JP2008036963A - 液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド - Google Patents

液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2008036963A
JP2008036963A JP2006214342A JP2006214342A JP2008036963A JP 2008036963 A JP2008036963 A JP 2008036963A JP 2006214342 A JP2006214342 A JP 2006214342A JP 2006214342 A JP2006214342 A JP 2006214342A JP 2008036963 A JP2008036963 A JP 2008036963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filling
liquid
ink
region
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006214342A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4849610B2 (ja
Inventor
Takuya Uchida
拓也 内田
Toru Maruyama
徹 丸山
Kenichi Yoshimura
研一 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2006214342A priority Critical patent/JP4849610B2/ja
Publication of JP2008036963A publication Critical patent/JP2008036963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4849610B2 publication Critical patent/JP4849610B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】脱気後に大気と接触させずに、脱気中の真空度よりも充填領域の真空度を低くし、充填インク中の溶存気体の発泡を防ぐ。
【解決手段】充填開始時、バルブ16を閉、大気開放バルブ17を開、三方バルブ37を配管接続Aとし、真空ポンプ24で脱気タンク23内を真空引きし、配管領域55がある真空度以上のとき、バルブ16を開き配管領域55をインク11で置換。キャップ53を印字ヘッド50のノズル吐出口に移動後、バルブ46を閉じ真空ポンプ34で配管領域56,57内の真空度を上昇させ、圧力センサ35と圧力センサ25の検出値がほぼ同一のときに停止。三方バルブ37を配管接続Bとし、配管領域57内に配管領域55からインク11が流入し置換される。圧力センサ45のある真空度以下で充填を完了する。この後バルブ46を開き吸引ポンプ44でインク廃液を吸引し、大気開放バルブ17を開き、キャップ53を印字ヘッド50から移動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、減圧した充填領域を液体で置換する充填技術に係り、液滴吐出ヘッドへのインク充填に応用可能な液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッドに関するものである。
液滴の吐出により画像を形成する記録装置に用いられる液滴吐出ヘッドにおいて、気泡がヘッド内へ残留してしまうと、圧電素子や発熱素子への駆動電圧印加により、インク等の液体に圧力を加えても、加圧液室の体積変化が残留気泡の縮小に費やされることによって、インク吐出口からインク滴を正常に吐出できなくなって良好な画像が得られなくなる問題がある。ヘッド内へ気泡の残留を無くすためには、インクをヘッド内へ充填する前に、インク中の溶存気体を極力除去し、溶存気体の除去後にインクを大気に触れさせることなく、また、吐出ヘッドへのインク充填時に、除去しきれなかったインク中の溶存気体が、発泡しないようにすることが必要である。
そこで従来は、まず、インクを脱気装置にかけて、溶存気体の脱気をした後、タンク等の容器に蓄積する。次に充填領域を真空にする真空引きを行い、真空引きした充填領域を蓄積したインクにより置換する減圧充填が行われていた。
