JP4590480B2 - インクジェット装置のメンテナンス方法 - Google Patents

インクジェット装置のメンテナンス方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4590480B2
JP4590480B2 JP2009070488A JP2009070488A JP4590480B2 JP 4590480 B2 JP4590480 B2 JP 4590480B2 JP 2009070488 A JP2009070488 A JP 2009070488A JP 2009070488 A JP2009070488 A JP 2009070488A JP 4590480 B2 JP4590480 B2 JP 4590480B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
cap
supply
negative pressure
buffer tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009070488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010221492A (ja
Inventor
格 無類井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2009070488A priority Critical patent/JP4590480B2/ja
Priority to PCT/JP2010/001763 priority patent/WO2010109797A1/ja
Publication of JP2010221492A publication Critical patent/JP2010221492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4590480B2 publication Critical patent/JP4590480B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
    • B41J2/16517Cleaning of print head nozzles
    • B41J2/1652Cleaning of print head nozzles by driving a fluid through the nozzles to the outside thereof, e.g. by applying pressure to the inside or vacuum at the outside of the print head
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/1707Conditioning of the inside of ink supply circuits, e.g. flushing during start-up or shut-down

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、インクジェット装置のメンテナンス方法に関する。
インクジェットヘッドのメンテナンス方法としては、例えば特許文献1及び2に開示された技術が挙げられる。特許文献1及び2には、インクジェットを密閉するキャップ機構を備えたインクジェット記録装置が記載されている。そして、キャップ機構とインクジェットヘッドとの間で密閉された空間を減圧することで、インクジェットヘッドのノズル孔からインクを吸い出して、インクジェットヘッドのメンテナンスを行っている。このようなインクジェットヘッドのメンテナンス方法は、従来から広く知られている技術である。
また、メンテナンスのために、インクジェットヘッドにインクを充填する場合、所定値以上の圧力がかかった場合にのみ気体及び液体を透過する特殊膜を用いて、インクを充填する方法などが知られている。この充填方法では、インクジェットヘッドのノズル孔に、特殊膜を貼り付けた状態で、インクを充填している。
特開平3−180354号公報(1991年 8月 6日公開) 特開平8−58108号公報(1996年 3月 5日公開)
インクジェットヘッドのメンテナンスにおいては、インク吐出性能回復のために、インクの排出及び供給を繰り返す動作、あるいは未使用のインクジェットヘッドへインクを供給・充填する動作が行われる。
インクジェットヘッドへインクを供給する動作、またはインクジェットヘッドからインクを排出する動作を行うに際し、ノズルをキャップ機構により密閉した状態で、供給側バッファタンクに負圧を与える方法が採られている。このような方法においては、供給側バッファタンクに負圧を与えることにより、キャップ機構により密閉された空間に残された空気がノズル内に吸引されてしまい、インク不吐出等が生じる。このようなインク不吐出を低減するために、従来、インク排出の駆動力となる供給側バッファタンクに与える負圧を小さくする方法が採られていた。しかしながら、供給側バッファタンクに与える負圧を小さくすると、インクの排出動作に時間がかかったり、十分なインク流速が得られなかったりする。その結果、インクジェットヘッドのメンテナンス性能が低くなるという問題が生じる。
また、所定値以上の圧力がかかった場合にのみ気体及び液体を透過する特殊膜を用いて、インクを充填する方法では、インクジェットヘッドのノズル孔に特殊膜を貼り付けた状態で、所定値よりも小さい圧力の制御下で、インクをインクジェットヘッドへ充填している。これにより、キャップ機構により密閉された空間に残された空気をノズル孔へ透過させることなく、インクのみをインクジェットヘッドへ充填することができる。しかし、この充填方法では、ノズル孔が形成された面に別途特殊膜を接触させることになる。このため、ノズル孔が形成された面を傷めるという問題が生じる。
インク吐出性能回復のためのメンテナンスにおいては、インク流速を大きくしてインクを排出すれば、インクジェットヘッドのインク吐出性能回復の効果が大きくなる。また、インク充填のためのメンテナンスにおいては、インク流速を大きくしてインクをインクジェットヘッドへ充填すれば、装置稼動効率が向上する。しかしながら、現状のメンテナンスでは、上述したように、空気がノズル内に吸引されてしまう(入り込む)という問題があるため、インク流速を十分に大きくして、インクの供給やインク排出を行うことができないという課題がある。また、簡便に、ノズル孔が形成された面を傷めることなく、インクの供給やインク排出を行うことができないという課題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、流速を大きくしてインク排出及びインク供給を行うことができ、かつインクジェットヘッドのノズル孔の不吐出頻度が低いインクジェット装置のメンテナンス方法を提供することにある。
