JP2014030964A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクタンクの交換による記録の中断を解消する、インクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】本発明のインクジェット記録装置は、インクタンク1、記録ヘッド23、大気開放弁7を有するサブタンク5、およびインクタンク1とサブタンク5とをつなぐ第1の流路24を有する。第1の流路24をインクタンク1か大気に連通させるかを切換える流路切換弁3と、加圧ポンプ4と、制御手段と、をさらに有する。制御手段は、流路切換弁3を切換えて第1の流路24を大気に連通した後に、加圧ポンプ4を駆動させて、サブタンク5の圧力が所定の圧力に達するまでサブタンク5に空気を供給する。そして、制御手段は、流路切換弁3を切換えて第1の流路24をインクタンク1に連通した後に、加圧ポンプ4を駆動させて、インクタンク1からサブタンク5にインクを供給して、大気開放弁7を開放した後に加圧ポンプ4の駆動を停止する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のインクジェット記録装置は、インクタンク1、記録ヘッド23、大気開放弁7を有するサブタンク5、およびインクタンク1とサブタンク5とをつなぐ第1の流路24を有する。第1の流路24をインクタンク1か大気に連通させるかを切換える流路切換弁3と、加圧ポンプ4と、制御手段と、をさらに有する。制御手段は、流路切換弁3を切換えて第1の流路24を大気に連通した後に、加圧ポンプ4を駆動させて、サブタンク5の圧力が所定の圧力に達するまでサブタンク5に空気を供給する。そして、制御手段は、流路切換弁3を切換えて第1の流路24をインクタンク1に連通した後に、加圧ポンプ4を駆動させて、インクタンク1からサブタンク5にインクを供給して、大気開放弁7を開放した後に加圧ポンプ4の駆動を停止する。
【選択図】図1
Description
本発明はインクを吐出することで記録を行うインクジェット記録装置に関し、特に、記録を中断することなくインクタンクが交換可能なインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェット記録装置には、記録媒体にインク滴を吐出する記録ヘッドが用いられており、この記録ヘッドは、記録媒体を横切って往復運動する(スキャンする)キャリッジに搭載されている。キャリッジが記録媒体をスキャンするにつれて、制御電子部品が記録ヘッドの吐出部分を起動して、記録媒体上にイメージまたは文字を形成するため吐出ノズルからインク滴を吐出する。記録ヘッド内は微負圧に維持され、吐出ノズル内のインクは大気との境界にメニスカスを形成することにより吐出ノズルからのインク漏れを防いでいる。インク滴を吐出する事により消費した記録ヘッド内のインクは、記録ヘッドに接続された中空で柔軟な流体導管(以下「チューブ」と称する)を介し、ユーザにより交換可能となっているインク供給容器(以下「インクタンク」と称する)から補給される。
インクジェット記録装置には、インク無しセンサが設けられ、インクタンク内のインク残量が僅かな状態及びインク無しの状態を検知し、インクタンクの交換を促す表示(アラーム)がなされ、記録は中断する。ユーザがインクタンクを交換すると、記録が再開される。
インクタンク内のインクが無くなると記録が中断するが、これを解消するためインクタンクと記録ヘッドとの間にサブタンクを設ける事が考えられる。インクタンク交換時においても、サブタンクから記録ヘッドにインクが供給されるため、インクタンクを交換する間に記録を中断することがない。
また、近年、高速および高密度の記録が要望されており、必要なインク供給量を確保するためインクを加圧して記録ヘッドに供給する構成が用いられている。
インクタンクのインク無しによる記録の中断を解消し、かつ高速および高密度の記録が可能なようにインクを加圧供給する発明として特許文献1が開示されている。
特許文献1のインクを収容するインクタンクは、中空の本体ケースと内部に袋状に形成された可撓性フィルムよりなるインクパックとにより構成されている。また、インクタンクと記録ヘッドとを繋ぐインク流路の途中には、中空のサブタンクケースと内部に袋状に形成された可撓性フィルムとからなるサブタンクが設けられ、インクはインクタンクからサブタンクを通って記録ヘッドに供給される。インクタンクには本体ケース内に空気を圧送する第1加圧ポンプ、サブタンクにはサブタンクケース内に空気を圧送する第2加圧ポンプがそれぞれ設けられ、第1加圧ポンプは第2加圧ポンプより高圧力を付加できるよう制御されている。
