JP2008038692A - 圧縮機 - Google Patents

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Akihiko Kubota
昭彦 窪田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】能力と効率の個体間のばらつきが小さい圧縮機を提供することを目的としている。
【解決手段】バルブプレート119に穿設した吸入孔131と、吸入孔131のシリンダーボア114側の外周に形成された吸入弁座132と、吸入弁座132の弁座面を開閉する薄板状の吸入リード136とで形成された吸入バルブ137を有するとともに吸入弁座132の弁座面をバルブプレート119の端面に設けた台座面140より低く形成したもので、吸入弁座132の弁座面の深さを加工により精度良く仕上げることができ、吸入バルブ137の閉状態において吸入リード136には開方向への安定したバネ力が生じるため、能力と効率の個体間のばらつきを小さくできる。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷蔵庫に使用される圧縮機に関するものである。
従来この種の圧縮機は、高効率化を行うため吸入バルブ装置に改良を加えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の圧縮機を説明する。
図15は特許文献1に記載された従来の圧縮機を示す断面図、図16は従来の圧縮機の要部断面図、図17は従来の圧縮機の吸入リードの平面図、図18は従来の圧縮機の吸入リードの斜視図である。
図15から図18において、容器1は固定子2、および回転子3からなる電動要素4とこれによって駆動される圧縮機構5を収容している。
次に圧縮機構5の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト10は回転子3に圧入固定した主軸部11および主軸部11に対し偏心して形成された偏心部12からなる。ブロック13は略円筒形のシリンダーボア14を有するとともに主軸部11を軸支する軸受け部15を有している。
シリンダーボア14に遊嵌されたピストン16は、ピストンピン17を介して偏心部12との間を連結手段であるコンロッド18によって連結されている。シリンダーボア14の端面はバルブプレート19で封止されピストン16と共に圧縮室20を構成している。
ヘッド21は高圧室を形成し、バルブプレート19の反シリンダーボア14側に固定される。サクションチューブ22は容器1に固定されるとともに装置の1次側(図示せず)に接続され、作動流体(図示せず)を容器1内に導く。サクションマフラー23は、バルブプレート19とヘッド21に挟持される。
バルブプレート19は吸入孔31と吸入弁座32とを備えており、薄板状のばね鋼材にスリットを設けることで形成した円頭部33と基部34と円頭部33と基部34とを繋ぐ腕部35からなる吸入リード36と共に吸入バルブ37を構成する。腕部35は腕部35の軸線と鋭角をなす屈折部38において曲げ加工がなされている。
また、バルブプレート19には反シリンダーボア14側に吐出孔(図示しない)と吐出弁座(図示しない)が形成されており吐出リード(図示しない)と共に吐出バルブ(図示しない)を構成する。
吸入リード36はシリンダーボア14に相当する円形の抜き部を有するプレートガスケット40を介して、バルブプレート19、ヘッドガスケット(図示しない)、ヘッド21と共にブロック13にボルト締結される。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素4に外部電源より通電がされると、回転子3が回転する。回転子3はクランクシャフト10を回転させ、偏心部12の偏心運動が連結手段のコンロッド18からピストンピン17を介してピストン16を駆動することでピストン16はシリンダーボア14内を往復運動し、圧縮機構5が所定の圧縮動作を行う。
サクションチューブ22を通して容器1内に導かれた作動流体はこの圧縮動作によりサクションマフラー23から吸入バルブ37を介して吸入され、圧縮室20内で連続して圧縮され吐出バルブ(図示せず)から排出される。
作動流体が吸入バルブ37を介して圧縮室20に吸入される際、吸入リード36の屈折部38の曲げ加工により、吸入バルブ37の閉時において吸入リード36の腕部35と円頭部33には吸入バルブ37を開放しようとするバネ力が弾性変形によって発生する。
その結果、吸入弁座32と円頭部33のオイル粘性による貼り付きによる吸入リード36の開き遅れを回避し、圧縮室20への作動流体(図示せず)の吸入量を増加せしめ、効率が向上する。
特開昭60−227075号公報