本発明のインクジェット装置のメンテナンス方法は、上記の課題を解決するために、複数のノズル孔を有するインクジェットヘッドと、上記ノズル孔を密閉するキャップ機構とを有し、上記インクジェットヘッドへ供給するインクが貯留されたインクタンクと、供給側バッファタンクと、上記供給側バッファタンクへ負圧を与える供給側ポンプと、上記インクジェットヘッドと上記供給側バッファタンクとの間に配された供給側廃液弁とを備え、上記供給側廃液弁の開放によりインクジェットヘッド内部が減圧され、上記インクタンクからインクジェットヘッドへインクが供給されるとともに、インクジェットヘッドからインクが排出される供給側メンテナンス機構と、キャップ側バッファタンクと、上記キャップ側バッファタンクに負圧を与えるキャップ側ポンプと、上記キャップ機構と上記キャップ側バッファタンクとの間に配されたキャップ側廃液弁とを備え、上記キャップ側廃液弁の開放により、上記キャップ機構により密閉された空間が減圧され、上記ノズル孔からインクが排出されるキャップ側メンテナンス機構とを備えたインクジェット装置のメンテナンス方法であって、上記キャップ機構により上記ノズル孔を密閉する密閉工程と、上記供給側バッファタンクの内圧を第1の負圧値に調整する第1の負圧調整工程と、上記キャップ側バッファタンクの内圧を第2の負圧値に調整する第2の負圧調整工程と、上記キャップ側廃液弁を開放し上記キャップ機構により密閉された空間を減圧した状態で、上記供給側廃液弁を開放しインクジェットヘッド内部を減圧する第1のインク排出/インク供給工程とを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、第1の負圧調整工程で上記供給側バッファタンクの内圧を第1の負圧値に調整し、第2の負圧調整工程で上記キャップ側バッファタンクの内圧を第2の負圧値に調整している。そして、上記第1のインク排出/インク供給工程で、上記キャップ側廃液弁を開放し上記キャップ機構により密閉された空間を減圧した状態で、上記供給側廃液弁を開放しインクジェットヘッド内部を減圧している。このように、上記キャップ機構により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド内部を減圧することにより、インクの排出及び供給を行っているので、ノズル孔に形成されたメニスカスで区切られたインクジェットヘッド内部の空間とキャップ機構により密閉された空間との圧力差が小さくなる。その結果、上記の構成によれば、インクジェットヘッドのノズル孔から空気を吸い込むことなく、より大きい流速でのインクの排出及び供給を実現することができる。
そして、このように大きな流速で、インクの排出及び供給を行うことができるので、インク不吐出の発生頻度が極めて低いインクジェット装置のメンテナンスを実現することができる。
本発明のインクジェット装置のメンテナンス方法では、上記第1のインク排出/インク供給工程では、上記キャップ側廃液弁及び上記供給側廃液弁を同時に開放することが好ましい。
上記の構成のように、上記第1のインク排出/インク供給工程では、上記キャップ側廃液弁及び上記供給側廃液弁を同時に開放して、上記キャップ機構により密閉された空間の減圧と、インクジェットヘッド内部の減圧とを同じタイミングで行っている。このような方法であっても、ノズル孔のメニスカスで区切られたインクジェットヘッド内部の空間とキャップ機構により密閉された空間との圧力差が小さくなることが可能である。
特に、上記の構成のよれば、ワイプ動作によりノズル孔の吐出口のインクを拭き取ることなく、インクの正常吐出が可能な状態に、インクジェット装置をメンテナンスすることができる。
本発明のインクジェット装置のメンテナンス方法では、上記インクジェットヘッドとして、未使用のインクジェットヘッドをインクジェット装置に搭載するインクジェットヘッド搭載工程を含んでいてもよい。
上記の構成のように、上記インクジェットヘッドとして、未使用のインクジェットヘッドをインクジェット装置に搭載するインクジェットヘッド搭載工程を含む場合、インクジェットヘッドに残っているインクは存在しない。それゆえ、上記の構成では、上記第1のインク排出/インク供給工程で、インクジェットヘッドに残っているインクは排出されず、インクタンクから未使用のインクジェットヘッドへインクの供給・排出がなされるので、インクジェットヘッドへのインク充填を目的としたメンテナンスになる。ずなわち、上記の構成によれば、上記第1のインク排出/インク供給工程で、インクタンクからインクジェットヘッドへインクを導入し、インクジェットヘッドから空気と共にインクを排出することで、インクジェットヘッド内部にインクを充填する。
このようにインクを充填するメンテナンスにおいても、上記の構成によれば、上記キャップ機構により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド内部を減圧することにより、インクの排出及び供給を行っているので、ノズル孔に形成されたメニスカスで区切られたインクジェットヘッド内部の空間とキャップ機構により密閉された空間との圧力差が小さくなる。その結果、インクジェットヘッドのノズル孔から空気を吸い込むことなく、より大きい流速でのインク充填を実現することができる。そして、より短時間でインクを充填することができる。
本発明のインクジェット装置のメンテナンス方法では、上記第2の負圧調整工程では、上記第1の負圧値よりも小さくなるように、上記第2の負圧値を調整することが好ましい。
これにより、確実に、ノズル孔に形成されたメニスカスで区切られたインクジェットヘッド内部の空間とキャップ機構により密閉された空間との圧力差が小さくすることができる。その結果、ノズル孔のメニスカスを破ることなく、より大きいインク流速でメンテナンスを行うことができる。さらには、メンテナンス動作中に、ノズル孔がインクにより濡れることを防止することができる。
本発明のインクジェット装置のメンテナンス方法では、第1のインク排出/インク供給工程後に、上記キャップ側バッファタンクの内圧を、上記第1の負圧値よりも大きい第3の負圧値に調整する第3の負圧調整工程と、上記第3の負圧値の負圧を上記キャップ機構により密閉された空間に与えて、該空間を減圧する第2のインク排出/インク供給工程とを含むことが好ましい。
上記の構成によれば、第1のインク排出/インク供給工程後に、第2のインク排出/インク供給工程で、上記キャップ側バッファタンクの内圧を、上記第1の負圧値よりも大きい第3の負圧値に調整する第3の負圧調整工程と、上記第3の負圧値の負圧を上記キャップ機構により密閉された空間に与えて、該空間を減圧しており、インクジェットヘッドのノズル孔からインクを吸引している。それゆえ、第1のインク排出/インク供給工程を行ってもノズルのチャネル溝に気泡が存在する場合、この気泡をノズル孔から除去することができる。
本発明のインクジェット装置のメンテナンス方法は、以上のように、上記キャップ機構により上記ノズル孔を密閉する密閉工程と、上記供給側バッファタンクの内圧を第1の負圧値に調整する第1の負圧調整工程と、上記キャップ側バッファタンクの内圧を第2の負圧値に調整する第2の負圧調整工程と、上記キャップ側廃液弁を開放し上記キャップ機構により密閉された空間を減圧した状態で、上記供給側廃液弁を開放しインクジェットヘッド内部を減圧する第1のインク排出/インク供給工程とを含む構成である。
それゆえ、インクジェットヘッドのノズル孔から空気を吸い込むことなく、より大きい流速でのインクの排出及び供給を実現することができる。そして、このように大きな流速で、インクの排出及び供給を行うことができるので、インク不吐出の発生頻度が極めて低いインクジェット装置のメンテナンスを実現することができる。
