JP2008040210A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速現像の画像形成装置においても、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することのできる画像形成方法の提供。
【解決手段】 画像形成方法は、静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を、当該静電潜像担持体に対向して配置されたトナー搬送用ロール上に形成された帯電トナー層のトナーにより現像する方法であって、当該トナー搬送用ロール上に形成された帯電トナー層が、少なくともトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用して形成されたものであり、前記キャリアが、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなる、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmであるものであることを特徴とする。前記キャリアを構成する結着樹脂は、フェノールホルムアルデヒド樹脂であってもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハイブリッド現像方式による画像形成方法に関する。
近年、複写機やプリンターのみならず、軽印刷機においても電子写真方式の画像形成が行われてきている。この軽印刷機においては高速で高画質な印字が求められている。
一方、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤は、ドットの再現性に優れて高い解像度が得られるものの高速現像を行うことのできない一成分現像剤とは異なり、高速現像に適した現像剤である。
然るに、この二成分現像剤を磁気によって現像領域へ搬送すると、磁力に応じて形成される磁気ブラシが静電潜像担持体の表面を摺擦することにより、画像が乱されてしまうという問題があった。
この問題を解決するために、キャリアを用いてトナーを帯電させた後、一旦、帯電されたトナーのみをトナー搬送用ロール上に電気的に移行させてトナー搬送用ロール上に全面均質な帯電トナー層を形成させ、この帯電トナー層のトナーを現像ギャップにおいて飛翔させることによって静電潜像を非接触現像する、ハイブリッド現像方式の画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
しかしながら、ハイブリッド現像方式は、ドットの再現性に優れて高い解像度が得られると共に高速現像が可能ではあるが、キャリアが劣化するに従って、均一性の高い帯電トナー層を形成することができなくなるので、長期使用に際しては画像濃度ムラが生じてしまう、という問題がある。
特開2000−131884号公報 特開2003−149935号公報 特開2005−134898号公報 特開2002−333775号公報 特開2005−55840号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、高速現像の画像形成装置においても、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することのできる画像形成方法を提供することにある。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を、当該静電潜像担持体に対向して配置されたトナー搬送用ロール上に形成された帯電トナー層のトナーにより現像する画像形成方法であって、
当該トナー搬送用ロール上に形成された帯電トナー層が、少なくともトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用して形成されたものであり、
前記キャリアが、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなる、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmであるものであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法においては、前記キャリアを構成する結着樹脂が、フェノールホルムアルデヒド樹脂であってもよい。
本発明の画像形成方法によれば、基本的に、トナー搬送用ロールを用いるハイブリッド現像方式の適用によって、キャリアが静電潜像担持体自体に接触することがないので、形成される画像にキャリアの掃き目が形成されることなく、特にベタ画像において高い画像濃度の均一性が得られ、また、いわゆる微小ドットの確実な現像による細線の高い再現性が達成されて高い解像度が得られる。
そして、二成分現像剤を構成するキャリアが特定の形状を有する樹脂分散型のキャリア(以下、「特定の樹脂分散型キャリア」ともいう。)よりなり、これが高い耐久性を有するものであるために長期間にわたって安定した帯電付与性が得られてトナー搬送用ロール上に均一性の高い帯電トナー層を形成させることができ、従って、長期間にわたって安定した現像性が得られるので、その結果、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することができる。
さらに、通常、キャリアとしてフェノールホルムアルデヒド樹脂を含有するものを使用すると、例えば、通常の二成分現像剤の接触現像においてはこのキャリアが水分吸着を起こし、静電潜像担持体への水分の移行が生じ、当該静電潜像担持体の表面電位においていわゆる流れが発生し、画像ボケを誘引してしまうところ、本発明の画像形成方法によれば、キャリアによって静電潜像担持体の表面電位に流れが発生することなく、従って、キャリアとしてフェノールホルムアルデヒド樹脂によるものを使用しても画像ボケの発生が抑制される。
すなわち、使用されるキャリアが、これを形成するフェノールホルムアルデヒド樹脂の高架橋構造による高い堅牢性によって高い耐久性が得られたものでありながら、当該キャリアが静電潜像担持体と直接接触することがないために画像ボケが発生することがなく、結局、フェノールホルムアルデヒド樹脂によるキャリアの利点を、最大限に活用することができる。
以下、本発明の画像形成方法について詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなる、特定の形状を有する樹脂分散型のキャリアを含有する二成分現像剤を用いて、いわゆるハイブリッド現像方式の現像装置によって静電潜像担持体上に形成された静電潜像を顕像化するものである。