例えば、特許文献1には、インクが貯蔵されているインク供給装置からインク通路を介してインクを記録ヘッドに供給し、記録ヘッドのノズル孔からインク粒子を吐出させ、ノズル孔に対向した位置の被記録材上に記録ドットを形成するインクジェット記録装置において、インク供給装置に、記録ヘッドやインク流路内のインクを排出するインク排出手段と、この手段の動作に引き続いて記録ヘッドやインク流路内を真空にする真空引き手段と、この手段の動作に引き続いて真空にされた記録ヘッドやインク流路内に脱気したインクを充填するインク充填手段とを備えた構成が記載されている。
また、特許文献2には、インクを貯留する主インクタンクと、サブインクタンクと、其々を接続してインク滴を吐出するヘッドへインクを供給するインク供給流路と、ノズル開口部よりインクを吸引してパージを行うパージ手段とを備えたインクジェット式記録装置において、主インクタンクおよびサブインクタンクは大気に開放されていない可撓性を有する容器にインクが真空充填され、主インクタンクには、サブインクタンクへインク供給を行う加圧手段を備え、主インクタンクとサブインクタンクを接続するインク配管およびサブインクタンクとヘッド間を接続するインク配管とに夫々流路封止手段を備えた構成が記載されている。
特許文献3には、一側面側にインクヘッドに連結可能なインク排出口を有するとともに一側面に対向する他側面に大気に連通可能な大気連通口を有し、内部にインクを含浸可能な吸収部材を有する容器を備えたインクカートリッジを準備し、大気連通口から容器内の空気を引き抜いて容器内を真空状態する真空引き工程と、吸収部材が負圧によって保持できる量以下のインクを前記インク排出口から容器内に供給するインク供給工程と、大気連通口を大気に連通して容器内を大気に開放する大気開放工程とを含んで構成したものが記載されている。
特開2004−9475号公報 特開2004−216797号公報 特開2000−177142号公報
しかしながら、例えば特許文献1では、脱気後のインクが、大気開放状態でタンク内に蓄積されるため、脱気後インクと大気との接触により、インク中への大気の溶け込みが発生してしまうという問題があった。
また、特許文献2では、脱気工程の真空度と充填領域の真空引きの真空度を比較し、相対的な真空度のレベル調整をしていなため、充填領域の真空引きの真空度の方が高いことがあり、この場合真空引きした充填領域にインクが接触したときに、インク中の気体の飽和溶解量が低下し、溶存気体が発泡してしまうという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、脱気後の液体を大気と接触させず、また、脱気中の真空度よりも液体と置換する充填領域の真空度を低くすることで、液体中の溶存気体の飽和溶解量を低下させずに溶存気体の発泡を防止した液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した液体充填方法は、充填領域を減圧して液体で置換する液体充填方法であって、減圧により液体中の溶存気体を脱気する脱気工程と、充填領域を減圧する減圧工程と、脱気工程の真空度と減圧工程の真空度を比較して真空度の差を調整する調整工程と、減圧した充填領域内を脱気した液体で置換して充填する充填工程とを有することにより、液体中の溶存気体の発泡を防止できる。
また、請求項2に記載した液体充填方法は、請求項1記載の液体充填方法であって、調整工程が、脱気工程の真空度を充填工程の真空度よりも高く調整することにより、真空引きした充填領域を液体で置換するときに、脱気により除去しきれなかった溶存気体が発泡することを防止できる。
また、請求項3に記載した液体充填方法は、請求項1または2記載の液体充填方法であって、脱気工程が、液体から溶存気体を分離する気液分離工程と、気液分離工程における液体の流量を調整する流量調整工程とからなることにより、気液分離中の液体流速を所定速度以下に抑えて、必要な脱気能力を得ることができる。
また、請求項4に記載した液体充填方法は、請求項1,2または3記載の液体充填方法であって、充填工程が、減圧した充填領域と脱気後の液体の蓄積領域との接続を行う接続工程と、液体を減圧した充填領域方向へ加圧する加圧工程とからなることにより、充填領域を液体で置換する速度を高速にすることができる。
また、請求項5に記載した液体充填方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体充填方法であって、充填領域内の圧力を計測する圧力計測工程と、計測した圧力が所定圧力以上の場合に充填領域に液体の充填が完了したと判断する充填完了検知工程とを有することにより、液体の充填完了を正確に検知できる。
また、請求項6,7に記載した液体充填方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体充填方法であって、充填領域内の圧力を液体充填後に負圧にする負圧形成工程を備えたこと、さらに、負圧形成工程が、充填領域の液体充填後の大気接触面の高さと、充填領域への液体供給元の大気接触面の高さとの相対的位置関係を調整した水頭差によって充填領域に負圧を形成することにより、液滴を吐出するヘッド内の圧力を、液体の吐出口からの液体垂れのない、吐出口でのメニスカスの破壊のない、適正な負圧に維持できる。
