JP2015155165A - 液体噴射装置及びメンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体噴射部に対する液体の最大供給流量の増大を抑制しつつ、液体噴射部から液体を流出させるメンテナンスを行うことで同液体噴射部における液体の噴射不良を解消することができる液体噴射装置及び同液体噴射装置のメンテナンス方法を提供する。【解決手段】不良ノズルを有する液体噴射ヘッド(第2不良ヘッド)において、不良ノズルの噴射不良を解消するために排出させる必要のある単位時間あたりの流量を必要総流量としたとき、不良ノズルを有する全ての液体噴射ヘッドをメンテナンス対象とした場合の必要総流量である基準総流量が、供給流路が液体噴射部に供給可能な単位時間あたりの最大供給流量よりも大きい場合(S16:YES)、1回のメンテナンスにおける必要総流量が最大供給流量以下となるように不良ノズルを有する液体噴射ヘッドを分割し(S19)、分割した液体噴射ヘッドごとにメンテナンスを行う(S20,S21)。【選択図】図7

Description

本発明は、例えばインクジェット式のプリンターなどの液体噴射装置及び同液体噴射装置のメンテナンス方法に関する。
従来から、液体噴射装置の一例として、液体供給源から供給された液体(インク)を液体噴射ヘッドに形成されたノズルから媒体(用紙)に対して噴射することで、同媒体に印刷を行うインクジェット式プリンターが知られている。こうしたプリンターには、液体噴射ヘッドにおける液体の噴射不良を解消するために、液体噴射ヘッドのノズルから、液体噴射ヘッド内に生じた気泡などの異物を液体とともに排出させるメンテナンス装置を備えるものがある。
メンテナンス装置の一例としては、液体噴射ヘッドのノズルの開口を含む空間を閉空間とするキャップと、同閉空間を減圧する減圧ポンプとを有するものがある(例えば、特許文献1)。そして、このようなメンテナンス装置は、キャップによって形成された閉空間を減圧ポンプで減圧することで、液体噴射ヘッドのノズルから液体とともに異物を排出させる。
特開2012−96367号公報
ところで、上記のようなメンテナンス装置において、液体噴射ヘッドに形成されるノズルの数が多くなると、液体噴射ヘッドにおける噴射不良を解消させるために全てのノズルから流出させる必要がある液体の流出流量が、液体供給源から液体噴射ヘッドに供給可能な最大の供給流量を超えるおそれがある。この場合、液体噴射ヘッドに単位時間あたりに供給される供給流量以上の流量で、全てのノズルから液体を流出させることができなくなることで、液体噴射ヘッドにおける噴射不良を解消できなくなるという課題が生じる。
なお、上記課題は、インクジェット式のプリンターに限らず、液体噴射部に形成されたノズルを含む空間を減圧することで同ノズルから液体を流出させるメンテナンスを行う液体噴射装置、及び同液体噴射装置のメンテナンス方法においては、概ね共通する課題となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。その目的は、液体噴射部に対する液体の最大供給流量の増大を抑制しつつ、液体噴射部から液体を流出させるメンテナンスを行うことで同液体噴射部における液体の噴射不良を解消することができる液体噴射装置及び同液体噴射装置のメンテナンス方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、液体を噴射する複数のノズルから構成されるノズル群を複数有する液体噴射部と、液体供給源から前記液体噴射部に液体を供給する供給流路と、前記ノズル群ごとに前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とする複数のキャップと、前記複数のキャップによって形成される複数の閉空間の中から選択した閉空間を減圧可能な減圧部と、を有し、前記閉空間を減圧することで前記ノズル群から液体を流出させるメンテナンスを行うメンテナンス部と、液体の噴射不良が生じた不良ノズルを検出する検出部と、前記メンテナンスの対象とする前記ノズル群において、前記不良ノズルの噴射不良を解消するために流出させる必要のある単位時間あたりの必要総流量を演算する演算部と、前記不良ノズルを含むノズル群の全てを前記メンテナンスの対象とした場合の前記必要総流量である基準総流量が、前記供給流路を通じて前記液体噴射部に供給可能な単位時間あたりの最大供給流量よりも大きい場合、1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量が前記最大供給流量以下となるように前記不良ノズルを含むノズル群を分割して前記メンテナンスを行わせる制御部と、を備える。
メンテナンス部は、メンテナンスの対象となるノズル群を構成するノズルの開口を含む空間を閉空間とし、同閉空間を減圧することで、メンテナンスの対象となるノズル群から液体を流出させるメンテナンスを行う。ここで、ノズル内に気泡などの異物が混入するなどして液体の噴射不良が生じた不良ノズルがある場合、そうした異物をノズルから排出して不良ノズルの噴射不良を解消するためには、同不良ノズルから単位時間あたりに一定流量で液体を流出させることが必要とされる。そして、上記メンテナンスは、不良ノズルを含むノズル群単位で行われるため、1回のメンテナンスで対象とするノズル群の数が多いほど、1回のメンテナンスにおける必要総流量が大きくなる。
また、不良ノズルを含むノズル群が複数ある場合に、同ノズル群の全てを1回のメンテナンスの対象とすると、その場合の必要総流量である基準総流量が供給流路の最大供給流量を上回るおそれがある。この場合、メンテナンスの対象とするノズル群から基準総流量以上の流量で液体を流出させることができなくなるため、同ノズル群に含まれる不良ノズルの噴射不良を解消できなくなるおそれがある。
そこで、上記構成では、基準総流量が供給流路の最大供給流量よりも大きくなる場合には、不良ノズルを含むノズル群を分割してメンテナンスを行うことで、1回のメンテナンスにおける必要総流量を最大供給流量以下となるようにした。このため、供給流路の最大供給流量が基準総流量未満である場合でも、不良ノズルを含むノズル群を分割してメンテナンスを行うことで、メンテナンスの対象となるノズル群から必要総流量で液体を流出させることができる。したがって、液体噴射部に対する液体の最大供給流量の増大を抑制しつつ、液体噴射部から液体を流出させるメンテナンスを行うことで同液体噴射部における液体の噴射不良を解消することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記基準総流量を、前記最大供給流量で除した値の小数点以下を切り上げた整数値を、前記不良ノズルを含むノズル群の分割数として前記メンテナンスを行わせることが望ましい。
上記構成によれば、基準総流量を最大供給流量で除した値が1以下である場合、不良ノズルを含むノズル群の分割数を「1」としても、1回のメンテナンスにおける必要総流量(=基準総流量)が最大供給流量以下の状態で、不良ノズルを含む全てのノズル群を対象とするメンテナンスを1回で行うことができる。そして、基準総流量を最大供給流量で除した値が1より大きく2以下である場合、ノズル群の分割数を「2」として、ノズル群に対するメンテナンスを2回に分けて行う。この場合、1回のメンテナンスにおける必要総流量が最大供給流量以下の状態で、各メンテナンスを行うことができる。
こうして、基準総流量を最大供給流量で除した値に応じて、メンテナンスにおける不良ノズルを含むノズル群の分割数を設定することで、メンテナンスの対象となるノズル群に含まれる不良ノズルの噴射不良を解消することができる最小の分割数を設定できる。このため、分割数の増加によりメンテナンスの回数が増大することを抑制することができる。
上記液体噴射装置において、1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量は、前記液体噴射部が全てのノズルを介して単位時間あたりに噴射可能な液体の最大噴射量以下であることが望ましい。
この構成によれば、液体噴射部の液体噴射性能(最大噴射量)の範囲内で上記のメンテナンスを行うことができるので、同メンテナンスを行うためだけに、供給流路の供給能力(最大供給流量)を増大させる必要がなくなる。
上記液体噴射装置において、前記ノズル群が複数の不良ノズルを含むことを前記検出部が検出したとき、前記演算部は、前記複数の不良ノズルが隣り合って存在する前記ノズル群を前記メンテナンスの対象とする場合には、前記複数の不良ノズルが隣り合って存在していない前記ノズル群を前記メンテナンスの対象とする場合よりも、前記必要総流量が大きくなるように演算することが望ましい。
ノズル群において複数の不良ノズルが隣り合って存在する場合には、不良ノズルが隣り合って存在していない場合よりも、そのノズル群に含まれる不良ノズルの噴射不良を解消するために、同ノズル群をメンテナンスの対象としたときの必要総流量が大きくなりやすい。そこで、上記構成では、不良ノズルが隣り合って存在する場合には、不良ノズルが隣り合って存在していない場合よりも必要総流量を大きくなるように演算するようにした。
このため、不良ノズルが隣り合って存在するノズル群が複数ある場合には、不良ノズルが隣り合って存在していないノズル群が複数ある場合よりも基準総流量が大きくなるため、分割数が多くなりやすい。したがって、不良ノズルが隣り合って存在するノズル群が複数ある場合には、分割数を多くすることでメンテナンスの対象とされるノズル群に供給される液体の量を増やして、ノズル群に含まれる不良ノズルの噴射不良をより解消しやすくすることができる。一方、不良ノズルが隣り合って存在していないノズル群が複数ある場合には、分割数を小さくすることでメンテナンス回数を少なくし、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
