JP2011161844A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
圧クリーニングを実行可能とする。
【解決手段】圧力調整弁を介して噴射ヘッドに液体を供給する流路とは別のバイパス流路
を設けておく。そして、液体を噴射する際には、圧力調整弁を介した流路を用いて噴射ヘ
ッドに液体を供給することでインクの供給圧力を適切に調整し、加圧クリーニングを行う
際には、バイパス流路を用いて噴射ヘッドに加圧した液体を供給する。こうすることで、
噴射ヘッド内が加圧されて、性状の劣化した液体が噴射ヘッドの外に排出する加圧クリー
ニングが実行可能となる。
【選択図】図6
Description
を正確な位置に噴射することによって、高画質の画像を印刷することが可能である。また
、この技術を利用して、インクの代わりに各種の液体を基板に向けて噴射すれば、電極や
、センサ、バイオチップなどを製造することも可能である。
する。噴射ヘッド内の液体が増粘するなどして性状が劣化してしまった場合には、噴射ノ
ズルをキャップで覆った状態でキャップに接続された吸引ポンプを作動させることで、性
状の劣化した液体を噴射ノズルから吸引する動作である吸引クリーニングを行う。また、
吸引クリーニングを行うに際しては、キャップを噴射ヘッドに押し当てることでキャップ
と噴射ヘッドとの間に密閉空間を形成しなければならず、その為には、キャップを噴射ノ
ズルの正確な位置に当接させる必要があるが、このことは必ずしも容易なことではない。
そこで、吸引クリーニングに替えて、噴射ヘッドを上流側から加圧することで噴射ヘッド
内の液体を押し出してキャップに排出する動作である加圧クリーニングを実行し、噴射ノ
ズルをキャップで覆う動作を省略可能とすることが行われることもある。
を噴射する為には、噴射ヘッドに供給される液体の圧力を適正な圧力に保っておく必要が
ある。ところが、液体を噴射ヘッドに供給するための通路で圧力損失が生じる影響で、噴
射ヘッドに供給される液体の圧力を一定に保っておくことは難しい。そこで、噴射ヘッド
までは加圧によって液体を供給しておき、噴射ヘッド内の圧力が所定圧力を下回った場合
には、圧力調整弁を開いて必要量の液体を供給することで、噴射ヘッドに供給する液体の
圧力を適切な圧力に調整する技術が提案されている。(特許文献1)
と、加圧クリーニングを行うことができず、その結果、吸引クリーニングを行わざるを得
ないという問題があった。すなわち、圧力調整弁は、異なる圧力によって噴射ヘッドに液
体が供給されることが無いように、圧力調整弁の上流側から加圧されても弁が開かない構
造となっている。従って、噴射ヘッドを上流側から加圧しても圧力調節弁によって加圧力
が遮られてしまい、吸引クリーニングよりも簡便な加圧クリーニングを実行することがで
きなくなってしまうという問題があった。
噴射ヘッドに供給される液体の圧力を圧力調整弁によって一定に保つと共に、加圧クリー
ニングを実行可能な技術の提供を目的とする。
採用した。すなわち、
噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記噴射ノズルから噴射する液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部に収容されている液体を前記噴射ヘッドに向けて圧送する液体圧送手段
と、
前記液体圧送手段と前記噴射ヘッドとの間に設けられた圧力調整手段であって、該圧力
調整手段と前記噴射ヘッドとの間の液体の圧力が所定の圧力範囲になったときのみに開弁
する圧力調整弁を有する圧力調整手段と、
前記圧力調整手段の上流側と下流側とを接続するバイパス通路を開いて、前記液体圧送
手段から圧送された液体を前記噴射ヘッドに導くことにより、該噴射ヘッド内の液体を前
記噴射ノズルから排出させるクリーニング動作を行う加圧クリーニング手段と
を備えることを要旨とする。
体が、圧力調整手段と噴射ヘッドとの間の液体の圧力が所定の圧力範囲になったときにの
