JP2008038238A - アルミニウム・セラミックス複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料費用を低減することができるとともに、被削性を高めることができるアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法を提供する。
【解決手段】溶湯撹拌装置34は、ヒータ35aを備える電気炉35と、この電気炉35の内部に接続し炉内の気体を排気する真空ポンプ36と、溶解アルミニウム41を撹拌する容器としての撹拌容器37と、この撹拌容器に備える撹拌機構38と、撹拌容器の上方に設けバルク化させたアルミニウム・セラミックス複合材25を撹拌容器に供給する供給機構39とからなる。そして、(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が2〜20%となるようにしてバルク化させたアルミニウム・セラミクス複合材を、溶解アルミニウム41に添加してアルミニウム・セラミックス複合材42を得る。
【選択図】図4
【解決手段】溶湯撹拌装置34は、ヒータ35aを備える電気炉35と、この電気炉35の内部に接続し炉内の気体を排気する真空ポンプ36と、溶解アルミニウム41を撹拌する容器としての撹拌容器37と、この撹拌容器に備える撹拌機構38と、撹拌容器の上方に設けバルク化させたアルミニウム・セラミックス複合材25を撹拌容器に供給する供給機構39とからなる。そして、(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が2〜20%となるようにしてバルク化させたアルミニウム・セラミクス複合材を、溶解アルミニウム41に添加してアルミニウム・セラミックス複合材42を得る。
【選択図】図4
Description
本発明は、アルミニウムとセラミックスとを混合させてなるアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法に関する。
母材としてのアルミニウムと、強化材としてのセラミックスとを混合させてなるアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−41563号公報(図1)
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図6は従来の技術に係る製造方法によって得られたアルミニウム・セラミックス複合材の断面図である。
(a)はアルミニウム・セラミックス複合材101の断面図であり、(b)は(a)のb部拡大図を示す。アルミニウム・セラミックス複合材101は、強化材としての酸化アルミニウム(アルミナ)製の多孔質成形体102を準備し、この多孔質成形体102を母材としてのアルミニウム合金103に浸し、多孔質成形体102の空孔部104に、アルミニウム合金103を浸透させたものである。
図6は従来の技術に係る製造方法によって得られたアルミニウム・セラミックス複合材の断面図である。
(a)はアルミニウム・セラミックス複合材101の断面図であり、(b)は(a)のb部拡大図を示す。アルミニウム・セラミックス複合材101は、強化材としての酸化アルミニウム(アルミナ)製の多孔質成形体102を準備し、この多孔質成形体102を母材としてのアルミニウム合金103に浸し、多孔質成形体102の空孔部104に、アルミニウム合金103を浸透させたものである。
ところで、多孔質成形体102は一般に高価なものであり、材料費用が嵩む。また、できあがったアルミニウム・セラミックス複合材101は、高強度で切削抵抗が大きいため、工具の摩耗がはやく、工具を頻繁に交換する必要がある。このため工具費用が嵩む。材料費及び工具費用を低減するためには、多孔質成形体102の割合を低く抑える必要がある。
そこで、空孔部104の比率を高めることが考えられるが、空孔部104の比率を高めると、多孔質成形体102が破損し易くなることから、多孔質成形体102の割合を所定値よりも低くすることは難しい。このため、特許文献1の技術では、材料費用の低減や被削性の向上という点において制約があった。