しかしながら上記従来の構成では、屈折部38の曲げ加工は薄板を塑性変形させるため、薄板のスプリングバックや曲げ冶具の摩耗等により屈折量が安定せず圧縮機の能力と効率が個体間においてばらつくという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、能力と効率の個体間におけるばらつきの小さい圧縮機を提供することを目的としている。
上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、吸入弁座の弁座面をバルブプレートの端面に設けられ吸入リードが固定される台座面より低く形成したものであり、吸入弁座の弁座面の高さを加工により精度良くだすことができるため、吸入バルブの閉状態において吸入リードには開方向への安定したバネ力が生じるという作用を有する。
本発明の圧縮機は、吸入弁座の弁座面の高さは加工により精度良く仕上げられ、吸入バルブの閉状態において吸入リードには開方向への安定したバネ力が生じることから吸入リードの応答性が良くなり、性能と効率が良く、個体間におけるばらつきを小さくすることができる。
請求項1に記載の発明は、シリンダーボアを形成したブロックと、前記シリンダーボア内を往復運動するピストンと、前記ブロックの前記シリンダーボアの開口端を封止するように配置されたバルブプレートを備え、前記バルブプレートに穿設した吸入孔と、前記吸入孔の前記シリンダーボア側の外周に形成された吸入弁座と、前記吸入弁座を開閉する薄板状の吸入リードとで形成された吸入バルブを有し、前記ピストンの前記バルブプレート側のトップ面および前記シリンダーボアの前記開口端に前記吸入リードに対応する窪みを設けるとともに、前記吸入弁座の弁座面を前記バルブプレートの端面に設けられ前記吸入リードが固定される台座面より低く形成したものであり、吸入弁座の弁座面の高さを加工により精度良く仕上げることから吸入バルブの閉状態において吸入リードには開方向への安定したバネ力が生じ、吸入リードの応答性を改善し、性能と効率が良く、個体間におけるばらつきを小さくすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、吸入弁座の周辺部からバルブプレートの台座面の、吸入リードの基部に対応する位置に向かって傾斜する傾斜部をバルブプレートに設けたものであり、吸入弁座の周辺部の高さが吸入リードの基部に対応する部分まで続く場合よりも再膨張体積の増大を抑えて請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに性能と効率が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、吸入弁座の弁座面を吸入リードの閉時の傾斜にあわせて傾斜したものであり、吸入バルブが閉じる際に吸入弁座の弁座面に対し吸入リードがほぼ全周において同時に衝突するとともに閉時においてシール性が良いことから請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えてさらに吸入バルブの耐久性が向上し、性能と効率が向上する。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、周辺部と傾斜部の終端がシリンダーボアの延長範囲内に位置するものであり、組立状態において吸入リードが押圧固定されるシリンダーボアの延長範囲外に台座面が存在し、吸入リードが押圧により変形するのを防止でき、吸入バルブの閉時、吸入リードに開方向への一定なバネ力が生じるため、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに個体間における性能と効率のばらつきを小さくすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、バルブプレートに突起部を突設すると共に前記突起部に対応する吸入リードの基部に孔を穿設したものであり、組立時において吸入リードの孔を台座面の突起部に勘合して吸入リードを容易に位置決めできることから請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに生産性が向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、バルブプレートのブロックに対向する側は吸入弁座の弁座面の部分のみ研磨加工したものであり、バルブプレートのブロックに対向する側の全てを研磨加工するものより加工が容易であることから請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに生産性が向上する。
以下、本発明による圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮機の断面図、図2は、同実施の形態における圧縮機の要部断面図、図3は、同実施の形態における圧縮機の要部断面拡大図、図4は、同実施の形態における圧縮機のバルブプレートを示す平面図、図5は、同実施の形態における圧縮機の吸入リードを示す平面図、図6は、同実施の形態における圧縮機のピストンおよびブロックのバルブプレートに対向する側の面を示す要部斜視図、図7は、同実施の形態における圧縮機のプレートガスケットを示す平面図である。