上記液体噴射装置において、前記減圧部は、前記複数の閉空間に連通可能な圧力室と、前記圧力室を減圧する減圧ポンプと、前記複数の閉空間に対応するように同複数の閉空間と前記圧力室との間に設けられる複数の開閉弁と、を有し、前記開閉弁は、開弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を許容する一方、閉弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を制限し、前記制御部は、前記複数の開閉弁を閉弁させた状態で前記減圧ポンプを駆動することで前記圧力室を大気圧未満に減圧させ、同圧力室の圧力が大気圧未満であるときに前記開閉弁を開弁することで前記閉空間を減圧させることが望ましい。
閉空間を大気圧の状態から次第に減圧する場合には、ノズル群から必要総流量で液体が流出する圧力に達するまでに同ノズル群から液体が流出することになる。ところが、こうした液体の流出は、不良ノズルの噴射不良の解消に対する寄与が小さい。その点、上記構成によれば、大気圧未満に減圧した圧力室とメンテナンスの対象となるノズル群に対応する閉空間との間に設けられる開閉弁を開弁することで、閉空間を速やかに減圧することが可能になる。すなわち、メンテナンスの対象となるノズル群から必要総流量で液体を流出させるために必要な圧力まで、閉空間を速やかに減圧させることができるので、メンテナンスに伴う液体の流出量の増大を抑制しつつ、効率よく噴射不良を解消することができる。
また、圧力室を介して複数の閉空間を減圧することにより、各閉空間を個別に減圧する場合と比較して、複数の閉空間を均等に減圧することができる。これにより、メンテナンスの対象となる複数のノズル群における液体の流出量のばらつきを抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記メンテナンスの対象とする前記ノズル群から、1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量で液体が流出する状態が所定期間継続したとき、前記開閉弁を閉弁することが望ましい。
メンテナンスの対象となるノズル群から、1回のメンテナンスにおける必要総流量で液体が流出する状態が所定期間継続されることで不良ノズルの噴射不良が解消したとする。この場合、それ以降にノズル群から流出する液体は噴射不良の解消に寄与しないため、メンテナンスに伴う液体の流出量を不要に増大させることになる。
ここで、所定期間経過後に開閉弁を閉弁しない場合、すなわち、閉空間を圧力室と連通状態としたままの場合には、閉空間及び圧力室の減圧状態が解消するまで、メンテナンスの対象となるノズル群から液体が流出し続ける。一方、所定期間経過後に開閉弁を閉弁する場合、すなわち、閉空間を圧力室と非連通状態とする場合には、閉空間の減圧状態が解消するまで、メンテナンスの対象となるノズル群から液体が流出し続けるに過ぎない。
このため、上記構成では、不良ノズルの噴射不良が解消したと考えられるタイミングで開閉弁を閉弁することで、不良ノズルの噴射不良の解消後における液体の流出量が、圧力室の容積に相当する分少なくなる。したがって、メンテナンスに伴う液体の流出量の増大を抑制しつつ、不良ノズルの噴射不良を解消することができる。
上記液体噴射装置において、1回の前記メンテナンスの対象とする前記ノズル群の数をNとし、前記閉空間の容積をV1とし、前記圧力室の容積をV2とし、前記ノズル群から前記必要総流量で液体が流出するときの前記閉空間の圧力をP1とし、前記開閉弁を開弁するときの前記圧力室の圧力をP2としたとき、P2=P1・(N・V1+V2)/V2であることが望ましい。
開閉弁を開弁するときの圧力室の圧力(P2)を一定とする場合には、メンテナンスの対象となるノズル群の数(N)が変化すると、同メンテナンスの対象となる閉空間の総容積(N・V1)が変化することで、開閉弁を開弁したときの各閉空間の圧力が変化する。その点、上記構成によれば、開閉弁を開弁するときの圧力室の圧力(P2)は、圧力(P1)、メンテナンスの対象となるノズル群の数(N)、閉空間の容積(V1)及び圧力室の容積(V2)に基づいて決定される。
このため、メンテナンスの対象となるノズル群の数(N)が増加することで、減圧すべき閉空間の総容積(N・V1)が増加する場合、それに応じて圧力室の圧力(P2)を大きくするので、必要総流量未満の流量で液体を流出させることが抑制され、不良ノズルの噴射不良を解消することができる。一方、メンテナンスの対象となるノズル群の数(N)が減少することで減圧すべき閉空間の総容積(N・V1)が減少する場合、それに応じて圧力室の圧力(P2)を小さくするので、ノズル群から過度に液体を流出させることなく不良ノズルの噴射不良を解消することができる。
上記液体噴射装置において、前記減圧ポンプを第1減圧ポンプとしたとき、前記減圧部は、前記第1減圧ポンプよりも減圧量が小さい第2減圧ポンプをさらに有し、前記制御部は、少なくとも前記第1減圧ポンプが駆動する状態から、前記第2減圧ポンプが駆動する状態に切り替えることで、前記圧力室を減圧させることが望ましい。
例えば、比較的減圧量の大きい第1減圧ポンプだけで圧力室を減圧する場合には、圧力室を速やかに減圧することができる一方で、目標とする圧力値に収束させにくい。また、比較的減圧量の小さい第2減圧ポンプだけで圧力室を減圧する場合には、目標とする圧力値に収束させやすい一方で、目標とする圧力値まで減圧するまでに時間を要する。その点、上記構成では、少なくとも第1減圧ポンプを駆動する状態から第2減圧ポンプを駆動する状態に切り替えることで、圧力室を速やかに減圧するとともに、圧力室の圧力を目標とする圧力値に速やかに収束させることができる。したがって、メンテナンスの実行に要する時間を短縮化することができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、装置内の温度が低いほど前記メンテナンスを行うときの前記閉空間の圧力が低くなるように、前記減圧部を制御することが望ましい。
装置内の温度が低い場合には、装置内の温度が高い場合よりも、装置内を流れる液体の流動性が低下しやすい。このため、温度が低い場合には、閉空間に対して温度が高いときと同程度の減圧を行ったとしても、液体の噴射不良を解消させるのに十分な量の液体を流出させることができないおそれがある。その点、上記構成では、装置内の温度が低いほど閉空間の圧力が低くされるので、装置内の温度の低下によって液体の流動性が低下した場合にも、メンテナンスの対象となるノズル群から液体を必要総流量で流出させることができる。
上記液体噴射装置において、前記減圧部は、前記閉空間を減圧するための減圧ポンプを有し、前記制御部は、装置の設置環境における気圧が低いほど、前記減圧ポンプの駆動量を増大させることが望ましい。
気圧が低くなると、減圧ポンプの作業効率が低下することがある。そこで、上記構成では、気圧が低いほど減圧ポンプの駆動量を増大させることによって、気圧が変化した場合にも、閉空間を目標の圧力まで減圧して、適切にメンテナンスを行うことができる。
上記液体噴射装置は、絶対圧を検出可能な圧力検出部をさらに備え、前記制御部は、前記圧力検出部が検出する絶対圧が低いほど、前記減圧ポンプの駆動量を増大させることが望ましい。
大気圧との差圧であるゲージ圧に基づいて減圧ポンプの制御を行うと、装置が使用される場所の標高等に応じて気圧が変化したときに、閉空間の減圧の程度にばらつきが生じるおそれがある。これは、大気圧未満に減圧した圧力室と閉空間とを連通することで同閉空間を減圧する場合よりも、閉空間を減圧ポンプで直接減圧する場合のほうが、閉空間が速やかに減圧されない点で顕著である。その点、上記構成によれば、圧力検出部が検出した絶対圧に基づいて制御部が減圧ポンプを制御するので、標高や気圧が変化した場合にも、閉空間を目標の圧力まで減圧して、適切にメンテナンスを行うことができる。
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記減圧ポンプが空間を減圧するときの同空間の圧力変化速度に基づいて絶対圧を推定し、同絶対圧が低いほど、前記減圧ポンプの駆動量を増大させることが望ましい。
上記構成によれば、絶対圧を測定する圧力検出部を備えなくてもよいので装置構成を簡略化することができる。そして、制御部が、推定した絶対圧に基づいて、減圧ポンプを制御するので、標高や気圧が変化した場合にも、閉空間を目標の圧力まで減圧して、適切にメンテナンスを行うことができる。
上記課題を解決する液体噴射装置のメンテナンス方法は、液体を噴射する複数のノズルから構成されるノズル群を複数有する液体噴射部と、液体供給源から前記液体噴射部に液体を供給する供給流路と、を備えた液体噴射装置において、噴射不良が生じた不良ノズルを含むノズル群から、前記不良ノズルの噴射不良を解消するために流出させる必要のある単位時間あたりの必要総流量で液体を流出させるメンテナンスを行うメンテナンス方法であって、液体の噴射不良が生じた不良ノズルを検出する検出ステップと、前記不良ノズルを含むノズル群の全てを前記メンテナンスの対象とした場合の前記必要総流量である基準総流量を演算する演算ステップと、前記基準総流量が、前記供給流路から前記液体噴射部に供給可能な単位時間あたりの最大供給流量よりも大きいか否かを判定する判定ステップと、前記基準総流量が前記最大供給流量よりも大きい場合に、1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量が前記最大供給流量以下となるように前記不良ノズルを含むノズル群を分割する分割ステップと、前記分割ステップで分割した前記ノズル群ごとに、前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とする閉空間形成ステップと、閉空間形成ステップで形成された前記閉空間を減圧する減圧ステップと、を備える。