み噴射ヘッドに供給される。このため、液体を圧送する際の流路抵抗の違いによって供給
される圧力に変動が生じた場合でも、噴射ヘッド内の液体の圧力を一定圧力に保っておく
ことができ、適切に液体を噴射することができる。もっとも、この様に圧力調整手段を備
えた構成では、噴射ヘッド内の加圧クリーニングを行うために噴射ヘッドに向けて液体を
圧送した場合でも、圧送した液体の圧力では圧力調整弁が開かないため、液体圧送手段の
加圧力によって噴射ヘッド内の液体を噴射ノズルから排出させてクリーニングする加圧ク
リーニングを行うことができない。そこで、本発明の液体噴射装置では、圧力調整手段の
上流側と下流側を接続するバイパス経路が設けられており、加圧クリーニングを行う際に
は、バイパス通路を開いて、液体圧送手段から圧送された液体を直接に噴射ヘッドに導く
ことが可能となっている。
る。従って、吸引クリーニングを行わなくても、性状が劣化した液体を噴射ヘッドの外に
排出するメンテナンス動作を行うことが可能となり、その結果として、吸引クリーニング
時には必要な動作であるキャップを噴射ノズルの正確な位置に当接させる動作を省略する
ことができるので、メンテナンス動作を簡単にすることが可能となる。また、加圧クリー
ニングを行わない状態では、バイパス通路を閉じておけば、圧送された液体は圧力調整手
段を介して噴射ヘッドに供給されるので、噴射ヘッドに供給される液体の圧力を一定に保
つことが可能となる。
圧クリーニングを行っていない状態よりも高い圧力によって、液体収容部から噴射ヘッド
に向けて液体を圧送することとしてもよい。
、より大きな圧力によって噴射ヘッド内の液体を押し出すことができるので、性状が劣化
した液体の排出能力を高めることが可能となる。また、加圧クリーニングを行っていない
状態にまで高い圧力によって液体が圧送されることがないので、液体を圧送する液体圧送
手段に対して、余分な圧力負荷がかかることを回避することが可能となる。
例を説明する。
A.装置構成:
B.本実施例のインク供給方法:
C.変形例:
図1は、ラインプリンター1を例に用いて本実施例の液体噴射装置の大まかな構造を示
した説明図である。図示されているように、本実施例のラインプリンター1は、大まかに
は箱型の外形形状をしており、上面には、モニターパネル2や、ユーザーが操作するため
の操作パネル3などが設けられている。また、ラインプリンター1の前面には、インクカ
ートリッジを交換する際に開けるカートリッジ交換扉4や、印刷用紙を装填する際に開け
る給紙扉5が設けられており、更に、向かって右側面には、印刷された印刷用紙が排出さ
れる排紙口6が設けられている。
搭載されている。先ず、ラインプリンター1のほぼ中央の位置には、印刷用紙にインクを
噴射するヘッドユニット30が設けられている。ヘッドユニット30の下方には、ヘッド
ユニット30にインクを供給するインク供給部60が設けられており、インク供給部60
には、インクが充填されたインクカートリッジ62が装着される。尚、本実施例のライン
プリンター1では、黒インク(Kインク)、シアンインク(Cインク)、マゼンタインク
(Mインク)、イエローインク(Yインク)の4色のインクを印刷に使用することが可能
であり、このことに対応して、インク供給部60には、各色のインクが充填された4つの
インクカートリッジ62が装着されるようになっている。
セット10が設けられており、給紙カセット10の右端の上面に接する位置に、給紙ロー
ラー20が設けられている。更に、給紙ローラー20の奥側には給紙モーター22が接続
されており、給紙モーター22を駆動して給紙ローラー20を回転させると、給紙カセッ
ト10から印刷用紙が1枚ずつ、ヘッドユニット30に向かって搬送されるようになって
いる。尚、図1では、印刷用紙の搬送経路が太い破線で示されている。
、この空きスペースの下方には、キャップ40や、吸引ポンプ50、廃液タンク52など
