JP2008038048A - フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、電子機器の材料として有用な絶縁材フィルムの製造方法であって、絶縁材層の厚みを薄く、かつ均一にすることを可能とする、製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】支持体上に、マイクログラビア法により、ワニスを塗布し、次いで乾燥させて絶縁材層を形成することを含む絶縁材フィルムの製造方法において、支持体の走行速度S(m/分)に対するグラビアロールの回転速度G(m/分)の比率G/Sが、0.75以上であることを特徴とする製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁材フィルムの製造方法及びその製造方法によって得られる絶縁材フィルムに関する。
近年の高度情報化社会では、携帯電話に代表されるように、情報の高速・大容量伝送に向けた高周波化が着実に進んでいる。これに対応すべく、情報末端機器等の電子機器に使用されるプリント配線板やモジュール基板なども、高周波領域で伝送損失を低減させる低誘電正接を有する材料を用いたものであることが必要とされている。
このような要求を満たす材料として、特定のエポキシ樹脂と特定の変性フェノールノボラックを含むエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。この樹脂組成物は、フィルム化が可能であることから、支持体上に、かかる樹脂組成物からなる絶縁材層を備えた絶縁材フィルムとしての利用が期待されている。しかしながら、絶縁材層を薄く、かつ均一な厚みとする方法は、確立されていなかった。
国際公開第2005/100435号
本発明は、電子機器の材料として有用な絶縁材フィルムの製造方法であって、絶縁材層の厚みを薄く、かつ均一にすることを可能とする、製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、支持体に、マイクログラビア法により、ワニスを塗布し、次いで乾燥させて絶縁材層を形成することを含む絶縁材フィルムの製造方法において、支持体の走行速度S(m/分)に対するグラビアロールの回転速度G(m/分)の比率G/Sに着目して鋭意検討し、本発明を完成させるに至った。ここで、絶縁材層は、フィルム形成能があり、かつ硬化後に絶縁性を示す樹脂材料から形成される層をいう。
すなわち、本発明は、支持体上に、マイクログラビア法により、ワニスを塗布し、次いで乾燥させて絶縁材層を形成することを含む絶縁材フィルムの製造方法において、支持体の走行速度S(m/分)に対するグラビアロールの回転速度G(m/分)の比率G/Sが、0.75以上であることを特徴とする製造方法に関し、好ましくは、比率G/Sが、1〜6である製造方法に関する。
さらに、本発明は、支持体の走行速度Sが、0.3〜2.5m/分である、上記の製造方法に関する。
また、本発明は、ワニスが、(I)フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、及び重量平均分子量が10,000〜200,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂よりなる群から選択される1種以上のエポキシ樹脂と、(II)フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラックと、場合により(III)イソシアナート化合物と、を含む、上記の製造方法に関する。
さらに、本発明は、ワニスが、(i)以下の一般式(1)で示されるビニル化合物と、


(式中、
、R、R、R、R、R、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はフェニル基であり、
−(O−X−O)−は構造式(2)で示され、ここで、R、R、R10、R14、R15は、同一又は異なってもよく、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R11、R12、R13は、同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、
−(Y−O)−は構造式(3)で示される1種類の構造、又は構造式(3)で示される2種類以上の構造がランダムに配列したものであり、ここで、R16、R17は同一又は異なってもよく、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R18、R19は同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、
Zは炭素数1以上の有機基であり、場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともあり、
a、bは少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示し、
c、dは0又は1の整数を示す。)
(ii)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、
を含む上記の製造方法に関する。
また、本発明は、ワニスが、粘度1〜10,000mPa・sである、上記の製造方法に関し、さらにワニスが、固形分濃度1〜95重量%である、上記の製造方法に関する。
さらに、本発明は、上記の絶縁材フィルムの製造方法により得られる絶縁材フィルムに関する。
本発明の製造方法によれば、絶縁材フィルムにおいて、絶縁材層の厚みを極めて薄く、かつ均一にすることができ、電子機器の薄型化への寄与が大きい。また、本発明の製造方法は、大型の装置を必要としないので、経済的な優位性をもってこのような絶縁材フィルムを製造することができ、産業上、極めて有用である。