以下に、本発明の画像形成方法に用いられる二成分現像剤の説明をする。
〔トナー〕
本発明に係る二成分現像剤を構成するトナーは、例えば、結着樹脂および着色剤を含有するものとすることができる。
このようなトナーを製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法その他の公知の方法などを挙げることができる。特に、本発明の画像形成方法は、不定形のトナーであっても、長期間にわたって高い均一性で帯電させることができるために、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することができる。
〔懸濁重合法〕
懸濁重合法は、以下のように行われる。すなわち、ラジカル重合性単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分、およびラジカル重合開始剤を添加し、次いでサンドグラインダーなどによってラジカル重合性単量体中にこれらを溶解あるいは分散させ、均一な単量体分散液を調製し、次いで、あらかじめ分散安定剤が添加された水系媒体中に前記単量体分散液を添加し、ホモミキサーや超音波分散などによって単量体分散液を水系媒体中に分散させ、油滴を形成させる。この油滴の粒径は最終的にトナーの粒径となるため、所望の粒径になるように制御して分散させる。分散される油滴の大きさとしては、体積基準のメジアン径にて3〜10μmとすることが好ましい。その後、加熱して重合処理し、重合反応終了後、分散安定剤を除去し、洗浄、乾燥することにより着色粒子を得、必要に応じて外添剤を添加、混合してトナー粒子を得ることができる。
〔結着樹脂〕
トナーを構成するトナー粒子が粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、トナーを構成する結着樹脂として、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの結着樹脂に離型剤や着色剤などを添加し、二軸混練機などを使用して混練し、次いで粉砕および分級することにより、トナー粒子を得ることができる。
一方、トナーを構成するトナー粒子が懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、トナーを構成する各樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
〔界面活性剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るために使用する界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、スルフォン酸塩(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルフォン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。これらの界面活性剤はトナーを乳化重合法によって得る場合に乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
〔分散安定剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法によって製造する場合には、容易に除去できる無機化合物よりなる分散安定剤を使用することもできる。分散安定剤としては、例えばリン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、親水性コロイダルシリカなどを挙げることができ、特にリン酸三カルシウムが好ましい。この分散安定剤は、塩酸などの酸によって容易に分解されるので、トナー粒子の表面から簡単に除去することができる。
〔重合開始剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。
懸濁重合法を用いる場合においては油溶性ラジカル重合開始剤を用いることができ、油溶性ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
〔連鎖移動剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマーなどが使用される。
〔着色剤〕
トナーを構成する着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。以下に、具体的な着色剤を示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックや、マグネタイト、フェライトなどの磁性粉が挙げられる。
また、本発明の画像形成方法は、モノクロ画像を形成するものとすることもでき、カラー画像を形成するものとすることもできる。
カラー画像を形成する場合のマゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
カラー画像を形成する場合のオレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
カラー画像を形成する場合のグリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
以上の着色剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
着色剤としては、表面改質されたものを使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤などを好ましく用いることができる。
〔離型剤〕
トナーを構成するトナー粒子中には、必要に応じて離型剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
トナーにおける離型剤の添加量は、結着樹脂に対して1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
〔荷電制御剤〕
また、トナーを構成するトナー粒子中には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
〔トナー粒子の粒径〕
トナー粒子の粒径は、体積基準のメジアン径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、懸濁重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、油滴の分散径を調節することによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、50μmのアパーチャーで、2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定することができる。