本発明の実施の一形態のメンテナンス方法を適用可能なインクジェット装置の流路構造を概略的に示す図である。 比較例としてのインクジェット装置のメンテナンス方法の工程順を示すフローチャートである。 本発明の実施の一形態のメンテナンス方法の工程順の一例を示すフローチャートである。 比較例としてのインクジェット装置のメンテナンス方法(インク充填方法)の工程順を示すフローチャートである。 本発明の実施の他の形態の、インク充填方法としてのメンテナンス方法の工程順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施のさらに他の形態のメンテナンス方法の工程順の一例を示すフローチャートである。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照して、詳細に説明する。
図1は、本実施形態のメンテナンス方法を適用可能なインクジェット装置の流路構造を概略的に示す図である。
インクジェット装置100は、インクを吐出する複数のノズル孔を有するインクジェットヘッド1と、インクジェットヘッド1のノズル孔の部分を密閉する密閉部材を有するキャップ機構15を備えている。インクジェットヘッド1には、例えば1列に並んだ64のノズル孔が形成されている。
インクジェット装置100は、インクジェットヘッド1のメンテナンス機構として、供給側メンテナンス機構101と、キャップ側メンテナンス機構102とを備えている。
供給側メンテナンス機構101は、インクを貯留するための袋状のインクタンク2と、供給側バッファタンク3と、供給側ポンプ5と、供給側廃液タンク6と、供給側廃液弁7とを備えている。インクタンク2は、インク供給流路2aによりインクジェットヘッド1と繋がっている。また、供給側バッファタンク3は、供給側インク排出流路3aによりインクジェットヘッド1と繋がっている。供給側廃液弁7は、供給側インク排出流路3aに設けられている。また、供給側バッファタンク3には、内圧をモニターするための圧力センサ4と、内圧を大気圧に戻すための大気圧開放弁8とが設けられている。また、供給側廃液タンク6は、供給側バッファタンク3に接続されている。供給側ポンプ5は、例えばダイアフラム式液送ポンプであり、供給側バッファタンク3と供給側廃液タンク6との間に配されている。
キャップ側メンテナンス機構102は、キャップ側バッファタンク9と、キャップ側ポンプ11と、キャップ側ポンプ11と、キャップ側廃液タンク12と、キャップ側廃液弁13とを備えている。キャップ側バッファタンク9は、キャップ側インク排出流路9aによりキャップ機構15と繋がっている。キャップ側廃液弁13は、キャップ側インク排出流路9aに設けられている。また、キャップ側バッファタンク9には、内圧をモニターするための圧力センサ10と、内圧を大気圧に戻すための大気圧開放弁14とが設けられている。キャップ側廃液タンク12は、キャップ側バッファタンク9に接続されている。キャップ側ポンプ11は、例えばダイアフラム式液送ポンプであり、キャップ側バッファタンク9とキャップ側廃液タンク12との間に配されている。
インクジェットヘッド1の吐出性能回復のためのメンテナンス動作は、インクジェットヘッド1内のインクを供給側廃液タンク6へ排出する第1の動作と、インクジェットヘッド1内のインクをキャップ側廃液タンク12へ排出する第2の動作からなっている。第1の動作では、供給側バッファタンク3の内圧を負圧に制御することにより、インクをインクジェットヘッド1の供給側インク排出流路3aから排出している。第2の動作では、キャップ側バッファタンク9の内圧を負圧に制御することにより、インクをインクジェットヘッド1のノズル孔から排出している。ここでいう「負圧」とは、大気圧を「0(ゼロ)」としたときの圧力を意味する。また、負圧値は、大気圧からどの程度減圧したかを示す圧力値を意味し、大気圧と負圧値との差が大きければ、大きくなる。すなわち、負圧値の相対的な大小関係は、負圧値の絶対値の大小関係に基づく。
以下、比較例としての第1の動作及び第2の動作の一例について、さらに詳述する。図2は、比較例としてのインクジェット装置100のメンテナンス方法の工程順を示すフローチャートである。
まず、第1の動作では、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1に当接させノズル孔を密閉する(工程S’1)。その後、供給側ポンプ5を作動し、供給側バッファタンク3の内圧を−20kPaに調整する(工程S’2)。そして、その状態で、供給側廃液弁7を開き、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える(減圧する)(工程S’3)。これにより、インクジェットヘッド1内に残っているインクが、供給側ポンプ5により、供給側廃液タンク6へ排出されるとともに、インクタンク2内のインクがインク供給流路2aを介してインクジェットヘッド1へ供給される(工程S’4;インク排出A)。インクが十分に排出されたとき、供給側廃液弁7を閉じる(工程S’5)。その後、供給側ポンプ5を停止する(工程S’6)。そして、大気開放弁8を開けることにより、供給側バッファタンク3の内圧を大気圧に戻す(工程S’7)。
次に、第2の動作では、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1に当接させノズル孔を密閉したままで、キャップ側ポンプ11を作動し、キャップ側バッファタンク9の内圧を−30kPaに調整する(工程S’8;第3の負圧調整工程)。そして、その状態で、キャップ側廃液弁13を開き、キャップ機構15により密閉された空間内に負圧を与える(減圧する)(工程S’9)。これにより、インクジェットヘッド1内に残っているインクが、キャップ側ポンプ11により、キャップ側廃液タンク12へ排出される(工程S’10;インク排出B;第2のインク排出/インク供給工程)。そして、インクが十分に排出されたとき、キャップ側廃液弁13を閉じる(工程S’11)。その後、キャップ側ポンプ11を停止する(工程S’12)。そして、大気開放弁14を開けることにより、キャップ側バッファタンク9の内圧を大気圧に戻す(工程S’13)。そして、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1から離し、ノズル孔の密閉を解除して(工程S’14)、メンテナンス動作が終了する。
上記の第1及び第2の動作を行った後、インクジェットヘッド1の吐出性能の確認動作を行うと、数個のノズル孔について、不吐出が検出されることがある。これは、第1の動作で、供給側廃液弁7を開きインクジェットヘッド1内部に負圧を与えた(工程S’3)ときに、インク供給流路2aからインクが供給されると同時に、キャップ機構15により密閉された空間内の空気がノズル孔からインクジェットヘッド1内部に入り込んだことに起因する。そして、このインクジェットヘッド1内部に入り込んだ空気が、第2の動作で排出されず、インクの不吐出が生じる。
このような空気のインクジェットヘッド1への入り込みを回避するために、第1の動作の工程S’3における供給側バッファタンク3の内圧を比較的小さい負圧値に調整することが考えられる。例えば、供給側バッファタンク3の内圧を−10kPa程度に調整すると、空気のインクジェットヘッド1への入り込みを回避し、インク不吐出の発生率を低下させることができる。しかしながら、供給側バッファタンク3の内圧を比較的小さい負圧値に調整すると、インク排出速度が低下する。吐出性能回復のためのメンテナンスの本質は、インクジェットヘッド1に残っている塵や気泡をインクとともに排出することにある。インク排出速度が低下することにより、塵や気泡をインクとともに排出する機能も低下してしまう。また、比較的大きな気泡がインクジェットヘッド1内に残っている場合、低いインク排出速度では、排出することができない。