この発明によれば、インクタンクのインク無しによる記録の中断を解消し、かつ高速および高密度の記録が可能なようにインクを加圧供給することができる。
しかしながら上記の構成では、インクを加圧供給するための加圧ポンプが2個必要となると共に、2個の加圧ポンプを制御するため、インクジェット記録装置が複雑化して高価なものになってしまう。
そこで本発明では、上記課題を鑑みて、従来よりも少ない加圧ポンプでインクタンクの交換による記録の中断を解消することができる、インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明のインクジェット記録装置は、内部にインクが充填されたインクタンクと、インクタンクからインクが供給される記録ヘッドと、大気開放弁を有し、インクタンクからのインクを受け入れ、記録ヘッドに供給するサブタンクと、を有する。また、インクタンクとサブタンクとをつなぐ第1の流路と、第1の流路に設けられ、第1の流路をインクタンクに連通させるか、大気に連通させるかを切換える、流路切換弁と、第1の流路を介してサブタンクを加圧することができる加圧ポンプと、を有する。さらに、少なくとも流路切換弁と加圧ポンプと大気開放弁とを制御する制御手段を有する。インクタンクはインクジェット記録装置の本体から着脱することができる。
制御手段は、流路切換弁を切換えて第1の流路を大気に連通した後に、加圧ポンプを駆動させて、サブタンクの圧力が所定の圧力に達するまでサブタンクに空気を供給する。そして、流路切換弁を切換えて第1の流路をインクタンクに連通した後に、加圧ポンプを駆動させて、インクタンクからサブタンクにインクを供給して、大気開放弁を開放した後に加圧ポンプの駆動を停止する。
本発明によれば、1色ごとに1つの加圧ポンプでも、記録を中断することなくインクタンクを交換することができる。さらに、電源のON−OFFをくり返しても、インクが漏れだすことがない。
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態の詳細について説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態におけるインク供給系を説明するための概略図である。本来フルカラー印刷には多数色を使用するため、インク供給系には多数色分の供給路が構成されているが、図1では説明しやすいように省略し1色分の供給路を示している。
インクタンク1の内部にはインクが充填された可撓性フィルムよりなるインク袋2があり、そこから、サブタンク5の底部に設けられた流入口51に第1の流路24を介してつながっている。インクタンク1は、インクジェット記録装置の本体に対して着脱が可能となっている。第1の流路24には、インクタンク1からサブタンク5に向かって順番に、流路切換弁3と流路加圧ポンプ4が設けられている。サブタンク5はインクを一時的に貯留する場所である。サブタンク5の内部にはインクが通電することによりインク貯留レベルの上限を検知する上限液面センサ6と下限レベルを検知する下限液面センサ38とがあり、サブタンク5の上部には内部の空気を排出させるための大気開放弁7がある。
流路切換弁は、第1の流路24を、インクタンク1に連通させるか、外部の大気に連通させるか、さらに後述する第2の流路に連通させるかを切換えることができる。
大気開放弁7は通常、ボールバネ40によりボール42を大気シール材41に圧接することで弁を閉鎖している。大気開放弁7の上部には大気開放弁7を開放するための開放棒43があり、開放バネ44により開放棒43を一方向に圧接している。開放棒43の上部には、弾性体の薄膜45が設置され、上部からのインク漏れや大気開放弁7の内部にゴミ等の進入を防止している。薄膜45は上から押されると、その変位に応じて変形して開放棒43を押し、ボール42を押下げ、大気シール材41を開放状態にする。さらに開放棒43を押すとボール42を介して突棒10を押し下げ後述するフロートレバー8をも押し下げる構成となっている。
サブタンク5内では、空気だけが排出され、インクが排出されにくいように、フロートレバー8が設けられている。このフロートレバー8はプロピレン(PP)のようなインクに浮く材質でありインク液面の高低の変動と共に支点39を中心に回動する。インクの液面が上昇するとフロートレバー8が上部へ回動し、シール材9に接触したときに、シール材9の大気開放口50が塞がれ、インクは排出されない構成となっている。このとき、サブタンク5内の上部に所定量の空気が残っており、この空気が圧変動のダンパーとなりインクの消費や供給による急激な圧力変動を緩和することが出来る。