本発明は、材料費用を低減することができるとともに、被削性を高めることができるアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、内外を問わずに気体や液体が接触する面を表面と呼ぶときに、酸化物系セラミックスの表面・窒化物系セラミックスの表面又は炭化物系セラミックスの表面が窒化マグネシウムで還元処理される表面処理工程と、表面が還元処理されたセラミックスにアルミニウム合金溶湯を浸透させて、(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が20〜40%であるアルミニウム・セラミックス複合材の塊を造る造塊工程と、(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が2〜20%なるようにして前記塊を溶解アルミニウムに添加してアルミニウム・セラミックス複合材を得る工程と、からなることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、セラミックスを平均粒径が80μmを超えない微粉としたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、造塊工程の次に、塊をバルク状にするバルク化工程を加えたことを特徴とする。
請求項4に係る発明では、アルミニウム・セラミックス複合材を得る工程で得たアルミニウム・セラミックス複合材は、鋳造に供する溶湯であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、セラミックスの分散率が20〜40%の複合材の塊を造る造塊工程と、この塊を溶解アルミニウムに添加してアルミニウム・セラミックス複合材を得る工程とが設けられているので、セラミックスの分散率が低いアルミニウム・セラミックス複合材を得ることができる。
具体的には、セラミックスの分散率が2〜20%なるようにアルミニウム・セラミックス複合材を得る工程が設けられているので、セラミックスの分散率が低いアルミニウム・セラミックス複合材を製造することができる。
セラミックスの分散率が低いアルミニウム・セラミックス複合材が製造可能になることで、セラミックスが高価なときに、セラミックスの分散率を減らして材料費用を低減することができる。加えて、セラミックスの分散率を減らすことができるので、被削性が向上し、ツール費用を低減できる。
さらに、表面が還元処理されたセラミックスにアルミニウム合金溶湯を浸透させるので、アルミニウムとセラミックス間の密着性を高くでき、高品質な複合材を得ることができる。
請求項2に係る発明では、セラミックスを平均粒径が80μmを超えない微粉としたので、微粉の各粒子を軽くすることができる。微粉の各粒子を軽くすることで、微粉を溶解アルミニウム中に浮遊させることができる。
この結果、アルミニウムにセラミックスが均一に分散したアルミニウム・セラミックス複合材を製造することができる。
この結果、アルミニウムにセラミックスが均一に分散したアルミニウム・セラミックス複合材を製造することができる。
仮に、平均粒径が80μmを超える微粉にすると、所定時間経過後、坩堝の底に、セラミックスが沈降する比率は高くなる。このため、均一な分散が得られず、所定の品質をもつアルミニウム・セラミックス複合材が得られなかった。
この点、本発明では、平均粒径が80μmを超えない微粉にしたので、微粉の各粒子を軽くできる。各粒子を軽くしたので、セラミックスが沈降する比率を低くすることができ、均一な分散が得られ、所定の品質をもつアルミニウム・セラミックス複合材を得ることができる。
請求項3に係る発明では、造塊工程の次に、塊をバルク状にするバルク化工程を加え、塊をバルク状にしたので、溶解アルミニウムに添加するときの再溶解時間を短縮することができる。
請求項4に係る発明では、アルミニウム・セラミックス複合材は、鋳造に供する溶湯であるため、鋳造型を用いて、任意の形状に成形可能となる。従って、この溶湯をエンジンなどの部品に利用すれば、高強度、耐摩耗性及び被削性を兼ね備えた部品を成形することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係るアルミニウム・セラミックス複合材の塊を造る造塊工程の一例を示す図であり、加熱炉10は、ケース体11と、このケース体11の上方及び下方に設けられケース体11を加熱するヒータ12a、12bと、ケース体11の左壁に接続されケース体11の内側にガスを供給するガス導入管13と、ケース体11の右壁に接続されケース体11の内側からガスを排出するガス排出管14とからなる。図中、15a、15bはバルブである。
(a)は加熱炉にアルミニウム・セラミックス複合材の材料を準備する準備工程を示し、アルミニウム塊18と多孔質成形体19とを載置した第1の坩堝21を前記ケース体11の内側にセットし、この第1の坩堝21の側方にマグネシウム(Mg)を載置した第2の坩堝22をセットする。
図1は本発明に係るアルミニウム・セラミックス複合材の塊を造る造塊工程の一例を示す図であり、加熱炉10は、ケース体11と、このケース体11の上方及び下方に設けられケース体11を加熱するヒータ12a、12bと、ケース体11の左壁に接続されケース体11の内側にガスを供給するガス導入管13と、ケース体11の右壁に接続されケース体11の内側からガスを排出するガス排出管14とからなる。図中、15a、15bはバルブである。