上記構成によれば、上述した液体噴射装置と同様の効果を奏することができる。
液体噴射装置の概略構成を示す模式図。 液体噴射ヘッドの概略構成を示す模式図。 液体噴射ヘッドの液体噴射に係る概略構成を示す模式図。 液体噴射装置の電気的構成を示すブロック図。 不良ノズルを有する液体噴射ヘッドを示す模式図であって、(a)は不良ノズルが隣り合わない第1の噴射不良の場合を示し、(b)は不良ノズルが隣り合う第2の噴射不良の場合を示す。 メンテナンス時の液体噴射装置の一部構成を示す模式図。 液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うために制御部が実行する処理ルーチンを示すフローチャート。 液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うために制御部が実行する処理ルーチンを示すフローチャート。
以下、液体噴射装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
液体噴射装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって、同媒体に印刷を行うインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、液体噴射装置11は、媒体Mに対して液体を噴射する液体噴射部20と、液体噴射部20に液体を供給する液体供給部30と、液体噴射部20のメンテナンスを行うメンテナンス部40と、を備えている。
液体噴射部20は、複数のノズル21が形成された複数(本実施形態では6個)の液体噴射ヘッド22と、複数の液体噴射ヘッド22を支持する支持部23とを備えている。本実施形態では、液体噴射ヘッド22に形成された複数のノズル21が「ノズル群」の一例に相当する。また、複数の液体噴射ヘッド22は、媒体Mの搬送方向(図1では紙面と直交する方向)と交差する媒体Mの幅方向(図1では左右方向)に並設されている。なお、図1では説明理解の容易のために図面を単純化したが、各液体噴射ヘッド22のノズル21を媒体Mの搬送方向に投影したときに、投影された各液体噴射ヘッド22のノズル21は媒体Mの幅方向に一定の間隔で並んでいるものとする。
液体供給部30は、液体噴射部20に供給する液体を貯留する液体供給源31と、同液体供給源31と液体噴射部20とを接続する供給流路32と、液体供給源31に接続されて同液体供給源31に貯留された液体を液体噴射部20に向かって加圧供給する加圧ポンプ33とを有している。液体供給源31は、液体噴射装置11に対して着脱可能に装着される液体カートリッジであってもよいし、液体噴射装置11に設けられる液体収容タンクであってもよい。供給流路32は、加圧ポンプ33の駆動によって、液体供給源31から液体噴射部20に液体を供給することを可能としている。なお、以降の説明では、供給流路32を通じて液体噴射部20に供給可能な単位時間あたりの最大流量を「最大供給流量Qs」ともいう。なお、最大供給流量Qsは、供給流路32の流路抵抗や加圧ポンプ33の加圧性能などに応じて定まるものである。
メンテナンス部40は、液体噴射ヘッド22のノズル21の開口を含む空間を閉空間CP(図6参照)とするキャップ41と、大気圧未満に減圧された流体(主に空気)を貯留可能な圧力室42と、各キャップ41に一端が接続された複数の分岐流路43と、各分岐流路43の他端と圧力室42とを接続する合流流路44と、を備えている。また、メンテナンス部40は、圧力室42を減圧する第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46と、液体噴射ヘッド22のノズル21から流出した液体を貯留する廃液貯留部47と、圧力室42と廃液貯留部47とを接続する第1流路48及び第2流路49とを備えている。
キャップ41は、有底箱状をなし、液体噴射ヘッド22のノズル形成面24に対して相対移動可能とされている。そして、キャップ41が液体噴射ヘッド22に接近する方向に移動し、ノズル形成面24に接触することで上記閉空間CPが形成される。本実施形態では、このようにキャップ41がノズル形成面24に接触して閉空間CPを形成することを「キャッピングする」ともいい、キャップ41がノズル形成面24から離れることで閉空間CPを解消することを「キャッピングを解消する」ともいう。
分岐流路43には、同分岐流路43中における流体の流通を許容したり制限したりする開閉弁51が設けられている。このため、キャップ41が液体噴射ヘッド22をキャッピングしたときに、開閉弁51が開弁されると、閉空間CPと圧力室42とが分岐流路43及び合流流路44を介して連通状態とされる。一方、キャップ41が液体噴射ヘッド22をキャッピングしたときに、開閉弁51が閉弁されると、閉空間CPと圧力室42とが非連通状態とされる。また、各開閉弁51は、個別に開閉操作が可能であるため、特定の開閉弁51のみを開弁することで、同開閉弁51に対応する特定の閉空間CPのみを圧力室42と連通状態とすることができる。なお、合流流路44を設けることなく、各分岐流路43の他端を閉空間CPに接続してもよい。
圧力室42には、同圧力室42の圧力を測定する圧力センサー52と、圧力室42を大気開放する大気開放弁53とが設けられている。大気開放弁53は、開弁したとき圧力室42と大気とを連通状態とし、閉弁したとき圧力室42と大気とを非連通状態とする。このため、開閉弁51及び大気開放弁53を閉弁した状態で、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46を駆動すると、圧力室42は大気圧未満の圧力(負圧)に減圧される。また、液体噴射ヘッド22がキャッピングされ、圧力室42が大気圧未満に減圧された状態において、任意の開閉弁51を開弁することで、圧力室42と連通される任意の閉空間CPが速やかに減圧される。こうした点で、本実施形態では、圧力室42、開閉弁51、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46によって、「複数のキャップ41によって形成される複数の閉空間CPの中から選択した閉空間CPを減圧可能な減圧部」の一例が構成される。
第1減圧ポンプ45は、第1流路48に設けられ、同第1流路48を介して圧力室42を減圧する。また、第2減圧ポンプ46は、第2流路49に設けられ、同第2流路49を介して圧力室42を減圧する。ここで、第1減圧ポンプ45の減圧量(減圧速度)は、第2減圧ポンプ46の減圧量(減圧速度)よりも大きいことが望ましい。一例として、第1減圧ポンプ45をダイヤフラムポンプとし、第2減圧ポンプ46をロータリーポンプとすることで、第1減圧ポンプ45の減圧量(減圧速度)を第2減圧ポンプ46の減圧量(減圧速度)よりも大きくなるようにしてもよい。
次に、図2及び図3を参照して、液体噴射ヘッド22の構成について詳しく説明する。なお、図3は、図2に示す液体噴射ヘッド22のノズル列方向(図2では左右方向)と交差する同液体噴射ヘッド22の断面を模式的に示した図である。
図2及び図3に示すように、液体噴射ヘッド22は、複数のノズル21に加え、供給流路32を介して供給された液体を貯留する共通液室25と、容積を変更可能な液体室26と、ノズル21から液体を噴射する際に駆動されるアクチュエーター27と、アクチュエーター27を収容する収容室28とを備えている。共通液室25は複数のノズル21に対して設けられている一方で、液体室26、収容室28及びアクチュエーター27は単一のノズル21に対して複数設けられている。
図3に示すように、共通液室25及び収容室28と、液体室26とは、弾性変形可能な振動板29によって区画されている。また、共通液室25と液体室26とは振動板29に形成された連通孔29aを通じて連通している。このため、液体供給源31から供給流路32を介して供給された液体は共通液室25に一時貯留された後、共通液室25から連通孔29a及び液体室26を通じて各ノズル21に供給される。アクチュエーター27は、例えば、駆動電圧が印加された場合に収縮する圧電素子である。このため、アクチュエーター27に印加する駆動電圧を変化させると、図3に二点鎖線で示すように振動板29が変形し、液体室26の容積が変化することによって、液体室26内の液体がノズル21から液滴として噴射される。
なお、以降の説明では、液体噴射部20が全ての液体噴射ヘッド22の全てのノズル21を介して単位時間あたりに噴射可能な液体の最大量を「最大噴射量Qi」ともいう。因みに、プリンターにおける最大噴射量Qiとは、対象となる領域に余白が残らないように隙間なくインクを噴射して媒体Mを塗りつぶすベタ印字(ベタ印刷)を行うときのインクの総噴射量である。そして、上述した供給流路32の最大供給流量Qsは、この最大噴射量Qiと略等しくなるように設定されている。
次に、図4を参照して、液体噴射装置11が備える制御部60の電気的構成について説明する。
図4に示すように、制御部60の入力側インターフェースには、アクチュエーター27及び圧力センサー52が接続されている。一方、制御部60の出力側インターフェースには、液体噴射ヘッド22、アクチュエーター27、加圧ポンプ33、キャップ41、第1減圧ポンプ45、第2減圧ポンプ46、開閉弁51及び大気開放弁53が接続されている。そして、制御部60は、アクチュエーター27及び圧力センサー52からの出力信号に基づいて、その出力側インターフェースに接続された各構成を動作させることで、液体噴射ヘッド22における噴射不良を解消するメンテナンスを行う。
次に、液体噴射ヘッド22において噴射不良が生じた不良ノズルの検出方法と、液体噴射ヘッド22における噴射不良の要因について説明する。
