JP5169693B2 - 圧電ポンプ - Google Patents
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Description
特許文献1の圧電ポンプは、ケーシングの内面形状が、ポンプ圧縮(吐出)工程における圧電振動子の最大振幅時において、ケーシングと圧電振動子との間に間隙が殆ど生じないように構成されている。即ち、最大振幅時の圧電振動子の撓み形状とケーシングの内面とがほぼ同一の形状となるように、ケーシングの内面が加工されている。
(1)交流電圧の印加によって振動する圧電振動子と、
前記圧電振動子によって屈曲変形するダイヤフラムと、
少なくとも1つの壁面が前記ダイヤフラムで構成されたポンプ室と、
前記ポンプ室へ、液体、気体、または液体と気体の混合体である流体が流入する流入口と、
前記ポンプ室から前記流体が排出する排出口と、
前記流入口への前記流体の逆流及び前記排出口からの前記流体の逆流を阻止する逆止弁と、
前記ポンプ室内に設けられ、内部の孔に前記液体が保持される多孔質の液体保持用部材と、
を備える。
この構造により、前記ダイヤフラムに対向する前記ポンプ室の内面及び前記ダイヤフラムに前記液体保持用部材が接触しても、前記液体保持用部材が前記ダイヤフラムに対向する前記ポンプ室の内面及び前記ダイヤフラムに損傷を与えることがない。
この構造により、前記ポンプ室内での前記液体保持用部材の位置が定まり、安定した特性が得られる。
この構造により、低背化やポンプ容積低減のためにポンプ室の高さを極力薄くした場合でも、液体が流路用溝による流路が確保されるため、流路抵抗による圧力損失の影響を受けずに流量を確保できる。
前記圧電振動子65は、交流電圧の印加によって振動し、前記ダイヤフラムを屈曲変形させる。圧電振動子65の2つの電極はコネクタ68に電気的に接続されている。
流路板62、ポンプ室板63、及びダイヤフラム64はそれぞれPETシートを加工したものである。液体保持用部材58は発泡樹脂の成形体であり、具体的にはポリウレタンフォームを円板状に加工したものである。その他、セラミック多孔質体、網目状金属部材、フェルト等の繊維体などを用いることができる。
ダイヤフラム64の上部には弁室板66が配置され、この弁室板66のさらに上部に底板67が配置される。なお、上述したとおり、組み立てられた圧電ポンプ101を実際に使用する際に、底板67が下面側になるように用いる。そのため、図3においては最上層に位置する部品ではあるが、ここではその名称を「底板」という。
ポンプ室52:直径14.5mm×厚さ0.075mm
圧電振動子65:17mm×0.3mm
液体保持用部材58:直径14.0mm×厚さ0.06mm
ダイヤフラム64:19.4mm×28.8mm×厚さ0.075mm
圧電ポンプ101全体:24mm×33mm×1.325mm
図4(A)(B)に示すように、ポンプ室52の内部には、ほぼ円板形状の液体保持用部材58が非固定状態で配置されている。液体保持用部材58は、内部に微小な孔を備えた多孔質体であるので、ポンプ室52内に入った液体は、液体保持用部材58の内部の微小な孔(空間)に毛管現象または微小な孔に液体が充填されることにより保持(トラップ)される。
図4に示した例では、液体保持用部材58の厚み寸法を、ポンプ室52の高さ(厚み)を定めるポンプ室板63の厚み寸法より僅かに薄くしたが、液体保持用部材58の厚み寸法は、ポンプ室板63と同じか僅かに厚くて、液体保持用部材58がダイヤフラム64と天板シート61との間に挟まれていてもよい。特に、液体保持用部材58に柔軟性または弾性があれば、液体保持用部材58の厚み寸法を、ポンプ室板63の厚み寸法と同等の厚みに成形したとしても、圧電振動子の駆動を阻害することがなく、最大のエアー圧力を得ることが可能となり、より好ましい。
圧電振動子65は、その圧電振動子65に対する印加電圧に応じてダイヤフラム64をたわませる。これによりポンプ室52の容積が拡張または収縮する方向に屈曲変形する。したがって圧電振動子65に交流電圧を印加することによって、ポンプ室52の容積は拡張/収縮が繰り返されることになる。
ダイヤフラム64の振動によってポンプ室52が発生する圧力ΔPは、
ΔP=ポンプ室の剛性K×ポンプ室の容積変化ΔV