図1から図7において、容器101は固定子102、および回転子103からなる電動要素104とこれによって駆動される圧縮機構105を収容している。
次に圧縮機構105の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト110は回転子103が圧入固定される主軸部111および主軸部111に対し偏心して形成された偏心部112から形成される。ブロック113は略円筒形のシリンダーボア114を有するとともに主軸部111を軸支する軸受け部115を有している。
シリンダーボア114に遊嵌されたピストン116は焼結成形されており、ピストンピン117を介して偏心部112との間を連結手段であるコンロッド118によって連結されている。シリンダーボア114の端面はバルブプレート119で封止されピストン116と共に圧縮室120を構成している。
ヘッド121は高圧室を形成し、バルブプレート119の反シリンダーボア114側に固定される。サクションチューブ122は容器101に固定されるとともに装置の低圧側(図示せず)に接続され、作動流体(図示せず)を容器101内に導く。サクションマフラー123は、バルブプレート119とヘッド121に挟持される。
バルブプレート119には吐出孔(図示しない)と吐出弁座(図示しない)が形成されており吐出リード(図示しない)と共に吐出バルブ(図示しない)を構成する。
また、バルブプレート119は吸入孔131と吸入弁座132とを備え、吸入リード136とともに吸入バルブ137を構成する。
吸入リード136は薄板状のばね鋼材で形成され、円頭部133と基部134と円頭部133と基部134とを繋ぐ腕部135から形成される。
バルブプレート119には吸入リード136の円頭部133および腕部135とほぼ同形状をなす凹部141が形成されている。バルブプレート119の、吸入リード136の基部134に対応する部分は吸入リード136の台座面140でバルブプレート119の端面と同一面上にある。
台座面140には一対の突起部143が突設されており、吸入リード136の基部134に穿設した一対の孔142と嵌合している。
凹部141の吸入弁座132の周辺には吸入弁座132より深い周辺部138が形成されており、周辺部138から台座面140へと順次浅くなる傾斜を有する傾斜部139が形成されている。
吸入弁座132の弁座面132aは台座面140に対して図3に示すA寸法分だけ低く形成されている。従って吸入リード136に応力がかからない状態においては、弁座面132aと円頭部133との間に図3に示すA寸法分の間隔が形成される。
バルブプレート119のシリンダーボア114側の面は吸入弁座132の弁座面132aのみが研磨加工されており、その他の部位については焼結またはプレス成形により形成される。
傾斜部139の台座面140側の終端144はシリンダーボア114の延長範囲146の仮想線内にある。
吸入リード136はシリンダーボア114に相当する円形の抜き部を有するプレートガスケット150を介して、バルブプレート119、ヘッドガスケット(図示しない)、ヘッド121と共にブロック113にボルト締結によって挟持されることで台座面140に密着する。
このとき、ブロック113のシリンダーボア114の開口端114aには吸入リード136の基部134とほぼ同形状で板厚相当の窪み113bが設けられており、吸入リード136の基部134がプレートガスケット150とともに挟持される際に生じる段差を吸収する。また、ブロック113のシリンダーボア114の開口端114aの窪み113bには逃げ孔148が設けられている。
また、ピストン116のトップ面116aには吸入リード136の円頭部133および腕部135とほぼ同形状で板厚相当の窪み116bが設けられており、バルブプレート119の台座面119aとピストン116のトップ面116aとの隙間距離と、吸入リード136とピストン116の窪み116bとの隙間距離とを同等にする。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電動要素104に外部電源より通電がされると、回転子103が回転する。回転子103はクランクシャフト110を回転させ、偏心部112の偏心運動が連結手段のコンロッド118からピストンピン117を介してピストン116を駆動することでピストン116はシリンダーボア114内を往復運動し、圧縮機構105が所定の圧縮動作を行う。
サクションチューブ122を通して容器101内に導かれた作動流体はこの圧縮動作によりサクションマフラー123から吸入バルブ137を介して吸入され、圧縮室120内で連続して圧縮され吐出バルブ(図示せず)から排出される。