が設けられている。尚、詳細については後述するが、本実施例のラインプリンター1では
、ヘッドユニット30内にインクが長い間放置されるなどしてインクの性状が劣化した場
合、ヘッドユニット30を右側の空きスペースへ移動させた後に、ヘッドユニット30内
のインクを加圧することで、性状の劣化したインクをキャップ40に排出すること(加圧
クリーニング)が可能となっている。また、加圧クリーニングによってキャップ40に排
出されたインクは、吸引ポンプ50によって吸引され、廃液タンク52に溜められる。
インプリンター1に電力を供給するための電源ユニット70や、ラインプリンター1の各
種の動きを制御する制御ユニット80などが搭載されている。
、給紙カセット10には、複数枚の印刷用紙が装填される。給紙カセット10に装填され
た印刷用紙は図示しないバネによって押し上げられて、上方に設けられた給紙ローラー2
0に押し付けられている。給紙ローラー20は、金属製の細長い円柱を長さ方向に半分に
割って形成した略半円形断面の細長い部材であり、円周部分に対応する側面はゴム材料に
よって形成されている。この給紙ローラー20の一端には給紙モーター22が接続されて
おり、給紙モーター22によって給紙ローラー20を回転させることによって、給紙カセ
ット10から印刷用紙を1枚ずつ、ヘッドユニット30に向かって送り出す。
られている。ガイドローラー24は、図示しないモーターによって駆動されて回転するこ
とにより、印刷用紙をガイドしながら、ヘッドユニット30へと搬送する。
れており、ヘッドユニット30の底面側(すなわち、印刷用紙に面する側)には、インク
を噴射する複数の噴射ヘッドが設けられている(図2を参照)。また、ヘッドユニット3
0には、インク供給部60のインクカートリッジ62が図示しない流路を介して接続され
ており、インクカートリッジ62内に収容されたインクが、ヘッドユニット30の下面側
に設けられた複数の噴射ヘッドから噴射される。
す説明図である。図示されるように、本実施例のヘッドユニット30の底面には、略矩形
形状をした噴射ヘッド32が、6つずつを一組として4組(合計24個)設けられている
。また、各組の6つの噴射ヘッド32は、3つずつ二列に並べられるとともに、互いの列
の噴射ヘッド32が互い違いとなるように配列されている。更に、各噴射ヘッド32には
、インクを噴射する複数の噴射ノズルが列状に設けられている。尚、こうした噴射ノズル
が設けられている噴射ヘッド32の下側の面を「ノズル面」と呼ぶことがあるものとする
。
2が一体となって1つの噴射ユニット34を構成している。上述したように、本実施例の
ヘッドユニット30には、24個の噴射ヘッド32が設けられているから、結局、4つの
噴射ユニットが設けられており、各噴射ユニット34が、Yインクを噴射する噴射ユニッ
ト34y、Mインクを噴射する噴射ユニット34m、Cインクを噴射する噴射ユニット3
4c、Kインクを噴射する噴射ユニット34kとなっている。
印刷用紙を背面から支持するプラテンが設けられている(図示は省略)。給紙ローラー2
0およびガイドローラー24によって搬送されてきた印刷用紙はプラテン上を搬送され、
この間にヘッドユニット30の底面に設けられた複数の噴射ヘッド32からインクが噴射
されて印刷用紙に画像が印刷されていく。こうして画像が印刷された印刷用紙は、ヘッド
ユニット30の下流側に設けられたガイドローラー24によって進行方向を下方に曲げら
れた後、廃液タンク52の下側を通って排紙口6からラインプリンター1の外部に排出さ
れる。ここで、本実施例のラインプリンター1では、ヘッドユニット30に設けられた複
数の噴射ヘッド32からインクを噴射するに際して、次のような構成を用いて噴射ヘッド
32にインクを供給している。
図3は、噴射ヘッド32にインクを供給するための構成を示した説明図である。本実施
例の噴射ヘッド32にインクを供給するための構成は、大まかには、インク供給部60と
、ヘッドユニット30の内部機構などから構成されている。尚、前述したように、本実施