〔外添剤〕
このようなトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子を使用することが好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
これらの外添剤の添加割合は、トナーにおいて0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%となる割合である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔キャリア〕
二成分現像剤を構成するキャリアは、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmである特定形状を有する、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなる特定の樹脂分散型キャリアである。
〔磁性体微粉末〕
特定の樹脂分散型キャリアを構成する磁性体微粉末としては、例えば鉄、式a):MO・Fe23で示されるフェライト、式b):MFe24で示されるマグネタイトなどの金属または金属酸化物、これらの金属または金属酸化物とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の磁性材料からなる微粉末を用いることができる。ただし、式a)、b)において、Mは、例えばMn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd、Liなど2価あるいは1価の金属であり、これらは単独でまたは複数種類を組み合わせて用いることができる。
磁性体微粉末の具体例としては、例えばマグネタイト、γ酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ca−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトなどを例示できる。
特定の樹脂分散型キャリアにおける磁性体微粉末の含有量は、40〜99質量%、好ましくは50〜70質量%であることが好ましい。
これらの磁性体微粉末は数平均一次粒子径が0.1〜0.5μmであるものであることが好ましい。この数平均一次粒子径は、10,000倍に拡大した電子顕微鏡写真を使用し、磁性体微粉末100個のフェレ方向径を測定し、その算術平均値をいう。
また、上記の磁性体微粉末と共に、磁気特性の調整などを目的としてMg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Sn、Ba、Pbなどの非磁性金属を単独であるいは複数を用いた非磁性金属酸化物粉末を用いることができる。非磁性金属酸化物の具体例としては、例えばAl23、SiO2、CaO、TiO2、V25、CrO2、MnO2、Fe23、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2系などを挙げることができる。
これら非磁性金属酸化物粉末は数平均一次粒子径が0.1〜1.0μmであるものであることが好ましい。
特定の樹脂分散型キャリアにおける非磁性金属酸化物粉末の含有量は、10〜60質量%、好ましくは20〜40質量%であることが好ましい。
磁性体微粉末は、親油性および疎水性を向上させる観点から、その表面を各種のカップリング剤や高級脂肪酸類などの親油化処理剤で親油化処理して用いてもよい。
親油化処理剤の添加量としては、磁性体微粉末100質量部当たり0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜6質量部である。
〔結着樹脂〕
特定の樹脂分散型キャリアを構成する結着樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、具体的には、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの種々のものを挙げることができる。特に、本発明の画像形成方法によれば、結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂であっても、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することができる。
結着樹脂としては、当該結着樹脂中に分散される磁性体微粉末を強固に結着させることができるために、一部または全部が3次元的に架橋された状態の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。このような架橋性の結着樹脂を用いることにより、キャリア自体の硬度を高くすることができ、高い耐久性を有するものとすることができ、多数回の画像形成を行った場合にも磁性体微粉末の脱離の発生が十分に抑制される。
〔キャリアの製造方法〕
このような特定の樹脂分散型キャリアは、例えば、いわゆる重合法によって製造することができる。
特定の樹脂分散型キャリアが重合法によって製造されたものとすることにより、真球に近い形状が得られてキャリア汚染が抑制されると共に表面の均一性が得られて高い帯電付与性が得られる。また、製造時に容易に形状制御をすることができる。
特定の樹脂分散型キャリアを構成する結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂である場合は、例えば、原料モノマーであるフェノール類およびアルデヒド類、並びに磁性体微粉末を、コロイド状のリン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、親水性シリカなどの分散安定剤を含有する水系媒体中に添加して溶解または分散させ、塩基性触媒の存在下において重合処理(付加縮合反応)を行うことにより、得ることができる。
同様にして、原料モノマーとしてメラミンおよびアルデヒド類を用いることによりメラミン樹脂を得ることができ、また、原料モノマーとしてビスフェノール類およびエピクロルヒドリンを用いると共に塩基性触媒を添加しないことにより、エポキシ樹脂を得ることができ、原料モノマーとして尿素およびアルデヒド類を用いると共に塩基性触媒を添加しないことにより尿素樹脂を得ることができる。
〔塩基性触媒〕