フロートレバー8はシール材9に長時間密着した状態が続くとシール材9に固着する恐れがあるので、大気開放弁7の大気開放時、前述したように突棒10でフロートレバー8を押せるような構成になっている。万が一、大気開放弁7からインクや泡が漏れた場合でも、漏れたインクや泡は排気流路11を介して廃インク受け12に排出され、機器外部までインクが漏れることはない。
一方、サブタンク5の底部から記録ヘッド23のインク供給口23bまで第3の流路13でつながっている。第3の流路13には、サブタンク5から記録ヘッド23に向かって、負圧器14と供給弁28とが設けられている。負圧器14は、第3の流路13を介して記録ヘッド23に所定の微負圧を与えながら安定的にインクを供給する。負圧器14の詳細を図2に示す。
図2は、負圧器14の構成および動作を説明するための図である。図2(a)は、負圧弁(後述)が閉じている状態を表し、図2(b)は、負圧弁(後述)が開いている状態を表す。
負圧器14は、インク吐出のために微負圧を発生させる機構を有している。その機構について説明する。
負圧器14は、サブタンク5から第3の流路13を介して供給されたインクを受けるインク室15と、第3の流路13のインクが流れてくる側とインク室15との間を開閉可能な負圧弁16と、負圧弁16に一体で形成された作動子17とを有する。また、負圧器14は、ゴム、フィルム、またはアルミ蒸着されたフィルムなどでなり、可撓性で、負圧器14の外面の一部をなす薄い可撓膜18を有する。さらに、負圧器14には、可撓膜18を外側に膨らますように作動子17を付勢し、負圧弁16でシール部21の供給口22を閉じる負圧バネ19と、作動子17を案内するガイド20とを有する。
負圧バネ19が、インク室15内の容積を増加させる方向に可撓膜18を付勢することによって、インク室15内は所定の微負圧(例えば、大気圧−80mmAq)状態になる。単位mmAqは、
圧力[Pa]=密度[kg/m3]×重力加速度[m/sec2]×水頭[m]
における水頭の値を圧力の代表値としている。例えば、上式で、水頭が、0.08[m]であれば、これを80mmAqと表記する。
圧力[Pa]=密度[kg/m3]×重力加速度[m/sec2]×水頭[m]
における水頭の値を圧力の代表値としている。例えば、上式で、水頭が、0.08[m]であれば、これを80mmAqと表記する。
インク室15内を微負圧値にすると、記録ヘッド23は、負圧器14と記録ヘッド23の配置による高低差分を加えた微負圧値となる。例えば、負圧器14が記録ヘッド23よりも上方20mmに位置する場合は、大気圧−60mmAqとなる。記録ヘッド23を微負圧状態とすることによって、記録ヘッド23の吐出口に良好なメニスカスが形成される。
インクの吐出により記録ヘッド23内のインクが消費されると、インク室15のインクが減少し内部の負圧は高まり、可撓膜18はインク室15側に変形し、負圧バネ19に打ち勝って作動子17が変位し、負圧弁16は開く方向に移動する(図2(b))。負圧弁16が開くと、加圧されたインクが供給口22よりインク室15に流入する。インク室15内のインク量が増加すると内部負圧が下がり、負圧バネ19により可撓膜18は外側に変位させられる。そして、作動子17は負圧弁16を閉じる方向に移動し、シール部21の供給口22が閉じられ、再び所定の微負圧となる。
記録ヘッド23からのインクの吐出が連続的に行なわれる連続記録動作においては、負圧弁16は上記開閉動作を間欠的に繰り返す。インクは流路加圧ポンプ4を駆動することにより、第1の流路24を介してインクタンク1からインクを吸い上げる。インクの流れる方向において流路加圧ポンプ4より下流では、第1のインク流路24とサブタンク5と第3の流路13とを介して負圧器14までインクを加圧供給する。
また、記録ヘッド23の空気を排気するための排気口23が第2の流路29を介して流路切換弁3につながっている。第2の流路29にはマルチ弁30が設けられている。
マルチ弁30は負圧器14と流路切換弁3に接続された第2の流路29とに接続される。マルチ弁30の機能としては3つある。1つは、流路切換弁3と記録ヘッド23の排気口23bを連通した状態にする。2つ目は、負圧器14と第2の流路29とを接続する。3つ目は、第2の流路29を閉じる。マルチ弁30には、上記の3つの機能を果たすために、弁を切り替える不図示の機構が設置されている。