本発明の絶縁材フィルムの製造方法は、支持体上に、マイクログラビア法により、ワニスを塗布し、次いで乾燥させて絶縁材層を形成することを含む。
〔ワニス〕
本発明において使用されるワニスは、フィルム形成能があり、かつ硬化後に絶縁性を示す樹脂材料を含む。
一の態様において、ワニスは、(I)フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、及び重量平均分子量が10,000〜200,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂よりなる群から選択される1種以上のエポキシ樹脂と、(II)フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラックと、場合により(III)イソシアナート化合物とを含む。
成分(I)におけるフェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂としては、具体的には、式(A):
で示され、式中、nは平均値を表し、1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1である、エポキシ樹脂が挙げられる。
成分(I)における重量平均分子量が10,000〜200,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂としては、好ましくは重量平均分子量が15,000〜70,000のものが挙げられる。数平均分子量は、好ましくは、3,700〜74,000、より好ましくは、5,500〜26,000であり、エポキシ当量が、5000g/当量以上のものである。重量平均分子量、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いた値とする。重量平均分子量/数平均分子量が2〜3の範囲のものが特に好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、式(B):
で示され、式中、Xは、同一であっても、異なっていてもよく、単結合、炭素数1〜7の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−CO−又は基:
であり、ここで、
は、同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、;
qは、同一であっても、異なっていてもよく、0〜5の整数であり;
は、同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり;
pは、同一であっても、異なっていてもよく、0〜4の整数であり;
nは、平均値を表し、25〜500である、エポキシ樹脂が挙げられる。
特に、式(B)において、pが0である、式(B’):
で示され、式中、X、nは式(B)と同義である、エポキシ樹脂が好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、単独でも2種以上を併用してもよい。
成分(II)としては、例えば、式(C):
で示され、式中、Rは、同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキル基であり、好ましくはメチル基であり、
は、同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のアラルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
は、同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のアラルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
rは、同一であっても、異なっていてもよく、0〜3の整数であり、
sは、同一であっても、異なっていてもよく、0〜3の整数であり、
n:mは、1:1〜1.2:1であることができる、変性フェノールノボラックが挙げられる。
式(C)におけるn、mは、繰り返し単位の平均値であり、繰り返し単位の順序は限定されず、ブロックでもランダムでもよい。また、式(C)において、nとmの比は、約1:1であることがより好ましい。nとmの合計としては、例えば2〜4とすることができる。
好ましくは、式(C)において、r及びsが0である式(C’):
で示され、式中、R、n及びmは上記と同義である、変性フェノールノボラックが挙げられる。特に好ましくは、Rがメチル基のアセチル化フェノールノボラックである。
これらの変性フェノールノボラックは、単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
場合によりワニスに含まれる成分(III)としては、2個以上のイソシアナト基を有するイソシアナート化合物が挙げられる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、シクロへキシレンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、リシンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリ(イソシアナトフェニル)トリホスファート等である。好ましくは、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)、DPMDI(ジフェニルメタンジイソシアナート)である。また、イソシアナート化合物には、イソシアナート化合物の一部が環化反応により、イソシアヌレート環を形成したプレポリマーを含むものとする。例えば、イソシアナート化合物の3量体を含むプレポリマーが挙げられる。