また、請求項8に記載した液体充填装置は、減圧により液体中の溶存気体を脱気するために液体から溶存気体を分離する気液分離手段、および気液分離手段における液体の流量を調整する流量調整手段からなる脱気手段と、液体の充填領域を減圧する減圧手段と、脱気手段の真空度と減圧手段の真空度を比較して真空度の差を調整する調整手段と、減圧した充填領域内を脱気した液体で置換し充填するために充填領域と脱気後の液体を流す配管(蓄積領域)の接続を行う接続手段、および液体を充填領域方向へ加圧する加圧手段からなる充填手段と、充填領域内の圧力を計測する圧力計測手段と、計測した圧力が所定圧力以上の場合に充填領域に液体の充填が完了したと判断する充填完了検知手段とを備えたことにより、充填領域を液体で置換するときに、脱気により除去しきれなかった溶存気体が発泡することなく、また液体流速を制御して必要な脱気能力が得られるとともに、充填領域を液体で置換する速度をより高速にし、かつ充填完了を検知できる。
また、請求項9に記載した液体充填装置は、請求項8記載の液体充填装置であって、液体充填後の充填領域内の圧力を負圧にする負圧形成手段を備えたことにより、液滴を吐出する吐出口からの液体垂れがなく、また吐出口でのメニスカスの破壊のない適正な負圧に維持できる。
また、請求項10に記載した液滴吐出ヘッドは、請求項9記載の液体充填装置を用いて充填する充填領域を有し、充填領域が液滴を吐出する複数のノズルを形成したノズル板と、複数のノズルに対応して液室を形成した流路板を接合してなることにより、充填状態の良好な液滴吐出ヘッドによって記録用紙に安定した高画質の画像を形成できる。
また、請求項11に記載した液滴吐出ヘッドは、請求項10記載の液滴吐出ヘッドにおける液滴の吐出方式が、エッジシューター方式またはサイドシューター方式であることにより、良好な充填状態の液滴吐出ヘッドが得られ、エッジシューター方式にすることにより、各部分の精度良い微細化やオリフィスのマルチ化、あるいはヘッド小型化を極めて容易にでき、またサイドシューター方式にすることにより、液滴の形成とその飛行の運動エネルギーにより効率良く変換できる。
本発明によれば、液体の充填処理において、脱気後の液体を大気と接触させず、また、脱気中の真空度よりも液体と置換する充填領域の真空度を低くすることで、液体中の溶存気体の飽和溶解量を低下させずに溶存気体の発泡を防止して高速に行い、また充填後の充填領域内の圧力を負圧にすることにより、液体の吐出口からの液体垂れやメニスカスの破壊のない適正負圧に維持した良好な充填状態によって記録用紙に安定した高画質の画像を形成できるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態における液体充填装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、気体と液体の分離を行う気液分離手段は、一般に“デガッサー”と呼ばれるもので、気体を透過させ液体との分離を行う気液分離膜22と気液分離膜22の周囲を減圧状態にする真空ポンプ24と脱気タンク23とから構成される。気液分離膜22内の液体流速を調整する流量調整手段は、流量調整バルブ27からなる。
充填領域を減圧する減圧手段は、真空ポンプ34と真空タンク33とからなる。脱気手段と減圧手段の真空度のレベルを調整する調整手段は、脱気タンク23内の圧力を測定する圧力センサ25と真空タンク33内の圧力を測定する圧力センサ35と、真空ポンプ24と真空ポンプ34の運転制御を行うコントローラ(図示せず)からなる。
減圧した充填領域と脱気後の液体の蓄積領域との接続を行う接続手段は、三方バルブ37からなり、充填領域と真空タンク33の配管接続A(真空引き)と、充填領域と流量調整バルブ27の配管接続B(インク置換)を、切換えられる構成となっている。
液体を減圧した充填領域方向へ加圧する加圧手段は、インクタンク13とインクタンク13内を加圧する加圧ポンプ14とインクタンク13内の圧力を計測する圧力センサ15からなる。
充填領域内の圧力を計測する圧力計測手段は圧力センサ45からなる。真空引きした充填領域を液体で置換しているときに圧力センサ45に所定圧力以上の圧力が計測された場合に、充填領域に液体の充填が完了したと判断する充填完了検知手段は、コントローラ(図示せず)からなる。
充填後の充填領域内の圧力を負圧にする負圧形成手段は、インクタンク13と大気開放バルブ17とインクタンク13を上下に移動させるアクチュエータ(図示せず)より構成される。