(a)は加熱炉にアルミニウム・セラミックス複合材の材料を準備する準備工程を示し、アルミニウム塊18と多孔質成形体19とを載置した第1の坩堝21を前記ケース体11の内側にセットし、この第1の坩堝21の側方にマグネシウム(Mg)を載置した第2の坩堝22をセットする。
(b)はケース体内にマグネシウムを昇華させる昇華工程を示す。
ガス導入管13及びガス排出管14によって、ケース体11の内側をArガスに置換し、ヒータ12a、12bで炉本体内を900℃まで昇温させ、炉本体内を0.5atmまで減圧して、マグネシウム(Mg)を完全に昇華させる。
ガス導入管13及びガス排出管14によって、ケース体11の内側をArガスに置換し、ヒータ12a、12bで炉本体内を900℃まで昇温させ、炉本体内を0.5atmまで減圧して、マグネシウム(Mg)を完全に昇華させる。
(c)は酸化物系セラミックスとしての酸化アルミニウムの表面が窒化マグネシウムで還元処理される表面処理工程を示す。
ガス導入管13から窒素ガス(N2)を内圧が1atmになるまで導入し、前記昇華させたマグネシウム(Mg)と窒素ガス(N2)を反応させて窒化マグネシウム(Mg3N2)を生成し、900℃から950℃で約10分間保持し、窒化マグネシウム(Mg3N2)を、多孔質成形体19の表面19aを構成している酸化アルミニウム(Al2O3)に接触させ、アルミニウム(Al)を露出させぬれ性を高め、溶解アルミニウム24を多孔質成形体19内に浸透させる。ここで、表面19aとは、内外を問わずに気体や液体が接触する面である。
ガス導入管13から窒素ガス(N2)を内圧が1atmになるまで導入し、前記昇華させたマグネシウム(Mg)と窒素ガス(N2)を反応させて窒化マグネシウム(Mg3N2)を生成し、900℃から950℃で約10分間保持し、窒化マグネシウム(Mg3N2)を、多孔質成形体19の表面19aを構成している酸化アルミニウム(Al2O3)に接触させ、アルミニウム(Al)を露出させぬれ性を高め、溶解アルミニウム24を多孔質成形体19内に浸透させる。ここで、表面19aとは、内外を問わずに気体や液体が接触する面である。
図2は本発明に係る造塊工程が完了した状態を説明する図であり、(a)において、溶解アルミニウム24としてのアルミニウム溶湯23(アルミニウム合金溶湯23とも云う。)が、多孔質成形体19に浸透し、多孔質成形体19がアルミニウム溶湯内に沈み、200℃まで急冷させると、(b)に示されるようなアルミニウム・セラミックス複合材25が得られる。
すなわち、アルミニウム・セラミックス複合材25は、加熱炉10や必要な材料を準備する準備工程と、加熱炉10を加熱してマグネシウムを昇華させ窒化マグネシウムを得る昇華工程と、気化させた窒化マグネシウムを酸化アルミニウムの表面に接触させ還元させる表面処理工程と、アルミニウム溶湯23に多孔質成形体19を浸透させてアルミニウム・セラミックス複合材の塊26を造る造塊工程とからなる。
表面が還元処理されたセラミックスとしての酸化アルミニウムにアルミニウム合金溶湯24を浸透させて、(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が20〜40%であるアルミニウム・セラミックス複合材の塊26を造る。
なお、酸化物系セラミックスの代用として、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3N4)などの窒化物系セラミックス又は炭化珪素(SiC)などの炭化物系セラミックスとすることは差し支えない。
なお、酸化物系セラミックスの代用として、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3N4)などの窒化物系セラミックス又は炭化珪素(SiC)などの炭化物系セラミックスとすることは差し支えない。
窒化物系セラミックスは、通常、その最表層には酸化物層が形成されており、本発明に係る方法によって、ぬれ性を向上させることができる。同様に、炭化物系セラミックスについても、通常、最表層には酸化物層が形成されており、本発明に係る方法によって、ぬれ性を向上させることができる。一方、酸化を防止する処理がなされた炭化物系セラミックスについては、ぬれ性を向上させることは難しい。
なお、上述した造塊工程は、一例を示したものであり、他の類似する方法によることは差し支えない。
なお、上述した造塊工程は、一例を示したものであり、他の類似する方法によることは差し支えない。
図3は本発明に係るバルク化工程を説明する図であり、破砕機構31を備えるバルク化装置32を準備し、このバルク化装置32にアルミニウム・セラミックス複合材の塊26を入れ、バルク状にする。