ワニス中の成分(I)と(II)の重量比は、成分(I)100重量部に対して、成分(II)が30〜200重量部であることが好ましく、より好ましくは50〜180重量部である。なお、成分(I)が上記のフェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂の場合、成分(II)は30〜70重量部であることが好ましく、上記の二官能性直鎖状エポキシ樹脂の場合、成分(II)は120〜180重量部であることが好ましい。成分(III)は、成分100重量部(I)に対して、100〜400重量部で使用することができ、好ましくは300〜350重量部である。
他の態様において、ワニスは、(i) 以下の一般式(1)で示されるビニル化合物と、


(式中、
、R、R、R、R、R、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はフェニル基であり、
−(O−X−O)−は構造式(2)で示され、ここで、R、R、R10、R14、R15は、同一又は異なってもよく、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R11、R12、R13は、同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、
−(Y−O)−は構造式(3)で示される1種類の構造、又は構造式(3)で示される2種類以上の構造がランダムに配列したものであり、ここで、R16、R17は同一又は異なってもよく、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R18、R19は同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、
Zは炭素数1以上の有機基であり、場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともあり、
a、bは少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示し、
c、dは0又は1の整数を示す。)
(ii)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーとを含む。
成分(i)の一般式(1)で示されるビニル化合物の−(O−X−O)−についての構造式(2)において、R、R、R10、R14、R15は、好ましくは、炭素数3以下のアルキル基であり、R11、R12、R13は、好ましくは、水素原子又は炭素数3以下のアルキル基である。具体的には、構造式(4)が挙げられる。
−(Y−O)−についての構造式(3)において、R16、R17は、好ましくは、炭素数3以下のアルキル基であり、R18、R19は、好ましくは、水素原子又は炭素数3以下のアルキル基である。具体的には、構造式(5)又は(6)が挙げられる。
Zは、炭素数3以下のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基である。
a、bは少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示し、好ましくは0〜30の整数を示す。
数平均分子量1000〜3000である一般式(1)のビニル化合物が好ましい。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いた値とする。
上記の一般式(1)のビニル化合物は、単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(ii)のゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられ、好ましくは、スチレン−ブタジエンゴムである。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。弾性率の点から、好ましくは、熱可塑性エラストマーであり、さらに誘電特性も勘案して、中でもスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーは、単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ワニス中の成分(i)と(ii)の重量比は、10:90〜90:10であることが好ましく、硬化物が低誘電率・低誘電正接と低弾性率をバランスよく備えるためには、より好ましくは40:60〜60:40であり、特に好ましくは、45:55〜55:45である。
ワニスには、必要に応じて、粘着付与剤、消泡剤、流動調整剤、成膜補助剤、分散助剤等の添加剤を配合することができる。
ワニスには、上記の成分(I)、成分(II)及び場合により成分(III)並びに任意の添加剤、あるいは成分(i)及び(ii)並びに任意の添加剤を、溶剤で希釈して得られる。溶剤は、適宜、選択することができ、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等の高沸点溶媒等が挙げられる。溶剤の使用量は、固形分濃度が1〜95重量%となる範囲で使用することができる。
ワニスは、1〜10,000mPa・sの粘度の範囲で使用することができ、良好な転写の点からは、好ましくは10〜1,000mPa・sである。厚みの均一性の点から、好ましくは、100〜600mPa・sである。粘度は、E型粘度計を用いて、回転数60rpm、25℃で測定した値とする。
〔支持体〕
本発明の製造方法における支持体は、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等が挙げられる。好ましくは、ポリエステルフィルム、特にPETフィルムである。支持体の厚みは、作業性の点から、好ましくは10〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmであり、例えば25μm及び38μmとすることができる。支持体は、適宜、シリコーン化合物等で離型処理されていることができる。