また、印字ヘッド50のインク吐出口(図示せず)をキャッピングするキャップ53には、キャッピング動作をさせるアクチュエータ(図示せず)が備えられており、キャップ53は印字ヘッド50のインク吐出口(図示せず)をキャップする位置や、印字ヘッド50から離れた位置へ移動できる構成となっている。
キャップ53には配管52が接続され、配管52の先には、配管内の圧力を測定する圧力センサ45,開閉をするバルブ46,キャップ53から配管52の方向にインク11を吸引する吸引ポンプ44の順に接続され、配管52の終端部は下向きに大気開放され、廃液タンク43内に配設されている。さらに、装置の制御を行うコントローラ(図示せず)が備えられている。
また、図2は配管領域を説明する図、図3は液体充填装置の基本動作を示すフローチャートである。図1〜図3を参照しながら液体充填装置におけるインク溶存気体の脱気動作について説明する。液体充填装置の自動運転が開始されるとコントローラ(図示せず)は、バルブ16が「閉」、大気開放バルブ17が「開」、三方バルブ37が「配管接続A」側の状態に切り換えられて(S1)、真空ポンプ24により脱気タンク23内を真空引きすると、配管領域55内は真空度が上昇する(S2)。
一般に液体中に飽和溶解している気体は、接触する気体の圧力が下がると気泡になってでてくることから、圧力センサ25の検出値があらかじめ実験等で求めてある真空度以上に上がった後(S3)、バルブ16を開くと(S4)、配管領域55がインク11により置換される。インク11が気液分離膜22を通過するときに、インク11内に溶存する気体は、気液分離膜22を通過し、気液分離膜22の外側へ排出される。
また、インク11が気液分離膜22を通過する流速が速くなるにつれ脱気能力が低下するので、所望の脱気能力を確保できるあらかじめ実験等で求めた流速を超えないように、装置の自動運転を開始する前に、流量調整バルブ27を調節しておく。
次に、図1〜図3を参照しながら液体充填装置におけるインク充填領域の真空引き動作について説明する。液体充填装置の自動運転が開始されるとコントローラ(図示せず)は、キャップ53を印字ヘッド50のノズル吐出口(図示せず)にアクチュエータ(図示せず)により移動させキャッピングする。また、バルブ46を閉じる(S5)。この後、真空ポンプ34を運転する(S6)と配管領域56,57内の真空度が上昇し、また、圧力センサ35の検出値も上昇をはじめる。圧力センサ35の検出値が圧力センサ25の検出値に近づくかあるいはほぼ同一になったときに(S7)、真空ポンプ34を停止する(S8)。
さらに、液体充填装置における充填領域のインク置換動作について説明する。前述の脱気動作およびインク充填領域の真空引き動作の完了後、脱気手段の脱気能力に余裕があり流量調整バルブ27を全開にした場合に限って、配管領域57内のインクによる置換速度の高速化のため、大気開放バルブ17を閉じてインクタンク13の圧力センサ15の測定値が、あらかじめ実験等で求めてある圧力値を維持するように加圧ポンプ14を運転制御する。設定の圧力値に到達するのを待つ。
三方バルブ37をインク供給側の配管接続Bへ切換えると、真空引きされた配管領域57内に配管領域55よりインク11が流入し、配管領域57がインク11により置換される(S9)。このとき、置換するインク11を脱気するため、脱気タンク23内は充填領域より真空度が高くなる。そして、圧力センサ45の検出値が、あらかじめ実験等で求めてある真空度以下になると充填完了となる(S10)。なお、充填品質をより確実なものにするために、この後バルブ46を開き吸引ポンプ44によりキャップ53側から廃液タンク43側へ吸引を行っても良い。この後、加圧ポンプ14を運転の場合は停止させて大気開放バルブ17を開いた上、アクチュエータ(図示せず)によりキャップ53を印字ヘッド50から離れた位置に移動させる。
次に、印字ヘッド50内の負圧生成動作について、図1および図4を参照しながら説明する。図4は本実施形態の水等差を説明する図であり、充填完了し負圧を生成する際には、大気開放バルブ17を開き、あらかじめ実験等で求めてある水頭差58になるように、アクチュエータ(図示せず)によりインクタンク13を上下動作させる。
図5は実施形態におけるPZT方式の印字ヘッドの概要構造を示す図である。図5に示すように、PZT方式の印字ヘッド50は、駆動ユニット59と、この駆動ユニット59に接合した液室ユニット60とを備えている。まず、駆動ユニット59は、基板61上に複数の圧電素子駆動部(以下、駆動部という)62および圧電素子支柱部(以下、支柱部という)63を交互に配設してなり、これらの駆動部62および支柱部63は所定の間隔をおいて、基板61に接合される。
