JP2010143071A - インク充填方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドに記録インクを初期充填する際に、物流インクを記録ヘッドに残さず、廃インクを低減する。
【解決手段】ノズルに記録インクを導入するための第一のインク室5と、第一のインク室の上部に設けられた記録インクを貯留するための第二のインク室6と、第一のインク室と第二のインク室を隔てるフィルタ7と、第二のインク室に設けられた負圧弁とを備えた記録ヘッド1と、記録ヘッドの記録面を覆うキャップ8と、記録ヘッドからインクタンク2にインクを導入するための排気経路11と、排気経路に設けられた排気ポンプ12と、インク中の気泡とを分離する気液分離手段17と、を備えるインクジェット記録装置のインク充填方法であって、第二のインク室に排気ポンプを動作させてインクタンク内の記録インクを充填する第1の工程と、キャップを介して第一のインク室内を吸引し、第一のインク室にインクを導入する第2の工程と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】ノズルに記録インクを導入するための第一のインク室5と、第一のインク室の上部に設けられた記録インクを貯留するための第二のインク室6と、第一のインク室と第二のインク室を隔てるフィルタ7と、第二のインク室に設けられた負圧弁とを備えた記録ヘッド1と、記録ヘッドの記録面を覆うキャップ8と、記録ヘッドからインクタンク2にインクを導入するための排気経路11と、排気経路に設けられた排気ポンプ12と、インク中の気泡とを分離する気液分離手段17と、を備えるインクジェット記録装置のインク充填方法であって、第二のインク室に排気ポンプを動作させてインクタンク内の記録インクを充填する第1の工程と、キャップを介して第一のインク室内を吸引し、第一のインク室にインクを導入する第2の工程と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明はインクジェット記録装置のインク充填方法に関し、特に、インクジェット記録装置のインクの初期充填方法に関する。
従来、インクジェット記録装置は、ランニングコストが安く、装置の小型化も可能であり、さらに、複数色のインクを用いてカラー画像記録に対応することも容易であることから、コンピュータ関連の出力機器等に幅広く利用されている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させて記録を行なう。インクを吐出させるためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるも等がある。また、発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱させるもの等がある。
その中でも熱エネルギーを利用してインク滴を吐出させる方式のインクジェット記録方式の記録ヘッドは、吐出口を高密度に配列することができるため、高解像度の記録が可能である。エネルギー発生素子に電気熱変換素子を用いた記録ヘッドは、小型化が容易である。また、近年の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易で製造コストも安価である。
また最近では、より高精細の記録を行うために、インクを吐出するためのノズルを、フォトリソ技術を用いて高精度に作成する方法等も利用されている。
図8は、従来のインクジェット記録装置のインク供給系の概略構成図を示している。図8に示すように、記録ヘッド1は装置本体に対して移動可能なキャリッジ(不図示)に搭載されている。インクタンク2は、装置本体に固定され、インクが少なくなったときには、インクタンク2を交換することができる。記録ヘッド1とインクタンク2とは供給チューブ4および継手等で構成されたインク流路により連結されている。インク流路の少なくとも一部には、柔軟性のあるチューブ(例えば、シリコンチューブ、ポリエチレンチューブ等)が用いられている。そのため、キャリッジは記録時には往復移動するが、キャリッジの移動がインク流路により妨げられることはない。インクタンク2には大気連通孔(不図示)が設けられ、インクタンク2の内部は大気中に連通している。したがって、記録ヘッド1からインクが吐出されると、インクはインクタンク2から供給チューブ4を経て、記録ヘッド1に補給される。記録ヘッド1の内部は、第一のインク室5と第二のインク室6が設けられている。第一のインク室5には、供給チューブ4を通って記録インクが充填される。第一のインク室5の下部に、第二のインク室6が設けられている。第二のインク室6は、第一のインク室5からフィルタ7を介してインクが導入され、記録素子チップ3へとインクを導くためのインク保持領域としての役割を果たしている。