〔塗布工程〕
本発明の製造方法においては、マイクログラビア法で、ワニスを支持体上に塗布する。一般に、マイクログラビア法は、キス方式であり、かつ支持体の進行方向に対して、直径約20〜50mmのグラビアロールがリバース回転する塗布方式であり、具体的には、特公平5−53553号公報に開示の技術が基本となっている。
本発明の製造方法においては、マイクログラビア法での塗布にあたり、支持体の走行速度S(m/分)に対するグラビアロールの回転速度G(m/分)の比率G/Sを0.75以上とする。これにより、絶縁材層の厚みを極めて薄く、かつ均一にすることができる。作業性・生産効率の点から、比率G/Sはより好ましくは1〜6である。
支持体の走行速度Sは、0.3〜2.5m/分が好ましく、厚みの均一性及び生産効率の点から、より好ましくは0.5〜2m/分である。
グラビアロールのグラビアパターンの大きさや形状は、特に限定されず、公知のパターンから適宜、選択することができる。グラビアロールのセル容積は、所望の厚みに応じて選択することができる。
マイクログラビア法においては、グラビアロールが支持体と接触する手前側にドクターブレード装置を設け、グラビアロールに付着したワニスの量を調整することができる。
〔乾燥工程〕
本発明の製造方法においては、支持体にワニスを塗布した後に乾燥させて絶縁材層を支持体上に形成することができる。
乾燥手段は、特に限定されず、熱風乾燥や遠赤外線乾燥などの公知の乾燥手段から適宜、選択することができる。例えば、熱風乾燥の場合、80〜120℃で、1〜30分程度とすることができる。
〔絶縁材フィルム〕
上記のようにして得られた絶縁材フィルムは、通常、90μm以下の絶縁材層を有し、絶縁材層の厚みの均一性にも優れるものである。マイクログラビア法において通常、問題となるのは連続長さ方向の厚みの均一性であり、均一性は連続長さ方向の厚みの平均値に対する、平均値からの最大の乖離幅で評価することができる。ここでは、平均値に対する最大の乖離幅を%表示した値をばらつきということとする。本発明の製造方法においては、厚みが10μm以上の場合は、ばらつき3%以内にすることができ、10μm未満でもばらつきを5%以内とすることができる。
より薄い厚みが求められる場合は、固形分濃度が小さいワニスを使用するか、セル容積の小さいグラビアロールを選択することにより対応することができる。例えば、両者の選択次第で、厚み0.5μmのものも製造することができる。
上記の絶縁材層は未硬化の状態であり、さらに硬化させることができる。硬化条件は、適宜、設定することができ、例えば、150〜250℃で、10〜150分程度とすることができる。
本発明の絶縁材フィルムの絶縁材層は、硬化後の誘電特性に優れているため、絶縁材フィルムを、配線板、モジュール基板の製造(例えば、配線板の層間絶縁膜の形成)や電子部品製造プロセスでの接着(例えば、異種材料の接着)に用いることができる。また、金属箔を支持体とした金属箔付きフィルム(例えば、銅箔付きフィルム)とすることもできる。
なお、絶縁材フィルムは、必要に応じて、絶縁材層上に保護フィルムを備えることができる。保護フィルムは、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリピロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等が挙げられる。
図1を用いて、絶縁材フィルムの使用方法の一例として、第一の被着体と第二の被着体の接着方法を示す。図1(A)は、絶縁材フィルムの一態様であり、保護フィルム3が絶縁材層2の上に設けられている。接着方法においては、まず、保護フィルム3を除去し(図1(B))、第一の被着体4上に配置し(図1(C))、仮熱圧着させる。この際の条件は、適宜、選択することができ、150〜180℃の温度でローラーを通過させることに行うことができる。次いで、支持体1を除去する(図1(D))。その後、絶縁材層2が対向するようにして、第二の被着体5に真空プレスして、絶縁材層2を硬化させ、第一の被着体4と第二の被着体5とを接着する。真空プレスの条件は、適宜、設定することができ、例えば温度150〜210℃、実圧力5〜15kgf/cmの範囲で選択することができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:
表1に示す配合で各成分を混合し、さらに溶剤としてメチルエチルケトンを用いて、固形分濃度が3、15、30、62、80、90及び95重量%のワニスを調製した。
各ワニスを、マイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて、表2に示す条件で、支持体(離型剤付PETフィルム)に塗布し、90℃で乾燥させて、絶縁材フィルムを得た。絶縁材層の厚みを透過型赤外線膜厚計(クラボ社製 RX−30)で測定し、厚み及びばらつきを算出した。厚みは、連続長さ方向少なくとも60mの平均値を表す。ばらつきは、連続長さ方向の厚みの平均値に対する、平均値からの最大の乖離幅を算出し、3%以内を◎、3%超、5%以内を○とした。
固形分濃度が62重量%のフィルムを200℃で120分の条件で硬化させ、支持体を剥した後、40mm×100mmに切り取り、直径約2mmの筒状にして、誘電率(ε)、誘電正接(tanδ)を、空洞共振器を用いて、温度25℃、周波数5GHzで測定したところ、誘電率(ε)が2.8、誘電正接(tanδ)0.01であった。
実施例2:
表3に示す配合で各成分を混合し、さらに溶剤としてメチルエチルケトンを用いて、固形分濃度が30重量%のワニスを調製した。