作動流体が吸入バルブ137を介して圧縮室120に吸入される際、吸入弁座132の弁座面132aがバルブプレート119の台座面140よりも低い位置にあるため、吸入バルブ137の閉時において吸入リード136の腕部135と円頭部133には吸入バルブ137を開放しようとするバネ力が弾性変形によって発生する。
その結果、吸入弁座132の弁座面132aと円頭部133間のオイル粘性による貼り付き及び、バルブプレート119の台座面140や傾斜部139と腕部135のオイル粘性による貼り付きによる吸入リード136の開き遅れを防止でき応答性が改善されるので、圧縮室120への作動流体(図示せず)の吸入量が増加され、能力と効率が向上する。
このとき、バルブプレート119の台座面140と吸入弁座132の弁座面132aの段差寸法には吸入リード136の円頭部133と腕部135の板厚や形状によって決定するバネ定数や固有値、吸入弁座132の面積やオイル粘性による貼り付きの違いによって最適なる諸元が存在するが、概ね0.1mmから0.7mmの範囲内となることが実験的に判った。0.7mmを超えるような大きな段差は逆に閉時のシール性の悪化を招く。
決定された段差寸法は機械加工により精度良く再現することができ、その結果、効率のばらつきが改善される。個体間のばらつきを抑えるためには決定された最適な段差寸法に対して0.2mmの範囲内で寸法を管理することが望ましい。
ここで、凹部141の空間には圧縮行程において高圧の冷媒ガスが残留する。この高圧の冷媒ガスは次の吸入行程において再膨張するため、気筒容積から再膨張体積分を引いた容積が実質的な気筒容積となる。この再膨張による実質的な気筒容積の減少を再膨張損といい、この再膨張損が大きくなると圧縮機の冷凍能力が低下し、また効率が低下する。従って高圧の冷媒ガスが残留する空間容積、すなわち凹部141の空間容積は小さいほど良い。
本実施の形態によれば周辺部138から台座面140へと順次浅くなる傾斜を有する傾斜部139が形成されているので、周辺部138と同じ深さで吸入リード136の基部134に対応する部分まで続く場合に較べてはるかに凹部141の空間容積を小さくすることができる。従って再膨張損を小さく抑えることで圧縮機の冷凍能力の低下を抑え、高い効率の圧縮機を実現できる。
また、バルブプレート119に設けた傾斜部139の台座面140側における終端144の位置をシリンダーボア114の延長範囲146内とすることにより、組立状態において吸入リード136がプレートガスケット150により押圧される部分にはバルブプレート119の台座面140が密接するため、吸入リード136は変形することがなく、吸入リード136の閉時におけるバネ力が個体間によりばらつかないので能力と効率の個体間におけるばらつきが改善される。
また、吸入リード136は基部134に穿設した孔142を台座面140に突設した突起部143と勘合し、台座面140に当接して収容され、孔142から突出した突起部143はシリンダーボア114の開口端114aの窪み113bに設けた逃げ孔148に勘合して収容されるため、組立時において吸入リード136の位置決めが容易であり生産性が高い。なお本実施の形態では前記のごとく孔142を突起部143と勘合するものについて記載したが、バルブプレートに通し孔を設けて吸入リードと共にリベットにて固定し、リベットと干渉が生じる他の部品に逃げ部を設けて構成することもできる。また、バルブプレートに雌螺子を螺刻して吸入リードと共に螺子にて固定し、螺子と干渉が生じる他の部品に逃げ部を設けて構成することもできる。
また、バルブプレート119のシリンダーボア114側の面は吸入弁座132の弁座面132aのみが研磨加工されており、薄板状のばね鋼材にスリットを設けることで吸入リードを形成するもののようにバルブプレートと吸入リードとの接触面のシールの必要がなく、全面を研磨加工するものと比べて加工が容易であり生産性が向上する。
さらには、薄板状のばね鋼材にスリットを設けることで吸入リードを形成するものにおいてはスリットを打ち抜く金型の設計上、スリットの幅を小さくするのには限界がある。しかし、本発明においては周辺部138と傾斜部139とからなる凹部141とピストン116のトップ面116aに設けた窪み116bの形状は焼結もしくはプレス加工にて精度良く成形され、吸入リード136は円頭部133と基部134と円頭部133と基部134とを繋ぐ腕部135の外形をプレス加工にて精度良く成形されることから組立時の隙間寸法を小さくすることができるため再膨張損失を低減して性能と効率を向上することができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における圧縮機の断面図、図9は、同実施の形態における圧縮機の要部断面図、図10は、同実施の形態における圧縮機の要部断面拡大図、図11は、同実施の形態における圧縮機のバルブプレートを示す平面図、図12は、同実施の形態における圧縮機の吸入リードを示す平面図、図13は、同実施の形態における圧縮機のピストンおよびブロックのバルブプレートに対向する側の面を示す要部斜視図、図14は、同実施の形態における圧縮機のプレートガスケットを示す平面図である。