記録ヘッド1内の圧力は、吐出口からインクが漏れ出してこないように負圧状態に保たれている。記録ヘッド1内の圧力はインクタンク2のインク液面の位置によって決まる。したがって、インクタンク2内のインク液面の高さは記録ヘッド1の吐出口の高さよりも20〜100mm程度低い位置に設けることが好ましい。
このようなインクジェット記録装置において、記録ヘッドへインクを初期充填するためには、記録装置本体内にある回復ユニットに内蔵されているキャップ8を記録ヘッド1の複数のオリフィス16(以下、ノズルともいう。)面を覆い密閉状態にする。そして、キャップ8と下流側で連通している吸引ポンプ9を動作させて行われる。ポンプ9が動作することで、記録ヘッド1およびインク流路内が負圧になり、インクタンク2よりインクが記録ヘッド1へと充填される。初期充填では、インクタンク2から記録ヘッド1までの空間を吸引排気しなければならず、ポンプの吸引力バラツキ等によって、インクを記録ヘッド内へ充填するために必要なポンプ駆動時間が変わる。したがって、このような充填方法は、記録ヘッド1へインクを充填することができるが、ポンプの吸引力バラツキ等を考慮し、ある程度過剰に吸引をする必要がある。その結果、多量の廃インクが発生することがある。
また、インク流路に用いている柔軟性のある供給チューブ4は、ゴム製、樹脂製のものが用いられるため、若干のガス透過性を有する。インク充填後は、供給チューブ4内も記録ヘッド1内と同様に負圧になっているため、チューブ内には大気からチューブ壁を通して少しずつ空気が侵入し、気泡が発生することがある。その気泡が記録ヘッド1内の第一のインク室5に流れ込むと、記録ヘッド内部の負圧維持が困難である。また、第二のインク室6へのインク供給が不十分となる結果、正常なインク滴を吐出できなくなり、記録不良が発生することがある。
この気泡を除去するために、前述した初期充填と同様に、オリフィス16の全面を覆い、ポンプ9を駆動させる方式がある。記録ヘッド1のインク流路内を負圧にしてインクをノズルよりキャップへ排出することにより、インクと一緒に気泡をノズルから排出することで気泡処理を行なうことができる。このような吸引回復方式による気泡除去は、回復動作時に廃インクが発生することになる。
そこで、気泡が発生してもその気泡が記録ヘッド内に入り込まず、インク室内部の気泡を循環により除去するために、ポンプを使用したインク循環システムがある(例えば、特許文献1参照)。この方式では、記録ヘッドのインク室内にインク流入口とインク流出口が設けられている。そして、インクタンクは管部材を通じて記録ヘッドのインク流入口、インク流入口と連通しており、またインク流出口とインクタンク間の途中に循環ポンプが設けられてインクタンクへ連通する構成となっている。このような構成の循環システムでは、記録ヘッドへ初期充填するために、まず、循環ポンプを駆動させる。すると、インクはインクタンクから管部材を通じ記録ヘッドのインク流入口へと流れ、記録ヘッドにインクが充填される。インク流出口からインクタンクへ記録ヘッド内のインクが流れて記録ヘッド内の気液交換が行われる。そして、ノズルをキャップすることで、ノズル近傍に残った残留気泡は、ノズルから気泡をインクと共に吸引排出される。また、ノズルから吸引したインクは、切り替え弁により、廃液タンク若しくは、インクタンクへと流れるようになっている。このような方法により、廃インクの発生を抑えた初期充填を行なうことができる。
ところで、一般に記録ヘッドには、工場出荷前に吐出性能を検査するために、記録インクが充填される。吐出性能検査を合格した記録ヘッドは、物流のために、記録ヘッド内のインクを記録ヘッドの保存に適した物流インクに置換される。物流過程で記録ヘッドに充填される物流用インクは、記録用インクに比べて、記録用インクの中の固着しやすい成分を極力減らし、かつ、水分蒸発を抑制するために水分比率を減らし、溶剤成分を増加させたものが用いられる。物流インクで充填された記録ヘッドは、工場出荷後、物流行程を経てユーザーの元に届けられる。物流用インクを内部に充填することにより、記録ヘッドの輸送中および保管中、記録ヘッドを良好な記録性能を発揮できる状態に維持することができる。