上述したように、本実施形態の液体噴射ヘッド22は、アクチュエーター27に駆動電圧を印加して、振動板29を振動させることで、ノズル21から液体を噴射するものである。このため、振動板29は、アクチュエーター27に対する駆動電圧の印加の後、同アクチュエーター27に対して次の駆動電圧が印加されるまでの間に減衰振動(以下「残留振動」ともいう。)する。
そして、液体室26などに気泡が混入している場合には、同液体室26に気泡が混入していない場合(正常時の場合)と比較して、振動板29の残留振動の周波数が高くなり、同残留振動の周期は短くなる。したがって、振動板29の残留振動の周期が所定の周期よりも短いときには、液体室26に気泡が混入していると判定することができる。なお、残留振動は、液体室26ごとに設けられたアクチュエーター27によって検出することが可能であるため、上記気泡の混入の有無の検出は、ノズル21及び液体室26ごとに行うことができる。また、上記気泡の混入の検出は、ノズル21から液体を噴射した後の振動板29の残留振動に基づいて行うこともできるし、ノズル21から液体を噴射させずに振動板29を振動させた後の残留振動に基づいて行うこともできる。こうした点で、アクチュエーター27が「液体の噴射不良が生じた不良ノズルを検出する検出部」の一例に相当する。
続いて、図5を参照して、液体噴射ヘッド22における液体の噴射不良について説明する。
図5(a)に示すように、供給流路32から供給される液体に小さな気泡が含まれていたり、弾性を有するワイパーによってノズル形成面24を払拭するワイピングを行ったりすると、液体室26やノズル21に気泡Bu1が混入することがある。また、振動板29の変形に伴って液体室26の加圧と減圧が繰り返されると、液体に溶存していた気体が気泡Bu1となって生じることがある。
そして、このような気泡Bu1が液体室26やノズル21に存在すると、ノズル21から噴射される液体量が減少したり、ノズル21から液体が噴射されなくなったりする噴射不良が起こることがある。以降の説明では、このように小さな気泡Bu1の混入に起因して噴射不良が生じたノズル21を不良ノズル211ともいう。ここで、小さな気泡Bu1の発生や混入は複数のノズル21においてランダムに発生し得るため、不良ノズル211は複数のノズル21において分散して(隣り合わないで)発生することが多い。
一方、図5(b)に示すように、供給流路32から供給される液体に大きな気泡が含まれていたり、共通液室25内において小さな気泡Bu1が次第に成長したりすると、共通液室25内に比較的大きな気泡Bu2が混入することがある。そして、このような気泡Bu2が液体室26やノズル21に流入すると、ノズル21において噴射不良が起こることがある。以降の説明では、このように比較的大きな気泡Bu2の混入に起因して噴射不良が生じたノズル21を不良ノズル212もいう。ここで、大きな気泡Bu2は隣接する複数の液体室26に流入しやすいので、不良ノズル212は、比較的集中して(隣り合って)発生しやすく、不良ノズル211よりも多く発生しやすい。
したがって、液体噴射ヘッド22において複数の不良ノズルを検出したとき、複数の不良ノズルが隣り合って存在していない場合には、図5(a)に示すように小さな気泡Bu1が混入したことで噴射不良(以下「第1の噴射不良」ともいう。)が起きたと予想できる。一方、複数の不良ノズルが隣り合って存在する場合には、図5(b)に示すように共通液室25に大きな気泡Bu2が混入したことで噴射不良(以下「第2の噴射不良」ともいう。)が起きたと予想できる。
同様に、不良ノズルの数が少ない場合には、小さな気泡Bu1がノズル21及び液体室26に混入したことに起因する第1の噴射不良が起きたと予想できる。一方、不良ノズルの数が多い場合には、大きな気泡Bu2が共通液室25に混入したことに起因する第2の噴射不良が起きたと予想できる。なお、以降の説明では、第1の噴射不良が生じた液体噴射ヘッド22を「第1不良ヘッド221」ともいい、第2の噴射不良が生じた液体噴射ヘッド22を「第2不良ヘッド222」ともいう。
そして、噴射不良が第1の噴射不良であるか第2の噴射不良であるかを判定するためには、例えば、次の方法が考えられる。すなわち、不良ノズルを有する液体噴射ヘッド22において、隣り合う不良ノズルの数が第1の規定値(例えば5個)未満で有るか否かで、第1の噴射不良であるか第2の噴射不良であるかを判定すればよい。また、不良ノズルを有する液体噴射ヘッド22において、不良ノズルの数が第2の判定値(例えば液体噴射ヘッド22に形成されるノズル21の数の1%に相当するノズル数)未満で有るか否かで、第1の噴射不良であるか第2の噴射不良であるかを判定すればよい。
なお、混入した気泡を液体とともにノズル21から排出するためには、気泡を壁面から引きはがすために所定の流速で液体を流通させる必要がある。また、引きはがした気泡をノズル21から排出させるために、所定の流速で液体の流通を一定期間以上継続させる必要がある。そして、第1不良ヘッド221よりも、第2不良ヘッド222のほうが、不良ノズルの噴射不良を解消するために、より多くの液体を流出させる必要がある場合が多い。これは、第1不良ヘッド221では、各液体室26に対して液体を所定の流速で流通させればよいのに対して、第2不良ヘッド222では、液体室26よりも流路断面積の広い共通液室25に対して液体を所定の流速で流通させる必要があるためである。したがって、第1の噴射不良よりも第2の噴射不良のほうが、その噴射不良を解消するために液体噴射ヘッド22から流出させる必要がある単位時間あたりの流量が大きくなるといえる。
次に、図6を参照して、液体噴射装置11のメンテナンスの概要と、同メンテナンスにおける液体の流出量及び供給量の関係について説明する。
図6に示すように、本実施形態では、液体噴射ヘッド22のノズル21内に気泡などの異物が混入するなどした不良ノズルがある場合、そうした不良ノズルの噴射不良を解消するために、液体噴射ヘッド22のノズル21から液体の流出とともに気泡などの異物を排出させるメンテナンスを行う。詳しくは、図6に示すように、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22をキャッピングすることで閉空間CPを形成し、同閉空間CPを減圧することで、液体噴射ヘッド22のノズル21から液体とともに気泡などの異物を排出させる。
ここで、不良ノズルの噴射不良を解消するためには、同不良ノズルから単位時間あたりに一定流量以上で液体を排出させることが必要とされる。そして、メンテナンスは、不良ノズル単位ではなく、不良ノズルを有する液体噴射ヘッド22単位で行われるため、1回のメンテナンスで対象とする液体噴射ヘッド22の数が多いほど、同メンテナンスで対象とされる液体噴射ヘッド22から単位時間あたりに流出させる必要のある流量が大きくなる。なお、以降の説明では、メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22において、不良ノズルの噴射不良を解消するために流出させる必要のある単位時間あたりの流量を「必要総流量Qn」ともいう。
ところで、図6に示すように、メンテナンスにおいて液体噴射ヘッド22のノズル21から流出させる液体は、液体供給源31から供給流路32を介して供給される液体である。このため、1回のメンテナンスにおいて、同メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22から、供給流路32の最大供給流量Qsを超える流量で液体を流出させることはできない。すなわち、図6に示すように、全ての液体噴射ヘッド22をメンテナンスの対象とした場合の必要総流量Qnである基準総流量Qtが供給流路32の最大供給流量Qsを超えるようなメンテナンスを行うことはできない。したがって、1回のメンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22の数によっては、同液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体を流出させることができなくなり、不良ノズルの噴射不良が解消できなくなるおそれがある。
その一方で、全ての液体噴射ヘッド22をメンテナンスの対象としても、必要総流量Qnで液体を流出できるように、供給流路32の最大供給流量Qsを決定することもできるが、この場合、供給流路32の流路設計上の制約や加圧ポンプ33の大型化・高性能化が必要となるため容易でない。
そこで、本実施形態では、不良ノズルを有する液体噴射ヘッド22の全てをメンテナンス対象とした場合の必要総流量Qnである基準総流量Qtが、供給流路32の最大供給流量Qsよりも大きい場合、次のようにメンテナンスを行うようにした。すなわち、1回のメンテナンスにおける必要総流量Qnが最大供給流量Qs以下となるように、不良ノズルを有する液体噴射ヘッド22を分割してメンテナンスを行うようにした。これにより、基準総流量Qtが供給流路32の最大供給流量Qsよりも大きい場合であっても、複数回のメンテナンスを行うことで、不良ノズルの噴射不良を解消することが可能となる。さらに、本実施形態では、供給流路32の最大供給流量Qsが上述した最大噴射量Qiと略等しい点で、1回のメンテナンスにおける必要総流量Qnは最大噴射量Qi以下となる。
また、上述したように、第1の噴射不良が生じた第1不良ヘッド221をメンテナンスの対象とした場合の必要総流量Qnは、第2の噴射不良が生じた第2不良ヘッド222をメンテナンスの対象とした場合の必要総流量Qnよりも小さくなる。そこで、本実施形態では、全ての液体噴射ヘッド22に第1の噴射不良が生じた場合であって、全ての第1不良ヘッド221をメンテナンス対象とした場合の必要総流量Qnは供給流路32の最大供給流量Qs未満であるとする。すなわち、全ての液体噴射ヘッド22に第1の噴射不良が生じた場合であっても、全ての第1不良ヘッド221を対象とするメンテナンス行うことで、全ての第1不良ヘッド221の噴射不良を解消できるものとする。したがって、上記の分割メンテナンスの対象となり得る液体噴射ヘッド22は、第2の噴射不良が生じた第2不良ヘッド222に限られる。