また、液室ユニット60は、図6に示すように、インク滴を吐出する複数のノズル孔68を有するノズル板66と、図7に示すように、ノズル孔68に対応した液室69が形成された流路板65と、液室69に対応し、かつ駆動ユニット59の駆動部62の振動を液室に伝える振動板64から形成されている。液室ユニット60を構成するノズル板66、流路板65、振動板64は、流路板65上面に接着剤67を塗布し、接着剤67を介して高い精度で接合される。
液室ユニット60には本発明の液体充填装置(図1参照)によりインクが充填され、液室69にインクが充填される。そして、駆動ユニット59の各駆動部62および支柱部63の上面に接着剤67を介して液室ユニット60を高い精度で接着接合している。よって、圧電素子を選択的に駆動することにより、液室ユニット60のノズル孔68からインク滴が吐出される。
本発明において用いることができるインクジェットヘッドは、電歪素子に電圧を印加して電歪素子を変形させることでインクを吐出する、いわゆるピエゾ方式であっても良いし、電熱変換素子に電流を流すことで発熱させて、発熱によりインクを発泡させることでインクを吐出する、いわゆるサーマル方式であっても良い。
また、インクジェットヘッドのエッジシューター方式の記録ヘッドの例を図8(a),(b)に示す。図8(a),(b)に示すように、記録ヘッドは、吐出エネルギー発生体74を有する基板61に、流路75の側壁およびオリフィス73を構成する壁材71と、流路75の覆いを構成する天板72を積層した構成を有する。なお、吐出エネルギー発生体74に吐出信号を印加する電極、および吐出エネルギー発生体74に必要に応じて設けられる保護層などは省略してある。
この記録ヘッドにおいては、インクが貯えられている液室(図示せず)から流路75にインクが充填された状態で、不図示の電極を介して記録信号を吐出エネルギー発生体74に印加すると、吐出エネルギー発生体74から発生した吐出エネルギーが流路75内のインクに吐出エネルギー発生体74の吐出エネルギー作用部である上方に作用し、その結果インクがオリフィス73から液滴として吐出される。吐出されたインク滴はオリフィス73前方に送り込まれた紙などの被記録材に付着することにより画像が形成される。
図8(a),(b)に示したようなエッジシューター方式の記録ヘッドにおいては、各部分の精度良い微細化やオリフィス73のマルチ化、あるいは小型化が極めて容易であり、また量産性に富むという利点を有する。その一方で、インク滴吐出の際の応答周波数やインク滴の飛行速度に限界がある。また、電熱変換素子が発熱することでインク中に気泡が発生するが、この気泡が温度低下により収縮し、吐出エネルギー発生体74近辺で消滅する際の衝撃により吐出エネルギー発生体74が徐々に破壊される。この現象はいわゆるキャビテーション現象と呼ばれ、エッジシューター方式において顕著である。そのため、エッジシューター方式の記録ヘッドは寿命が比較的短い。
インクジェットヘッドのサイドシューター方式の記録ヘッドの例を図9に示す。図9に示すように、記録ヘッドは、天板72にオリフィス73を設け、一点鎖線で示されたように流路75内の吐出エネルギー発生体74の作用部へのインクの流れ方向とオリフィス73の開口中心軸とを直角となした構成を有する。
このような構成とすることによって、吐出エネルギー発生体74からのエネルギーをより効率良くインク滴の形成とその飛行の運動エネルギーへと変換でき、またインクの供給によるメニスカスの復帰も速いという構造上の利点を有し、吐出エネルギー発生体74に発熱素子を用いた場合に特に効果的である。
また、エッジシューター方式において問題となる気泡が消滅する際の衝撃により吐出エネルギー発生体74を徐々に破壊する、いわゆるキャビテーション現象をサイドシューター方式であれば回避することができる。つまり、サイドシューター方式において気泡が成長し、その気泡がオリフィス73に達すれば気泡が大気に通じることになり温度低下による気泡の収縮が起こらない。そのため、記録ヘッドの寿命が長いという長所を有する。
本発明に係る液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッドは、液体の充填処理において、脱気後の液体を大気と接触させず、また、脱気中の真空度よりも液体と置換する充填領域の真空度を低くすることで、液体中の溶存気体の飽和溶解量を低下させずに溶存気体の発泡を防止して高速に行い、また充填後の充填領域内の圧力を負圧にすることにより、液体吐出口からの液体垂れやメニスカスの破壊のない適正負圧に維持した良好な充填状態によって記録用紙に安定した高画質の画像を形成でき、減圧した充填領域を液体で置換する充填技術に係り、液滴吐出ヘッドへのインク充填として有用である。