このような物流インクが充填された記録ヘッドに、記録インクを初期充填すると、物流インクと記録インクが混ざることがある。また、物流インクがインクタンク内に混入することがある。また、物流インクが存在している状態でインクが充填されるため、記録インクの初期充填後、暫くの間は薄いインクが記録媒体上に吐出されることがある。さらに、記録ヘッドのノズルのメニスカスを形成するために、記録インクを充填した後、記録を開始するまでに数回のキャップ吸引を行わなければならず、無駄にインクを排出することになる。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドに記録インクを初期充填する際に、物流インクを記録ヘッドに残さず、廃インクを低減することができる、インク充填方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、インクを吐出するためのノズルと、前記ノズルに記録インクを導入するための第一のインク室と、該第一のインク室の上部に設けられた記録インクを貯留するための第二のインク室と、前記第一のインク室と前記第二のインク室を隔てるフィルタと、前記第二のインク室に設けられた負圧弁とを備えた記録ヘッドと、前記記録ヘッドの記録面を覆うキャップと、前記記録ヘッドから前記インクタンクにインクを導入するための排気経路と、前記排気経路に設けられた排気ポンプと、前記インクと該インク中の気泡とを分離する気液分離手段と、を備えるインクジェット記録装置のインク充填方法であって、前記第二のインク室に前記排気ポンプを動作させて前記インクタンク内の記録インクを充填する第1の工程と、前記キャップを介して前記第一のインク室内を吸引し、前記第一のインク室にインクを導入する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
以上の構成によれば、第1の工程により記録ヘッドに物流インクが残存したまま、第二のインク室にインクが導入される。そして、第2の工程により、物流インクが排出され、第一のインク室にインクが充填される。その結果、記録インクと物流インクの混色をなくすための吸引回復や、ノズルのメニスカス生成のため数回キャップ吸引手段を行う必要がなく、物流インクを記録ヘッドに残さず、廃インクを低減することができる。
以下に図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1から図4は、本実施形態のインク供給系の概略構成を示す図である。図1は、記録ヘッド全体に記録インクが充填されている状態を示している。図2は、記録ヘッドに記録インクを充填する前の状態を示している。図3および図4は、記録ヘッドに記録インクを充填する過程を示している。
記録ヘッド1は、インクジェット記録装置本体に対して移動可能なキャリッジに搭載され、記録ヘッド1から記録媒体に対して記録インクを吐出することにより画像を形成する。記録ヘッド1は、複数の記録素子と、インクを吐出するための複数のオリフィス16(以下、ノズルともいう。)が配列された記録素子チップ3と、第一のインク室5および第二のインク室6を備えている。また、記録ヘッド1の記録素子チップ3の記録面と対向して、記録装置本体内にある回復ユニットに内蔵されているキャップ8が備えられている。そして、キャップ8の下流側には吸引排気ポンプ9が設けられている。キャップ8を記録ヘッド1の記録面を覆い密閉状態にし、吸引廃棄ポンプ9を動作させて、記録ヘッド内を負圧にすることができる。
記録ヘッド1とインクタンク2とは、供給チューブ4および継手等で構成された2本のインク流路、すなわち、インク供給路10および排気経路11により連結されている。インクタンク2に収容されたインク13は、インクタンク2からインク供給路10を経てインク流入口14から第二のインク室6にインクが充填される。第二のインク室6の下方部には、フィルタ7を介して第一のインク室5が設けられている。第一のインク室5は、複数のオリフィス16に共通に接続されており、インクをチップ3に導くためのインク保持領域としての役割を果たすものである。