結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂またはメラミン樹脂である場合に用いる塩基性触媒としては、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミンおよびジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンなどのアルキルアミン類が挙げられる。これら塩基性触媒は、例えばフェノール類1モルに対して0.02〜0.3モル添加されることが好ましい。
結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂である場合に用いるフェノール類としては、フェノール、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAなどのアルキルフェノール類、およびベンゼン核またはアルキル基の一部または全部が塩素原子または臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類などのフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられるが、高い粒子形状性が得られることから特にフェノールが好ましい。
結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂である場合に用いるアルデヒド類としては、ホルマリンまたはパラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒドおよびフルフラールなどが挙げられるが、ホルムアルデヒドが好ましい。
また、特定の樹脂分散型キャリアは、いわゆる懸濁重合法によっても製造することができる。すなわち、ラジカル重合性モノマー中に磁性体微粉末を分散させ、次いで、ラジカル重合開始剤を添加してキャリア重合用組成物を調製し、その後、このキャリア重合用組成物を、コロイド状のリン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、親水性シリカなどの分散安定剤を含有し、好ましくは少量のアニオン性界面活性剤が添加された水系媒体中に油滴として分散させてラジカル重合処理を行うことによって、得ることができる。分散の際の油滴の粒径は、体積基準のメジアン径で10〜100μm、好ましくは15〜80μmとされる。この分散の際の油滴の粒径は、得られる特定の樹脂分散型キャリアの粒径となる。
〔ラジカル重合性モノマー〕
懸濁重合法によって特定の樹脂分散型キャリアを得るためのラジカル重合性モノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系モノマーを挙げることができる。これらのビニル系モノマーは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔ラジカル重合開始剤〕
懸濁重合法によって特定の樹脂分散型キャリアを得るためのラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などの油溶性重合開始剤を挙げることができる。
〔連鎖移動剤〕
また、キャリア重合用組成物中は、得られる特定の樹脂分散型キャリアを構成する結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤が添加されたものであってもよい。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマーなどが使用される。
本発明において、特定の樹脂分散型キャリアは、最適な帯電性および帯電量、並びに高い耐久性を得る観点から、キャリア粒子の表面を、トナーの帯電量に合わせて適宜に選択したコート樹脂などでコーティングしたものとすることもできる。
キャリア粒子をコート樹脂によりコーティングする場合は、コア粒子となるキャリア粒子に対して、コート樹脂が好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%の範囲となるようにコーティングされたものとすることが好ましい。
また、コート樹脂によるコーティングは、得られるキャリアの形状係数SF−1,SF−2が、前述の数値になるよう、コート量やコートの状態を調節する必要がある。
〔コート樹脂〕
コート樹脂としては、熱可塑性または熱硬化性の絶縁性樹脂を好適に使用することができる。具体的には、例えば、熱可塑性の絶縁性樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル酸共重合体などのアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートなどの芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などを挙げることができる。
また、熱硬化性の絶縁性樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、具体的には、無水マレイン酸−テレフタル酸−多価アルコールの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。
これらのコート樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、熱可塑性の絶縁性樹脂に硬化剤などを混合して硬化させてコート樹脂としてもよい。
これらのコート樹脂を特定の樹脂分散型キャリア粒子をコア粒子としてコーティングする方法としては、コート樹脂を有機溶剤に溶解もしくは分散させてコート溶液を調製し、これをキャリア粒子に塗布する方法や、単に粉体状にしたコート樹脂とキャリア粒子とを混合させて付着させる方法などが挙げられる。
本発明に係る二成分現像剤を構成するキャリアは、形状係数SF−1が1.0〜1.2であり、かつ、形状係数SF−2が1.1〜2.5であるキャリア粒子よりなる。
ここに、形状係数SF−1とは、キャリア粒子の球形度を示す指数であり、真球の場合にSF−1=1となる。また、形状係数SF−2とは、キャリア粒子の表面の微細な凹凸の程度を示す指数であり、凹凸のない平滑面である場合にSF−2=1となる。
〔キャリアの形状係数〕
キャリア粒子の形状係数SF−1,SF−2は、日立製作所(株)製のフィールドエミッション走査電子顕微鏡「S−4500」により、キャリア粒子の拡大写真をランダムに100個撮影し、これをニコレ社製の画像処理解析装置「Luzex3」を用いて解析し、さらに下記の式(SF−1),式(SF−2)によって導出される形状係数の平均値を求めることにより、測定することができる。
式(SF−1):SF−1={(MXLNG)2/(AREA)}×(π/4)
式(SF−2):SF−2={(PERI)2/(AREA)}×(1/4π)