例のヘッドユニット30には、異なる4色のインクを噴射するための複数の噴射ヘッド3
2が設けられているが(図2を参照)、ここでは、図が複雑となることを避けるために、
あるインク(例えばKインク)を噴射する噴射ヘッド32と、これらの噴射ヘッド32に
インクを供給するための構成のみが示されている。
クをヘッドユニット30に供給するための加圧ポンプ64などが設けられている。インク
カートリッジ62内には、インクが収容されたアルミ製のインクパック61が設けられて
おり、インクパック61は、インク供給流路65を介してヘッドユニット30に接続され
ている。また、加圧ポンプ64には圧迫部材63が設けられており、圧迫部材63は、加
圧ポンプ64で発生させた空気圧によって駆動されて、インクパック61を側面から圧迫
する。従って、加圧ポンプ64を作動させると、インクパック61が圧迫部材63によっ
て圧迫される圧力により、インクがインク供給流路65を通ってヘッドユニット30に供
給されるようになっている。
の流路に分岐しており、分岐したインク供給流路65は、噴射ヘッド32へのインクの供
給圧力を調節する圧力調整弁90を介して噴射ヘッド32に接続されている。尚、本実施
例のラインプリンター1では、インク供給流路65が圧力調整弁90に接続される手前に
、圧力調整弁90を迂回するバイパス流路66が設けられており、バイパス流路66は、
開閉弁36を介して噴射ヘッド32に接続されている。こうしたバイパス流路66を設け
ておく理由については後に詳しく説明する。
32へのインクの供給圧力の調整を行うのは、次のような理由による。すなわち、本実施
例では、各インクカートリッジ62から噴射ヘッド32にインク供給流路65を介してイ
ンクを供給する構成をとっており、一本のインク供給流路65が分岐して複数の噴射ヘッ
ド32に接続している為、分岐した先のインク供給流路65内では、分岐する前のインク
供給流路65内と比べて、流路抵抗によってインクの圧力が大きく変化する。その結果、
噴射ヘッド32から正常にインクを吐出させるために必要なインクの供給圧力の下限値を
下回ってしまう場合があるので、インクカートリッジ62のインクパック61を加圧して
インクを供給する加圧供給システムを採用している。このようなインクの加圧供給システ
ムでは、加圧された液体が噴射ヘッド32に供給されるので、インクの供給圧力を維持す
ることが可能であるが、噴射ヘッド32に加圧力がそのまま伝わることでインクを正常に
吐出することができなくなったり、場合によっては噴射ノズルからインクが流れ出す不具
合が生ずる。そこで、こうした不具合を防止する目的で圧力調整弁90が設けられている
。
2を参照)、インク供給流路65が噴射ヘッド32に到達するまでの流路の長さは、噴射
ヘッド32ごとに異なっている場合がある。この場合、インクがインク供給流路65を流
れる際の圧力損失の違いによって、噴射ヘッド32へのインク供給圧力にバラつきが生ず
ることとなる。噴射ヘッド32は、液体を加圧することによって噴射しているので、噴射
ヘッド32へのインクの供給圧力を一定に保つことができなければ、噴射ヘッド32のイ
ンクの噴射量にバラつきが生じてしまい、その結果として、印刷画質の低下を招いてしま
う。このため、本実施例のラインプリンター1では、圧力調整弁90を用いることで、噴
射ヘッド32へのインクの供給圧力を一定に保っているのである。以下では、こうした圧
力調整弁90が、噴射ヘッド32へのインクの供給圧力を一定に保つための構造について
説明する。
弁90の中心を通る縦断面をとることによって、圧力調整弁90の内部構造が示されてい
る。
なわち、圧力調整弁90の上側には、噴射ヘッド32に接続された圧力室91が設けられ
ており、弁の下側には、インクカートリッジ62に接続された前室92が設けられている
。圧力室91と前室92との間を隔てる隔壁には、細い通路が貫通しており、この通路に
は、通路とほぼ同じ径の通路軸93が通路内で摺動可能に設けられている。通路軸93の