インクジェット記録装置には、記録ヘッド23のノズルを乾燥から防ぐためノズル面をキャッピングするためのキャップ32が設けられている。キャップ32は、吸引ポンプ33に接続され、負圧を発生してノズルからインクを吸引したり、キャップ内にノズルから吐出されたインク滴を吸引したりする機能も有する。
この記録ヘッド23の内部には供給されたインクが貯留する共通液室34があり、この共通液室34内のインク量を管理するための導電性の針状にできているヘッド液面センサ35が存在する。
なお、上述した各機器の動作は、不図示の制御手段によって行われる。
以上のような構成のもと、インクジェット記録装置の各動作を、図3および図4を用いて以下で説明をする。
(1)初期充填
初期充填ではサブタンク5内の空気を抜くため、薄膜45を押しフロートレバー8を一旦押し下げる(図3(a))。これはフロートレバー8がシール材9に固着して大気開放できなくなることを防ぐためである。この後、突棒10を戻しつつ、大気開放弁7を開放したまま、流路切換弁3を切換え、第1の流路24とインクタンク1とを連通させて、流路加圧ポンプ4を駆動する(図3(b))。流路加圧ポンプ4はインクタンク1内のインクを吸引し、サブタンク5へと押出す。
初期充填ではサブタンク5内の空気を抜くため、薄膜45を押しフロートレバー8を一旦押し下げる(図3(a))。これはフロートレバー8がシール材9に固着して大気開放できなくなることを防ぐためである。この後、突棒10を戻しつつ、大気開放弁7を開放したまま、流路切換弁3を切換え、第1の流路24とインクタンク1とを連通させて、流路加圧ポンプ4を駆動する(図3(b))。流路加圧ポンプ4はインクタンク1内のインクを吸引し、サブタンク5へと押出す。
サブタンク5内のインク液面は上昇し、フロートレバー8がインクに浮いていく。フロートレバー8はシール材9に密着し大気開放口50を塞ぎ、サブタンク5内は密閉状態となる(図3(c))。このとき、インク液面は上限液面センサ6に達し、サブタンク5内に所定量のインクが充填されることになる。これを各色のインク液面が各色の上限液面センサ6に達するまで流路加圧ポンプ4を駆動し続ける。流路加圧ポンプ4内には不図示の過加圧防止機構が設けられており、駆動し続けても所定の圧力までしか加圧出来ない。
各色のインク液面が各色の液面センサ6に達したら大気開放弁7を閉じ、流路加圧ポンプ4を止める。
その後、供給弁28およびマルチ弁30を完全に閉じて、キャップ32を記録ヘッド23に圧接して、吸引ポンプ33で約−80kpa程度の大きな負圧を発生させる。その後、供給弁28を開放すると、サブタンク5から第3の流路13を介して記録ヘッド23まで、負圧−80kpaを解消するまでのインクが充填される。その後、ノズルからインクを吐出させて混色解消用の予備吐出を行い、最後に記録ヘッド23の吐出口面を不図示のワイパでワイピングすることにより初期充填は完了する。
(2)加圧供給(通常記録)
記録中は流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態にし、流路加圧ポンプ4を駆動してサブタンク5内を加圧する。記録ヘッド23内の共通液室34のインクが記録により消費されると、第3の流路の記録ヘッド23と負圧器14との間に負圧が発生し、予め設定した負圧になったとき、負圧器14の負圧弁16が開放され、インクが負圧器14内に流入する。そして、予め設定した負圧になると負圧弁16が閉じてインクの供給が停止される。実際には、負圧弁16の開閉が微振動のように繰り返されて供給される。なお、流路加圧ポンプ4内には前述したように過加圧防止機構が設けられており、また負圧器14の上部に所定量の残った空気が圧変動のダンパーとなり急激な圧力変動を緩和するため、安定した加圧力でインク供給できる。
記録中は流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態にし、流路加圧ポンプ4を駆動してサブタンク5内を加圧する。記録ヘッド23内の共通液室34のインクが記録により消費されると、第3の流路の記録ヘッド23と負圧器14との間に負圧が発生し、予め設定した負圧になったとき、負圧器14の負圧弁16が開放され、インクが負圧器14内に流入する。そして、予め設定した負圧になると負圧弁16が閉じてインクの供給が停止される。実際には、負圧弁16の開閉が微振動のように繰り返されて供給される。なお、流路加圧ポンプ4内には前述したように過加圧防止機構が設けられており、また負圧器14の上部に所定量の残った空気が圧変動のダンパーとなり急激な圧力変動を緩和するため、安定した加圧力でインク供給できる。
(3)ストップレス記録