ワニスを、マイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて、4種類のグラビアロールを使用して、支持体の走行速度Sが0.5、1.0、1.5及び2.0m/sの各場合について、回転速度Gを変化させて支持体(離型剤付PETフィルム)に塗布した。次いで、90℃で乾燥させて、絶縁材フィルムを得た。絶縁材層の厚みを測定し、厚み及びばらつきを算出した。測定及び算出方法は上記と同様である。G/Sと厚みの関係をプロットしたものを図2に示す。G/Sが0.75以上の各プロット点については、厚みが10μm以上のものについてばらつきが3%以内であり、また厚みが10μm未満のものについてはばらつきが5%以内であった。しかし、G/Sが0.75未満の各プロット点については、塗布欠陥が見られ、厚みが10μm以上のもの、10μm未満のもののいずれについても、ばらつきが上記の範囲を超えていた。
実施例3
実施例2で使用したワニスについて、マイクログラビアコーター(康井精機社製)を用いて、表4に示す条件で、支持体(離型剤付PETフィルム)に塗布した。次いで、90℃で乾燥させて、絶縁材フィルムを得た。絶縁材層の厚みを測定し、厚み及びばらつきを算出した。測定及び算出方法は上記と同様である。測定及び算出方法は上記と同様である。結果を表4に示す。あわせて、長さ連続方向の厚みのプロファイルを図3に示す。表4及び図3に示されるように、実施例3の絶縁材層は均一性に優れていた。
また、このフィルムを200℃、60分間の条件で硬化させ、支持体を剥した後、40mm×100mmに切り取り、直径約2mmの筒状にして、誘電率(ε)、誘電正接(tanδ)を、空洞共振器を用いて、温度25℃、周波数5GHzで測定したところ、誘電率(ε)が2.4、誘電正接(tanδ)0.0024であった。
本発明の製造方法によれば、絶縁材層の厚みが薄く、かつ均一な絶縁材フィルムが得られることがわかる。
本発明の製造方法による絶縁材フィルムの使用方法の一例である。 G/Sと厚みの関係を示すグラフである。 実施例3の絶縁材層の連続長さ方向の厚みプロファイルである。
符号の説明
1 支持体
2 絶縁材層
3 保護フィルム
4 第一の被着体
5 第二の被着体

Claims (8)

  1. 支持体上に、マイクログラビア法により、ワニスを塗布し、次いで乾燥させて絶縁材層を形成することを含む絶縁材フィルムの製造方法において、支持体の走行速度S(m/分)に対するグラビアロールの回転速度G(m/分)の比率G/Sが、0.75以上であることを特徴とする製造方法。
  2. 比率G/Sが、1〜6である、請求項1記載の製造方法。
  3. 支持体の走行速度Sが、0.3〜2.5m/分である、請求項1又は2の製造方法。
  4. ワニスが、(I)フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、及び重量平均分子量が10,000〜200,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂よりなる群から選択される1種以上のエポキシ樹脂と、(II)フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラックと、場合により(III)イソシアナート化合物と、を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. ワニスが、(i)以下の一般式(1)で示されるビニル化合物と、


    (式中、
    、R、R、R、R、R、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はフェニル基であり、
    −(O−X−O)−は構造式(2)で示され、ここで、R、R、R10、R14、R15は、同一又は異なってもよく、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R11、R12、R13は、同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、
    −(Y−O)−は構造式(3)で示される1種類の構造、又は構造式(3)で示される2種類以上の構造がランダムに配列したものであり、ここで、R16、R17は同一又は異なってもよく、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R18、R19は同一又は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、
    Zは炭素数1以上の有機基であり、場合により酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともあり、
    a、bは少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示し、
    c、dは0又は1の整数を示す。)
    (ii)ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、
    を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  6. ワニスが、粘度1〜10,000mPa・sである、請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. ワニスが、固形分濃度1〜95重量%である、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法により得られる絶縁材フィルム。
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