さらに、こうした点で、複数の不良ノズルが隣り合って存在する液体噴射ヘッド22をメンテナンス対象とする場合の必要総流量Qnは、複数の不良ノズルが隣り合って存在しない液体噴射ヘッド22をメンテナンス対象とする場合の必要総流量Qnよりも大きくなる。したがって、本実施形態では、制御部60は、複数の不良ノズルが隣り合って存在する液体噴射ヘッド22をメンテナンスの対象とする場合には、複数の不良ノズルが隣り合って存在していない液体噴射ヘッド22をメンテナンスの対象とする場合よりも、必要総流量Qnが大きくなるように演算しているということもできる。
次に、図7及び図8に示すフローチャートを参照して、制御部60が、液体噴射ヘッド22のノズル21から液体を流出させるメンテナンスを行うときに実行する処理ルーチンについて説明する。
図7に示すように、制御部60は、複数の液体噴射ヘッド22の各ノズル21について、噴射不良が生じているかノズルチェックを行う(ステップS11)。詳しくは、制御部60は、アクチュエーター27に駆動電圧を印加させることで振動板29を振動させ、同振動板29の残留振動の振動パターンに基づいて不良ノズルの有無をチェックする。続いて、制御部60は、液体噴射ヘッド22ごとに、不良ノズルの数及び同不良ノズルの配置に基づいて、噴射不良の要因を推定する(ステップS21)。すなわち、制御部60は、液体噴射ヘッド22ごとに、第1の噴射不良が生じているか、第2の噴射不良が生じているか、何れの噴射不良も生じていないかを判定する。
そして、制御部60は、第2の噴射不良が生じている液体噴射ヘッド22の数、すなわち第2不良ヘッド222の数を取得し(ステップS13)、第2不良ヘッド222の数が「1」以上あるか否かを判定する(ステップS14)。第2不良ヘッド222の数が「1」未満である場合(ステップS14:NO)、すなわち第2不良ヘッド222がない場合、制御部60は、その処理を後述するステップS23に移行する。一方、第2不良ヘッド222の数が「1」以上である場合(ステップS14:YES)、制御部60は、第2不良ヘッド222の数に、1つの第2不良ヘッド222をメンテナンスの対象としたときの必要総流量Qnを乗ずることで、基準総流量Qtを演算する(ステップS15)。この点で、制御部60は、「メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22において、不良ノズルの噴射不良を解消するために排出する必要のある単位時間あたりの必要総流量を演算する演算部」の一例に相当する。
続いて、制御部60は、ステップS15で演算した基準総流量Qtが供給流路32の最大供給流量Qsよりも大きいか否かを判定する(ステップS16)。基準総流量Qtが最大供給流量Qs以下である場合(ステップS16:NO)、制御部60は、全ての第2不良ヘッド222をメンテナンスの対象に設定し(ステップS17)、第2条件でメンテナンスを実行する(ステップS18)。ここで、第2条件とは、第2の噴射不良を解消させるために行われるメンテナンスにおいて、同メンテナンスの対象となる第2不良ヘッド222から必要総流量Qnで液体を流出させるための条件をいう。そして、制御部60は、その処理を後述するステップS23に移行する。
一方、先のステップS16において、基準総流量Qtが最大供給流量Qsよりも大きい場合(ステップS16:YES)、制御部60は、基準総流量Qtを最大供給流量Qsで除した値の小数点以下を切り上げた整数値をメンテナンスにおける分割数とする(ステップS19)。そして、制御部60は、複数の第2不良ヘッド222の中からメンテナンスの対象を設定する(ステップS20)。すなわち、このステップS20では、1回のメンテナンスにおける必要総流量Qnが、供給流路32の最大供給流量Qs以下となるように、複数の第2不良ヘッド222の中から1回のメンテナンスの対象となる第2不良ヘッド222が選択される。そして、制御部60は、第2条件で、選択された第2不良ヘッド222を対象とするメンテナンスを実行し(ステップS21)、全ての第2不良ヘッド222を対象としたメンテナンスが終了したか否かを判定する(ステップS22)。全ての第2不良ヘッド222を対象としたメンテナンスが終了していない場合(ステップS22:NO)、制御部60は、その処理をステップS20に移行して、残りの第2不良ヘッド222の中から次のメンテナンスの対象とする第2不良ヘッド222を設定する。
一方、先のステップS22において、全ての第2不良ヘッド222を対象としたメンテナンスが終了している場合(ステップS22:YES)、制御部60は、第1不良ヘッド221及び噴射不良が生じていない液体噴射ヘッド22をメンテナンスの対象に設定し(ステップS23)、第1条件でメンテナンスを実行する(ステップS24)。ここで、第1条件とは、第1の噴射不良を解消させるために行われるメンテナンスにおいて、同メンテナンスの対象となる第1不良ヘッド221から必要総流量Qnで液体を流出させるための条件をいう。なお、ステップS23において、メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22は、第2不良ヘッド222を含むすべての液体噴射ヘッド22としてもよい。その後、制御部60は、その処理を一旦終了する。
次に、図8に示すフローチャートを参照して、ステップS18,S21,S24において実行されるメンテナンスの処理ルーチンについて説明する。
図8に示すように、制御部60は、第1条件及び第2条件に基づいて、圧力室42を減圧するときの目標とする判定圧力及び目標圧力を演算する(ステップS31,S32)。ここで、判定圧力は、減圧量の大きい第1減圧ポンプ45によって圧力室42を減圧するときに目標とされる圧力であり、目標圧力は、減圧量の小さい第2減圧ポンプ46によって圧力室42を減圧するときに目標とされる圧力である。すなわち、目標圧力は判定圧力よりも低圧とされる。また、メンテナンスの対象とされる液体噴射ヘッド22の数が等しい場合には、第1条件よりも第2条件のほうが、判定圧力及び目標圧力は高く演算される。これは、第1の噴射不良よりも第2の噴射不良のほうが、噴射不良を解消するための必要総流量Qnが大きいためである。
なお、ステップS32において、目標圧力をP2とし、1回のメンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22の数をNとし、各閉空間CPの容積をV1とし、圧力室42の容積をV2とし、液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体が流出するときの閉空間CPの圧力をP1としたとき、目標圧力P2は次の関係式で演算することが好ましい。
P2=P1・(N・V1+V2)/V2 (式1)
ここで、関係式(式1)の右辺において、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22の数(N)以外の変数については、液体噴射装置11の設計により定まる値である。このため、関係式(式1)によれば、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22の数に応じて、適切な目標圧力P2を決定することができるともいえる。
そして、制御部60は、キャップ41を駆動して、同キャップ41に対応する液体噴射ヘッド22をキャッピングさせる(ステップS33)。ここで、制御部60がキャップ41にキャッピングさせる液体噴射ヘッド22は、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22に限定してもよいし、全ての液体噴射ヘッド22としてもよい。
そして、制御部60は、減圧量の大きい第1減圧ポンプ45を駆動させ(ステップS34)、圧力室42を減圧する。なお、このステップS34を実行する前に、制御部60は、全ての開閉弁51及び大気開放弁53を閉弁させる。そして、制御部60は、圧力センサー52の検出結果に基づいて、圧力室42の圧力が判定圧力未満となったか否かを判定する(ステップS35)。圧力室42の圧力が判定圧力以上である場合(ステップS35:NO)、制御部60は、その処理をステップS35に移行して、再度、同様に判定を行う。
一方、圧力室42の圧力が判定圧力未満である場合(ステップS35:YES)、制御部60は、第1減圧ポンプ45の駆動を停止させ(ステップS36)、減圧量の小さい第2減圧ポンプ46を駆動させる(ステップS37)。そして、制御部60は、圧力センサー52の検出結果に基づいて、圧力室42の圧力が目標圧力未満となったか否かを判定する(ステップS38)。圧力室42の圧力が目標圧力以上である場合(ステップS38:NO)、制御部60は、その処理をステップS38に移行して、再度、同様に判定を行う。
一方、圧力室42の圧力が目標圧力未満である場合(ステップS38:YES)、制御部60は、第2減圧ポンプ46を停止させ(ステップS39)、メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22に対応する開閉弁51を開弁する(ステップS40)。この点で、目標圧力は、開閉弁51を開弁するときの圧力室42の圧力である。こうして、目標圧力まで減圧された圧力室42と、メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22に対応する閉空間CPとが連通状態となり同閉空間CPが速やかに減圧される。すなわち、本実施形態では、このステップS40を実行することにより、メンテナンスにおける液体噴射ヘッド22から液体が流出し始める。