ただし、上記式(SF−1),式(SF−2)において、MXLNGはキャリア粒子の最大径、AREAはキャリア粒子の投影面積、PERIはキャリア粒子の周囲長を、それぞれ表す。
ここに、最大径とは、キャリア粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となるキャリア粒子の幅をいう。また、投影面積とは、キャリア粒子の平面上への投影像の面積をいう。
〔キャリアの粒径〕
また、本発明に係る二成分現像剤を構成する特定の樹脂分散型キャリアは、その体積基準のメジアン径が10〜100μmであり、好ましくは15〜80μmである。特定の樹脂分散型キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
特定の樹脂分散型キャリアの体積基準のメジアン径が10μm未満である場合は、キャリア粒子の分布において微粒子の存在率が高くなり、それらのキャリア粒子はキャリア1粒子当たりの磁化の強さが小さくなるため、キャリア粒子がトナー搬送用ロールに移行(現像)されやすくなる。また、特定の樹脂分散型キャリアの体積基準のメジアン径が100μmを超えると、キャリア粒子の比表面積が小さくなり、トナー保持力が弱くなるため、トナー飛散が発生する。また、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪く好ましくない。
〔キャリアの磁化の強さ〕
また、特定の樹脂分散型キャリアは、その磁化の強さが1キロエルステッドの磁場中において20〜300emu/cm3 の範囲であることが好ましい。
〔キャリアの抵抗〕
さらに、特定の樹脂分散型キャリアは、その抵抗が109〜1013Ωcm、特に1010〜1012Ωcmの若干低抵抗のものであることが好ましい。抵抗が109Ωcm未満である場合は、現像装置における未現像トナーの回収性が向上し、いわゆる現像ゴーストの形成の抑制に極めて有効であるが、トナーへの帯電付与性が低く、トナーを十分に帯電させることができずに形成される画像にカブリが発生することがある。一方、抵抗が1013Ωcmを超える場合は、トナーが過度に帯電されてしまうことがある。
特定の樹脂分散型キャリアの抵抗は、常温常湿環境(20℃/50%RH)下においてキャリアを1昼夜放置した後、これを当該環境下において1cm2 の底面を有する樹脂より形成された円筒に投入し、上下を電極で挟み込み、そこに1kgの荷重を加えると共に1000Vの電圧を印加し、30秒後の電流値を測定し、体積固有抵抗を測定することにより、求められる。
本発明に係る二成分現像剤におけるトナーおよびキャリアの混合比率は、二成分現像剤におけるトナー濃度が3〜20質量%、好ましくは4〜15質量%であることが好ましい。
〔画像形成方法〕
そして、本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を、当該静電潜像担持体に対向して配置されたトナー搬送用ロール上に形成された帯電トナー層のトナーにより現像する現像方法を行う画像形成方法である。
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置は、例えば回転する感光体よりなる静電潜像担持体を備え、この静電潜像担持体の周囲に、帯電装置、露光装置、下記に詳述する現像装置、転写装置、分離装置およびクリーニング装置がこの順に配設されており、さらに定着装置が設けられて構成されたものとすることができる。
本発明の画像形成方法は、ハイブリッド現像現像方式による現像を行うために高速現像に好適であり、例えば静電潜像担持体の線速度を、100〜500mm/sec、好ましくは150〜400mm/secとすることができる。
〔現像装置〕
図1は、本発明の画像形成方法におけるハイブリッド現像方式を説明するための概略図である。
この現像装置は、内部に固定磁石を有して回転し、その表面にトナーTとキャリアCとからなる磁気ブラシEを担持して回転するスリーブ状の磁気ロール17と、この磁気ロール17上に形成される磁気ブラシEによって帯電トナー層Fが形成されるようこれに対向して配設されたトナー搬送用ロール15とを有するものであって、トナー搬送用ロール15が静電潜像担持体10に対向する状態で配設されている。
トナー搬送用ロール15および磁気ロール17は、例えばその対向する領域において互いに順方向に回転し、また、静電潜像担持体10およびトナー搬送用ロール15も、例えばその対向する領域において互いに順方向に回転するものとされている。
図1において、21aはトナー搬送用ロール15にDCバイアス電圧Vdc1を印加する直流電源、21bはトナー搬送用ロール15にACバイアス電圧Vacを印加する交流電源、23は磁気ロール17にDCバイアス電圧Vdc2を印加する直流電源であり、また、19は、磁気ロール17上の磁気ブラシEの高さを一定に規制するための穂高規制ブレードである。
トナー搬送用ロール15は、その最表面がアルミニウム、SUS、導電性樹脂などで構成されており、例えば、金属製の芯金の外周面に導電性樹脂による被覆層が形成されたものとすることができる。また、金属製の芯金の外周面に半導電性樹脂による被覆層が形成されたものとしてもよい。
磁気ロール17およびトナー搬送用ロール15のギャップ(トナークラウド形成ギャップ)は、例えば0.3〜1.5mmとされることが好ましい。
また、穂高規制ブレード19および磁気ロール17のギャップは、磁気ブラシEがトナー搬送用ロール15の表面に接触するよう設定され、キャリアの粒径や二成分現像剤におけるトナー濃度によって異なるが、例えば体積基準のメジアン径が50μmであるキャリアと、トナー濃度が6%である二成分現像剤においては0.3〜1.5mmとされる。
また、トナー搬送用ロール15および静電潜像担持体10のギャップ(現像ギャップ)は、例えば0.05〜0.5mm、好ましくは0.1〜0.4mmとされる。
この現像装置には、帯電トナー層Fを構成するトナーTのうち、静電潜像の現像に供されなかった未現像トナーをトナー搬送用ロール15より回収し、リサイクルするトナー回収機構が設けられている。この回収機構は、専用の回収装置によるものであってもよいが、磁気ロール17上に形成された磁気ブラシEがトナー搬送用ロール15を摺擦することによって、回収されるものとしてもよい。この回収工程においては、トナーTに対してストレスが加わり易く、現像剤が劣化する要因となるところ、本発明の画像形成方法に用いられる二成分現像剤を構成する特定の樹脂分散型キャリアは高い耐久性を有するものであるので、このような磁気ブラシEを使用した回収機構を好適に採用することができる。
