JP2006192826A - 液体噴射装置におけるクリーニング方法および液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体21によりノズル55を封止する封止ステップと、本体の下側の吸引口92を通じて本体21内を吸引して負圧状態にして、ヘッド5の下側に位置するノズルの負圧とヘッド5の上側に位置するノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、ノズルから液体を吸引する第1吸引ステップと、さらに本体21内を吸引して負圧状態にして、ヘッド5の下側に位置するノズルの負圧とヘッド5の上側に位置するノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、ノズルから液体を吸引する第2吸引ステップと、を有している。
【選択図】図11
Description
図13は、従来の傾斜したヘッド1050と傾斜したキャップ1060を示している。このキャップ1060は、ヘッド1050のノズルプレート面1000を封止した状態である。キャップ1060の中には吸収材1025が収容されている。キャップ1060は、その下部に1つのインク吸引口1001を有しているだけである。このインク吸引口1001は、吸引ポンプに対して接続されている。
この状態では、下部1052のノズル1020近くの圧力が、空気層1071の圧力よりも低くなる。すなわち上部1051側のノズル1020に加わる吸引圧よりも下部1052側のノズル1020に加わる吸引圧の方が大きくなる。
この理由としては、吸収材1025内をインクが流れる場合に、インクの流体抵抗が発生するので、インク吸引口1001からの距離が下部1052側のノズル1020よりも空気層1071が遠く、空気層1071内にある上部1051側のノズル1020よりも、下部1052側のノズル1020の圧力が低くなるからである。
上部1051側のノズル1020と下部1052側のノズル1020が水平でないために、通常下部1052側のノズル1020の方が、上部1051側のノズル1020に比べて吸引圧力が高く、言い換えれば下部1052側のノズル1020側の方が低い吸引圧でもノズルからインクが出てくることになる。
このことから、ヘッド1050の上部1051側のノズル1020には空気が入ってしまい、この後キャップ1060を取り除いてヘッド1050が各ノズル1020からインクを吐出する場合に、たとえば上部1051側の数個のノズル1020からは空気が出てしまい、インクが適切に吐出されない、いわゆるドット抜けの現象を発生しやすいという問題がある。
本発明の構成によれば、封止ステップでは本体によりノズルを封止する。第1吸引ステップでは、本体の下側の吸引口を通じて本体内を吸引して負圧状態にして、ヘッドの下側に位置するノズルの負圧とヘッドの上側に位置するノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、ノズルから液体を吸引する。
第2吸引ステップでは、さらに本体内を吸引して負圧状態にして、ヘッドの下側に位置するノズルの負圧とヘッドの上側に位置するノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、ノズルから液体を吸引する。
これにより、第1吸引ステップと第2吸引ステップの2つのステップに分けて液体を吸引することで、下側に位置するノズルの負圧と上側に位置するノズルの負圧との差が一定値を超えないので上側のノズルに空気が逆流して入り込む現象を防ぐことができる。このために傾斜して配置されているヘッドを吸引しても、ドット抜けを防いで良好な描画もしくは印刷を行うことができる。しかも、第1吸引ステップと第2吸引ステップに吸引動作を分けて行うことにより、第1吸引ステップ終了時において下側のノズルの負圧と上側のノズルの負圧との間の圧力差をいったん減少させてから、再び第2吸引ステップにより吸引を行えることから、上下のノズルの負圧差の大幅な拡大が防げる。
本発明の構成によれば、第1吸引ステップと第2吸引ステップの間には、待ち時間が設定されている。
この待ち時間が設定されていることにより、第1吸引ステップにおける吸引動作を一時落ち着かせて、上下のノズルの負圧差をゼロにした後に、再び第2吸引ステップを開始することができる。これにより、上下のノズル間での負圧差の拡大を防げる。
本発明の構成によれば、第1吸引ステップは、第2吸引ステップに比べて低速吸引される。
これにより、各吸引ステップの開始時の吸引速度変化が小さくなるため高速吸引となる第2吸引ステップでも上下のノズルの負圧差の拡大を防ぐことができる。