本発明の実施形態における液体充填装置の概略構成を示す図 液体充填装置の配管領域を説明する図 液体充填装置の基本動作を示すフローチャート 液体充填装置の水等差を説明する図 PZT方式の印字ヘッドの概要構造を示す図 ノズル板を示す平面図 流路板を示す平面図 エッジシューター方式の記録ヘッドを示す(a)は部分斜視図、(b)は断面図 サイドシューター方式の記録ヘッドを示す断面図
符号の説明
11 インク
12,32,42,52 配管
13 インクタンク
14 加圧ポンプ
15,25,35,45 圧力センサ
16,46 バルブ
17 大気開放バルブ
22 気液分離膜
23 脱気タンク
24,34 真空ポンプ
27 流量調整バルブ
31,41 インク廃液
33 真空タンク
37 三方バルブ
43 廃液タンク
44 吸引ポンプ
50 印字ヘッド
53 キャップ
55,56,57 配管領域
58 水頭差
59 駆動ユニット
60 液室ユニット
61 基板
62 駆動部
63 支柱部
64 振動板
65 流路板
66 ノズル板
67 接着剤
68 ノズル孔
69 液室
71 壁材
72 天板
73 オリフィス
74 吐出エネルギー発生体
75 流路

Claims (11)

  1. 充填領域を減圧して液体で置換する液体充填方法であって、減圧により液体中の溶存気体を脱気する脱気工程と、前記充填領域を減圧する減圧工程と、前記脱気工程の真空度と前記減圧工程の真空度を比較して真空度の差を調整する調整工程と、前記減圧した充填領域内を前記脱気した液体で置換して充填する充填工程とを有することを特徴とする液体充填方法。
  2. 請求項1記載の液体充填方法であって、前記調整工程が、脱気工程の真空度を充填工程の真空度よりも高く調整することを特徴とする液体充填方法。
  3. 請求項1または2記載の液体充填方法であって、前記脱気工程が、液体から溶存気体を分離する気液分離工程と、前記気液分離工程における前記液体の流量を調整する流量調整工程とからなることを特徴とする液体充填方法。
  4. 請求項1,2または3記載の液体充填方法であって、前記充填工程が、減圧した充填領域と脱気後の液体の蓄積領域との接続を行う接続工程と、液体を減圧した充填領域方向へ加圧する加圧工程とからなることを特徴とする液体充填方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体充填方法であって、充填領域内の圧力を計測する圧力計測工程と、前記計測した圧力が所定圧力以上の場合に前記充填領域に液体の充填が完了したと判断する充填完了検知工程とを有することを特徴とする液体充填方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体充填方法であって、充填領域内の圧力を液体充填後に負圧にする負圧形成工程を備えたことを特徴とする液体充填方法。
  7. 請求項6記載の液体充填方法であって、前記負圧形成工程が、液体充填後の充填領域の大気接触面の高さと、前記充填領域への液体供給元の大気接触面の高さとの相対的位置関係を調整した水頭差によって前記充填領域に負圧を形成することを特徴とする液体充填方法。
  8. 減圧により液体中の溶存気体を脱気するために前記液体から前記溶存気体を分離する気液分離手段、および前記気液分離手段における前記液体の流量を調整する流量調整手段からなる脱気手段と、前記液体の充填領域を減圧する減圧手段と、前記脱気手段の真空度と前記減圧手段の真空度を比較して真空度の差を調整する調整手段と、前記減圧した充填領域内を前記脱気した液体で置換し充填するために前記充填領域と脱気後の前記液体を流す配管の接続を行う接続手段、および前記液体を前記充填領域方向へ加圧する加圧手段からなる充填手段と、前記充填領域内の圧力を計測する圧力計測手段と、前記計測した圧力が所定圧力以上の場合に前記充填領域に液体の充填が完了したと判断する充填完了検知手段とを備えたことを特徴とする液体充填装置。
  9. 前記請求項8記載の液体充填装置であって、液体充填後の充填領域内の圧力を負圧にする負圧形成手段を備えたことを特徴とする液体充填装置。
  10. 請求項9記載の液体充填装置を用いて充填する充填領域を有し、前記充填領域が液滴を吐出する複数のノズルを形成したノズル板と、前記複数のノズルに対応して液室を形成した流路板を接合してなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  11. 請求項10記載の液滴吐出ヘッドにおける液滴の吐出方式が、エッジシューター方式またはサイドシューター方式であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