このような現像装置内においては、例えばパドルミキサー、撹拌ミキサーなどによってトナーTおよびキャリアCが撹拌、帯電され、これが磁気ロール17に供給されてその表面に磁気ブラシEが形成され、穂高規制ブレード19によってその穂の高さが規制された状態においてトナークラウド形成ギャップに供給され、直流電源21aによってトナー搬送用ロール15に印加されるDCバイアス電圧Vdc1と直流電源23によって磁気ロール17に印加されるDCバイアス電圧Vdc2との電位差によって形成される電界を作用させることによって磁気ブラシEを構成するトナーTをトナー搬送用ロール15の表面に飛翔させ、当該トナー搬送用ロール15上にトナーTのみよりなる帯電トナー層Fを形成させる。そして、現像ギャップにおいて直流電源21aによるDCバイアス電圧Vdc1に重畳して交流電源21bによるACバイアス電圧Vacがトナー搬送用ロール15に印加されることによって、帯電トナー層FのトナーTをトナー搬送用ロール15から静電潜像担持体10に飛翔させ、これにより、当該静電潜像担持体10上に形成された静電潜像が現像される。
トナーTの帯電量は、5〜20μC/gであることが好ましく、より好ましくは5〜10μC/gである。
ここに、トナーTの帯電量は、常温常湿環境(20℃/50%RH)下において形成されたトナー搬送ロール15上の帯電トナー層Fから吸引式の帯電量測定装置によって分離し測定した値である。
直流電源21aによってトナー搬送用ロール15に印加されるDCバイアス電圧Vdc1は、たとえば200〜900Vとされ、このDCバイアス電圧Vdc1と直流電源23によって磁気ロール17に印加されるDCバイアス電圧Vdc2との電位差は、例えば100〜250Vとされ、これによりトナー搬送用ロール15上に形成される帯電トナー層Fの厚みを10〜100μmとさせることが好ましい。
また、交流電源21bによってトナー搬送ロール15に印加されるACバイアス電圧Vacは、例えばピーク間電圧が1.6kV、周波数が2.7kHzとされる。
〔定着方法〕
本発明は、特定の二成分現像剤を用いるものであって、当該特定の二成分現像剤は劣化が少ないものであって長期間にわたって安定した現像を行うことができることから、フルカラーの画像形成としても好ましい効果が得られる。このとき、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色の各々に係る4種類のカラー現像装置と、1つの静電潜像担持体とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置および静電潜像担持体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。
本発明の画像形成方法がフルカラー画像形成方法である場合、長期間にわたって安定した現像が行われることにより、得られるカラー画像の色安定性が長期間にわたって維持される。
また、本発明の画像形成方法に用いられる二成分現像剤はストレスを受けにくいものであるために、静電潜像担持体に残留したトナーをクリーニング装置によって回収し現像装置に戻して再使用する、いわゆるトナーリサイクル方式に好適に使用できる。
以上の画像形成方法における定着方式としては、特に限定されない。
〔画像形成支持体〕
以上の画像形成方法において画像が形成される画像形成支持体としては、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以上の画像形成方法によれば、基本的に、トナー搬送用ロールを用いるハイブリッド現像方式の適用によって、キャリアが静電潜像担持体自体に接触することがないので、形成される画像にキャリアの掃き目が形成されることなく、特にベタ画像において高い画像濃度の均一性が得られ、また、いわゆる微小ドットの確実な現像による細線の高い再現性が達成されて高い解像度が得られる。
そして、二成分現像剤を構成するキャリアが特定の形状を有する樹脂分散型のキャリアよりなり、これが高い耐久性を有するものであるために長期間にわたって安定した帯電付与性が得られてトナー搬送用ロール上に均一性の高い帯電トナー層を形成させることができ、従って、長期間にわたって安定した現像性が得られるので、その結果、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することができる。
さらに、通常、キャリアとしてフェノールホルムアルデヒド樹脂を含有するものを使用すると、例えば、通常の二成分現像剤の接触現像においてはこのキャリアが水分吸着を起こし、静電潜像担持体への水分の移行が生じ、当該静電潜像担持体の表面電位においていわゆる流れが発生し、画像ボケを誘引してしまうところ、以上の画像形成方法によれば、キャリアによって静電潜像担持体の表面電位に流れが発生することなく、従って、キャリアとしてフェノールホルムアルデヒド樹脂によるものを使用しても画像ボケの発生が抑制される。
以下に、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<キャリアの製造例1>
数平均一次粒子径0.24μmのマグネタイト粉(FeO・Fe23)と、個数平均粒径0.60μmのα−Fe23粉に対し、各々5.5質量%のシランカップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、撹拌容器内にて100℃において、高速で混合撹拌し、各々の金属酸化物微粉末の親油化処理を行い、親油化マグネタイト粉Aおよび親油化α−酸化鉄粉Aを調製した。
次いで、上記の親油化マグネタイト粉A60質量部、親油化処理したα−酸化鉄粉A40質量部、フェノール10質量部、ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)6質量部よりなる組成物(1)を、フラスコ中の28質量%NH4OH水溶液を含有する水系媒体に添加し、混合撹拌しながら40分間で85℃まで昇温し、この温度を維持しながら3時間熱硬化反応させ、続いて、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾し、その後、5mmHg以下の減圧下において60℃で乾燥することにより、キャリア粒子〔a〕を得た。
このキャリア粒子〔a〕をコア粒子として、トルエンを溶媒として10質量%のシリコーン樹脂材料を含有するコート溶液を調製し、このコート溶液に剪断応力を連続して加えながら溶媒を揮発させて、コート樹脂量が1.0質量%となるよう、コア粒子表面に被覆し、次いで、200℃において1時間キュアし、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、表面にシリコーン樹脂がコーティングされた特定の樹脂分散型キャリア〔A〕を得た。