側面には、2本の通路溝94が設けられており、通路溝94の一端は、圧力室91側に開
口するとともに、他端は前室92側に開口している。
95は、通路軸93を取り巻くように設けられた支持バネ96によって、圧力室91の底
面側から一定の高さに持ち上げられている。また、ベース部材95は、圧力室91の一側
面(図4では上面側)を構成する薄いフィルム膜97のほぼ中央位置に接着されている。
止弁98は、前室92の底面側から封止バネ99によって上方に押し上げられており、通
常は、封止弁98の上方に設けられた突出部分が、前室92の上面に押し付けられること
で、前室92側から通路軸93の周囲を密閉するようになっている。
した説明図である。前述したように、圧力調整弁90には、インク供給流路65を介して
インクカートリッジ62からインクが供給されている(図3を参照)。このとき、圧力調
整弁90の前室92には、加圧ポンプ64の押圧力によって、比較的高い圧力でインクが
供給されるようになっている。ここで、図4を用いて前述したように、通常は、前室92
に設けられた封止弁98によって、前室92側の通路軸93の周囲は密閉されているので
、図5(a)に示されるように、通路軸93に設けられた通路溝94の前室92側の開口
部分は、封止弁98によって前室92との接続を断たれた状態となっている。従って、こ
の状態では、前室92から通路溝94を介して圧力室91にインクが供給されることはな
い。
射ヘッド32内のインクの量が減少するが、すぐに噴射量に相当するインクが所定の圧力
によって圧力室91から供給される。また、こうして圧力室91から噴射ヘッド32にイ
ンクを供給すると、圧力室91内のインク量は徐々に減少していく。このとき、図5(b
)に示されるように、圧力室91内のインクの体積変化に応じて、圧力室91の上面を構
成するフィルム膜97が引き下げられることで、フィルム膜97が設けられたベース部材
95も支持バネ96の反発力に逆らって下方へ移動する。すると、ベース部材95に固定
された通路軸93も下方へと移動し、結果として、通路軸93の前室92側の端部によっ
て、封止弁98が、封止バネ99の反発力に逆らって下方へ押し下げられる。
出部分が上面から離れるので、通路軸93に設けられた通路溝94の前室92側の開口部
分は前室92と接続可能な状態となる。その結果、図5(c)に示されるように、通路溝
94を介して、前室92から圧力室91へと加圧されたインクが供給される。
に伴ってフィルム膜97とともにベース部材95が元の高さまで上昇する。従って、通路
軸93も上昇し、その結果として、図5(a)に示すように、再び封止弁98によって前
室92側の通路軸93の周囲は密閉されて、前室92から圧力室91へのインクの供給が
終了する。
のインク量が所定量よりも少なくなることで圧力室91のインクの供給圧力が低下すると
、一時的に封止弁98が開く。これにより、前室92から加圧された少量のインクが供給
され、圧力室91のインクの供給圧力は回復する。その結果、圧力室91のインクの供給
圧力は、前室92よりも上流側の圧力よりも低い所定の圧力範囲に保たれるので、噴射ヘ
ッド32にインクを供給する圧力を一定に保つことが可能となっている。このような圧力
調整弁90を備えたラインプリンター1では、噴射ヘッド32へのインクの供給圧力が一
定に保たれることで、インクの噴射量のバラつきを抑えることが可能である。
ンクの性状が劣化した場合のメンテナンス動作として、加圧クリーニング(噴射ヘッド3
2内を加圧することにより、噴射ヘッド32内の劣化したインクを排出する動作)を採用
している。しかし、噴射ヘッド32の上流側には圧力調整弁90が設けられており、圧力
調整弁90では、上流から供給されたインクの圧力を所定の圧力範囲に減圧して噴射ヘッ
ド32に供給するため、(図4を参照)、圧力調整弁90を介しては、加圧したインクの
圧力を利用して噴射ヘッド32のインクを排出する加圧クリーニングを行うことはできな