そして、制御部60は、開閉弁51を開弁してからの経過時間が第1の期間が経過したか否かを判定する(ステップS41)。ここで、第1の期間とは、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体の流出を継続させる期間に相当し、第1条件及び第2条件に応じてそれぞれ設定される。すなわち、第1の期間は「所定期間」の一例に相当する。開閉弁51を開弁してからの経過時間が第1の期間が経過していない場合(ステップS41:NO)、制御部60は、その処理をステップS41に移行して、再度、同様に判定を行う。
一方、開閉弁51を開弁してからの経過時間が第1の期間が経過した場合(ステップS41:YES)、制御部60は、メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22に対応する開閉弁51を閉弁する(ステップS42)。そして、制御部60は、開閉弁51を閉弁してから第2の期間が経過したか否かを判定し(ステップS43)、開閉弁51を閉弁してからの経過時間が第2の期間が経過していない場合(ステップS43:NO)、その処理をステップS43に移行して、再度、同様に判定を行う。ここで、第2の期間とは、閉空間CPの圧力が大気圧付近まで増圧したか否かを判定するため判定値であり、予め実験などによって求めておくことが望ましい。一方、開閉弁51を閉弁してから第2の期間が経過した場合(ステップS43:YES)、制御部60は、液体噴射ヘッド22のキャッピングを解消させる(ステップS44)。そして、制御部60は、大気開放弁53を開弁し(ステップS45)、圧力室42の減圧状態を解消する。
なお、本実施形態では、ステップS11が、液体の噴射不良が生じた不良ノズルを検出する検出ステップに相当する。また、ステップS15が、不良ノズルを含むノズル群の全てをメンテナンスの対象とした場合の必要総流量である基準総流量を演算する演算ステップに相当する。また、ステップS16が、基準総流量が供給流路から液体噴射部に供給可能な単位時間あたりの最大供給流量よりも大きいか否かを判定する判定ステップに相当する。また、ステップS19,S20が、基準総流量が最大供給流量よりも大きい場合に、1回のメンテナンスにおける必要総流量が最大供給流量以下となるように同ノズル群を分割する分割ステップに相当する。また、ステップS33が、分割ステップで分割したノズル群ごとに、ノズルの開口を含む空間を閉空間とする閉空間形成ステップに相当する。また、ステップS40が、閉空間形成ステップで形成された閉空間CPを減圧する減圧ステップに相当する。
次に、液体噴射装置11のメンテナンスに係る作用について説明する。
なお、説明理解の容易のために、供給流路32の最大供給流量Qsは、2つの第2不良ヘッド222を対象とするメンテナンスにおける必要総流量Qn以上であって、3つの第2不良ヘッド222を対象とするメンテナンスにおける必要総流量Qn未満であるとする。
さて、液体噴射装置11のメンテナンスを行う場合には、各液体噴射ヘッド22の各ノズル21についてノズルチェックを行うことで、各液体噴射ヘッド22に噴射不良が生じているか否かの判定がなされる(ステップS11)。ここでは、ノズルチェックの結果に基づいて、噴射不良が発生していない2つの正常ヘッドと、1つの第1不良ヘッド221と、3つの第2不良ヘッド222があると判定されたとする(ステップS12)。
すると、3つの第2不良ヘッド222をメンテナンス対象とした場合の基準総流量Qtが、供給流路32の最大供給流量Qsよりも大きいため(ステップS16:YES)、基準総流量Qtを最大供給流量Qsで除した値に基づいて分割数が「2」に決定される(ステップS19)。そして、1回目のメンテナンスでは、3つの第2不良ヘッド222のうち2つの第2不良ヘッド222を対象としたメンテナンスが第2条件で行われる(ステップS21)。続いて、2回目のメンテナンスでは、3つの第2不良ヘッド222のうちメンテナンスがされていない1つの第2不良ヘッド222を対象としたメンテナンスが第2条件で行われる(ステップS21)。こうして、3つの第2不良ヘッド222を2回に分割してメンテナンスを行うことで、各メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体が流出される。
そして、第2不良ヘッド222を対象とするメンテナンスが終了すると(ステップS22:YES)、第1不良ヘッド221及び正常ヘッドをメンテナンスの対象とする3回目のメンテナンスが第1条件で行われる(ステップS24)。この3回目のメンテナンスでは、1つの第1不良ヘッド221及び2つの正常ヘッドから必要総流量Qnで液体が流出される。
また、上記の各メンテナンスにおいては、関係式(式1)によって、同時にメンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22の数及びメンテナンス条件(第1条件及び第2条件)に基づいて、圧力室42の目標圧力(P2)を変化させる(ステップS32)。これにより、液体噴射ヘッド22の噴射不良を解消するために必要な流量でノズル21から液体を過不足なく流出させて不良ノズルの噴射不良が解消される。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)不良ノズルを有する全ての液体噴射ヘッド22をメンテナンスの対象とした場合の必要総流量Qnである基準総流量Qtが供給流路32の最大供給流量Qsよりも大きくなるときには、それらの液体噴射ヘッド22を分割してメンテナンスを行うことで、1回のメンテナンスにおける必要総流量Qnが最大供給流量Qs以下となるようにした。このため、供給流路32の最大供給流量Qsが基準総流量Qt未満である場合でも、液体噴射ヘッド22を分割してメンテナンスを行うことで、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体を排出させることができる。したがって、供給流路32の最大供給流量Qsの増大を抑制しつつ、液体噴射ヘッド22における噴射不良を解消することができる。
(2)基準総流量Qtを最大供給流量Qsで除した値に応じてメンテナンスにおける不良ノズルを有する液体噴射ヘッド22の分割数を設定することで、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22が有する不良ノズルの噴射不良を解消することができる最小の分割数を設定できる。このため、分割数の増大によりメンテナンスの回数が増大することを抑制し、メンテナンスに要する時間が長くなることを抑制することができる。
(3)1回のメンテナンスにおける必要総流量Qnが液体噴射部20の最大噴射量Qi以下であることから、液体噴射部20の液体噴射性能(最大噴射量Qi)の範囲内でメンテナンスを行うことができる。すなわち、メンテナンスを行うためだけに、供給流路32の供給能力(最大供給流量Qs)を増大させる必要がなくなる。
(4)第1不良ヘッド221に対するメンテナンスにおいては、同第1不良ヘッド221を分割しないでメンテナンスすることで、第1不良ヘッド221における噴射不良を解消しつつメンテナンスに要する時間を短縮することができる。また、第2不良ヘッド222に対するメンテナンスにおいては、同第2不良ヘッド222を分割してメンテナンスを行うことで、第2不良ヘッド222から必要総流量Qnで液体を流出させて、第2不良ヘッド222における噴射不良をより確かに解消することができる。
(5)大気圧未満に減圧した圧力室42とメンテナンスの対象となる閉空間CPとの間に設けられる開閉弁51を開弁することで閉空間CPを速やかに減圧することが可能であるため、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体を流出させるために必要な圧力(P1)まで閉空間CPを速やかに減圧させることができる。こうして、閉空間CPを次第に減圧する場合に比較して、閉空間CPが上記必要な圧力まで減圧されるまでの間に、不良ノズルの噴射不良の解消に寄与しない流量で液体が流出することを抑制することができる。
(6)メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22に対応する開閉弁51を開弁してから第1の期間の経過後に、開閉弁51を閉弁しない場合、すなわち、閉空間CPを圧力室42と連通状態としたままの場合、閉空間CPと圧力室42との減圧状態が解消するまでメンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22から液体が流出し続ける。一方、本実施形態のように、第1の期間の経過後に開閉弁51を閉弁する場合、すなわち、閉空間CPを圧力室42と非連通状態とする場合、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22から液体が流出し続けるのは、閉空間CPの減圧状態が解消するまでとなる。
このため、開閉弁51を閉弁することで、液体噴射ヘッド22からの液体の流出に伴って減圧状態が解消させる容積が、圧力室42の容積に相当する分少なくなる。したがって、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体を流出させた後、不良ノズルの噴射不良の解消に寄与せずに流出する液量を少なくすることができる。
(7)開閉弁51を開弁するときの圧力室42の圧力(目標圧力P2)は、メンテナンスの対象となるノズル群の数(N)、閉空間CPの容積(V1)、圧力室42の容積(V2)、ノズル群から必要総流量Qnで液体が流出するときの閉空間CPの圧力(P1)に基づいて決定される。このため、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22の数(N)が増加することで、減圧すべき閉空間CPの総容積(N・V1)が増加する場合、それに応じて圧力室42の圧力(P2)を大きくするので、同液体噴射ヘッド22から流出する流量が必要総流量Qn未満となることを抑制することができる。また、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22の数(N)が減少することで減圧すべき閉空間CPの総容積(N・V1)が減少する場合、それに応じて圧力室42の圧力(P2)を小さくするので、液体噴射ヘッド22から流出する流量が必要総流量Qnに比べて過度に大きくなることを抑制することができる。
