品質が良好な再生信号が得られることが明らかである。この場合、波長450nm以下のレーザ光の照射によって上記効果が得られることから、より高密度の光情報記録媒体を提供することができるといえる。
第1光情報記録媒体を一部省略して示す断面図である。 第2光情報記録媒体を一部省略して示す断面図である。 実施例1〜3、比較例1、2の光情報記録媒体における評価結果を示す図表である。 化学構造式1に示される色素(実施例1)のTG/DTA測定結果を示すチャートである。 化学構造式2に示される色素(実施例2)のTG/DTA測定結果を示すチャートである。 化学構造式3に示される色素(実施例3)のTG/DTA測定結果を示すチャートである。 化学構造式4に示される色素(比較例1)のTG/DTA測定結果を示すチャートである。 化学構造式5に示される色素(比較例2)のTG/DTA測定結果を示すチャートである。
符号の説明
10A…第1光情報記録媒体 10B…第2光情報記録媒体
12…第1基板 14…第1追記型記録層
16…カバー層 18…第1光反射層
20…バリア層 22…第1接着層
24…第2基板 26…第2追記型記録層
28…保護基板 30…第2光反射層
32…第2接着層 44…ハードコート層

Claims (6)

  1. 波長450nm以下のレーザ光の照射によって情報の記録が可能な記録層を基板上に有する光情報記録媒体であって、
    前記記録層に含まれる色素は、熱重量分析において、250℃以下での第1の重量減少と、260℃以上での第2の重量減少とを示し、且つ300℃に到達した時点での重量減少率が60%以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 請求項1記載の光記録情報媒体において、前記色素は、前記第1の重量減少開始温度が200〜250℃であり、且つこの際の重量減少率が20%以上であることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 請求項1又は2記載の光記録情報媒体において、前記色素がメチン色素であることを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 請求項3記載の光記録情報媒体において、前記メチン色素が、アニオン性発色団を有するポリメチン色素からなるオキソノール色素であることを特徴とする光情報記録媒体。
  5. 請求項4記載の光記録情報媒体において、前記オキソノール色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする光情報記録媒体。
    Figure 2008041181
    一般式(I)中、A及びBは、AとBのハメットの各置換基定数σp値の合計が0.6以上となる電子吸引性基を示し、C及びDは、CとDのハメットの各置換基定数σp値の合計が0.6以上となる電子吸引性基を示す。AとB、又はCとDは、連結して環を形成していてもよい。また、Rはメチン炭素上の置換基、mは0、1の整数、nは0又は2m+1の整数を表し、nが3であるとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。Yt+はt価のカチオンを表し、tは1〜10の整数である。
  6. 請求項5記載の光記録情報媒体において、前記オキソノール色素が、オキソノール発色団と、分子全体の電荷を中和するに必要な対イオンとで形成され、前記第1の重量減少時に前記オキソノール発色団が分解し、前記第2の重量減少時に前記対イオンが分解することを特徴とする光情報記録媒体。
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