JP2006214342A 2006-08-07 2006-08-07 液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド Active JP4849610B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006214342A JP4849610B2 (ja) 2006-08-07 2006-08-07 液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006214342A JP4849610B2 (ja) 2006-08-07 2006-08-07 液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008036963A true JP2008036963A (ja) 2008-02-21
JP4849610B2 JP4849610B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=39172541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006214342A Active JP4849610B2 (ja) 2006-08-07 2006-08-07 液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4849610B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101791910A (zh) * 2009-02-04 2010-08-04 精工爱普生株式会社 吸液箱以及具备其的液滴排出装置
CN102673161A (zh) * 2011-02-25 2012-09-19 佳能株式会社 用于制造液体容器的方法和设备
JP2015058656A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置および加減圧方法
CN111546790A (zh) * 2020-06-02 2020-08-18 西斯特姆(中国)科技有限公司 数字喷墨印花机的墨路循环系统

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004009475A (ja) * 2002-06-06 2004-01-15 Hitachi Printing Solutions Ltd インクジェット記録装置及びそれに用いるインク供給装置
JP2004154765A (ja) * 2002-10-17 2004-06-03 Seiko Epson Corp 液状体の吐出装置と液状体の吐出方法、電気光学装置とその製造方法、及び電子機器
JP2004230216A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Seiko Epson Corp 製膜装置とその液状体充填方法及びデバイス製造装置とデバイス製造方法、デバイス並びに電子機器
JP2006015631A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドへの液状体充填方法
JP2006075683A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Sharp Corp 液体塗布装置およびその液体脱気方法
JP2006192411A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Seiko Epson Corp 機能液滴吐出ヘッドの初期充填方法、機能液滴吐出ヘッドの初期充填装置、機能液滴吐出ヘッド、機能液供給装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004009475A (ja) * 2002-06-06 2004-01-15 Hitachi Printing Solutions Ltd インクジェット記録装置及びそれに用いるインク供給装置
JP2004154765A (ja) * 2002-10-17 2004-06-03 Seiko Epson Corp 液状体の吐出装置と液状体の吐出方法、電気光学装置とその製造方法、及び電子機器
JP2004230216A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Seiko Epson Corp 製膜装置とその液状体充填方法及びデバイス製造装置とデバイス製造方法、デバイス並びに電子機器
JP2006015631A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドへの液状体充填方法
JP2006075683A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Sharp Corp 液体塗布装置およびその液体脱気方法