記録中にインクタンク1内のインクがある一定量以下になった場合、インクタンク1内の不図示の残量検知装置によって残インクが一定量以下になったことが検知され、ユーザに表示やアラーム音等で警告を出す。ユーザがインクタンク1を交換するためにインクタンク1をインクジェット記録装置から抜き取ると、不図示のセンサが、インクタンク1がインクジェット記録装置から抜き取られたことを検知し、流路切換弁3は第1の流路と外部の大気とを連通させる。そして、記録量に応じて、サブタンク5に大気から空気を流路加圧ポンプ4により吸引し供給する。これによりサブタンク5内は加圧され、負圧器14に対し正常にインクが加圧供給され、安定した記録が可能になる。なお、流路切換弁3は瞬時にして切換わるので、第1の流路24からインクが漏れることはない。
記録中にインクタンク1内のインクがある一定量以下になった場合、インクタンク1内の不図示の残量検知装置によって残インクが一定量以下になったことが検知され、ユーザに表示やアラーム音等で警告を出す。ユーザがインクタンク1を交換するためにインクタンク1をインクジェット記録装置から抜き取ると、不図示のセンサが、インクタンク1がインクジェット記録装置から抜き取られたことを検知し、流路切換弁3は第1の流路と外部の大気とを連通させる。そして、記録量に応じて、サブタンク5に大気から空気を流路加圧ポンプ4により吸引し供給する。これによりサブタンク5内は加圧され、負圧器14に対し正常にインクが加圧供給され、安定した記録が可能になる。なお、流路切換弁3は瞬時にして切換わるので、第1の流路24からインクが漏れることはない。
以上は正常な動作でインクタンク1が交換された場合であるが、ユーザが故意にインクタンク1を抜いた場合でも、インクタンク1が抜かれたとCPUが判断して、正常な動作と同様に、流路切換弁3は第1の流路24と外部の大気とを連通させる。そのため、大気を第1の流路24内に取り込むことにより、サブタンク5への加圧が可能になり、記録を中断することなく、記録ヘッド23は安定した記録を行うことが可能となる。
なおストップレス記録を行った後はサブタンク5内のインク量が減ってしまうので、ストップレス記録後、初期充填時と同様に大気開放弁7を開放し、流路切換弁3で第1の流路24とインクタンク1とを連通させて、流路加圧ポンプ4を駆動する。各色のインク液面が各色の上限液面センサ6に達したら大気開放弁7を閉じ、各色のサブタンク5内が所定圧になるまで流路加圧ポンプ4を予め設定していた時間だけ駆動して、停止させる。
(4)流路加圧解除
記録終了後に電源をOFFにする場合など、インクジェット記録装置を長時間使用しない場合は、第1の流路24に余計な負荷を与えないよう加圧を解除する。第1の流路24内の加圧解除は、薄膜45を上から押すことで大気開放弁7を開放させて、サブタンク5内を大気開放することで行われる(図4参照)。
記録終了後に電源をOFFにする場合など、インクジェット記録装置を長時間使用しない場合は、第1の流路24に余計な負荷を与えないよう加圧を解除する。第1の流路24内の加圧解除は、薄膜45を上から押すことで大気開放弁7を開放させて、サブタンク5内を大気開放することで行われる(図4参照)。
(5)流路加圧
例えば電源をONにした直後など、上記(4)の流路加圧を解除した状態から記録を開始するために第1の流路24を加圧する必要がある。このとき、上記(2)の加圧供給と同様に流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態にして、流路加圧ポンプ4を駆動すると、サブタンク5内にインクが送り込まれ、サブタンク5内の液面が上昇する。この後、上記(4)で記述したように第1の流路24の加圧を解除するとサブタンク5内の液面は上昇したままとなる。
例えば電源をONにした直後など、上記(4)の流路加圧を解除した状態から記録を開始するために第1の流路24を加圧する必要がある。このとき、上記(2)の加圧供給と同様に流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態にして、流路加圧ポンプ4を駆動すると、サブタンク5内にインクが送り込まれ、サブタンク5内の液面が上昇する。この後、上記(4)で記述したように第1の流路24の加圧を解除するとサブタンク5内の液面は上昇したままとなる。
このように電源のONとOFFを繰り返し、第1の流路24の加圧と加圧解除を繰り返すとサブタンク5内のインク液面は上昇し続け最終的に大気開放弁7から溢れ出してしまう。
