WO2015015625A1 - 圧電ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 吐出流量をより増加させることのできる圧電ポンプを提供する。 【解決手段】 本発明の圧電ポンプは、圧電素子11を備えたポンプ室1と、ポンプ室1に通じる流体吸込部21および流体吐出部22とを有し、流体吸込部21および流体吐出部22にはそれぞれ一方の端部が固定された板状の弁31および弁32が設けられてなる圧電ポンプにおいて、弁31および弁32に切欠き30が設けられていることを特徴とするものである。これにより、振動板の駆動周波数を上げたとしても弁の追従性がよく、吐出流量をより増加させることができるようになる。
Description
本発明は、圧電素子の駆動により振動する振動板をダイヤフラムとして用いた圧電ポンプに関するものである。
従来より、圧電振動子(圧電素子)の駆動により流体の流量を制御して吐出することのできるダイヤフラム構造の圧電ポンプが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この圧電ポンプは、流体の入口側(流体吸込部)と出口側(流体吐出部)に、流体の逆流を防ぐための弁が設けられている。また、弁の開閉は一般に毎秒50回~60回(50Hz~60Hz)で行われているが、さらに弁の開閉が速いものも求められている。
ここで、圧電ポンプの吐出流量を増加させるために、振動板の駆動周波数(圧電素子の駆動周波数)を上げたとしても、弁の開閉が追従できずに十分な吐出流量の増加が見込めないおそれがあるという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、吐出流量をより増加させることのできる圧電ポンプを提供することを目的とする。
本発明の圧電ポンプは、圧電素子を備えたポンプ室と、該ポンプ室に通じる流体吸込部および流体吐出部と、前記流体吸込部および前記流体吐出部にそれぞれ設けられており、一方の端部が固定された板状の弁とを有し、前記弁に切欠きが設けられているものである。
本発明の圧電ポンプによれば、弁に切欠きを設けることにより、切欠きが支点となって弁が大きく開閉するとともに、切欠きにより曲げ剛性が低くなって開閉速度も向上する。その結果、振動板の駆動周波数を上げても、弁の動きが追従できるため、吐出流量を増加させることができる。
本発明の圧電ポンプの実施の形態の一例について図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は本発明の圧電ポンプの実施の形態の一例を示す概略断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す弁31(吸込弁)のポンプ室1側から見た一例を示す概略上面図である。
図1に示す圧電ポンプは、圧電素子11を備えたポンプ室1と、ポンプ室1に通じる流体吸込部21および流体吐出部22とを有し、流体吸込部21および流体吐出部22にはそれぞれ一方の端部が固定された板状の弁31および弁32が設けられている。また、弁31(吸込弁)および弁32(吐出弁)には切欠き30が設けられている。
ポンプ室1は、圧電素子11と振動板12とから構成された、屈曲振動する圧電振動板13を備えている。
圧電素子11としては、圧電体を介して表面電極が互いに対向するように配置された構造のもの、圧電体と内部電極とが積層された構造のもの等が挙げられる。
また、ポンプ室1は屈曲可能な振動板12を備えている。振動板12は、ポンプ室1の内部空間を仕切るように配置されていて、仕切られた空間のうちの一方である流体通過空間14を流体が通過するようになっていて、圧電素子11がこの振動板12の流体通過空間14とは反対側の面上に固着されている。なお、振動板12は、SUS等の金属材料やアクリル等の樹脂材料を好適に用いて形成することができる。
図に示す例では、ポンプ室1は例えば第1の筐体61と第2の筐体62とを嵌め合わせることで形成された内部空間であり、振動板12の周縁部が第1の筐体61と第2の筐体62とで挟持されることによって振動可能に固定されている。
また、本発明の圧電ポンプは、ポンプ室1に通じる流体吸込部21および流体吐出部22を有している。この流体吸込部21および流体吐出部22には、それぞれ流体の逆流を防止するように板状の弁31(吸込弁)および弁32(吐出弁)が設けられている。
流体吸込部21および流体吐出部22には、流体を吸い込む吸込孔41と流体を吐出する吐出孔42とが設けられているとともに、吸込孔41および吐出孔42よりも流路の径が大きい弁収容室51、52が設けられていて、この弁収容室51、52に板状の弁31(吸込弁)および弁32(吐出弁)が収容されている。