い。そこで、本実施例のラインプリンター1では、以下のような方法によって加圧クリー
ニングを実行する。
明図である。尚、図6(a)には、噴射ヘッド32からインクを噴射している際のヘッド
ユニット30の内部機構の様子が示されており、図6(b)には、加圧クリーニングを行
っている際のヘッドユニット30の内部機構の様子が示されている。
供給流路65から、圧力調整弁90を迂回するバイパス流路66が設けられており、バイ
パス流路66は、開閉弁36を介して噴射ヘッド32に接続されている(図3を参照)。
また、バイパス流路66の開閉弁36は、噴射ヘッド32からインクを噴射している最中
を含め、通常は閉じた状態となっているため、加圧ポンプ64によってインクを加圧して
ヘッドユニット30に供給したとしても、加圧したインクはバイパス流路66の先には供
給されないようになっている。従って、図6(a)に太線で示されるように、圧力調整弁
90の上流までは加圧されたインクが供給される。このとき、前述したように、圧力調整
弁90によって噴射ヘッド32へのインクの供給圧力は所定範囲まで減圧されている。
流路66の開閉弁36を開く。こうすると、圧力調整弁90を迂回して、直接インクを噴
射ヘッド32に供給可能な流路が確保される。続いて、加圧ポンプ64を駆動して、加圧
したインクをヘッドユニット30に供給する。尚、このときインクを加圧する圧力は、噴
射ヘッド32からインクを噴射する際の圧力と同じ圧力(20kpa程度)であってもよ
いし、インクを噴射する際よりも高めの圧力(30kpa〜40kpa)であってもよい
。また、加圧ポンプ64を駆動した状態で、バイパス流路66の開閉弁36を開いてもよ
いし、加圧ポンプ64の駆動開始と開閉弁36の開放とを同時に行うこととしてもよい。
6(b)に太線で示されるように、バイパス流路66を介して、インクが噴射ヘッド32
に流入する。こうすると、加圧したインクの高い供給圧力を維持したまま、噴射ヘッド3
2にインクが供給されるので、噴射ヘッド32内の圧力が高められる。その結果、噴射ヘ
ッド32内で性状が劣化したインクが噴射ノズルから排出する加圧クリーニングを実行す
ることが可能となる。そして、性状の劣化したインクを排出したら、バイパス流路66の
開閉弁36を閉じることで、圧力調整弁90を迂回して噴射ヘッド32にインクを供給す
る流路を遮断するとともに、加圧ポンプ64を停止することで、加圧クリーニングを終了
する。
バイパス流路66を設けておけば、噴射ヘッド32の上流側に圧力調整弁90が設けられ
ていたとしても、必要に応じて、加圧したインクの圧力を噴射ヘッド32に伝えることが
できる。従って、加圧したインクの圧力を減圧して用いることで噴射ヘッド32へのイン
クの供給圧力を一定に保つという、圧力調整弁90の本来の機能は維持したまま、加圧ク
リーニングを実行することが可能となる。
ヘッド32外に排出可能とする方法としては、上述した加圧クリーニングに替えて、イン
クを噴射ノズルから吸引するメンテナンス動作である吸引クリーニングを採用することも
考えられる。しかし、吸引クリーニングを行うに際しては、キャップ40を噴射ヘッド3
2に押し当てることでキャップ40と噴射ヘッド32との間に閉空間を形成しなければな
らず、キャップ40を噴射ヘッド32のノズル面に当接させる必要がある。特に、複数の
噴射ヘッド32を搭載したラインプリンター1では、吸引クリーニングに備えて噴射ヘッ
ド32毎にキャップ40が設けられることもあり、これら複数のキャップ40をノズル面
の正確な位置に当接させることは、必ずしも容易なことではない。
ることで、加圧クリーニングを採用可能とすれば、噴射ヘッド32から排出されたインク
をキャップ40で受けるだけでよい。従って、キャップ40で噴射ヘッド32のノズル面
を覆わなくてもよいので、上述した吸引クリーニングのように、キャップ40をノズル面
に当接させる動作を省略することができる。
噴射ヘッド32内を加圧するための圧力として利用している。従って、加圧クリーニング
