JP2004239220A - マイクロポンプおよび液体微量処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で、低電圧によるポンプ駆動や小型化が可能で、低コスト化が図れ、液体の送液量が増えて液体が電解質溶液でも送液中に電気分解を起こさず、またタンパク溶液の変性を起こさないマイクロポンプおよび液体微量処理装置を提供する。
【解決手段】ポンプ駆動手段13により容積変更が繰り返される内部流路12の一部分より下流部分に抵抗充填物17を充填したので、流入口12aから内部流路12に流れ込んだ液体試料は、逆流することなく流出口12bへ連続的に送液される。よって、従来のマイクロポンプや液体微量処理装置に比べて構造が簡単で、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能となり、低コスト化も図れる。しかも、単位時間あたりの送液量も増加でき、液体試料が電解質溶液の際でも、送液中に電気分解を起こさず、またタンパク溶液の変性を起こさない。
【選択図】 図1
【解決手段】ポンプ駆動手段13により容積変更が繰り返される内部流路12の一部分より下流部分に抵抗充填物17を充填したので、流入口12aから内部流路12に流れ込んだ液体試料は、逆流することなく流出口12bへ連続的に送液される。よって、従来のマイクロポンプや液体微量処理装置に比べて構造が簡単で、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能となり、低コスト化も図れる。しかも、単位時間あたりの送液量も増加でき、液体試料が電解質溶液の際でも、送液中に電気分解を起こさず、またタンパク溶液の変性を起こさない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロポンプおよび液体微量処理装置、詳しくは極微量の液体を圧送するマイクロポンプと、これを利用することで液体の化学反応、分離、定量、検査などを行う液体微量処理装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロマシン技術の一種として、液体を利用するFluid MEMS(Micro Electro Mechanical System)が知られている。これは、例えばDNAチップ、DNAアレイなどの遺伝子診断マイクロチップとして利用され、ポストゲノム研究およびプロテオーム研究には欠かせないツールである。
液体マイクロシステムはマイクロポンプ、ミキサ、バルブ、リアクタ、セパレータ、センサなどの各要素を基板(チップを含む)上に実装し、パッケージ化したものである。
【0003】
従来、このFluid MEMSに搭載されるマイクロポンプとして、例えば特許文献1、および、特許文献2などに記載のものが知られている。両マイクロポンプは、何れも基板と、基板の露出面に離間して形成された液体の流入口と流出口とを連通する内部流路と、内部流路に設けられたバルブと、このバルブ駆動用の複数個の圧電素子などを連動させる機構とにより構成される。
【0004】
【特許文献1】特開平2−149778号公報
【特許文献2】特開平8−42457号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記バルブを有するマイクロポンプ(特許文献1,特許文献2)にあっては、バルブと圧電素子などとの連動機構が複雑であるとともに、高い駆動電圧を必要としていた。また、高電圧を消費するにも拘らず、送液量はナノリットル/minオーダーと少量であり、内部流路を通過するために数十分以上も要していた。これにより、内部流路の途中部に形成されたチャンバに設置された流体センサが液体を検知する応答時間と、液体の送液時間とに大きな時間的ギャップが発生していた。さらに、電解質溶液の送液時には、送液中の電解質溶液が電気分解し、とりわけ血液または蛋白溶液の送液時には、短時間で電極上に炭素質が析出し、劣化していた。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、構造が簡単で、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能で、低コスト化が図れるとともに液体の送液量を増加させることができ、しかも液体が電解質溶液の場合でも送液中、電気分解しにくいマイクロポンプおよび液体微量処理装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板と、該基板に設けられ、該基板に離間して形成された液体の流入口と流出口とを連通する内部流路と、前記基板に動力伝達可能に取り付けられ、前記内部流路の一部分に対して容積変更を繰り返すことで液体を流出口に圧送するポンプ駆動手段とを備えたマイクロポンプにおいて、前記内部流路の一部分より下流部分には、前記液体の流動抵抗となる抵抗充填物が充填されたマイクロポンプである。
【0008】
基板の素材は限定されない。例えば、各種の金属、各種の合成樹脂、ガラスを含む各種のセラミックス、生体組織などを採用することができる。要は、内部流路を流れる液体が浸透せず、液体による腐食が発生しない素材であればよい。
基板の大きさ、形状も限定されない。例えば、平板形状またはフィルム形状でもよい。
基板に内部流路を形成する方法は限定されない。例えば、基板を貼り合わされる2枚の板片から構成し、一方の板片の貼り合わせ面、または、両方の板片の貼り合わせ面に各種のエッチング液によるウエットエッチング、各種のエッチングガスによるドライエッチング、ドリルによる機械加工、鋳型によるホットプレスなどを施して内部流路を形成することができる。
この場合、両板片の貼着方法は限定されない。例えば、溶融圧着法、接着剤による接着法、板片の表面の帯電作用を利用した陽極接合法、ねじなどによる板片どうしの圧着固定法など、内部流路を閉塞しない方法であればよい。
【0009】
内部流路の長さおよび幅は限定されない。ただし、内部流路の幅は500μm以上が好ましい。しかも、流出口からの液体の吐出量に基づき、最適の長さおよび最適の幅を求める方がよい。内部流路の途中部にはチャンバを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
液体の種類は限定されない。例えば、水、血液、蛋白溶液などを採用することができる。
ポンプ駆動手段の種類は限定されない。例えば、ピエゾ素子、電磁素子などを採用することができる。その他にも、楕円形回転体を回転させて内部流路の一部分に対する容積変更を行う回転駆動部、または、基板に振動を与えて内部流路の一部分に対する容積変更を行うバイブレータなどを採用することができる。
ピエゾ素子、電磁素子などは、内部流路(チャンバを含む)の一部分内または基板の一部分内に配置し、この部分に対して機械的振動、電気的振動または磁気的振動を作用させてもよい。基板の一部分内に前記素子を配置する場合には、基板をゴム、高分子材料、導電性ポリマー、磁力流体などで作製する方が好ましい。その他、基板の外部から機械的な振動を作用させて、チャンバなどの内部流路の一部分に対する容積変更を繰り返すようにしてもよい。
【0010】
抵抗充填物の素材としては、例えば各種のセラミックス、各種の合成樹脂、各種の金属などを採用することができる。抵抗充填物の形状としては、例えば微粒子形状、繊維形状、多孔質形状などを採用することができる。具体的には、ウレタンフォームなどの高分子材料、炭素材料などが挙げられる。内部流路内で液体が凝集して閉塞が発生するおそれが少なく、基板が腐食しにくい素材が好ましい。