この特定の樹脂分散型キャリア〔A〕は、体積基準のメジアン径で34μmであり、形状係数SF−1は1.04、形状係数SF−2は1.51であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは129emu/cm3であった。また、抵抗は3×1011Ωcmであった。
ここに、体積基準のメジアン径は、湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定したものであり、形状係数SF−1、SF−2は、日立製作所(株)製のフィールドエミッション走査電子顕微鏡「S−4500」により、キャリア粒子の拡大写真をランダムに100個撮影し、これをニコレ社製の画像処理解析装置「Luzex3」を用いて解析し、さらに上記の式(SF−1),式(SF−2)によって導出される形状係数の平均値を求めることにより測定したものである。また、磁化の強さは、振動磁場型磁気特性自動記録装置「BHV−30」(理研電子(株)製)を用いて測定したものである。
<キャリアの製造例2>
組成物(1)の代わりに上記の親油化処理したマグネタイト粉100質量部、フェノール10質量部、ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)6質量部よりなる組成物(2)を使用したことの他はキャリアの製造例1と同様にしてキャリア粒子〔b〕を得、このキャリア粒子〔b〕をコア粒子として、コート樹脂量が1.5質量%となるようにしたことの他はキャリアの製造例1と同様にして特定の樹脂分散型キャリア〔B〕を得た。この特定の樹脂分散型キャリア〔B〕の体積基準のメジアン径は39μmであり、形状係数SF−1は1.10、形状係数SF−2は1.15であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは218emu/cm3であった。また、抵抗は6×1011Ωcmであった。
<キャリアの製造例3>
親油化したマグネタイト粉として、数平均一次粒子径0.25μmのマグネタイト粉(FeO・Fe23)に対し、4.5質量%のシランカップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、撹拌容器内にて100℃において、高速で混合撹拌し、金属酸化物微粒子の親油化処理を行うことにより得られる親油化マグネタイト粉Bを用いたことの他はキャリアの製造例2と同様にして、キャリア粒子〔c〕を得、このキャリア粒子〔c〕をコア粒子として、キャリアの製造例1と同様にして特定の樹脂分散型キャリア〔C〕を得た。この特定の樹脂分散型キャリア〔C〕の体積基準のメジアン径は41μmであり、形状係数SF−1は1.04、形状係数SF−2は1.95であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは220emu/cm3であった。また、抵抗は8×1011Ωcmであった。
<キャリアの製造例4>
親油化マグネタイト粉A60質量部、および親油化α−酸化鉄粉40質量部を、スチレン8質量部、2−エチルヘキシルアクリレート2質量部およびジビニルベンゼン1質量部よりなるラジカル重合性単量体組成物中に分散させ、その後、ラジカル重合開始剤(ラウロイルパーオキサイド)0.3質量部を添加してキャリア形成用溶液を形成させた。
一方、高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)とバッフル板を備えた2L用の4つ口フラスコ中にイオン交換水600質量部と0.1モル/LのNa3PO4水溶液500質量部を投入し、65℃に加温し、回転数を14000rpmに調整した状態で、1.0モル/LのCaCl2水溶液70質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系媒体を調製した。次いで、キャリア形成用溶液を添加し、高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)にて14000prmの撹拌によって水系媒体中に油滴を形成させた。その後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え、75℃に昇温した状態で8時間重合反応を行い、冷却し、塩酸を加えて分散安定剤を除去し、濾過、水洗、乾燥することにより、特定の樹脂分散型キャリア〔d〕を得た。
この特定の樹脂分散型キャリア〔d〕をコア粒子として、キャリアの製造例1と同様にして特定の樹脂分散型キャリア〔D〕を得た。この特定の樹脂分散型キャリア〔D〕の体積基準のメジアン径は44μmであり、形状係数SF−1は1.05、形状係数SF−2は1.31であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは129emu/cm3であった。また、抵抗は9×1011Ωcmであった。
<比較用キャリアの製造例1>
焼結法で調製された形状係数SF−1が1.3、形状係数SF−2が2.52のLiフェライト粒子の表面にシリコーン樹脂をコートした比較用のキャリア〔E〕を得た。このキャリアの体積基準のメジアン径は45μmであった。また、抵抗は6×109Ωcmであった。
<比較用キャリアの製造例2>
ポリエステル樹脂(軟化点=150℃)100質量部に数平均一次粒子径が0.24μmのマグネタイト粉900質量部を添加し、二軸押し出し機にて溶融混練し、次いで機械式粉砕機にて粉砕し、体積基準のメジアン径が38μmである粉砕物を得た。これを瞬間的熱処理装置にて180℃の熱を5秒間加えて球形化処理を行い、次いでキャリアの製造例1と同様に表面にシリコーン樹脂をコートすることにより、比較用キャリア〔F〕を得た。この比較用キャリア〔F〕の体積基準のメジアン径は39μm、形状係数SF−1は1.02、形状係数SF−2は1.04であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは218emu/cm3 であり、さらに、抵抗は7×1012Ωcmであった。
<トナーの製造例Bk1>
高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)とバッフル板を備えた2L用の4つ口フラスコ中に、イオン交換水600質量部および0.1モル/LのNa3PO4水溶液500質量部を投入し、65℃に加温し、回転数を12000rpmに調整した状態で、1.0モル/LのCaCl2水溶液70質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系媒体を調製した。