JP2006192411A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Seiko Epson Corp 機能液滴吐出ヘッドの初期充填方法、機能液滴吐出ヘッドの初期充填装置、機能液滴吐出ヘッド、機能液供給装置、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101791910A (zh) * 2009-02-04 2010-08-04 精工爱普生株式会社 吸液箱以及具备其的液滴排出装置
CN102673161A (zh) * 2011-02-25 2012-09-19 佳能株式会社 用于制造液体容器的方法和设备
US9242471B2 (en) 2011-02-25 2016-01-26 Canon Kabushiki Kaisha Method and apparatus for manufacturing liquid container
JP2015058656A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置および加減圧方法
CN111546790A (zh) * 2020-06-02 2020-08-18 西斯特姆(中国)科技有限公司 数字喷墨印花机的墨路循环系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4849610B2 (ja) 2012-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101080325B (zh) 打印头
JP5516106B2 (ja) 液体噴射装置
JP2005225163A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法
JP5659179B2 (ja) 画像形成装置
JP2008173816A (ja) インクジェット記録装置
JP4849610B2 (ja) 液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド
JP2018103380A (ja) 液体循環モジュール、液体吐出装置、及び液体吐出方法
JP4550545B2 (ja) インクジェット記録装置
US10737501B2 (en) Liquid discharge apparatus and driving method of liquid discharge apparatus
JP2010120340A (ja) 流体排出装置および記録装置
JPH1191140A (ja) インクジェット記録装置
JP2009166381A (ja) 液体充填方法、液体充填装置、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置
JP5484217B2 (ja) 液体吐出装置および方法
JP2010143070A (ja) インク充填方法
JP2006327100A (ja) インクジェット記録装置
JP2004009469A (ja) インクジェット記録装置のインク充填方法及び不吐出回復方法
JP2010120249A (ja) 記録装置
JP4590480B2 (ja) インクジェット装置のメンテナンス方法
JP2010143071A (ja) インク充填方法
JP2008238518A (ja) 液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置
JP4691943B2 (ja) 気泡の排出方法および液滴吐出方法
JP2009184149A (ja) インク供給装置およびインクジェット記録装置およびインク供給方法
JP5487751B2 (ja) クリーニング装置、液体噴射装置、及び液体噴射装置のクリーニング方法
JP3137031U (ja) インクジェットプリンタ
JP2009018570A (ja) 液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090512

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100616

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111012

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4849610

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141028

Year of fee payment: 3