抵抗充填物は、内部流路の全長のうち、ポンプ駆動手段により流路断面積を変動させられる部分より、少なくとも下流部分に充填されていればよい。例えば、内部流路の一部分に液体をいったん貯留するチャンバが設けられている場合、このチャンバにだけ抵抗充填物を充填してもよい。または、チャンバとそれより下流部分の内部流路とに充填物を充填してもよい。流路断面積が変動させられる一部分にも抵抗充填物を充填することができる。チャンバ内での抵抗充填物の空隙率は限定されない。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記内部流路は、前記液体をいったん貯留するとともに、前記抵抗充填物が充填されるチャンバと、前記内部流路のうち、前記チャンバよりも上流部分を構成する上流側部分流路と、前記内部流路のうち、前記チャンバよりも下流部分を構成する下流側部分流路とを有している請求項1に記載のマイクロポンプである。
チャンバの形状および大きさは限定されない。
液体を流入口から流出口に送液するに際して、上流側部分流路(S)と下流側部分流路(L)との長さの関係は、チャンバを有する平面型チップポンプにおける液体送液方向の法則(整流特性)により決定される。すなわち、(1) チャンバ内に抵抗充填物が存在しない場合にはS≧Lである。(2) また、チャンバ内に抵抗充填物が存在する場合にはS<Lとなる。このとき、チャンバ内で振動が加えられる部分は、チャンバの上流部とする。液体の送液量は、下流側部分流路の長さおよび幅と、チャンバの面積(またはチャンバの振動数)とによって決定される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記抵抗充填物の空隙率が40〜60%である請求項2に記載のマイクロポンプである。
空隙率が40%未満ではチャンバが閉塞するという不都合が生じる。また、60%を超えると流体抵抗が小さくなるため、送液不可能という不都合が生じる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記ポンプ駆動手段は、前記チャンバの上流部に対して容積変更を繰り返す請求項2または請求項3に記載のマイクロポンプである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記ポンプ駆動手段は、楕円形回転体を回転させて内部流路の一部分の容積変更を行う回転駆動部、または、前記基板に振動を与えて内部流路の一部分の容積変更を行うバイブレータである請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
楕円形回転体は、断面形状が楕円形を有する回転体である。これを回転させて基板に形成された内部流路の一部分に対する容積変更を行う。回転駆動部は、例えば電動モータなどの駆動源を有している。
バイブレータの種類は限定されない。例えば、振動モータなどを採用することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記回転駆動部またはバイブレータの駆動電圧が、1〜5Vである請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
好ましい駆動電圧は1.5〜3Vである。1V未満では回転駆動部またはバイブレータが正常に作動しないおそれがある。また、5Vを超えると回転振動体またはバイブレータが加熱するおそれが生じる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記抵抗充填物は粉粒物、繊維状物および多孔質材のうち、少なくとも1つである請求項1〜請求項6のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
抵抗充填物は粉粒物だけ、繊維状物だけでもよい。また、多孔質材だけでもよい。さらには粉粒物と繊維状物との混合物でもよいし、粉粒物と多孔質材との混合物でもよい。さらにまた、繊維状物と多孔質材との混合物でもよい。もしくは、粉粒物と繊維状物と多孔質材との混合物でもよい。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記上流側部分流路の幅が500〜1000μm、前記下流側部分流路の長さが500mm以下である請求項1〜請求項7のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
上流側部分流路の好ましい幅は500〜1000μmである。本マイクロポンプは流体を加圧して送液する方式ではないため、500μm未満では流路内に液体を流すことが困難である。また、1000μmを超えるとチャンバーの振動により液体の漏れが生じ、送液が不可能になるという不都合が生じる。
下流側部分流路の長さが500mmを超えると流路抵抗が大きくなり、送液が困難になる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、基板に、液体の流入口と流出口とを連通する内部流路が設けられ、ポンプ駆動手段により、前記内部流路の一部分に対する容積変更を繰り返すことで液体を流出口に向かって圧送するマイクロポンプと、前記内部流路内の液体に対して所定の処理を行う液体処理手段とを備えた液体微量処理装置において、前記マイクロポンプは、請求項1〜請求項8の何れかに記載されたマイクロポンプである液体微量処理装置である。
液体微量処理装置の種類は限定されない。例えば、DNAチップ、DNAアレイなどの遺伝子診断マイクロチップを採用することができる。その他、マイクロリアクター、膜分離、液相抽出器、細胞・細菌培養器、液体・気体混合器などを用いることができる。
液体処理手段による液体の処理は限定されない。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記液体処理手段は、前記液体を化学的に反応させる液体反応部、前記液体から一部を分離する液体分離部、前記液体を定量する液体定量部、前記液体を検査する液体検査部のうち、少なくとも何れか1つを有している請求項9に記載の液体微量処理装置である。
液体反応部による液体の反応は限定されない。例えば、酸−塩基の呈色反応、強酸性水による細胞膜の破壊、ポリペプチドの加水分解反応などを採用することができる。
液体分離部による液体の分離は限定されない。例えば、油層と水層、水層−水層、油層−油層からなる多層流界面における物質の分離などを採用することができる。
液体定量部による液体の定量は限定されない。例えば、血液中の無機イオン濃度、尿中に含まれるタンパク質、糖の定量などを採用することができる。
液体検査部による液体の検査は限定されない。例えば、唾液中に含まれる血清成分や細菌の検査などを採用することができる。
【0020】
液体処理手段は、液体反応部だけ、液体分離部だけ、液体定量部だけ、液体検査部だけを有するものでもよい。また液体処理手段は、液体反応部と液体分離部とだけ、液体反応部と液体定量部とだけ、液体反応部と液体検査部とだけを有するものでもよい。さらに液体処理手段は、液体反応部と液体分離部と液体定量部とだけ、液体反応部と液体分離部と液体検査部とだけ、液体分離部と液体定量部と液体検査部とだけを有するものでもよい。そして液体処理手段は、液体反応部、液体分離部、液体定量部および液体検査部の全てを有するものでもよい。