一方、スチレン78質量部、2−エチルヘキシルアクリレート22質量部、カーボンブラック7質量部、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル10質量部を混合させ、これをアトライター(三井金属社製)を用いて3時間分散処理した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を添加することにより、トナー形成用重合性単量体組成物を調製した。
このトナー形成用重合性単量体組成物を、上記の水系媒体中に添加し、内温65℃のN2雰囲気下において、高速撹拌器の回転数を12000rpmに維持しながら15分間撹拌してトナー粒子を造粒し、その後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え、撹拌羽根の回転数とバッフル板の角度により、粒子形状を制御しながら同温度で10時間保持して重合処理を完了させ、その後、懸濁液を冷却し、次いで希塩酸を添加して分散安定剤を除去し、さらに水洗浄を数回繰り返した後、乾燥させ、トナー粒子(Bk1)を得た。
このトナー粒子(Bk1)は、体積基準のメジアン径が6.5μm、ピーク分子量が14000、分子量分布(Mw/Mn)が8、軟化点温度が125℃のものであった。
ここに、体積基準のメジアン径はコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、50μmのアパーチャーで、2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定したものであり、ピーク分子量および分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したものであり、また、軟化点温度は、高化式フローテスターによって測定したものである。
このトナー粒子(Bk1)100質量部と、シリコンオイルで処理したシリカ微粒子(BET比表面積:140m2/g)1.5質量部とをヘンシェルミキサーで乾式混合することにより、黒色のトナーBk1を得た。
なお、このトナー粒子(Bk1)について、シリカ微粒子の添加によっては、その形状および粒径は変化しなかった。
<トナーの製造例Y1〜C1>
着色剤としてカーボンブラックの代わりにそれぞれC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントレッド122、およびC.I.ピグメントブルー15:3を用いたことの他はトナーの製造例Bk1と同様にしてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンに係るトナーY1,M1,C1を得た。
<二成分現像剤の製造例Bk1〜C6>
トナーBk1〜C1、並びにキャリアA〜Dおよび比較用のキャリアE,Fを用い、表1に示す組み合わせにおいて、トナー濃度が6%となるよう混合することにより、二成分現像剤Bk1〜C4および比較用の二成分現像剤Bk5〜C6を調製した。
<実施例1〜4、比較例1〜2>
以上のようにして得られた二成分現像剤Bk1〜C4および比較用の二成分現像剤Bk5〜C6を表2に示される組み合わせにおいて使用し、デジタル複写機「bizhub PRO C350」(コニカミノルタ社製)を改造し、図1に示す現像装置を搭載したものを用いて、高温高湿環境下(温度32℃、湿度85%RH)において画素率が各色5%、解像度1200dpiで出力したフルカラー画像と、ベタ黒画像とに分割された複合画像を、1枚間欠モードにて5万枚形成させる実写テストを行い、初期(1枚目)および5万枚目のベタ黒画像領域について、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用い、任意の15箇所の絶対反射濃度を測定して、その最大値と最小値の差によるベタ黒画像濃度ムラを評価すると共に、初期(1枚目)および5万枚目のフルカラー画像領域について、色差計「CM−2002」(ミノルタ社製)を用い、それぞれの画像のL*** 色空間図から色再現範囲の面積を測定し、初期(1枚目)の色再現範囲面積を100としたときの5万枚目の色再現範囲面積を算出して色再現範囲を評価した。結果を表2に示す。
〔現像装置〕 図1に示される構成の現像装置を用いた。詳細な現像条件は、以下の通りである。
トナー搬送用ロール〔15〕:アルミニウムロール
磁気ロール〔17〕:内部に固定磁石が配置されたSUSよりなる円筒状ロール
直流電源〔21a〕によるDCバイアス電圧Vdc1:400V
交流電源〔21b〕によるACバイアス電圧Vac:ピーク間電圧が1.6kV、周波数が2.7kHz
直流電源〔23〕によるDCバイアス電圧Vdc2:200V
トナークラウド形成ギャップ:0.5mm
現像ギャップ:0.2mm
穂高規制ブレードおよび磁気ロールによるギャップ:1.0mm
表2の結果から明らかなように、本発明の画像形成方法に係る実施例1〜4においては、5万枚の画像形成を経ても形成される画像に十分な画像濃度が得られ、広い色再現範囲が達成されることが確認された。
本発明の画像形成方法におけるハイブリッド現像方式を説明するための概略図である。
符号の説明
10 静電潜像担持体
15 トナー搬送用ロール
17 磁気ロール
19 穂高規制ブレード
21a 直流電源
21b 交流電源
23 直流電源
T トナー
C キャリア
E 磁気ブラシ
F 帯電トナー層

Claims (2)

  1. 静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を、当該静電潜像担持体に対向して配置されたトナー搬送用ロール上に形成された帯電トナー層のトナーにより現像する画像形成方法であって、
    当該トナー搬送用ロール上に形成された帯電トナー層が、少なくともトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用して形成されたものであり、
    前記キャリアが、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなる、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmであるものであることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記キャリアを構成する結着樹脂が、フェノールホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
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