そこで、本実施形態では、第1の動作において、ノズル孔に形成されたインクのメニスカス(インクと空気との界面)での圧力差を低減させることで、空気がメニスカスを破ってインクジェットヘッド1内部へ入り込むことを回避している。すなわち、本実施形態のメンテナンス方法は、第1の動作において、キャップ機構15により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える(減圧する)工程を含むことを特徴としている。さらに換言すると、第1の動作において、キャップ機構15により密閉された空間を減圧する工程と、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える(減圧する)工程とを並行して行うことを特徴としている。
以下、本実施形態のメンテナンス方法の一例について、図3を参照して、詳細に説明する。図3は、本実施形態のメンテナンス方法の工程順の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、まず、第1の動作において、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1に当接させノズル孔を密閉する(工程S1;密閉工程)。その後、供給側ポンプ5を作動し、供給側バッファタンク3の内圧を−20kPaに調整する(工程S2;第1の負圧調整工程)。この際、同時に、キャップ側ポンプ11を作動し、キャップ側バッファタンク9の内圧を−15kPaに調整する(工程S3;第2の負圧調整工程)。そして、その状態で、供給側廃液弁7とキャップ側廃液弁13とを同時に開き(工程S4)、キャップ機構15により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える(減圧する)(工程S5;インク排出A:第1のインク排出/インク供給工程)。これにより、ノズル孔のメニスカスで区切られたインクジェットヘッド1内部の空間とキャップ機構15により密閉された空間との圧力差が小さくなる。その結果、本実施形態のメンテナンス方法では、第1の動作において、インクジェットヘッド1のノズル孔から空気を吸い込むことなく、より大きい流速でインクを排出することができる。
そして、工程S5において、インクが十分に排出されたとき、供給側ポンプ5を停止し、供給側バッファタンク3の負圧制御を停止する(工程S6)。また、キャップ側ポンプ11を停止し、キャップ側バッファタンク9の負圧制御を停止する(工程S7)。その後、大気開放弁8を開けることにより、供給側バッファタンク3の内圧を大気圧に戻す(工程S8)。また、大気開放弁14を開けることにより、キャップ側バッファタンク9の内圧を大気圧に戻す(工程S9)。その後、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13を閉じ(工程S10)、第1の動作が完了する。
第1の動作が完了した後、図2に示される工程と同様に、第2の動作を行って、本実施形態のメンテナンス方法が完了する。
上記の第1及び第2の動作を行った後、インクジェットヘッド1の吐出性能の確認動作を行うと、全ノズル孔について、不吐出が検出されることがなかった。このように、第1の動作において、ノズル孔のメニスカスで区切られたインクジェットヘッド1内部の空間とキャップ機構15により密閉された空間との圧力差が小さくしてインク排出を行うことにより、従来技術において不吐出が生じる大きな流速でインクを排出しても、吐出性能の回復が良好になる。その結果、本実施形態のメンテナンス方法によれば、効率的なインクジェットヘッド1のメンテナンスを実現することができる。
なお、上述した本実施形態のメンテナンス方法では、工程S2にて調整される供給側バッファタンク3の負圧値(第1の負圧値)、及び工程S3にて調整されるキャップ側バッファタンク9の負圧値(第2の負圧値)について、具体的な数値を挙げている。しかしながら、供給側バッファタンク3の負圧値及びキャップ側バッファタンク9の負圧値は、上述した数値に限定されない。これらの負圧値は、ノズル孔の数や寸法、インク供給流路2a及びインク排出流路3aにおける流路抵抗、インクの表面張力、ノズルに対するインクの表面張力等に応じて、適宜設定可能である。
本実施形態のメンテナンス方法においては、工程S3にて調整されるキャップ側バッファタンク9の負圧値は、工程S2にて調整される供給側バッファタンク3の負圧値よりも小さいことが好ましい。すなわち、工程S3では、供給側バッファタンク3の負圧値よりも小さくなるように、キャップ側バッファタンク9の負圧値を調整することが好ましい。これにより、第1の動作中に、ノズル孔がインクにより濡れることを防止することができる。
また、本実施形態のメンテナンス方法においては、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13を同時に開いていた。しかしながら、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13を開くタイミングは、同時であることに限定されず、キャップ機構15により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド1内部に負圧を与えることが可能なタイミングであればよい。例えば、キャップ側廃液弁13を開いて、予めキャップ機構15により密閉された空間を減圧しておき、その後に、供給側廃液弁7を開いてインクジェットヘッド1内部に負圧を与えてもよい。また、キャップ側廃液弁13を開いて、予めキャップ機構15により密閉された空間を減圧しておき、その後に、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13を同時に開いてもよい。なお、予めキャップ機構15により密閉された空間を減圧する場合、インクジェットヘッド1内部を減圧するときに、インクジェットヘッド1のノズルからインクが吐出するおそれがある。このような場合でも、ワイプ動作等を行い、ノズル吐出面を拭き取ることにより、インクジェットヘッド1のノズル孔にメニスカスを生成することができ、正常な吐出を実現することができる。供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13を同時に開く場合は、上記のワイプ動作等を必要とせずに、正常な吐出を実現することができるので、好ましい。また、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13として電磁弁を用いることが好ましい。電磁弁は、電気的に弁の開閉を制御することができるので、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13の開閉を容易に制御することができる。
また、本実施形態のメンテナンス方法は、上記のように、第1の動作を行った後、第2の動作において、キャップ側バッファタンク9の内圧を、工程S2で調整した供給側バッファタンク2の負圧値(第1の負圧値)よりも大きい負圧値(第3の負圧値)に調整する工程S’8を含んでいることが好ましい。そして、工程S’10で、この負圧値の負圧をキャップ機構15により密閉された空間に与えて、この空間を減圧することが好ましい。
これにより、第1の動作を行ってもノズルのチャネル溝に気泡が存在する場合、この気泡をノズル孔から除去することができ、吐出性能の回復効果をさらに向上させることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について説明すると以下の通りである。本実施形態のメンテナンス方法では、インクジェットヘッド1として未使用のインクジェットヘッド1を用いて、該未使用のインクジェットヘッド1へインクの充填を行っている。すなわち、本実施形態のメンテナンス方法は、インクジェットヘッド1として、未使用のインクジェットヘッド1をインクジェット装置100に搭載するインクジェットヘッド搭載工程を含む構成である。