第一のインク室5には、排気口17aおよび排気弁15aが設けられている。第二のインク室6には、排気口17bおよび排気弁15bが設けられている。第二のインク室6には、記録ヘッド1内が負圧になることにより開く負圧弁14が設けられたインク流出口が設けられている。排気弁15aと排気弁15bは、それぞれ個別に開閉制御される。
インクタンク2内に収容された記録インク13は、インク供給路10を通り、第二のインク室6に設けられたインク流入口を通じて記録ヘッド1へ導入される。排気口17aおよび排気口17bに接続された排気経路11は、インクタンク2に連結されている。
排気経路11の途中には、排気ポンプ12が設けられている。排気ポンプは、例えばピストンタイプもしくは複数のコロを回転させることにより、インク流れを作っている。記録ヘッド1内の圧力は、記録ヘッド1からインク13が漏れ出してこないように負圧状態に保たれている。本実施形態の記録ヘッド1内の圧力は、インクタンク2の液面レベルにより決まることから、インクタンク2は、記録ヘッド(吐出口面)の高さよりも20〜100mm程度低い位置に設けることが好ましい。記録ヘッド1のインク13は、ポンプ12によってインクタンク2に移送される。インクタンク2には大気連通孔(不図示)が設けられている。この大気連通孔により、インクタンク2の内部は大気中に連通されているが、記録ヘッドは密閉構造になっているため大気中に連通されていない。
なお、ここでは1色のインク供給系について説明をしたが、複数色を使用する記録装置の場合、各色毎にインク供給系が備えられている。
次に、本実施形態のインク供給系における記録ヘッドへのインクの初期充填方法について説明をする。
図5は、本実施形態の初期充填の工程を示すフローチャートである。初期充填は2つの工程ステップS51およびステップS52からなる。
記録ヘッドにインク13を充填する前は、図2に示すように、記録ヘッド1の第二のインク室6の内部には、記録ヘッド1の保存に適した物流インク13´が充填されている。
まず、ステップS51では、記録ヘッド1の第二のインク室6にインク13を充填することを目的として第1の工程が行なわれる。第1の工程では、キャップ8で記録ヘッド1のノズルフェイス面を覆い、かつ、第一のインク室5の排気口17aの排気弁15aを閉状態にして密閉状態する。そして、第二のインク室6の排気口16aの排気弁15bを開状態にして、排気経路11にある排気ポンプ12を動作させる。吸気ポンプ12を作動させることで、記録ヘッド1内が負圧状態になる。すると、第二のインク室6に設けられた負圧弁14が開き、インク流入口から第二のインク室6にインク13が充填される。このとき、まだ、物流インク13´は第一のインク室内5に残ったままである。すなわち本工程では、インク供給路10および第二のインク室6まで、インクタンク13に収容された記録インク13を充填する。
本実施形態において、物流インク13´は、第一のインク室5と第二のインク室6を隔てるフィルタ7より下位の水位量である。このため、第二のインク室6に記録インク13を充填しても、第二のインク室6は第一のインク室5より上部にあるので、第二のインク室6で記録インク13と物流インク13´が混ざることはない。また、物流インク13´が第二のインク室6へ流れ込むことはない。
図3は、第1の工程を行なった結果を示している。本図に示されたように、第1の工程により、第一のインク室5には、物流インク13´が残されたままであり、第二のインク室6には、記録インク13が満たされた状態である。
次に、ステップS52では、記録ヘッド1内の物流インク13´を除去して、第一のインク室5に記録インク13を充填することを目的として第2の工程が行なわれる。第2の工程では、キャップ8で記録ヘッド1のノズルフェイス面を覆う。また、第一のインク室5の排気口17aの排気弁15aおよび第二のインク室6の排気口16aの排気弁15bを閉状態にする。そして、キャップ8と下流側で連通している吸気ポンプ9を動作させる。吸引ポンプ9を動作させることで、記録ヘッド1のノズルを介して記録ヘッド1内の物流インク13´が吸引される。ポンプ9による吸引は、物流インクの容積の量行なう。吸引された物流インク13´は、不図示の廃インク容器へと収納される。また、記録ヘッド1内が負圧になることから第二のインク室6の負圧弁14が開き、第二のインク室6にインクタンク2の記録インク13が流れ込む。その結果、第一のインク室5にインク13が充填され、記録ヘッド1へのインク13の充填は終了する。