これを防止するため、第1のインク流路24を加圧するには、流路切換弁3を第1の流路24と外部の大気とが連通した状態にして、空気を流路加圧ポンプ4により吸引しサブタンク5に供給する。サブタンク5内が所定の圧力に達するよう予め設定した時間まで流路加圧ポンプ4を駆動する。この後、上記(2)で説明した通常の加圧供給を行う。すなわち流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態にして、流路加圧ポンプ4を駆動することでサブタンク5内を加圧できる。例えばこの後、上記(4)の流路加圧解除を実行しても、第1の流路24の加圧時にサブタンク5に送り込んだ空気と同じ量の空気が大気開放弁7から外部に放出されるだけでサブタンク5内のインク液面の高さに変化はない。よって電源のONとOFFを繰り返し、第1の流路24の加圧と加圧解除を繰り返してもインクが外部に漏れ出ることはない。
また、サブタンク5の構成として、大気開放弁7に通じるシール材9は、サブタンク5の底部に設けられた流入口51の真上にない、つまり互いが対向しない構造となっている。この構成によれば、サブタンク5内に空気を送り込んで加圧する場合、インクに泡が発生しても直接大気開放弁7に泡が入り込むことを防ぐことができる。
なお、この動作は、主に記録開始前に行われる。
(6)記録ヘッド内エア抜き
記録ヘッド23のインク吐出時に記録ヘッド23内に泡が発生する場合がある。また、若干であるが、サブタンク5や負圧器14から記録ヘッド23に空気が流れてしまい、共通液室34に溜まり、この空気の溜まり量が多くなる場合がある。これらの場合、インクを吐出しない等の吐出不良を生じさせることがある。吐出不良を防止するため、記録ヘッド23内の泡(空気)量を共通液室34内に設けられたヘッド液面センサ35で検知する。そして、溜まった泡(空気)が所定の量に達した場合は、流路切換弁3を第1の流路24と第2の流路29とが連通した状態にして、マルチ弁30を流路切換弁3と記録ヘッド23の排気口23bとが連通した状態にして、流路加圧ポンプ4を作動させる。このとき、インクの流れる方向において流路切換弁3よりも下流の第1の流路24、流路加圧ポンプ4、サブタンク5、第3の流路13、負圧器4、記録ヘッド23、第2の流路、および流路切換弁3の閉じた流路が形成される。この閉じた流路で流路加圧ポンプ4を作動させると、記録ヘッド23の共通液室34内の泡(空気)は、排気口23b、第2の流路、マルチ弁30、流路切換弁3、第1の流路24、および流路加圧ポンプ4を介してサブタンク5に移動する。移動した泡(空気)は、サブタンク5の上部へと移動し、貯留される。サブタンク5内のインクはサブタンク5の底部に接続されている第3の流路13へと移動し、最終的には記録ヘッド23の共通液室34内の泡(空気)をインクで置換する。置換されたインクが記録ヘッド23のヘッド液面センサ35に到達したときに流路加圧ポンプ4を停止させ、そして、流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態にしてからマルチ弁30を閉じて、記録ヘッド23内エア抜き動作は完了である。
記録ヘッド23のインク吐出時に記録ヘッド23内に泡が発生する場合がある。また、若干であるが、サブタンク5や負圧器14から記録ヘッド23に空気が流れてしまい、共通液室34に溜まり、この空気の溜まり量が多くなる場合がある。これらの場合、インクを吐出しない等の吐出不良を生じさせることがある。吐出不良を防止するため、記録ヘッド23内の泡(空気)量を共通液室34内に設けられたヘッド液面センサ35で検知する。そして、溜まった泡(空気)が所定の量に達した場合は、流路切換弁3を第1の流路24と第2の流路29とが連通した状態にして、マルチ弁30を流路切換弁3と記録ヘッド23の排気口23bとが連通した状態にして、流路加圧ポンプ4を作動させる。このとき、インクの流れる方向において流路切換弁3よりも下流の第1の流路24、流路加圧ポンプ4、サブタンク5、第3の流路13、負圧器4、記録ヘッド23、第2の流路、および流路切換弁3の閉じた流路が形成される。この閉じた流路で流路加圧ポンプ4を作動させると、記録ヘッド23の共通液室34内の泡(空気)は、排気口23b、第2の流路、マルチ弁30、流路切換弁3、第1の流路24、および流路加圧ポンプ4を介してサブタンク5に移動する。移動した泡(空気)は、サブタンク5の上部へと移動し、貯留される。サブタンク5内のインクはサブタンク5の底部に接続されている第3の流路13へと移動し、最終的には記録ヘッド23の共通液室34内の泡(空気)をインクで置換する。置換されたインクが記録ヘッド23のヘッド液面センサ35に到達したときに流路加圧ポンプ4を停止させ、そして、流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態にしてからマルチ弁30を閉じて、記録ヘッド23内エア抜き動作は完了である。