使用するインクジェット装置の構成については、インクジェットヘッド1が未使用のインクジェットヘッド1であること以外、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
本実施形態のインク充填としてのメンテナンス方法(インク充填方法)は、インクタンク2からインクジェットヘッド1へインクを導入し、該インクをインクジェットヘッド内部の空気と共に供給側廃液タンク6へ排出する第1の動作と、インクジェットヘッド1内のインクをキャップ側廃液タンク9へ排出する第2の動作からなっている。第1の動作では、供給側バッファタンク3の内圧を負圧に制御することにより、インク充填及びインク排出を行っている。第2の動作では、キャップ側バッファタンクの内圧を負圧に制御することにより、インクをインクジェットヘッド1のノズル孔から排出している。これら第1の動作及び第2の動作により、インクジェットヘッド1内部における流路及び各ノズルのチャネル溝にインクが充填されることになる。
以下、比較例としての第1の動作及び第2の動作の一例について、さらに詳述する。図4は、比較例としてのインクジェット装置100のメンテナンス方法(インク充填方法)の工程順を示すフローチャートである。
まず、第1の動作では、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1に当接させノズル孔を密閉する(工程S’1)。その後、供給側ポンプ5を作動し、供給側バッファタンク3の内圧を−20kPaに調整する(工程S’2)。そして、その状態で、供給側廃液弁7を開き、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える(減圧する)(工程S’3)。これにより、インクタンク2内のインクがインク供給流路2aを介してインクジェットヘッド1へ供給され、インク充填が開始する。また、インク充填とともに、インクジェットヘッド1内のインクが、供給側ポンプ5により、供給側廃液タンク6へ排出される(工程S’41;インク充填C)。インクがインク排出流路3aから十分に排出されたとき、供給側廃液弁7を閉じる(工程S’5)。その後、供給側ポンプ5を停止する(工程S’6)。そして、大気開放弁8を開けることにより、供給側バッファタンク3の内圧を大気圧に戻す(工程S’7)。
次に、第2の動作では、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1に当接させノズル孔を密閉したままで、キャップ側ポンプ11を作動し、キャップ側バッファタンク9の内圧を−30kPaに調整する(工程S’8)。そして、その状態で、キャップ側廃液弁13を開き、キャップ機構15により密閉された空間内に負圧を与える(減圧する)(工程S’9)。これにより、インクタンク2内のインクがインク供給流路2aを介してインクジェットヘッド1へ供給され、インクが充填される(工程S’101;インク充填D)。そして、インクジェットヘッド1にインクが十分に充填されたとき、キャップ側廃液弁13を閉じる(工程S’11)。その後、キャップ側ポンプ11を停止する(工程S’12)。そして、大気開放弁14を開けることにより、キャップ側バッファタンク9の内圧を大気圧に戻す(工程S’13)。そして、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1から離し、ノズル孔の密閉を解除して(工程S’14)、メンテナンス動作が終了する。
上記の第1及び第2の動作を行った後、インクジェットヘッド1の吐出性能の確認動作を行うと、数個のノズル孔について、不吐出が検出されることがある。これは、第1の動作で、供給側廃液弁7を開きインクジェットヘッド1内部に負圧を与えた(工程S’3)ときに、インク供給流路2aからインクが供給されると同時に、キャップ機構15により密閉された空間内の空気がノズル孔からインクジェットヘッド1内部に入り込んだことに起因する。そして、このインクジェットヘッド1内部に入り込んだ空気が、第2の動作で排出されず、インクの不吐出が生じる。
このような空気のインクジェットヘッド1への入り込みを回避するために、第1の動作の工程S’3における供給側バッファタンク3の内圧を比較的小さい負圧値に調整することが考えられる。例えば、供給側バッファタンク3の内圧を−10kPa程度に調整すると、空気のインクジェットヘッド1への入り込みを回避し、インク不吐出の発生率を低下させることができる。しかしながら、供給側バッファタンク3の内圧を比較的小さい負圧値に調整すると、インク充填速度が低下する。それゆえ、インクジェット装置が大型化し、インク配管(インク供給流路2a及びインク排出流路3a等)が長くなる場合、装置の稼動時間が長くなり、インク充填効率が低下する。
そこで、本実施形態では、第1の動作において、ノズル孔に形成されたインクのメニスカス(インクと空気との界面)での圧力差を低減させることで、空気がメニスカスを破ってインクジェットヘッド1内部へ入り込むことを回避している。すなわち、本実施形態のインク充填方法としてのメンテナンス方法は、第1の動作において、キャップ機構15により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える工程を含むことを特徴としている。
以下、本実施形態の、インク充填方法としてのメンテナンス方法の一例について、図5を参照して、詳細に説明する。図5は、本実施形態の、インク充填方法としてのメンテナンス方法の工程順の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、まず、第1の動作において、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1に当接させノズル孔を密閉する(工程S1)。その後、供給側ポンプ5を作動し、供給側バッファタンク3の内圧を−20kPaに調整する(工程S2)。この際、同時に、キャップ側ポンプ11を作動し、キャップ側バッファタンク9の内圧を−15kPaに調整する(工程S3)。そして、その状態で、供給側廃液弁7とキャップ側廃液弁13とを同時に開き(工程S4)、キャップ機構15により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える(減圧する)(工程S51;インク充填C)。これにより、ノズル孔のメニスカスを境としたインクジェットヘッド1内部の空間とキャップ機構15により密閉された空間との圧力差が小さくなる。その結果、本実施形態のメンテナンス方法では、第1の動作において、インクジェットヘッド1のノズル孔から空気を吸い込むことなく、より大きい流速でインクを充填することができる。
そして、工程S5において、インクが十分に排出されたとき、供給側ポンプ5を停止し、供給側バッファタンク3の負圧制御を停止する(工程S6)。また、キャップ側ポンプ11を停止し、キャップ側バッファタンク9の負圧制御を停止する(工程S7)。その後、大気開放弁8を開けることにより、供給側バッファタンク3の内圧を大気圧に戻す(工程S8)。また、大気開放弁14を開けることにより、キャップ側バッファタンク9の内圧を大気圧に戻す(工程S9)。その後、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13を閉じ(工程S10)、第1の動作が完了する。