図4は、第2の工程を行なった結果を示している。本図に示されたように、第2の工程により、第一のインク室5および第二のインク室6には、記録インク13が満たされている。
第2の工程では、記録ヘッド1のノズルには、物流インク13´と入れ替えで13インクを充填している。このため、ノズルにはメニスカスが形成されており、本実施形態では、キャップ8でノズルフェイス面を覆い、数回にわたり吸引ポンプ9を動作してメニスカスを形成する必要はない。また、物流インク13´と記録インク13の混色による記録インク13の希薄はほとんどない。このため、従来のように過度に混色を回避する吸引動作を入れる必要はなく廃インクの低減を図ることができる。
また、第二の工程後に吐出性能の安定化のため、排気弁15aを開き、第一のインク室5にたまった気泡を除去することにより、従来のように吸引回復により、ノズルから記録インク13と共に気泡を除去する必要がなく、廃インクを低減することができる。
以上のように、第二のインク室に排気ポンプを動作させてインクタンク内の記録インクを充填する第1の工程と、キャップを介して第一のインク室内を吸引し、第一のインク室にインクを導入する第2の工程とを行なう。これにより、記録インクと物流インクの混色をなくすための吸引回復や、ノズルのメニスカス生成のため数回キャップ吸引手段を行う必要がなく、物流インクを記録ヘッドに残さず、廃インクを低減することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態ではインク供給系として、インク循環系について説明をした。しかしながら本発明は、インク循環系のみに適用されるものではない。第1の実施形態では、第二のインク室6のインク流路が排気経路として機能し、インクタンクがインク中の気泡を除去するための気液分離手段として機能を果たしたが、気液分離手段として別の方法を用いても良い。
第1の実施形態ではインク供給系として、インク循環系について説明をした。しかしながら本発明は、インク循環系のみに適用されるものではない。第1の実施形態では、第二のインク室6のインク流路が排気経路として機能し、インクタンクがインク中の気泡を除去するための気液分離手段として機能を果たしたが、気液分離手段として別の方法を用いても良い。
図6および図7は、本実施形態のインク供給系の概略構成を示す図である。本実施形態では、気液分離手段としてフロートを用いたインク供給系である。
本実施形態のインク供給系では、第一のインク室5および第二のインク室6それぞれに排気口17a、排気口17bが設けられている。排気口17aおよび17bの上部にそれぞれ気液分離手段24が設けられている。気液分離手段24は、円錐状のシール部18、球状のフロート部材19およびフロート部材19が移動可能なフロート室20により構成されている。球状のフロート部材19は、記録インク等の液体よりも比重の小さい部材により形成されている。フロート部材19は、シール部18と接触することにより流路を遮断する。
インク流入口14はインクタンク(不図示)とチューブ等により接続されている。また、切り替え弁21により、キャップ8とポンプ22が連通した状態と、排気経路11とポンプ22が連通した状態をそれぞれ作り出せる構成となっている。つまり、ポンプ22は、キャップ8から記録ヘッド1を吸引する吸引排気ポンプと、排気経路11から記録ヘッド1を排気する排気ポンプの両方の機能を備えている。また、排気経路11中には、排気経路を大気開放する為の大気開放弁23が設けられている。
本実施形態のインク供給系では、第1の工程では切り替え弁21により、排気経路11とポンプ22を連通した状態でポンプ22を動作させる。このとき、排気口16aは制御弁(図示せず)により封しされており、連通はしていない。記録ヘッド1内の空気が排気されると共に、第二のインク室6に設けられた負圧弁14が開き、インクタンク(図示せず)から記録インク13が第二のインク室6に充填される。そして、第二のインク室6のインク液面は気液分離手段24まで上昇する。インク液面の上昇と共に、フロート部材19も上昇していく。フロート部材19は、最初はフロート室20内で水平方向の位置が定まらないまま上昇してくるが、シール部18に達するとその後はシール部18の仮想頂点に近づくように上昇する。そして最後には、シール部18に全周が接触する位置で停止し、排気経路11への経路を塞ぐことで、第二のインク室6への充填が実現する。