これにより、第1吸引ステップと第2吸引ステップの2つのステップに分けて液体を吸引することで、下側に位置するノズルの負圧と上側に位置するノズルの負圧との差が一定値を超えないので、上側のノズルに空気が逆流して入り込む現象を防ぐことができる。このために傾斜して配置されているヘッドを吸引しても、ドット抜けを防いで良好な描画もしくは印刷を行うことができる。しかも、第1吸引ステップと第2吸引ステップに吸引動作を分けて行うことにより、第1吸引ステップ終了時において下側のノズルの負圧と上側のノズルの負圧との間の圧力差をいったん減少させてから、再び第2吸引ステップにより吸引を行えることから、上下のノズルの負圧差の大幅な拡大が防げる。
本発明の構成によれば、本体の上側には大気開放口が設けられていて、本体の下側には吸引口を有している。
これにより、下側の吸引口を利用して、吸引手段は第1吸引ステップと第2吸引ステップを実施することができる。
図1は、本発明の液体噴射装置の好ましい実施形態を示している。
図1に示す液体噴射装置10は、たとえばいわゆるインクジェット式の大判プリンタ(Large−Format Printer)であり、インクジェット式記録装置である。
この液体噴射装置10は、本体部1、支持部2、巻き取り装置3、キャリッジ4、記録ヘッド5、プラテン6、吸着用ファン7、送りローラ8,9、操作パネル10A、そして制御部100を有している。
記録紙Mは、送りローラ8,9によりE方向に送られて巻き取り装置3により巻き取られる。たとえば送りローラ8はモータ8Aにより回転され、巻き取り装置3はモータ3Aにより回転される。
図1と図2に示すキャリッジ4は、ガイドレール4A,4Aにより主走査方向Tに走査することができる。
図2に示すようにホームポジションGにあるインク吸引装置20は、キャッピングシステムまたはキャッピング手段とも呼ぶことができる。ホームポジションGに位置決めされた記録ヘッド5のノズルプレート面61は、インク吸引装置20の本体21に対面する。この本体21は、キャップとも呼ぶことができる。ノズルプレート面61はノズル面の一例である。
この他に、図4に示すようにインク吸引装置20の横には、ワイピング部材400Wが設けられている。このワイピング部材400Wは、記録ヘッド5のノズルプレート面61の吸引を行った後に、ノズルプレート面61に付着したインクを払拭する。
なお、図2において紙面垂直方向は主走査方向Tであり、X方向と同じ方向である。Y方向は図2において左右方向であり水平方向である。Z方向は上下方向である。X方向,Y方向,Z方向は互いに直交している。
判りやすくするために、最も上側に位置するノズルは55Aで示し、最も下側に位置するノズルは55Bで示している。
図6に示すインク吸引装置20は、本体21、チューブ72、吸引ポンプ19、大気開放口91および廃液タンク99を有している。本体21は、ノズルプレート面61に対面しており、本体21はノズルプレート面61の各ノズルを封止することができるものである。
各インクカートリッジ50は、8つのノズル開口列に対応して接続されているが、たとえば各インクカートリッジ50は記録ヘッド5からは離れた位置に配置されている。したがって、図1に示す液体噴射装置10はいわゆるオフキャリッジ形のインクジェットプリンタである。
図7に示すように、インク吸引装置20の本体21は、金属あるいはプラスチックにより作られており、底部21Aと4つの側面部21Bを有している。本体21の上部には、開口部21Cが形成されている。この開口部21Cの大きさは、ノズルプレート面61の大きさよりやや小さくなっていて、図8に示すようにノズルプレート面61の全てのノズル55を囲うようにして封止することができる。
チューブ72の他端部は、吸引ポンプ19に接続されている。
吸引手段400は、本体21に対して接続されているのであるが、吸引手段400は、上述したチューブ72、吸引ポンプ19を有している。
図7に示すように、本体21がノズルプレート面61から離れた状態から、図8に示すように本体21がノズルプレート面61に密着する。この場合に、本体21は弾性変形可能な密着部材29を有していることから、この密着部材29はノズルプレート面61の各ノズル55を封止することができる。この時には大気開放バルブ605は閉じている。
図11(A)は、時間の経過に対する負圧の変化例を示している。縦軸の負圧は、本体21内の負圧の値である。図11(A)において、負圧ラインL1と負圧ラインL2は、図10に示すように封止状態において、吸引ポンプ19が本体21内を吸引するための吸引時の負圧設定ラインである。負圧ラインL1と負圧ラインL2の間には待ち時間(ウェイト時間)TWが設けられている。これらの負圧ラインL1,L2と待ち時間TWは、制御部100が吸引ポンプ19の動作の制御をすることで実施する。このため、制御部100は、吸引ポンプ19のソフトウェアを有している。
負圧ラインL1と負圧ラインL2は、同じ傾きの吸引による負圧設定ラインであるが、負圧ラインL1は第1吸引ステップST1であり、負圧ラインL2は第2吸引ステップST2である。