第1の動作が完了した後、図2に示される工程と同様に、第2の動作を行って、本実施形態のメンテナンス方法が完了する。
上記の第1及び第2の動作を行った後、インクジェットヘッド1の吐出性能の確認動作を行うと、全ノズル孔について、不吐出が検出されることがなかった。このように、第1の動作において、ノズル孔のメニスカスを境としたインクジェットヘッド1内部の空間とキャップ機構15により密閉された空間との圧力差が小さくしてインク充填を行うことにより、従来技術において不吐出が生じる大きな流速であっても、吐出不良がないインク充填を実現することができる。その結果、本実施形態のメンテナンス方法によれば、従来技術と比較して、インク充填時間を短縮でき、効率的なインクジェットヘッド1のメンテナンスを実現することができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明すると以下の通りである。本実施形態のメンテナンス方法では、実施の形態1と同様に、インク吐出性能回復のためのメンテナンスを行っている。使用するインクジェット装置の構成については、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
本実施形態のメンテナンス方法では、インクジェットヘッド1内のインクを供給側廃液タンク6へ排出する第1の動作のみを行っている。この第1の動作では、供給側バッファタンク3の内圧を負圧に制御することにより、インクをインクジェットヘッド1の供給側インク排出流路3aから排出している。すなわち、本実施形態のメンテナンス方法は、インクジェットヘッド1内のインクをキャップ側廃液タンク12へ排出する第2の動作を含まない。
具体的なメンテナンス方法の工程順として、例えば図6に示す工程順が挙げられる。図6は、本実施形態のメンテナンス方法の工程順の一例を示すフローチャートである。
同図に示されるように、まず、第1の動作において、キャップ機構15により密閉部材をインクジェットヘッド1に当接させノズル孔を密閉する(工程S1)。その後、供給側ポンプ5を作動し、供給側バッファタンク3の内圧を−20kPaに調整する(工程S2)。この際、同時に、キャップ側ポンプ11を作動し、キャップ側バッファタンク9の内圧を−15kPaに調整する(工程S3)。そして、その状態で、供給側廃液弁7とキャップ側廃液弁13とを同時に開き(工程S4)、キャップ機構15により密閉された空間を減圧した状態で、インクジェットヘッド1内部に負圧を与える(減圧する)(工程S5;インク排出A)。これにより、ノズル孔のメニスカスを境としたインクジェットヘッド1内部の空間とキャップ機構15により密閉された空間との圧力差が小さくなる。その結果、本実施形態のメンテナンス方法では、第1の動作において、インクジェットヘッド1のノズル孔から空気を吸い込むことなく、より大きい流速でインクを排出することができる。
そして、工程S5において、インクが十分に排出されたとき、供給側ポンプ5を停止し、供給側バッファタンク3の負圧制御を停止する(工程S6)。また、キャップ側ポンプ11を停止し、キャップ側バッファタンク9の負圧制御を停止する(工程S7)。その後、大気開放弁8を開けることにより、供給側バッファタンク3の内圧を大気圧に戻す(工程S8)。また、大気開放弁14を開けることにより、キャップ側バッファタンク9の内圧を大気圧に戻す(工程S9)。その後、供給側廃液弁7及びキャップ側廃液弁13を閉じる(工程S10)。そして、キャップ機構により密閉部材15をインクジェットヘッド1から離し、ノズル孔の密閉を解除して(工程S11)、メンテナンス動作が終了する。
本実施形態のメンテナンス方法によれば、ノズル孔のメニスカスにより区切られたインクジェットヘッド1内部の空間とキャップ機構15により密閉された空間との圧力差が小さくして、ノズル孔から空気を吸込むことなくより大きな流速でインクを排出している。これにより、インクジェットヘッド1内部に残っている気泡は、インク排出流路3aからインクと共に除去される。そして、このとき、ノズル孔のメニスカスが破れていないので、メンテナンス動作の後に、ワイプ動作を行うことなく、正常な吐出状態を実現することができる。
また、本実施形態のメンテナンス方法では、工程S2にて調整される供給側バッファタンク3の負圧が、工程S3にて調整されるキャップ側バッファタンク9の負圧よりも大きいことが好ましい。これにより、気泡がノズル孔からインクジェットヘッド1内部へ入り込むことを防止すると同時に、ノズル孔がインクで濡れることを防止することができる。
上述したように、本実施形態のメンテナンス方法は、インクジェットヘッド1内のインクをキャップ側廃液タンク12へ排出する第2の動作を含まない。このため、インクジェットヘッド1のノズルのチャネル溝に気泡が存在する場合、気泡を除去しきれないことがある。それゆえ、本実施形態のメンテナンス方法は、特にトップシュータ構造といった、チャネル溝に気泡が溜まりにくい構造のインクジェットヘッド1に適用することが好ましい。
(本発明の別の表現)
本発明は、以下の(1)〜(5)のように表現することができる。
(1)複数のノズル孔と、インクを供給及び排出する流路を有するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクと、インクを廃液するための負圧を与えるポンプと供給側バッファタンク及び大気開放弁と、圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構、インクジェットヘッドのノズル孔部を密閉するためのキャップ機構と、キャップ部を減圧するための負圧を与えるポンプとキャップ側バッファタンク及び大気開放弁と圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構を有したインクジェット装置のインク供給/メンテナンス機構の、インクジェットヘッド内部の気泡や塵をインクと共に排出するメンテナンス方法において、インクジェットヘッドノズル部をキャップ機構で密閉しキャップ部をある一定の負圧に制御し、その後に供給側バッファタンクを負圧に制御する。十分にインクが排出された後に供給側バッファタンクを大気開放し、その後にキャップ側バッファタンクを大気開放することを特徴としたインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
(2)複数のノズル孔と、インクを供給及び排出する流路を有するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクと、インクを廃液するための負圧を与えるポンプと供給側バッファタンク及び大気開放弁と、前記バッファタンクとヘッド間の流路の電磁弁、圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構、インクジェットヘッドのノズル孔部を密閉するためのキャップ機構と、キャップ部を減圧するための負圧を与えるポンプとキャップ側バッファタンク及び大気開放弁と前記バッファタンクとキャップ部間の電磁弁、圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構を有したインクジェット装置のインク供給/メンテナンス機構の、インクジェットヘッド内部の気泡や塵をインクと共に排出するメンテナンス方法において、インクジェットヘッドノズル部をキャップ機構で密閉しキャップ部をある一定の負圧に制御し、その後に供給側のバッファを負圧に制御する。その後にキャップ側バッファタンクとキャップ部間の電磁弁と供給側バッファタンクとヘッド間の流路の電磁弁とを同時に開きインクの排出を開始し十分にインクが排出された後に供給側バッファタンクを大気開放し、その後にキャップ側バッファタンクを大気開放することを特徴としたインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