【0021】
【作用】
この発明のマイクロポンプおよび液体微量処理装置によれば、ポンプ駆動手段により内部流路の一部分(チャンバ)に圧力を作用させる。これにより、この一部分に対する容積が小さくなり、その中の液体は流入口側と流出口側との両方にそれぞれ移動される。次に、ポンプ駆動手段からの圧力が解放されると、内部流路が元の大きさに戻る。その際、内部流路の一部分内で負圧力が発生する。あらかじめ内部流路の一部分より下流部には抵抗充填物が充填されている。その結果、流出口側に移動した液体の大半は負圧力に伴う戻り方向の移動が抵抗充填物により阻止される。これにより、内部流路の一部分内に液体は逆流せず、そのまま流出口側に残る。一方、内部流路の一部分より上流部には抵抗充填物による流路抵抗が存在しない。そのため、液体は流入口側から内部流路の一部分内に流れ込む。このときの流入量は、前記流入口側に移動した液体の分だけでなく、前記流出口側に残った液体の分を含む量である。
【0022】
このような作動をポンプ駆動手段の駆動中、常時、繰り返すことで、流入口から内部流路の一部分に流れ込んだ液体は流出口に向かって連続的に送液される。これにより、従来のピエゾ素子を利用したタイプと比べて構造が簡単になり、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能で低コスト化も図れる。しかも、単位時間あたりの送液量も増加することができ、液体が電解質溶液の際でも送液中に電気分解を起こさない。また、たんぱく溶液では変性を起こさない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して第1の実施例を説明する。
図1および図2において、10はこの発明の第1の実施例に係るマイクロポンプで、このマイクロポンプ10は、血液、酵素、タンパク質、細胞・細菌などを含んだ超微量の液体試料を送液する。
マイクロポンプ10は、基板11と、この基板11に設けられ、基板11の露出面に離間して形成された液体試料の流入口12aと流出口12bとを連通する内部流路12と、基板11に動力伝達可能に取り付けられ、内部流路12の一部分(チャンバ18)に対する容積変更を繰り返して液体試料を流出口12bに圧送するポンプ駆動手段13とを、主に備えている。
【0024】
基板11は、平面視して矩形状を有する2枚のアクリル樹脂製の板片(長さ26mm×幅10mm×厚さ1.5mm)14,14を貼り合わせたものである。この基板11は、4本の支持ボルト15…を介して上下に平行状態で離間配置された2枚の支持板16,16のうち、上側の支持板16の上面に固定されている。
内部流路12は、液体をいったん貯留するとともに、抵抗充填物17が充填されるチャンバ18と、チャンバ18よりも上流部分を構成する上流側部分流路19と、チャンバ18よりも下流部分を構成する下流側部分流路20とを有している。
この内部流路12は、図示しないマイクロドリルを利用して作製される。具体的には、上側の板片14の長幅側の一端部(上流部)に流入口12aが形成され、上側の板片14の長幅側の他端部(下流部)に流出口12bが形成される。一方、下側の板片14の上面には、流入口12aとの対向部分に液体試料の液溜め部21が形成されるとともに、液溜め部21より若干下流側に、長さ方向を基板11の幅方向に向けた平面視して矩形状の前記チャンバ18が形成される。一方、下側の板片14の上面には、液溜め部21と、チャンバ18の長さ方向の一端部との間に短尺な前記上流側部分流路19が形成されるとともに、チャンバ18より下流側にこのチャンバ18の他端部から流出口12bとの対向部分まで延びた綴り織り状の前記下流側部分流路20が形成される。
【0025】
チャンバ18は長さ12mm×幅6mm×厚さ500μmの平面視して矩形状を有する薄肉な空間である。チャンバ18の全域には、液体の流動抵抗となる抵抗充填物17が充填されている。抵抗充填物17はチャンバ18の内部空間と同一形状のウレタンフォームである。チャンバ18内での抵抗充填物の空隙率は50%となっている。
また、上流側部分流路19の長さは15mm、幅は500μmである。一方、下流側部分流路20の長さは280mm、幅は500μmである。上流側部分流路19と下流側部分流路20との断面形状は、何れも半円形としている。
ポンプ駆動手段13は、チャンバ18の上流部に対する容積変更を繰り返すように基板11の一部分を振動させる、円筒形状のバイブレータ(駆動電圧3V)である。ただし、バイブレータに代えて、楕円形回転体を回転させ、この内部流路12の一部分に対する容積変更を行う回転駆動部でもよい。
ポンプ駆動手段13は、前記下側の支持板16の上面に搭載されている。また、上側の支持板16のうち、前記チャンバ18の上流部との対向部分には窓部16aが形成されている。窓部16aを介して、ポンプ駆動手段13の上部が基板11の下面に接触している。
【0026】
次に、このマイクロポンプ10の作動を説明する。
図1および図2に示すように、ポンプ駆動手段13に通電してこれを振動させる。これにより、その振動はチャンバ18の上流部に伝わる。この伝達された振動により、チャンバ18の容積が縮小(振動前期)、拡大(振動後期)を極めて短時間で繰り返すことによりポンプ作用が発現する。ポンプ駆動手段13の振動中、下側の板片14の一部分では若干の押し上げとその押し上げ力の解除とが繰り返される。
【0027】
以下、このポンプ作用を詳細に説明する。すなわち、振動前期において、まず下側の板片14の一部分が若干押し上げられる。これにより、チャンバ18の上流部の容積が縮小され、その中の液体試料が流入口12a側と流出口12b側との両方に分かれてそれぞれ移動する。次に、振動後期において、下側の板片14の一部分の押し上げが解除され、チャンバ18の上流部が元の大きさに戻る。その際、チャンバ18の上流部内で負圧力が発生する。あらかじめチャンバ18の全域には抵抗充填物17が充填されている。このため、流出口12b側に移動した液体試料の大半は、抵抗充填物17により前記負圧力に伴う戻り方向の移動が阻止される。その結果、内部流路12の一部分内に液体は逆流せず、そのまま流出口12b側に残る。一方、内部流路12の一部分より上流部には抵抗充填物17による流路抵抗が存在しない。これにより、液体試料は流入口12a側からチャンバ18に流れ込む。このときの流入量は、前記流入口側に移動した液体の分だけでなく、流出口側に残った液体の分を含む量である。
【0028】
これらの作動をポンプ駆動手段13の駆動中、常時、繰り返すことで、流入口12aから内部流路12に流れ込んだ液体は、流出口12bに向かって連続的に送液される。その結果、従来のピエゾ素子を利用したタイプと比べて、マイクロポンプの構造が簡単になる。しかも、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能となり低コストとすることができる。さらに、単位時間あたりの送液量も増加させることができ、液体試料が電解質溶液の場合でも送液中に電気分解を起こさない。また、たんぱく溶液では変性を起こさない。
【0029】
次に、図3〜図5を参照してこの発明の第2の実施例を説明する。
第2の実施例は、第1の実施例のマイクロポンプ10と略同じ構造のマイクロポンプが搭載された液体微量処理装置である。