(8)減圧量が大きい第1減圧ポンプ45を駆動する状態から、減圧量が小さい第2減圧ポンプ46を駆動する状態に切り替えることで、圧力室42を速やかに減圧するとともに、圧力室42の圧力を目標とする圧力値に速やかに収束させることができる。したがって、メンテナンスの実行に要する時間を短縮化することができる。
上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・複数の第2不良ヘッド222を分割してメンテナンスを行う場合、各回のメンテナンスで対象とする第2不良ヘッド222の数は乖離していないことが望ましい。例えば、4つの第2不良ヘッド222を、分割数を「2」としてメンテナンスを行う場合、1回目のメンテナンスの対象を1つの第2不良ヘッド222とするとともに2回目のメンテナンスの対象を3つの第2不良ヘッド222とするよりも、1回目及び2回目のメンテナンスの対象を2つの第2不良ヘッド222とすることが望ましい。これによれば、前者の場合よりも後者の場合のほうが、圧力室42を目標圧力まで減圧するまでに要する時間を短縮することが可能となり、結果として、第2不良ヘッド222のメンテナンスに要する時間を短縮することができる。
・図7に示すフローチャートにおいて、ステップS45は省略してもよい。これによれば、連続してメンテナンスを行う場合に、圧力室42を大気圧から減圧する必要がなくなるため、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
・図6に示すフローチャートにおいて、ステップS19で演算される分割数以上の分割数でメンテナンスを行ってもよい。
・複数の第1不良ヘッド221のメンテナンスを行う場合に、複数の第2不良ヘッド222のメンテナンスを行う場合と同様に、複数の第1不良ヘッド221を分割してメンテナンスしてもよい。
・液体噴射装置11は、単一の液体噴射ヘッド22を備える液体噴射装置11であってもよい。この場合、単一の液体噴射ヘッド22に複数のノズル列が形成されている場合などには、そうした複数のノズル列を複数のノズル群とみなして、メンテナンスを行うようにしてもよい。
・第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46のうち一方の減圧ポンプを備えなくてもよい。この場合、一方の減圧ポンプを、駆動態様の異なる複数のモードで切り替えるように制御してもよい。複数のモードを切り替える制御としては、減圧量が異なる複数のモードを切り替える駆動方法、減圧速度が異なる複数のモードを切り替える駆動方法、及び減圧時間が異なる複数のモードで切り替える駆動方法などが挙げられる。
・第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46は、同じ性能を有する減圧ポンプであってもよいし、同種の減圧ポンプであってもよいし、同じ性能を有し且つ同種の減圧ポンプであってもよい。この場合、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の一方の減圧ポンプを、上記駆動態様の異なる複数のモードで切り替えるように制御してもよい。
・第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46に加えさらに減圧ポンプを備えてもよい。この場合、制御部60は、圧力室42を減圧するときに駆動する減圧ポンプの数を変更する制御をしてもよい。なお、複数の減圧ポンプは、同じ性能を有し且つ同種の減圧ポンプであってもよい。
・圧力室42を備えずに、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46のうち少なくとも一方の減圧ポンプで、メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22に対応する閉空間CPを直接減圧するようにしてもよい。この場合、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46のうち少なくとも一方の減圧ポンプが減圧部の一例に相当する。
また、メンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22に対応する閉空間CPを少なくとも一方の減圧ポンプで直接減圧する場合としては、例えば以下の場合が挙げられる。すなわち、液体が充填されていない空の供給流路32及びノズル21などに液体供給部30から液体を充填する場合(初期充填の場合)、液体噴射ヘッド22を交換する際に液体を排出する場合が挙げられる。また、不良ノズルをメンテナンスした後にキャッピングを解消させた状態でキャップ41内に残る液体を吸引する場合(空吸引する場合)にも、少なくとも一方の減圧ポンプが、開閉弁51が開弁された状態で駆動されることがある。
・圧力室42を判定圧力まで減圧するときに、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46を駆動してもよい。
・液体噴射装置11内の温度を測定可能な温度検出センサーを備えてもよい。この場合、制御部60は、液体噴射装置11内の温度が低いほど、メンテナンスを行うときの閉空間CPの圧力が低くなるように、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46を制御してもよい。
液体噴射装置11内の温度が低い場合には、液体噴射装置11内の温度が高い場合よりも、同装置内を流れる液体の流動性が低下しやすい。このため、温度が低い場合には、閉空間に対して温度が高いときと同程度の減圧を行ったとしても、液体の噴射不良を解消させるのに十分な量の液体を流出させることができないおそれがある。その点、上記構成では、液体噴射装置11内の温度が低いほど閉空間CPの圧力が低くされるので、同装置内の温度の低下によって液体の流動性が低下した場合にも、メンテナンスの対象となる液体噴射ヘッド22から必要総流量Qnで液体を流出させることができる。
・制御部60は、液体噴射装置11の設置環境における気圧が低いほど、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の駆動量を増大させてもよい。
これによれば、気圧が変化することで、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の作業効率が変化する場合には、同減圧ポンプの駆動量を変化させることで、閉空間CPを適切に目標圧力まで減圧することができる。例えば、気圧が低くなることで、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の作業効率が低下する場合には、同減圧ポンプの駆動時間を長くしたり、単位時間当たりの減圧量を大きくしたりすることで、閉空間CPを適切に目標圧力まで減圧することができる。したがって、液体噴射ヘッド22のメンテナンスを適切に行うことができる。
・液体噴射装置11の設置環境における絶対圧を検出可能な圧力検出部を備えてもよい。この場合、制御部60は、圧力検出部が検出する絶対圧に基づいて第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の駆動を制御してもよい。
第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46のうち少なくとも一方の減圧ポンプでメンテナンスの対象とする液体噴射ヘッド22に対応する閉空間CPを直接減圧する場合には、本実施形態にように減圧した圧力室42を閉空間CPと連通させることで閉空間CPを減圧する場合に比較して、速やかに閉空間CPが減圧されない。このため、大気圧との差圧であるゲージ圧に基づいて第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の制御を行うと、液体噴射装置11が使用される場所の標高などに応じた気圧に応じて、閉空間CPの減圧の程度にばらつきが生じるおそれがある。このため、閉空間CPを直接減圧する場合には、圧力検出部が検出した絶対圧に基づいて制御部60が第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46を制御することで、標高などに応じて気圧が変化した場合にも、閉空間CPを目標圧力まで減圧して、液体噴射ヘッド22のメンテナンスを適切に行うことができる。なお、この場合の圧力検出部は、圧力センサー52であってもよい。また、圧力室42を目標とする圧力まで減圧する場合においても、絶対圧に基づいて第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46を減圧したほうが精度よく目標とする圧力まで減圧させることができる。
・圧力センサー52を備えなくてもよい。この場合、圧力室42内の圧力は、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の駆動量(減圧量、減圧速度、または減圧時間)の積算値に基づいて算出してもよい。また、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46の駆動負荷電流値に基づいて算出してもよい。