(3)複数のノズル孔と、インクを供給及び排出する流路を有するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクと、インクを廃液するための負圧を与えるポンプと供給側バッファタンク及び大気開放弁と、圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構、インクジェットヘッドのノズル孔部を密閉するためのキャップ機構と、キャップ部を減圧するための負圧を与えるポンプとキャップ側バッファタンク及び大気開放弁と圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構を有したインクジェット装置のインク供給/メンテナンス機構の、未使用のインクジェットヘッドへのインク充填方法において、インクジェットヘッドノズル部をキャップ機構で密閉しキャップ部をある一定の負圧に制御し、その後に供給側のバッファを負圧に制御する。十分にインクが充填された後に供給側バッファタンクを大気開放し、その後にキャップ側バッファタンクを大気開放することを特徴としたインクジェットヘッドへのインク充填方法。
(4)複数のノズル孔と、インクを供給及び排出する流路を有するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクと、インクを廃液するための負圧を与えるポンプと供給側バッファタンク及び大気開放弁と、前記バッファタンクとヘッド間の流路の電磁弁、圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構、インクジェットヘッドのノズル孔部を密閉するためのキャップ機構と、キャップ部を減圧するための負圧を与えるポンプとキャップ側バッファタンク及び大気開放弁と前記バッファタンクとキャップ部間の電磁弁、圧力を測定する圧力センサと、圧力を一定値に制御する機構を有したインクジェット装置のインク供給/メンテナンス機構の、未使用のインクジェットヘッドへのインク充填方法において、インクジェットヘッドノズル部をキャップ機構で密閉しキャップ部をある一定の負圧に制御し、その後に供給側バッファタンクを負圧に制御する。十分にインクが充填された後に供給側バッファタンクを大気開放し、その後にキャップ側バッファタンクを大気開放することを特徴としたインクジェットヘッドへのインク充填方法。
(5)(1)または(2)に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、キャップ側バッファタンクの負圧が、供給側バッファタンクの負圧よりも小さいことを特徴としたインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のメンテナンス方法は、吐出性能回復のためのメンテナンスにおいて吐出性能の回復効果が向上するとともに、インクジェットヘッドへのインク充填のメンテナンスでは、充填時間短縮等の効果がある。それゆえ、本発明は、インクジェット装置全般に広く利用することができる。
また、大型基板に対してインクを吐出するような大型のインクジェット装置では、配管経路も長く、大きい流速でインク充填ができることはタクトタイム短縮及び装置稼働率向上に貢献できる。
さらに産業用インクジェット装置では、高価なインクを使用する場合があり、メンテナンス動作の効果向上や回数の減少は使用インクコストの削減に繋がる。
1 インクジェットヘッド
2 インクタンク
3 供給側バッファタンク
4 圧力センサ
5 供給側ポンプ
6 供給側廃液タンク
7 供給側廃液弁
8 大気開放弁
9 キャップ側バッファタンク
10 圧力センサ
11 キャップ側ポンプ
12 キャップ側廃液タンク
13 キャップ側廃液弁
14 大気開放弁
15 キャップ機構
100 インクジェット装置
101 供給側メンテナンス機構
102 キャップ側メンテナンス機構

Claims (6)

  1. 複数のノズル孔を有するインクジェットヘッドと、上記ノズル孔を密閉するキャップ機構とを有し、
    上記インクジェットヘッドに供給側インク供給流路によって接続され当該インクジェットヘッドへ供給するインクが貯留されたインクタンクと、上記インクジェットヘッドに供給側インク排出流路によって接続された供給側バッファタンクと、上記供給側バッファタンクに接続され当該供給側バッファタンクへ負圧を与える供給側ポンプと、上記供給側インク排出流路上に配された供給側廃液弁とを備え、上記供給側廃液弁の開放によりインクジェットヘッド内部が減圧され、上記インクタンクからインクジェットヘッドへインクが供給されるとともに、インクジェットヘッドからインクが排出される供給側メンテナンス機構と、
    上記キャップ機構にキャップ側インク排出流路によって接続されたキャップ側バッファタンクと、上記キャップ側バッファタンクに接続され当該キャップ側バッファタンクに負圧を与えるキャップ側ポンプと、上記キャップ側インク排出流路上に配されたキャップ側廃液弁とを備え、上記キャップ側廃液弁の開放により、上記キャップ機構により密閉された空間が減圧され、上記ノズル孔からインクが排出されるキャップ側メンテナンス機構とを備えたインクジェット装置のメンテナンス方法であって、
    上記キャップ機構により上記ノズル孔を密閉する密閉工程と、
    上記供給側バッファタンクの内圧を第1の負圧値に調整する第1の負圧調整工程と、
    上記キャップ側バッファタンクの内圧を第2の負圧値に調整する第2の負圧調整工程と、
    上記キャップ側廃液弁を開放し上記キャップ機構により密閉された空間を減圧する以降に、上記供給側廃液弁を開放しインクジェットヘッド内部を減圧する第1のインク排出/インク供給工程とを含むことを特徴とするインクジェット装置のメンテナンス方法。
  2. 上記第1のインク排出/インク供給工程では、
    上記キャップ側廃液弁を開放した状態で、上記供給側廃液弁を開放することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置のメンテナンス方法。
  3. 上記第1のインク排出/インク供給工程では、
    上記キャップ側廃液弁及び上記供給側廃液弁を同時に開放することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置のメンテナンス方法。
  4. 上記インクジェットヘッドとして、未使用のインクジェットヘッドをインクジェット装置に搭載するインクジェットヘッド搭載工程を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のインクジェット装置のメンテナンス方法。
  5. 上記第2の負圧調整工程では、上記第1の負圧値よりも小さくなるように、上記第2の負圧値を調整することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット装置のメンテナンス方法。
  6. 第1のインク排出/インク供給工程後に、