吸込孔41および吐出孔42としては、例えば開口部(流路の横断面)が円形の場合、例えば直径1mm~3mmのものを採用することができる。そして、吸込孔41および吐出孔42の直径が上記範囲の場合、弁31、32は、吸込孔41および吐出孔42の開口部を塞ぐことができるように、吸込孔41および吐出孔42の直径よりも大きく、例えば長さ3mm~6mm、幅2mm~5mm、厚み0.2mm~0.5mmのシート状または薄板状に形成されている。また、弁31、32は、ニトリルブタジエンゴム等のゴム、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂、リン青銅等の金属が挙げられる。
なお、図に示す例では、第2の筐体62と第3の筐体63とを嵌め合わせることで、弁31、32のそれぞれの一方の端部(固定端部311)が第2の筐体62と第3の筐体63とで挟持されることによって開閉可能に固定されている。なお、固定端部311は、その全体が第2の筐体62と第3の筐体63とで挟持され固定されてもよく、その一部が固定されてもよい。そして、弁31は弁収容室51の流体が流れる上流側であって吸込孔41の開口部に開閉可能に配置され、弁32は弁収容室52の流体が流れる上流側であってポンプ室1の流体通過空間14に通じる開口部に開閉可能に配置されている。
そして、圧電素子11が駆動することによって、振動板12が屈曲する。例えば、図2(a)に示すように、振動板12が上側(流体通過空間14とは反対側)に凸となるように撓むことで、上流側の弁31が開くと同時に下流側の弁32が閉じて、流体がポンプ室1の流体通過空間14に吸引される。また、図2(b)に示すように、振動板12が下側(流体通過空間14側)に凸となるように撓むことで、上流側の弁31が閉じると同時に下流側の弁32が開いて、流体がポンプ室1の流体通過空間14から吐出される。この動作が繰り返されることによって、ポンプ機能を発現する。
ここで、流体の吐出流量を増加する手段として、単位時間当たりの振動板12の撓む回数を増加させること、すなわち振動板12の駆動周波数を向上させるという方法があるが、これに伴って、単位時間当たりの弁31、32の開閉回数を増加させること、すなわち弁31、32の開閉速度を向上させる必要がある。
そこで、本実施形態の圧電ポンプにおいては、弁31、32に切欠き30が設けられている。これにより、弁31、32の開き量とともに開閉速度を向上できるため、結果として流体の吐出流量を増加させることができる。
なお、流体吸込部21および流体吐出部22の構成としては本例に示すものに限定されない。また、例えば弁31がポンプ室1(流体通過空間14)の入口の内側に設けられ、弁32がポンプ室1(流体通過空間14)の出口の内側に設けられた構成であってもよい。
以下、弁31(吸込弁)の切欠き30の実施形態の例について説明する。なお、弁32(吐出弁)についての説明は省略するが、弁32も弁31と同様の構造である。
ここで、図1(b)および図1(c)の弁31は、切欠き30が弁31の主面に設けられた溝である。このように、切欠き30の厚みが他の部位よりも薄くなることで、弁31が曲がりやすくなるため、弁31の開き量と開閉速度が向上する。
切欠き30は弁31のどの部位に設けられたとしても、切欠き30を曲げの支点として開閉しやすくなる効果が得られるが、吸込孔41の開口部と弁31の固定端部311との間にあるのが好ましく、特に図3に示すように、切欠き30は弁31における固定された一方の端部(固定端部311)に隣接する部位に設けられるのが好ましい。切欠き30は、固定端部311に隣接する部位に設けられることで、固定と溝による曲げの支点を集中させて開き量を大きくするとともに、吸込孔41の開口部位置の弁31とのずれによるねじれを生じにくくする。
また、この切欠き30が溝である場合、溝は弁31における一方の主面に設けられればよいが、図4に示すように、流体の流れ方向の上流側となる主面に設けられるのが好ましい。なお、図4において溝が破線で記載されているのは、上流側となる主面である下側の主面(ポンプ室1側から見て反対側の主面)に溝が設けられていることを示している。これにより、切欠き30がより開閉しやすくなる。
なお、図3に示すように切欠き30である溝を下流側の主面に設けてもよい。溝を下流側の主面に設けることで、吸込孔41の開口部位置と切欠き30との位置が重なった構造とすることもできる。ここで、溝が下流側の主面にある場合は、弁31の開閉の妨げにならないように、溝の深さおよび幅が適宜設定される。また、切欠き30である溝は両主面に設けられてもよい。