で表される。前記ポンプ室の剛性Kは、
K=1/{(1/Ka)+(1/Kp)+(1/Kt)}
で表される。ここで、Kaはダイヤフラム64の剛性、Kpはポンプ室内の気体の剛性、Ktは流路板62及び天板シート61を含めた天板60の剛性である。
ΔV=Vmax−Vmin
で表される。
ΔPa=〔1/{(1/Ka)+(1/Kp)+(1/Kt)}〕×ΔV
液体の吐出圧ΔPlは、
ΔPl≒〔1/{(1/Ka)+(1/Kt)}〕×ΔV
で表される。
また、流量はΔV×F(駆動周波数)である。
ΔPa≒Kp×ΔV
と表される。ポンプ室内の気体の剛性Kpは、定数をCとすると、
Kp=C/V
と表すことができ、ポンプ室内の気体にかかるエアー圧力ΔPaは、
ΔP≒C×ΔV/V
の関係が成り立つ。
上述のとおり、液体保持用部材内部に微小な孔が存在し、液体が保持されるため、気体にとって見かけ上のポンプ室容積が減少して、エアー圧力が向上する。
(a)一旦ポンプ室内に液体が流れるとポンプ室内に液体が微小な孔によりトラップされるので、初期状態(一回も液体を通していない状態)と比較すると、ポンプ室容積が気体にとって見かけ上小さくなり、エアー圧力が向上する。そのため、気泡の排出効率が向上して、ポンプ室内に気泡が混入してきた場合でも、ポンプ動作が停止する不具合が発生しない。また、輸送する液体そのものによりポンプ容積を低減させているため、流路抵抗の増加による流量の減少が生じるという不具合も発生しない。
52…ポンプ室
53…排出口
54,55…逆止弁
58…液体保持用部材(発泡樹脂シート)
59…流路用溝
59A,59B…流路用溝
60…天板
61…天板シート
62…流路板
63…ポンプ室板
64…ダイヤフラム
65…圧電振動子
66…弁室板
67…底板
68…コネクタ
101…圧電ポンプ
H…弁室
Claims (4)
- 交流電圧の印加によって振動する圧電振動子と、
前記圧電振動子によって屈曲変形するダイヤフラムと、
少なくとも1つの壁面が前記ダイヤフラムで構成されたポンプ室と、
前記ポンプ室へ、液体、気体、または液体と気体の混合体である流体が流入する流入口と、
前記ポンプ室から前記流体が排出する排出口と、
前記流入口への前記流体の逆流及び前記排出口からの前記流体の逆流を阻止する逆止弁と、
前記ポンプ室内に設けられ、内部の孔に前記液体が保持される多孔質の液体保持用部材と、
を備えた圧電ポンプ。 - 前記液体保持用部材は発泡樹脂の成形体である、請求項1に記載の圧電ポンプ。
- 前記液体保持用部材は、前記ダイヤフラムに対向する前記ポンプ室の内面と前記ダイヤフラムとの間に挟み込まれた、請求項2に記載の圧電ポンプ。
- 少なくとも前記ポンプ室の内面に前記流体の流路用溝を設けた、請求項1〜3のいずれかに記載の圧電ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2008251409A JP5169693B2 (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | 圧電ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008251409A JP5169693B2 (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | 圧電ポンプ |
Publications (2)
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Family
ID=42248746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008251409A Active JP5169693B2 (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | 圧電ポンプ |
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- 2008-09-29 JP JP2008251409A patent/JP5169693B2/ja active Active
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