図7は、第1の工程を行なった結果を示している。すなわち、記録ヘッド1、インク供給路および排気経路11がインク13で充填された状態を示している。
次に、第二の工程では、切り替え弁21によりキャップ8とポンプ22とを連通させた状態でポンプ22を動作させる。その結果、記録ヘッド1内の物流インク13´が吸引廃棄される。このとき、排気経路11と排気口17a、排気口17bの制御弁(図示せず)は閉じた状態である。したがって、物流インク13´が吸引廃棄されると同時に、第二のインク室6から第一のインク室5へインクが充填される。そして、新たにインクタンク(図示せず)から第二のインク室5に記録インク13が充填される。
そして、第二の工程の後、吐出性能の安定化のために、排気口17aの制御弁(図示せず)を開き、第一のインク室5にたまった気泡を排気する。その結果、第一のインク室5側のフロート部材19は第二のインク室6側のフロート部材19と同様に上昇し排気経路を塞ぐ。
なお、フロート部材19は、それ自体の比重がインクより小さいものであればよい。すなわち、フロート部材19の材質は、例えばポリプロピレンを用いた部材のように、インクより比重が小さく、かつインクと反応しにくい材質であってもよい。また、インクより比重の大きい材質でも、中空等であり、部品そのもののみかけ比重がインクより小さければよい。
1 記録ヘッド
2 インクタンク
3 記録素子チップ
4 供給チューブ
5 第一のインク室
6 第二のインク室
7 フィルタ
8 キャップ
9 吸引排気ポンプ
10 インク供給路
11 排気経路
12 排気ポンプ
13 記録インク
13´ 物流インク
14 流入口
15 流出口
17 気液分離手段
22 ポンプ
23 大気開放弁
2 インクタンク
3 記録素子チップ
4 供給チューブ
5 第一のインク室
6 第二のインク室
7 フィルタ
8 キャップ
9 吸引排気ポンプ
10 インク供給路
11 排気経路
12 排気ポンプ
13 記録インク
13´ 物流インク
14 流入口
15 流出口
17 気液分離手段
22 ポンプ
23 大気開放弁
Claims (5)
- インクを吐出するためのノズルと、前記ノズルに記録インクを導入するための第一のインク室と、該第一のインク室の上部に設けられた記録インクを収容するための第二のインク室と、前記第一のインク室と前記第二のインク室を隔てるフィルタと、前記第二のインク室に設けられた負圧弁とを備えた記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの記録面を覆うキャップと、前記記録ヘッドから前記インクタンクにインクを導入するための排気経路と、前記排気経路に設けられた排気ポンプと、前記インクと該インク中の気泡とを分離する気液分離手段と、を備えるインクジェット記録装置のインク充填方法であって、
前記第二のインク室に前記排気ポンプを動作させて前記インクタンク内の記録インクを充填する第1の工程と、
前記キャップを介して前記第一のインク室内を吸引し、前記第一のインク室にインクを導入する第2の工程と、
を備えることを特徴とするインク充填方法。 - 前記第2の工程は、前記第一のインク室に収容された前記記録ヘッドを保存するための物流インクを除去することを特徴とする請求項1に記載のインク充填方法。
- 前記物流インクは、前記フィルタよりも下位に満たされていることを特徴とする請求項2に記載のインク充填方法。
- 前記第2の工程は、前記物流インクの容積の量を吸引することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のインク充填方法。
- 前記第2の工程の後に、前記第一のインク室を前記排気ポンプにより吸引することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のインク充填方法。
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2008
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JPWO2016190349A1 (ja) * | 2015-05-25 | 2018-03-15 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェット記録装置 |
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