を実行するための専用のポンプを設ける必要がない。また加圧クリーニングを行う際には
、インクを噴射する際よりも高い圧力によってインクを加圧して供給することで、加圧ク
リーニングによるインクの排出能力を高めることも可能である。
前述した実施例のラインプリンター1では、複数の噴射ヘッド32の各々に対して、噴
射ヘッド32へのインクの供給圧力を調整する圧力調整弁90を設けるものと説明した。
しかし、圧力調整弁90は、次のようにして設けることとしてもよい。
を示した説明図である。図示されているように、変形例のラインプリンター1では、圧力
調整弁90は1つだけ設けられており、インクカートリッジ62からのインクを導くイン
ク供給流路65は、1つの圧力調整弁90を介して全ての噴射ヘッド32に接続されてい
る。また、圧力調整弁90の上流側からは、圧力調整弁90を迂回するバイパス流路66
が設けられており、バイパス流路66の開閉弁36を閉じた状態では、圧力調整弁90に
よって噴射ヘッド32へのインクの供給圧力を一定に保ち、開閉弁36を開いた状態では
、噴射ヘッド32に加圧したインクを導いて加圧クリーニングを行うことができるように
なっている。また、各噴射ヘッド32の直ぐ上流の位置には、インク供給流路65の開閉
を切替え可能な切替弁38が設けられている。このため、インクを排出したい噴射ヘッド
32に対応する切替弁38を開き、その他の切替弁38は閉じた状態で加圧クリーニング
を実行することで、選択的に加圧クリーニングを実行することが可能になっている。
めの切替弁38を設ける必要が生ずる一方で、圧力調整弁90の設置数を減らすことがで
きる。ここで、前述したように、圧力調整弁90は、噴射ヘッド32に供給するインクの
圧力を一定に保つために複雑な構造を有しており(図4を参照)、こうした圧力調整弁9
0と比べれば、切替弁38は、流路の開閉だけを行うための単純な構造のものをとなって
いる。従って、圧力調整弁90の設置数を減らすことにより、ラインプリンター1が噴射
ヘッド32にインクを供給するための構成を簡単にすることができる。
その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
36…開閉弁、 40…キャップ、 50…吸引ポンプ、
60…インク供給部、 62…インクカートリッジ、 64…加圧ポンプ、
65…インク供給流路、 66…バイパス流路、 90…圧力調整弁、
91…圧力室、 92…前室、 93…通路軸、
94…通路溝、 97…フィルム膜、 98…封止弁
Claims (2)
- 噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記噴射ノズルから噴射する液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部に収容されている液体を前記噴射ヘッドに向けて圧送する液体圧送手段
と、
前記液体圧送手段と前記噴射ヘッドとの間に設けられた圧力調整手段であって、該圧力
調整手段と前記噴射ヘッドとの間の液体の圧力が所定の圧力範囲になったときのみに開弁
する圧力調整弁を有する圧力調整手段と、
前記圧力調整手段の上流側と下流側とを接続するバイパス通路を開いて、前記液体圧送
手段から圧送された液体を前記噴射ヘッドに導くことにより、該噴射ヘッド内の液体を前
記噴射ノズルから排出させるクリーニング動作を行う加圧クリーニング手段と
を備える液体噴射装置。 - 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
前記液体圧送手段は、前記クリーニング動作時は、該クリーニング動作を行っていない
状態よりも高い圧力で、前記液体収容部の液体を圧送する手段である液体噴射装置。
Priority Applications (1)
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