図3および図4において、30は第2の実施例の液体微量処理装置で、この液体微量処理装置30は、太陽電池38と液晶モニタ39とが配設されたパッケージケース50に収納されている。このうち、太陽電池38はケース蓋51の裏面に固定されている。以下、液体微量処理装置30を具体的に説明する。
液体微量処理装置30は、マイクロポンプ10Aと、マイクロポンプ10Aにより送液中の液体試料に対してマイクロヒータ31および熱電対32を用いた温度制御、流量制御を施すことで、液体試料に含まれる物質の変換、定量を行う液体処理手段33とを備えたマイクロバイオリアクターチップである。この液体微量処理装置30は、マイクロヒータ31に電気を供給する1対のボタン電池34,34が搭載された実装基板35に実装される。
【0030】
図4に示すように、マイクロポンプ10Aには上下の板片14,14間に、表面積70mm2の金属薄膜製のマイクロヒータ31、薄膜状の熱電対32および高分子フィルム製のセプタム36が介在されている。これらのマイクロヒータ31、熱電対32およびセプタム36には、下側の板片14から下方に突出する多数本のIC用端子37…の一端部がそれぞれ接続されている。また、実装基板35には、その入力ラインに太陽電池38が接続される一方、その出力ラインに前記液晶モニタ39が接続されている。便宜上、図4ではポンプ駆動手段13、支持板16,16を省略している。
液体微量処理装置30の実装方法は、まず各IC用端子37…の他端部を実装基板35上に配列された多数本の端子用ソケット42…に装着し、次に直径500μmの中空形状を有するマイクロコネクタ40…を、実装基板35に貫通して形成されたコネクタ用ソケット41…を介して、セプタム36に突き刺す(以下、インナーセプタム法)。これにより、液体微量処理装置30が着脱可能に表面実装される。
熱電対32が検出した温度信号は、IC用端子37…、端子用ソケット42…、出力用ラインを介して図示しない制御部に送られ、その温度が液晶モニタ39に表示される。液体試料の流量制御は、チャンバ18に配置された図示しない流量センサが検出した流量信号に基づいて行われる。
その他の構成、作用および効果は、第1の実施例と略同じであるので説明を省略する。
【0031】
ここで、第1の実施例のマイクロポンプと略同一構造のものを使用し、チャンバ内の抵抗充填物の有無による整流特性の良否を試験したときの結果を報告する。
上流側部分流路(S)の長さは各試験例および各比較例において15mmとし、下流側部分流路(L)の長さだけを35mm(試験例1,比較例1)、140mm(試験例2,比較例2)、280mm(試験例3,比較例3)とした。このうち、試験例1,比較例1は下流側部分流路のその長さの略中間部で1回だけ折り返し、試験例2,比較例2はその折り返し回数が4回、試験例3,比較例3は折り返し回数を8回とした。また、試験例1〜3ではチャンバに抵抗充填物が空隙率50%で充填されている。一方、比較例1〜3にあっては、抵抗充填物が充填されていない。
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1から明らかなように、抵抗充填物が充填されていない比較例1〜3では、流体試料が全く送液されなかった。これに対して、抵抗充填物が充填された試験例1〜3では、下流側部分流路との長さの変化(35〜280mm)が存在するにも拘わらず、良好な整流特性が得られた。
【0034】
次に、図5のグラフを用い、第2の実施例の液体微量処理装置に組み込まれたマイクロヒータに対する印加電圧を1.5V〜6.0Vまで変化させたときの基板の温度変化を報告する。
図5のグラフから明らかなように、印加電圧が4.5V以上の場合、そのジュール熱により基板を低温加熱することができた。また、微小領域の加熱であるため熱の放出がはやく、マイクロヒータに電圧を印加するだけで平衡温度に達した。また、上述したインナーセプタム法によれば、柔軟性を有する高分子フィルムをセプタムに用い、これにマイクロコネクタを突き刺すだけで、液体微量処理装置の実装基板への実装が可能となった。これにより、液体微量処理装置がワンタッチで実装基板に実装可能となり、液体微量処理装置の構造が簡単でため、液体微量処理装置の組み立て時間を短縮することができた。しかも、基板実装中に内部流路を流れる液体試料が漏れるおそれも解消することができた。また、マイクロコネクタはコネクタ用ソケットにしっかりと固定されている。これにより、実装後は液体微量処理装置が実装基板から離脱するおそれも少なくなった。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、内部流路のうち、ポンプ駆動手段によって容積変更が繰り返される一部分より下流部分に抵抗充填物を充填したので、流入口から内部流路に流れ込んだ液体は、逆流することなく流出口に向かって連続的に送液される。これにより、従来のマイクロポンプおよび液体微量処理装置と比べて構造が簡単で、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能となり、低コスト化も図ることができる。しかも、単位時間あたりの送液量も増加させることができ、液体が電解質溶液のときであっても送液中に電気分解を起こさない。また、たんぱく溶液では変性を起こさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るマイクロポンプの平面図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るマイクロポンプの縦断面図である。
【図3】この発明の第2の実施例に係る液体微量処理装置の使用状態の斜視図である。
【図4】この発明の第2の実施例に係る液体微量処理装置の分解縦断面図である。
【図5】この発明の第2の実施例に係る液体微量処理装置に組み込まれたマイクロヒータに対する印加電圧を変更したときの基板の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10,10A マイクロポンプ、
11 基板、
12 内部流路、
12a 流入口、
12b 流出口、
13 ポンプ駆動手段、
17 抵抗充填物、
18 チャンバ、
19 上流側部分流路、
20 下流側部分流路、
30 液体微量処理装置、
33 液体処理手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロポンプおよび液体微量処理装置、詳しくは極微量の液体を圧送するマイクロポンプと、これを利用することで液体の化学反応、分離、定量、検査などを行う液体微量処理装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロマシン技術の一種として、液体を利用するFluid MEMS(Micro Electro Mechanical System)が知られている。これは、例えばDNAチップ、DNAアレイなどの遺伝子診断マイクロチップとして利用され、ポストゲノム研究およびプロテオーム研究には欠かせないツールである。
液体マイクロシステムはマイクロポンプ、ミキサ、バルブ、リアクタ、セパレータ、センサなどの各要素を基板(チップを含む)上に実装し、パッケージ化したものである。
【0003】
従来、このFluid MEMSに搭載されるマイクロポンプとして、例えば特許文献1、および、特許文献2などに記載のものが知られている。両マイクロポンプは、何れも基板と、基板の露出面に離間して形成された液体の流入口と流出口とを連通する内部流路と、内部流路に設けられたバルブと、このバルブ駆動用の複数個の圧電素子などを連動させる機構とにより構成される。
【0004】
【特許文献1】特開平2−149778号公報
【特許文献2】特開平8−42457号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記バルブを有するマイクロポンプ(特許文献1,特許文献2)にあっては、バルブと圧電素子などとの連動機構が複雑であるとともに、高い駆動電圧を必要としていた。また、高電圧を消費するにも拘らず、送液量はナノリットル/minオーダーと少量であり、内部流路を通過するために数十分以上も要していた。これにより、内部流路の途中部に形成されたチャンバに設置された流体センサが液体を検知する応答時間と、液体の送液時間とに大きな時間的ギャップが発生していた。さらに、電解質溶液の送液時には、送液中の電解質溶液が電気分解し、とりわけ血液または蛋白溶液の送液時には、短時間で電極上に炭素質が析出し、劣化していた。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、構造が簡単で、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能で、低コスト化が図れるとともに液体の送液量を増加させることができ、しかも液体が電解質溶液の場合でも送液中、電気分解しにくいマイクロポンプおよび液体微量処理装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板と、該基板に設けられ、該基板に離間して形成された液体の流入口と流出口とを連通する内部流路と、前記基板に動力伝達可能に取り付けられ、前記内部流路の一部分に対して容積変更を繰り返すことで液体を流出口に圧送するポンプ駆動手段とを備えたマイクロポンプにおいて、前記内部流路の一部分より下流部分には、前記液体の流動抵抗となる抵抗充填物が充填されたマイクロポンプである。
【0008】
基板の素材は限定されない。例えば、各種の金属、各種の合成樹脂、ガラスを含む各種のセラミックス、生体組織などを採用することができる。要は、内部流路を流れる液体が浸透せず、液体による腐食が発生しない素材であればよい。
基板の大きさ、形状も限定されない。例えば、平板形状またはフィルム形状でもよい。
基板に内部流路を形成する方法は限定されない。例えば、基板を貼り合わされる2枚の板片から構成し、一方の板片の貼り合わせ面、または、両方の板片の貼り合わせ面に各種のエッチング液によるウエットエッチング、各種のエッチングガスによるドライエッチング、ドリルによる機械加工、鋳型によるホットプレスなどを施して内部流路を形成することができる。
この場合、両板片の貼着方法は限定されない。例えば、溶融圧着法、接着剤による接着法、板片の表面の帯電作用を利用した陽極接合法、ねじなどによる板片どうしの圧着固定法など、内部流路を閉塞しない方法であればよい。
【0009】
内部流路の長さおよび幅は限定されない。ただし、内部流路の幅は500μm以上が好ましい。しかも、流出口からの液体の吐出量に基づき、最適の長さおよび最適の幅を求める方がよい。内部流路の途中部にはチャンバを形成してもよいし、形成しなくてもよい。
液体の種類は限定されない。例えば、水、血液、蛋白溶液などを採用することができる。
ポンプ駆動手段の種類は限定されない。例えば、ピエゾ素子、電磁素子などを採用することができる。その他にも、楕円形回転体を回転させて内部流路の一部分に対する容積変更を行う回転駆動部、または、基板に振動を与えて内部流路の一部分に対する容積変更を行うバイブレータなどを採用することができる。
ピエゾ素子、電磁素子などは、内部流路(チャンバを含む)の一部分内または基板の一部分内に配置し、この部分に対して機械的振動、電気的振動または磁気的振動を作用させてもよい。基板の一部分内に前記素子を配置する場合には、基板をゴム、高分子材料、導電性ポリマー、磁力流体などで作製する方が好ましい。その他、基板の外部から機械的な振動を作用させて、チャンバなどの内部流路の一部分に対する容積変更を繰り返すようにしてもよい。
【0010】
抵抗充填物の素材としては、例えば各種のセラミックス、各種の合成樹脂、各種の金属などを採用することができる。抵抗充填物の形状としては、例えば微粒子形状、繊維形状、多孔質形状などを採用することができる。具体的には、ウレタンフォームなどの高分子材料、炭素材料などが挙げられる。内部流路内で液体が凝集して閉塞が発生するおそれが少なく、基板が腐食しにくい素材が好ましい。
抵抗充填物は、内部流路の全長のうち、ポンプ駆動手段により流路断面積を変動させられる部分より、少なくとも下流部分に充填されていればよい。例えば、内部流路の一部分に液体をいったん貯留するチャンバが設けられている場合、このチャンバにだけ抵抗充填物を充填してもよい。または、チャンバとそれより下流部分の内部流路とに充填物を充填してもよい。流路断面積が変動させられる一部分にも抵抗充填物を充填することができる。チャンバ内での抵抗充填物の空隙率は限定されない。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記内部流路は、前記液体をいったん貯留するとともに、前記抵抗充填物が充填されるチャンバと、前記内部流路のうち、前記チャンバよりも上流部分を構成する上流側部分流路と、前記内部流路のうち、前記チャンバよりも下流部分を構成する下流側部分流路とを有している請求項1に記載のマイクロポンプである。
チャンバの形状および大きさは限定されない。
液体を流入口から流出口に送液するに際して、上流側部分流路(S)と下流側部分流路(L)との長さの関係は、チャンバを有する平面型チップポンプにおける液体送液方向の法則(整流特性)により決定される。すなわち、(1) チャンバ内に抵抗充填物が存在しない場合にはS≧Lである。(2) また、チャンバ内に抵抗充填物が存在する場合にはS<Lとなる。このとき、チャンバ内で振動が加えられる部分は、チャンバの上流部とする。液体の送液量は、下流側部分流路の長さおよび幅と、チャンバの面積(またはチャンバの振動数)とによって決定される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記抵抗充填物の空隙率が40〜60%である請求項2に記載のマイクロポンプである。
空隙率が40%未満ではチャンバが閉塞するという不都合が生じる。また、60%を超えると流体抵抗が小さくなるため、送液不可能という不都合が生じる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記ポンプ駆動手段は、前記チャンバの上流部に対して容積変更を繰り返す請求項2または請求項3に記載のマイクロポンプである。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記ポンプ駆動手段は、楕円形回転体を回転させて内部流路の一部分の容積変更を行う回転駆動部、または、前記基板に振動を与えて内部流路の一部分の容積変更を行うバイブレータである請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