(a)において、アルミニウム・セラミックス複合材の塊26を準備し、(b)において、バルク化装置32にアルミニウム・セラミックス複合材の塊26を入れ、(c)において、アルミニウム・セラミックス複合材25のバルク29を得る。
(d)は、バルク状にしたアルミニウム・セラミックス複合材25の一粒の拡大断面図である。酸化アルミニウム(Al2O3)の周囲はアルミニウム(Al)で覆われ、酸化アルミニウム(Al2O3)の表面は、ぬれ性を有するため、アルミニウム(Al)と良好な密着性を有する。
図4は本発明に係る溶湯撹拌工程を説明する図である。
(a)において、溶湯撹拌装置34は、ヒータ35aを備える電気炉35と、この電気炉35の内部に接続し炉内の気体を排気する真空ポンプ36と、溶解アルミニウム24を撹拌する容器としての撹拌容器37と、この撹拌容器37に備え回転翼部材40を有する撹拌機構38と、撹拌容器37の上方に設けバルク化させたアルミニウム・セラミックス複合材25を撹拌容器37に供給する供給機構39とからなる。そして、撹拌容器37に溶解アルミニウム41を入れ、撹拌機構38で撹拌しながら、アルミニウム・セラミックス複合材25を所定の量だけ供給する。
(a)において、溶湯撹拌装置34は、ヒータ35aを備える電気炉35と、この電気炉35の内部に接続し炉内の気体を排気する真空ポンプ36と、溶解アルミニウム24を撹拌する容器としての撹拌容器37と、この撹拌容器37に備え回転翼部材40を有する撹拌機構38と、撹拌容器37の上方に設けバルク化させたアルミニウム・セラミックス複合材25を撹拌容器37に供給する供給機構39とからなる。そして、撹拌容器37に溶解アルミニウム41を入れ、撹拌機構38で撹拌しながら、アルミニウム・セラミックス複合材25を所定の量だけ供給する。
詳細には、溶湯撹拌工程において、(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が2〜20%なるように、バルク化工程において塊26をバルク状にしたバルク29を、溶解アルミニウム41に添加してアルミニウム・セラミックス複合材を得る。
塊を破砕したバルク29の大きさは、一辺が10mm程度の大きさである。塊を破砕装置で破砕してバルク状にしたバルク29を添加すると5分程度で再溶解させることができる。これに対して、バルク化工程を経ることなく、塊のまま添加すると、再溶解するまでに90分程度必要となる。
塊をバルク状にするバルク化工程を加え、塊をバルク状にしたので、溶解アルミニウムに添加するときの再溶解時間を短縮することができる。
塊をバルク状にするバルク化工程を加え、塊をバルク状にしたので、溶解アルミニウムに添加するときの再溶解時間を短縮することができる。
(b)は(a)のb部拡大断面図であり、バルク状にしたアルミニウム・セラミックス複合材25が再溶解し溶解アルミニウム41によって撹拌されている。
バルク状にした複合材25を添加し撹拌する場合における撹拌機構38は、実施例において、回転翼部材40によって機械的に撹拌するものである。この攪拌機構38に代えて、電磁的に撹拌する電磁撹拌機構を利用しても良い。
バルク状にした複合材25を添加し撹拌する場合における撹拌機構38は、実施例において、回転翼部材40によって機械的に撹拌するものである。この攪拌機構38に代えて、電磁的に撹拌する電磁撹拌機構を利用しても良い。
電磁撹拌機構によれば、窒化珪素などのような凝集し易い複合材を用いる場合に、溶湯を対流により均一に撹拌できる。一方、回転翼部材を用いる機械的な撹拌では、撹拌機構の近傍においてのみの撹拌となる場合がある。この点、電磁撹拌機構を利用すれば、容易、且つ均一に溶湯中に複合材を分散させることが可能となる。
バルク状にしたアルミニウム・セラミックス複合材25と溶解アルミニウム41間の密着性は良好である。
上記に述べてきた工程を経ることで、セラミックスの分散率が低いアルミニウム・セラミックス複合材42を得ることができる。
上記に述べてきた工程を経ることで、セラミックスの分散率が低いアルミニウム・セラミックス複合材42を得ることができる。
具体的には、セラミックスの分散率が2〜20%なるようにアルミニウム・セラミックス複合材42を得る工程が設けられているので、セラミックスの分散率が低いアルミニウム・セラミックス複合材42を製造することができる。
セラミックスの分散率が低いアルミニウム・セラミックス複合材42が製造可能となるので、セラミックスが高価なときに、セラミックスの分散率を減らすことで、アルミニウム・セラミックス複合材42の材料費用を低減することができる。
図5は本発明に係る鋳造工程を説明する図であり、鋳造型44を備えるダイカスト鋳造装置45を準備し、このダイカスト鋳造装置45に溶湯撹拌工程を経て得られたアルミニウム・セラミックス複合材42を流し込み、所定の形状をもつ部品を得るというものである。