(7)サブタンクのエア抜き(インク充填)
上記(6)で説明した記録ヘッド内エア抜きや上記(3)で説明したストップレス記録をした後、あるいは第1の流路24を形成するチューブから空気が透過したりすると、サブタンク5内に気泡(空気)が溜まっていき、サブタンク5内のインク量は少なくなる。サブタンク5のインク量が少なくなったまま記録を続けていくとストップレス記録を行った時にインク不足になり、記録が中断されるという問題が生じる。このような状態を回避するため、サブタンク5内のインク量の下限値を管理する。
上記(6)で説明した記録ヘッド内エア抜きや上記(3)で説明したストップレス記録をした後、あるいは第1の流路24を形成するチューブから空気が透過したりすると、サブタンク5内に気泡(空気)が溜まっていき、サブタンク5内のインク量は少なくなる。サブタンク5のインク量が少なくなったまま記録を続けていくとストップレス記録を行った時にインク不足になり、記録が中断されるという問題が生じる。このような状態を回避するため、サブタンク5内のインク量の下限値を管理する。
インク液面が下降すると下限液面センサ38が検知すると、流路切換弁3を第1の流路24とインクタンク1とが連通した状態で大気開放弁7を開放する。そして流路加圧ポンプ4を作動させてサブタンク5内の空気を排出しながらインクタンク1からインクをサブタンク5に輸送する。サブタンク5内のインク液面は上昇していき、フロートレバー8が浮かび、フロートレバー8がシール材9に密着して大気開放口50を塞ぐ。そして、サブタンク5内は密閉状態となる。サブタンク5内に所定量のインクを充填するために、インク液面が上限液面センサ6に達するまで、流路加圧ポンプ4が駆動される。インク液面が上限液面センサ6に達すると、流路加圧ポンプ4の駆動が停止する。各色インク液面が各色の液面センサ6に達するまで各色に対応した流路加圧ポンプ4を同様に駆動させる。流路加圧ポンプ4内には不図示の過加圧防止機構が設けられており駆動し続けても所定の圧力までしか加圧できない。以上のような工程によりサブタンク5のエアが抜かれ、インクが充填される。
以上説明したように、本発明のインクジェット記録装置では、記録ヘッドへのインクの加圧供給をしながらインクタンクを外しても記録を中断することなく記録可能となる。また、電源OFFなど記録装置を長時間使用しない場合、流路内の加圧の解除が簡単にでき、流路内の加圧と加圧の解除を繰り返してもサブタンク内のインク量は変わらず、インク漏れのない安価なインクジェット記録装置を提供することができる。
1 インクタンク
3 流路切換弁
4 流路加圧ポンプ
5 サブタンク
7 大気開放弁
13 第3の流路
14 負圧器
23 記録ヘッド
23b 排気口
24 第1の流路
29 第2の流路
30 マルチ弁
50 大気開放口
3 流路切換弁
4 流路加圧ポンプ
5 サブタンク
7 大気開放弁
13 第3の流路
14 負圧器
23 記録ヘッド
23b 排気口
24 第1の流路
29 第2の流路
30 マルチ弁
50 大気開放口
Claims (7)
- 内部にインクが充填されたインクタンクと、該インクタンクからインクが供給される記録ヘッドとを有するインクジェット記録装置において、
大気開放弁を有し、前記インクタンクからのインクを受け入れ、前記記録ヘッドに供給するサブタンクと、
前記インクタンクと前記サブタンクとをつなぐ第1の流路と、
前記第1の流路に設けられ、前記第1の流路を前記インクタンクに連通させるか、大気に連通させるかを切換える、流路切換弁と、
前記第1の流路を介して前記サブタンクを加圧することができる加圧ポンプと、
少なくとも前記流路切換弁と前記加圧ポンプと前記大気開放弁とを制御する制御手段と、
を有し、
前記インクタンクは前記インクジェット記録装置の本体から着脱することができ、
前記制御手段は、
前記流路切換弁を切換えて前記第1の流路を前記大気に連通した後に、前記加圧ポンプを駆動させて、前記サブタンクの圧力が所定の圧力に達するまで前記サブタンクに空気を供給して、
前記流路切換弁を切換えて前記第1の流路を前記インクタンクに連通した後に、前記加圧ポンプを駆動させて、前記インクタンクから前記サブタンクに前記インクを供給して、
前記大気開放弁を開放した後に前記加圧ポンプの駆動を停止する、インクジェット記録装置。 - 前記制御手段は、