    上記キャップ側バッファタンクの内圧を、上記第1の負圧値よりも大きい第3の負圧値に調整する第3の負圧調整工程と、
    上記第3の負圧値の負圧を上記キャップ機構により密閉された空間に与えて、該空間を減圧する第2のインク排出/インク供給工程とを含むことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット装置のメンテナンス方法。
JP2009070488A 2009-03-23 2009-03-23 インクジェット装置のメンテナンス方法 Expired - Fee Related JP4590480B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009070488A JP4590480B2 (ja) 2009-03-23 2009-03-23 インクジェット装置のメンテナンス方法
PCT/JP2010/001763 WO2010109797A1 (ja) 2009-03-23 2010-03-11 インクジェット装置のメンテナンス方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009070488A JP4590480B2 (ja) 2009-03-23 2009-03-23 インクジェット装置のメンテナンス方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010221492A JP2010221492A (ja) 2010-10-07
JP4590480B2 true JP4590480B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=42780496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009070488A Expired - Fee Related JP4590480B2 (ja) 2009-03-23 2009-03-23 インクジェット装置のメンテナンス方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4590480B2 (ja)
WO (1) WO2010109797A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6167540B2 (ja) 2013-02-05 2017-07-26 セイコーエプソン株式会社 吸引装置、吸引方法、吐出装置
JP7191626B2 (ja) * 2018-10-05 2022-12-19 キヤノン株式会社 記録装置、およびその制御方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0428559A (ja) * 1990-05-24 1992-01-31 Canon Inc インクジェット記録装置
JPH0470352A (ja) * 1990-07-02 1992-03-05 Alps Electric Co Ltd インクジェットプリンタ
JPH10211720A (ja) * 1996-11-27 1998-08-11 Canon Inc インクジェット記録装置および吐出回復処理方法
JP2009023251A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Canon Inc インクジェット記録装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0428559A (ja) * 1990-05-24 1992-01-31 Canon Inc インクジェット記録装置
JPH0470352A (ja) * 1990-07-02 1992-03-05 Alps Electric Co Ltd インクジェットプリンタ
JPH10211720A (ja) * 1996-11-27 1998-08-11 Canon Inc インクジェット記録装置および吐出回復処理方法
JP2009023251A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Canon Inc インクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2010109797A1 (ja) 2010-09-30
JP2010221492A (ja) 2010-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009285837A5 (ja)
JP4962041B2 (ja) 流体噴射装置におけるクリーニング装置、流体噴射装置及びクリーニング方法
JP4810293B2 (ja) 吸引方法及びインクジェット記録装置
JP2001232816A (ja) インクジェット記録装置及びインク供給方法
US20110199426A1 (en) Cleaning Control Method for a Fluid Ejection Head, and a Fluid Ejection Device
JP2010208143A (ja) 液体吐出装置および液体吐出装置の制御方法
JP2009262478A (ja) インクジェット記録装置
JP2005225163A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法
US20140210906A1 (en) Ink jet printing apparatus, and print head recovery device and print head recovery method
JP4590480B2 (ja) インクジェット装置のメンテナンス方法
JP2012096492A (ja) インクジェット記録装置
JP2004009475A (ja) インクジェット記録装置及びそれに用いるインク供給装置
JP6322094B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2015155165A (ja) 液体噴射装置及びメンテナンス方法
US9242469B2 (en) Liquid ejecting apparatus and maintenance method
JP2010143069A (ja) インクジェット記録装置
JP2005349668A (ja) インクジェット記録装置へのインク充填方法及びインクジェット記録装置
WO2012101918A1 (ja) インクジェット捺染装置
JP4849610B2 (ja) 液体充填方法、液体充填装置および液滴吐出ヘッド
JP2010143070A (ja) インク充填方法
JP2004009469A (ja) インクジェット記録装置のインク充填方法及び不吐出回復方法
JP2012218173A (ja) インクジェット記録装置
JP2007216108A (ja) 塗布装置
JP2011131491A (ja) インクジェット記録装置
JP2003334977A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射ヘッドのクリーニング方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4590480

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees