JPH1191140A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH1191140A
JPH1191140A JP27051497A JP27051497A JPH1191140A JP H1191140 A JPH1191140 A JP H1191140A JP 27051497 A JP27051497 A JP 27051497A JP 27051497 A JP27051497 A JP 27051497A JP H1191140 A JPH1191140 A JP H1191140A
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suction
ink
nozzle
cap
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JP27051497A
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Inventor
Yoshihiro Takada
吉宏 高田
Masanori Shida
昌規 志田
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】小型化、低価格化が達成でき、高い吐出回復性
能を維持できるインクジェット記録装置。 【解決手段】マルチノズルインクジェット記録ヘッド1
と、記録ヘッド上に設けられ、記録ヘッドの各ノズルに
連通した共通液室と、記録インクを充填したインクタン
ク19B、C、M、Yと共通液室を連結して記録インク
を供給するインク供給ユニットと、記録ヘッド1の吐出
口面に対して当接、解除可能で、当接時に記録ヘッドの
吐出口面の吐出口の外側領域部で当接して密閉空間を形
成し、吸引ポンプにより記録ヘッドの吐出口内の記録イ
ンクを吸引排出可能な吸引回復手段を設け、記録ヘッド
1のノズル領域に対応させて吸引回復手段の吸引領域を
複数領域に分割する。そして、吸引回復手段の各吸引領
域と吸引ポンプの間のインク排出経路中に圧力室と吸引
動作切り換え手段としての開閉可能なバルブを設けるよ
うにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録ヘッドのインク吐出
口における目詰まり、インク吐出不良等を防止、回復す
るための吐出回復処理を行うインクジェット記録装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置に用いられるイ
ンクジェット記録ヘッドは、一般に、記録用液滴の吐出
口、また、この吐出口に記録液を供給するためのノズル
およびこのノズルの一部に設けられるエネルギー作用部
にある記録液に作用させる液滴形成用のエネルギーを発
生するためのエネルギー発生手段を備えている。このエ
ネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変
換体を用いたもの、レーザー等の電磁波を照射してそこ
にある液体に吸収させて発熱させ、この発熱による作用
で液滴を吐出、飛翔させるもの、あるいは電気熱変換体
等の発熱体等が知られている。なかでも、電気熱変換体
をエネルギー発生手段に用い、熱エネルギーにより記録
液滴を吐出口より吐出させるインクジェット記録ヘッド
は、以下のような利点を有する。
【0003】a)記録用の液滴を吐出して飛翔用液滴を
形成するための吐出口を高密度に配列して、高解像力の
記録を行うために好適な構成を容易に取ることが可能で
ある。 b)構造上コンパクト化が容易である。 c)その作製に最近の半導体分野における技術の進歩と
信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長
所を十二分に活用でき、これらの技術を利用すること
で、長尺化および面状化(2次元化)、吐出口のマルチ
化、高密度化がさらに容易で、しかも大量に生産するこ
とができ、製造コストも廉価である。
【0004】エネルギー発生手段に電気熱変換体を用い
半導体製造プロセスを経て製造されたマルチ化された吐
出口を有するインクジェット記録ヘッドとしては、各吐
出口に対応した液路が設けられ、この液路毎に電気熱変
換体が設けられ、かつ各液路に連通している共通液室よ
り記録液が供給される構造を有するものが知られてい
る。
【0005】このようなインクジェット記録ヘッドの一
構成の模式的斜視図を図28に示す。このインクジェッ
ト記録ヘッドは、エッチング法、蒸着法、スパッタリン
グ法等の半導体製造プロセス行程を経て電気熱変換体
3、電極4が成膜されたSiウェア等の基板2上にノズ
ル5、天板6、液路10等を実装した実装基板15から
構成されている。記録用インク12は不図示の液体貯留
室(インクタンク)からインク供給パイプ20を通して
記録ヘッド1の共通液室8内に供給される。図中、符号
9はインク供給管用のコネクタである。
【0006】共通液室8内に供給されたインク12は毛
管現象により液路10内に供給され、液路先端の吐出口
面11でメニスカスを形成することにより安定に保持さ
れる。ここで、電気熱変換体3に通電することにより、
電気熱変換体上の記録液が発熱され、発泡現象が発生
し、その発泡手段のエネルギーにより吐出口面11から
インク液滴が吐出する。
【0007】上述したような構成により、ノズルの密度
は200〜600dpiといった高密度のノズル配置
で、64ノズル〜5000ノズルというマルチノズルの
インクジェット記録ヘッドを製造することが可能とな
り、このようなインクジェット記録ヘッドを用いたイン
クジェット記録装置により、高速、高精細な記録、大画
面記録が可能となる。そして、このようなインクジェッ
ト記録装置には、記録ヘッドのインク吐出口の中の記録
インクの蒸発や温度低下によるインク増粘、記録ヘッド
のノズル内の気泡の侵入、記録ヘッドの吐出口面への異
物の付着等による目詰まり、インク吐出不良を防止、回
復するための吐出回復手段がこれまで採用されている。
【0008】図29は、従来のインクジェット記録装置
における吐出回復手段の例を示すもので、特開昭61−
158467等に開示されている。以下、図29に示す
吐出回復手段は吸引回復方法によるもので、記録インク
12を含んだインク吸収体32を内填したインクカート
リッジ33をコネクタを介して接続した記録ヘッドの例
を示してある。記録ヘッド1の記録動作時に各ノズル5
から吐出される記録用インクは記録動作により共通液室
8内の記録インクが消耗される毎に、インクカートリッ
ジ33のインク吸収体32からインク供給路41、コネ
クタ9を介して記録ヘッド1の共通液室8内へ供給され
て記録ヘッド1による記録動作が安定し継続する事がで
きる。
【0009】ところで、前述したように、記録ヘッド1
のノズル内の記録インクが蒸発や低温化により増粘して
しまったり、記録ヘッド1のノズル5内や共通液室8内
に気泡が侵入してしまったり、記録ヘッド1の吐出口面
11に異物が付着してしまった場合には、記録ヘッド1
による安定で正常な記録動作ができなくなってしまう。
そこで、吸引回復方法では、インク吸収体34を有し、
インク排出チューブ44を介して吸引ポンプ37に連結
された吸引キャップ用シールゴム43を介して記録ヘッ
ド1の吐出口面11の記録ノズルの外側領域に当接、密
閉させた後、吸引ポンプ37を駆動し、吸引キャップ4
2と記録ヘッドの吐出口面の間の密閉空間内の気圧Ps
を大気圧以下の負圧状態にして記録ヘッド1のノズル内
から記録インクを吸引排出させ、廃インクタンク35へ
回収するという記録ヘッドの吐出回復処理を行ってい
る。
【0010】このような吸引回復方式の吐出回復手段
は、構成が簡単で、低コスト化に優利な事から、これま
で小型のインクジェット記録方式プリンタに数多く採用
されている。ところで、近年、インクジェットプリンタ
の高速記録化、低価格化、小型化に対する要求はますま
す高くなってきており、記録ノズル数が256ノズル以
上の記録ヘッドを採用した高速記録が可能で、低価格、
小型のインクジェット記録プリンタの製品化が望まれる
ようになってきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録ノ
ズル数が256ノズル以上のマルチノズル記録ヘッドで
吸引回復方式で吐出回復動作を行う場合、記録ノズル幅
が長い事から全てのノズルに対して、同じ吸引条件とな
るようにする事が困難になり、さらに図30に示すよう
に記録ノズル数が増える程、吸引回復動作時に記録ヘッ
ドの各ノズルから排出される廃インク量の総量Q(c
c)が増大し、廃インクを回収する廃インクタンク35
の容積をより大きくしなければならなくなり、ランニン
グコストも増大してしまうという問題が発生している。
【0012】そこで、本発明は、高速記録のために記録
ノズル数が256ノズルから5000ノズルといった長
尺のマルチノズル記録ヘッドを用いても、小型化、低価
格化が達成でき、加えて高い吐出回復性能を維持できる
インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出
するための複数の記録ノズルを有し、被記録媒体に対し
インクを吐出して記録を行うマルチノズルインクジェッ
ト記録ヘッドと、記録ヘッド上に設けられ、記録ヘッド
の各ノズルに連通した共通液室と、記録インクを充填し
たインクタンクと共通液室を連結して記録インクを供給
するインク供給ユニットと、記録ヘッドの吐出口面に対
して当接、解除可能出、当接時に記録ヘッドの吐出口面
の吐出口の外側領域部で当接して密閉空間を形成し、吸
引ポンプにより記録ヘッドの吐出口内の記録インクを吸
引排出可能な吸引回復手段を設け、記録ヘッドのノズル
領域に対応させて吸引回復手段の吸引領域を複数領域に
分割する。そして、吸引回復手段の各吸引領域と吸引ポ
ンプの間のインク排出経路中に圧力室と吸引動作切り換
え手段としての開閉可能なバルブを設けるようにしてい
る。または、分割した複数領域に対する吸引時間を異な
ったものにしている。または、分割した複数領域におい
て生じる吸引圧を異なったものになるようにしている。
【0014】
【作用】本発明によれば、記録ノズル数が256ノズル
から5000ノズルといった長尺のマネチノズル記録ヘ
ッドに対して吸引回復手段を採用した場合においても、
記録ヘッドのマルチノズルの各ノズルからの吸引排出イ
ンク量を低減化できる事から、廃インク回収用の廃イン
クタンク35の容積も小型化が可能となり、インクジェ
ット記録装置の小型化、低価格化、低ランニングコスト
化が達成できる上に、記録ヘッドの各ノズルに対する高
い回復性能も達成できるインクジェット記録装置を提供
できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の各実施例について図面を参照
して説明する。
【0016】(実施例1)図1は、本発明のインクジェ
ット記録装置の各実施例に共通な構成を示した模式的斜
視図である。図1において、記録ヘッド1と、紙等の記
録媒体(不図示)の記録面を形成、保持するためのプラ
テンローラ23との間を、連続紙またはカット紙形態の
記録媒体が、ピンチローラ(不図示)によりプラテンロ
ーラ23に押し当てられながら搬送される。記録ヘッド
1はキャリッジ21の上に搭載されており、2本のガイ
ドレール24aおよび24bに沿って図中SA 、SB
向にシリアルスキャン駆動され、その過程で記録媒体に
対する記録が行われる。このキャリッジ21は、プーリ
28aと28bとの間に設けられたベルト29およびプ
ーリ28a、28bを介して、モータ26の軸27に接
続され、モータ26の回転に応じてSA 、SB 方向の駆
動が行われる。
【0017】記録ヘッド1は、例えば、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック
(B)の4色に対応して4つの記録ユニットを有する。
Y、M、CおよびBの記録を行う記録ユニットには、独
立してインク供給経路が設けられ、それぞれインク供給
パイプ20Y、20M、20C、20Bを介してインク
タンク19Y、19M、19C、19Bからイエロー
(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シア
ン(Cyan)、ブラック(Black)の各色が供給
される。
【0018】キャッピング手段22と吸引キャップ42
は記録ヘッドによる記録画像領域外に設けられ、吸引キ
ャップ42による吐出回復動作は、記録ヘッド1を搭載
したキャリッジ21がホームポジションHPの位置まで
移動した吸引キャップ42が記録ヘッド1と対向した状
態で、吸引キャップ42が矢印f方向に移動して記録ヘ
ッド1の吐出口面に当接した後行われる。また、キャッ
ピング手段22によるキャッピング動作は、同様に、キ
ャッピングポジションCPの位置までキャリッジ21が
移動した後、キャッピング手段22が記録ヘッド1と対
向した状態で、キャッピング手段22が矢印f方向に移
動して、記録ヘッド1の吐出口面に当接して行われる。
【0019】次に、本発明のインクジェット記録装置に
おける吸引回復方式の吐出回復動作を図を追って説明す
る。図2は本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッ
ド1の吸引回復動作の状態を示したモデル図であり、吸
引キャップ42に設けたキャップシール用ゴム43が記
録ヘッド1の吐出口面の記録ノズルの外側領域に当接、
密閉した状態を示している。記録ヘッド1には、記録ヘ
ッドの各ノズル5に連通した共通液室8と、記録ヘッド
1の共通液室8内への異物の混入を防止するためのフィ
ルタを有するフィルタユニット46と、そのフィルタユ
ニット46と接合され、インク供給路41で共通液室8
と連結して記録インクを供給するインク供給ユニット4
0を設けている。
【0020】つまり、前述したように吸引回復方式の吐
出回復動作においては、インク排出チューブ44を介し
て吸引ポンプ37に連結された吸引キャップ42をキャ
ップ用シールゴム43を介して記録ヘッド1の吐出口面
11の記録ノズルの外側領域に当接、密閉させた後、吸
引ポンプ37を駆動して吸引キャップ42と記録ヘッド
の吐出口面との間の密閉空間内の気圧Psを大気圧以下
の一様な負圧状態にして記録ヘッド1のノズル内から記
録インクを吸引排出させて、記録ヘッドの吐出回復処理
を行うようにしている。
【0021】しかしながら、図31に示すように、記録
ヘッド1の記録ノズル数が256ノズルから5000ノ
ズルといったような長尺のマルチノズルの記録ヘッド1
に対しては、記録ヘッド1の共通液室8への連結したイ
ンク供給路41が図31のように配置されている場合、
吸引キャップ42による負圧Psを記録ヘッドの各ノズ
ルに一様に加えた際に記録ヘッド1の各ノズルから吸引
排出される記録インクの共通液室8内での流れは、記録
ヘッドの共通液室8内の流路抵抗の違いから図中矢印I
で示したように共通液室8とインク供給路41とのコネ
クタ部9に近い領域の方が流れ易くなってしまう。
【0022】その結果、当初、吸引キャップ42が記録
ヘッド1の吐出口間に当接、密閉された後、吸引ポンプ
37を駆動して吸引キャップ42と記録ヘッドの吐出口
間の間の密閉空間内を大気圧以下の一様な負圧Ps状態
にし、記録ヘッド1の各ノズルに均一に吸引圧が加えら
れた直後、記録ヘッドの全ノズルから記録インクが吸引
排出され始められる際に、共通液室8内の記録インクが
流れ易い、インク供給路41とのコネクタ部9に近い領
域の記録ノズルからの方が記録インクが吸引排出され易
くなってしまう。その結果、図32に示すように、吸引
回復動作により、記録ヘッド1の各ノズル5から吸引排
出されるインク量qiは、このコネクタ部9に近い領域
の記録ノズルから排出されるインク量qmam、コネク
タ部9から遠い領域の記録ノズルから排出されるインク
量qmin(qmam>qmin)といったように、記
録ノズルの場所により吸引回復動作の際のノズル排出イ
ンク量に大小差が発生してしまい、記録ヘッド1の吸引
回復動作時のノズル排出インク量Q Q=Σqi(qi:i番目の記録ノズルからの吸引排出
インク量) が必要以上に多くなってしまう。
【0023】そこで、本発明においては、図2に示した
ように、記録ヘッドのノズル領域に対応させて、吸引回
復手段としての吸引キャップ42の吸引領域を複数領域
に分割し、吸引キャップ42の各吸引領域と吸引ポンプ
37の間のインク排出経路としてのインク吸引用チュー
ブ49の途中に圧力室54と吸引動作切り換え手段とし
ての開閉可能なバルブ51を設けるようにし、各吸引領
域毎の吸引条件を制御する事により、記録ヘッド1の各
記録ノズルからの排出インク量の大小差のバラツキを低
減化し、記録ヘッド1の吸引回復動作時の総ノズル排出
インク量Qを低減化するようにしている。
【0024】つまり、マルチノズルの記録ヘッド1に対
して共通液室8へ連結したインク供給路41が図2のよ
うに配置されている場合、前述したように共通液室8の
インク供給路41とのコネクタ部9に距離的に近い領域
の方が記録インクが流れ易く、吸引回復動作時のノズル
排出インク量がこのコネクタ部9に近い領域の記録ノズ
ル領域で過剰になってしまう事から、吸引キャップ42
が記録ヘッド1の吐出口面11の記録ノズルの外側領域
に当接する際に、記録ヘッド1の記録ノズル領域を、共
通液室8のコネクタ部9に距離的に近いノズル領域b
と、コネクタ部9から距離的に離れたノズル領域a、c
とに分割するように、吸引キャップ42を構成し、吸引
領域をa、b、cに仕切るようにしている。
【0025】そして、吸引キャップ42内には吸引領域
a、b、cに対応して、インク吸収体34a、34b、
34cが、仕切り壁48a、48bを介して設けられて
おり、吸引キャップ42の各吸引領域a、b、cの吸引
口52a、52b、52cに連結したインク吸引用チュ
ーブ49a、49b、49c経路中の吸引ポンプ37と
の間に、圧力室54a、54b、54c、バルブ51
a、51b、51cを設け、各吸引領域a、b、cの吸
引回復動作時に、吸引ポンプ37の動作時間とバルブ5
1a、51b、51cの開閉動作を制御して、各吸引領
域a、b、cのノズル吸引圧の大小を制御し、記録ヘッ
ド1のノズル領域bの各ノズルからの吸引排出インク量
が過剰とならないように制御するようにしている。
【0026】そして、吸引回復動作時に、記録ヘッド1
の各記録ノズル5から吸引排出されたインクはインク吸
収体34a、34b、34cに一度吸収され後、吸引キ
ャップ42内に設けた吸引口52a、52b、52cか
らインク吸引用チューブ49a、49b、49cへと吸
引され、バルブ51a、51b、51c、圧力室54
a、54b、54cを通過して、インク排出チューブ4
4へと排出され、最終的には図示していない廃インクタ
ンクへと回収される。ここで、53は吸引用チューブ4
9a、49b、49cとインク排出チューブ44を連結
するコネクタである。
【0027】図3は、本実施例のインクジェット記録装
置の吸引回復動作を説明するための説明図であり、吸引
ポンプの動作時間と各吸引領域a、b、cでの圧力室内
気圧の制御方法を示している。つまり、図3に示すよう
に、図示していない制御部からの信号により記録ヘッド
1の吸引回動作が開始され、吸引キャップ42が記録ヘ
ッド1の吐出口面に当接された後、各吸引領域a、b、
cに対応したバルブ51a、51b、51cが閉じら
れ、時間t0 から吸引ポンプ37の駆動が開始される
と、各吸引領域a、b、cに対応した圧力室54a、5
4b、54c内の空気が吸引排出され、各圧力室54
a、54b、54c内の気圧は大気圧Patm以下へと
減圧され、時間ta(tc)で圧力室54a、54b、
54cの圧力室内負圧がP’a(P’c)まで減圧が進
んだ状態で、吸引領域a、cのバルブ51a、51cを
開放して、吸引領域a、cの記録ノズルからのインクの
吸引排出動作が行われ始める。その後、吸引領域bの圧
力室54bの圧力室負圧は、圧力室54a、54b、5
4cが吸引用チューブ49a、49b、49cにより連
結されているために徐々に負圧量が減少し、時間tbで
圧力室54a内の圧力室負圧がP’bまで低下した時点
で、吸引領域bのバルブ51bが開放され、吸引領域b
の記録ノズルからのインクの吸引排出動作を行うように
している。なお、Patm>P’b>P’a、P’cで
ある。
【0028】そして、この吸引キャップ42による吸引
回復動作の際に、吸引キャップ42を記録ヘッド1の吐
出口面に当接させ、記録ヘッド1の記録ノズル領域に対
応させて吸引キャップ42による吸引回復領域を複数領
域に分割し、各吸引領域の吸引回復動作の際に、吸引ポ
ンプ37の動作時間を各吸引領域のバルブ51a、51
b、51cの開閉動作タイミングを制御し、図4に示す
ように、記録ヘッド1の共通液室8のインク供給路41
とのコネクタ部9から離れた、ノズルから記録インクが
排出され難いノズル領域a、cの吸引回復動作時には、
圧力室54a、54cの負圧Pが大きく、ノズル吸引圧
Psが大きい状態で吸引回復動作を行い、コネクタ部に
近く、ノズルから記録インクが排出され易いノズル領域
bの吸引回復動作時には、圧力室54bの負圧Pが小さ
く、ノズル吸引圧Psが小さい状態で吸引回復動作を行
う事により、図5に示すように、ノズルから記録インク
が排出され易いノズル領域bでのノズル排出インク量を
低減化する事ができ、各記録ノズル領域でのノズル排出
インク量の大小差Δq=qbmax−qaminを低減化し、結
果的に吸引回復動作時の総ノズル排出インク量Qを必要
以上に無駄に増やさずにすむようにする事ができる上
に、高い吐出回復性能を維持できるインクジェット記録
装置を提供する事ができるようになる。
【0029】そして、本実施例のように、吸引キャップ
42と吸引ポンプ37との間のインク排出経路途中に圧
力室54とバルブ51を設けて、圧力室54を吸引ポン
プ37により減圧した後にバルブ51を開放して、記録
ヘッド1の各記録ノズルにインク吸引排出のための負圧
を印加する事により、吸引ポンプ37の短い動作時間
で、圧力室内を大きな負圧状態にする事ができ、この大
きい負圧の状態でバルブを開放する事により、記録ヘッ
ドの各記録ノズルに大きな負圧を短い時間の間だけ印加
できる事から、吸引回復動作時間をより短縮化できる上
に、より高い回復性能を発揮でき、記録ヘッドからのノ
ズル排出インク量も大幅に削減する事ができる。
【0030】図6は本実施例のインクジェット記録装置
の吸引回復動作を説明するためのフローチャート図であ
る。ステップS1で図示していない制御手段から、吸引
回復動作信号が発生すると、吸引キャップ42による吸
引回復動作が開始され、ステップS2で吸引チューブ4
9a、49b、49cに設けたバルブ51a、51b、
51cが開放された後、ステップS3で図示していない
駆動手段により吸引キャップ42が記録ヘッド1の吐出
口面に当接され、吸引キャップ42に設けたキャップ用
シールゴム43により、記録ヘッド1のノズルを含む吐
出口面が密閉される。そして、ステップS4でバルブ5
1a、51b、51cが閉じられた後、ステップS5で
吸引ポンプ37が駆動され、圧力室54a、54b、5
4c内が大気圧Patm以下の減圧が開始される。
【0031】そして、ステップS6で吸引ポンプ37の
動作時間が判断され、吸引ポンプ動作時間tがあらかじ
め設定しておいた吸引回復動作開始時間ta(tc)に
達すると、ステップS7で吸引領域a、cに対応したバ
ルブ51a、51cが開放され、ノズルからインクが吸
引排出され難い記録ノズル領域a、cの各ノズルからの
インクの吸引排出動作が開始される。その後、ステップ
S8で再び吸引ポンプ37の動作時間が判断され、吸引
ポンプ動作時間tがあらかじめ設定しておいた吸引回復
動作開始時間tbに達すると、ステップS9で吸引領域
bに対応したバルブ51bが開放され、ノズルからイン
クが吸引排出され易い記録ノズル領域bの各ノズルから
のインクの吸引排出動作が開始される。
【0032】そして、記録ヘッドの各吸引領域での吸引
回復動作があらかじめ設定しておいた時間tcapだけ
行われた後、ステップS10で図示していない駆動手段
により、吸引キャップ42が記録ヘッド1から解除され
た後、あらかじめ設定した時間tpだけ吸引ポンプ37
が駆動されてインク吸引体34a、34b、34c内に
吸引されたノズル排出インクを吸引用チューブ49a、
49b、49cを介してインク排出用チューブ44をへ
て排出した後、ステップS11で吸引ポンプ37の動作
を停止し、ステップS12で吸引回復動作を終了する。
【0033】ここで、本実施例においては、吸引キャッ
プ42の吸引回復領域を3分割にした例で説明している
が、記録ヘッドのノズル数、インク供給路とのコネクタ
部の構成、共通液室の構成により最適となるように吸引
回復領域の分割の仕方、吸引回復動作時間の設定を決め
ればよい。
【0034】(実施例2)図7は、本発明のインクジェ
ット記録装置の実施例2を説明するための模式的側面図
である。本実施例においては、図8に示すように、吸引
キャップ42による吸引領域a、b、cの吸引圧の密閉
性を向上させ、吸引領域毎の吸引負圧差の確保をより確
実にするために、吸引キャップ42に設けた記録ヘッド
1の吐出口面に当接するキャップ用シールゴム43に、
ノズル領域a、b、cに対応した仕切り部50a、50
bを設け、キャップ用シールゴム43が記録ヘッド1の
吐出口面に当接した際の密閉空間を仕切り部50a、5
0bによりノズル領域a、b、c毎に分割するように
し、それぞれ吸引領域a、b、c間での吸引回復動作時
の負圧が別の吸引領域にリークする各領域の負圧条件の
変動を防止し、より安定で、高い吐出回復性能を達成で
きるインクジェット記録装置を提供する事ができるよう
になる。
【0035】また、本実施例においては、吸引回復手段
に設けた圧力室54a、54b、54cを一体型の圧力
室部材55で構成するようにしている。そしてこのよう
に圧力部材55をモールド等の一体部材で構成する事に
より、吸引回復手段の構成を簡略化できる上に、成型時
の各圧力室内体積のバラツキも低減できることから、吸
引ポンプ駆動時の各圧力室内の負圧の大きさのバラツキ
も低減させることができる。
【0036】(実施例3)図9は本発明のインクジェッ
ト記録装置の実施例3を説明するための模式的側面図で
ある。本実施例においては、吸引キャップ42の各吸引
領域a、b、cの吸引口52a、52b、52cに連結
したインク吸引用チューブ49a、49b、49c経路
中の吸引ポンプ37との間に圧力室54a、54b、5
4c、バルブ51a、51b、51cを設け、吸引領域
bのインク吸引用チューブ49b経路中の圧力室54b
と吸引ポンプ37の間にもう1つのバルブ51Bを設け
て、各吸引領域a、b、cの吸引回復動作時に、吸引ポ
ンプ37の動作時間とバルブ51a、51b、51c、
51Bの開閉動作を制御して、各吸引領域a、b、cの
吸引回復動作時のノズル吸引圧差の大小をより安定に、
大きく確保する事により、記録ヘッド1の各ノズル間の
ノズル排出インク量の大小差のバラツキをより低減化
し、記録ヘッド1の吸引回復動作時の総ノズル排出イン
ク量Qをより低減化するようにしている。
【0037】図10は本実施例のインクジェット記録装
置の吸引回復動作を説明するための説明図である。吸引
ポンプの動作時間と各吸引領域a、b、cでの圧力室内
負圧の制御方法を示している。つまり、図示していない
制御部からの信号により記録ヘッド1の吸引回復動作が
開始され、吸引キャップ42が記録ヘッド1の吐出口面
に当接された後、各吸引領域a、b、cに対応したバル
ブ51a、51b、51cが閉じられ、時間t0 から吸
引ポンプ37の駆動が開始されると、各吸引領域a、
b、cに対応した圧力室54a、54b、54c内の空
気が吸引排出され、各圧力室54a、54b、54c内
の気圧は大気圧Patm以下へと減圧され、時間tB
圧力室54a、54b、54c内の圧力室内負圧PがP
' b まで減圧が進んだ状態で、記録ヘッド1のノズルか
ら記録インクが排出され易いノズル領域bに対応した吸
引領域のバルブ51Bが閉じられる。圧力室54a、5
4cの減圧はさらに継続され、時間ta(tc)で圧力
室54a、54cの圧力室内負圧PがP' a (=
' c )まで減圧が進んだ状態で(Patm>P' b
' a 、P' c )、吸引領域a、b、cのバルブ51
a、51b、51cを開放して、吸引領域a、b、cの
記録ノズルからのインクの吸引排出動作が行われ始め
る。
【0038】この間、吸引領域bの圧力室54bはバル
ブ51b、51Bにより密封されているため、図10の
点線で示したように、圧力室内負圧Pは、バルブ51B
が閉じられた時の負圧P' b のまま一定であり、従って
図11に示すように、時間ta(tc)でバルブ51
a、51b、51cが開放され、記録ヘッドのノズルか
らインクの吸引排出動作が開始された時の記録ヘッドの
ノズル領域bの記録ノズルの吸引圧はPb 、ノズル領域
a、cの記録ノズルの吸引圧はPa 、Pc (Patm>
b >Pa 、Pc )となり、ノズルからインクが排出さ
れ易いノズル領域bの記録ノズルに対する吸引圧を小さ
くすることができ、従ってノズル領域bの記録ノズルか
らのノズル排出インク量の過剰を低減化することができ
る。
【0039】そして、本実施例の構成で、時間tB で吸
引領域bのバルブ51Bを閉じてから、時間taで吸引
回復動作を開始するまでの間の時間Δt=ta−tB
大きくすることにより、吸引領域a、cと吸引領域bの
圧力室内負圧差ΔP=(P' a −P' b )をより大きく
確保することができ、さらに図9に示すように、吸引領
域a、cの圧力室内体積Va、Vcを吸引領域bの圧力
室内体積Vbよりも小さくすることにより、吸引領域
a、cと吸引領域bの圧力室内負圧ΔPをより大きくす
ることができ、各吸引領域a、b、cの圧力室内負圧P
' a 、P' b ' c の負圧のバラツキをも低減化できる
ことから、吸引回復動作時の総ノズル排出インク量Qを
より安定に低減できる。
【0040】図12は本実施例のインクジェット記録装
置の吸引回復動作を説明するためのフローチャート図で
ある。図12において、ステップS21で図示していな
い制御手段から、吸引回復動作信号が発生されると、吸
引キャップ42による吸引回復動作が開始され、ステッ
プS22で吸引用チューブ49a、49b、49cに設
けたバルブ51a、51b、51cが開放された後、ス
テップS23で図示していない駆動手段により吸引キャ
ップ42が記録ヘッド1の吐出口面に当接され、吸引キ
ャップ42に設けられたキャップ用シールゴム43によ
り、記録ヘッド1のノズルを含む吐出口面が密閉され
る。
【0041】そして、ステップS24でバルブ51a、
51b、51cが閉じられた後、ステップS25で吸引
ポンプ37が駆動され、圧力室54a、54b、54c
内が大気圧Patm以下への減圧が開始される。そして
ステップS26で吸引ポンプ37の動作時間が判断さ
れ、吸引ポンプ動作時間tがあらかじめ設定しておいた
時間tB に達すると、ステップS27で記録ヘッドのノ
ズルからインクが排出され易いノズル領域bに対応した
吸引領域のバルブ51B が閉じられる。その後、ステッ
プS28で再び吸引ポンプ37の動作時間が判断され、
吸引ポンプ動作時間tがあらかじめ設定しておいた時間
ta(tc)に達すると、ステップS29で各吸引領域
a、b、cのバルブ51a、51b、51cが開放さ
れ、記録ヘッドの各領域の記録ノズルに対して、吸引回
復動作が開始される。そして、ステップS30で、吸引
領域bのバルブ51Bが時間t' B で開放され、インク
吸引体34b、圧力室54b内に吸引された、ノズルか
らの排出インクの図示していない廃インクタンクへの排
出、回収動作が開始されている。
【0042】そして、記録ヘッドの各吸引領域での吸引
回復動作があらかじめ設定しておいた時間tcap だけ行
われた後、ステップS31で図示していない駆動手段に
より、吸引キャップ42が記録ヘッド1から解除された
後、あらかじめ設定した時間tpだけ吸引ポンプ37が
駆動されて、インク吸引体34a、34b、34c内に
吸引されたノズル排出インクを吸引用チューブ49a、
49b、49cを介してインク排出用チューブ44へと
排出した後、ステップS32で吸引ポンプ37の動作を
停止し、ステップS33で吸引回復動作を終了する。
【0043】(実施例4)図13は本発明の実施例4を
示す図である。図13に示すように、記録ヘッドのノズ
ル領域に対応させて、吸引回復手段の吸引領域を複数領
域に分割して構成し、各吸引領域毎に吸引時間を切り換
えるように、記録ヘッド1の各記録ノズルからの排出イ
ンク量の大小差のバラツキを低減化し、記録ヘッド1の
吸引回復動作時の総ノズル排出インク量Qを低減化する
ようにしている。
【0044】つまり、マルチノズルの記録ヘッド1に対
して共通液室8へ連結したインク供給路41とのコネク
タ部9に距離的に近い領域の方が記録インクが流れ易
く、吸引回復動作時のノズル排出インク量がこのコネク
タ部9に近い領域の記録ノズル領域で過剰になってしま
う事から、吸引キャップ42が記録ヘッド1の吐出口面
11の記録ノズルの外側領域に当接する際に、記録ヘッ
ド1の記録ノズル領域を、共通液室8のコネクタ部9に
距離的に近いノズル領域bと、コネクタ部9から距離的
に離れたノズル領域a、cとに分割するように、吸引キ
ャップ42を構成し、吸引領域をa、b、cに仕切るよ
うにしている。
【0045】そして、吸引キャップ42内には吸引領域
a、b、cに対応してインク吸収体34a、34b、3
4cが、仕切り壁48a、48bを介して設けられてお
り、吸引回復動作時に記録ヘッド1の各記録ノズル5か
ら吸引排出されたインクはインク吸収体34a、34
b、34cに一度吸収された後、吸引キャップ42内に
設けた吸引口52a、52b、52cからバルブ51
a、51b、51cを有する吸引用チューブ49a、4
9b、49cを通過して、インク排出チューブ44へと
排出する。ここで53は吸引用チューブ49a、49
b、49cとインク排出チューブ44を連結するチュー
ブコネクタである。
【0046】そして、その吸引キャップ42による吸引
回復動作の際に、吸引キャップ42を記録ヘッド1の吐
出口面に当接させ、記録ヘッド1の記録ノズル領域に対
応させて吸引キャップ42による吸引回復領域を複数に
分割し、吸引回復動作切り換え手段としてのバルブ51
a、51b、51cの開閉を制御し、共通液室8のイン
ク供給路41とのコネクタ部9に近く、ノズルから記録
インクが排出され易いノズル領域bの吸引排出時間tb
を短くしてノズル領域bでの記録ノズルからの吸引排出
インク量が過剰になる前にノズル領域bの吸引回復動作
を停止し、また、図14に示すように、コネクタ部9か
ら離れた、ノズルから記録インクが排出され難いノズル
領域a、cの吸引排出時間ta、tcを長くしてノズル
領域a、cの吸引排出時間ta、tcを長くして、ノズ
ル領域a、cの記録ノズルからの吸引排出動作を行うこ
とにより、図15に示すように、各記録ノズル領域での
ノズル排出インク量の大小差Δq=qbmax−qam
inを低減化し、結果的に吸引回復動作時の総ノズル排
出インク量Qを必要以上に無駄に増やさずにすむように
することができる上に、高い吐出回復性能も維持できる
インクジェット記録装置を提供することができるように
なる。
【0047】図16は本実施例のインクジェット記録装
置の吸引回復動作を説明するためのフローチャート図で
ある。ステップS41で図示していない制御手段から、
吸引回復動作信号が発生されると、吸引キャップ42に
よる吸引回復動作が開始され、ステップS42で吸引用
チューブ49a、49b、49cに設けたバルブ51
a、51b、51cが開放された後、ステップS43で
図示していない駆動手段により吸引キャップ42が記録
ヘッド1の吐出口面に当接され、吸引キャップ42に設
けられたキャップ用シールゴム43により、記録ヘッド
1のノズルを含む吐出口面が密閉される。そして、ステ
ップS44で吸引ポンプ37が駆動され、吸引キャップ
42のキャップ用シールゴム43と記録ヘッド1の吐出
口面との間の密閉空間内を大気圧以下の負圧状態にし、
記録ヘッド1の各ノズルからの記録インクの吸引排出が
開始される。
【0048】そして、ステップS45で吸引ポンプ37
による吸引回復動作時間tが判断され、吸引回復動作時
間tがあらかじめ設定しておいた吸引回復動作終了時間
tbに達すると、ステップS46で記録ヘッド1のノズ
ルからインクが吸引排出され易い、共通液室8のインク
供給路41とのコネクタ部9に距離的に近い記録ノズル
領域bに対応する吸引領域のバルブ51bが閉じられ
て、この記録ノズル領域bの記録ノズルからの吸引排出
動作を停止する。その後、ステップS47で吸引ポンプ
37による吸引回復動作時間tが判断され、吸引回復動
作時間tがあらかじめ設定しておいた吸引回復動作終了
時間tcに達すると、ステップS48で、記録ヘッド1
の記録ノズル領域bの次にノズルからインクが吸引排出
され易い記録ノズル領域cに対応する吸引領域のバルブ
51cが閉じられ、この記録ノズル領域cの記録ノズル
からのインクの吸引排出動作が停止される。
【0049】続けて、ステップS49で再度吸引ポンプ
37による吸引回復動作時間tが判断され、吸引回復動
作時間tがあらかじめ設定しておいた吸引回復動作終了
時間tcになると、ステップS50で記録ヘッド1の記
録ノズル領域で、最もノズルからインクが吸引排出され
難い記録ノズル領域aに対応する吸引領域のバルブ51
aが閉じられ、記録ヘッド1の各ノズルからの記録イン
クの吸引排出動作が停止される。その後、ステップS5
1で図示していない駆動手段により、吸引キャップ42
が記録ヘッド1から解除された後、あらかじめ設定した
時間だけ吸引ポンプ37が駆動されて、インク吸引体3
4a、34b、34c内に吸引されたノズル排出インク
を吸引用チューブ49a、49b、49cを介してイン
ク排出用チューブ44へと排出した後、ステップS52
で吸引ポンプ37の動作を停止し、ステップS53で吸
引回復動作を終了する。ここで、本実施例においては吸
引キャップ42の吸引の吸引回復領域を3分割にした例
で説明しているが、記録ヘッドのノズル数、インク供給
路とのコネクタ部の構成、共通液室の構成により最適と
なるように吸引回復領域の分割の仕方、吸引回復動作時
間の設定を決めればよい。
【0050】(実施例5)図17は本発明のインクジェ
ット記録装置の実施例5を説明するためのモデル図であ
る。本実施例においては、記録ヘッド1のノズル領域に
対応させて、吸引キャップ42の吸引領域を複数に分割
して構成し、各吸引領域毎に吸引時間を切り換える際
に、吸引キャップ42の吸引用チューブ49a、49
b、49c経路途中に、バルブの代わりに可撓チューブ
54a、54b、54cと押しつけコロ55a、55
b、55cを設けるようにしている。そして吸引キャッ
プ42の吸引領域毎の吸引動作停止切り換え時にソレノ
イド等の図示していない駆動手段により押しつけコロ5
5を、図中矢印M方向に移動させて、可撓チューブ54
を押し当て部材56と押しつけコロ55で押しつぶす構
成をとっている。そして、本実施例のように吸引キャッ
プ42による吸引回復動作の吸引領域毎の切り換え押し
つけコロ55と可撓チューブ54を用いる事により、よ
り安価で構成も簡略に吸引キャップ42を構成する事が
可能となる。
【0051】(実施例6)図18は本発明のインクジェ
ット記録装置の実施例6を説明するためのモデル図であ
る。本実施例においては、記録ヘッド1のノズル領域に
対応させて、吸引キャップ42の吸引領域を複数に分割
して構成し、各吸引領域毎に吸引回復動作時間を切り換
える際に、吸引キャップ42の吸引用チューブ経路途中
にバルブを設ける際に、共通液室8のインク供給路41
とのコネクタ部9に近く、ノズルから記録インクが排出
され易いノズル領域bの吸引領域の吸引用チューブ経路
途中にバルブ51bを設けるようにしている。
【0052】そして、本実施例のように、吸引キャップ
42の吸引領域毎に吸引動作時間tを切り換えるため
に、吸引領域に応じてバルブを設ける事により、バルブ
の数を削減でき、構成も小型化、簡略化され、安価に吸
引キャップ42を構成できるようになる。
【0053】図19は本実施例のインクジェット記録装
置の吸引回復動作を説明するためのフローチャート図
で、ステップS61で図示していない制御手段からの吸
引回復動作信号が発生されると、吸引キャップ42によ
る吸引回復動作が開始され、ステップS62で吸引チュ
ーブ49bに設けたバルブ51bが開放された後、ステ
ップS63で図示していない駆動手段により吸引キャッ
プ42が記録ヘッド1の吐出口面に当接され、吸引キャ
ップ42に設けたキャップ用シールゴム43により、記
録ヘッド1のノズルを含む吐出口面が密閉される。その
後ステップS64で吸引ポンプ37が駆動され、吸引キ
ャップ42のキャップ用シールゴム43と記録ヘッド1
の吐出口面との間の密閉空間内を大気圧以下の負圧状態
にし、記録ヘッド1の各ノズルからの記録インクの吸引
排出が開始される。
【0054】そして、ステップS65で吸引ポンプ37
による吸引回復動作時間tが判断され、吸引回復動作時
間tがあらかじめ設定しておいた吸引回復動作終了時間
tbに達すると、ステップS66で記録ヘッド1のノズ
ルからインクが吸引排出され易い共通液室8とインク供
給路41とのコネクタ部9に距離的に近い記録ノズル領
域bのバルブ51bが閉じられ、記録ノズルからの吸引
排出動作を停止する。その後、ステップS67で再び吸
引ポンプ37による吸引回復動作時間tが判断され、吸
引回復時間tがあらかじめ設定しておいた吸引回復動作
終了時間ta、tcに達するとステップS68で図示し
ていない駆動手段により吸引キャップ42が記録ヘッド
1から解除れた後、あらかじめ設定された時間だけ吸引
ポンプ37が駆動されてインク吸収体34a、34b、
34c内に吸収されたノズル排出インクを吸引用チュー
ブ49a、49b、49cを介してインク排出用チュー
ブ44へと排出した後、ステップS69で吸引ポンプ3
7の動作を停止し、ステップS70で吸引回復動作を終
了する。
【0055】(実施例7)図20は本発明の実施例7を
示す図である。図20に示すように、記録ヘッドのノズ
ル領域に対応させて、吸引回復手段の吸引領域を複数領
域に分割して構成し、各吸引領域毎に吸引圧を切り換え
るように、記録ヘッド1の各記録ノズルからの排出イン
ク量の大小差のバラツキを低減化し、記録ヘッド1の吸
引回復動作時の総ノズル排出インク量Qを低減化するよ
うにしている。
【0056】マルチノズルの記録ヘッド1に対して共通
液室8へ連結したインク供給路41が図20のように配
置されている場合、前述したように共通液室8内のイン
ク供給路41とのコネクタ部9に距離的に近い領域の方
が記録インクが流れ易く、吸引回復動作時のノズル排出
インク量がこのコネクタ部9に近い領域の記録ノズル領
域で過剰になってしまう事から、図21に示すように、
吸引キャップ42が記録ヘッド1の吐出口面11の記録
ノズルの外側領域に当接する際に、記録ヘッド1の記録
ノズル領域を、共通液室8のコネクタ部9に距離的に近
いノズル領域bと、コネクタ部9から距離的に離れたノ
ズル領域a、cとに分割する様に、キャップ様シールゴ
ム43aに仕切り部50a、50bを設けて吸引キャッ
プ42のキャップ用シールゴム43aを構成し、吸引領
域をa、b、cに仕切るようにしている。
【0057】そして、吸引キャップ42内には吸引領域
a、b、cに対応して気孔径或いは気孔率の少なくとも
一方が異なるインク吸収体34a、34b、34cが、
吸引領域a、b、c間の吸引圧の密閉性を確保するため
に設けた連通孔49a、49bを有する仕切り壁48
a、48bを介して設けられており、吸引回復動作時に
記録ヘッド1の各記録ノズル5から吸引排出されたイン
クはインク吸収体34a、34b、34cに一度吸収さ
れた後、矢印La、Lb、Lcに示すように仕切り壁4
8a、48bの連通孔49a、49bを通過してインク
排出チューブ44へと排出される。
【0058】ここで、上述したように吸引領域a、b、
cのインク吸収体34a、34b、34cの気孔径、気
孔率を異ならせる際、共通液室8とインク供給路41と
のコネクタ部9に近いノズル領域bのインク吸収体34
bの気孔径φb、気孔率Vbをコネクタ部9から離れた
ノズル領域a、bのインク吸収体34a、34bの気孔
径φa、φc、気孔率Va、Vcに対してφb<φa、
φc、もしくは、Vb<Va、Vcとなるように構成
し、図22に示すように、吸引回復動作時に各記録ノズ
ルに加えられるノズル吸引圧をノズル領域bよりもノズ
ル領域a、cの方がノズル吸引圧が低くなるようにして
いる。(Pb>Pa、Pc)
【0059】そして、このように吸引キャップ42が記
録ヘッド1の吐出口面に接続した際に記録ヘッド1のノ
ズル領域に対応させて、キャップ用シールゴム43aに
より密閉領域a、b、cを形成し、吸引キャップ42に
よる吸引回復領域を複数に分割して、共通液室8のイン
ク供給路41とのコネクタ部9に近く、ノズルから記録
インクが排出され易いノズル領域bの吸引圧Pbを高く
し、また、コネクタ部9から離れた、ノズルから記録イ
ンクが排出され難いノズル領域a、cの吸引圧Pa、P
cを低くする事により、図23に示すように、各記録ノ
ズル領域でのノズル排出インク量の大小差Δq=qbm
ax−qaminを低減化し、結果的に吸引回復動作時
の総ノズル排出インク量Qを必要以上に無駄に増やさず
にすむようにする事ができる上に、高い吐出回復性能を
維持できるインクジェット記録装置を提供することがで
きるようになる。
【0060】(実施例8)図24は本発明のインクジェ
ット記録装置における吸引回復手段の実施例8を示すモ
デル図である。本実施例では、吸引キャップ42が記録
ヘッド1の吐出口面11の記録ノズルの外側領域に当接
し、吸引回復動作を行った際に、記録ヘッド1の共通液
室8のコネクタ部9に近い記録ノズル領域bと、コネク
タ部9から離れた記録ノズル領域a、cの各吸引領域の
吸引圧差をより実現し易くするために、吸引キャップ4
2のキャップ用シールゴム43bの開口面積Sを吸引領
域a、b、cに応じて異ならせるようにしている。
【0061】つまり、図25に示したように、吸引キャ
ップ42のキャップ用シールゴム43bが記録ヘッド1
の吐出口面11に当接した際に、記録ヘッド1の共通液
室8のコネクタ部9に近い記録ノズル領域bのキャップ
用シールゴム43bと記録ヘッド1の吐出口面11の間
に形成される密閉空間の断面積Sbを、コネクタ部9か
ら離れた記録ノズル領域a、cでキャップ用シールゴム
43bと記録ヘッド1の吐出口面11の間に形成される
密閉空間の断面積Sa、Scよりも大きくなるようにキ
ャップ用シールゴム43bを構成している。(Sb>S
a、Sc)
【0062】そして、記録ヘッド1のコネクタ部9から
離れた記録ノズル領域a、cでの密閉空間の断面積S
a、Scをコネクタ部9に近い記録ノズル領域bでの密
閉空間での断面積Sbよりも小さくする事により、図2
6に示すように、吸引キャップ42内に設けるインク吸
収体34を同一材質の一体部材で構成しても、吸引回復
動作の際に記録ヘッド1の記録ノズル領域a、cの記録
ノズルに対して加えられる吸引圧Pa、Pcを記録ノズ
ル領域bの記録ノズルに対して加えられる吸引圧Pbよ
り高くする事ができるようになり、吸引キャップ42の
構成をより簡略化する事が可能となる。
【0063】(実施例9)図27は本発明のインクジェ
ット記録装置における吸引回復手段の実施例9を示すモ
デル図である。本実施例では、吸引キャップ42が記録
ヘッド1の吐出口面11の記録ノズルの外側領域に当接
し、吸引回復動作を行った際に、記録ヘッド1の共通液
室8のコネクタ部9に近い記録ノズル領域bと、コネク
タ部9から離れた記録ノズル領域a、cの各吸引領域の
吸引圧差をより確実に実現するために、吸引キャップ4
2内に設けるインク吸収体34a、34b、34cの体
積を吸引領域a、cに応じて異ならせるようにしてい
る。
【0064】そして、記録ヘッド1のコネクタ部9から
離れた記録ノズル領域a、cのインク吸収体34a、3
4cの体積Va、Vcをコネクタ部9に近い記録ノズル
領域bでのインク吸収体34bの体積Vbよりも小さく
する事により、吸引キャップ42内に設けるインク吸収
体34a、34b、34cを同一材質の多孔質体で構成
できる上に、各吸引領域の吸引圧差をより実現し易くな
る。また、加えて、本実施例においては、吸引領域a、
b、cでの圧力リークをできるだけ軽減し、各領域での
吸引圧差をより確実にするために、吸引キャップ42内
にインク吸収体34a、34b、34cを保持し、吸引
領域a、b、cを分割するための仕切り壁48a、48
bを有する底上げ部材53を吸引キャップ42内の底部
に設けるようにしている。そして、このように吸引キャ
ップ42の底部に底上げ部材53を設ける事により、イ
ンク吸引体34a、34b、34cの体積の管理が精度
よくできるようになり、各吸引領域での吸引圧のバラツ
キの低減化の精度をより高くする事ができるようにな
り、吸引回復動作時に記録ヘッド1の各記録ノズル5か
ら吸引排出される総インク量Qのバラツキを低減化する
事ができる。
【0065】そして、この吸引回復動作時に記録ヘッド
1の各記録ノズルから吸引排出されたインクはインク吸
収体34a、34b、34cに一度吸収された後、底上
げ部材53に設けた排出口51から排出路52を通過し
て、インク排出チューブ44へと排出される。さらに、
本実施例においては、吸引領域a、b、cの吸引圧力差
をより確実にするために、吸引キャップ42が記録ヘッ
ド1の吐出口面11に当接した際の吸引領域a、b、c
のインク吸収体34a、34b、34cの上面の高さを
異なるように構成している。
【0066】そして、コネクタ部9から離れた記録ノズ
ル領域a、cの吸引領域のインク吸引体34a、34c
と記録ヘッド1の吐出口面11までの距離ta、tc
を、コネクタ部9に近い記録ノズル領域bの吸引領域の
インク吸収体34bと記録ヘッド1の吐出口面11まで
の距離tbよりも小さくなるように、インク吸収体34
a、cの上面の高さを高くし、吸引領域a、cでのイン
ク吸収体34a、34cと記録ヘッド1の吐出口面11
との間の密閉空間の体積Wa、Wcをコネクタ部9に近
い記録ノズル領域bの密閉空間の体積Wbよりも小さく
する事により、吸引領域a、cでの吸引圧Pa、Pcを
吸引領域bでの吸引圧Pbよりもより高くする事ができ
るようになる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクを吐出するための複数の記録ノズルを有し、記録
媒体に対してインクを吐出して記録を行うマルチノズル
インクジェット記録ヘッドと、記録ヘッド上に設けら
れ、記録ヘッドの各ノズルに連通した共通液室と、記録
インクを充填したインクタンクと共通液室を連結して記
録インクを供給するインク供給ユニットと、この記録ヘ
ッドの吐出口面に対して当接、解除可能で、当接時は記
録ヘッドの吐出口面の吐出口の外側領域部で当接して密
閉空間を形成し、吸引ポンプにより記録ヘッドの吐出口
内の記録インクを吸引排出可能な吸引回復手段を設け、
記録ヘッドのノズル領域に対応させて吸引回復手段の吸
引領域を複数領域に分割して構成し、吸引回復手段の各
吸引領域と吸引ポンプの間のインク排出経路中に圧力室
と吸引動作切り換え手段としての開閉可能なバルブを設
け、各吸引領域の吸引回復動作時に吸引ポンプの動作時
間とバルブの開閉動作を制御して、各吸引領域の吸引回
復動作時のノズル吸引圧差の大小をより安定に大きく確
保することにより、記録ヘッドの各ノズル間のノズル排
出インク量の大小差のバラツキをより低減化することに
より、記録ヘッドの吸引回復動作時にマルチノズルの各
ノズルから吸引排出される総インク量を低減でき、廃イ
ンク回収用の廃インクタンクの容積の小型化が可能とな
り、小型化、低価格化、低ランニングコスト化が達成で
きるように、記録ヘッドの各ノズルに対する高い吐出回
復性能も達成できるインクジェット記録装置が得られ
る。
【0068】また、本発明によれば、インクを吐出する
ための複数の記録ノズルを有し、被記録媒体に対してイ
ンクを吐出して記録を行うマルチノズルインクジェット
記録ヘッドと、記録ヘッド上に設けられ、記録ヘッドの
各ノズルに連通した共通液室と、記録インクを充填した
インクタンクと共通液室を連結して記録インクを供給す
るインク供給ユニットと、この記録ヘッドの吐出口面に
対して当接、解除可能な吸引回復手段を設けたインクジ
ェット記録装置において、記録ヘッドのノズル領域に対
応させて吸引回復手段の吸引領域を複数領域に分割し、
各吸引領域の吸引時間を変化させるようにする事によ
り、記録ヘッドの吸引回復動作時にマルチノズルの各ノ
ズルから吸引排出される総インク量を低減でき、廃イン
ク回収用の廃インクタンクの容積の小型化が可能とな
り、小型化、低価格化、低ランニングコスト化が達成で
きる上に、記録ヘッドの各ノズルに対する高い吐出回復
性能も達成できるインクジェット記録装置が得られる。
【0069】さらにまた、本発明によれば、インクを吐
出するための複数の記録ノズルを有し、被記録媒体に対
してインクを吐出して記録を行うマルチノズルインクジ
ェット記録ヘッドと、記録ヘッド上に設けられ、記録ヘ
ッドの各ノズルに連通した共通液室と、記録インクを充
填したインクタンクと共通液室を連結して記録インクを
供給するインク供給ユニットと、この記録ヘッドの吐出
口面に対して当接、解除可能な吸引回復手段を設けたイ
ンクジェット記録装置において、記録ヘッドのノズル領
域に対応させて吸引回復手段の吸引領域を複数領域に分
割し、各吸引領域の吸引圧を変化させるようにする事に
より、記録ヘッドの吸引回復動作時にマルチノズルの各
ノズルから吸引排出される総インク量を低減でき、廃イ
ンク回収用の廃インクタンクの容積の小型化が可能とな
り、小型化、低価格化、低ランニングコスト化が達成で
きる上に、記録ヘッドの各ノズルに対する高い吐出回復
性能も達成できるインクジェット記録装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のインクジェット記録装置の各
実施例の構成を示した機械的斜視図である。
【図2】図2は、実施例1を用いたインクジェット記録
装置の模式的側面図である。
【図3】図3は、実施例1での吸引ポンプの動作時間と
圧力室内負圧の関係を示した線図である。
【図4】図4は、実施例1でのノズル吸引圧分布を示し
た線図である。
【図5】図5は、実施例1でのノズル排出インク量分布
を示した線図である。
【図6】図6は、実施例1の動作を説明するためのフロ
ーチャート図である。
【図7】図7は、本発明のインクジェット記録装置の実
施例2を示した模式的側面図である。
【図8】図8は、吸引キャップのシールゴムの形状を示
した上視図である。
【図9】図9は、本発明のインクジェット記録装置の実
施例3を示した模式的側面図である。
【図10】図10は、実施例3での吸引ポンプの動作時
間と圧力室内負圧の関係を示した線図である。
【図11】図11は、実施例3でのノズル吸引圧分布を
示した線図である。
【図12】図12は、本発明の実施例3の動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図13】図13は、実施例4を用いたインクジェット
記録装置の模式的側面図である。
【図14】図14は、実施例4でのノズル吸引圧分布を
示した線図である。
【図15】図15は、実施例4でのノズル排出インク量
分布を示した線図である。
【図16】図16は、実施例4の動作を説明するための
フローチャート図である。
【図17】図17は本発明のインクジェット記録装置の
実施例5を説明するためのモデル図である。
【図18】図18は本発明のインクジェット記録装置の
実施例6を説明するためのモデル図である。
【図19】図19は本実施例のインクジェット記録装置
の吸引回復動作を説明するためのフローチャート図であ
る。
【図20】図20は本発明のインクジェット記録装置の
実施例7を示す図である。
【図21】図21は、吸引キャップのシールゴムの形状
を示した上視図である。
【図22】図22は、実施例7でのノズル吸引圧分布を
示した線図である。
【図23】図23は、実施例7でのノズル排出インク量
分布を示した線図である。
【図24】図24は本発明のインクジェット記録装置に
おける吸引回復手段の実施例8を示すモデル図である。
【図25】図25はキャップ用シールゴムを示す図であ
る。
【図26】図26は吸引キャップを示す図である。
【図27】図27はは本発明のインクジェット記録装置
における吸引回復手段の実施例9を示すモデル図であ
る。
【図28】図28は、従来技術によるインクジェット記
録ヘッドの模式的斜視図である。
【図29】図29は、従来技術によるインクジェット記
録装置の模式的側面図である。
【図30】図30は、従来のインクジェット記録装置の
問題点を説明するための線図である。
【図31】図31は、従来のインクジェット記録装置の
吸引回復手段を説明するための模式側面図である。
【図32】図32は、従来のインクジェット記録装置の
吸引回復手段の問題点を説明するための線図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 基板 3 電気熱変換体 4 電極 5 ノズル 6 天板 8 共通液室 9 コネクタ 10 液路 11 吐出口面 12 インク 13 吐出口 14 記録インク滴 15 実装基板 21 キャリッジ 22 キャッピング手段 23 プラテンロール 24a、24b ガイドレール 26 モータ 27 軸 28a、28b プーリ 29 ベルト 19、19B、19C、19M、19Y インクタ
ンク 20、20a、20b、20B、20C、20M、20
Y インク供給パイプ 32 インク吸収体 33 インクカートリッジ 34 インク吸収体 35 廃インクタンク 37 吸引ポンプ 40 インク供給ユニット 41 インク供給路 42 吸引キャップ 43 キャップ用シールゴム 44 インク排出用チューブ 46 フィルタユニット 48 仕切壁 49 吸引用チューブ 50 仕切部 51 バルブ 52 吸引口 53 チューブコネクタ 54 圧力室 55 圧力室部材 56 押し当て部材

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数の吐出口を覆うた
    めのキャップと、該キャップが前記複数の吐出口を覆っ
    ているときに前記複数の吐出口から吸引を行うための吸
    引ポンプと、を有し、前記キャップ内部が複数の領域に
    分割され、該複数の吸引領域と前記吸引ポンプとをつな
    ぐ複数の吸引路に該吸引路の開閉を行うための弁が少な
    くとも1つ配されていることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引ポンプによる吸引回復動作時
    に、前記弁の開閉を制御して前記複数の吸引領域の吸引
    条件を制御することを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記吸引ポンプによる吸引回復動作の吸
    引条件は吸引圧であることを特徴とする請求項2記載の
    インクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記吸引圧に対応する時間で前記弁の開
    閉を制御することを特徴とする請求項3記載のインクジ
    ェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記吸引回復手段の複数の吸引領域は、
    記録ヘッドの各ノズルとインク供給路とのコネクタ部と
    の距離に応じて分割することを特徴とする請求項1およ
    び2記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 記録ヘッドの吐出口に当接、解除可能な
    キャップシールが配されており、該キャップシールは前
    記複数の領域を仕切る仕切壁を有することを特徴とする
    請求項1記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記吸引路に圧力室がさらに配されてい
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つの圧力室を制御するよう
    に圧力室に対する経路の上流および下流に各々1つの弁
    を設けたことを特徴とする請求項7記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  9. 【請求項9】 インクを吐出する複数の吐出口を覆うた
    めのキャップと、該キャップが前記複数の吐出口を覆っ
    ているときに前記複数の吐出口から吸引を行うための吸
    引ポンプと、を有し、前記キャップ内部が複数の領域に
    分割され、該複数の吸引領域は吸引回復時間が異なる対
    を含むことを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の吸引領域は、記録ヘッドの
    各ノズルとインク供給路とのコネクタ部との距離に応じ
    て分割することを特徴とする請求項9記載のインクジェ
    ット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の吸引領域に吸引回復動作を
    切り換える切換手段を設け、該切換手段の開閉を制御す
    ることにより、前記複数の吸引領域の吸引回復動作時間
    を制御することを特徴とする請求項9または10記載の
    インクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記切換手段は弁、または可撓チュー
    ブと該可撓チューブを押すコロであることを特徴とする
    請求項11記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 インクを吐出する複数の吐出口を覆う
    ためのキャップと、該キャップが前記複数の吐出口を覆
    っているときに前記複数の吐出口から吸引を行うための
    吸引ポンプと、を有し、前記キャップ内部が複数の領域
    に分割されていることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  14. 【請求項14】 前記複数の吸引領域で、吸引回復動作
    時の吸引圧を異ならせる事を特徴とする請求項13記載
    のインクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 前記吸引圧を異ならせることは前記複
    数のの吐出口に当接するキャップのシールの開口の大き
    さを異ならせることによって行われることを特徴とする
    請求項14記載のインクジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 前記吸引圧を異ならせることは前記複
    数のの吐出口に当接するキャップのシール内の吸収体の
    体積を異ならせることによって行われることを特徴とす
    る請求項14記載のインクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 前記複数の吸引領域は、記録ヘッドの
    各ノズルとインク供給路とのコネクタ部との距離に応じ
    て分割することを特徴とする請求項13または14記載
    のインクジェット記録装置。
  18. 【請求項18】 前記複数の吸引領域に分割された前記
    キャップは、1つの吸引キャップユニットで構成され、
    複数の吸引領域に応じて、吸引キャップユニット内に設
    けるインク吸収体の気孔径或いは気孔率の少なくとも一
    方が異なることを特徴とする請求項13または14記載
    のインクジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 前記吸引キャップユニットには、記録
    ヘッドとの当接用のキャップ用シールゴムを設け、この
    キャップ用シールゴムに前記複数の吸引領域に応じた仕
    切り部を設けることを特徴とする請求項13または14
    記載のインクジェット記録装置。
JP27051497A 1997-09-17 1997-09-17 インクジェット記録装置 Pending JPH1191140A (ja)

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