楕円形回転体は、断面形状が楕円形を有する回転体である。これを回転させて基板に形成された内部流路の一部分に対する容積変更を行う。回転駆動部は、例えば電動モータなどの駆動源を有している。
バイブレータの種類は限定されない。例えば、振動モータなどを採用することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記回転駆動部またはバイブレータの駆動電圧が、1〜5Vである請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
好ましい駆動電圧は1.5〜3Vである。1V未満では回転駆動部またはバイブレータが正常に作動しないおそれがある。また、5Vを超えると回転振動体またはバイブレータが加熱するおそれが生じる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記抵抗充填物は粉粒物、繊維状物および多孔質材のうち、少なくとも1つである請求項1〜請求項6のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
抵抗充填物は粉粒物だけ、繊維状物だけでもよい。また、多孔質材だけでもよい。さらには粉粒物と繊維状物との混合物でもよいし、粉粒物と多孔質材との混合物でもよい。さらにまた、繊維状物と多孔質材との混合物でもよい。もしくは、粉粒物と繊維状物と多孔質材との混合物でもよい。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記上流側部分流路の幅が500〜1000μm、前記下流側部分流路の長さが500mm以下である請求項1〜請求項7のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプである。
上流側部分流路の好ましい幅は500〜1000μmである。本マイクロポンプは流体を加圧して送液する方式ではないため、500μm未満では流路内に液体を流すことが困難である。また、1000μmを超えるとチャンバーの振動により液体の漏れが生じ、送液が不可能になるという不都合が生じる。
下流側部分流路の長さが500mmを超えると流路抵抗が大きくなり、送液が困難になる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、基板に、液体の流入口と流出口とを連通する内部流路が設けられ、ポンプ駆動手段により、前記内部流路の一部分に対する容積変更を繰り返すことで液体を流出口に向かって圧送するマイクロポンプと、前記内部流路内の液体に対して所定の処理を行う液体処理手段とを備えた液体微量処理装置において、前記マイクロポンプは、請求項1〜請求項8の何れかに記載されたマイクロポンプである液体微量処理装置である。
液体微量処理装置の種類は限定されない。例えば、DNAチップ、DNAアレイなどの遺伝子診断マイクロチップを採用することができる。その他、マイクロリアクター、膜分離、液相抽出器、細胞・細菌培養器、液体・気体混合器などを用いることができる。
液体処理手段による液体の処理は限定されない。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記液体処理手段は、前記液体を化学的に反応させる液体反応部、前記液体から一部を分離する液体分離部、前記液体を定量する液体定量部、前記液体を検査する液体検査部のうち、少なくとも何れか1つを有している請求項9に記載の液体微量処理装置である。
液体反応部による液体の反応は限定されない。例えば、酸−塩基の呈色反応、強酸性水による細胞膜の破壊、ポリペプチドの加水分解反応などを採用することができる。
液体分離部による液体の分離は限定されない。例えば、油層と水層、水層−水層、油層−油層からなる多層流界面における物質の分離などを採用することができる。
液体定量部による液体の定量は限定されない。例えば、血液中の無機イオン濃度、尿中に含まれるタンパク質、糖の定量などを採用することができる。
液体検査部による液体の検査は限定されない。例えば、唾液中に含まれる血清成分や細菌の検査などを採用することができる。
【0020】
液体処理手段は、液体反応部だけ、液体分離部だけ、液体定量部だけ、液体検査部だけを有するものでもよい。また液体処理手段は、液体反応部と液体分離部とだけ、液体反応部と液体定量部とだけ、液体反応部と液体検査部とだけを有するものでもよい。さらに液体処理手段は、液体反応部と液体分離部と液体定量部とだけ、液体反応部と液体分離部と液体検査部とだけ、液体分離部と液体定量部と液体検査部とだけを有するものでもよい。そして液体処理手段は、液体反応部、液体分離部、液体定量部および液体検査部の全てを有するものでもよい。
【0021】
【作用】
この発明のマイクロポンプおよび液体微量処理装置によれば、ポンプ駆動手段により内部流路の一部分(チャンバ)に圧力を作用させる。これにより、この一部分に対する容積が小さくなり、その中の液体は流入口側と流出口側との両方にそれぞれ移動される。次に、ポンプ駆動手段からの圧力が解放されると、内部流路が元の大きさに戻る。その際、内部流路の一部分内で負圧力が発生する。あらかじめ内部流路の一部分より下流部には抵抗充填物が充填されている。その結果、流出口側に移動した液体の大半は負圧力に伴う戻り方向の移動が抵抗充填物により阻止される。これにより、内部流路の一部分内に液体は逆流せず、そのまま流出口側に残る。一方、内部流路の一部分より上流部には抵抗充填物による流路抵抗が存在しない。そのため、液体は流入口側から内部流路の一部分内に流れ込む。このときの流入量は、前記流入口側に移動した液体の分だけでなく、前記流出口側に残った液体の分を含む量である。
【0022】
このような作動をポンプ駆動手段の駆動中、常時、繰り返すことで、流入口から内部流路の一部分に流れ込んだ液体は流出口に向かって連続的に送液される。これにより、従来のピエゾ素子を利用したタイプと比べて構造が簡単になり、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能で低コスト化も図れる。しかも、単位時間あたりの送液量も増加することができ、液体が電解質溶液の際でも送液中に電気分解を起こさない。また、たんぱく溶液では変性を起こさない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して第1の実施例を説明する。
図1および図2において、10はこの発明の第1の実施例に係るマイクロポンプで、このマイクロポンプ10は、血液、酵素、タンパク質、細胞・細菌などを含んだ超微量の液体試料を送液する。
マイクロポンプ10は、基板11と、この基板11に設けられ、基板11の露出面に離間して形成された液体試料の流入口12aと流出口12bとを連通する内部流路12と、基板11に動力伝達可能に取り付けられ、内部流路12の一部分(チャンバ18)に対する容積変更を繰り返して液体試料を流出口12bに圧送するポンプ駆動手段13とを、主に備えている。
【0024】
基板11は、平面視して矩形状を有する2枚のアクリル樹脂製の板片(長さ26mm×幅10mm×厚さ1.5mm)14,14を貼り合わせたものである。この基板11は、4本の支持ボルト15…を介して上下に平行状態で離間配置された2枚の支持板16,16のうち、上側の支持板16の上面に固定されている。