なお、溝の底部が先細り状になっていてもよく、さらに切欠き30を開閉しやすくすることができる。
また、弁31の他の例として、図5に示す例の弁31は、切欠き30が弁31の幅方向の両側から切り込まれた切込み(略同等に切り込まれた切込み)である。この構成によれば、切欠き30(切込み)において弁31の幅が狭くなることで弁31が曲がりやすくなるため、弁31の開閉速度を向上させることができる。また、幅方向の両側から略同等に切り込まれた切込みであることで、吸込孔41の開口部位置のずれによるねじれが生じにくくなる。特に、図6に示すように、切欠き30の先端部が狭くなっていることで、弁31の開閉速度をより向上させることができる。
また、図7に示すように、切欠き30の幅の中心が先端に向かうにつれて固定された一方の端部(固定端部311)に近づいているのが好ましい。言い換えると、切欠き30(切込み)は、弁31の幅が一方の端部(固定端部311)の側に向かって徐々に狭くなるように切り込まれ、切欠き30(切込み)切込みの先端部が一方の端部(固定端部311)の側に偏っているのが好ましい。この構成によれば、支点を弁31の固定端部311の根元にし、吸込孔41の開口部位置のずれによるねじれをさらに抑制できるとともに、弁の開閉速度をさらに向上させることができる。
また、図8に示すように、切欠きの先端を曲面にするのが好ましい。言い換えると、切欠き30(切込み)の先端部が平面視で丸みを帯びているのが好ましい。これにより、切欠き30の先端への応力集中が緩和でき、弁31の繰り返しの変形による強度低下を防止することができる。
なお、弁31の繰り返しの変形による強度低下を防止するという点で、図3(b)、図4(b)に示す切欠き30(溝)の凹んだ内側の角部が丸みを帯びていてよく、図5に示す切欠き30(切込み)の凹んだ内側の角部が丸みを帯びていてもよい。
1 ポンプ室
11 圧電素子
12 振動版
13 圧電振動板
14 流体通過空間
21 流体吸入部
22 流体吐出部
31、32 弁
30 切欠き
311 固定端部
41 吸入孔
42 吐出孔
51、52 弁収容室
61 第1の筐体
62 第2の筺体
63 第3の筺体
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Claims (8)
- 圧電素子を備えたポンプ室と、該ポンプ室に通じる流体吸込部および流体吐出部と、前記流体吸込部および前記流体吐出部にそれぞれ設けられており、一方の端部が固定された板状の弁とを有し、前記弁に切欠きが設けられていることを特徴とする圧電ポンプ。
- 前記切欠きは、固定された前記一方の端部に隣接する部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電ポンプ。
- 前記切欠きは前記弁の上流側となる主面に設けられた溝であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電ポンプ。
- 前記切欠きは幅方向の両側から切り込まれた切込みであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電ポンプ。
- 前記溝の底部が先細り状になっていることを特徴とする請求項3に記載の圧電ポンプ。
- 前記切込みの先端部が狭くなっていることを特徴とする請求項4に記載の圧電ポンプ。
- 前記切込みは、前記弁の幅が前記一方の端部の側に向かって徐々に狭くなるように切り込まれ、前記切込みの前記先端部が前記一方の端部の側に偏っていることを特徴とする請求項6に記載の圧電ポンプ。
- 前記切込みの前記先端部が平面視で丸みを帯びていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の圧電ポンプ。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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PCT/JP2013/070947 WO2015015625A1 (ja) | 2013-08-01 | 2013-08-01 | 圧電ポンプ |
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- 2013-08-01 WO PCT/JP2013/070947 patent/WO2015015625A1/ja active Application Filing
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