負圧ラインL1は、第1吸引ステップST1において、下側のノズル55Bの負圧曲線L3における負圧の値と、上側のノズル55Aの負圧曲線L4における負圧の値の差が一定値を超えないように設定されている。同様にして負圧ラインL2は、第2吸引ステップST2において、下側のノズル55Bの負圧曲線L3における負圧の値と、上側のノズル55Aの負圧曲線L4における負圧の値の差が一定値を超えないように設定されている。
従来では、負圧の差V2は、上下負圧差の一定レベルCVを超えてしまっている。これに対して、本発明の実施形態における負圧の差V1は、上下負圧差の一定レベルCVを超えないようにして、図11(A)における負圧ラインL1と負圧ラインL2が設定されている。
また、待ち時間TWが第1吸引ステップST1と第2吸引ステップST2の間に設けられることにより、第1吸引ステップST1で一旦、一定の負圧で吸引した後に、さらに第2吸引ステップST2により本体内を負圧にして確実にインクを吸引することができる。このように、待ち時間TWを設ければ、上下のノズルの負圧差をゼロに戻すことができ、第2吸引ステップST2では再び圧力差がゼロからスタートできる。
図12(A)では、負圧ラインL1と負圧ラインL2を示している。第1吸引ステップST1では負圧ラインL1により負圧の設定を行い、負圧ラインL2では、第2吸引ステップST2において負圧の設定を行っている。負圧ラインL2の傾きは、負圧ラインL1の傾きに比べて大きく設定されている。すなわち負圧ラインL2に示すように、第1吸引ステップST1では、第2吸引ステップST2に比べてより低速で吸引するようにしている。
したがって、第1吸引ステップST1は、低速吸引ステップとも呼び、第2吸引ステップST2は高速吸引ステップとも呼ぶことができる。
図8において、本体21によるノズルからのインクの吸引を終了したら、吸引ポンプ19を停止して、大気開放口側の大気開放バルブ605を開ける。これにより、本体21内の負圧状態は大気圧状態に戻すことができる。
メディアMとして紙の例を挙げているがこれに限らず、紙以外の種類の記録媒体であっても勿論構わない。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
Claims (5)
- 液体噴射装置に傾斜して配置されているヘッドのノズルからの液体を吸引する液体噴射装置におけるクリーニング方法であって、
本体により前記ノズルを封止する封止ステップと、
前記本体の下側の吸引口を通じて前記本体内を吸引して負圧状態にして、前記ヘッドの下側に位置する前記ノズルの負圧と前記ヘッドの上側に位置する前記ノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、前記ノズルから前記液体を吸引する第1吸引ステップと、
さらに前記本体内を吸引して負圧状態にして、前記ヘッドの下側に位置する前記ノズルの負圧と前記ヘッドの上側に位置する前記ノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、前記ノズルから前記液体を吸引する第2吸引ステップと、を有していることを特徴とする液体噴射装置におけるクリーニング方法。 - 前記第1吸引ステップと前記第2吸引ステップとの間には、待ち時間が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置におけるクリーニング方法。
- 前記第1吸引ステップは、前記第2吸引ステップに比べて低速吸引されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置におけるクリーニング方法。
- 傾斜して配置されているヘッドのノズルからの液体を吸引してクリーニングする液体噴射装置であって、
前記ノズルを封止するための本体と、
前記本体の下側の吸引口を通じて前記本体内を吸引して負圧状態にして前記ヘッドの下側に位置する前記ノズルの負圧と前記ヘッドの上側に位置する前記ノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、前記ノズルから前記液体を吸引する第1吸引ステップと、さらに前記本体内を吸引して負圧状態にして前記ヘッドの下側に位置する前記ノズルの負圧と前記ヘッドの上側に位置する前記ノズルの負圧との差が一定値を超えないようにして、前記ノズルから前記液体を吸引する第2吸引ステップを行うための吸引手段と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記本体の上側には大気開放口が設けられており、前記本体の下側には前記本体内を負圧状態にするために前記吸引手段に接続されている前記吸引口を有していることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
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