記録開始前には、前記流路切換弁を切り換えて前記第1の流路を前記大気に連通した後に、前記加圧ポンプを駆動して、前記サブタンクの圧力が所定の圧力に達するまで前記サブタンクに前記空気を供給して、
記録中には、前記流路切換弁を切り換えて前記第1の流路を前記インクタンクに連通した後に、前記加圧ポンプを駆動して、前記インクタンクから前記サブタンクに前記インクを供給して、
記録終了後には、前記大気開放弁を開放する、請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記サブタンクに設けられた前記大気開放弁につながる大気開放口と、前記サブタンクの、前記第1の流路からの前記インクの流入口とが対向していない、請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドには排気口が設けられており、
前記排気口と前記流路切換弁とは第2の流路を介してつながっており、
前記流路切換弁は前記第1の流路と前記第2の流路とを連通させることができる、請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記サブタンクと前記記録ヘッドとは第3の流路でつながっており、
前記第3の流路には、内部が負圧になると前記サブタンクからのインクを前記記録ヘッドに供給する負圧器が設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記流路切換弁と排気口を連通させる、前記負圧器と前記流路切換弁を連通させる、あるいは、第2の流路を閉じる、の3つを切換えることができるマルチ弁が設けられている、請求項5に記載のインクジェット記録装置。
- 内部にインクが充填されたインクタンクと、該インクタンクからインクが供給される記録ヘッドと、大気開放弁を有し、前記インクタンクからのインクを受け入れ、前記記録ヘッドに供給するサブタンクと、を有するインクジェット記録装置におけるインクの供給方法であって、
前記インクタンクと前記サブタンクとをつなぐ第1の流路に、前記第1の流路を前記インクタンクに連通させるか、大気に連通させるかを切換える、流路切換弁を設け、
前記流路切換弁を切り換えて、前記第1の流路を前記大気に連通させてから、加圧ポンプで前記第1の流路を介して前記サブタンクの圧力が所定の圧力になるまで空気を前記サブタンクに供給して、
前記空気の供給により前記サブタンク内の圧力が前記所定の圧力になったら、前記加圧ポンプを作動させたまま前記流路切換弁を切り換えて、前記第1の流路を前記インクタンクに連通させてから、前記インクタンクのインクを前記サブタンクに供給して、
前記サブタンクに設けられた大気開放弁を開放してから前記加圧ポンプを停止する、インクの供給方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012172932A JP2014030964A (ja) | 2012-08-03 | 2012-08-03 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012172932A JP2014030964A (ja) | 2012-08-03 | 2012-08-03 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014030964A true JP2014030964A (ja) | 2014-02-20 |
Family
ID=50281184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012172932A Pending JP2014030964A (ja) | 2012-08-03 | 2012-08-03 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014030964A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107379762A (zh) * | 2016-03-22 | 2017-11-24 | 罗兰Dg有限公司 | 墨水供给系统及喷墨打印机 |
CN111002718A (zh) * | 2019-12-10 | 2020-04-14 | 晋传华 | 一种墨水盒压力调节装置 |
-
2012
- 2012-08-03 JP JP2012172932A patent/JP2014030964A/ja active Pending
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