本鋳造工程において得られたアルミニウム・セラミックス複合材42は、アルミニウムと酸化アルミニウムからなる複合材であり、高硬度、耐摩耗性などで優れた特性を有し、例えば、スリーブ、ブレーキなどの車両部品に適用すると好適である。
この他のタイプのアルミニウム・セラミックス複合材として、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)又は窒化珪素(Si3N4)を添加したアルミニウム・セラミックス複合材があり、各々の材料特性は異なる。そこで、表1において、各複合材の特性及びこれら複合材に好適な車両部品の例を示す。
実施例1〜4において、異なる添加物を有するアルミニウム・セラミックス複合材は、各々異なる特性を有しており、添加したセラミックスによってアルミニウム・セラミックス複合材の硬度、熱伝導率、線膨張率などの材料特性は異なる。
例えば、アルミニウムと炭化珪素(SiC)からなる複合材は、高硬度、高剛性及び高熱伝導率を有しており、例えば、エンジンのピストンなどに適用すると好適である。
アルミニウムと窒化アルミニウム(AlN)からなる複合材は、高熱伝導率及び低熱膨張率を有しており、例えば、ヒートシンクなどの部品に適用すると好適である。
アルミニウムと窒化珪素(Si3N4)からなる複合材は、高靱性及び低熱膨張率を有しており、例えば、サスペンションアームなどの部品に適用すると好適である。
例えば、アルミニウムと炭化珪素(SiC)からなる複合材は、高硬度、高剛性及び高熱伝導率を有しており、例えば、エンジンのピストンなどに適用すると好適である。
アルミニウムと窒化アルミニウム(AlN)からなる複合材は、高熱伝導率及び低熱膨張率を有しており、例えば、ヒートシンクなどの部品に適用すると好適である。
アルミニウムと窒化珪素(Si3N4)からなる複合材は、高靱性及び低熱膨張率を有しており、例えば、サスペンションアームなどの部品に適用すると好適である。
アルミニウム・セラミックス複合材42は、鋳造に供する溶湯46であるため、鋳造型44を用いて、任意の形状に成形可能となる。従って、この溶湯46を前記部品などに利用すれば、高剛性、耐摩耗性及び被削性を兼ね備えた部品を成形することができる。
また、セラミックスの表面はぬれ性を有しているので、アルミニウムとセラミックス間の接着強度を高くでき、高品質な複合材を得ることができる。
さらに、セラミックスの分散率を低く抑えることができるので、被削性を高め、ツール費用を低減できる。
さらに、セラミックスの分散率を低く抑えることができるので、被削性を高め、ツール費用を低減できる。
本発明は、セラミックスの分散率を低くしたアルミニウム・セラミックス複合材の製造に好適である。
23…アルミニウム合金溶湯、24…溶解アルミニウム、25…アルミニウム・セラミックス複合材、26…塊、28…微粉、42…アルミニウム・セラミックス複合材、46…溶湯。
Claims (4)
- 内外を問わずに気体や液体が接触する面を表面と呼ぶときに、酸化物系セラミックスの表面・窒化物系セラミックスの表面又は炭化物系セラミックスの表面が窒化マグネシウムで還元処理される表面処理工程と、
表面が還元処理されたセラミックスにアルミニウム合金溶湯を浸透させて、(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が20〜40%であるアルミニウム・セラミックス複合材の塊を造る造塊工程と、
(セラミックスの体積÷(アルミニウム合金の体積+セラミックスの体積))×100で表されるセラミックスの分散率が2〜20%になるようにして前記塊を溶解アルミニウムに添加してアルミニウム・セラミックス複合材を得る工程と、からなることを特徴とするアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法。 - 前記セラミックスを平均粒径が80μmを超えない微粉としたことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法。
- 前記造塊工程の次に、前記塊をバルク状にするバルク化工程を加えたことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法。
- 前記アルミニウム・セラミックス複合材を得る工程で得たアルミニウム・セラミックス複合材は、鋳造に供する溶湯であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のアルミニウム・セラミックス複合材の製造方法。
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