内部流路12は、液体をいったん貯留するとともに、抵抗充填物17が充填されるチャンバ18と、チャンバ18よりも上流部分を構成する上流側部分流路19と、チャンバ18よりも下流部分を構成する下流側部分流路20とを有している。
この内部流路12は、図示しないマイクロドリルを利用して作製される。具体的には、上側の板片14の長幅側の一端部(上流部)に流入口12aが形成され、上側の板片14の長幅側の他端部(下流部)に流出口12bが形成される。一方、下側の板片14の上面には、流入口12aとの対向部分に液体試料の液溜め部21が形成されるとともに、液溜め部21より若干下流側に、長さ方向を基板11の幅方向に向けた平面視して矩形状の前記チャンバ18が形成される。一方、下側の板片14の上面には、液溜め部21と、チャンバ18の長さ方向の一端部との間に短尺な前記上流側部分流路19が形成されるとともに、チャンバ18より下流側にこのチャンバ18の他端部から流出口12bとの対向部分まで延びた綴り織り状の前記下流側部分流路20が形成される。
【0025】
チャンバ18は長さ12mm×幅6mm×厚さ500μmの平面視して矩形状を有する薄肉な空間である。チャンバ18の全域には、液体の流動抵抗となる抵抗充填物17が充填されている。抵抗充填物17はチャンバ18の内部空間と同一形状のウレタンフォームである。チャンバ18内での抵抗充填物の空隙率は50%となっている。
また、上流側部分流路19の長さは15mm、幅は500μmである。一方、下流側部分流路20の長さは280mm、幅は500μmである。上流側部分流路19と下流側部分流路20との断面形状は、何れも半円形としている。
ポンプ駆動手段13は、チャンバ18の上流部に対する容積変更を繰り返すように基板11の一部分を振動させる、円筒形状のバイブレータ(駆動電圧3V)である。ただし、バイブレータに代えて、楕円形回転体を回転させ、この内部流路12の一部分に対する容積変更を行う回転駆動部でもよい。
ポンプ駆動手段13は、前記下側の支持板16の上面に搭載されている。また、上側の支持板16のうち、前記チャンバ18の上流部との対向部分には窓部16aが形成されている。窓部16aを介して、ポンプ駆動手段13の上部が基板11の下面に接触している。
【0026】
次に、このマイクロポンプ10の作動を説明する。
図1および図2に示すように、ポンプ駆動手段13に通電してこれを振動させる。これにより、その振動はチャンバ18の上流部に伝わる。この伝達された振動により、チャンバ18の容積が縮小(振動前期)、拡大(振動後期)を極めて短時間で繰り返すことによりポンプ作用が発現する。ポンプ駆動手段13の振動中、下側の板片14の一部分では若干の押し上げとその押し上げ力の解除とが繰り返される。
【0027】
以下、このポンプ作用を詳細に説明する。すなわち、振動前期において、まず下側の板片14の一部分が若干押し上げられる。これにより、チャンバ18の上流部の容積が縮小され、その中の液体試料が流入口12a側と流出口12b側との両方に分かれてそれぞれ移動する。次に、振動後期において、下側の板片14の一部分の押し上げが解除され、チャンバ18の上流部が元の大きさに戻る。その際、チャンバ18の上流部内で負圧力が発生する。あらかじめチャンバ18の全域には抵抗充填物17が充填されている。このため、流出口12b側に移動した液体試料の大半は、抵抗充填物17により前記負圧力に伴う戻り方向の移動が阻止される。その結果、内部流路12の一部分内に液体は逆流せず、そのまま流出口12b側に残る。一方、内部流路12の一部分より上流部には抵抗充填物17による流路抵抗が存在しない。これにより、液体試料は流入口12a側からチャンバ18に流れ込む。このときの流入量は、前記流入口側に移動した液体の分だけでなく、流出口側に残った液体の分を含む量である。
【0028】
これらの作動をポンプ駆動手段13の駆動中、常時、繰り返すことで、流入口12aから内部流路12に流れ込んだ液体は、流出口12bに向かって連続的に送液される。その結果、従来のピエゾ素子を利用したタイプと比べて、マイクロポンプの構造が簡単になる。しかも、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能となり低コストとすることができる。さらに、単位時間あたりの送液量も増加させることができ、液体試料が電解質溶液の場合でも送液中に電気分解を起こさない。また、たんぱく溶液では変性を起こさない。
【0029】
次に、図3〜図5を参照してこの発明の第2の実施例を説明する。
第2の実施例は、第1の実施例のマイクロポンプ10と略同じ構造のマイクロポンプが搭載された液体微量処理装置である。
図3および図4において、30は第2の実施例の液体微量処理装置で、この液体微量処理装置30は、太陽電池38と液晶モニタ39とが配設されたパッケージケース50に収納されている。このうち、太陽電池38はケース蓋51の裏面に固定されている。以下、液体微量処理装置30を具体的に説明する。
液体微量処理装置30は、マイクロポンプ10Aと、マイクロポンプ10Aにより送液中の液体試料に対してマイクロヒータ31および熱電対32を用いた温度制御、流量制御を施すことで、液体試料に含まれる物質の変換、定量を行う液体処理手段33とを備えたマイクロバイオリアクターチップである。この液体微量処理装置30は、マイクロヒータ31に電気を供給する1対のボタン電池34,34が搭載された実装基板35に実装される。
【0030】
図4に示すように、マイクロポンプ10Aには上下の板片14,14間に、表面積70mm2の金属薄膜製のマイクロヒータ31、薄膜状の熱電対32および高分子フィルム製のセプタム36が介在されている。これらのマイクロヒータ31、熱電対32およびセプタム36には、下側の板片14から下方に突出する多数本のIC用端子37…の一端部がそれぞれ接続されている。また、実装基板35には、その入力ラインに太陽電池38が接続される一方、その出力ラインに前記液晶モニタ39が接続されている。便宜上、図4ではポンプ駆動手段13、支持板16,16を省略している。
液体微量処理装置30の実装方法は、まず各IC用端子37…の他端部を実装基板35上に配列された多数本の端子用ソケット42…に装着し、次に直径500μmの中空形状を有するマイクロコネクタ40…を、実装基板35に貫通して形成されたコネクタ用ソケット41…を介して、セプタム36に突き刺す(以下、インナーセプタム法)。これにより、液体微量処理装置30が着脱可能に表面実装される。
熱電対32が検出した温度信号は、IC用端子37…、端子用ソケット42…、出力用ラインを介して図示しない制御部に送られ、その温度が液晶モニタ39に表示される。液体試料の流量制御は、チャンバ18に配置された図示しない流量センサが検出した流量信号に基づいて行われる。
その他の構成、作用および効果は、第1の実施例と略同じであるので説明を省略する。
【0031】
ここで、第1の実施例のマイクロポンプと略同一構造のものを使用し、チャンバ内の抵抗充填物の有無による整流特性の良否を試験したときの結果を報告する。
上流側部分流路(S)の長さは各試験例および各比較例において15mmとし、下流側部分流路(L)の長さだけを35mm(試験例1,比較例1)、140mm(試験例2,比較例2)、280mm(試験例3,比較例3)とした。このうち、試験例1,比較例1は下流側部分流路のその長さの略中間部で1回だけ折り返し、試験例2,比較例2はその折り返し回数が4回、試験例3,比較例3は折り返し回数を8回とした。また、試験例1〜3ではチャンバに抵抗充填物が空隙率50%で充填されている。一方、比較例1〜3にあっては、抵抗充填物が充填されていない。