・また、制御部60は、第1減圧ポンプ45及び第2減圧ポンプ46が空間の一例としての圧力室42を減圧するときの同圧力室42の圧力変化速度に基づいて、絶対圧を推定してもよい。例えば、1気圧下で圧力室42を基準圧力(例えば10kPa)減圧するときの圧力変化速度を基準速度とする。この場合、液体噴射装置11の設置環境下で、圧力室42を基準圧力減圧するときの圧力変化速度が、基準速度よりも遅ければ、設置環境は1気圧よりも低圧であると推定できる。また、圧力変化速度が基準速度よりも低速であるほど、設置環境は、より低圧であると推定できる。その一方で、圧力変化速度が、基準速度よりも速ければ、設置環境は1気圧よりも高圧であると推定できる。また、圧力変化速度が基準速度よりも高速であるほど、設置環境は、より高圧であると推定できる。
したがって、液体噴射装置11の設置環境下で圧力室42を基準圧力減圧するときの圧力変化速度と、基準速度との比較によって、設置環境下における絶対圧を推定することができる。これによれば、絶対圧を測定する圧力検出部を備えなくてもよいので装置構成を簡略化することができる。
・加圧ポンプ33を備えなくてもよい。この場合、水頭差によって液体を液体噴射ヘッド22に向かって加圧供給することが望ましい。若しくは、可撓性を有する袋体を液体供給源31として、この袋体をばねで押したり、袋体を収容する加圧室を加圧したりすることで、液体を液体噴射ヘッド22に向かって加圧供給することが望ましい。
・液体噴射装置11は、サーマルジェットプリンターに適用してもよいし、ソリッドインクジェットプリンターに適用してもよい。
・液体噴射装置11は、シリアルプリンターに適用してもよいし、ラインプリンターに適用してもよいし、ページプリンターに適用してもよい。
・液体噴射ヘッド22が噴射する液体は、インク以外の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して噴射できる固体を含む)ものであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する構成にしてもよい。
11…液体噴射装置、20…液体噴射部、21…ノズル、211,212…不良ノズル、22…液体噴射ヘッド、221…第1不良ヘッド、222…第2不良ヘッド、27…アクチュエーター(検出部の一例)、30…供給部、31…液体供給源、32…供給流路、40…メンテナンス部の一例、41…キャップ、42…圧力室、45…第1減圧ポンプ(減圧ポンプ)、46…第2減圧ポンプ、51…開閉弁、52…圧力センサー、60…制御部(演算部の一例)、CP…閉空間、Qn…必要総流量、Qs…最大供給流量、Qt…基準総流量、S11…検出ステップ、S15…演算ステップ、S16…判定ステップ、S19,S20…分割ステップ、S33…閉空間形成ステップ、S40…減圧ステップ。

Claims (13)

  1. 液体を噴射する複数のノズルから構成されるノズル群を複数有する液体噴射部と、
    液体供給源から前記液体噴射部に液体を供給する供給流路と、
    前記ノズル群ごとに前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とする複数のキャップと、前記複数のキャップによって形成される複数の閉空間の中から選択した閉空間を減圧可能な減圧部と、を有し、前記閉空間を減圧することで前記ノズル群から液体を流出させるメンテナンスを行うメンテナンス部と、
    液体の噴射不良が生じた不良ノズルを検出する検出部と、
    前記メンテナンスの対象とする前記ノズル群において、前記不良ノズルの噴射不良を解消するために流出させる必要のある単位時間あたりの必要総流量を演算する演算部と、
    前記不良ノズルを含むノズル群の全てを前記メンテナンスの対象とした場合の前記必要総流量である基準総流量が、前記供給流路を通じて前記液体噴射部に供給可能な単位時間あたりの最大供給流量よりも大きい場合、1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量が前記最大供給流量以下となるように前記不良ノズルを含むノズル群を分割して前記メンテナンスを行わせる制御部と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記制御部は、前記基準総流量を、前記最大供給流量で除した値の小数点以下を切り上げた整数値を、前記不良ノズルを含むノズル群の分割数として前記メンテナンスを行わせることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量は、前記液体噴射部が全てのノズルを介して単位時間あたりに噴射可能な液体の最大噴射量以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記ノズル群が複数の不良ノズルを含むことを前記検出部が検出したとき、
    前記演算部は、前記複数の不良ノズルが隣り合って存在する前記ノズル群を前記メンテナンスの対象とする場合には、前記複数の不良ノズルが隣り合って存在していない前記ノズル群を前記メンテナンスの対象とする場合よりも、前記必要総流量が大きくなるように演算することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記減圧部は、前記複数の閉空間に連通可能な圧力室と、前記圧力室を減圧する減圧ポンプと、前記複数の閉空間に対応するように同複数の閉空間と前記圧力室との間に設けられる複数の開閉弁と、を有し、
    前記開閉弁は、開弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を許容する一方、閉弁することで対応する前記閉空間と前記圧力室との連通を制限し、
    前記制御部は、前記複数の開閉弁を閉弁させた状態で前記減圧ポンプを駆動することで前記圧力室を大気圧未満に減圧させ、同圧力室の圧力が大気圧未満であるときに前記開閉弁を開弁することで前記閉空間を減圧させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記制御部は、前記メンテナンスの対象とする前記ノズル群から、1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量で液体が流出する状態が所定期間継続したとき、前記開閉弁を閉弁することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 1回の前記メンテナンスの対象とする前記ノズル群の数をNとし、前記閉空間の容積をV1とし、前記圧力室の容積をV2とし、前記ノズル群から前記必要総流量で液体が流出するときの前記閉空間の圧力をP1とし、前記開閉弁を開弁するときの前記圧力室の圧力をP2としたとき、
    P2=P1・(N・V1+V2)/V2
    であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の液体噴射装置。
  8. 前記減圧ポンプを第1減圧ポンプとしたとき、
    前記減圧部は、前記第1減圧ポンプよりも減圧量が小さい第2減圧ポンプをさらに有し、
    前記制御部は、少なくとも前記第1減圧ポンプが駆動する状態から、前記第2減圧ポンプが駆動する状態に切り替えることで、前記圧力室を減圧させることを特徴とする請求項5〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 前記制御部は、装置内の温度が低いほど前記メンテナンスを行うときの前記閉空間の圧力が低くなるように、前記減圧部を制御することを特徴とする請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  10. 前記減圧部は、前記閉空間を減圧するための減圧ポンプを有し、
    前記制御部は、装置の設置環境における気圧が低いほど、前記減圧ポンプの駆動量を増大させることを特徴とする請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  11. 絶対圧を検出可能な圧力検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記圧力検出部が検出する絶対圧が低いほど、前記減圧ポンプの駆動量を増大させることを特徴とする請求項10に記載の液体噴射装置。
  12. 前記制御部は、前記減圧ポンプが空間を減圧するときの同空間の圧力変化速度に基づいて絶対圧を推定し、同絶対圧が低いほど、前記減圧ポンプの駆動量を増大させることを特徴とする請求項10に記載の液体噴射装置。
  13. 液体を噴射する複数のノズルから構成されるノズル群を複数有する液体噴射部と、液体供給源から前記液体噴射部に液体を供給する供給流路と、を備えた液体噴射装置において、噴射不良が生じた不良ノズルを含むノズル群から、前記不良ノズルの噴射不良を解消するために流出させる必要のある単位時間あたりの必要総流量で液体を流出させるメンテナンスを行うメンテナンス方法であって、
    液体の噴射不良が生じた不良ノズルを検出する検出ステップと、
    前記不良ノズルを含むノズル群の全てを前記メンテナンスの対象とした場合の前記必要総流量である基準総流量を演算する演算ステップと、
    前記基準総流量が、前記供給流路から前記液体噴射部に供給可能な単位時間あたりの最大供給流量よりも大きいか否かを判定する判定ステップと、
    前記基準総流量が前記最大供給流量よりも大きい場合に、1回の前記メンテナンスにおける前記必要総流量が前記最大供給流量以下となるように前記不良ノズルを含むノズル群を分割する分割ステップと、
    前記分割ステップで分割した前記ノズル群ごとに、前記ノズルの開口を含む空間を閉空間とする閉空間形成ステップと、
    閉空間形成ステップで形成された前記閉空間を減圧する減圧ステップと、を備えることを特徴とするメンテナンス方法。
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