図8から図14において、容器201は固定子202、および回転子203からなる電動要素204とこれによって駆動される圧縮機構205を収容している。
次に圧縮機構105の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト210は回転子203が圧入固定される主軸部211および主軸部211に対し偏心して形成された偏心部212から形成される。ブロック213は略円筒形のシリンダーボア214を有するとともに主軸部211を軸支する軸受け部215を有している。
シリンダーボア214に遊嵌されたピストン216は焼結成形されており、ピストンピン217を介して偏心部212との間を連結手段であるコンロッド218によって連結されている。シリンダーボア214の端面はバルブプレート219で封止されピストン216と共に圧縮室220を構成している。
ヘッド221は高圧室を形成し、バルブプレート219の反シリンダーボア214側に固定される。サクションチューブ222は容器201に固定されるとともに装置の低圧側(図示せず)に接続され、作動流体(図示せず)を容器201内に導く。サクションマフラー223は、バルブプレート219とヘッド221に挟持される。
バルブプレート219には吐出孔(図示しない)と吐出弁座(図示しない)が形成されており吐出リード(図示しない)と共に吐出バルブ(図示しない)を構成する。
また、バルブプレート219は吸入孔231と吸入弁座232とを備え、吸入リード236とともに吸入バルブ237を構成する。
吸入リード236は薄板状のばね鋼材で形成され、円頭部233と基部234と円頭部233と基部234とを繋ぐ腕部235から形成される。
バルブプレート219には吸入リード236の円頭部233および腕部235とほぼ同形状をなす凹部241が形成されている。バルブプレート219の、吸入リード236の基部234に対応する部分は吸入リード236の台座面240でバルブプレート219の端面と同一面上にある。
台座面240には一対の突起部243が突設されており、吸入リード236の基部234に穿設した一対の孔242と嵌合している。
凹部241の吸入弁座232の周辺には吸入弁座232より深い周辺部238が形成されており、周辺部238から台座面240へと順次浅くなる傾斜を有する傾斜部239が形成されている。
吸入弁座232の弁座面232aは吸入リード236の閉時の傾斜にあわせた傾斜を有する。
吸入弁座232の弁座面232aは台座面240に対して図3に示すB寸法分だけ低く形成されている。従って吸入リード236に応力がかからない状態においては、弁座面232aと円頭部233との間に図3に示すB寸法分の間隔が形成される。
バルブプレート219のシリンダーボア214側の面は吸入弁座232の弁座面232aのみが研磨加工されており、その他の部位については焼結またはプレス成形により形成される。
傾斜部239の台座面240側の終端244はシリンダーボア214の延長範囲246の仮想線内にある。
吸入リード236はシリンダーボア214に相当する円形の抜き部を有するプレートガスケット250を介して、バルブプレート219、ヘッドガスケット(図示しない)、ヘッド221と共にブロック213にボルト締結によって挟持されることで台座面240に密着する。
このとき、ブロック213のシリンダーボア214の開口端214aには吸入リード236の基部234とほぼ同形状で板厚相当の窪み213bが設けられており、吸入リード236の基部234がプレートガスケット250とともに挟持される際に生じる段差を吸収する。また、ブロック213のシリンダーボア214の開口端214aの窪み213bには逃げ孔248が設けられている。
また、ピストン216のトップ面216aには吸入リード236の円頭部233および腕部235とほぼ同形状で板厚相当の窪み216bが設けられており、バルブプレート219の台座面219aとピストン216のトップ面216aとの隙間距離と、吸入リード236とピストン216の窪み216bとの隙間距離とを同等にする。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電動要素204に外部電源より通電がされると、回転子203が回転する。回転子203はクランクシャフト210を回転させ、偏心部212の偏心運動が連結手段のコンロッド218からピストンピン217を介してピストン216を駆動することでピストン216はシリンダーボア214内を往復運動し、圧縮機構105が所定の圧縮動作を行う。
サクションチューブ222を通して容器201内に導かれた作動流体はこの圧縮動作によりサクションマフラー223から吸入バルブ237を介して吸入され、圧縮室220内で連続して圧縮され吐出バルブ(図示せず)から排出される。
作動流体が吸入バルブ237を介して圧縮室220に吸入される際、吸入弁座232の弁座面232aがバルブプレート219の台座面240よりも低い位置にあるため、吸入バルブ237の閉時において吸入リード236の腕部235と円頭部233には吸入バルブ237を開放しようとするバネ力が弾性変形によって発生する。
その結果、吸入弁座232の弁座面232aと円頭部233間のオイル粘性による貼り付き及び、バルブプレート219の台座面240や傾斜部239と腕部235のオイル粘性による貼り付きによる吸入リード236の開き遅れを防止でき応答性が改善されるので、圧縮室220への作動流体(図示せず)の吸入量が増加され、能力と効率が向上する。
このとき、バルブプレート219の台座面240と吸入弁座232の弁座面232aの段差寸法には吸入リード236の円頭部233と腕部235の板厚や形状によって決定するバネ定数や固有値、吸入弁座232の面積やオイル粘性による貼り付きの違いによって最適なる諸元が存在するが、概ね0.1mmから0.7mmの範囲内となることが実験的に判った。0.7mmを超えるような大きな段差は逆に閉時のシール性の悪化を招く。
決定された段差寸法は機械加工により精度良く再現することができ、その結果、効率のばらつきが改善される。個体間のばらつきを抑えるためには決定された最適な段差寸法に対して0.2mmの範囲内で寸法を管理することが望ましい。
ここで、凹部241の空間には圧縮行程において高圧の冷媒ガスが残留する。この高圧の冷媒ガスは次の吸入行程において再膨張するため、気筒容積から再膨張体積分を引いた容積が実質的な気筒容積となる。この再膨張による実質的な気筒容積の減少を再膨張損といい、この再膨張損が大きくなると圧縮機の冷凍能力が低下し、また効率が低下する。従って高圧の冷媒ガスが残留する空間容積、すなわち凹部241の空間容積は小さいほど良い。
本実施の形態によれば周辺部238から台座面240へと順次浅くなる傾斜を有する傾斜部239が形成されているので、周辺部238と同じ深さで吸入リード236の基部234に対応する部分まで続く場合に較べてはるかに凹部241の空間容積を小さくすることができる。従って再膨張損を小さく抑えることで圧縮機の冷凍能力の低下を抑え、高い効率の圧縮機を実現できる。
また、バルブプレート219に設けた傾斜部239の台座面240側における終端244の位置をシリンダーボア214の延長範囲246内とすることにより、組立状態において吸入リード236がプレートガスケット250により押圧される部分にはバルブプレート219の台座面240が密接するため、吸入リード236は変形することがなく、吸入リード236の閉時におけるバネ力が個体間によりばらつかないので能力と効率の個体間におけるばらつきが改善される。
また、吸入リード236は基部234に穿設した孔242を台座面240に突設した突起部243と勘合し、台座面240に当接して収容され、孔242から突出した突起部243はシリンダーボア214の開口端214aの窪み213bに設けた逃げ孔248に勘合して収容されるため、組立時において吸入リード236の位置決めが容易であり生産性が高い。なお本実施の形態では前記のごとく孔242を突起部243と勘合するものについて記載したが、バルブプレートに通し孔を設けて吸入リードと共にリベットにて固定し、リベットと干渉が生じる他の部品に逃げ部を設けて構成することもできる。また、バルブプレートに雌螺子を螺刻して吸入リードと共に螺子にて固定し、螺子と干渉が生じる他の部品に逃げ部を設けて構成することもできる。
また、バルブプレート219のシリンダーボア214側の面は吸入弁座232の弁座面232aのみが研磨加工されており、薄板状のばね鋼材にスリットを設けることで吸入リードを形成するもののようにバルブプレートと吸入リードとの接触面のシールの必要がなく、全面を研磨加工するものと比べて加工が容易であり生産性が向上する。
さらには、薄板状のばね鋼材にスリットを設けることで吸入リードを形成するものにおいてはスリットを打ち抜く金型の設計上、スリットの幅を小さくするのには限界がある。しかし、本発明においては周辺部238と傾斜部239とからなる凹部241とピストン216のトップ面216aに設けた窪み216bの形状は焼結もしくはプレス加工にて精度良く成形され、吸入リード236は円頭部233と基部234と円頭部233と基部234とを繋ぐ腕部235の外形をプレス加工にて精度良く成形されることから組立時の隙間寸法を小さくすることができるため再膨張損失を低減して性能と効率を向上することができる。
さらには、吸入リード236が閉時において吸入弁座232の弁座面232aに衝突する際、吸入弁座232の弁座面232aを吸入リード236の閉時の傾斜にあわせた傾斜で設け、また周辺部238および傾斜部239を吸入リード236の閉時の位置よりも低くすることにより、吸入リード236の円頭部233は吸入弁座232の全周にわたってほぼ同時に衝突する。その結果、吸入リード236の片当たりを防止し、吸入弁座232と吸入リード236にかかる衝撃を抑えることができるので耐久性を向上することができる。また、吸入リード236が吸入弁座232の弁座面232aにほぼ平行に全周にわたってほぼ同時に着座することからシール性が向上し、性能と効率が向上する。
なお、吸入リード236の閉時の傾斜については実測やCAEで求めることができる。
以上のように、本発明にかかる圧縮機は、吸入弁座の高さを加工により精度良く仕上げることから吸入バルブの閉状態において吸入リードには開方向への安定したバネ力が生じ、性能と効率が良く個体間におけるばらつきを小さくすることが可能となるので、冷蔵庫に加えて空調や自販機等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における圧縮機の断面図 同実施の形態の圧縮機の要部断面図 同実施の形態の圧縮機の要部断面拡大図 同実施の形態の圧縮機のバルブプレートを示す平面図 同実施の形態の圧縮機の吸入リードを示す平面図 同実施の形態の圧縮機のピストンのトップ面およびシリンダーボアの開口端を示す要部斜視図 同実施の形態の圧縮機のプレートガスケットを示す平面図 本発明の実施の形態2における圧縮機の断面図 同実施の形態の圧縮機の要部断面図 同実施の形態の圧縮機の要部断面拡大図 同実施の形態の圧縮機のバルブプレートを示す平面図 同実施の形態の圧縮機の吸入リードを示す平面図 同実施の形態の圧縮機のピストンのトップ面およびシリンダーボアの開口端を示す要部斜視図 同実施の形態の圧縮機のプレートガスケットを示す平面図 従来の圧縮機の断面図 従来の圧縮機の要部断面図 従来の圧縮機の吸入リードを示す平面図 従来の圧縮機の吸入リードを示す斜視図
符号の説明
113,213 ブロック
113b,116b,213b,216b 窪み
114,214 シリンダーボア
114a,214a 開口端
116,216 ピストン
116a,216a トップ面
119,219 バルブプレート
131,231 吸入孔
132,232 吸入弁座
132a,232a 弁座面
134,234 基部
136,236 吸入リード
137,237 吸入バルブ
138,238 周辺部
139,239 傾斜部
142,242 孔
143,243 突起部
144,244 終端
146,246 延長範囲

Claims (6)

  1. シリンダーボアを形成したブロックと、前記シリンダーボア内を往復運動するピストンと、前記ブロックの前記シリンダーボアの開口端を封止するように配置されたバルブプレートを備え、前記バルブプレートに穿設した吸入孔と、前記吸入孔の前記シリンダーボア側の外周に形成された吸入弁座と、前記吸入弁座を開閉する薄板状の吸入リードとで形成された吸入バルブを有し、前記ピストンの前記バルブプレート側のトップ面および前記シリンダーボアの前記開口端に前記吸入リードに対応する窪みを設けるとともに、前記吸入弁座の弁座面を前記バルブプレートの端面に設けられ前記吸入リードが固定される台座面より低く形成した圧縮機。
  2. 吸入弁座の周辺部からバルブプレートの台座面の、吸入リードの基部に対応する位置に向かって傾斜する傾斜部をバルブプレートに設けた請求項1に記載の圧縮機。
  3. 吸入弁座の弁座面を吸入リードの閉時の傾斜にあわせて傾斜した請求項1または請求項2に記載の圧縮機。
  4. 周辺部と傾斜部の終端がシリンダーボアの延長範囲内に位置する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧縮機。
  5. バルブプレートに突起部を突設すると共に前記突起部に対応する吸入リードの基部に孔を穿設した請求項1に記載の圧縮機。
  6. バルブプレートのブロックに対向する側は吸入弁座の弁座面の部分のみ研磨加工した請求項1に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009281269A (ja) * 2008-05-22 2009-12-03 Panasonic Corp 密閉型圧縮機
CN103380298A (zh) * 2011-02-08 2013-10-30 学校法人斗源学院 压缩机的阀板组件
WO2015015625A1 (ja) * 2013-08-01 2015-02-05 京セラ株式会社 圧電ポンプ
CN105392991A (zh) * 2013-06-14 2016-03-09 学校法人斗源学院 用于压缩机的阀板组装件

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