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1から明らかなように、抵抗充填物が充填されていない比較例1〜3では、流体試料が全く送液されなかった。これに対して、抵抗充填物が充填された試験例1〜3では、下流側部分流路との長さの変化(35〜280mm)が存在するにも拘わらず、良好な整流特性が得られた。
【0034】
次に、図5のグラフを用い、第2の実施例の液体微量処理装置に組み込まれたマイクロヒータに対する印加電圧を1.5V〜6.0Vまで変化させたときの基板の温度変化を報告する。
図5のグラフから明らかなように、印加電圧が4.5V以上の場合、そのジュール熱により基板を低温加熱することができた。また、微小領域の加熱であるため熱の放出がはやく、マイクロヒータに電圧を印加するだけで平衡温度に達した。また、上述したインナーセプタム法によれば、柔軟性を有する高分子フィルムをセプタムに用い、これにマイクロコネクタを突き刺すだけで、液体微量処理装置の実装基板への実装が可能となった。これにより、液体微量処理装置がワンタッチで実装基板に実装可能となり、液体微量処理装置の構造が簡単でため、液体微量処理装置の組み立て時間を短縮することができた。しかも、基板実装中に内部流路を流れる液体試料が漏れるおそれも解消することができた。また、マイクロコネクタはコネクタ用ソケットにしっかりと固定されている。これにより、実装後は液体微量処理装置が実装基板から離脱するおそれも少なくなった。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、内部流路のうち、ポンプ駆動手段によって容積変更が繰り返される一部分より下流部分に抵抗充填物を充填したので、流入口から内部流路に流れ込んだ液体は、逆流することなく流出口に向かって連続的に送液される。これにより、従来のマイクロポンプおよび液体微量処理装置と比べて構造が簡単で、低電圧によるポンプ駆動および小型化が可能となり、低コスト化も図ることができる。しかも、単位時間あたりの送液量も増加させることができ、液体が電解質溶液のときであっても送液中に電気分解を起こさない。また、たんぱく溶液では変性を起こさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るマイクロポンプの平面図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るマイクロポンプの縦断面図である。
【図3】この発明の第2の実施例に係る液体微量処理装置の使用状態の斜視図である。
【図4】この発明の第2の実施例に係る液体微量処理装置の分解縦断面図である。
【図5】この発明の第2の実施例に係る液体微量処理装置に組み込まれたマイクロヒータに対する印加電圧を変更したときの基板の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10,10A マイクロポンプ、
11 基板、
12 内部流路、
12a 流入口、
12b 流出口、
13 ポンプ駆動手段、
17 抵抗充填物、
18 チャンバ、
19 上流側部分流路、
20 下流側部分流路、
30 液体微量処理装置、
33 液体処理手段。
Claims (10)
- 基板と、
該基板に設けられ、該基板に離間して形成された液体の流入口と流出口とを連通する内部流路と、
前記基板に動力伝達可能に取り付けられ、前記内部流路の一部分に対して容積変更を繰り返すことで液体を流出口に圧送するポンプ駆動手段とを備えたマイクロポンプにおいて、
前記内部流路の一部分より下流部分には、前記液体の流動抵抗となる抵抗充填物が充填されたマイクロポンプ。 - 前記内部流路は、
前記液体をいったん貯留するとともに、前記抵抗充填物が充填されるチャンバと、
前記内部流路のうち、前記チャンバよりも上流部分を構成する上流側部分流路と、
前記内部流路のうち、前記チャンバよりも下流部分を構成する下流側部分流路とを有している請求項1に記載のマイクロポンプ。 - 前記抵抗充填物の空隙率が40〜60%である請求項2に記載のマイクロポンプ。
- 前記ポンプ駆動手段は、前記チャンバの上流部に対して容積変更を繰り返す請求項2または請求項3に記載のマイクロポンプ。
- 前記ポンプ駆動手段は、
楕円形回転体を回転させて内部流路の一部分の容積変更を行う回転駆動部、または、前記基板に振動を与えて内部流路の一部分の容積変更を行うバイブレータである請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプ。 - 前記回転駆動部またはバイブレータの駆動電圧が、1〜5Vである請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプ。
- 前記抵抗充填物は粉粒物、繊維状物および多孔質材のうち、少なくとも1つである請求項1〜請求項6のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプ。
- 前記上流側部分流路の幅が500〜1000μm、前記下流側部分流路の長さが500mm以下である請求項1〜請求項7のうち、何れか1項に記載のマイクロポンプ。
- 基板に、液体の流入口と流出口とを連通する内部流路が設けられ、ポンプ駆動手段により、前記内部流路の一部分に対する容積変更を繰り返すことで液体を流出口に向かって圧送するマイクロポンプと、
前記内部流路内の液体に対して所定の処理を行う液体処理手段とを備えた液体微量処理装置において、
前記マイクロポンプは、請求項1〜請求項8の何れかに記載されたマイクロポンプである液体微量処理装置。 - 前記液体処理手段は、
前記液体を化学的に反応させる液体反応部、前記液体から一部を分離する液体分離部、前記液体を定量する液体定量部、前記液体を検査する液体検査部のうち、少なくとも何れか1つを有している請求項9に記載の液体微量処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003031482A JP2004239220A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | マイクロポンプおよび液体微量処理装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010084527A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-15 | Murata Mfg Co Ltd | 圧電ポンプ |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003031482A patent/JP2004239220A/ja active Pending
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JP2010084527A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-15 | Murata Mfg Co Ltd | 圧電ポンプ |
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